JP2001039801A - 高濃度農薬固形製剤 - Google Patents

高濃度農薬固形製剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高濃度の農薬有効成分を含有する懸濁液を、ゲ
ル化させることなく、低粘度で粉砕し、かつ得られた粉
砕懸濁液を練りこんで造粒することにより、水面拡展剤
の拡展性が阻害されることがなく、良好な拡展性を示す
水田投げ込み用農薬製剤を得ること。 【解決手段】分子中にエチレングリコールとプロピレン
グリコールとをブロック状に含有するポリアルキレング
リコール型非イオン界面活性剤を配合して高濃度の農薬
有効成分を含有する懸濁液を湿式粉砕し、得られた懸濁
液を練り込み造粒することにより得られる高濃度農薬固
形製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子中にエチレン
グリコールとプロピレングリコールとをブロック状に含
有するポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤
を配合して高濃度の農薬有効成分を含有する懸濁液(ス
ラリー)を湿式粉砕し、得られた懸濁液を練り込み造粒
することにより得られる高濃度農薬固形製剤、その製造
方法及び使用方法、並びに、その高濃度農薬固形製剤を
水溶性フィルム又はシートに分包とした水田投込み用農
薬製剤及びその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、農薬はその使用の便のために、種
々の剤型、例えば、粉剤、水和剤、乳剤及び粒剤に製剤
され、水面、土壌及び植物体に散布されてきた。
【0003】固体の農薬原体の粉砕は、従来、ジェット
ミルやハンマーミル等による乾式粉砕が主であったが、
最近は極めて難溶性の有効成分が多くなってきたため、
より微粉砕が要求されることが多くなってきた。しかし
ながら、従来の乾式粉砕ではこのような微粉砕に対応し
きれず、従って、最近はアトライターやビーズミル等を
用いる湿式粉砕が多く用いられるようになってきた。
【0004】農薬剤型は、近年、環境に対する配慮及び
農家の健康に対する意識の高まりから、粉立ちのある剤
型や、有機溶媒を含有する剤型が敬遠される傾向にあ
る。また、例えば、農家の高齢化、兼業化及び女性の労
働に負うところが多くなったことから、農薬散布の省力
化が要求されるようになってきた。
【0005】これらのことから、粉立ちのない散布用フ
ロアブル剤、機械を用いなくても処理できる水田用フロ
アブル剤、粒剤中の有効成分含量を高めて製剤としての
散布量を低減するいわゆる1キロ粒剤及び粉立ちの少な
い顆粒状水和剤等の剤型が多く用いられるようになって
きた。
【0006】しかし、1キロ粒剤及び水和性顆粒剤は、
従来のいわゆる3キロ粒剤に比べて、有効成分の含量が
高いため、特に有効成分を湿式で粉砕する場合には、高
濃度の有効成分を含有する懸濁液を粉砕できないと、造
粒時に練合水の量が多くなりすぎて、造粒できなくなる
という欠点がある。
【0007】更に、最近は、農薬の固形製剤を水溶性の
フィルムに分包とし、この分包を、水田に入らずに、畦
畔等から投げ込むだけで処理可能な軽量の省力農薬製剤
(すなわち、水田投げ込み用農薬製剤)が提案され(特
開平3−173802号公報)、商品化されており、こ
れらはジャンボ剤又はパック剤とも呼ばれている。
【0008】このような水田投げ込み用製剤には、例え
ば、大型の発泡錠剤をそのまま水田中に投げ込むもの
(特開平6−107503号公報)、小型の発泡錠剤
を水溶性フィルムの分包とし、これを水田に投げ込むも
の(特開平5−339106号公報)、塩化カリウム
のような水溶性のキャリヤーを水溶性のフィルム形成性
高分子とともに造粒したものに農薬有効成分を含有さ
せ、水溶性フィルムに分包とし、これを水田に投げ込む
もの(特開平5−78207号公報)、水面に浮遊拡
展するように調製した農薬固形製剤を、水溶性フィルム
に分包とし、これを水田に投げ込むもの(特開平6−3
36403号公報)及び水面拡展性を有するオイル製
剤を水溶性の容器に詰め、これを水田に投げ込むもの
(特開平5−339103号公報)が知られている。
【0009】これらの水田投げ込み用農薬製剤は、その
第一の目的が省力及び省エネルギーであり、このために
は、できるだけ高含量の製剤として、単位面積当りに投
下する製剤量及び投げ込み個数を、できるだけ減らすこ
とが必要である。また、特に、上記の水田投げ込み用
農薬製剤は、小袋に分包とする工程があるため、生産コ
ストが高くなりやすく、原価低減のためには、高含量の
製剤を作り、単位面積に処理する製剤の絶対量をできる
だけ少なくし、かつ投げ込む分包の数をできるだけ少な
くすることが必要である。このため、できるだけ高含量
の懸濁液を湿式粉砕することが必要であるが、従来知ら
れている界面活性剤を用いた湿式粉砕は、決して満足で
きる含量を粉砕できなかった。すなわち、従来、懸濁液
の湿式粉砕に用いられてきた界面活性剤を、そのまま高
濃度の農薬有効成分を含有する懸濁液の湿式粉砕に用い
ると、懸濁液が凝集し不均一が生じたり、懸濁液の粉砕
機からの排出率が下がり生産効率が低下し、スラリーの
品質が安定しなかったり、懸濁液の粘度上昇により粉砕
ができないといった弊害が生じることが懸念された。こ
のため、製剤の品質に悪影響を及ぼさずに、できるだけ
高含量の懸濁液を湿式粉砕できる方法の開発が望まれて
いた。
【0010】一方、これらの水田投げ込み用製剤は、局
所施用されるため、投げ込まれた地点から速やかに有効
成分が拡散しないと、有効成分の不均一による薬害や効
力のムラが起こり易く、また、場合によっては、有効成
分の残留による後作物への影響といった欠陥が生じやす
い。このため、水田投げ込み用農薬製剤は、水に浮く製
剤とし、適当な水面拡展剤を配合して、製剤をできるだ
け早く投下点から拡がらせる必要がある。しかし、この
目的で配合する水面拡展剤は、その他の目的で使用する
界面活性剤の影響を受けやすく、使用する界面活性剤の
種類によっては、製剤の水面における拡展性が劣化する
場合が多い。従って、使用する界面活性剤は、できるだ
けこのような拡展阻害を生じないような界面活性剤を選
択する必要がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記の
ような現状に鑑み、できるだけ高濃度の農薬有効成分を
懸濁状態で湿式粉砕することができ、しかも、特に、水
田投げ込み用農薬製剤を製造する場合に、水田に投げ込
んだ際に、製剤の水面での拡展性に悪影響を与えないよ
うな粉砕助剤を求めて鋭意検討を加えた。その結果、分
子中にエチレングリコールとプロピレングリコールとを
ブロック状に含有するポリアルキレングリコール型非イ
オン界面活性剤を、配合すること(好ましくは、少量)
により、高濃度の農薬有効成分を含有する懸濁液を、ゲ
ル化させることなく、低粘度で粉砕でき、かつ得られた
粉砕懸濁液を練りこんで造粒した水田投げ込み用農薬製
剤に含有される水面拡展剤に悪影響を及ぼさず、該水田
投げ込み用農薬製剤が良好な拡展性を示すことを見出
し、本発明を完成した。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、分子中にエチ
レングリコールとプロピレングリコールとをブロック状
に含有するポリアルキレングリコール型非イオン界面活
性剤を配合して高濃度の農薬有効成分を含有する懸濁液
を湿式粉砕し、得られた懸濁液を練り込み造粒すること
により得られる高濃度農薬固形製剤、分子中にエチレン
グリコールとプロピレングリコールとをブロック状に含
有するポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤
を配合して高濃度の農薬有効成分を含有する懸濁液を湿
式粉砕し、得られた懸濁液を練り込み造粒することから
なる、上記高濃度農薬固形製剤を製造する方法、上記高
濃度農薬固形製剤を水溶性フィルム又はシートに分包と
した水田投込み用農薬製剤、上記高濃度農薬固形製剤を
畦畔から水田中に振り込み処理する使用方法、上記高濃
度農薬固形製剤を水田の水口部から灌漑用水の流入と共
に流し込み処理する使用方法、上記水田投込み用農薬製
剤を水田の水口部から灌漑用水の流入と共に流し込み処
理する使用方法及び上記水田投込み用農薬製剤を畦畔か
ら水田中に投込み処理する使用方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、「分子中にエチ
レングリコールとプロピレングリコールとをブロック状
に含有するポリアルキレングリコール型非イオン界面活
性剤」は、例えば、高級アルコール、アルキルフェノー
ル、脂肪酸、高級脂肪族アミン又は脂肪酸アミド類が分
子内に保有する、水酸基、カルボキシル基、アミノ基又
はアミド基にエチレンオキサイド(以下、EOとする。)
及びプロピレンオキサイド(以下、POとする。)を付加
させて、これらをブロック状に含有するポリアルキレン
グリコール型非イオン界面活性剤であり、そのEO又はPO
を付加させた末端の水酸基は、水酸基のままでもよく、
適当なアルコール(当該アルコールは、例えば、炭素数
が1乃至18個の直鎖又は分岐鎖状の不飽和又は飽和脂
肪族アルコールであり得、好適には、炭素数が6乃至1
2個の直鎖又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコール又はオ
レイルアルコールである。)とエーテルを形成してもよ
く、又は、有機酸(当該有機酸は、例えば、炭素数が1
乃至18個の直鎖又は分岐鎖状の不飽和又は飽和脂肪酸
であり得、好適には、炭素数が6乃至12個の直鎖又は
分岐鎖状の飽和脂肪酸又はオレイン酸である。)若しく
は無機酸(当該無機酸は、例えば、硫酸又はリン酸であ
り得る。)とのエステルを形成していてもよい。エーテ
ル又はエステルを形成する場合、末端の水酸基が複数あ
る場合、各水酸基は任意にエーテル結合又はエステル結
合を形成してよい。また、例えば下記化合物(1)及び
(2)のように、ポリアルキレングリコールを中に挟ん
で両端にEO又はPOをブロック状に付加させた形の界面活
性剤も、本発明の分子中にエチレングリコールとプロピ
レングリコールとをブロック状に含有するポリアルキレ
ングリコール型非イオン界面活性剤に含まれる。
【0014】本発明の「分子中にエチレングリコールと
プロピレングリコールとをブロック状に含有するポリア
ルキレングリコール型非イオン界面活性剤」は、好適に
は、下記式
【0015】
【化3】 [式中、R1は、水素原子、高級アルコール残基、アル
キルフェノール残基、アリールフェノール残基、脂肪酸
残基、高級脂肪族アミン残基又は脂肪酸アミド残基を示
し、x1、x2、x3及びx4はそれぞれ独立して4以上9
00以下の整数を示し、y1、y2、y3及びy4はそれぞ
れ独立して16以上130以下の整数(好適には、16
以上70以下の整数である。)を示す。]で表される化
合物(1)〜(4)である。
【0016】本発明において、高級アルコール残基は、
炭素数が4〜18個の直鎖若しくは分岐鎖アルコール残
基であり、例えば、ブチルアルコール残基、ヘキシルア
ルコール残基、エチルヘキシルアルコール残基、ラウリ
ルアルコール残基又はオレイルアルコール残基であり
得、好適には、エチルヘキシルアルコール残基又はラウ
リルアルコール残基である。
【0017】本発明において、アルキルフェノール残基
は、同一又は異なった1〜3個の炭素数が3〜9個の直
鎖若しくは分岐鎖アルキル基が結合したフェノール残基
であり、例えば、トリブチルフェノール残基、エチルヘ
キシルフェノール残基又はノニルフェノール残基であり
得、好適には、ノニルフェノール残基である。
【0018】本発明において、アリールフェノール残基
は、1〜3個のスチリル基が結合し、更に同一又は異な
った1又は2個の炭素数が1〜4個である直鎖若しくは
分岐鎖アルキル基が結合してよいフェノール残基であ
り、例えば、モノスチリルフェノール残基、ジスチリル
フェノール残基、トリスチリルフェノール残基又はジス
チリルクレゾール残基であり得、好適には、トリスチリ
ルフェノール残基である。
【0019】本発明において、脂肪酸残基は、炭素数が
2〜18個の飽和若しくは不飽和脂肪酸残基であり、例
えば、酢酸残基、酪酸残基、ラウリン酸残基又はオレイ
ン酸残基であり得、好適には、ラウリン酸残基である。
【0020】本発明において、高級脂肪族アミン残基
は、炭素数が4〜18個の飽和若しくは不飽和脂肪族ア
ミン残基であり、例えば、ヘキシルアミン残基、エチル
ヘキシルアミン残基、ラウリルアミン残基又はオレイル
アミン残基であり得、好適には、ラウリンアミン残基又
はオレイルアミン残基である。
【0021】本発明において、脂肪酸アミド残基は、炭
素数が4〜18個の飽和若しくは不飽和脂肪酸アミド残
基であり、例えば、酪酸アミド残基、ラウリン酸アミド
残基又はオレイン酸アミド残基であり得、好適には、ラ
ウリン酸アミド残基である。
【0022】一般に、上記化合物(1)及び(2)は、
1が水素原子であるものはプルロニックタイプと呼ば
れる非イオン界面活性剤であり、また、化合物(3)及
び(4)はテトロニックタイプと呼ばれる非イオン界面
活性剤である。化合物(1)及び(2)並びに化合物
(3)及び(4)の関係は、それぞれEOと、POの付加位
置が逆になっているものである。これらの化合物は、農
薬の助剤として一般に使用されている界面活性剤であ
り、毒性が低く、薬害が生じにくく、環境への影響が少
なく、硬水やpHの影響を受けにくい等の特徴を有してい
る。
【0023】化合物(1)及び(2)において、R
1は、好適には、水素原子である。
【0024】本発明に用いられる分子中にエチレングリ
コールとプロピレングリコールとをブロック状に含有す
るポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤は、
より好適には、ポリアルキレングリコール型非イオン界
面活性剤のプロピレングリコール部分(PO付加部分)の
分子量が2000〜4000であり、かつ、プロピレン
グリコール部分(PO付加部分)の分子量に対するエチレ
ングリコール部分(EO付加部分)の分子量の割合が0.
05〜10倍であるポリアルキレングリコール型非イオ
ン界面活性剤であり、更により好適には、ポリアルキレ
ングリコール型非イオン界面活性剤のプロピレングリコ
ール部分の分子量が2500〜3500であり、プロピ
レングリコール部分の分子量に対するエチレングリコー
ル部分の分子量の割合が0.1〜4倍であり、かつ、R
1が水素原子である上記化合物(1)であり、特に好適
には、プロピレングリコール部分の分子量2700〜3
200であり、プロピレングリコール部分の分子量に対
するエチレングリコール部分の分子量の割合が0.2〜
1倍であり、かつ、R1が水素原子である上記化合物
(1)である。
【0025】なお、上記の分子量は、1つの分子の分子
量を表すだけでなく、複数の分子の平均分子量を表す場
合もある。
【0026】上記の界面活性剤は、農薬有効成分を含有
する懸濁液に添加すると、たとえ農薬有効成分の濃度が
高くなっても懸濁液の粘度が上昇せず、下記のようにか
なりの高濃度懸濁液で湿式粉砕でき、得られた懸濁液を
用いて練り込み造粒し、高含量の粒剤を製造することが
できる。また、これらの界面活性剤は、水面に浮遊拡展
する粒剤に配合しても、同時に使用される水面拡展剤の
作用を阻害する程度が少なく、水面に浮遊拡展する粒剤
や水溶性フィルムに分包とする水田投げ込み用農薬製剤
に配合できる。
【0027】本発明に用いられる分子中にエチレングリ
コールとプロピレングリコールとをブロック状に含有す
るポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤の配
合量は、農薬有効成分と界面活性剤の組み合わせにより
異なるが、湿式粉砕する懸濁液中に、通常少量であり、
好適には、0.005〜10質量%であり、より好適に
は、0.01〜3質量%であり、更により好適には、
0.05〜2質量%であり、特に好適には、0.08〜
1質量%であり、最も好適には、0.1〜0.5質量%
である。なお、10質量%より多くても本発明の効果を
有するが、経済性を考えると好ましくない。
【0028】本発明において、上記非イオン界面活性剤
は、農薬有効成分の原体とともに、更に必要であれば分
散剤、湿潤剤等の粉砕助剤とともに、水中に懸濁させ、
通常の湿式粉砕をするのと同様に粉砕することができ
る。
【0029】そのような湿式粉砕に用いられる湿式粉砕
機は、一般に農薬の湿式粉砕に使用される粉砕機であ
り、例えば、アトライターのようなアトリションミル;
アペックスミル、ダイノミル、サンドミルのような縦型
又は横型のビーズミル;ウエットアトマイザーのような
ハンマーミル;又は、コロイドミルであり得、好適に
は、アトリションミル又はビーズミルである。
【0030】本発明に用いられる農薬有効成分は、一般
に農薬として用いられ、原体が常温で固体であるもので
あれば特に制限はなく、例えば、通常の、殺虫剤、殺菌
剤、除草剤又は植物調節剤であり得(好適には、殺菌剤
又は除草剤であり、より好適には、除草剤である。)、
好適には、水に対する安定性が極端に悪くないもの、水
に対する溶解度が高くないもの又は融点が30℃より高
いものである。
【0031】本発明に用いられる殺虫剤は、例えば、ト
リクロルフォン、モノクロトホス、アセフェート、カル
ボフラン、ベンスルタップ、ブプロフェジン、メトール
カルブ、プロポクシュア、イミダクロプリド、アセタミ
プリド、ミルベメクチン、カルバリル、クロルフルアズ
ロン、ジメチルビンホス又はピリミジフェンであり得、
好適には、ブプロフェジン、イミダクロプリド、アセタ
ミプリド、ミルベメクチン又はピリミジフェンである。
【0032】本発明に用いられる殺菌剤は、例えば、フ
サライド、イプロジオン、プロベナゾール、イソプロチ
オラン、トリシクラゾール、ピロキロン、カルプロパミ
ド、オリブライト、アゾキシストロビン及び7−フルオ
ロ−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ
[3.2.1−i.j]キノリン−4−オン等のいもち
剤;ジクロメジン、フルトラニル、メプロニル、チフル
ザミド、フラメトピル、2−(4−フルオロフェニル)
−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)
−3−トリメチルシリルプロパン−2−オール、ペンシ
キュロン等のもんがれ剤;又は、テクロフタラム、ベノ
ミル、メタラキシル、マンネブ、ジネブ、チアジアジ
ン、チウラム、ポリカーバメート、キャプタン、TP
N、チオファネートメチル、ビンクロゾリン、フルアジ
ナム、PCNB、トリアジン、クロロタロニール及びカ
ルボキシン等のその他の殺菌剤であり得、好適には、フ
サライド、プロベナゾール、イソプロチオラン、カルプ
ロパミド、オリブライト、アゾキシストロビン、ジクロ
メジン、フルトラニル、チフルザミド、フラメトピル又
はテクロフタラムである。
【0033】本発明に用いられる除草剤としては、例え
ば、ピラゾレート、ベンゾフェナップ、ピラゾキシフェ
ン、ピリブチカルブ、ブロモブチド、メフェナセット、
ベンスルフロン−メチル、クロルニトロフェン、クロメ
トキシフェン、ダイムロン、ビフェノックス、ナプロア
ニリド、オキサジアゾン、オキサジアルギル、ベンタゾ
ン、ジメピペレート、ジチオピル、イマゾスルフロン、
キノクラミン、MCPA、2,4−D、MCPB、キン
クロラック、ピラゾスルフロン−エチル、ペントキサゾ
ン、テニルクロール、クミルロン、シノスルフロン、シ
メトリン、シハロホップ−ブチル、エトベンザニド、カ
フェンストロール、エトキシスルフロン、アジムスルフ
ロン、シクロスルファムロン、インダノファン、ピリミ
ノバックーメチル、オキサジクロメホン、4−(2−ク
ロロフェニル)−N−シクロヘキシル−4,5−ジヒド
ロ−N−エチル−5−オキソ−1H−テトラゾール−1
−カルボキシアミド(NBA061)、ベンゾビシクロ
ン(SB500)、メチルN−[4−(ベンゾチアゾー
ル−2−イルメトキシ)−2−メチルフェニル]カルバ
マート及びメチル N−[4−(ベンゾオキサゾール−
2−イルメトキシ)−2−メチルフェニル]カルバマー
ト等の水田除草剤;又は、トリフルラリン、リニュロ
ン、ジウロン、メトリブジン、プロメトリン、シマジ
ン、ペンジメタリン、アイオキシニル、アラクロール及
びブロマシル等の畑地用又は非農耕地用除草剤であり
得、好適には、ピラゾレート、ベンゾフェナップ、ピラ
ゾキシフェン、ピリブチカルブ、ブロモブチド、メフェ
ナセット、ベンスルフロン−メチル、ダイムロン、オキ
サジアルギル、イマゾスルフロン、ピラゾスルフロン−
エチル、ペントキサゾン、カフェンストロール、エトキ
シスルフロン、アジムスルフロン、インダノファン、オ
キサジクロメホン、NBA061又はベンゾビシクロン
である。
【0034】本発明に用いられる植物調節剤は、例え
ば、イナベンフィド、パクロブトラゾール又はウニコナ
ゾールであり得る。
【0035】本発明において、「高濃度懸濁液の湿式粉
砕」は、通常の界面活性剤を用いて粉砕できる濃度の限
界を超えた農薬有効成分の濃度を有する懸濁液の湿式粉
砕である。
【0036】湿式粉砕される農薬有効成分の懸濁液中の
濃度は、例えば、農薬有効成分の物理性及び分散剤、湿
潤剤等の粉砕助剤の有無及びその種類により異なるが、
通常、30〜80質量%であり、高い方が効率的であ
る。本発明の湿式粉砕は、農薬有効成分の種類と用いる
非イオン界面活性剤との組み合わせによっては、80質
量%より高濃度の懸濁液の粉砕が可能であり、例えば、
農薬活性成分が85質量%である懸濁液を粉砕すること
が可能であり、この場合、もちろん農薬活性成分が30
〜80質量%である懸濁液の粉砕も可能である。湿式粉
砕できる農薬有効成分の懸濁液中の濃度は、農薬有効成
分の種類によって異なるが、例えば、農薬有効成分とし
てピラゾレートを使用する場合は、従来の方法では、農
薬の含量が懸濁液中せいぜい60乃至65%であり、ジ
クロメジンを使用する場合はせいぜい50%であり、ピ
リミジフェンの場合はせいぜい45%であるのに対し、
本発明の湿式粉砕できる農薬有効成分の懸濁液中の最大
濃度は、後述のように、ピラゾレートの場合は85%で
あり、ジクロメジンの場合は70%であり、ピリミジフ
ェンの場合は65%である。
【0037】本発明において湿式粉砕時に用いられる分
散剤は、他の成分と拮抗しないようなものを選択して用
いる必要がある。湿式粉砕時に用いられる分散剤は、例
えば、リグニンスルホン酸塩、(アルキル)ナフタレン
スルホン酸塩及びその縮合物、フェノールスルホン酸塩
及びその縮合物、スチレンスルホン酸塩の縮合物、マレ
イン酸とスチレンスルホン酸との縮合物の塩、アクリル
酸やマレイン酸等のカルボン酸縮合物の塩、ポリアクリ
ル酸塩、アクリル酸とマレイン酸共重合体の塩、無水マ
レイン酸とメチルビニルエーテル共重合体の塩、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸
塩、ラウリルサルフェートの塩、ポリオキシエチレンア
ルキルアリールエーテルサルフェートのような、通常の
エチレンオキサイドを有するノニオン界面活性剤の硫酸
エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテ
ルリン酸エステルのような、通常のエチレンオキサイド
を有するノニオン界面活性剤のリン酸エステル、及びこ
れら硫酸エステルやリン酸エステルを適当なカチオンで
中和した塩のようなアニオン界面活性剤;又は、トリポ
リリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等の
リン酸塩であり得、多くの場合、好適には、アニオン界
面活性剤である。これら分散剤に用いられる界面活性剤
は、湿潤剤としても有効な場合が多い。更に、本発明に
おいて、ノニオン、カチオン又は両性界面活性剤のうち
適当なものを湿式粉砕時に分散剤として使用することが
できる。
【0038】上記の分散剤又は上記の分散剤と湿潤剤の
配合量は、通常、湿式粉砕時の懸濁液中に、0.01〜
30質量%であり、好適には、0.03〜10質量%で
あり、より好適には、0.1〜5質量%である。
【0039】後述のように、本発明の高濃度農薬固形製
剤をいわゆる額縁散布又は水口処理する場合及び本発明
の水田投込み用農薬製剤を水口処理又は投げ込み処理す
る場合は、農薬製剤が水田中に局部的に処理されること
になり、水面拡展剤の力で粒剤を水面に展開させて、水
田全体に効力を発揮させることが必要となるが、上記の
分散剤を大量に用いると、水面拡展剤と上記の分散剤と
が拮抗してしまうことがある。したがって、本発明に用
いる分散剤は、水面拡展剤等と拮抗しない界面活性剤を
選択して用いる必要がある。
【0040】本発明の高濃度農薬固形製剤は、農薬有効
成分の湿式粉砕時に、必要に応じて、その他の助剤や液
状の有効成分等を添加することができるが、これらは水
面拡展剤等と拮抗しないような成分を選択して用いる必
要がある。
【0041】かくして得られた固体の農薬有効成分を湿
式粉砕した懸濁液は、例えば、適当な増量剤、結合剤、
崩壊・分散剤、湿潤剤、造粒性改良剤、安定剤、効力増
強剤、薬害軽減剤、浮遊剤、水面拡展剤及び乾式で粉砕
したその他の農薬有効成分と混合し、必要に応じて水を
加えて練合し、通常農薬の造粒に用いられる適当な練り
込み造粒機を用いて湿式造粒することができる。ただ
し、これら増量剤、結合剤、崩壊・分散剤、湿潤剤、造
粒性改良剤、安定剤、効力増強剤、薬害軽減剤、浮遊剤
及びその他の農薬有効成分は、互いに拮抗しないような
ものを選択して用いる必要がある乾式で粉砕したその他
の農薬有効成分は、その農薬有効成分が水に対して極め
て不安定で、湿式粉砕できない場合のように、何らかの
理由で乾式粉砕する場合に、その乾式粉砕品をその他の
助剤と共に混合し、上記の懸濁液とともに練合及び造粒
することもできる。
【0042】本発明において用いられる増量剤は、一般
に農薬のキャリアーとして用いられるものであれば特に
限定はなく、例えば、クレー、炭酸カルシウム、珪藻
土、無晶形二酸化珪素、タルク及びベントナイト等の鉱
物質微粉;でんぷん、木粉、オガクズ、コーヒー豆粉
末、タブ粉、セルロース粉末、微結晶セルロース、籾殻
粉末、米糠、ふすま及びヤシ殻粉末等の植物質粉末;尿
素、塩化カリウム、硫安及びボウ硝等の水溶性無機化合
物;又は、砂糖、乳糖及びぶどう糖等の水溶性糖類であ
り得、好適には、鉱物質微粉又は植物質粉末である。
【0043】用いられる増量剤の配合量は、その他の助
剤の種類や量により異なるが、通常、高濃度農薬固形製
剤中に、0.1〜80質量%であり、好適には、1〜5
0質量%である。
【0044】本発明の高濃度農薬固形製剤は、粉末原料
を造粒して高濃度農薬固形製剤を調製する場合に、製剤
に硬度を付与するために結合剤を含有することができ
る。用いられる結合剤は、高濃度農薬固形製剤が水中で
崩壊した方が好ましいか、崩壊しない方が好ましいかに
より異なるが、崩壊した方が好ましい場合には、例え
ば、比較的低分子量の、デキストリン、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸の塩若しくはカルボキシメチル
セルロースの塩、比較的低分子量で鹸化率の低いポリビ
ニルアルコール、リグニンスルホン酸の塩、アラビアゴ
ム等の水溶性高分子物質又はベントナイト等のモンモリ
ロナイト系の鉱物質微粉であり得、好適には、低分子量
のデキストリン、低分子量のカルボキシメチルセルロー
スの塩、リグニンスルホン酸の塩又はベントナイトであ
り、崩壊しない方が好ましい場合には、例えば、澱粉;
水溶性澱粉、デキストリン、α化澱粉、その他種々の澱
粉誘導体;又は比較的高分子量の、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸の塩、カルボキシメチルセルロース
の塩若しくはポリビニルアルコールであり得、好適に
は、水溶性澱粉、デキストリン、α化澱粉又はその他の
澱粉誘導体である。
【0045】用いられる結合剤の配合量は、処方構成や
造粒方法、粒の大きさ等によって異なるが、通常、高濃
度農薬固形製剤中に、0.1〜30質量%であり、好適
には、0.5〜20質量%である。
【0046】本発明の高濃度農薬固形製剤は、粒を水中
で崩壊させ、有効成分を水中に懸濁・分散させるために
崩壊・分散剤を含有することができる。用いられる崩壊
・分散剤は、多くの場合、好適には、アニオン界面活性
剤である。用いられる崩壊・分散剤は、共通のものであ
り得、これらの崩壊・分散剤は、湿潤剤としても有用な
場合が多い。崩壊・分散剤及び湿潤剤はこれらに限ら
ず、ノニオン性、カチオン性又は両性イオン性の界面活
性剤であっても、適当なものであり得る。また、澱粉、
カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチル化澱粉
及びこれらの塩、ポリビニルピロリドンの架橋体、微結
晶セルロース及び高吸水性樹脂等の水を吸収して膨張す
る性質を有するものを崩壊剤として使用できる。
【0047】これら崩壊・分散剤、崩壊剤又は湿潤剤の
配合量は、通常、高濃度農薬固形製剤中に、0.01〜
30質量%であり、好適には、0.03〜20質量%で
あり、より好適には、0.05〜10質量%である。
【0048】本発明において、高濃度農薬固形製剤の造
粒性を向上するために造粒性向上剤を用いることができ
る。用いられる造粒性向上剤は、一般に農薬粒剤におい
て造粒性向上剤として用いられる界面活性剤や組成物に
可塑性を付与するような粘性を有するものであり得、例
えば、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチ
レンアリールアリールエーテルのようなノニオン界面活
性剤;ジアルキルスルホサクシネートのナトリウム塩、
アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩のようなア
ニオン界面活性剤;ベントナイトのような鉱物質微粉;
デキストリン、α化澱粉のような澱粉誘導体;アラビア
ガムのような天然ガム;カルボキシメチルセルロースの
ナトリウム塩のようなセルロース誘導体;又は、ポリビ
ニルアルコールやポリアクリル酸のナトリウム塩のよう
な水溶性合成高分子であり得、好適には、アニオン界面
活性剤又はベントナイトである。
【0049】用いられる造粒性向上剤の配合量は、造粒
性向上剤の種類及びその他の助剤の種類や量により異な
るが、通常、高濃度農薬固形製剤中に、0.01〜30
質量%であり、好適には、0.05〜20質量%であ
り、より好適には、0.1〜10質量%である。
【0050】本発明の高濃度農薬固形製剤は、高濃度農
薬固形製剤中での農薬有効成分の安定化又は物理性の安
定化のために必要に応じて安定剤を含有することができ
る。用いられる安定剤は、例えば、pH調整剤、酸化防
止剤、光安定剤及び固体酸活性や固体塩基活性の除去剤
があり得る。
【0051】用いられる安定剤の配合量は、通常、高濃
度農薬固形製剤中に、0.001〜5質量%であり、好
適には、0.01〜2質量%である。
【0052】本発明の高濃度農薬固形製剤は、農薬有効
成分の効力を最大限に発揮させるために、必要に応じ
て、例えばピペロニルブトキサイドのような効力増強剤
を含有することができる。また、本発明の高濃度農薬固
形製剤は、必要に応じて薬害軽減剤を含有することがで
きる。これらの効力増強剤及び薬害軽減剤は、農薬有効
成分に応じて適正なものを選択して用いることができ
る。
【0053】用いられる効力増強剤又は薬害軽減剤の配
合量は、農薬有効成分の種類及び量により異なるが、通
常、農薬有効成分に対して、0.1〜10倍量であり、
好適には、0.5〜5倍量である。
【0054】本発明の高濃度農薬固形製剤は、そのまま
又は水田投げ込み用製剤に成形して、例えば後述の額縁
処理、水口処理及び投げ込み処理等のような、農薬製剤
を水田全体に均一に処理せず局所的に処理する場合に、
固形製剤を水面に浮かせて広がらせ、農薬有効成分を水
田全体に行き渡らせるために、水面浮遊剤を含有するこ
とができる。用いられる水面浮遊剤は、例えば、発泡シ
ラス、発泡パーライト、発泡軽石及び焼成バーミキュラ
イトのような鉱物質;コルク、木粉及びセルロースのよ
うな植物質;発泡スチロールのような発泡合成樹脂;塩
ビ粉末のような合成樹脂粉末;プラスチックの中空体
(例えばマツモトマイクロスフェアーF30E);合成
樹脂の粒状物;又は、それらの混合物であり得、好適に
は、コルク、木粉、発泡シラス、発泡軽石、焼成バーミ
キュライト、発泡パーライト、発泡合成樹脂、合成樹脂
粉末又はプラスチック中空体である。
【0055】用いられる水面浮遊剤の配合量は、例え
ば、水面浮遊剤の種類や剤型及び固形製剤の粒度により
異なるが、高濃度農薬固形製剤を水面に浮かせるために
十分な量であればよく、通常、高濃度農薬固形製剤中
に、0.01〜90質量%であり、好適には、0.1〜
70質量%であり、より好適には、0.5〜60質量%
である。
【0056】本発明の高濃度農薬固形製剤は、高濃度農
薬固形製剤の水面での拡展をよくするために水面拡展剤
を含有することができる。用いられる水面拡展剤は、例
えば、アクリル酸、マレイン酸等のカルボン酸の(共)
重合物、アクリル酸、マレイン酸等のカルボン酸にスチ
レンスルホン酸、ビニル基等を共重合させたもののナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の重合物塩の
ようなポリカルボン酸型のポリソープ;オレイン酸ナト
リウムやステアリン酸カリウムのような石鹸類;ジアル
キルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、パーフル
オロアルキルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸
の塩、α−スルホ脂肪酸の塩、オレイルメチルタウライ
ドの塩のようなその他のアニオン界面活性剤;ポリオキ
シエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチ
レンアリールアリールエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルエステル、ソルビタンのアルキルエステルのよう
なアルキレンオキサイドを付加したタイプのノニオン界
面活性剤;シリコーン系界面活性剤、アセチレン系界面
活性剤のような種々のノニオン界面活性剤;これらノニ
オン界面活性剤をリン酸又は硫酸のエステルとし、場合
によっては、それらを適当なアルカリで中和した界面活
性剤;分子構造中にフッ素原子を含有する界面活性剤;
流動パラフィン、ナフテン系及び芳香族系の高沸点溶
媒、低粘度のポリブテン、マシン油等の鉱物油類;シリ
コンオイル;種々の植物油;松脂等の樹脂類;樟脳白
油;αピネン;樟脳;又は、ナフタレンであり得、好適
には、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、α−オレ
フィンスルホン酸の塩、α−スルホ脂肪酸の塩、オレイ
ルメチルタウライドの塩、シリコーン系界面活性剤、ア
セチレン系界面活性剤、分子構造中にフッ素原子を含有
する界面活性剤又は流動パラフィン、ナフテン系及び芳
香族系の高沸点溶媒である。
【0057】これらの中で、アセチレン系界面活性剤、
シリコーン系界面活性剤及び分子構造中にフッ素原子を
含有する界面活性剤は、水面拡展剤として特に良好であ
るが、これらの水面拡展剤は、通常の界面活性剤を併用
すると、水面拡展性が低下することが多く、界面活性剤
の配合はできるだけ少量に止めるのが望ましい。しかし
ながら、本発明の分子中にエチレングリコールとプロピ
レングリコールとをブロック状に含有するポリアルキレ
ングリコール型非イオン界面活性剤(特に、プルロニッ
ク系及びテトロニック系界面活性剤)は、これら水面拡
展剤に対し、悪影響を及ぼさないという特徴を有する。
【0058】用いられる水面拡展剤の配合量は、例え
ば、農薬有効成分の種類と含有量、水面拡展剤の種類と
その添加方法及びその他成分の種類と配合量等の製剤処
方や剤型によって異なるが、通常、高濃度農薬固形製剤
中に、0.01〜10質量%であり、好適には、0.1
〜5質量%であり、より好適には、0.2〜3質量%で
ある。
【0059】本発明の高濃度農薬固形製剤は、以下の方
法により調製することができる。
【0060】本発明の高濃度農薬固形製剤は、先述の方
法により湿式粉砕した農薬有効成分の高濃度懸濁液を、
その他の助剤と共に練り込み造粒することにより得るこ
とができる。用いられる造粒機は、例えば、横押し、前
押し若しくはバスケットタイプ等の押し出し造粒機、混
合造粒機、転動造粒機、流動層造粒機及び噴霧乾燥機で
あり得、成分中に発泡シラスや発泡パーライトを含有す
る場合、これらを強く加圧すると、バルーンが潰れ、浮
力が低下するおそれがあり、また、コルクを含有する場
合も、これを強く加圧すると、浮力が低下するので、好
適には、強い圧力やせん断力がかからない造粒機であ
る。
【0061】得られた湿粒は、例えば、乾燥、整粒及び
篩分の工程を経て、目的とする粒剤とする。
【0062】得られる粒剤の粒度は、造粒法の場合、大
きすぎると粒の乾燥が難しくなり、特に本発明の高濃度
農薬固形製剤が水面浮遊性の粒剤である場合には、粒剤
は水面で風の影響を受け易くなり、水和性顆粒である場
合には、粒が大きすぎると水中への農薬有効成分の分散
が遅くなり、また、粒が細かすぎると、小分け作業性が
劣化したり、使用時に粉立ちが生じたりするため、通
常、0.1〜5mmであり、好適には、0.3〜3mm
であり、より好適には、0.5〜2mmである。粒の形
状は、特に限定はなく、例えば、円柱状、球状及び不定
形であり得る。
【0063】本発明の高濃度農薬固形製剤の見かけ比重
は、高濃度農薬固形製剤が水面浮遊性の粒剤である場
合、取り扱い易さ、生産性及び水面での浮き易さの点か
ら、通常、0.15〜0.50であり、好適には、0.
20〜0.45であり、より好適には、0.25〜0.
40である。
【0064】本発明の高濃度農薬固形製剤は、液状の農
薬有効成分、液状にした農薬有効成分又は低融点の農薬
有効成分を使用する場合には、必要であれば溶剤又は乳
化剤に溶解させて濃厚プレミックスを調製し、上記の方
法により得られた粒剤に、吸収させて製造することがで
きる。当該濃厚プレミックスは、必要に応じて、例え
ば、水面拡展剤、安定剤、乳化剤、分散剤、湿潤剤及び
溶剤を含有することができる。また、上記農薬有効成分
は、他の助剤とともに、例えば、無晶形合成シリカ、珪
藻土、珪酸カルシウム、高吸油性樹脂及び高吸油性デキ
ストリン等の吸油性の高いキャリヤーに吸収させ、又は
該農薬有効成分と相溶性のある樹脂、化学物質若しくは
他の固体農薬有効成分と固溶体を形成し、これを粉砕す
れば、固体の農薬有効成分と同様に取り扱うことができ
る。更に、本発明の高濃度農薬固形製剤は、固体の農薬
有効成分と、液状の農薬有効成分、液状にした農薬有効
成分又は低融点の農薬有効成分とを同時に使用する場合
に、固体の農薬有効成分とその他の農薬有効成分を共に
粉砕し、いわゆるサスポエマルションを調製し、これを
前記した固体原体の懸濁液と同様に、他の原料と混合及
び練合し、造粒して製造することが可能である。
【0065】本発明の高濃度農薬固形製剤は、吸収法に
より製造する場合は、予め調製した粒核を上記の攪拌混
合機に仕込み、攪拌しながら、液状若しくは液状化した
農薬有効成分又はその濃厚プレミックスを加えて吸収さ
せる方法が一般的である。当該プレミックスは、必要に
応じて、例えば、水面拡展剤、溶剤、乳化剤及び安定剤
を含有することができる。
【0066】本発明の高濃度農薬固形製剤は、液状原体
を稀釈したり、低融点原体を液状にするために、必要に
応じて溶剤を含有することができる。用いられる溶剤
は、原体に対して溶解力があり、原体の安定性に影響を
与えず、高沸点・低毒性で、引火性の低いものであり、
例えば、パラフィン系、芳香族系及びナフテン系等の高
沸点溶媒;可塑剤として用いられるオレイン酸、マレイ
ン酸、フマル酸及びヤシ油等の種々の動植物油より得ら
れる脂肪酸、フタル酸、アジピン酸及びリン酸等のエス
テル類;ヤシ油及びナタネ油等の植物油;又は、鯨油及
び鰯油等の動物油であり得る。一般に、農薬の原体は比
重が1以上のものが多い。このような場合、乳化粒子を
できるだけ長時間水中に留め、水田に広く拡散させるた
めに、比重が1より小さく低粘度の溶剤を用いるのが望
ましい。この意味で、用いられる溶剤は、好適には、流
動パラフィン又は低分子量のポリブテンである。
【0067】用いられる溶剤の量は、農薬有効成分の種
類や物理性により異なるが、固形製剤の経時安定性や物
理性に影響を与えない限りできるだけ少ない方がよく、
通常、溶かそうとする農薬有効成分1部に対して、0.
1〜50部であり、好適には、0.2〜10部である。
【0068】本発明の高濃度農薬固形製剤は、農薬活性
成分を水中に乳化させるために乳化剤を含有することが
でき、そのような乳化剤は、乳剤の乳化剤を選択するの
と同様に、農薬活性成分や溶剤の種類や物理性に応じて
選択して用いることができる。用いられる乳化剤は、通
常の乳化剤と異なり、農薬固形製剤の使用時に人為的に
攪拌することがないため、好適には、できるだけ自己乳
化性がよく、微細な乳化をするものである。
【0069】用いられる乳化剤の量は、通常、液状の農
薬有効成分又は溶剤に希釈又は溶解させた農薬有効成分
からなる乳化させるべき液体1部に対し、0.01〜1
0部であり、好適には、0.03〜3部である。
【0070】本発明の高濃度農薬固形製剤は、被覆法に
より製造する場合、予め調製した粒核を、攪拌混合機に
仕込み、必要があれば、液状の結合剤を加えて粒核の表
面を湿らせた後、農薬有効成分の濃厚プレミックスを加
えて更に攪拌混合して粒核の表面に農薬有効成分を被覆
することにより製造することができる。用いられる攪拌
混合機は、例えば、ナウタミキサー、リボンブレンダ
ー、ロータリーブレンダー又はV型混合機であり得、好
適には、粒の破砕の少ない低速混合機である。
【0071】被覆法や吸収法で水面浮遊拡展性の粒剤を
製造する場合、水面拡展剤は、最外層に存在する方がそ
の効果をより有効に発揮させることができる。従って、
水面拡展剤は、農薬有効成分やその他の助剤を被覆又は
吸収させた後、最後に添加するのが望ましい。このよう
に、本発明の高濃度農薬固形製剤は、造粒法、被覆法及
び吸収法を用いて製造する場合、造粒、被覆及び吸収等
の工程のうち必要な工程を、一度に行なってもよく、ま
た、必要に応じて2段階以上に分けて行なってもよく、
例えば、農薬有効成分の一部を練り込み造粒し、浮遊性
粒剤を得、これに残部の農薬有効成分を被覆してもよ
く、造粒法で調製した浮遊性粒剤の表面に、水面拡展剤
を被覆又は吸収させてもよく、また、被覆法と吸収法を
同一の製剤に適用してもよい。
【0072】本発明の高濃度農薬固形製剤は、以下のよ
うにして使用することができる。
【0073】本発明の高濃度農薬固形製剤は、例えば、
粒剤、顆粒状水和剤又は微粒剤であり得、好適には、粒
剤又は顆粒状水和剤である。
【0074】本発明の高濃度農薬固形製剤を水田用農薬
として使用する場合、本発明の高濃度農薬固形製剤は、
粒剤である場合、一般粒剤と同様に水田に入って又は水
田に入らずに畦畔から、機械を使わず又は散布機械を使
って、均一散布することができる。また、本発明の高濃
度農薬固形製剤は、畦畔から水田中に振り込み処理(額
縁処理)したり、水田の水口部から灌漑用水の流入と共
に流し込み処理(水口処理)したり、適当な水溶性フィ
ルムに分包とし、得られた分包を畦畔から水田中に投込
み処理(投げ込み処理)して、均一散布ではなく、しか
も散布機械を用いることなく農薬散布することができ
る。更に、本発明の高濃度農薬固形製剤は、顆粒状水和
剤である場合、その顆粒状水和剤を、使用時に少量の水
で希釈して、懸濁液を調製し、フロアブル剤と同様に、
例えば、水田に入っての均一散布、額縁処理、水口処理
及びヘリコプター等による空中散布により農薬散布する
こともできる。
【0075】本発明の高濃度農薬固形製剤を水田用以外
の農薬として使用する場合も、本発明の高濃度農薬固形
製剤は、粒剤である場合、その粒剤を、一般粒剤と同様
に、均一に散布する高濃度少量の省力散布用粒剤として
使用することができる。また、本発明の高濃度農薬固形
製剤は、顆粒状水和剤である場合、その顆粒状水和剤
を、使用時に水で希釈して、懸濁液を調製し、フロアブ
ル剤と同様に、例えば、土壌又は茎葉への均一散布及び
ヘリコプター等による空中散布により農薬散布すること
もできる。
【0076】本発明の高濃度農薬固形製剤を、投込み処
理用製剤の分包とする場合の水溶性フィルムは、水の中
で溶解又は分散し、かつ、拡展性を有するフィルムであ
り、水溶性フィルムの原料は、例えば、ポリビニルアル
コール若しくはその誘導体、プルランフィルム又はポリ
エチレンオキサイド若しくはその誘導体であり得、拡展
性水溶紙が好適であり、より好適には、ポリビニルアル
コール又はその誘導体よりなるフィルム又はシート(以
下、PVAフィルムと略す。)である。
【0077】PVAフィルムは、重合度が500〜20
00であり、ケン化度が80〜98%であるポリビニル
アルコールを少量の可塑剤及び安定化剤と共にフィルム
状又はシート状としたしたものであり、重合体の中に少
量のカルボン酸及びスルホン酸のような共重合物を含有
するフィルム又はシートを包含する。
【0078】水溶性フィルムは、機械強度及び耐寒強度
が大きく水溶性であることが必要であり、その意味で原
料となるポリビニルアルコールの重合度が高すぎたり、
ケン化度が高すぎたりすると、冷水に溶けにくくなるの
で好ましくない。水溶性フィルムの厚さは、フィルム強
度や溶解時間にもよるが、通常、20〜80μmであ
り、好適には、30〜50μmである。
【0079】水溶性フィルムの端部は糊で封じてもよい
が、作業性に問題があり、また、糊付けした部分が溶解
しにくくなることがあり、この点でヒートシールできる
ものが好ましい。
【0080】水田に投げ込み処理をするための分包の重
量は、通常、1パック当たり10〜200gであり、好
適には、20〜100gであり、より好適には、25〜
60gである。この程度の重量であれば、子供、女性又
は高齢者でも、容易に15m以内の目標とした地点に分
包を投げ込むことが可能である。分包がこれ以上重い
と、投げ込むのが苦痛となり、広い面積に処理すること
が容易でなく、また、これ以下の重量では、分包が風の
影響を受けて目標とした地点に到達することが難しくな
る。
【0081】本発明の水面浮遊性農薬固形製剤は、水面
で広範囲に拡展し、農薬有効成分も広範囲に拡散するか
ら、通常の大きさの水田では、無理に遠くまで投げ入れ
る必要はなく、畦畔から2〜3m先の水面に投げ込む程
度で十分である。
【0082】水田に投げ込み処理をする分包の個数は、
多すぎると投げ込みに労力を要し省力にならず、経済的
にも不利であり、また、少なすぎると水面浮遊性農薬固
形製剤の拡展が不十分となるおそれがあり、通常、水田
10a当たり、1〜30個であり、好適には、2〜20
個である。
【0083】水田に投げ込み処理をするための分包の外
装は、例えば、紙、樹脂、これらにアルミ箔を貼りあわ
せたりアルミやシリカを蒸着したもの、金属、木等より
なる袋や箱又は瓶であり得、好適には、紙、樹脂又はこ
れらにアルミ箔を貼りあわせたりアルミやシリカを蒸着
したものよりなる袋である。
【0084】本発明の水面浮遊性農薬固形製剤は、顆粒
状水和剤や均一散布用粒剤である場合又は水溶性フィル
ムに分包としない額縁処理や水口処理する場合にも、上
記分包を外装するのと同様の袋や箱又は瓶に外装する。
【0085】本発明の水面浮遊性農薬固形製剤は、物理
性の点では、吸湿に対して経時的に安定であり、従っ
て、発泡剤を含有する製剤に比べれば吸湿に対して注意
を払う必要はないが、水溶性フィルムは水がかかると破
れてしまうので、適当な防水加工を施した外装を用いる
ことが望ましい。
【0086】以下に実施例、比較例及び試験例を挙げて
本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。以下の部は、質量部を意味す
る。
【0087】
【実施例】
【0088】
【試験例1】ピラゾレートスラリーの粉砕実験 下記表1に記載の処方により、ピラゾレート原体、サー
フィノールTGE、NE291PG、プルロニックP1
03及び水を混合してピラゾレートスラリーとした。3/
16インチのスチールボール17kgを充填したアトライ
ターMA1NS−X型(三井鉱山株式会社製)のベッス
ル中に3kgの上記スラリーを加え、200rpmにて
1時間粉砕した。粉砕終了後、アトライターからスラリ
ーを排出し、自然排出で取り出せるスラリーの重量を測
定して仕込量に対する収率を求め、排出率とした。ま
た、得られたスラリーの分散状態を記号で示し、完全分
散しているものを○、若干の凝集体が観察されるものを
△、凝集体ができ、攪拌しにくいものを×で表した。そ
の結果を表1に示す。
【0089】
【表1】 ピラゾレートスラリーの処方、粘度及び排出率 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 実験 ピラゾレー サーフィノー NE29 プルロニッ 水 排出率 スラリー 番号 ト原体1) ルTGE2) 1PG3) クP1034) (%) の分散 状態 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 70.0% 0.5% 0 0.4% 29.1% 98 ○ 2 70.0% 0.5% 0 0.8% 28.7% 96 ○ 3 75.0% 0.5% 0 0.8% 23.7% 95 ○ 4 80.0% 0.5% 0 0.8% 18.7% 96 ○ 5 85.0% 0.5% 0 0.8% 13.7% 95 ○ − − − − − − − − − − − − − − − − − − 6(比較)65.0%(低濃度)0.5% 0.4% 0 34.1% 97 ○ 7(比較) 70.0% 0.5% 0.4% 0 29.1% 88 △ 8(比較) 70.0% 0.5% 0 0 29.5% 84 △ 9(比較) 75.0% 0.5% 0.4% 0 24.1% 86 △ 10(比較)80.0% 0.5% 0.4% 0 19.1% 85 × ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1) ピラゾレート93.2%、水分6% 2) 日信化学株式会社製、界面活性剤混合物 3) 日本乳化剤株式会社製、ジエチルへキシルスルホサクシネートのナトリウ ム塩70% 4) BASF社製、プルロニックタイプ界面活性剤、PO部分の分子量が310 0、EO部分の分子量が1850 プルロニックP103を配合した実験番号1〜5において得られた70〜75 %のピラゾレートを含有するスラリーは、完全分散しており、排出量が高かった 。特に実験番号5においては、85%の高濃度スラリーを粉砕することができた 。
【0090】一方、プルロニックP103を除去した実
験番号8において得られた70%のピラゾレートを含有
するスラリーは、排出率が低く、粉砕のバッチ数を重ね
るにしたがって、スラリーの品質が安定しなかった。
【0091】又、プルロニックP103の代わりに、N
E291PGを配合した、実験番号7、9及び10にお
いて得られた70%以上のピラゾレートを含有するスラ
リーは、若干乃至相当の凝集が観察され、排出率が低
く、粉砕のバッチ数を重ねるにしたがって、スラリーの
品質が安定しなかった。又、実験番号10より得られた
スラリーは造粒に際し、粉末キャリヤーと充分に練合さ
れず、練合物は白いママコが目立った。なお、プルロニ
ックP103の代わりに、NE291PGを配合して湿
式粉砕したスラリーが完全分散し、高い排出量を示すの
は、せいぜいピラゾレートを65%含有する濃度であり
(実験番号6)、ピラゾレート濃度を70%にすると、
スラリーの分散状態及び排出量が劣った(実験番号
7)。
【0092】
【試験例2】ピラゾレートスラリーの粉砕実験 ピラゾレート原体(70.0%)、サーフィノールTG
E(0.5%)、下記表2から選ばれる界面活性剤
(0.4%)及び水(29.1%)を混合してピラゾレ
ートスラリーとした。3/16インチのスチールボール17
kgを充填したアトライターMA1NS−X型(三井鉱
山株式会社製)のベッスル中に3kgの上記スラリーを
加え、200rpmにて1時間粉砕した。粉砕終了後、
アトライターからスラリーを排出し、自然排出で取り出
せるスラリーの重量を測定して仕込量に対する収率を求
め、排出率とした。また、得られたスラリーの粘度をB
型粘度計により測定した。その結果を表2に記載する。
【0093】
【表2】 界面活性剤とそれを含有するピラゾレートスラリーの粘度及び排出率 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 界面活性剤 実験 粘度 排出率 番号 化合物名 EO部の分子量 PO部の分子量 (mPa・S) (%) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― (プルロニックタイプ) 1 プルロニックL35 950 950 60 90 2 プルロニックL42 430 1200 53 92 3 エパン450 1200 1200 48 93 4 プルロニックL63 850 1800 49 92 5 エパン710 220 2000 44 94 6 エパン720 500 2000 45 94 7 エパン740 1333 2000 40 94 8 エパン750 2000 2000 45 94 9 エパン785 11333 2000 52 93 10 プルロニックP84 1900 2300 43 95 11 プルロニックP85 2300 2300 46 95 12 プルロニックL92 950 2700 42 96 13 エパンu102 775 3100 47 96 14 エパンu103 1330 3100 41 98 15 エパンu105 3100 3100 43 95 16 エパンu108 12400 3100 56 94 17 プルロニック17R2 550 1600 50 92 18 プルロニック17R4 1050 1600 48 93 19 プルロニック25R2 800 2300 48 94 20 プルロニック31R1 350 2900 48 93 (テトロニックタイプ) 21 テトロニック701 400 3200 47 93 22 テトロニック704 2300 3200 42 95 23 テトロニック901 500 4200 49 93 24 テトロニック904 2500 4200 59 94 25 テトロニック908 20800 4200 63 93 26 テトロニック90R4 2840 4400 63 92 27 テトロニック150R1 800 7200 51 92 − − − − − − − − − − − − − − − − − − 28 無添加 - - 260 84 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 注)プルロニック及びテトロニックはBASF社の商品名であり、 エパンは第一工業株式会社の商品名である。
【0094】表2から明らかなように、本発明の界面活
性剤を配合したスラリーは無添加に比べて、粘度が低
く、排出率も良好であった。
【0095】
【実施例1】プルロニックP103を配合して湿式粉砕
したスラリーを用いて製造した1キロ粒剤 カルフィン600(足立石灰工業株式会社製、炭酸カルシ
ウム粉末、48.2部)、ベントナイト粉末(豊順穂高
印、22.0部)、アミコールNo.1(日澱化学株式
会社製、デキストリン、3.0部)及びセロゲン5A
(第一工業製薬株式会社製、カルボキシメチルセルロー
スのナトリウム塩、0.5部)をニーダー中で混合し、
次いで、試験例1に実験番号1として記載されたスラリ
ー(29.0部)及びトキサノンGR31A(5.0
部)を加えて練合し、押し出し造粒機EXK1型(不二
パウダル株式会社製、0.9mmスクリーン)を用い
て、造粒した。流動層乾燥機を用いて105℃で乾燥
し、1.0〜0.5mm区分に篩い分けて基粒を調製し
た。得られた基粒(95.08部)をナウタミキサーに
仕込み、プレチラクロール原体(96.0%、4.92
部)を加えて混合し、基粒に吸収させ、1キロ粒剤を得
た。本粒剤はピラゾレート18%及びプレチラクロール
4.5%を含有し、10a当り1kgを水田に施用する
いわゆる1キロ粒剤である。
【0096】
【比較例1】プルロニックP103を配合しないで湿式
粉砕したスラリーを用いて製造を試みた1キロ粒剤 実施例1において、用いるスラリーを試験例1に実験番
号6として記載されたスラリー31.2部にかえた以外
は、実施例1と同様にして、1キロ粒剤を得ようとし
た。しかしながら、粉末部混合物にスラリーを加えて練
合したところ、スクリーンから押し出された造粒物は、
相互に付着して大きな塊となり、流動層乾燥機中で流動
せず、満足な粒剤を得ることができなかった。このこと
は10a当りに必要なピラゾレートの量から算出される
粒剤の量が1キロより大きくなり、ピラゾレートの1キ
ロ粒剤が製造できないことを意味する。
【0097】
【実施例2】プルロニックP103を配合して湿式粉砕
したスラリーを用いて製造した水田投げ込み用農薬製剤 コルク粉末(0.2〜0.5mm区分、13.36
部)、ベントナイト粉末(6.0部)、セロゲン5A
(8.0部)、サーフィノール104S(3.0部)及
びタモールPP(BASF社製、フェノールスルホン酸
の縮合物のナトリウム塩、3.0部)をニーダー中で混
合し、次いで試験例1に実験番号4として記載されたス
ラリー(84.5部)、トキサノンGR31A(5.0
部)及び練合水(少量)を加えて練合し、ツインドーム
グラン(フジパウダル株式会社製、押し出し造粒機)を
用いて1.2mmのスクリーンより押し出し造粒した。
得られた造粒物を送風70℃で流動層乾燥機を用いて乾
燥し、2mmと0.5mmの篩で整粒して粒剤を得た。
得られた粒剤はピラゾレート63%を含有する水面拡展
性の浮遊粒剤であった。得られた粒剤をハイセロンC−
200(日合フィルム株式会社製、PVAフィルム、厚
さ40μm)に30gづつ分包とし、目的の水田投げ込
み用農薬製剤を得た。この製剤は10a当り10パック
を処理する水田投込み用農薬製剤である。
【0098】
【比較例2】プルロニックP103を配合しないで湿式
粉砕したスラリーを用いて製造を試みた水田用投げ込み
用農薬製剤 実施例2において、用いるスラリーを試験例1に実験番
号6として記載されたスラリーにかえて、ピラゾレート
含量63%の粒剤を得るためには、当該スラリーが10
4部必要となり、練合水が多くなりすぎて造粒困難であ
り、したがって、目的の水田用投げ込み用農薬製剤を得
ることはできなかった。
【0099】当該スラリーを用いて、得ることができる
粒剤の含量は47.3%が限度であった。この場合、実
施例2と同一有効成分量とするには、10a当り、この
粒剤400gを処理する必要があった。実施例2の水田
投込み用農薬製剤が300gで同一有効成分を有するの
に比べて、本例の水田投込み用農薬製剤は原料費、包装
費、運賃等の経済性の面でも、持ち運び、労力等の使用
上の面でも不利である。
【0100】
【実施例3】プルロニックP103を配合して湿式粉砕
したスラリーを用いて製造した顆粒状水和剤 ニプシールNA(日本シリカ株式会社製、無晶系シリ
カ、5.0部)、パールレックスNP(日本製紙株式会
社製、リグニンスルホン酸ナトリウム、10.0部)、
ネオゲンパウダー(第一工業製薬株式会社製、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、2.0部)及び乾燥馬
鈴薯澱粉(松谷化学株式会社製、18.42部)を混合
し、試験例1に実験番号5として記載のスラリー(7
9.53部)及び練合水(少量)を加えて練合した。次
いで、バスケット型造粒機(菊水製作所株式会社製、L
−5型)を用いて、0.7mmのスクリーンにより造粒
したのち、70℃に設定した送風乾燥機中で乾燥した。
得られた粒剤を1mm〜0.3mmの篩で整粒して、ピ
ラゾレート63%を含有する顆粒状水和剤を得た。本剤
は10a当り300gを少量の水に希釈してフロアブル
剤と同様に使用することができる。
【0101】
【比較例3】プルロニックP103を配合しないで湿式
粉砕したスラリーを用いて製造を試みた顆粒状水和剤 実施例3において、用いるスラリーを試験例1に実験番
号6として記載されたスラリーにかえると、練合水が多
くなりすぎて、最高でも有効成分含量52.5%の顆粒
状水和剤を得るのが限度であり、目的の顆粒状水和剤を
得ることはできなかった。
【0102】前記顆粒状水和剤を用いて、実施例3と同
一有効成分量とするには、10a当り、この粒剤360
gを処理する必要があった。実施例3の顆粒状水和剤が
300gで同一有効成分を有するのに比べて、本例の顆
粒状水和剤は経済性の面でも使用上の便利さの点でも不
利である。
【0103】
【実施例4】エパンu103を配合して湿式粉砕したス
ラリーを用いて製造した顆粒状水和剤 モンガード原体(99.0%、70.7部)、デモール
EP(花王株式会社製、カルボン酸系ポリソープ、1.
5部)、ハイテノール12(第一工業製薬株式会社製、
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステルア
ンモニウム塩、0.15部)、エパンu103(0.8
部)及び水(26.85部)を混合し、試験例1と同じ
条件で湿式粉砕し、ジクロメジン70%を含有するスラ
リーを得た。ニプシールNA(10.0部)、カオリン
(6.85部)、バニレックスN(8.0部)及びネオ
ゲンパウダー(2.0部)をスピードニーダー中で混合
し、さらに先に得られたスラリー(100.0部)を加
えて混合し、造粒した。得られた造粒物を70℃の送風
乾燥機中で乾燥した後、0.2〜0.7mm区分を篩い
分け、ジクロメジン70%を含有する顆粒状水和剤を得
た。本顆粒状水和剤は、少量の水で希釈して、空中散布
用のモンガレ剤として用いることができる。
【0104】
【比較例4】エパンu103を配合しないで湿式粉砕し
たスラリーを用いて製造を試みた顆粒状水和剤 実施例4の湿式粉砕において、エパンu103を除いた
混合物を実施例4と同様に湿式粉砕しようとしたが、ジ
クロメジン70%含有スラリーの粘度が増大し、粉砕不
可能であった。したがって、目的の顆粒状水和剤を得る
ことができなかった。
【0105】前記混合物を、エパンu103を除いて湿
式粉砕するには、実施例4と比べて、モンガード原体の
量を50.5部に下げ、水の量を47.85部に上げる
必要があり、粉砕可能なジクロメジンの濃度は50%が
限度であった。このジクロメジン50%スラリーを用い
て、実施例4と同様に造粒したところ、ジクロメジン3
5%を含有する顆粒状水和剤が得られた。実施例4及び
比較例4の組成比較を表3に示す。表中の「−」は成分
を加えていないことを表す。
【0106】
【表3】 顆粒状水和剤の組成 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 成分 実施例4中の含量 比較例4中の含量 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― スラリー中 モンガード原体 70.7部 50.5部 (スラリー中ジクロメジン含量)(70.0%) (50.0%) デモールEP 1.5部 1.5部 ハイテノール12 0.15部 0.15部 エパンU103 0.8部 − 水 26.85部 47.85部 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 顆粒状水和剤中 上記スラリー 100.0部 70.0部 (水和剤中ジクロメジン含量)(70.0%) (35.0%) ニプシールNA 10.0部 10.0部 カオリン 6.85部 43.49部 バニレックスN 8.0部 8.0部 ネオゲンパウダー 2.0部 2.0部 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0107】
【実施例5】エパンu102を配合して湿式粉砕したス
ラリーを用いて製造した顆粒状水和剤 ピリミジフェン原体(99.5%、65.33部)、エ
パンu102(1.0部)、ニューコール291PG
(日本乳化剤株式会社製、ジアルキルスルホサクシネー
トのナトリウム塩、0.8部)及び水(32.87部)
を混合し、ダイノミルKDL型(600ml連続式ベッ
セル、480mlの直径1mmのガラスビーズを充填、
回転数3000rpm、供給スピード200ml/分)
を用いて湿式粉砕し、ピリミジフェン65%を含有する
スラリーを得た。ニプシールNA(18.0部)、タモ
ールPP(8.0部)、ネオゲンパウダー(2.0
部)、アミコールNo.1(3.0部)及びカオリン
(7.03部)をニーダー中で混合し、次いで得られた
スラリー(92.31部)を加えて練合し、押し出し造
粒機EXD1型(0.7mmスクリーン)を用いて造粒
し、流動層乾燥機(送風温度70℃)で乾燥し、0.2
〜0.8mm区分を篩い分け、ピリミジフェン60%を
含有する顆粒状水和剤を得た。本顆粒状水和剤は、水で
希釈して殺ダニ剤の散布剤として用いることができる。
【0108】
【比較例5】エパンu102を配合しないで湿式粉砕し
たスラリーを用いて製造を試みた顆粒状水和剤 実施例5の湿式粉砕において、エパンu102を除いた
混合物を実施例5と同様に湿式粉砕しようとしたが、ピ
リミジフェン65%含有スラリーの粘度が増大し、粉砕
不可能であった。したがって、目的の顆粒状水和剤は得
られなかった。
【0109】前記混合物を、エパンu102を除いて湿
式粉砕するには、実施例5と比べて、ピリミジフェン原
体の量を45.23部に下げ、水の量を53.97部に
上げる必要があり、粉砕可能なピリミジフェンの濃度は
45%が限度であった。このピリミジフェン45%スラ
リーを用いて、実施例5と同様に造粒したところ、ピリ
ミジフェン35%を含有する顆粒状水和剤が得られた。
実施例5及び比較例5の組成比較を表4に示す。表中の
「−」は成分を加えていないことを表す。
【0110】
【表4】 顆粒状水和剤の組成 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 成分 実施例5中の含量 比較例5中の含量 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― スラリー中 ピリミジフェン原体 65.33部 45.23部 (スラリー中ピリミジフェン含量)(65.0%) (45.0%) エパンU102 1.00部 − ニューコール291PG 0.80部 0.80部 水 32.87部 53.97部 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 顆粒状水和剤中 上記スラリー 92.31部 77.8部 (水和剤中ピリミジフェン含量)(60.0%) (35.0%) ニプシールNA 18.0部 18.0部 タモールPP 8.0部 8.0部 ネオゲンパウダー 2.0部 2.0部 アミコールNo.1 3.0部 3.0部 カオリン 7.03部 33.19部 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0111】
【発明の効果】本発明により、湿式粉砕により微粉砕さ
れた固体の農薬有効成分を高濃度に含有する固形製剤を
製造することができるようになった。これによって、農
薬製剤の重量を減少することが可能となり、生産及び輸
送面では、省力化及び低コスト化が可能となった。ま
た、流通及び使用面では、取り扱いが容易となり、農業
の発展に寄与するところが大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 43/56 A01N 43/56 C 43/58 43/58 B (72)発明者 平田 毅 滋賀県野洲郡野洲町野洲1041 三共株式会 社内 (72)発明者 佐飛 寛 滋賀県野洲郡野洲町野洲1041 三共株式会 社内 Fターム(参考) 4H011 AA01 AB01 AB02 AB03 AC01 BA01 BA05 BB09 BC07 BC18 BC19 BC20 DA02 DA15 DB09 DC04 DC06 DD02 DH03 DH10 DH25

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子中にエチレングリコールとプロピレン
    グリコールとをブロック状に含有するポリアルキレング
    リコール型非イオン界面活性剤を配合して高濃度の農薬
    有効成分を含有する懸濁液を湿式粉砕し、得られた懸濁
    液を練り込み造粒することにより得られる高濃度農薬固
    形製剤。
  2. 【請求項2】ポリアルキレングリコール型非イオン界面
    活性剤が、下記式 【化1】 [式中、R1は、水素原子、高級アルコール残基、アル
    キルフェノール残基、アリールフェノール残基、脂肪酸
    残基、高級脂肪族アミン残基又は脂肪酸アミド残基を示
    し、x1、x2、x3及びx4はそれぞれ独立して4以上9
    00以下の整数を示し、y1、y2、y3及びy4はそれぞ
    れ独立して16以上130以下の整数を示す。]で表さ
    れる化合物(1)〜(4)からなる群から選ばれる1種
    又は2種以上の非イオン界面活性剤である、請求項1に
    記載の高濃度農薬固形製剤。
  3. 【請求項3】R1が水素原子である、請求項2に記載の
    高濃度農薬固形製剤。
  4. 【請求項4】ポリアルキレングリコール型非イオン界面
    活性剤が、下記式 【化2】 [式中、x1及びx2はそれぞれ独立して4以上900以
    下の整数を示し、y1は16以上70以下の整数を示
    す。]で表される化合物からなる非イオン界面活性剤で
    ある、請求項1に記載の高濃度農薬固形製剤。
  5. 【請求項5】ポリアルキレングリコール型非イオン界面
    活性剤のプロピレングリコール部分の分子量が2000
    〜4000であり、かつ、プロピレングリコール部分の
    分子量に対するエチレングリコール部分の分子量の割合
    が0.05〜10倍である、請求項1乃至4のいずれか
    1つに記載の高濃度農薬固形製剤。
  6. 【請求項6】ポリアルキレングリコール型非イオン界面
    活性剤のプロピレングリコール部分の分子量が2500
    〜3500であり、かつ、プロピレングリコール部分の
    分子量に対するエチレングリコール部分の分子量の割合
    が0.1〜4倍である、請求項1乃至4のいずれか1つ
    に記載の高濃度農薬固形製剤。
  7. 【請求項7】ポリアルキレングリコール型非イオン界面
    活性剤のプロピレングリコール部分の分子量が2700
    〜3200であり、かつ、プロピレングリコール部分の
    分子量に対するエチレングリコール部分の分子量の割合
    が0.2〜1倍である、請求項1乃至4のいずれか1つ
    に記載の高濃度農薬固形製剤。
  8. 【請求項8】水面浮遊剤を含有する、請求項1乃至7の
    いずれか1つに記載の高濃度農薬固形製剤。
  9. 【請求項9】水面浮遊剤が、コルク、木粉、発泡シラ
    ス、発泡軽石、焼成バーミキュライト、発泡パーライ
    ト、発泡合成樹脂、合成樹脂粉末又はプラスチック中空
    体である、請求項8に記載の高濃度農薬固形製剤。
  10. 【請求項10】水面拡展剤を含有する、請求項1乃至9
    のいずれかに記載の高濃度農薬固形製剤。
  11. 【請求項11】水面拡展剤が、アセチレン系界面活性
    剤、シリコン系界面活性剤又はフッ素系界面活性剤であ
    る、請求項10に記載の高濃度農薬固形製剤。
  12. 【請求項12】分子中にエチレングリコールとプロピレ
    ングリコールとをブロック状に含有するポリアルキレン
    グリコール型非イオン界面活性剤を配合して高濃度の農
    薬有効成分を含有する懸濁液を湿式粉砕し、得られた懸
    濁液を練り込み造粒する、請求項1乃至11のいずれか
    1つに記載の高濃度農薬固形製剤を製造する方法。
  13. 【請求項13】請求項1乃至11のいずれか1つに記載
    の高濃度農薬固形製剤を水溶性フィルム又はシートに分
    包とした水田投げ込み用農薬製剤。
  14. 【請求項14】請求項1乃至11のいずれか1つに記載
    の高濃度農薬固形製剤を畦畔から水田中に振り込み処理
    する使用方法。
  15. 【請求項15】請求項1乃至11のいずれか1つに記載
    の高濃度農薬固形製剤を水田の水口部から灌漑用水の流
    入と共に流し込み処理する使用方法。
  16. 【請求項16】請求項13に記載の水田投込み用農薬製
    剤を水田の水口部から灌漑用水の流入と共に流し込み処
    理する使用方法。
  17. 【請求項17】請求項13に記載の水田投込み用農薬製
    剤を畦畔から水田中に投込み処理する使用方法。
JP2000155896A 1999-05-27 2000-05-26 高濃度農薬固形製剤 Expired - Lifetime JP3433157B2 (ja)

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