JP2001039179A - 駆動力分配装置 - Google Patents

駆動力分配装置

Info

Publication number
JP2001039179A
JP2001039179A JP30773599A JP30773599A JP2001039179A JP 2001039179 A JP2001039179 A JP 2001039179A JP 30773599 A JP30773599 A JP 30773599A JP 30773599 A JP30773599 A JP 30773599A JP 2001039179 A JP2001039179 A JP 2001039179A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
driving force
distribution device
force distribution
torque
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP30773599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3692863B2 (ja
Inventor
Akihiko Ikeda
暁彦 池田
Kenji Arai
謙治 新居
Akio Mukainaka
章生 向井仲
Nobuo Matsushita
信雄 松下
Mitsuaki Suzuki
光顕 鈴木
Satoshi Ashida
敏 芦田
Toru Ochi
徹 越智
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP30773599A priority Critical patent/JP3692863B2/ja
Publication of JP2001039179A publication Critical patent/JP2001039179A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3692863B2 publication Critical patent/JP3692863B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H48/00Differential gearings
    • F16H48/06Differential gearings with gears having orbital motion
    • F16H48/10Differential gearings with gears having orbital motion with orbital spur gears
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H48/00Differential gearings
    • F16H48/06Differential gearings with gears having orbital motion
    • F16H48/08Differential gearings with gears having orbital motion comprising bevel gears
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H48/00Differential gearings
    • F16H48/20Arrangements for suppressing or influencing the differential action, e.g. locking devices

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Retarders (AREA)
  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動機のトルクを2つの回転部材に分配する
ための機構を、回転部材の半径方向において可及的に小
型化する。 【解決手段】 複数の車輪にトルクを伝達するドライブ
シャフト7,8と、電動機15のトルクを一方のドライ
ブシャフトおよびデフケースに分配するギヤ機構とを有
し、ギヤ機構16が、デフケース4に形成されたサンギ
ヤ14と、一方のドライブシャフトに形成されたサンギ
ヤ21と、電動機15の駆動ギヤ20に噛合されたピニ
オンギヤ22と、サンギヤ14に噛合され、かつ、ピニ
オンギヤ22と一体回転するピニオンギヤ24と、サン
ギヤ21およびピニオンギヤ22に噛合したピニオンギ
ヤ25と、ピニオンギヤ22,24,25を軸線X1を
中心とするほぼ同一円周上で自転および公転可能に支持
するキャリヤ27とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の車輪に伝
達する駆動力の分配割合を制御することのできる駆動力
分配装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載されるデファレンシャルに
は、左右輪に伝達する駆動力の分配割合を制御するもの
と、前後輪に伝達する駆動力の分配割合を制御するもの
とがある。このうち、前者のデファレンシャルは、車両
の旋回時において、左右輪に生じる回転速度差を吸収す
る機能と、エンジンのトルクを左右両輪に適切な比率で
分配する機能とを有する。しかしながら、このデファレ
ンシャルは、左右の車輪に作用する負荷の差に基づいて
動作するために、一方の車輪が空転した場合は、他方の
車輪に伝達されるトルクが不足する可能性がある。この
不都合を回避するために、左右輪の差動回転時に、電動
機のトルクを左右輪に対して付加する制御をおこなうト
ルク分配機構の一例が、特開平4−321435号公報
に記載されている。
【0003】この公報にはフロントエンジン・フロント
ドライブ車が記載されており、この車両は、プラネタリ
ギヤ式のデファレンシャルと、トルク分配機構とを有す
る。デファレンシャルは、ミッションから出力されたト
ルクを左右輪に伝達するためのものである。このデファ
レンシャルは、第1リングギヤと第1サンギヤとアウタ
プラネタリギヤとインナプラネタリギヤと第1プラネタ
リキャリヤとを有する。また、第1リングギヤと左シャ
フトとが同心状に配置され、この第1リングギヤと入力
ギヤとが噛合されている。第1サンギヤは第1リングギ
ヤの内部に配置され、かつ、この第1サンギヤと第1リ
ングギヤとが同心状に配置されている。さらに第1サン
ギヤは左シャフトに形成されている。また、アウタプラ
ネタリギヤと第1リングギヤとが噛合され、インナプラ
ネタリギヤが、第1サンギヤおよびアウタプラネタリギ
ヤに噛合されている。さらに第1プラネタリキャリヤに
より、アウタプラネタリギヤおよびインナプラネタリギ
ヤが支持されている。この第1プラネタリキャリヤが、
右シャフトを介して右輪に連結されている。
【0004】前記トルク分配機構は、前記第1リングギ
ヤから入力されたトルクを、デファレンシャルの第2プ
ラネタリキャリヤおよび第2サンギヤに対して、所定の
比率で分配するためのものである。このトルク分配機構
は左側シャフトの外周に配置されており、このトルク分
配機構は、電動モータおよび遊星歯車機構を主体として
構成されている。この遊星歯車機構は、第2サンギヤと
プラネタリギヤと第2リングギヤと第2プラネタリキャ
リヤとを有する。第2サンギヤは左シャフトに対して相
対回転自在に取り付けられ、第2リングギヤが第2サン
ギヤの外周側に配置されている。そして、プラネタリギ
ヤは第2サンギヤおよび第2リングギヤに噛合されてい
る。また、第2プラネタリキャリヤは左シャフトに結合
され、第2プラネタリキャリヤによりプラネタリギヤが
支持されている。
【0005】さらに第2リングギヤの外周には第1の外
歯ギヤが形成されているとともに、第2プラネタリキャ
リヤに対して一体化された第2の外歯ギヤが形成されて
いる。そして、第2リングギヤの外側には一対のスパー
ギヤが設けられており、このスパーギヤの一方が第1の
外歯ギヤに噛合され、スパーギヤの他方が第2の外歯ギ
ヤに噛合されている。なお、前記電動モータにより駆動
されるピニオンには、遊星歯車機構入力ギヤが噛合され
ている。この遊星歯車機構入力ギヤは、前記第2サンギ
ヤと一体化されている。
【0006】上記構成において、エンジンから出力され
たトルクが、ミッションおよび第1リングギヤを介して
デファレンシャルに入力され、このトルクが左シャフト
および右シャフトに伝達される。ここで、車両を旋回さ
せるべくステアリングホイールが操作されると、その操
舵角と車速とに基づいて左右輪の回転速度差の必要値が
演算される。そして、この演算結果に対応する方向およ
び速度で電動モータが駆動される。その結果、第2サン
ギヤが回転し、第1,第2プラネタリキャリヤの回転速
度、すなわち、第1プラネタリキャリヤの回転速度と、
第2サンギヤの回転速度とに所定の差が発生する。この
ようにして、ミッションから第1リングギヤに伝達され
たトルクが、電動モータの回転方向および回転速度によ
り決定される所定の比率に基づいて左右輪に伝達され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載されたトルク分配機構においては、電動モータ
から遊星歯車機構に伝達されたトルクおよびその回転速
度を、所定の値に変換するとともに、デファレンシャル
の第1プラネタリキャリヤに伝達するための機構、すな
わち一対のスパーギヤが、遊星歯車機構の外側に配置さ
れている。このため、トルク分配機構が、左シャフトを
中心として半径方向に大型化し、車載性が低下する問題
があった。
【0008】この発明は、上記事情を背景としてなされ
たもので、電動機から出力されたトルクを回転部材に分
配するための機構を、回転部材の半径方向において可及
的に小型化することのできる駆動力分配装置を提供する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記目的
を達成するため請求項1の発明は、入力用回転部材を介
して入力されるトルクを、複数の車輪に分配するデファ
レンシャルと、このデファレンシャルから出力されるト
ルクをいずれかの車輪に伝達し、かつ、前記デファレン
シャルの入力用回転部材と同一の軸線を中心として回転
する回転部材と、電動機から出力されるトルクを、前記
入力用回転部材および前記回転部材に伝達するギヤ機構
とを有する駆動力分配装置において、前記ギヤ機構が、
前記入力用回転部材に設けられ、かつ、前記軸線を中心
として回転する第1従動ギヤと、前記いずれか一方の回
転部材に設けられ、かつ、前記軸線を中心として回転す
る第2従動ギヤと、前記電動機の出力側と前記第1従動
ギヤとをトルク伝達可能に連結する第1中間ギヤ機構
と、前記電動機の出力側と前記第2従動ギヤとをトルク
伝達可能に連結する第2中間ギヤ機構と、前記第1中間
ギヤ機構および前記第2中間ギヤ機構を、前記軸線の周
囲におけるほぼ同一円周上で公転可能に保持する保持部
材とを備えていることを特徴とするものである。
【0010】請求項1の発明によれば、ギヤ機構を構成
する第1中間ギヤ機構および第2中間ギヤ機構が、軸線
を中心とするほぼ同一円周上に配置されているため、回
転部材の半径方向におけるギヤ機構の占有領域が狭めら
れる。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の構成に加え
て、車両の旋回時に、前記電動機から前記第1従動ギヤ
に伝達されるトルクTmcと、前記電動機から前記第2
従動ギヤに伝達されるトルクTmsとの比が「−1」に
なるように、前記電動機から前記第1従動ギヤに至る経
路のギヤ比と、前記電動機から前記第2従動ギヤに至る
経路のギヤ比とが設定されていることを特徴とするもの
である。
【0012】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の作用が生じるほかに、車両の旋回時に電動機か
ら出力されたトルクは、回転部材に対して加速伝達さ
れ、入力用回転部材に対して減速伝達される。また、回
転部材および入力用回転部材に伝達されるトルクの絶対
値が同じに設定される。
【0013】請求項3の発明は、請求項1の構成に加え
て、前記第1中間ギヤ機構が、前記第1駆動ギヤに噛合
された第1ピニオンギヤと、前記第1従動ギヤに噛合さ
れ、かつ、前記第1ピニオンギヤと一体回転する第2ピ
ニオンギヤとを有し、前記第2中間ギヤ機構が、前記第
2従動ギヤおよび前記第1ピニオンギヤに噛合された第
3ピニオンギヤを有していることを特徴とするものであ
る。
【0014】請求項3の発明によれば、第1ピニオンギ
ヤないし第3ピニオンギヤが軸線を中心とするほぼ同一
円周上に配置されているため、回転部材の半径方向にお
ける各ピニオンギヤの配置領域が抑制される。
【0015】請求項4の発明は、請求項1の構成に加え
て、前記第1中間ギヤ機構が、前記第2従動ギヤおよび
前記第1駆動ギヤに噛合された第4ピニオンギヤと、前
記第1従動ギヤに噛合された第5ピニオンギヤと、前記
第4ピニオンギヤに噛合され、かつ、前記第5ピニオン
ギヤと一体回転する第6ピニオンギヤとを有しているこ
とを特徴とするものである。
【0016】請求項4の発明によれば、請求項1の発明
と同様の作用が生じるほか、第4ピニオンギヤないし第
6ピニオンギヤが軸線を中心とする同一半径の円周上に
配置されているため、各回転部材の半径方向における第
4ピニオンギヤないし第6ピニオンギヤの配置領域が抑
制される。
【0017】請求項5の発明は、請求項1の構成に加え
て、前記電動機の動力により回転し、かつ、前記第1駆
動ギヤに対して並列に配置された第2駆動ギヤと、この
第2駆動ギヤと前記第1従動ギヤとをトルク伝達可能に
連結し、かつ、前記第1中間ギヤ機構および前記第2中
間ギヤ機構と同一軸線上で回転できる状態で前記保持部
材により保持されている第3中間ギヤ機構と、前記電動
機と前記第1従動ギヤとの間の動力伝達経路を接続・遮
断する第1クラッチと、前記電動機と前記第2従動ギヤ
との間の動力伝達経路を接続・遮断する第2クラッチ
と、前記保持部材の回転・停止を制御するブレーキとを
備えていることを特徴としている。
【0018】請求項5の発明によれば、請求項1の発明
と同様の作用が生じるほか、第1中間ギヤ機構および第
2中間ギヤ機構ならびに第3中間ギヤ機構が同一軸線上
に配置されているため、回転部材の半径方向におけるギ
ヤ機構の占有領域が狭められる。また、クラッチおよび
ブレーキを制御することにより、電動機のトルクを第1
従動ギヤおよび第2従動ギヤに分配する制御、または電
動機のトルクを第1従動ギヤのみに伝達する制御のいず
れかを選択することができる。
【0019】請求項6の発明は、軸線を中心として回転
できるケーシングと、異なる車輪に接続され、かつ、前
記軸線を中心として相対回転できる第1回転部材および
第2回転部材と、この第1回転部材および第2回転部材
にトルクを伝達することのできる電動機とを有する駆動
力分配装置において、前記第1回転部材に接続された第
1従動ギヤと、前記第2回転部材に接続された第2従動
ギヤと、前記電動機の動力により駆動される第1の駆動
ギヤと、前記第1従動ギヤまたは前記第2従動ギヤのい
ずれか一方とに噛合された第1中間ギヤ機構と、この第
1中間ギヤ機構および第1中間ギヤ機構が噛合していな
い従動ギヤに噛合された第2中間ギヤ機構とを有し、前
記第1中間ギヤ機構および前記第2中間ギヤ機構が、前
記軸線を中心とするほぼ同一円周上で公転できる状態で
前記ケーシングにより保持されていることを特徴とする
ものである。
【0020】請求項6の発明によれば、軸線の周囲で第
1中間ギヤ機構および第2中間ギヤ機構が回転すること
により、第1回転部材と第2回転部材とが相対回転でき
る。また、電動機のトルクが、第1中間ギヤ機構および
第2中間ギヤ機構により第1回転部材および第2回転部
材に分配される。
【0021】請求項7の発明は請求項6の構成に加え
て、前記電動機により駆動され、かつ、前記第1駆動ギ
ヤに対して並列に配置された第2駆動ギヤと、この第2
駆動ギヤと前記ケーシングとを動力伝達可能に接続する
第3中間ギヤ機構とを有し、前記電動機と前記第1従動
ギヤとの間の動力伝達経路を接続・遮断する第1クラッ
チと、前記電動機と前記第2従動ギヤとの間の動力伝達
経路を接続・遮断する第2クラッチとが設けられている
ことを特徴とするものである。
【0022】請求項7の発明によれば、請求項6の発明
と同様の作用が生じるほか、クラッチおよびブレーキを
制御することにより、電動機のトルクを第1従動ギヤお
よび第2従動ギヤに分配する制御、または電動機のトル
クを第1従動ギヤのみに伝達する制御のいずれかを選択
することができる。
【0023】請求項8の発明は、請求項1ないし請求項
7のいずれかの構成に加えて、前記複数の車輪には、車
両の駆動力源から出力されたトルクが伝達されないよう
に構成されている非駆動輪が含まれていることを特徴と
するものである。
【0024】請求項8の発明によれば、請求項1ないし
請求項7の発明のいずれかと同様の作用が生じるほか、
複数の車輪が非駆動輪であるため、電動機のトルクが駆
動力として分配されることなく、非駆動輪の横力が可及
的に増加される。
【0025】請求項9の発明は、請求項1ないし請求項
8のいずれかの構成に加えて、前記複数の車輪には、車
両の幅方向に配置された右側車輪および左側車輪と、車
両の前後方向に配置された前輪および後輪とが含まれて
いるとともに、前記ギヤ機構が、前記右側車輪および前
記左側車輪に伝達されるトルク、または前記前輪および
前記後輪に伝達されるトルクを、独立して増速または減
速するように構成されていることを特徴とするものであ
る。
【0026】請求項9の発明によれば、請求項1ないし
請求項8のいずれかの発明と同様の作用が生じるほか、
車両の旋回時やスリップ時などに、前後輪に伝達される
トルク配分の差、または左右輪に伝達されるトルク配分
の差を可及的に大きく設定することができる。また、運
転者の意志によって車両にヨーモーメントを発生させた
い場合にもこのようなトルク配分差を設定することがで
きる。
【0027】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図を参照してよ
り具体的に説明する。図1は、請求項1ないし請求項3
の発明に対応する駆動力分配装置K1の一実施形態を示
すスケルトン図である。デファレンシャルキャリヤ1は
車体(図示せず)の下側に搭載されており、このデファ
レンシャルキャリヤ1の内部には、デファレンシャル2
および分配機構3が設けられている。このデファレンシ
ャル2は、入力されるトルクを異なる車輪、具体的には
出力側に並列に配置されている車輪(例えば前後輪もし
くは左右輪)に分配して伝達するためのものである。デ
ファレンシャル2は中空のデフケース4を有し、デフケ
ース4には軸線X1を中心とする軸孔5,6が貫通して
形成されている。なお、このデフケース4は、デファレ
ンシャルキャリヤ1の内部に設けられている軸受(図示
せず)により支持され、デフケース4が前記軸線を中心
として回転できる。
【0028】一方の軸孔5には第1ドライブシャフト7
が配置され、他方の軸孔6には第2ドライブシャフト8
が配置されている。第1,第2ドライブシャフト7,8
は、いずれもデフケース4の内部からデファレンシャル
キャリヤ1の外部に亘って配置されている。また第1,
第2ドライブシャフト7,8は同一の軸線X1上に配置
されている。そして、デファレンシャルキャリヤ1の内
部に設けられた軸受(図示せず)により第1,第2ドラ
イブシャフト7,8が保持され、第1,第2ドライブシ
ャフト7,8は軸線X1を中心として回転できる。第1
ドライブシャフト7におけるデフケース4の内部側の端
部にはサイドギヤ9が形成されている。また、第2ドラ
イブシャフト8におけるデフケース4の内部側の端部に
はサイドギヤ10が形成されている。
【0029】前記デフケース4の内部には2本のピニオ
ンシャフト11が設けられており、このピニオンシャフ
ト11にはピニオンギヤ12が取り付けられている。そ
して、各ピニオンギヤ12がサイドギヤ9,10に噛合
されている。また、デフケース4における第1ドライブ
シャフト7側の端部には、軸孔5を取り囲む円筒部13
が形成されている。この円筒部13の外周に対して第1
サンギヤ14が一体的に形成されている。したがって、
デフケース4と第1サンギヤ14とが、軸線X1を中心
として一体回転できる。
【0030】前記分配機構3は、第1ドライブシャフト
7の外周側に設けられており、この分配機構3とデファ
レンシャル2とが軸線方向に隣接して配置されている。
分配機構3は、電動機15およびギヤ機構16を主体と
して構成されている。この電動機15はステータ17お
よびロータ18を有する。ステータ17は第1ドライブ
シャフト7の周囲に配置され、かつ、ステータ17がデ
ファレンシャルキャリヤ1の内周に固定されている。ま
た、ロータ18はステータ17の内側に配置され、か
つ、ロータ18が第1ドライブシャフト7の外周に配置
されている。このロータ18と第1ドライブシャフト7
とは相対回転できるように構成されている。
【0031】さらにロータ18にはデフケース4側に突
出する中空軸19が連結されており、この中空軸19の
外周には駆動ギヤ20が形成されている。駆動ギヤ20
のピッチ円半径は第1サンギヤ14のピッチ円半径より
も小さく設定されている。ここで、電動機15としては
通電用のブラシが設けられていないモータ、例えばブラ
シレス同期モータ、リラクタンスモータ(言い換えれば
リアクションモータ)、永久磁石形同期モータなどが用
いられる。
【0032】前記第1ドライブシャフト7における駆動
ギヤ20と第1サンギヤ14との間には、第2サンギヤ
21が形成されている。また、駆動ギヤ20には複数の
ピニオンギヤ22が噛み合わされている。さらに、複数
の保持軸23が設けられており、各保持軸23と第1ド
ライブシャフト7とが平行に配置されている。そして、
各保持軸23に対してピニオンギヤ22がそれぞれ形成
されている。この実施形態においては、図2に示すよう
に、ピニオンギヤ22が円周方向に4つ配置され、各ピ
ニオンギヤ22が円周方向に等間隔おきに配置されてい
る。
【0033】各保持軸23におけるデフケース4側には
ピニオンギヤ24がそれぞれ設けられている。すなわ
ち、図3に示すように、ピニオンギヤ24が円周方向に
等間隔をおいて4つ設けられている。各ピニオンギヤ2
4のピッチ円半径は、ピニオンギヤ22のピッチ円半径
よりも小さく設定されている。そして、各ピニオンギヤ
24と前記第1サンギヤ14とが噛み合わされている。
【0034】また、駆動ギヤ20および第2サンギヤ2
1の周囲には、第1ドライブシャフト7の軸線X1を中
心として円周方向に複数のピニオンギヤ25が配置され
ている。この実施形態においては、ピニオンギヤ25が
4つ設けられており、各ピニオンギヤ25が保持軸26
に形成されている。
【0035】さらに、第1ドライブシャフト7の外周に
はキャリヤ27が設けられており、このキャリヤ27に
より保持軸23および保持軸26がそれぞれ回転可能に
保持されている。上記構成により、各ピニオンギヤ22
と各ピニオンギヤ24とが一組として、軸線X1の周囲
を一体的に公転する。また、各ピニオンギヤ22および
各ピニオンギヤ24とが一体的に自転することができ
る。また、各ピニオンギヤ25が軸線X1の周囲を公転
しつつ自転することができる。つまり、ピニオンギヤ2
2,24,25は、軸線X1を中心とするほぼ同一円周
上において、自転および公転することができる。このよ
うに、ギヤ機構16は、各種のギヤおよび保持軸により
構成されている。
【0036】図4は、この発明に係る駆動力分配装置が
搭載される車両の制御回路を示すブロック図である。車
両には電動機15に電流を供給するための電源28が搭
載されており、電動機15と電源28との間には公知の
電気回路29が形成されている。この電気回路29に
は、直流電力を交流電力に変換する機能を有するインバ
ータ(図示せず)が配置されている。さらに、電気回路
29のスイッチを制御する電子制御装置(ECU)30
が設けられている。この電子制御装置30は演算処理装
置(CPU)および記憶装置(RAM、ROM)ならび
に入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピ
ュータにより構成されている。
【0037】そして、電子制御装置30には車両に搭載
されている各種のセンサ、例えば各車輪の回転速度(回
転数)を検出する回転速度センサ31の信号、ステアリ
ングホイール(図示せず)の操舵角を検出する操舵角セ
ンサ32の信号、車両のヨー角速度(ヨーレイト)を検
出するヨー角速度センサ33の信号、エンジン回転数
(エンジン回転速度)を検出するエンジン回転数センサ
30Aの信号、エンジン35のスロットルバルブの開度
を検出するスロットル開度センサ30Bの信号、エンジ
ン35の吸入空気量を検出する吸入空気量センサ30C
の信号、車速センサ30Dの信号などが入力されてい
る。そして、エンジン回転数、スロットル開度、吸入空
気量などのデータに基づいてエンジントルクが推定され
る。また、電子制御装置30に入力される各種の信号に
基づいて、電気回路29のスイッチを制御する信号が電
子制御装置30から出力される。このようにして、各種
のセンサにより検出される条件に基づいて、電動機15
のトルクが制御される。
【0038】図5は請求項1ないし請求項3および請求
項9に係る発明に対応する実施形態である。具体的に
は、この図5は、前記図1および図4のシステムを、F
・R(フロントエンジン・リヤドライブ;エンジン前置
き後輪駆動)形式の車両34に適用した場合の概略平面
図である。すなわち、車両34の前部には、単独の駆動
力源としてエンジン35が搭載されている。このエンジ
ン35としては内燃機関、より具体的にはガソリンエン
ジンまたはディーゼルエンジンもしくはLPGエンジン
が用いられる。また、エンジン35の出力側にはトラン
スミッション36が配置されている。
【0039】このトランスミッション36としては、手
動操作により変速比(変速段)を制御することのできる
手動変速機と、車両の走行状態に基づいて自動的に変速
比を制御することのできる自動変速機とが例示される。
また、このトランスミッション36としては、変速比を
段階的に変更することのできる有段式変速機と、変速比
を無段階(連続的)に変更することのできる無段式変速
機とが例示される。
【0040】さらに、このトランスミッション36の出
力側にはプロペラシャフト37の一端が連結されてい
る。またプロペラシャフト37の他端にはドライブピニ
オンシャフト37Aが連結されている。このドライブピ
ニオンシャフト37Aにはギヤドライブピニオンギヤ3
8が形成されている。この車両34は左前輪39および
右前輪40を有し、かつ、左後輪41および右後輪42
を有する。すなわち、左後輪41および右後輪42は、
デファレンシャル2に対して、相互に並列に配置されて
いる。そして、図4の実施形態においては、プロペラシ
ャフト37と左右後輪41,42との間の動力伝達経路
に、駆動力分配装置K1が設けられている。つまり、デ
ファレンシャル2が、いわゆるリヤデファレンシャルと
して使用されており、このデファレンシャル2は、ファ
イナルギヤとしての機能をも有する。
【0041】具体的には、デフケース4の外周にリング
ギヤ43が形成されており、ドライブピニオンギヤ38
とリングギヤ43とが噛み合わされている。つまり、図
5にのデファレンシャル2においては、いわゆるベベル
ギヤ形式が採用されている。また、第1ドライブシャフ
ト7および第2ドライブシャフト8が車両34の幅方向
(言い換えれば車両の進行方向にほぼ直交する方向)に
配置されている。そして、第1ドライブシャフト7には
左後輪41が接続され、第2ドライブシャフト7には右
後輪42が接続されている。なお、図5においては、図
1のキャリヤ27が便宜上省略されている。
【0042】ここで、図1ないし図5の構成とこの発明
の構成との対応関係を説明する。第2ドライブシャフト
8がこの発明の回転部材に相当し、デフケース4がこの
発明の入力用回転部材に相当し、第1サンギヤ14がこ
の発明の第1従動ギヤに相当し、第2サンギヤ21がこ
の発明の第2従動ギヤに相当する。また、ピニオンギヤ
22,24および保持軸23がこの発明の第1中間ギヤ
機構に相当し、ピニオンギヤ25および保持軸26がこ
の発明の第2中間ギヤ機構に相当する。さらに、駆動ギ
ヤ20がこの発明の第1駆動ギヤに相当し、ピニオンギ
ヤ22がこの発明の第1ピニオンギヤに相当し、ピニオ
ンギヤ24がこの発明の第2ピニオンギヤに相当し、ピ
ニオンギヤ25がこの発明の第3ピニオンギヤに相当
し、キャリヤ27がこの発明の保持部材に相当する。
【0043】上記構成の車両34が走行する場合の動作
を説明する。エンジン35から出力されたトルクが、ト
ランスミッション36およびプロペラシャフト37を介
してデファレンシャル2に伝達されてリングギヤ43お
よびデフケース2が回転する。すると、リングギヤ43
の回転速度がデファレンシャル2の最終減速比に基づい
て減速されるとともに、第1ドライブシャフト7および
第2ドライブシャフト8にトルクが伝達される。その結
果、左後輪41および右後輪42の駆動力により、車両
34が走行する。
【0044】ここで、車両34が直進走行する場合は、
エンジン35から出力されたトルクは、トランスミッシ
ョン36およびプロペラシャフト37を介してデファレ
ンシャル2に入力される。デファレンシャル2に入力さ
れたトルクTeは、デファレンシャル2により2等分さ
れる。その結果、左後輪41にはトルクTLが伝達され
る一方、右後輪42にはトルクTRが伝達される。ま
た、左後輪41および右後輪42に作用する走行負荷
(走行抵抗)が同じである場合は、第1ドライブシャフ
ト7および第2ドライブシャフト8ならびにデフケース
4が一体回転する。このように、車両34が直進する場
合は、電動機15からトルクは出力されない。
【0045】これに対して、車両34が車両34が右方
向に旋回する場合は、左後輪41が外輪になり、右後輪
42が内輪になる。これとは逆に車両34が左方向に旋
回する場合は、左後輪41が内輪になり、右後輪42が
外輪になる。この場合は、左後輪41および右後輪42
に作用する走行抵抗が異なるため、走行抵抗の大きい車
輪(内輪)に対応する一方のドライブシャフトの回転が
減速されるとともに、ピニオンギヤ12が自転しながら
サイドギヤ9またはサイドギヤ10に沿って公転し、前
記ドライブシャフトが減速された分だけ他方のドライブ
シャフトの回転が増速される。
【0046】このように、車両が旋回走行する場合は、
電動機15からトルクが出力され、このトルクがギヤ機
構16を介して第1ドライブシャフト7および第2ドラ
イブシャフト8に伝達される。具体的には、電動機15
から出力されたトルクの一部が、ピニオンギヤ22およ
びピニオンギヤ24を介して第1サンギヤ13に伝達さ
れる。また電動機15から出力されたトルクの一部が、
ピニオンギヤ22およびピニオンギヤ25を介して第2
サンギヤ21に伝達される。
【0047】この実施形態においては、車両が右旋回す
る際に左後輪41に伝達されるトルクTLを、 TL=(Te/2)+A1・Tm ・・・(1) に設定し、右後輪42に伝達されるトルクTRを、 TR=(Te/2)−A2・Tm ・・・(2) に設定することができる。また、車両34が左旋回する
際に左後輪41に伝達されるトルクTLを、 TL=(Te/2)−A3・Tm ・・・(3) に設定し、右後輪42に伝達されるトルクTRを、 TR=(Te/2)+A4・Tm ・・・(4) に設定することができる。
【0048】上記(1)ないし(4)式において、デフ
ァレンシャル2に入力されるトルクTeは、エンジント
ルクおよびトランスミッション36の変速比に基づいて
推定される。また、Tmは電動機15から出力されるト
ルクであり、このトルクTmは電動機15に供給される
電流値により推定される。A1ないしA4は第1サンギ
ヤ14または第2サンギヤ21に伝達されるトルクの分
配率、もしくは係数である。ここで、「+A」は、電動
機15のトルクの一部が加速(増速)されて第1サンギ
ヤ14または第2サンギヤ21に伝達されることを意味
している。また「−A」は、電動機15のトルクの一部
が減速されて第1サンギヤ14または第2サンギヤ21
に伝達されることを意味している。そして、上記(1)
ないし(4)式において、 A1=A2=A3=A4 ・・・(5) の関係になるように、ギヤ機構16の構成が設定され
る。
【0049】すなわち、車両34が左右いずれの方向に
旋回する場合においても、第1サンギヤ14に伝達され
る電動機15のトルクの絶対値と、第2サンギヤ14に
伝達される電動機15のトルクの絶対値とが等しくなる
のである。このようにして、車両の旋回時におけるステ
ア特性が制御される。具体的には、車両34が右方向に
旋回する場合は、第1サンギヤ14に対して減速方向の
トルクが伝達され、第2サンギヤ21に対して加速方向
のトルクが伝達される。つまり、車両34を右方向に旋
回させるヨーイングモーメントが発生する。
【0050】これに対して、車両34が左方向に旋回す
る場合は、第1サンギヤ14に対して加速方向のトルク
が伝達され、第2サンギヤ21に対して減速方向のトル
クが伝達される。つまり、車両34を左方向に旋回させ
るヨーイングモーメントが発生する。また、必要に応じ
て上記とは逆方向にトルクを伝達して車両に作用してい
るヨーイングモーメントとは逆方向のヨーイングモーメ
ントを発生させることもできる。
【0051】言い換えれば、この実施形態においては、
車両34の旋回時に、電動機15から第1サンギヤ14
に伝達されるトルクTmcと、電動機15から第2サン
ギヤ21に伝達されるトルクTmsとの比が「−1」に
なるように、電動機15から第1サンギヤ14に至る経
路のギヤ比と、電動機15から第2サンギヤ21に至る
経路のギヤ比とが設定されている。したがって、デファ
レンシャル2による差動制限状態を、車両の走行条件
(旋回状態)に適合する状態に制御することができ、操
縦性およびドライバビリティが向上する。また、図6の
実施形態によれば、車両の旋回時に左右輪に伝達される
トルクの差を可及的に大きく制御することができる。し
たがって、一方の車輪に大きなトルクを伝達するために
電動機を大型化する必要もなく、コンパクトな構造にな
る。
【0052】このように、図1に示された駆動力分配装
置においては、ピニオンギヤ22,24,25が軸線X
1を中心とするほぼ同一円周上に配置されている。この
た、第1ドライブシャフト7の半径方向におけるギヤ機
構16の占有領域が狭められる。したがって、駆動力分
配装置K1を第1ドライブシャフト7の半径方向に小型
(コンパクト)化することができ、車載性が向上する。
【0053】具体的には、車体の下側方向に突出する駆
動力分配装置K1の突出量を減少させることができ、車
両34の車高を低くすることができる。また、駆動力分
配装置K1とその他の部品との接触が回避され、車両3
4における駆動力分配装置K1のレイアウトの自由度が
増す。さらに、電動機15としてブラシレス同期モータ
を使用した場合には、摺動部分(ブラシ)がないため
に、その摩耗が回避されて耐久性が向上する。
【0054】図6は、図1の駆動力分配装置K1を、F
・F(フロントエンジン・フロントドライブ;エンジン
前置き前輪駆動)形式の車両44に搭載した場合を示す
模式的な平面図である。図6は請求項1ないし請求項
3、または請求項8,9に対応する実施形態である。車
両44の前部にはエンジン45が搭載されており、この
エンジン45の出力側にはトランスアクスル46が配置
されている。このトランスアクスル46は、トランスミ
ッション47および最終減速装置48が一つのケーシン
グに組み込まれたユニットである。そして、最終減速装
置48の出力側には左フロントドライブシャフト49お
よび右フロントドライブシャフト50が接続されてい
る。また左フロントドライブシャフト49には左前輪3
9が接続され、右フロントドライブシャフト50には右
前輪40が接続されている。
【0055】また、車両44の後部には、図1に示す構
成の駆動力分配装置K1が搭載されている。図6の実施
形態においては、エンジン45のトルクはデファレンシ
ャル2に対して伝達されない、言い換えればエンジン4
5のトルクが左後輪41および右後輪42には伝達され
ないように構成されている。つまり、左後輪41および
右後輪42は非駆動輪である。図6のその他の構成は、
図1の構成および図5の構成と同様であるため説明を省
略する。また、図6においても、図1のキャリヤ27は
便宜上省略されている。図6の実施形態においては、車
両44が左方向または右方向に旋回する場合は、車速、
操舵角、ヨー角速度などの条件に基づいて電動機15が
駆動され、電動機15のトルクが第1サンギヤ14およ
び第2サンギヤ21に伝達される。その結果、図5の実
施形態と同様に、車両44に対してヨーイングモーメン
トが作用する。
【0056】図6の実施形態においては、エンジントル
クがデファレンシャル2に伝達されないため、左後輪4
1および右後輪42に伝達されるトルクを演算する場合
に、(1)ないし(9)式において「Te/2」は考慮
されない。さらに、図6の実施形態においても、駆動力
分配装置K1が、図1および図5と同様に構成されてい
るために、図5の実施形態と同様の効果を得られる。
【0057】ところで、車両の旋回時における車輪の摩
擦力は、駆動力と横力の合力として表される。そして、
図6に示す車両44のように、非駆動輪である左後輪4
1および右後輪42に対応して駆動力分配装置K1が設
けられている場合は、エンジン45から左後輪41およ
び右後輪42に対して駆動力が伝達されない。したがっ
て、車両44の旋回時における車輪の横力を可及的に大
きくすることができ、車両44の横すべりが抑制されて
旋回性能が向上する。
【0058】ここで、F・F車の前輪(駆動輪)用に駆
動力分配装置K1を配置した場合と、図6に示すよう
に、F・F車の後輪(非駆動輪)用に駆動力分配装置K
1を配置した場合との相違点について説明する。図7
は、車輪に作用する力を示す概念図であり、図7におい
ては、駆動輪用に駆動力分配装置K1を配置した場合に
おける力の作用が無模様の矢印で示され、非駆動輪用に
駆動力分配装置K1を配置した場合における力の作用が
斜線模様の矢印で示されている。
【0059】まず、車両44が右方向に旋回する場合に
ついて説明する。この場合は、左後輪41に伝達される
トルクがギヤ機構16により加速され、右後輪42に伝
達されるトルクがギヤ機構16により減速される。した
がって、外輪側では正の駆動力が発生し、内輪側では負
の駆動力が発生する。また、外輪側および内輪側の横力
は、各摩擦円の半径に等しくなる。
【0060】これに対して、駆動輪用に駆動力分配装置
K1を配置した場合は、エンジンのトルクが左右前輪に
伝達されるとともに、左前輪に伝達されるトルクが駆動
力分配装置K1により加速され、右前輪に伝達されるト
ルクが駆動力分配装置K1により減速される。したがっ
て、駆動輪用に駆動力分配装置K1を配置した場合にお
ける外輪側の横力は、車両44の左後輪41の横力より
も小さくなる。また、駆動輪用に駆動力分配装置K1を
配置した場合における内輪側の横力は、車両44の右後
輪42の横力よりも小さくなる。
【0061】このような力学的作用により、F・F車の
前輪用に駆動力分配装置K1を配置した場合は、内輪側
の駆動力と外輪側の駆動力との差に相当するアシストヨ
ーイングモーメントYm1が発生する。これに対して、
車両44においては、内輪側の駆動力と外輪側の駆動力
との差に相当するアシストヨーイングモーメントYm2
が発生する。そして、F・F車の前輪用に駆動力分配装
置K1を配置した場合の車輪の横力よりも、車両44の
車輪の横力の方が大きいとともに、F・F車の前輪用に
駆動力分配装置K1を配置した場合の車輪の駆動力は両
方とも正になる。
【0062】これに対して、車両44の車輪の駆動力が
正と負であるために、F・F車の前輪用に駆動力分配装
置K1を配置した場合のヨーイングモーメントよりも、
車両44のヨーイングモーメントの方が大きくなる。し
たがって、F・F車の前輪用に駆動力分配装置K1を配
置した場合よりも、F・F車の後輪用に駆動力分配装置
K1を配置した場合の方が旋回性能が良好になる。な
お、車両がスリップした場合に、右後輪42および左後
輪41に伝達するトルクを独立して増速または減速させ
ることも可能である。
【0063】図8は、請求項1ないし請求項3および請
求項9の発明に対応する実施形態である。この図8は、
図1の駆動力分配装置K1を、4輪駆動形式の車両51
に搭載した場合を示す模式的な平面図である。この車両
51の前部には、エンジン45およびトランスアクスル
46が搭載されている。このトランスアクスル46は、
トランスミッション47とフロントデファレンシャル5
2とを有し、フロントデファレンシャル52の出力側に
はトランスファー53が配置されている。
【0064】一方、車両51の後部には、図5の実施形
態と同様に構成された駆動力分配装置K1が搭載されて
いる。そして、トランスファー53の出力側にはプロペ
ラシャフト54が接続され、プロペラシャフト54がド
ライブピニオンシャフト37Aに接続されている。な
お、図8のその他の構成は、図1および図5ならびに図
6の構成と同様であるため、これらと同様の符号を付し
てその説明を省略する。なお、図8においては、図1の
キャリヤ27が便宜上省略されている。つまり、図8の
実施形態においては、トランスアクスル46から出力さ
れたトルクが、トランスファー53により、左前輪30
および右前輪40と、左後輪41および右後輪42とに
分配される。そして、図8の実施形態においても、車両
51が左方向または右方向に旋回する場合は、図5の実
施形態と同様にして電動機15が制御される。図8の駆
動力分配装置K1は、図1および図5と同様に構成され
ているために、図5の実施形態と同様の効果を得られ
る。
【0065】図9は、請求項1ないし請求項3の発明に
対応する駆動力分配装置の他の実施形態を示すスケルト
ン図である。すなわち、駆動力分配装置K2は、デファ
レンシャルキャリヤ1の内部に配置された分配機構3お
よびデファレンシャル54を備えている。このうち、分
配機構3は図1に示されたものと同様に構成されてい
る。これに対して、デファレンシャル54の構成が、図
1のデファレンシャル2の構成とは異なっている。この
デファレンシャル54は、サンギヤ55および環状部材
56を有する。サンギヤ55は、第1ドライブシャフト
7の端部に形成され、環状部材56はサンギヤ55の外
周に配置され、環状部材56は第1ドライブシャフト7
と同心状に配置されている。この環状部材56の内周に
はインナーギヤ57が形成され、環状部材56の外周に
はアウターギヤ58が形成されている。
【0066】また、サンギヤ55と環状部材56との間
には2つのピニオンギヤ59,60が設けられており、
このピニオンギヤ59,60が相互に噛合している。そ
して、ピニオンギヤ59,60を一組として複数組のピ
ニオンギヤ59,60が、円周方向に配置されている。
そして、各ピニオンギヤ59とインナーギヤ57とが噛
合され、各ピニオンギヤ60とサンギヤ55とが噛合さ
れている。このように、デファレンシャル54は、いわ
ゆるダブルピニオン式のプラネタリギヤを主体として構
成されている。
【0067】さらに、相互に噛合するピニオンギヤ5
9,60を一組として保持する2つのキャリヤ61,6
2が設けられており、一方のキャリヤ61が第2ドライ
ブシャフト8に連結されている。他方のキャリヤ62に
は中空軸63が接続され、この中空軸63が、第1ドラ
イブシャフト7におけるサンギヤ55と、第2サンギヤ
21との間に取り付けられている。この中空軸63と第
1ドライブシャフト7とは相対回転可能に構成されてい
る。そして、中空軸63に対してキャリヤ62が接続さ
れている。なお、その他の構成は図1の構成と同様であ
るため、図1と同様の符号を付してその説明を省略す
る。
【0068】図10は、請求項1ないし請求項3および
請求項9の発明に対応する実施形態である。この図10
は、図9の駆動力分配装置K2を搭載したF・F形式の
車両64の構成を示す模式的な平面図である。車両64
の前部にはエンジン45が搭載されており、このエンジ
ン45の出力側にはトランスミッション65が配置され
ている。このトランスミッション65の出力軸66には
出力ギヤ67が形成されている。そして、出力ギヤ67
には、アウターギヤ58が噛み合わされている。
【0069】また、第1ドライブシャフト7には右前輪
40が接続され、第2ドライブシャフト8には左後輪3
9が接続されている。なお、第1ドライブシャフト7お
よび第2ドライブシャフト8は、車両64の幅方向に配
置されている。つまり、デファレンシャル54は、左右
輪に対してトルクを分配するフロントデファレンシャル
としての機能を有する。この図10においては、図9の
キャリヤ27が便宜上省略されている。ここで、図9お
よび図10の構成とこの発明の構成との対応関係を説明
する。すなわち、環状部材56がこの発明の入力用回転
部材に相当する。
【0070】上記構成の車両64においては、エンジン
45のトルクがトランスミッション65および出力ギヤ
67を介して環状部材56に伝達される。このようにし
て、デファレンシャル54に伝達されたトルクは、第1
ドライブシャフト7および第2ドライブシャフト8に分
配される。
【0071】そして、車両64が直進走行する場合は、
電動機15からトルクが出力されない一方、車両64が
左方向または右方向に旋回しながら前進走行する場合
は、図5の実施形態と同様に電動機15が制御される。
なお、図10の実施形態においては、エンジントルクは
左後輪41および右後輪42に対して伝達されない。し
たがって、図10の実施形態においては、車両64が左
方向または右方向に旋回しながら前進走行する場合は、
エンジン45から左前輪39および右前輪40に伝達さ
れるトルクが、駆動力分配装置K2の機能により制御さ
れる。図10の実施形態においても、分配機構3の構成
が図1と同様に構成されているため、図5の実施形態と
同様の効果を得られる。
【0072】なお、図10の実施形態において、デファ
レンシャル54に代えて、図5に示されているデファレ
ンシャル2を搭載することもできる。これとは逆に、図
5または図6または図8の実施形態の少なくとも一つに
おいて、デファレンシャル2に代えてデファレンシャル
54を搭載することもできる。
【0073】図11は、請求項1ないし請求項3の発明
に対応する実施形態のスケルトン図である。図11に示
すギヤ機構16の構成は、図1および図5に示されたギ
ヤ機構16とほぼ同様に構成されているが、図11と図
5とを比較すると、ギヤ機構16を構成する各ギヤのピ
ッチ円半径およびギヤ比ならびに各ギヤの噛み合い位置
が異なる。
【0074】そして、図11の駆動力分配装置K1を、
図5または図6または図8または図10の駆動力分配装
置に代えて搭載することができる。そして、図11の駆
動力分配装置K1を車両に搭載した場合にも、図5また
は図6または図8または図10の実施形態と同様の作用
効果を得られる。
【0075】図12は、請求項1ないし請求項3の発明
に対応する実施形態である。図12の実施形態は、図9
に示された駆動力分配装置K2の他の構成例である。な
お、図12においては、図9とは左右を反転させて示し
てある。図12の実施形態においては、電動機15が第
1ドライブシャフト7の外周側に配置されている。すな
わち、デファレンシャルキャリヤ1の内部には、第1ド
ライブシャフト7と平行な支持軸72が設けられてお
り、この支持軸72に対して相対回転可能にロータ18
が取り付けられている。
【0076】また、第1ドライブシャフト7の外周にお
ける第2サンギヤ21と電動機15との間には、中空軸
90が取り付けられている。この中空軸90と第1ドラ
イブシャフト7とが相対回転できるように構成されてい
る。また、中空軸90における第2サンギヤ21側の端
部にはギヤ91が形成され、中空軸90における電動機
15側の端部にはギヤ92が形成されている。そして、
ギヤ92と駆動ギヤ20とが噛み合わされ、ギヤ91と
複数のピニオンギヤ22とが噛み合わされている。つま
り、この図12の実施形態においては、電動機15から
出力されたトルクが、中空軸90を介して複数のピニオ
ンギヤ22に伝達されるように構成されている。
【0077】図12の駆動力分配装置K2を図10に示
すシステムに搭載した場合は、図10と同様の作用効果
を得られる。また、図12の実施形態においては、電動
機15から出力されたトルクが、4個のピニオンギヤ2
2に分配される。このため、一つのピニオンギヤ22で
負担するべき荷重が低減され、複数のピニオンギヤ22
の耐久性が向上する。なお、図12の駆動力分配装置K
2を、図5,6,8の駆動力分配装置K1に代えて搭載
することもできる。
【0078】図13は、請求項1および請求項4の発明
に対応する実施形態のスケルトン図である。図13にお
いては、駆動ギヤ20には複数のピニオンギヤ73が噛
み合わされている。このピニオンギヤ73は第2サンギ
ヤ21にも噛合されている。また、複数の保持軸74が
設けられており、この保持軸74と第1ドライブシャフ
ト7とが平行に配置されている。そして、各保持軸74
に対して、ピニオンギヤ73がそれぞれ形成されてい
る。この実施形態においては、ピニオンギヤ73が円周
方向に4つ配置され、各ピニオンギヤ73が円周方向に
等間隔おきに配置されている。
【0079】また、第1ドライブシャフト7と平行に保
持軸75が4本設けられており、各保持軸75にはピニ
オンギヤ76およびピニオンギヤ77が設けられてい
る。つまり、ピニオンギヤ76およびピニオンギヤ77
は相互に一体回転する。そして、各ピニオンギヤ76お
よびピニオンギヤ77のピッチ円半径が同一に設定さ
れ、ピニオンギヤ76およびピニオンギヤ77のピッチ
円半径とが同一に設定されている。さらに、各ピニオン
ギヤ74とピニオンギヤ77とが噛み合わされ、ピニオ
ンギヤ76と第1サンギヤ14とが噛合されている。
【0080】さらに、第1ドライブシャフト7の外周に
はキャリヤ78が設けられており、このキャリヤ78に
より保持軸74および保持軸75がそれぞれ回転可能に
保持されている。上記構成により、各ピニオンギヤ76
と各ピニオンギヤ77とを一組として、軸線X1の周囲
を一体的に公転しつつ一体的に自転することができる。
また、各ピニオンギヤ73が軸線X1の周囲を公転しつ
つ自転することができる。つまり、各ピニオンギヤ7
3,76,77が軸線X1を中心とする同一半径の円周
上で自転および公転できる状態にある。図13の他の構
成は、図1および図5ならびに図11と同様であるた
め、これらの図と同様の符号を付してその説明を省略す
る。
【0081】ここで、図13の構成と、この発明の構成
との対応関係を説明すれば、ピニオンギヤ73,76,
77および保持軸74,76がこの発明の第1中間ギヤ
機構に相当し、ピニオンギヤ73および保持軸74がこ
の発明の第2中間ギヤ機構に相当し、キャリヤ78がこ
の発明の保持部材に相当する。また、ピニオンギヤ73
がこの発明の第4ピニオンギヤに相当し、ピニオンギヤ
76がこの発明の第5ピニオンギヤに相当し、ピニオン
ギヤ77がこの発明の第6ピニオンギヤに相当する。図
13のその他の構成とこの発明の構成との対応関係は、
図1の構成とこの発明の構成との対応関係と同様である
ため説明を省略する。
【0082】この図13の駆動力分配装置K1を、図5
または図6または図8または図10の駆動力分配装置に
代えて搭載することができる。そして、図13の駆動力
分配装置K1を車両に搭載した場合にも、図5または図
6または図8または図10の実施形態と同様の作用効果
を得られる。
【0083】なお、上記図1ないし図13の実施形態に
おいては、電動機15のトルクは、車速、左右輪の回転
速度差、操舵角、ヨー角速度、デファレンシャルに対す
る入力トルクなどの条件に基づいて制御される。この場
合、検出される走行条件に対応して所定のヨーイングモ
ーメントが発生するように電動機15のトルクをフィー
ドフォワード制御すること、または、実際のヨー角速度
と基準値とを比較し、実際のヨー角速度が基準値に近づ
くように電動機15のトルクを制御(補正)するフィー
ドバック制御をおこなうこともできる。
【0084】図14は、請求項1および請求項3ならび
に請求項5の発明に対応する実施形態を示すスケルトン
図である。図14に示された駆動力分配装置K3の構成
のうち、図1に示された駆動力分配装置K1と同様の構
成部分については、同じ符号を付してその説明を省略す
る。駆動力分配装置K3においては、中空軸19と駆動
ギヤ20との間の動力伝達経路を接続・遮断するクラッ
チ93が設けられている。また、ロータ18に、中空軸
19とは別の中空軸94が接続されている。
【0085】この中空軸94と中空軸93とは同心状に
配置され、中空軸94は第1ドライブシャフト7の外周
側に配置されている。そして、中空軸94には第2クラ
ッチ95を介して駆動ギヤ96が接続されている。つま
り、電動機15に対して駆動ギヤ20と駆動ギヤ96と
が並列に配置されている。前記クラッチ93およびクラ
ッチ95としては、摩擦式クラッチまたは電磁式クラッ
チなどを用いることができる。
【0086】図15は、駆動ギヤ20とピニオンギヤ2
2とピニオンギヤ25との位置関係を示す側面図であ
る。図14の実施形態においては、ピニオンギヤ22お
よびピニオンギヤ25がそれぞれ3個ずつ設けられてい
る。
【0087】また、キャリヤ27には3本の保持軸97
が回転可能に取り付けられている。これらの保持軸97
は第1ドライブシャフト7と平行に配置されているとと
もに、各保持軸97は、第1ドライブシャフト7の周囲
に同一円周上に配置されている。各保持軸97にはピニ
オンギヤ98,99がそれぞれ形成されている。そし
て、図16に示すように、各ピニオンギヤ98と駆動ギ
ヤ96とが噛合されている。
【0088】したがって、ピニオンギヤ98,99は一
体的に自転できるとともに、一体的に第1ドライブシャ
フト7の周囲を公転することができる。さらに、図17
に示すように、各ピニオンギヤ99と第1サンギヤ14
とが噛合されている。このようにして、ピニオンギヤ2
2,24,25,98,99が、軸線X1を中心とする
同一半径の円周上で自転および公転できる状態で、キャ
リヤ27により保持されている。
【0089】なお、デファレンシャルキャリヤ1の内部
には、キャリヤ27の回転・停止を制御するブレーキ1
00が設けられている。さらに、図14の実施形態にお
いては、電動機15が、外部動力によりロータ18を回
転させることにより、発電機として機能(回生機能)さ
せることのできる、いわゆるモータ・ジェネレータが用
いられている。電動機15を発電機として機能させる場
合は、その電気エネルギを電気回路29を介して電源2
8に充電することができる。
【0090】図18は、駆動力分配装置K3の制御回路
を示すブロック図であり、図4に示す構成と同様の構成
については、図4と同じ符号を付してその説明を省略す
る。電子制御装置30に入力される信号に基づいて、ア
クチュエータ101に対する制御信号が出力される。そ
して、アクチュエータ101により係合・解放装置10
2が制御されるように構成されている。この係合・解放
装置102には、クラッチ95およびクラッチ95なら
びにブレーキ100が含まれる。
【0091】ここで、図14の実施形態とこの発明の構
成との対応関係を説明すれば、駆動ギヤ20がこの発明
の第1駆動ギヤに相当し、駆動ギヤ96がこの発明の第
2駆動ギヤに相当し、ピニオンギヤ22,24および保
持軸23がこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、ピニ
オンギヤ22,25および保持軸26がこの発明の第2
中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ98,99および
保持軸97がこの発明の第3中間ギヤ機構に相当し、ク
ラッチ93がこの発明の第1クラッチに相当し、クラッ
チ95がこの発明の第2クラッチに相当する。さらに、
ピニオンギヤ22がこの発明の第1ピニオンギヤに相当
し、ピニオンギヤ24がこの発明の第2ピニオンギヤに
相当し、ピニオンギヤ25がこの発明の第3ピニオンギ
ヤに相当する。図14のその他の構成とこの発明の構成
との対応関係は、図1の構成とこの発明の構成との対応
関係と同じであるため、その説明を省略する。
【0092】この図14に示す駆動力分配装置K3は、
例えば、図5に示す駆動力分配装置K1に代えて車両3
4に搭載することができる。つぎに、駆動力分配装置K
3を搭載した車両34が走行する場合の動作を説明す
る。車両34が直進走行する場合の動作および制御は、
図5と同様である。
【0093】これに対して、車両34が旋回走行する場
合は、電動機15が駆動されるとともに、クラッチ93
が係合され、クラッチ95およびブレーキ100が解放
される。すると、駆動ギヤ20のトルクがピニオンギヤ
22に伝達されて、キャリヤ27が回転するとともに、
ピニオンギヤ22のトルクがピニオンギヤ24,25に
伝達されて、ピニオンギヤ24,25が軸線X1の周囲
を公転する。このため、電動機15のトルクの一部が、
ピニオンギヤ22およびピニオンギヤ24を介して第1
サンギヤ14に伝達されるとともに、電動機15のトル
クの一部が、ピニオンギヤ22およびピニオンギヤ25
を介して第2サンギヤ21に伝達される。
【0094】そして、図14の実施形態においても、前
述した(1)ないし(5)式を達成することができるよ
うに、ギヤ機構16の構成が設定されている。すなわ
ち、車両34が右方向に旋回する場合は、第1サンギヤ
14に対して減速方向のトルクが伝達され、第2サンギ
ヤ21に対して加速方向のトルクが伝達される。つま
り、車両34を右方向に旋回させるヨーイングモーメン
トが発生する。
【0095】これに対して、車両34が左方向に旋回す
る場合は、第1サンギヤ14に対して加速方向のトルク
が伝達され、第2サンギヤ21に対して減速方向のトル
クが伝達される。つまり、車両34を左方向に旋回させ
るヨーイングモーメントが発生する。また、必要に応じ
て上記とは逆方向にトルクを伝達して車両に作用してい
るヨーイングモーメントとは逆方向のヨーイングモーメ
ントを発生させることもできる。
【0096】このように、図14の実施形態も、図5の
実施形態と同様の理由により、デファレンシャル2によ
る差動制限状態を、車両の走行条件(旋回状態)に適合
する状態に制御することができ、図5の実施形態と同様
の効果を得られる。
【0097】また、図14の駆動力分配装置K3を、図
5の車両34に搭載した場合は、ピニオンギヤ22,2
4,98,99が、軸線X1を中心とする同一半径の円
周上に配置されているため、ドライブシャフト7,8の
半径方向におけるギヤ機構16の占有領域が狭められ
る。したがって、駆動力分配装置K3をドライブシャフ
ト7,8の半径方向に小型(コンパクト)化することが
でき、車載性が向上する。
【0098】つぎに、図5に示す車両34において、エ
ンジン1のトルクを駆動力分配装置K3によりアシスト
する場合の制御を説明する。この制御は、アクセル開度
などから判断される加速要求に対して、エンジン出力に
より得られる駆動力の不足分を、電動機15のトルクに
より補うためのものである。この制御では、電動機15
が駆動されるとともに、クラッチ95およびブレーキ1
00が係合され、第1クラッチ93が解放される。
【0099】すると、キャリヤ27が固定されるととも
に、ピニオンギヤ98,99が公転することなく自転
し、電動機15のトルクが駆動ギヤ96およびピニオン
ギヤ98,99を介して第1サンギヤ14に伝達され
る。したがって、デフケース4に対して、エンジントル
クおよび電動機15のトルクの両方が伝達され、車輪4
1,42の駆動力が増加して加速性能が向上する。
【0100】これに対して車両の減速時(惰力走行時)
には、クラッチ95およびブレーキ100を係合すると
ともに、クラッチ93を解放する。すると、キャリヤ2
7が固定されるとともに、車輪の動力がデフケース2を
介してピニオンギヤ99に伝達される。ついで、ピニオ
ンギヤ99,98が公転することなく自転して、デフケ
ース2のトルクが電動機15に伝達されて電動機15が
発電機として機能し、その電気エネルギが電源28に充
電される。そして、エンジン45の動力により走行中
に、駆動力不足が生じた場合は、この電気エネルギを電
動機15に供給して電動機を駆動させ、エンジントルク
をアシストする制御をおこなえば、車両全体としての燃
費を向上させることができる。
【0101】また、図6に示す車両44の駆動力分配装
置K1に代えて図14に示す駆動力分配装置K3を搭載
することもできる。さらに、車両44に駆動力分配装置
K3を搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置K1
を搭載した場合と同様の効果を得られる。さらに、図8
に示す車両51の駆動力分配装置K1に代えて図14に
示す駆動力分配装置K3を搭載することもできる。この
ように、車両51に駆動力分配装置K3を搭載した場合
も、車両51に駆動力分配装置K1を搭載した場合と同
様の効果を得られる。以上のように、図14の実施形態
においては、加速要求に応じて車輪の駆動力を制御する
ことができ、ドライバビリティが向上する。
【0102】図19は、請求項1および請求項5の発明
に対応する実施形態である。図19に示す駆動力分配装
置K4において、図1の駆動力分配装置K1または図1
4の駆動力分配装置K3の構成と同様の構成部分につい
ては、図1または図14と同じ符号を付してその説明を
省略する。駆動力分配装置K4においては、駆動ギヤ2
0のピッチ円半径の方が、駆動ギヤ96のピッチ円半径
よりも大きく設定されている。具体的には、駆動ギヤ2
0および第2サンギヤ21のピッチ円半径が同一に設定
されている。
【0103】また、キャリヤ27には保持軸103が回
転可能に取り付けられている。保持軸103は第1ドラ
イブシャフト7と平行に配置されており、保持軸103
にはピニオンギヤ104が形成されている。このピニオ
ンギヤ104と駆動ギヤ20および第2サンギヤ21と
が噛合されている。さらにキャリヤ27には保持軸10
5が回転可能に取り付けられている。保持軸105はド
ライブシャフト7と平行に配置されており、保持軸10
5にはピニオンギヤ106,107が形成されている。
このピニオンギヤ106,107のピッチ円半径は同一
に設定されている。
【0104】そして、ピニオンギヤ106とピニオンギ
ヤ104とが噛合され、ピニオンギヤ107と第1サン
ギヤ14とが噛合されている。このようにして、ピニオ
ンギヤ98,99,104,106,107が、軸線X
1を中心とするほぼ同一半径上で自転および公転できる
状態で、キャリヤ27により保持されている。
【0105】ここで、図19の実施形態とこの発明の構
成との対応関係を説明すれば、ピニオンギヤ104,1
06,107および保持軸105がこの発明の第1中間
ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ104および保持軸1
03がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、ピニオン
ギヤ98,99および保持軸97がこの発明の第3中間
ギヤ機構に相当する。図19のその他の構成とこの発明
の構成との対応関係は、図1の構成とこの発明の構成と
の対応関係を同じであるためその説明を省略する。
【0106】図19の駆動力分配装置K4は、図5の車
両34の駆動力分配装置K1に代えて搭載することがで
きる。そして、車両34の旋回時に、電動機15のトル
クを第1サンギヤ14および第2サンギヤ21に分配す
る場合は、第1クラッチ93が係合されるとともに、ク
ラッチ95およびブレーキ100が解放される。
【0107】すると、電動機15のトルクの一部がピニ
オンギヤ104およびピニオンギヤ106,107を介
して第1サンギヤ14に伝達されるとともに、電動機1
5のトルクの一部がピニオンギヤ104を介して第2サ
ンギヤ21に伝達される。そして、駆動力分配装置K4
においても、前述した(5)式が満たされるように、ギ
ヤ機構16のギヤ比やピッチ円半径などを設定すること
ができ、図5の実施形態と同様の効果を得られる。
【0108】また、軸線X1を中心とするほぼ同一円周
上にピニオンギヤ98,99,104,106,107
が配置されているため、第1ドライブシャフト7の半径
方向におけるギヤ機構16の占有領域が狭められる。し
たがって、駆動力分配装置K4をドライブシャフト7,
8の半径方向に小型(コンパクト)化することができ、
車載性が向上する。また、ピニオンギヤ106,107
のピッチ円半径が同一に設定されている。したがって、
ドライブシャフト7,8の半径方向におけるギヤ機構1
6の配置スペースを、一層狭めることができる。
【0109】つぎに、図5に示す車両34において、エ
ンジン1のトルクを駆動力分配装置K4によりアシスト
する場合は、電動機15が駆動されるとともに、クラッ
チ95およびブレーキ100が係合され、クラッチ93
が解放される。
【0110】すると、キャリヤ27が固定されるととも
に、電動機15のトルクが駆動ギヤ96およびピニオン
ギヤ98,99を介して第1サンギヤ14に伝達され
る。したがって、図14の駆動力分配装置K3と同様の
効果を得られる。また、図14の駆動力分配装置K3と
同様にして、駆動力分配装置K4の電動機15を発電機
として機能させ、その電気エネルギを電源28に充電す
ることもできる。
【0111】また、図6に示す車両44の駆動力分配装
置K1に代えて、駆動力分配装置K4を搭載することも
できる。このように、車両44に駆動力分配装置K4を
搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置K1を搭載
した場合と同様の効果を得られる。さらに、図8に示す
車両51の駆動力分配装置K1に代えて、駆動力分配装
置K4を搭載することもできる。このように、車両51
に駆動力分配装置K4を搭載した場合も、車両51に駆
動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られ
る。
【0112】図20は、請求項1および請求項5に対応
する実施形態のスケルトン図である。図20に示された
駆動力分配装置K5において、図1または図19と同様
の構成については、図1または図19と同じ符号を付し
てその説明を省略する。図20の駆動力分配装置K5に
おいて、キャリヤ27により保持軸108が回転可能に
保持されている。保持軸108にはピニオンギヤ10
9,110が形成されている。このピニオンギヤ109
と駆動ギヤ20とが噛合され、ピニオンギヤ110と第
1サンギヤ14とが噛合されている。
【0113】また、キャリヤ27により保持軸111が
回転可能に保持されている。保持軸108にはピニオン
ギヤ112形成されている。ピニオンギヤ112は、ピ
ニオンギヤ109および第2サンギヤ21に噛合されて
いる。そして、各ピニオンギヤ109,110,112
のピッチ円半径がほぼ同一に設定されているとともに、
各ピニオンギヤ109,110,112は、軸線X1を
中心とするほぼ同一円周上で、自転および公転できる状
態でキャリヤ27により保持されている。
【0114】ここで、図20の構成とこの発明の構成と
の対応関係を説明すれば、ピニオンギヤ109,110
および保持軸110がこの発明の第1中間ギヤ機構に相
当し、ピニオンギヤ109,112および保持軸111
がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ
98,99および保持軸97がこの発明の第3中間ギヤ
機構に相当する。図20のその他の構成とこの発明の構
成との対応関係は、図1および図19の構成とこの発明
の構成との対応関係を同じであるため、その説明を省略
する。
【0115】図20の駆動力分配装置K5は、例えば図
5に示す車両34において、駆動力分配装置K1に代え
て搭載することができる。そして、車両34の旋回時
に、電動機15のトルクを第1サンギヤ14および第2
サンギヤ21に分配する場合は、クラッチ93が係合さ
れるとともに、クラッチ95およびブレーキ100が解
放される。
【0116】すると、電動機15のトルクの一部がピニ
オンギヤ104およびピニオンギヤ109,110を介
して第1サンギヤ14に伝達されるとともに、電動機1
5のトルクの一部がピニオンギヤ109,112を介し
て第2サンギヤ21に伝達される。そして、駆動力分配
装置K5においても、前述した(5)式が満たされるよ
うに、ギヤ機構16のギヤ比やピッチ円半径などを設定
することができ、図5の実施形態と同様の効果を得られ
る。
【0117】また、軸線X1を中心とする同一半径の円
周上にピニオンギヤ98,99,109,110,11
2が配置されているため、ドライブシャフト7,8の半
径方向におけるギヤ機構16の占有領域が狭められる。
したがって、駆動力分配装置K5をドライブシャフト
7,8の半径方向に小型(コンパクト)化することがで
き、車載性が向上する。
【0118】つぎに、図5に示す車両34において、エ
ンジン1のトルクを駆動力分配装置K5によりアシスト
する場合は、電動機15が駆動されるとともに、クラッ
チ95およびブレーキ100が係合され、クラッチ93
が解放される。
【0119】すると、キャリヤ27が固定されるととも
に、電動機15のトルクが駆動ギヤ96およびピニオン
ギヤ98,99を介して第1サンギヤ14に伝達され
る。したがって、図14の駆動力分配装置K3と同様の
効果を得られる。また、図14の駆動力分配装置K3と
同様にして、駆動力分配装置K5の電動機15を発電機
として機能させ、その電気エネルギを電源28に充電す
ることもできる。
【0120】また、図6に示す車両44の駆動力分配装
置K1に代えて、駆動力分配装置K5を搭載することも
できる。このように、車両44に駆動力分配装置K5を
搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置K1を搭載
した場合と同様の効果を得られる。さらに、図8に示す
車両51の駆動力分配装置K1に代えて、駆動力分配装
置K5を搭載することもできる。このように、車両51
に駆動力分配装置K5を搭載した場合も、車両51に駆
動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られ
る。
【0121】図21は、請求項1および請求項5に対応
する実施形態のスケルトン図である。図21に示された
駆動力分配装置K6において、図1または図14と同様
の構成については、図1または図14と同じ符号を付し
てその説明を省略する。図21の駆動力分配装置K6に
おいて、キャリヤ27により保持軸113が回転可能に
保持されている。保持軸113にはピニオンギヤ11
4,115が形成されている。ピニオンギヤ114のピ
ッチ円半径の方が、ピニオンギヤ115のピッチ円半径
よりも大きく設定されている。このピニオンギヤ114
と駆動ギヤ20とが噛合され、ピニオンギヤ115と第
1サンギヤ14とが噛合されている。
【0122】また、キャリヤ27により保持軸116が
回転可能に保持されている。保持軸116にはピニオン
ギヤ117,118が形成されている。ピニオンギヤ1
17のピッチ円半径の方が、ピニオンギヤ118のピッ
チ円半径よりも大きく設定されている。そして、ピニオ
ンギヤ117が駆動ギヤ96に噛合されている。
【0123】さらに、キャリヤ27により保持軸119
が回転可能に保持されている。保持軸119にはピニオ
ンギヤ120,121が形成されている。このピニオン
ギヤ120,121のピッチ円半径は同一に設定されて
いる。そして、ピニオンギヤ120とピニオンギヤ11
7とが噛合され、ピニオンギヤ121と第1サンギヤ1
4とが噛合されている。このように、各ピニオンギヤ1
14,115,117,118,120,121が、軸
線X1を中心とする同一半径の円周上において、自転お
よび公転できる状態でキャリヤ27により保持されてい
る。
【0124】ここで、図21の構成とこの発明の構成と
の対応関係を説明すれば、駆動ギヤ96がこの発明の第
1駆動ギヤに相当し、駆動ギヤ20がこの発明の第2駆
動ギヤに相当し、ピニオンギヤ117,120,121
および保持軸119がこの発明の第1中間ギヤ機構に相
当し、ピニオンギヤ117,118および保持軸116
がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ
114,115および保持軸113がこの発明の第3中
間ギヤ機構に相当する。図21のその他の構成とこの発
明の構成との対応関係は、図1および図19の構成とこ
の発明の構成との対応関係を同じであるためその説明を
省略する。
【0125】図21の駆動力分配装置K5は、例えば図
5に示す車両34において、駆動力分配装置K1に代え
て搭載することができる。そして、車両34の旋回時
に、電動機15のトルクを第1サンギヤ14および第2
サンギヤ21に分配する場合は、クラッチ95が係合さ
れるとともに、クラッチ93およびブレーキ100が解
放される。
【0126】すると、電動機15のトルクの一部がピニ
オンギヤ117,120,121を介して第1サンギヤ
14に伝達されるとともに、電動機15のトルクの一部
がピニオンギヤ117,118を介して第2サンギヤ2
1に伝達される。そして、駆動力分配装置K6において
も、前述した(5)式が満たされるように、ギヤ機構1
6のギヤ比やピッチ円半径などを設定することができ、
図5の実施形態と同様の効果を得られる。
【0127】また、軸線X1を中心とするほぼ同一円周
上にピニオンギヤ114,115,117,118,1
20,121が配置されているため、ドライブシャフト
7,8の半径方向におけるギヤ機構16の占有領域が狭
められる。したがって、駆動力分配装置K6をドライブ
シャフト7,8の半径方向に小型(コンパクト)化する
ことができ、車載性が向上する。
【0128】つぎに、図5に示す車両34において、エ
ンジン1のトルクを駆動力分配装置K5によりアシスト
する場合は、電動機15が駆動されるとともに、クラッ
チ93およびブレーキ100が係合され、クラッチ95
が解放される。
【0129】すると、キャリヤ27が固定されるととも
に、電動機15のトルクが駆動ギヤ20およびピニオン
ギヤ114,115を介して第1サンギヤ14に伝達さ
れる。したがって、駆動力分配装置K6においても、駆
動力分配装置K3と同様の効果を得られる。また、図1
4の駆動力分配装置K3と同様にして、駆動力分配装置
K6の電動機15を発電機として機能させ、その電気エ
ネルギを電源28に充電することもできる。
【0130】また、図6に示す車両44の駆動力分配装
置K1に代えて、駆動力分配装置K6を搭載することも
できる。このように、車両44に駆動力分配装置K6を
搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置K1を搭載
した場合と同様の効果を得られる。さらに、図8に示す
車両51の駆動力分配装置K1に代えて、駆動力分配装
置K6を搭載することもできる。このように、車両51
に駆動力分配装置K6を搭載した場合も、車両51に駆
動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られ
る。
【0131】図22は、請求項1および請求項5に対応
する実施形態のスケルトン図である。図22に示された
駆動力分配装置K7において、図1または図21と同様
の構成については、図1または図21と同じ符号を付し
てその説明を省略する。駆動力分配装置K7において、
キャリヤ27により保持軸122が回転可能に保持され
ている。保持軸122にはピニオンギヤ123,124
が形成されている。そして、ピニオンギヤ123が駆動
ギヤ96に噛合され、ピニオンギヤ124が第1サンギ
ヤ14に噛合されている。
【0132】さらに、キャリヤ27により保持軸125
が回転可能に保持されている。保持軸125にはピニオ
ンギヤ126が形成されている。このピニオンギヤ12
6とピニオンギヤ123および第2サンギヤ21とが噛
合されている。このようにして、各ピニオンギヤ11
4,115,123,124,126が、軸線X1を中
心とするほぼ同一円周上において、自転および公転でき
る状態でキャリヤ27により保持されている。
【0133】ここで、図22の構成とこの発明の構成と
の対応関係を説明すれば、駆動ギヤ96がこの発明の第
1駆動ギヤに相当し、駆動ギヤ20がこの発明の第2駆
動ギヤに相当し、ピニオンギヤ123,124および保
持軸122がこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、ピ
ニオンギヤ123,126および保持軸125がこの発
明の第2中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ114,
115および保持軸113がこの発明の第3中間ギヤ機
構に相当する。図22のその他の構成とこの発明の構成
との対応関係は、図1および図19の構成とこの発明の
構成との対応関係を同じであるためその説明を省略す
る。
【0134】図22の駆動力分配装置K7は、例えば図
5に示す車両34において、駆動力分配装置K1に代え
て搭載することができる。そして、車両34の旋回時
に、電動機15のトルクを第1サンギヤ14および第2
サンギヤ21に分配する場合は、クラッチ95が係合さ
れるとともに、クラッチ93およびブレーキ100が解
放される。
【0135】すると、電動機15のトルクの一部がピニ
オンギヤ123,124を介して第1サンギヤ14に伝
達されるとともに、電動機15のトルクの一部がピニオ
ンギヤ123,126を介して第2サンギヤ21に伝達
される。そして、駆動力分配装置K7においても、前述
した(5)式が満たされるように、ギヤ機構16のを構
成する各ギヤ同士のギヤ比やピッチ円半径などを設定す
ることができ、図5の実施形態と同様の効果を得られ
る。
【0136】また、駆動力分配装置K7においても、軸
線X1を中心とするほぼ同一円周上にピニオンギヤ11
4,115,123,124,126が配置されている
ため、ドライブシャフト7,8の半径方向におけるギヤ
機構16の占有領域が狭められる。したがって、駆動力
分配装置K7をドライブシャフト7,8の半径方向に小
型(コンパクト)化することができ、車載性が向上す
る。
【0137】つぎに、図5に示す車両34において、エ
ンジン1のトルクを駆動力分配装置K7によりアシスト
する場合は、電動機15が駆動されるとともに、クラッ
チ93およびブレーキ100が係合され、クラッチ95
が解放される。
【0138】すると、キャリヤ27が固定されるととも
に、電動機15のトルクが駆動ギヤ20およびピニオン
ギヤ114,115を介して第1サンギヤ14に伝達さ
れる。したがって、駆動力分配装置K7においても、図
14の駆動力分配装置K3と同様の効果を得られる。ま
た、図14の駆動力分配装置K3と同様にして、駆動力
分配装置K7の電動機15を発電機として機能させ、そ
の電気エネルギを電源28に充電することもできる。
【0139】また、図6に示す車両44の駆動力分配装
置K1に代えて、駆動力分配装置K7を搭載することも
できる。このように、車両44に駆動力分配装置K7を
搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置K1を搭載
した場合と同様の効果を得られる。さらに、図8に示す
車両51の駆動力分配装置K1に代えて、駆動力分配装
置K7を搭載することもできる。このように、車両51
に駆動力分配装置K7を搭載した場合も、車両51に駆
動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られ
る。
【0140】図23に示す駆動力分配装置K8は、図1
9に示す駆動力分配装置K4の構成の一部を変更した実
施形態である。この駆動力分配装置K8は、請求項1お
よび請求項5の発明に対応するものである。駆動力分配
装置K8においては、駆動ギヤ20のピッチ円半径より
も駆動ギヤ96のピッチ円半径の方が大きく設定されて
いる。駆動ギヤ96のピッチ円半径は、第1サンギヤ1
4および第2サンギヤ21のピッチ円半径と同一に設定
されている。そして、ピニオンギヤ98と駆動ギヤ20
とが噛合されている。駆動力分配装置K8のその他の構
成は、駆動力分配装置K4の構成と同様であるため説明
を省略する。
【0141】図23の実施形態の構成とこの発明の構成
との対応関係を説明すれば、駆動ギヤ96がこの発明の
第1駆動ギヤに相当し、駆動ギヤ20がこの発明の第2
駆動ギヤに相当する。また、ピニオンギヤ104,10
6,107および保持軸105がこの発明の第1中間ギ
ヤ機構に相当し、ピニオンギヤ104および保持軸10
3がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギ
ヤ98,99および保持軸97がこの発明の第3中間ギ
ヤ機構に相当する。図23のその他の構成とこの発明の
構成との対応関係は、図1および図19の構成とこの発
明の構成との対応関係を同じであるためその説明を省略
する。
【0142】この駆動力分配装置K8においては、電動
機15が駆動されるとともに、クラッチ95が係合さ
れ、かつ、クラッチ93およびブレーキが解放された場
合は、電動機15のトルクが駆動ギヤ96を介して第1
サンギヤ14および第2サンギヤ21に分配される。こ
れに対して、クラッチ93およびブレーキ100が係合
され、かつ、クラッチ95が解放された場合は、電動機
15のトルクが第1サンギヤ14に伝達される。このよ
うに、駆動力分配装置K8においても、駆動力分配装置
K4と同様の効果を得られる。
【0143】図24に示す駆動力分配装置K9は、図2
3に示す駆動力分配装置K8の構成の一部を変更した実
施形態である。この駆動力分配装置K9は、請求項1お
よび請求項5の発明に対応するものである。駆動力分配
装置K9においては、キャリヤ27により保持軸127
および保持軸128が回転可能に保持されている。保持
軸127および保持軸128と、第1ドライブシャフト
7とが相互に平行に配置されている。保持軸127には
ピニオンギヤ129,130が形成されている。このピ
ニオンギヤ129と駆動ギヤ96とが噛合され、ピニオ
ンギヤ130と第1サンギヤ14とが噛合されている。
【0144】また、保持軸128にはピニオンギヤ13
1,132が形成されている。このピニオンギヤ131
とピニオンギヤ129とが噛合され、ピニオンギヤ13
2とピニオンギヤ21とが噛合されている。これらのピ
ニオンギヤ129,130,131,132のピッチ円
半径は同一に設定されている。このようにして、ピニオ
ンギヤ98,99,129,130,131,132
が、軸線X1を中心とするほぼ同一円周上で自転および
公転できるように、キャリヤ27により保持されてい
る。駆動力分配装置K9のその他の構成は、駆動力分配
装置K8の構成と同様であるため説明を省略する。
【0145】図24の実施形態の構成とこの発明の構成
との対応関係を説明すれば、駆動ギヤ96がこの発明の
第1駆動ギヤに相当し、駆動ギヤ20がこの発明の第2
駆動ギヤに相当し、クラッチ95がこの発明の第1クラ
ッチに相当し、クラッチ93がこの発明の第2クラッチ
に相当する。また、ピニオンギヤ129,130および
保持軸127がこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、
ピニオンギヤ129,131,132および保持軸12
8がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギ
ヤ98,99および保持軸97がこの発明の第3中間ギ
ヤ機構に相当する。図24のその他の構成とこの発明の
構成との対応関係は、図1の構成とこの発明の構成との
対応関係を同じであるためその説明を省略する。
【0146】この駆動力分配装置K9においても、クラ
ッチ93,95およびブレーキ100が制御される。そ
して、駆動力分配装置K9においても、駆動力分配装置
K8と同様の効果を得られる。
【0147】図25に示す駆動力分配装置K10は、請
求項1および請求項3ならびに請求項5の発明に対応す
る実施形態のスケルトン図である。駆動力分配装置K1
0は、分配機構3とデファレンシャル54とを組み合わ
せて構成されている。分配機構3の構成は、図14の分
配機構3の構成と同様である。
【0148】デファレンシャル54は、サンギヤ55お
よび環状部材56を有する。サンギヤ55は、第1ドラ
イブシャフト7の端部に形成され、環状部材56はサン
ギヤ55の外周に配置され、環状部材56は第1ドライ
ブシャフト7と同心状に配置されている。この環状部材
56の内周にはインナーギヤ57が形成され、環状部材
56の外周には、はす歯歯車形式のアウターギヤ58、
または傘歯車形式のアウターギヤ58Aが形成される。
このアウターギヤ58およびアウターギヤ58Aは、車
両に対する駆動力分配装置K10の搭載位置、あるいは
用途などに基づいて使い分けることができる。
【0149】また、サンギヤ55と環状部材56との間
には2つのピニオンギヤ59,60が設けられており、
このピニオンギヤ59,60が相互に噛合している。そ
して、ピニオンギヤ59,60を一組として複数組のピ
ニオンギヤ59,60が、円周方向に配置されている。
そして、各ピニオンギヤ59とインナーギヤ57とが噛
合され、各ピニオンギヤ60とサンギヤ55とが噛合さ
れている。このように、デファレンシャル54は、いわ
ゆるダブルピニオン式のプラネタリギヤを主体として構
成されている。
【0150】さらに、相互に噛合するピニオンギヤ5
9,60を一組として保持する2つのキャリヤ61,6
2が設けられており、一方のキャリヤ61が第2ドライ
ブシャフト8に連結されている。他方のキャリヤ62に
は中空軸63が接続され、この中空軸63が、第1ドラ
イブシャフト7におけるサンギヤ55と、第2サンギヤ
21との間に取り付けられている。この中空軸63と第
1ドライブシャフト7とは相対回転可能に構成されてい
る。そして、中空軸63には第1サンギヤ14が形成さ
れている。
【0151】一方、前記環状部材56にはコネクティン
グドラム183が連結されており、コネクティングドラ
ム183は中空軸63の外側に配置されている。コネク
ティングドラム183と中空軸63とは相対回転可能に
構成され、コネクティングドラム183には第3サンギ
ヤ184が形成されている。そして、第3サンギヤ18
4と第2サンギヤ21との間に第1サンギヤ14が配置
されている。さらに第1サンギヤ14とピニオンギヤ2
4とが噛合され、第3サンギヤ184とピニオンギヤ9
9とが噛合されている。
【0152】ここで、図25の実施形態の構成とこの発
明の構成との対応関係を説明する。すなわち、環状部材
56およびキャリヤ61がこの発明の入力用回転部材に
相当し、第1サンギヤ14および第3サンギヤ184が
この発明の第1従動ギヤに相当する。図25のその他の
構成とこの発明の構成との対応関係は、図1および図1
4の実施形態とこの発明の構成との対応関係と同様であ
るため説明を省略する。
【0153】この図25に示す駆動力分配装置K10
は、例えば、図5に示す駆動力分配装置K1に代えて車
両34に搭載することができる。この場合は、環状部材
56の外周に、傘歯車形式のアウタギヤ58Aが形成さ
れる。そして、ドライブピニオンギヤ38とアウタギヤ
58Aとが噛合される。つぎに、駆動力分配装置K10
を搭載した車両34が走行する場合の動作を説明する。
車両34が直進走行する場合は、プロペラシャフト37
のトルクが環状部材56に入力されるとともに、環状部
材56のトルクが第1ドライブシャフト7および第2ド
ライブシャフト8に伝達される。また、この場合は電動
機15およびクラッチ93,95ならびにブレーキ10
0の制御は、図14の場合と同様である。
【0154】ところで、車両34が旋回走行する場合
は、電動機15が駆動されるとともに、クラッチ93が
係合され、クラッチ95およびブレーキ100が解放さ
れる。すると、図14の実施形態と同様にしてキャリヤ
27が回転する。また、駆動ギヤ20のトルクがピニオ
ンギヤ22を介してピニオンギヤ24,25に伝達され
ると、ピニオンギヤ25のトルクは第2サンギヤ21に
伝達される。
【0155】一方、ピニオンギヤ24のトルクは、第1
サンギヤ14を介してキャリヤ62に伝達される。この
ようにして、電動機15のトルクが、第1ドライブシャ
フト7および第2ドライブシャフト8に伝達される。す
なわち、車両34が右方向に旋回する場合は、第1サン
ギヤ14に対して減速方向のトルクが伝達され、この減
速方向のトルクが、キャリヤ62,61を介して第2ド
ライブシャフト8に伝達される。また、第2サンギヤ2
1に対して加速方向のトルクが伝達され、この加速方向
のトルクが第1ドライブシャフト7に伝達される。つま
り、車両34を右方向に旋回させるヨーイングモーメン
トが発生する。
【0156】これに対して、車両34が左方向に旋回す
る場合は、第1サンギヤ14に対して加速方向のトルク
が伝達され、この加速方向のトルクが、キャリヤ62,
61を介して第2ドライブシャフト8に伝達される。ま
た、第2サンギヤ21に対して減速方向のトルクが伝達
され、この減速方向のトルクが第1ドライブシャフト7
に伝達される。つまり、車両34を左方向に旋回させる
ヨーイングモーメントが発生する。また、必要に応じて
上記とは逆方向にトルクを伝達して車両に作用している
ヨーイングモーメントとは逆方向のヨーイングモーメン
トを発生させることもできる。
【0157】このように、図25の実施形態も、図5の
実施形態と同様の理由により、デファレンシャル54に
よる差動制限状態を、車両の走行条件(旋回状態)に適
合する状態に制御することができ、図5の実施形態と同
様の効果を得られる。また、図25の駆動力分配装置K
10を、図5の車両34に搭載した場合は、図14の実
施形態と同様の理由により、駆動力分配装置K10をド
ライブシャフト7,8の半径方向に小型化することがで
き、車載性が向上する。
【0158】つぎに、図5に示す車両34に駆動力分配
装置K10を適用し、かつ、エンジン出力により得られ
る駆動力の不足分を、電動機15のトルクにより補う場
合の制御について説明する。この場合、電動機15およ
びクラッチ93,95ならびにブレーキ100は、図1
4の実施形態と同様に制御される。すると、キャリヤ2
7が固定されるとともに、ピニオンギヤ98,99が公
転することなく自転し、電動機15のトルクが駆動ギヤ
96およびピニオンギヤ98,99を介して第3サンギ
ヤ184に伝達されるとともに、第3サンギヤ184の
トルクがコネクティングドラム183を介して環状部材
56に伝達される。このようにして、エンジントルクお
よび電動機15のトルクの両方がドライブシャフト7,
8に伝達され、車両の加速性能が向上する。
【0159】これに対して車両の減速時には、クラッチ
95およびブレーキ100を係合するとともに、クラッ
チ93を解放する。すると、キャリヤ27が固定される
とともに、車輪の動力がサンギヤ55および環状部材5
6ならびにコネクティングドラム183を介してピニオ
ンギヤ99に伝達される。すると、電動機15が発電機
として機能し、その電気エネルギが電源28に充電され
る。そして、エンジン45の動力により走行中に、駆動
力不足が生じた場合は、この電気エネルギを電動機15
に供給して電動機を駆動させ、エンジントルクをアシス
トする制御をおこなえば、車両全体としての燃費を向上
させることができる。
【0160】また、図6に示す車両44の駆動力分配装
置K1に代えて図25に示す駆動力分配装置K10を搭
載することもできる。さらに、車両44に駆動力分配装
置K10を搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置
K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。さらに、
図8に示す車両51の駆動力分配装置K1に代えて図2
5に示す駆動力分配装置K10を搭載することもでき
る。さらにまた、図10に示す車両64の駆動力分配装
置K2に代えて、図25の駆動力分配装置K10を搭載
することもできる。この構成の場合は、環状部材56の
外周にはす歯車形式のアウターギヤ58が形成され、ア
ウターギヤ58と出力ギヤ67とが噛合される。
【0161】図26に示す駆動力分配装置K11は、請
求項1および請求項3ならびに請求項5の発明に対応す
る実施形態のスケルトン図である。駆動力分配装置K1
1は、分配機構3とデファレンシャル185とを組み合
わせて構成されている。分配機構3の構成は、図14の
分配機構3の構成と同様である。
【0162】デファレンシャル185の構成のうち、図
25に示されたデファレンシャル54の構成と同様の部
分については、図25と同じ符号を付してその説明を省
略する。環状部材56には中空軸186が接続され、こ
の中空軸186が、第1ドライブシャフト7におけるサ
ンギヤ55と、第1サンギヤ14との間に取り付けられ
ている。この中空軸186と第1ドライブシャフト7と
は相対回転可能に構成されている。そして、中空軸18
6に第1サンギヤ14が形成されている。
【0163】ここで、図26の実施形態の構成とこの発
明の構成との対応関係を説明する。すなわち、環状部材
56がこの発明の入力用回転部材に相当する。図26の
その他の構成と、この発明の構成との対応関係は、図1
および図14の実施形態の構成と、この発明の構成との
対応関係と同様であるため説明を省略する。
【0164】この図26に示す駆動力分配装置K11
は、例えば、図5に示す駆動力分配装置K1に代えて車
両34に搭載することができる。この場合は、環状部材
56の外周に、傘歯車形式のアウタギヤ58Aが形成さ
れる。そして、ドライブピニオンギヤ38とアウタギヤ
58Aとが噛合される。つぎに、駆動力分配装置K11
を搭載した車両34が走行する場合の動作を説明する。
車両34が直進走行する場合は、プロペラシャフト37
のトルクがアウタギヤ58Aを介して環状部材56に伝
達され、そのトルクが第1ドライブシャフト7および第
2ドライブシャフト8に伝達される。ここで、電動機1
5およびクラッチ93,95ならびにブレーキ100の
制御は、図14の場合と同様である。
【0165】これに対して、車両34が旋回走行すると
第1ドライブシャフト7と第2ドライブシャフト8とが
差動回転するとともに、電動機15が駆動され、クラッ
チ93が係合され、クラッチ95およびブレーキ100
が解放される。すると、図14の実施形態と同様にして
キャリヤ27が回転する。また、駆動ギヤ20のトルク
がピニオンギヤ22を介してピニオンギヤ24,25に
伝達されると、ピニオンギヤ25のトルクは第2サンギ
ヤ21に伝達される。これに対して、ピニオンギヤ24
のトルクは、第1サンギヤ14を介して環状部材56に
伝達される。
【0166】例えば、車両34が右方向に旋回する場合
は、第1サンギヤ14に対して減速方向のトルクが伝達
され、この減速方向のトルクが、環状部材56およびキ
ャリヤ61を介して第2ドライブシャフト8に伝達され
る。また、ピニオンギヤ25から第2サンギヤ21に対
して加速方向のトルクが伝達され、この加速方向のトル
クが第1ドライブシャフト7に伝達される。つまり、車
両34を右方向に旋回させるヨーイングモーメントが発
生する。
【0167】これに対して、車両34が左方向に旋回す
る場合は、ピニオンギヤ24から第1サンギヤ14に対
して加速方向のトルクが伝達され、この加速方向のトル
クが、キャリヤ61を介して第2ドライブシャフト8に
伝達される。また、第2サンギヤ21に対して減速方向
のトルクが伝達され、この減速方向のトルクが第1ドラ
イブシャフト7に伝達される。つまり、車両34を左方
向に旋回させるヨーイングモーメントが発生する。ま
た、必要に応じて上記とは逆方向にトルクを伝達して車
両に作用しているヨーイングモーメントとは逆方向のヨ
ーイングモーメントを発生させることもできる。
【0168】このようにして、電動機15のトルクが、
第1ドライブシャフト7および第2ドライブシャフト8
に伝達される。したがって、図26の実施形態において
も、図5の実施形態と同様の理由により、デファレンシ
ャル185による差動制限状態を、車両の走行条件(旋
回状態)に適合する状態に制御することができ、図5の
実施形態と同様の効果を得られる。また、図26の駆動
力分配装置K11を、図5の車両34に搭載した場合
は、図14の実施形態と同様の理由により、駆動力分配
装置K11をドライブシャフト7,8の半径方向に小型
化することができ、車載性が向上する。
【0169】つぎに、図5に示す車両34に駆動力分配
装置K11を適用し、かつ、エンジン出力により得られ
る駆動力の不足分を、電動機15のトルクにより補う場
合の制御について説明する。この場合、電動機15およ
びクラッチ93,95ならびにブレーキ100は、図1
4の実施形態と同様に制御される。すると、キャリヤ2
7が固定されるとともに、ピニオンギヤ98,99が公
転することなく自転し、電動機15のトルクが駆動ギヤ
96およびピニオンギヤ98,99を介して第1サンギ
ヤ14に伝達されるとともに、第1サンギヤ14のトル
クが環状部材56を介して第1ドライブシャフト7と第
2ドライブシャフト8とに分配される。このようにし
て、エンジントルクおよび電動機15のトルクの両方が
ドライブシャフト7,8に伝達され、車両の加速性能が
向上する。
【0170】これに対して車両の減速時は、クラッチ9
5およびブレーキ100を係合するとともに、クラッチ
93を解放する。すると、キャリヤ27が固定されると
ともに、車輪の動力がサンギヤ55および環状部材56
ならびに中空軸186を介してピニオンギヤ99に伝達
され、図25の実施形態と同様の効果を得られる。
【0171】また、図6に示す車両44の駆動力分配装
置K1に代えて図26に示す駆動力分配装置K11を搭
載することもできる。さらに、車両44に駆動力分配装
置K11を搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置
K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。さらに、
図8に示す車両51の駆動力分配装置K1に代えて図2
6に示す駆動力分配装置K11を搭載することもでき
る。さらにまた、図10に示す車両64の駆動力分配装
置K2に代えて、図26の駆動力分配装置K11を搭載
することもできる。この構成の場合は、環状部材56の
外周にはす歯車形式のアウターギヤ58が形成され、ア
ウターギヤ58と出力ギヤ67とが噛合される。
【0172】図27に示す駆動力分配装置K12は、請
求項1および請求項5の発明に対応する実施形態のスケ
ルトン図である。駆動力分配装置K12は、分配機構3
Aとデファレンシャル54とを組み合わせて構成されて
いる。デファレンシャル54の構成は、図25のデファ
レンシャル54と同様であるため、その説明を省略す
る。また、分配機構3Aの構成のうち、図14に示され
た分配機構3の構成と同様の部分については、図14と
同じ符号を付してその説明を省略する。この分配機構3
Aと分配機構3との相違点を説明する。分配機構3Aに
おいては、各保持軸26にピニオンギヤ187,188
がそれぞれ形成されており、ピニオンギヤ187とピニ
オンギヤ22とが噛合され、ピニオンギヤ188と第1
サンギヤ14とが噛合されている。また、保持軸23の
ピニオンギヤ24と第2サンギヤ21とが噛合されてい
る。
【0173】ここで、図27の実施形態の構成とこの発
明の構成との対応関係を説明する。すなわち、環状部材
56およびキャリヤ61,62がこの発明の入力用回転
部材に相当し、ピニオンギヤ22,24および保持軸2
3がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギ
ヤ187,188および保持軸26がこの発明の第1中
間ギヤ機構に相当する。図27のその他の構成とこの発
明の構成との対応関係は、図1および図14の実施形態
の構成と、この発明の構成との対応関係と同様であるた
め説明を省略する。
【0174】この図27に示す駆動力分配装置K12
は、例えば、図5に示す駆動力分配装置K1に代えて車
両34に搭載することができる。この場合は、環状部材
56の外周に、傘歯車形式のアウタギヤ58Aが形成さ
れる。そして、ドライブピニオンギヤ38とアウタギヤ
58Aとが噛合される。つぎに、駆動力分配装置K12
を搭載した車両34が走行する場合の動作を説明する。
車両34が直進走行する場合は、プロペラシャフト37
のトルクがアウタギヤ58Aを介して環状部材56に伝
達され、そのトルクが第1ドライブシャフト7および第
2ドライブシャフト8に伝達される。ここで、電動機1
5およびクラッチ93,95ならびにブレーキ100の
制御は、図14の場合と同様である。
【0175】これに対して、車両34が旋回走行すると
第1ドライブシャフト7と第2ドライブシャフト8とが
差動回転するとともに、電動機15が駆動され、クラッ
チ93が係合され、クラッチ95およびブレーキ100
が解放される。すると、図14の実施形態と同様にして
キャリヤ27が回転する。また、駆動ギヤ20のトルク
がピニオンギヤ22を介して、ピニオンギヤ24とピニ
オンギヤ187とに伝達される。すると、ピニオンギヤ
24のトルクは第2サンギヤ21に伝達される。これに
対して、ピニオンギヤ187のトルクは、保持軸26お
よびピニオンギヤ188を介して第1サンギヤ14に伝
達され、第1サンギヤ14のトルクが中空軸63を介し
てキャリヤ62,61に伝達される。
【0176】ここで、車両34が右方向に旋回する場合
は、第1サンギヤ14に対して減速方向のトルクが伝達
され、この減速方向のトルクが、環状部材56およびキ
ャリヤ61を介して第2ドライブシャフト8に伝達され
る。また、ピニオンギヤ24から第2サンギヤ21に対
して加速方向のトルクが伝達され、この加速方向のトル
クが第1ドライブシャフト7に伝達される。つまり、車
両34を右方向に旋回させるヨーイングモーメントが発
生する。
【0177】これに対して、車両34が左方向に旋回す
る場合は、ピニオンギヤ188から第1サンギヤ14に
対して加速方向のトルクが伝達され、この加速方向のト
ルクが、キャリヤ61を介して第2ドライブシャフト8
に伝達される。また、ピニオンギヤ24から第2サンギ
ヤ21に対して減速方向のトルクが伝達され、この減速
方向のトルクが第1ドライブシャフト7に伝達される。
つまり、車両34を左方向に旋回させるヨーイングモー
メントが発生する。また、必要に応じて上記とは逆方向
にトルクを伝達して車両に作用しているヨーイングモー
メントとは逆方向のヨーイングモーメントを発生させる
こともできる。
【0178】このようにして、電動機15のトルクが、
第1ドライブシャフト7および第2ドライブシャフト8
に伝達される。したがって、図27の実施形態において
も、図5の実施形態と同様の理由により、デファレンシ
ャル54による差動制限状態を、車両の走行条件(旋回
状態)に適合する状態に制御することができ、図5の実
施形態と同様の効果を得られる。また、図27の駆動力
分配装置K12を、図5の車両34に搭載した場合は、
図14の実施形態と同様の理由により、駆動力分配装置
K12をドライブシャフト7,8の半径方向に小型化す
ることができ、車載性が向上する。
【0179】つぎに、図5に示す車両34に駆動力分配
装置K12を適用し、かつ、エンジン出力により得られ
る駆動力の不足分を、電動機15のトルクにより補う場
合の制御について説明する。この場合、電動機15およ
びクラッチ93,95ならびにブレーキ100は、図1
4の実施形態と同様に制御される。すると、キャリヤ2
7が固定されるとともに、ピニオンギヤ98,99が公
転することなく自転し、電動機15のトルクが駆動ギヤ
96およびピニオンギヤ98,99を介して第1サンギ
ヤ14に伝達されるとともに、第1サンギヤ14のトル
クが環状部材56を介して第1ドライブシャフト7と第
2ドライブシャフト8とに分配される。このようにし
て、エンジントルクおよび電動機15のトルクの両方が
ドライブシャフト7,8に伝達され、車両の加速性能が
向上する。
【0180】これに対して車両の減速時には、クラッチ
95およびブレーキ100を係合するとともに、クラッ
チ93を解放する。すると、キャリヤ27が固定される
とともに、車輪の動力がサンギヤ55および環状部材5
6ならびにコネクティングドラム183を介してピニオ
ンギヤ99に伝達され、図25の実施形態と同様の効果
を得られる。
【0181】また、図6に示す車両44の駆動力分配装
置K1に代えて図27に示す駆動力分配装置K12を搭
載することもできる。さらに、車両44に駆動力分配装
置K12を搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置
K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。さらに、
図8に示す車両51の駆動力分配装置K1に代えて図2
7に示す駆動力分配装置K12を搭載することもでき
る。さらにまた、図10に示す車両64の駆動力分配装
置K2に代えて、図27の駆動力分配装置K12を搭載
することもできる。この構成の場合は、環状部材56の
外周にはす歯車形式のアウターギヤ58が形成され、ア
ウターギヤ58と出力ギヤ67とが噛合される。
【0182】図28に示す駆動力分配装置K22は、請
求項1および請求項3ならびに請求項5の発明に対応す
る実施形態のスケルトン図であり、基本的な構成は図1
4に示された駆動力分配装置K3と同様である。駆動力
分配装置K22は、分配機構3Bとデファレンシャル2
とを組み合わせて構成されている。デファレンシャル2
の構成は、図1のデファレンシャル2の構成と同様であ
る。また、図28に示された分配機構3Bおよび電動機
15の構成のうち、図14に示された分配機構3および
電動機15の構成と同様の部分については、図14と同
じ符号を付してその説明を省略する。この分配機構3B
と分配機構3との相違点を説明する。第1ドライブシャ
フト7と相互に平行なシャフト189が設けられてお
り、シャフト189に対して電動機15が取り付けられ
ている。
【0183】また第1ドライブシャフト7の外周には中
空軸190が取り付けられており、中空軸190の外周
には中空軸191が取り付けられている。これら第1ド
ライブシャフト7と中空軸190と中空軸191とが相
対回転可能に構成されている。中空軸190にはギヤ1
92,193が形成され、中空軸191にはギヤ19
4,195が形成されている。そして、駆動ギヤ20と
ギヤ192とが噛合され、ピニオンギヤ98とギヤ19
3とが噛合されている。また、駆動ギヤ96とギヤ19
4とが噛合され、ギヤ195とピニオンギヤ22とが噛
合されている。
【0184】ここで、図28の実施形態の構成とこの発
明の構成との対応関係を説明する。すなわち、ピニオン
ギヤ22,24および保持軸23ならびに中空軸191
とがこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギ
ヤ25および保持軸26がこの発明の第2中間ギヤ機構
に相当し、駆動ギヤ96,194,195がこの発明の
第1駆動ギヤに相当する。図28のその他の構成と、こ
の発明の構成との対応関係は、図1および図14の実施
形態の構成と、この発明の構成との対応関係と同様であ
るため説明を省略する。
【0185】この図28に示す駆動力分配装置K12
は、例えば、図5に示す駆動力分配装置K1に代えて車
両34に搭載することができる。この場合は、デフケー
ス4の外周に、傘歯車形式のリングギヤ43が形成され
る。そして、ドライブピニオンギヤ38とリングギヤ4
3とが噛合される。つぎに、駆動力分配装置K22を搭
載した車両34が走行する場合の動作を説明する。車両
34が直進走行する場合は、図14の実施形態と同様に
して、プロペラシャフト37のトルクが第1ドライブシ
ャフト7および第2ドライブシャフト8に伝達される。
ここで、電動機15およびクラッチ93,95ならびに
ブレーキ100の制御は、図14の場合と同様である。
【0186】これに対して、車両34が旋回走行すると
第1ドライブシャフト7と第2ドライブシャフト8とが
差動回転するとともに、電動機15が駆動され、クラッ
チ95が係合され、クラッチ93およびブレーキ100
が解放される。すると、図14の実施形態と同様にして
キャリヤ27が回転する。また、駆動ギヤ96のトルク
がピニオンギヤ22を介して、ピニオンギヤ24,25
に伝達される。そして、車両34が右方向に旋回する場
合、または車両34が左方向に旋回する場合のいずれに
おいても、図14と同様の作用が生じる。
【0187】したがって、図28の実施形態において
も、図5の実施形態と同様の理由により、デファレンシ
ャル2による差動制限状態を、車両の走行条件(旋回状
態)に適合する状態に制御することができ、図5の実施
形態と同様の効果を得られる。また、図28の駆動力分
配装置K22を、図5の車両34に搭載した場合は、図
14の実施形態と同様の理由により、駆動力分配装置K
22をドライブシャフト7,8の半径方向に小型化する
ことができ、車載性が向上する。
【0188】ところで、図5に示す車両34に駆動力分
配装置K22を適用し、かつ、エンジン出力により得ら
れる駆動力の不足分を、電動機15のトルクにより補う
場合の制御も、図14の実施形態と同様にしておこなわ
れる。また、車両の減速時には、クラッチ93,95お
よびブレーキ100を、図14の実施形態の場合と同様
に制御することができる。
【0189】また、図6に示す車両44の駆動力分配装
置K1に代えて図28に示す駆動力分配装置K22を搭
載することもできる。さらに、車両44に駆動力分配装
置K22を搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置
K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。さらに、
図8に示す車両51の駆動力分配装置K1に代えて図2
8に示す駆動力分配装置K22を搭載することもでき
る。さらにまた、図10に示す車両64の駆動力分配装
置K2に代えて、図28の駆動力分配装置K22を搭載
することもできる。この構成の場合は、デフケース4の
外周にはす歯車形式のリングギヤ43Aが形成され、リ
ングギヤ43Aと出力ギヤ67とが噛合される。
【0190】図29は、請求項6の発明に対応する駆動
力分配装置K13を示している。デフケース140の内
部には、第1ドライブシャフト141の端部と、第2ド
ライブシャフト142の端部とが配置されている。第1
ドライブシャフト141および第2ドライブシャフト1
42は、軸線X1を中心として回転可能に配置されてい
る。また、第1ドライブシャフト141には第2サンギ
ヤ143が形成され、第2ドライブシャフト142には
第1サンギヤ144が形成されている。第2サンギヤ1
43のピッチ円半径と、第1サンギヤ144のピッチ円
半径とがほぼ同一に設定されている。
【0191】また、デフケース140は、デファレンシ
ャルキャリヤ145の内部に配置されており、このデフ
ケース140は軸線X1を中心として回転することがで
きる。さらに、デファレンシャルキャリヤ145の内部
には電動機15が設けられている。電動機15の構成は
図1と同様である。そして、電動機15のロータ18の
内部に第1ドライブシャフト141が配置されている。
また、デフケース140の内部には、保持軸146,1
47が設けられている。保持軸146,147は、第1
ドライブシャフト141および第2ドライブシャフト1
42と平行に配置され、かつ、保持軸146,147と
デフケース140とが相対回転可能に構成されている。
【0192】一方の保持軸146にはピニオンギヤ14
8,149が形成されている。ピニオンギヤ148のピ
ッチ円半径の方が、ピニオンギヤ149のピッチ円半径
よりも大きく設定されている。そして、図30に示すよ
うにピニオンギヤ148と駆動ギヤ20とが噛合され、
図31に示すようにピニオンギヤ149と第1サンギヤ
144とが噛合されている。また、保持軸147にはピ
ニオンギヤ150が形成され、ピニオンギヤ150と第
2サンギヤ143およびピニオンギヤ148とが噛合さ
れている。
【0193】このようにして、ピニオンギヤ148,1
49,150が、軸線X1を中心とするほぼ同一円周上
で公転および自転できる状態で、デフケース140によ
り保持されている。なお、デフケース140の外周に
は、駆動力分配装置K13の用途に応じて、はす歯歯車
形式のリングギヤ152、または傘歯車形式のリングギ
ヤ152Aを形成することができる。
【0194】ここで、図29の構成とこの発明の構成と
の対応関係を説明すれば、駆動ギヤ20がこの発明の第
1駆動ギヤに相当し、第1ドライブシャフト141がこ
の発明の第1回転部材に相当し、第2ドライブシャフト
142がこの発明の第2回転部材に相当し、第2サンギ
ヤ143がこの発明の第1従動ギヤに相当し、第1サン
ギヤ144がこの発明の第2従動ギヤに相当し、ピニオ
ンギヤ148,149および保持軸146がこの発明の
第1中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ150および
保持軸147がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、
デフケース140がこの発明のケーシングに相当する。
【0195】図32は、駆動力分配装置K13を有する
F・F形式の車両151の構成を示す平面図であり、図
32は請求項6の発明に対応する実施形態である。デフ
ァレンシャルキャリヤ145は車体側に固定されてお
り、デフケース140の外周には軸線X1を中心として
リングギヤ152が形成されている。車両151のその
他の構成は、図10に示す車両64と同様に構成されて
いる。そして、出力ギヤ67とリングギヤ152とが噛
合されている。なお、車両151においても、図4に示
す制御回路がそのまま適用される。
【0196】上記構成の車両151が走行する場合の動
作を説明する。エンジン45のトルクがトランスミッシ
ョン65および出力ギヤ67を介してデフケース140
に伝達される。デフケース140に伝達されたトルクの
一部は、ピニオンギヤ148を介して第1ドライブシャ
フト141および右前輪40に伝達される。また、デフ
ケース140に伝達されたトルクの一部は、ピニオンギ
ヤ149を介して第1ドライブシャフト142および左
前輪39に伝達される。ここで、車両が直進する場合
は、デフケース140と第2サンギヤ143および第1
サンギヤ144とが一体的に回転する。この場合には、
電動機15からトルクは出力されない。
【0197】また、第2サンギヤ143と第1サンギヤ
144とが、ピニオンギヤ148,149,150によ
り接続されているため、車両が旋回する場合は、第1ド
ライブシャフト141と第2ドライブシャフト143と
の相対回転(差動回転)が可能であるとともに、電動機
15を駆動し、そのトルクを左前輪39および右前輪4
0に分配することができる。そして、この実施形態にお
いては、車両が旋回する際に、前述した(1)ないし
(4)式を満足するように設定できるとともに、前述の
(5)式の関係になるように、デフケース140の内部
のギヤ機構が設定される。
【0198】また、図6に示す車両44の駆動力分配装
置K1に代えて駆動力分配装置K13を搭載することが
できる。このように、駆動力分配装置K13を非駆動輪
に対応する位置に配置した場合も、図6と同様の効果を
得られる。
【0199】さらに、駆動力分配装置K13において
は、駆動ギヤ20と第2サンギヤ143および第1サン
ギヤ144とを接続するピニオンギヤ148,149,
150およびキャリヤ140により、第1ドライブシャ
フト141と第2ドライブシャフト142とを相対回転
(差動回転)させるデファレンシャルとしての機能を備
えている。また、ピニオンギヤ148,149,150
およびキャリヤ140が、電動機15のトルクを第1ド
ライブシャフト141と第2ドライブシャフト142と
に分配する分配機構としての機能をも備えている。この
ため、デファレンシャルおよび分配機構を別個に設ける
必要がなく、駆動力分配装置K13の部品点数および軸
線方向の占有スペースが抑制される。したがって、駆動
力分配装置K13を小型化および軽量化することがで
き、車載性が一層向上するとともに、駆動力分配装置K
13の製造コストを低減することができる。
【0200】図33は、駆動力分配装置K13を2個搭
載したF・F形式の車両153を示す平面図であり、図
33は請求項6の発明に対応する実施形態である。この
車両153においては、左前輪39および右前輪40に
対応する位置に、図32の車両151と同様に駆動力分
配装置K13が配置されている。また、左後輪41およ
び右後輪42に対応する位置に、他の駆動力分配装置K
13が配置されている。この車両153においては、図
32の車両151および図6の車両44と同様の効果を
得られる。また、図8に示す駆動力分配装置K1に代え
て、駆動力分配装置13を搭載することもできる。この
場合は、デフケース140の外周にリングギヤ152A
が形成され、リングギヤ152Aとドライブピニオンギ
ヤ38とが噛合される。
【0201】図34に示す駆動力分配装置K14は、駆
動力分配装置K13の構成の一部を変更した実施形態で
ある。図34の実施形態は請求項6の発明に対応する。
駆動力分配装置K14においては、駆動ギヤ20および
第2サンギヤ143ならびに第1サンギヤ144のピッ
チ円半径がほぼ同一に設定されている。また、ピニオン
ギヤ148,149のピッチ円半径がほぼ同一に設定さ
れている。このようにして、ピニオンギヤ148,14
9,150が、軸線X1を中心とする同一半径の円周上
で自転および公転できる状態で、キャリヤ140により
保持されている。駆動力分配装置K14のその他の構成
は、駆動力分配装置K13の構成と同様である。この駆
動力分配装置K13を、図5、図6、図8、図32、図
33に示されている駆動力分配装置に代えて搭載するこ
とができ、これらの駆動力分配装置と同様の効果を得ら
れる。
【0202】なお、図34の駆動力分配装置K14にお
いては、駆動ギヤ20とピニオンギヤ148との噛み合
い位置と、ピニオンギヤ148とピニオンギヤ150と
の噛み合い位置が、軸線方向の異なる位置に設定されて
いる。したがって、ピニオンギヤ148のピッチ円半径
を可及的に小さく設定することができ、駆動力分配装置
K14の小型化が一層促進される。
【0203】図35の駆動力分配装置K15は、駆動力
分配装置K13の構成の一部を変更した実施形態であ
る。図35の実施形態は請求項6の発明に対応する。駆
動力分配装置K15においては、保持軸146にピニオ
ンギヤ148,154が形成されている。そして、ピニ
オンギヤ148と駆動ギヤ20とが噛合され、ピニオン
ギヤ154と第2サンギヤ143とが噛合されている。
また、保持軸147にピニオンギヤ155,156が形
成されている。ピニオンギヤ155,156のピッチ円
半径がほぼ同一に設定されている。
【0204】そして、ピニオンギヤ155とピニオンギ
ヤ148とが噛合され、ピニオンギヤ156と第1サン
ギヤ144とが噛合されている。このようにして、ピニ
オンギヤ148,154,155,156が、軸線X1
を中心とする同一半径の円周上で自転および公転できる
状態で、キャリヤ140により保持されている。駆動力
分配装置K15のその他の構成は、駆動力分配装置K1
3の構成と同様である。ここで、図35の構成とこの発
明の構成との対応関係を説明すれば、ピニオンギヤ15
5,156および保持軸147がこの発明の第1中間ギ
ヤ機構に相当し、ピニオンギヤ148,154および保
持軸146がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当する。
図35のその他の構成とこの発明との対応関係は、図1
および図29の実施形態とこの発明との対応関係と同様
である。この駆動力分配装置K13を、図5、図6、図
8、図32、図33に示されている駆動力分配装置に代
えて搭載することができ、これらの駆動力分配装置と同
様の効果を得られる。
【0205】図36の駆動力分配装置K16は、駆動力
分配装置K14の構成の一部を変更した実施形態であ
り、請求項6の発明に対応する。駆動力分配装置16に
おいては、保持軸146にピニオンギヤ157が形成さ
れている。このピニオンギヤ157と駆動ギヤ20およ
び第1サンギヤ141とが噛合されている。また、保持
軸147にピニオンギヤ158,159が形成されてい
る。ピニオンギヤ158,159のピッチ円半径がほぼ
同一に設定されている。
【0206】そして、ピニオンギヤ158とピニオンギ
ヤ157とが噛合され、ピニオンギヤ159と第1サン
ギヤ144とが噛合されている。このようにして、ピニ
オンギヤ157,158,159が、自転および公転で
きる状態でキャリヤ140により保持されている。駆動
力分配装置K16のその他の構成は、駆動力分配装置K
14の構成と同様である。ここで、図36の構成とこの
発明の構成との対応関係を説明すれば、ピニオンギヤ1
57および保持軸146がこの発明の第1中間ギヤ機構
に相当し、ピニオンギヤ158,159および保持軸1
47がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当する。図36
のその他の構成とこの発明の構成との対応関係は、図1
および図29の構成とこの発明の構成との対応関係と同
じである。この駆動力分配装置K16を、図5、図6、
図8、図32、図33に示されている駆動力分配装置に
代えて搭載することができ、これらの駆動力分配装置と
同様の効果を得られる。
【0207】図37の駆動力分配装置K17は、駆動力
分配装置K13の構成の一部を変更した実施形態であ
り、請求項6の発明に対応する。駆動力分配装置K17
においては、第1ドライブシャフト141と平行なシャ
フト160が設けられている。このシャフト160を中
心として電動機15が配置されている。すなわち、電動
機15のロータ18がシャフト160の外周に取り付け
られている。また、第1ドライブシャフト141に対し
て、第1ドライブシャフト141と相対回転可能な中空
軸161が取り付けられている。この中空軸161には
ギヤ162,163が形成されている。そして、ギヤ1
62と駆動ギヤ20とが噛合され、ギヤ163とピニオ
ンギヤ148とが噛合されている。駆動力分配装置K1
7のその他の構成は、駆動力分配装置K13の構成と同
様である。
【0208】図37の構成とこの発明の構成との対応関
係を説明すれば、ギヤ162,163およびピニオンギ
ヤ148,149ならびに保持軸146がこの発明の第
1中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ150および保
持軸147がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当する。
図37のその他の構成とこの発明の構成との対応関係
は、図1および図29の構成とこの発明の構成との対応
関係と同じである。この駆動力分配装置K17を、図
5、図6、図8、図32、図33に示されている駆動力
分配装置に代えて搭載することができ、これらの駆動力
分配装置と同様の効果を得られる。
【0209】図38の駆動力分配装置K18は、請求項
7に対応する実施形態である。なお、駆動力分配装置K
18の構成のうち、図29の駆動力分配装置K13と同
様の構成については、駆動力分配装置K13と同じ符号
を付してその説明を省略する。駆動力分配装置K18に
おいては、駆動ギヤ20と電動機15との間の動力伝達
経路を接続・遮断するクラッチ164が設けられてい
る。また、電動機15の中空軸19の外周に中空軸16
5が設けられている。この中空軸165の外周には駆動
ギヤ166が形成されている。つまり、電動機15に対
して、駆動ギヤ20と駆動ギヤ166とが並列に接続さ
れている。そして、駆動ギヤ166と電動機15との間
の動力伝達経路を接続・遮断するクラッチ167が設け
られている。
【0210】一方、デフケース140の外周にはリング
ギヤ168が形成されている。また、デファレンシャル
キャリヤ145側にはシャフト169が回転可能に保持
されており、シャフト169にはギヤ170,171が
形成されている。そして、ギヤ170と駆動ギヤ166
とが噛合され、ギヤ171とギヤ168とが噛合されて
いる。
【0211】ここで、図38の構成とこの発明の構成と
の対応関係を説明すれば、駆動ギヤ166がこの発明の
第2駆動ギヤに相当し、ギヤ168,170,171お
よびシャフト169がこの発明の第3中間ギヤ機構に相
当し、クラッチ164がこの発明の第1クラッチに相当
し、クラッチ165がこの発明の第2クラッチに相当す
る。図38のその他の構成とこの発明の構成との対応関
係は、図29の構成とこの発明の構成との対応関係と同
じである。
【0212】そして、図6の駆動力分配装置K18、ま
たは図8の駆動力分配装置K1、図32の駆動力分配装
置K13、または図33の駆動力分配装置K13のいず
れかに代えて駆動力分配装置K18を用いることができ
る。なお、駆動力分配装置K18を図6のように用いる
場合はデフケース140のリングギヤ151,152A
は不要である。また、駆動力分配装置K18を図8のよ
うに用いる場合は、リングギヤ152Aとドライブピニ
オンギヤ38とが噛合される。駆動力分配装置K18を
図32のように用いる場合は、リングギヤ152と出力
ギヤ67とが噛合される。駆動力分配装置K18を搭載
する車両の制御回路は、図18と同様に構成することが
できる。この場合、図38のクラッチ164,167
が、図18の係合・解放装置102に相当する。
【0213】つぎに、駆動力分配装置K18を搭載した
車両が走行する場合の動作を説明する。車両の直進走行
時に、加速要求をエンジントルクにより満足することが
できる条件下では、電動機15が停止され、かつ、クラ
ッチ164,167が解放される。これに対して、車両
が旋回する場合は、電動機15が駆動されるとともに、
クラッチ164が係合される。すると、電動機15のト
ルクの一部が、ピニオンギヤ148,147を介して第
2サンギヤ143に伝達されるとともに、電動機15の
トルクの一部が、ピニオンギヤ148,149を介して
第1サンギヤ144に伝達される。
【0214】そして、図38の実施形態においても、前
述した(1)ないし(5)式を達成することができるよ
うに、駆動ギヤ20およびピニオンギヤ147,14
8,149ならびに各サンギヤ143,144などのギ
ヤ機構が構成されている。すなわち、車両が右方向に旋
回する場合は、第2サンギヤ143に対して減速方向の
トルクが伝達され、第1サンギヤ144に対して加速方
向のトルクが伝達される。つまり、車両を右方向に旋回
させるヨーイングモーメントが発生する。
【0215】これに対して、車両が左方向に旋回する場
合は、第2サンギヤ143に対して加速方向のトルクが
伝達され、第1サンギヤ144に対して減速方向のトル
クが伝達される。つまり、車両を左方向に旋回させるヨ
ーイングモーメントが発生する。また、必要に応じて上
記とは逆方向にトルクを伝達して車両に作用しているヨ
ーイングモーメントとは逆方向のヨーイングモーメント
を発生させることもできる。
【0216】また、駆動力分配装置K18を車両34に
搭載した場合は、ピニオンギヤ148,149,150
が、軸線X1を中心とする同一半径の円周上に配置され
ているため、ドライブシャフト141,142の半径方
向における各ピニオンギヤ148,149,150の占
有領域が狭められる。したがって、駆動力分配装置K1
8を各ドライブシャフト141,142の半径方向に小
型(コンパクト)化し、かつ軽量化することができ、車
載性が向上する。
【0217】つぎに、車両の駆動力を駆動力分配装置K
18によりアシストする場合の制御を説明する。この制
御は、アクセル開度などから判断される加速要求に対し
て、エンジン出力により得られる駆動力の不足分を、電
動機15のトルクにより補うためのものである。この制
御では、電動機15が駆動されるとともに、クラッチ1
67が係合され、クラッチ164が解放される。
【0218】すると、電動機15のトルクが駆動ギヤ1
66およびギヤ170,171ならびにリングギヤ16
8を経由してデフケース140に伝達される。したがっ
て、デフケース140に対して、エンジントルクおよび
電動機15のトルクの両方が伝達され、車輪の駆動力が
増加して加速性能が向上する。そして、車両の駆動力を
アシストする際に、電動機15のトルクをデフケース1
40に伝達するためのシャフト169およびギヤ17
0,171が、デフケース140の外部に設けられてい
る。したがって、シャフト169を多数配置し、各シャ
フト169にギヤ170,171を形成することによ
り、単一のシャフト169により受け持つべきトルクが
減少し、シャフト169およびギヤ170,171の耐
久性を向上させることができる。
【0219】なお、車両の惰力走行時には、車輪の動力
を電動機15に伝達することにより、電動機15を発電
機として機能させ、その電気エネルギを電源28に充電
することもできる。そして、駆動力不足が生じている際
に、この電気エネルギを電動機15に供給して電動機を
駆動させ、エンジントルクをアシストする制御をおこな
えば、車両全体としての燃費を向上させることができ
る。
【0220】駆動力分配装置K18においては、駆動ギ
ヤ20と第2サンギヤ143および第1サンギヤ144
とを接続するピニオンギヤ148,149,150およ
びデフケース140により、第1ドライブシャフト14
1と第2ドライブシャフト142とを相対回転(差動回
転)させるデファレンシャルとしての機能を備えてい
る。また、ピニオンギヤ148,149,150および
デフケース140が、電動機15のトルクを第1ドライ
ブシャフト141と第2ドライブシャフト142とに分
配する分配機構としての機能をも備えている。このた
め、デファレンシャルおよび分配機構を別個に設ける必
要がなく、駆動力分配装置K18の部品点数および軸線
方向の占有スペースが抑制される。したがって、駆動力
分配装置K18を小型化および軽量化することができ、
車載性が一層向上するとともに、駆動力分配装置K18
の製造コストを低減することができる。
【0221】図39の駆動力分配装置K19は、駆動力
分配装置K18の構成の一部を変更した実施形態であ
り、駆動力分配装置K19は請求項7の発明に対応す
る。駆動力分配装置K19の構成うち、駆動力分配装置
K18の構成と同様の構成については、駆動力分配装置
K18と同じ符号を付してその説明を省略する。駆動力
分配装置K19において、駆動ギヤ20のピッチ円半径
と、サンギヤ143,144のピッチ円半径とが同一に
設定されている。また、ピニオンギヤ148,149の
ピッチ円半径が同一に設定されている。この駆動力分配
装置19においても、駆動力分配装置18と同様の効果
を得られる。
【0222】図40の駆動力分配装置K20は、駆動力
分配装置K18の構成の一部を変更した実施形態であ
り、駆動力分配装置K20は請求項7の発明に対応す
る。駆動力分配装置K20の構成うち、駆動力分配装置
K18の構成と同様の構成については、駆動力分配装置
K18と同じ符号を付してその説明を省略する。駆動力
分配装置K20においては、デフケース140の一端側
の内周にリングギヤ172が形成されている。そして、
駆動ギヤ166とリングギヤ172とが噛合されてい
る。この駆動力分配装置20においても、駆動力分配装
置18と同様の効果を得られる。なお、駆動力分配装置
20においては、エンジントルクを電動機15のトルク
によりアシストする場合に、電動機15の回転方向が駆
動力分配装置K18,K19とは逆になる。
【0223】図41の駆動力分配装置K21は、駆動力
分配装置K18の構成の一部を変更した実施形態であ
り、駆動力分配装置K21は請求項7の発明に対応す
る。駆動力分配装置K21の構成うち、駆動力分配装置
K18の構成と同様の構成については、駆動力分配装置
K18と同じ符号を付してその説明を省略する。駆動力
分配装置K21においては、第1ドライブシャフト14
1の外周に、第1ドライブシャフト141と相対回転で
きる中空軸173が取り付けられている。この中空軸1
73にはギヤ174,175が形成されている。また中
空軸173におけるギヤ174とギヤ175との間には
クラッチ176が設けられている。そしてギヤ175と
ギヤ148とが噛合されている。
【0224】また、中空軸173の外周には、中空軸1
73と相対回転可能な中空軸177が設けられている。
中空軸177にはギヤ178,179が形成されてい
る。また、中空軸177におけるギヤ178とギヤ17
9との間にはクラッチ180が設けられている。そし
て、ギヤ179とギヤ170とが噛合されている。一
方、軸線X1と平行なシャフト180が設けられてお
り、シャフト180に電動機15が取り付けられてい
る。そして、電動機15のロータ18には駆動ギヤ18
1,182が並列して接続されている。この駆動ギヤ1
81とギヤ178とが噛合され、駆動ギヤ182とギヤ
174とが噛合されている。駆動力分配装置K21が搭
載される車両の制御回路は図18と同様に構成すること
ができる。この場合は、クラッチ176,180が図1
8の係合・解放装置102に含まれる。
【0225】ここで、駆動力分配装置K21の構成とこ
の発明の構成との対応関係を説明すれば、ギヤ175が
この発明の第1駆動ギヤに相当し、ギヤ179がこの発
明の第2駆動ギヤに相当し、クラッチ176がこの発明
の第1クラッチに相当し、クラッチ180がこの発明の
第2クラッチに相当する。駆動力分配装置21において
は、車両が直進走行し、かつ、加速要求をエンジントル
クにより満足することができる場合は、電動機15が停
止され、かつクラッチ176,180が解放される。
【0226】これに対して、車両が旋回する場合は、電
動機15が駆動され、かつ、クラッチ176が係合され
る。このため、電動機15のトルクが駆動ギヤ182お
よびギヤ174ならびにギヤ175を介してピニオンギ
ヤ148に伝達されるとともに、第1サンギヤ144お
よび第2サンギヤ143に分配される。また、車両の駆
動力を電動機15によりアシストする場合は、クラッチ
180が係合され、かつ、クラッチ176が解放され
る。このため、電動機15のトルクが駆動ギヤ181お
よびギヤ178,179を介してデフケース140に伝
達される。したがって、駆動力分配装置21においても
駆動力分配装置K18と同様の効果を得られる。
【0227】図42は、上記各駆動力分配装置K1ない
しK22のいずれかを搭載することのできる車両79の
他の構成例を示す平面図である。車両79にはエンジン
80が搭載され、エンジン80の出力側にはトランスミ
ッション81が設けられている。また、トランスミッシ
ョン81の出力側には駆動力分配装置が設けられてい
る。
【0228】そして、駆動力分配装置にはフロントプロ
ペラシャフト82およびリヤプロペラシャフト83が接
続され、フロントプロペラシャフト82がフロントデフ
ァレンシャル84に接続され、リヤプロペラシャフト8
3がリヤデファレンシャル85に接続されている。ここ
で、駆動力分配装置の第1ドライブシャフト7または第
2ドライブシャフト8のいずれか一方が、フロントプロ
ペラシャフト82に接続され、残りのドライブシャフト
がリヤプロペラシャフト83に接続される。すなわち、
この実施形態においては、前述した軸線X1が車両79
の前後方向に配置されることになる。なお、フロントデ
ファレンシャル84およびリヤデファレンシャル85は
公知の構造を有する。
【0229】そして、フロントデファレンシャル84の
出力側にはフロントドライブシャフト86,87が接続
されている。このフロントドライブシャフト86には左
前輪39が接続され、フロントドライブシャフト87に
は右前輪40が接続されている。一方、リヤデファレン
シャル85の出力側にはリヤドライブシャフト88,8
9が接続されている。このリヤドライブシャフト88に
は左後輪41が接続され、リヤドライブシャフト89に
は右後輪42が接続されている。
【0230】この車両73においては、エンジン80か
ら出力されたトルクが、トランスミッション81を介し
て駆動力分配装置に伝達される。そして、このトルク
が、フロントプロペラシャフト82とリヤプロペラシャ
フト83とに分配される。フロントプロペラシャフト8
2に伝達されたトルクは、フロントデファレンシャル8
4を介して左前輪39および右前輪40に伝達される。
リヤプロペラシャフト83に伝達されたトルクは、リヤ
デファレンシャル85を介して左後輪41および右後輪
42に伝達される。
【0231】つまり、駆動力分配装置が、エンジン80
のトルクを前後輪に分配するための、いわゆるセンター
デファレンシャルとして機能する。言い換えれば、図4
2においては、駆動力分配装置に対して、左前輪39お
よび右前輪40と、左後輪41および右後輪42とが並
列に接続されている。そして、図41の実施形態におい
ては、前輪と後輪との回転速度差などの条件に基づい
て、電動機のトルクが制御される。そして、この実施形
態においても、前述の各駆動力分配装置と同様の効果を
得られる。
【0232】また、前駆動力分配装置が、後輪に分配す
るトルクを制御するためのセンターデファレンシャルと
して使用されているために、特に、デファレンシャル2
のトルク配分を50:50に設定する必要がなく、この
トルク配分を走行状態によって自由に設定することがで
きる。このため、前後輪が共に低μ路に接した状態で車
両79が走行する場合の走行性能、または前後輪がμの
異なる路面に接した状態で車両79が発進する、いわゆ
る、またぎ発進性能、または車両79が坂道発進する場
合の性能などを向上させることができる。なお、図42
の実施形態において、フロントデファレンシャル84に
代えて駆動力分配装置K1ないしK22のいずれかを搭
載すること、またはリヤデファレンシャル85に代えて
駆動力分配装置K1ないしK22のいずれかを搭載する
こともできる。
【0233】なお、上記各実施形態においては、駆動力
源としてエンジンのみを搭載した車両について説明して
いるが、バッテリから供給される電力により駆動される
電動機のみを駆動力源として搭載した電気自動車に対し
て、この発明を用いることもできる。また、駆動力源と
してエンジンおよび電動機の両方を搭載した、いわゆる
ハイブリッド車に対して、この発明を用いることもでき
る。ここで述べるハイブリッド車には、シリーズハイブ
リッド車と、パラレルハイブリッド車と、シリーズハイ
ブリッド車およびパラレルハイブリッド車の両方の機能
を有する車両とが含まれる。
【0234】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
ギヤ機構を構成する第1中間ギヤ機構および第2中間ギ
ヤ機構が、軸線を中心とするほぼ同一円周上に配置され
ている。このため、回転部材の半径方向におけるギヤ機
構の占有領域が狭められる。したがって、駆動力分配装
置と車体または周辺部品との配置レイアウトの自由度が
増し、駆動力分配装置の車載性が向上する。
【0235】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の効果を得られるほか、車両の旋回時に電動機か
ら出力されたトルクは、回転部材に対して加速伝達また
は減速伝達され、入力用回転部材に対して減速伝達また
は加速伝達される。また、各回転部材に伝達されるトル
クの絶対値が同じに設定される。したがって、回転部材
と入力用回転部材との差動制限状態が、車両の走行状態
(旋回状態)に応じて制御され、操縦性およびドライバ
ビリティが向上する。
【0236】請求項3の発明によれば、第1ピニオンギ
ヤないし第3ピニオンギヤが軸線を中心とするほぼ同一
円周上に配置されているため、回転部材の半径方向にお
ける各ピニオンギヤの配置領域が抑制される。したがっ
て、駆動力分配装置を小型化することができ、その車載
性が向上する。
【0237】請求項4の発明によれば、請求項1の発明
と同様の効果を得られるほか、回転部材の半径方向にお
ける第4ピニオンギヤないし第6ピニオンギヤの配置領
域が抑制される。したがって、駆動力分配装置を小型化
することができ、その車載性が向上する。
【0238】請求項5の発明によれば、請求項1の発明
と同様の効果を得られるほか、クラッチおよびブレーキ
を制御することにより、電動機のトルクを第1従動ギヤ
および第2従動ギヤに分配する制御、または電動機のト
ルクを第1従動ギヤのみに伝達する制御のいずれかを選
択することができる。したがって、加速要求に応じて駆
動力を制御することができ、ドライバビリティが向上す
る。
【0239】請求項6の発明によれば、駆動ギヤと第1
従動ギヤおよび第2従動ギヤとを接続する第1中間ギヤ
機構および第2中間ギヤ機構ならびに保持部材により、
第1回転部材と第2回転部材とを相対回転(差動回転)
させるデファレンシャルとしての機能が維持されてい
る。また、第1中間ギヤ機構および第2中間ギヤ機構な
らびに保持部材により、電動機のトルクを第1回転部材
と第2回転部材とに分配する機能が維持されいる。この
ため、デファレンシャルおよびトルク分配機構を別個に
設ける必要がなく、駆動力分配装置の部品点数および軸
線方向の占有スペースが抑制される。したがって、駆動
力分配装置を小型化および軽量化することができ、車載
性が向上するとともに、駆動力分配装置の製造コストを
低減することができる。
【0240】請求項7の発明によれば、請求項6の発明
と同様の効果を得られるほか、クラッチおよびブレーキ
を制御することにより、電動機のトルクを第1従動ギヤ
および第2従動ギヤに分配する制御、または電動機のト
ルクを第1従動ギヤのみに伝達する制御のいずれかを選
択することができる。したがって、車両の走行状態に応
じて車輪に伝達されるトルクを制御することができ、ド
ライバビリティが向上する。
【0241】請求項8の発明によれば、請求項1ないし
請求項7の発明のいずれかと同様の効果を得られるほ
か、複数の車輪が非駆動輪であるため、電動機のトルク
が駆動力として分配されることなく、非駆動輪の横力が
可及的に増加される。したがって、車両が旋回時におけ
る横すべりが抑制され、旋回性能が向上する。
【0242】請求項9の発明によれば、請求項1ないし
請求項8の発明のいずれかと同様の効果を得られるほ
か、例えば、車両が旋回する場合や、車両がスリップし
た場合に、内外輪に伝達されるトルク配分の差、または
前後輪に伝達されるトルク配分の差を可及的に大きく設
定することができる。したがって、車両の旋回性能が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る駆動力分配装置の一実施形態
を示すスケルトン図である。
【図2】 図1に示された駆動力分配装置の各ギヤ同士
の相対関係を示す説明図である。
【図3】 図1に示された駆動力分配装置の各ギヤ同士
の相対関係を示す説明図である。
【図4】 この発明に係る駆動力分配装置が搭載される
車両の制御回路を示すブロック図である。
【図5】 図1および図4に示すシステムを適用したF
・R車の平面図である。
【図6】 図1および図4に示すシステムを適用したF
・F車の平面図である。
【図7】 この発明に係る駆動力分配装置を非駆動輪に
対して用いた場合と、この発明に係る駆動力分配装置を
駆動輪に対して用いた場合との相違を力学的に示す概念
図である。
【図8】 図1および図4に示すシステムを適用した四
輪駆動車の平面図である。
【図9】 この発明に係る駆動力分配装置の他の実施形
態を示すスケルトン図である。
【図10】 図9の駆動力分配装置を搭載したF・F車
の構成を示す平面図である。
【図11】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図12】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図13】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図14】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図15】 図14に示す駆動力分配装置を構成するギ
ヤ同士の噛み合い状態を示す側面図である。
【図16】 図14に示す駆動力分配装置を構成するギ
ヤ同士の噛み合い状態を示す側面図である。
【図17】 図14に示す駆動力分配装置を構成するギ
ヤ同士の噛み合い状態を示す側面図である。
【図18】 図14に示す駆動力分配装置の制御系統を
示すブロック図である。
【図19】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図20】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図21】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図22】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図23】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図24】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図25】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図26】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図27】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図28】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図29】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図30】 図29の駆動力分配装置を構成するギヤ同
士の噛み合い状態を示す側面図である。
【図31】 図29の駆動力分配装置を構成するギヤ同
士の噛み合い状態を示す側面図である。
【図32】 図29の駆動力分配装置を搭載した車両の
構成を示す部分的な平面図である。
【図33】 図29の駆動力分配装置を搭載した車両の
構成を示す平面図である。
【図34】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図35】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図36】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図37】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図38】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図39】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図40】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図41】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他
の実施形態を示すスケルトン図である。
【図42】 各実施形態の駆動力分配装置を用いた四輪
駆動車の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
2,54…デファレンシャル、 4…デフケース、
7,141…第1ドライブシャフト、 8,142…第
2ドライブシャフト、 9,10…サイドギヤ、14,
143…第1サンギヤ、 15…電動機、 16…ギヤ
機構、 21,144…第2サンギヤ、 22,24,
25,73,76,77,98,99,104,10
6,107,109,110,112,114,11
5,117,118,120,121,123,12
4,126,129,130,131,132,13
6,137,138,139,148,149,15
0,154,155,156,187,188…ピニオ
ンギヤ、 23,26,74,76,97,103,1
05,110,111,113,116,119,12
2,127,128,146,147…保持軸、 2
7,61,62,78,140…キャリヤ、 55…サ
ンギヤ、 56…環状部材、 61…キャリヤ、 9
3,95,164,167,176,180…クラッ
チ、 162,163,170,171,174,17
5,179,192,193…ギヤ、 169…シャフ
ト、 190,191…中空軸、 20,96,19
4,195…駆動ギヤ、K1,K2,K3,K4,K
5,K6,K7,K8,K9,K10,K11,K1
2,K13,K14,K15,K16,K17,K1
8,K19,K20,K21,K22…駆動力分配装
置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向井仲 章生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 松下 信雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鈴木 光顕 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 芦田 敏 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 越智 徹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D036 GA02 GA04 GA38 GA42 GB09 GD09 GG24 GG35 GG40 GG42 GG43 GG62 GH05 GJ02 GJ03 GJ17 3D043 AA06 AB02 AB03 EA03 EA43 EE02 EE06 EE07 EE08 EE12 EF26 3J027 FA36 FB01 HA01 HA03 HB07 HB12 HC02 HC26 HC29 HE03 HF45 HK02 HK05 HK06 HK15 HK16 HK17 HK32

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力用回転部材を介して入力されるトル
    クを、複数の車輪に分配するデファレンシャルと、この
    デファレンシャルから出力されるトルクをいずれかの車
    輪に伝達し、かつ、前記デファレンシャルの入力用回転
    部材と同一の軸線を中心として回転する回転部材と、電
    動機から出力されるトルクを、前記入力用回転部材およ
    び前記回転部材に伝達するギヤ機構とを有する駆動力分
    配装置において、 前記ギヤ機構が、前記入力用回転部材に設けられ、か
    つ、前記軸線を中心として回転する第1従動ギヤと、前
    記いずれか一方の回転部材に設けられ、かつ、前記軸線
    を中心として回転する第2従動ギヤと、前記電動機の出
    力側と前記第1従動ギヤとをトルク伝達可能に連結する
    第1中間ギヤ機構と、前記電動機の出力側と前記第2従
    動ギヤとをトルク伝達可能に連結する第2中間ギヤ機構
    と、前記第1中間ギヤ機構および前記第2中間ギヤ機構
    を、前記軸線の周囲におけるほぼ同一円周上で公転可能
    に保持する保持部材とを備えていることを特徴とする駆
    動力分配装置。
  2. 【請求項2】 車両の旋回時に、前記電動機から前記第
    1従動ギヤに伝達されるトルクTmcと、前記電動機か
    ら前記第2従動ギヤに伝達されるトルクTmsとの比が
    「−1」になるように、前記電動機から前記第1従動ギ
    ヤに至る経路のギヤ比と、前記電動機から前記第2従動
    ギヤに至る経路のギヤ比とが設定されていることを特徴
    とする請求項1に記載の駆動力分配装置。
  3. 【請求項3】 前記第1中間ギヤ機構が、前記電動機の
    動力により駆動される第1駆動ギヤに噛合された第1ピ
    ニオンギヤと、前記第1従動ギヤに噛合され、かつ、前
    記第1ピニオンギヤと一体回転する第2ピニオンギヤと
    を有し、前記第2中間ギヤ機構が、前記第2従動ギヤお
    よび前記第1ピニオンギヤに噛合された第3ピニオンギ
    ヤを有していることを特徴とする請求項1に記載の駆動
    力分配装置。
  4. 【請求項4】 前記第1中間ギヤ機構が、前記第2従動
    ギヤおよび前記電動機の動力により駆動される第1駆動
    ギヤに噛合された第4ピニオンギヤと、前記第1従動ギ
    ヤに噛合された第5ピニオンギヤと、前記第4ピニオン
    ギヤに噛合され、かつ、前記第5ピニオンギヤと一体回
    転する第6ピニオンギヤとを有していることを特徴とす
    る請求項1に記載の駆動力分配装置。
  5. 【請求項5】 前記電動機の動力により回転し、かつ、
    前記第1駆動ギヤに対して並列に配置された第2駆動ギ
    ヤと、この第2駆動ギヤと前記第1従動ギヤとをトルク
    伝達可能に連結し、かつ、前記第1中間ギヤ機構および
    前記第2中間ギヤ機構と同一軸線上で回転できる状態で
    前記保持部材により保持されている第3中間ギヤ機構
    と、前記電動機と前記第1従動ギヤとの間の動力伝達経
    路を接続・遮断する第1クラッチと、前記電動機と前記
    第2従動ギヤとの間の動力伝達経路を接続・遮断する第
    2クラッチと、前記保持部材の回転・停止を制御するブ
    レーキとを備えていることを特徴とする請求項1に記載
    の駆動力分配装置。
  6. 【請求項6】 軸線を中心として回転できるケーシング
    と、異なる車輪に接続され、かつ、前記軸線を中心とし
    て相対回転できる第1回転部材および第2回転部材と、
    この第1回転部材および第2回転部材にトルクを伝達す
    ることのできる電動機とを有する駆動力分配装置におい
    て、 前記第1回転部材にトルク伝達可能に連結された第1従
    動ギヤと、 前記第2回転部材にトルク伝達可能に連結された第2従
    動ギヤと、 前記電動機の動力により駆動される第1駆動ギヤと、前
    記第1従動ギヤまたは前記第2従動ギヤのいずれか一方
    とに噛合された第1中間ギヤ機構と、 この第1中間ギヤ機構および第1中間ギヤ機構が噛合し
    ていない従動ギヤに噛合された第2中間ギヤ機構とを有
    し、 前記第1中間ギヤ機構および前記第2中間ギヤ機構が、
    前記軸線を中心とするほぼ同一円周上で公転できる状態
    で前記ケーシングにより保持されていることを特徴とす
    る駆動力分配装置。
  7. 【請求項7】 前記電動機により駆動され、かつ、前記
    第1駆動ギヤに対して並列に配置された第2駆動ギヤ
    と、この第2駆動ギヤと前記ケーシングとをトルク伝達
    可能に連結する第3中間ギヤ機構とを有し、前記電動機
    と前記第1従動ギヤとの間の動力伝達経路を接続・遮断
    する第1クラッチと、前記電動機と前記第2従動ギヤと
    の間の動力伝達経路を接続・遮断する第2クラッチとが
    設けられていることを特徴とする請求項6に記載の駆動
    力分配装置。
  8. 【請求項8】 前記回転部材からトルクの伝達される車
    輪には、車両の駆動力源から出力されたトルクが伝達さ
    れないように構成されている非駆動輪が含まれているこ
    とを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載され
    た駆動力分配装置。
  9. 【請求項9】 前記複数の車輪には、車両の幅方向に配
    置された右側車輪および左側車輪と、車両の前後方向に
    配置された前輪および後輪とが含まれているとともに、
    前記ギヤ機構が、前記右側車輪および前記左側車輪に伝
    達されるトルク、または前記前輪および前記後輪に伝達
    されるトルクを、独立して増速または減速するように構
    成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいず
    れかに記載された駆動力分配装置。
JP30773599A 1999-05-25 1999-10-28 駆動力分配装置 Expired - Lifetime JP3692863B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30773599A JP3692863B2 (ja) 1999-05-25 1999-10-28 駆動力分配装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14435599 1999-05-25
JP11-144355 1999-05-25
JP30773599A JP3692863B2 (ja) 1999-05-25 1999-10-28 駆動力分配装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001039179A true JP2001039179A (ja) 2001-02-13
JP3692863B2 JP3692863B2 (ja) 2005-09-07

Family

ID=26475789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30773599A Expired - Lifetime JP3692863B2 (ja) 1999-05-25 1999-10-28 駆動力分配装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3692863B2 (ja)

Cited By (35)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005110790A2 (de) * 2004-05-14 2005-11-24 Audi Ag Antriebsvorrichtung für kraftfahrzeuge
DE102005049706A1 (de) * 2005-10-18 2007-04-26 Zf Friedrichshafen Ag Getriebevorrichtung
JP2007139011A (ja) * 2005-11-16 2007-06-07 Hitachi Ltd 車軸間トルク発生装置
JP2007177915A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Mitsubishi Motors Corp 左右駆動力配分装置
JP2007177916A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Mitsubishi Motors Corp 左右駆動力配分装置
DE102006022175A1 (de) * 2006-05-12 2007-11-15 Zf Friedrichshafen Ag Getriebevorrichtung zum Verteilen eines Antriebsmomentes auf wenigstens zwei Antriebswellen
DE102006022173A1 (de) * 2006-05-12 2007-11-15 Zf Friedrichshafen Ag Getriebevorrichtung zum Verteilen eines Antriebsmomentes auf wenigstens zwei Antriebswellen
JP2008069812A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Jtekt Corp 駆動力配分装置
WO2008141887A1 (de) * 2007-05-19 2008-11-27 Zf Friedrichshafen Ag Überlagerungsgetriebe zum verteilen eines antriebsmomentes auf wenigstens zwei abtriebswellen
US7500931B2 (en) 2005-10-18 2009-03-10 Zf Friedrichshafen Ag All-wheel drive vehicle
DE102007055883A1 (de) * 2007-12-20 2009-06-25 Forschungsgesellschaft für Zahnräder und Getriebe mbH Getriebevorrichtung mit wenigstens zwei Ausgangswellen
JP2009243692A (ja) * 2003-03-31 2009-10-22 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 トルク伝達カップリング
WO2010066532A1 (de) * 2008-12-12 2010-06-17 Schaeffler Technologies Gmbh & Co. Kg Elektrische antriebseinheit mit variabler momentenverteilung
WO2010081691A1 (en) * 2009-01-16 2010-07-22 Gm Global Technology Operations, Inc. Drive mechanism for selectively switching a drive between propulsion and torque vectoring mode
JP2010274694A (ja) * 2009-05-26 2010-12-09 Mitsubishi Motors Corp ハイブリッド車の駆動機構
DE102009028384A1 (de) * 2009-08-10 2011-02-17 Zf Friedrichshafen Ag Vorrichtung zum Verteilen eines Drehmomentes einer Antriebsmaschine in Fahrzeugquerrichtung
DE102011004696A1 (de) 2010-02-25 2011-08-25 Aisin AW Co., Ltd., Aichi-ken Fahrzeugleistungsübertragungsvorrichtung
WO2012007829A3 (en) * 2010-07-14 2012-05-18 E-Aam Driveline Systems Ab Axle assembly with torque distribution drive mechanism
JP2012126223A (ja) * 2010-12-14 2012-07-05 Mitsubishi Motors Corp 駆動力分配装置
JP2012519812A (ja) * 2009-03-05 2012-08-30 ボルグワーナー トルクトランスファー システムズ エービー トルクベクタリングデバイス
EP2511569A1 (de) * 2011-04-13 2012-10-17 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Antriebsvorrichtung mit wenigstens einer elektrischen Maschine
JP2012236579A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Nsk Ltd ハイブリッド車両用駆動装置
DE102011004698A1 (de) 2010-02-25 2012-12-27 Aisin Aw Co., Ltd. Fahrzeugleistungsübertragungsvorrichtung
WO2013127778A1 (en) * 2012-03-01 2013-09-06 Borgwarner Torqtransfer Systems Ab Electrically driven vehicle drive axle arrangement
US8545359B2 (en) 2009-03-12 2013-10-01 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Drive force adjustment apparatus
US8998765B2 (en) 2010-07-14 2015-04-07 E-Aam Driveline Systems Ab Axle assembly with torque distribution drive mechanism
WO2017170081A1 (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 マツダ株式会社 ハイブリッド車及び車両
JP2017177965A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 マツダ株式会社 ハイブリッド車及び車両
JP2017177964A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 マツダ株式会社 ハイブリッド車及び車両
WO2019038414A1 (de) * 2017-08-25 2019-02-28 Audi Ag Getriebeeinrichtung für ein kraftfahrzeug
WO2019038207A1 (de) * 2017-08-25 2019-02-28 Audi Ag Verfahren zum betreiben einer getriebeeinrichtung für ein kraftfahrzeug sowie entsprechende getriebeeinrichtung
DE102011052607B4 (de) 2011-08-11 2019-10-17 Getrag Ford Transmissions Gmbh Antriebsbaugruppe für ein Kraftfahrzeug und ein damit ausgestattetes Kraftfahrzeug
US11293536B2 (en) 2017-09-21 2022-04-05 Borgwarner Sweden Ab Torque vectoring device
DE102022000515B4 (de) 2022-02-10 2023-10-12 Mercedes-Benz Group AG Elektrisches Antriebssystem eines Kraftfahrzeugs für Ein- und Zweimotorenbetrieb und Torque-Vectoring- Funktion
WO2023209814A1 (ja) * 2022-04-26 2023-11-02 ジーケーエヌ オートモーティブ リミテッド 可変特性リミテッドスリップデファレンシャル

Cited By (68)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009243692A (ja) * 2003-03-31 2009-10-22 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 トルク伝達カップリング
WO2005110790A2 (de) * 2004-05-14 2005-11-24 Audi Ag Antriebsvorrichtung für kraftfahrzeuge
US8012057B2 (en) 2004-05-14 2011-09-06 Audi Ag Drive device for motor vehicles
WO2005110790A3 (de) * 2004-05-14 2008-05-29 Audi Ag Antriebsvorrichtung für kraftfahrzeuge
DE102005049706A1 (de) * 2005-10-18 2007-04-26 Zf Friedrichshafen Ag Getriebevorrichtung
US7507178B2 (en) 2005-10-18 2009-03-24 Zf Friedrichshafen Ag Transmission unit
US7500931B2 (en) 2005-10-18 2009-03-10 Zf Friedrichshafen Ag All-wheel drive vehicle
JP2007139011A (ja) * 2005-11-16 2007-06-07 Hitachi Ltd 車軸間トルク発生装置
JP4713308B2 (ja) * 2005-11-16 2011-06-29 日立オートモティブシステムズ株式会社 車軸間トルク発生装置
JP2007177916A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Mitsubishi Motors Corp 左右駆動力配分装置
JP2007177915A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Mitsubishi Motors Corp 左右駆動力配分装置
JP4715508B2 (ja) * 2005-12-28 2011-07-06 三菱自動車工業株式会社 左右駆動力配分装置
JP4715507B2 (ja) * 2005-12-28 2011-07-06 三菱自動車工業株式会社 左右駆動力配分装置
DE102006022173A1 (de) * 2006-05-12 2007-11-15 Zf Friedrichshafen Ag Getriebevorrichtung zum Verteilen eines Antriebsmomentes auf wenigstens zwei Antriebswellen
US8282524B2 (en) 2006-05-12 2012-10-09 Zf Friedrichshafen Ag Transmission device for distributing a drive torque to at least two output shafts
JP2009536898A (ja) * 2006-05-12 2009-10-22 ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト 駆動トルクを少なくとも二つの出力軸に分配するための変速機装置
DE102006022175A1 (de) * 2006-05-12 2007-11-15 Zf Friedrichshafen Ag Getriebevorrichtung zum Verteilen eines Antriebsmomentes auf wenigstens zwei Antriebswellen
JP2008069812A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Jtekt Corp 駆動力配分装置
US8272989B2 (en) 2007-05-19 2012-09-25 Zf Friedrichshafen Ag Variable ratio transmission for distributing a drive torque to at least two output shafts
WO2008141887A1 (de) * 2007-05-19 2008-11-27 Zf Friedrichshafen Ag Überlagerungsgetriebe zum verteilen eines antriebsmomentes auf wenigstens zwei abtriebswellen
DE102007055883A1 (de) * 2007-12-20 2009-06-25 Forschungsgesellschaft für Zahnräder und Getriebe mbH Getriebevorrichtung mit wenigstens zwei Ausgangswellen
WO2010066532A1 (de) * 2008-12-12 2010-06-17 Schaeffler Technologies Gmbh & Co. Kg Elektrische antriebseinheit mit variabler momentenverteilung
US8795121B2 (en) 2009-01-16 2014-08-05 GM Global Technology Operations LLC Drive mechanism for selectively switching a drive between propulsion and torque vectoring mode
WO2010081691A1 (en) * 2009-01-16 2010-07-22 Gm Global Technology Operations, Inc. Drive mechanism for selectively switching a drive between propulsion and torque vectoring mode
US8672790B2 (en) 2009-03-05 2014-03-18 Borgwarner Torqtransfer Systems Ab Device for torque vectoring
KR101760499B1 (ko) * 2009-03-05 2017-07-21 보그워너 스웨덴 아베 토크 벡터링을 위한 장치
JP2012519812A (ja) * 2009-03-05 2012-08-30 ボルグワーナー トルクトランスファー システムズ エービー トルクベクタリングデバイス
US9365207B2 (en) 2009-03-05 2016-06-14 Borgwarner Torqtransfer Systems Ab Torque vectoring device with planetary gear set for connection to balancing shaft
JP2014194280A (ja) * 2009-03-05 2014-10-09 Borgwarner Torqtransfer Systems Ab トルクベクタリングデバイス
US8545359B2 (en) 2009-03-12 2013-10-01 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Drive force adjustment apparatus
JP2010274694A (ja) * 2009-05-26 2010-12-09 Mitsubishi Motors Corp ハイブリッド車の駆動機構
DE102009028384A1 (de) * 2009-08-10 2011-02-17 Zf Friedrichshafen Ag Vorrichtung zum Verteilen eines Drehmomentes einer Antriebsmaschine in Fahrzeugquerrichtung
DE102011004698B4 (de) 2010-02-25 2021-10-14 Aisin Aw Co., Ltd. Fahrzeugleistungsübertragungsvorrichtung
DE102011004698A1 (de) 2010-02-25 2012-12-27 Aisin Aw Co., Ltd. Fahrzeugleistungsübertragungsvorrichtung
US8348800B2 (en) 2010-02-25 2013-01-08 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle power transmission device
DE102011004696A1 (de) 2010-02-25 2011-08-25 Aisin AW Co., Ltd., Aichi-ken Fahrzeugleistungsübertragungsvorrichtung
US8727928B2 (en) 2010-02-25 2014-05-20 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle power transmission device
CN103119332A (zh) * 2010-07-14 2013-05-22 E-Aam传动系统公司 具有扭矩分配驱动机构的轴组件
US9593754B2 (en) 2010-07-14 2017-03-14 E-Aam Driveline Systems Ab Axle assembly with torque distribution drive mechanism
US9719585B2 (en) 2010-07-14 2017-08-01 E-Aam Driveline Systems Ab Axle assembly with torque distribution drive mechanism
EP2662595A3 (en) * 2010-07-14 2014-08-27 e-AAM Driveline Systems AB Axle assembly with torque distribution drive mechanism
EP3273096A1 (en) * 2010-07-14 2018-01-24 e-AAM Driveline Systems AB Axle assembly with torque distribution drive mechanism
US8998765B2 (en) 2010-07-14 2015-04-07 E-Aam Driveline Systems Ab Axle assembly with torque distribution drive mechanism
CN103119332B (zh) * 2010-07-14 2015-10-14 E-Aam传动系统公司 具有扭矩分配驱动机构的轴组件
RU2569722C2 (ru) * 2010-07-14 2015-11-27 Е-Аам Драйвлайн Системс Аб Узел оси с механизмом привода с распределением крутящего момента
US8663051B2 (en) 2010-07-14 2014-03-04 E-Aam Driveline Systems Ab Axle assembly with torque distribution drive mechanism
WO2012007829A3 (en) * 2010-07-14 2012-05-18 E-Aam Driveline Systems Ab Axle assembly with torque distribution drive mechanism
JP2012126223A (ja) * 2010-12-14 2012-07-05 Mitsubishi Motors Corp 駆動力分配装置
EP2511569A1 (de) * 2011-04-13 2012-10-17 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Antriebsvorrichtung mit wenigstens einer elektrischen Maschine
JP2012236579A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Nsk Ltd ハイブリッド車両用駆動装置
DE102011052607B4 (de) 2011-08-11 2019-10-17 Getrag Ford Transmissions Gmbh Antriebsbaugruppe für ein Kraftfahrzeug und ein damit ausgestattetes Kraftfahrzeug
CN104169116A (zh) * 2012-03-01 2014-11-26 博格华纳扭矩输出系统公司 电动车辆驱动桥装置
US9242538B2 (en) 2012-03-01 2016-01-26 Borgwarner Torqtransfer Systems Ab Electrically driven vehicle drive axle arrangement
WO2013127778A1 (en) * 2012-03-01 2013-09-06 Borgwarner Torqtransfer Systems Ab Electrically driven vehicle drive axle arrangement
JP2017177965A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 マツダ株式会社 ハイブリッド車及び車両
US10744874B2 (en) 2016-03-29 2020-08-18 Mazda Motor Corporation Hybrid vehicle and vehicle
WO2017170081A1 (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 マツダ株式会社 ハイブリッド車及び車両
JP2017177964A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 マツダ株式会社 ハイブリッド車及び車両
DE102017214905B4 (de) * 2017-08-25 2021-04-01 Audi Ag Verfahren zum Betreiben einer Differential-Getriebeeinrichtung für ein Kraftfahrzeug
CN111051106A (zh) * 2017-08-25 2020-04-21 奥迪股份公司 用于机动车的传动设备
CN111032404A (zh) * 2017-08-25 2020-04-17 奥迪股份公司 用于运行机动车的传动设备的方法和相应的传动设备
WO2019038414A1 (de) * 2017-08-25 2019-02-28 Audi Ag Getriebeeinrichtung für ein kraftfahrzeug
US11137072B2 (en) 2017-08-25 2021-10-05 Audi Ag Method for operating a transmission device for a motor vehicle, and corresponding transmission device
WO2019038207A1 (de) * 2017-08-25 2019-02-28 Audi Ag Verfahren zum betreiben einer getriebeeinrichtung für ein kraftfahrzeug sowie entsprechende getriebeeinrichtung
US11168773B2 (en) 2017-08-25 2021-11-09 Audi Ag Transmission device for a motor vehicle
US11293536B2 (en) 2017-09-21 2022-04-05 Borgwarner Sweden Ab Torque vectoring device
DE102022000515B4 (de) 2022-02-10 2023-10-12 Mercedes-Benz Group AG Elektrisches Antriebssystem eines Kraftfahrzeugs für Ein- und Zweimotorenbetrieb und Torque-Vectoring- Funktion
WO2023209814A1 (ja) * 2022-04-26 2023-11-02 ジーケーエヌ オートモーティブ リミテッド 可変特性リミテッドスリップデファレンシャル

Also Published As

Publication number Publication date
JP3692863B2 (ja) 2005-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3692863B2 (ja) 駆動力分配装置
EP0831249B1 (en) Drive system for electric vehicles
US7927244B2 (en) Hybrid drive apparatus
JP3379107B2 (ja) 電動モータ式車両駆動装置
JP6666449B2 (ja) 動力装置
JP3456831B2 (ja) ハイブリッド車両の駆動力伝達装置
US20110065543A1 (en) Variable-speed motor-generator accessory drive system
US7350603B2 (en) Hybrid drive unit and vehicle mounted therewith
JP2002225578A (ja) ハイブリッド車
US6104154A (en) Tricycle with electric motor
JP2005153691A (ja) 車両の駆動機構
US11225147B2 (en) Drive unit for four-wheel drive vehicle
JPH10217779A (ja) ハイブリッド駆動装置
JP3175423B2 (ja) ハイブリッド車両における駆動機構
JP2022084292A (ja) 前後輪駆動車両
JP3509587B2 (ja) 変速装置及びそれを用いた車両
JP4026589B2 (ja) ハイブリッド駆動装置
JP2012091759A (ja) 車両駆動装置
JP2007154966A (ja) 車両用駆動力配分装置
US20180209518A1 (en) Vehicle
JP4031786B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車
JP4116146B2 (ja) デファレンシャル装置
JP4281739B2 (ja) 駆動装置およびこれを搭載する自動車
JP2005351471A (ja) 差動装置、この差動装置を利用した前後輪駆動装置及び、この前後輪駆動装置の制御方法
JP3855905B2 (ja) ハイブリッド車の駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050125

A521 Written amendment

Effective date: 20050317

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20050531

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050613

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080701

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090701

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100701

Year of fee payment: 5