JP2007177915A - 左右駆動力配分装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】並列且つ同軸上に第1歯車機構16と第2歯車機構17と電動機18とを配設し、第1遊星歯車機構16の第1サンギア16dを左右輪の一方に接続し、第1サンギア16dに噛合する第1プラネタリギア16bをケーシング4に固定された第1キャリア16cに軸支させ、第1リングギア16aを第1プラネタリギア16bに噛合させるとともに、第2遊星歯車機構17の第2サンギア17dを左右輪の他方に接続し、電動機18に第2キャリア17cを接続し、第2キャリア17cに軸支される第2プラネタリギア17bを第2サンギア17dに噛合させ、第1リングギア16aと一体に構成された第2リングギア17aを第2プラネタリギア17bに噛合させる。
【選択図】 図1
Description
駆動力配分機構としては、左右輪のうち一方の車輪を他方の車輪よりも増速及び減速する増減速機構と、増速側の回転を他方の車輪に伝達する第1クラッチ機構と減速側の回転を他方の車輪に伝達する第2クラッチ機構とを備えている。
なお、車両前部にエンジンを搭載し、後輪を駆動するような自動車では、後輪のディファレンシャルギアは地面とフロアパネルとの間の狭い空間に設けられており、このような狭い空間に駆動力配分機構を設ける場合には、径方向に空間的な余裕がほとんどない。このため、引用文献2に開示された技術では、駆動力配分機構を後輪側に設けるのが困難となる。
また、駆動源が車両の前部に設けられるとともに、該第1及び該第2サンギアが該車両の後側の左右輪に接続されているのが好ましい(請求項3)。
さらには、該第1サンギアと該第2サンギアとが同一歯数及び同一径に形成され、該第1プラネタリギアと該第2プラネタリギアとが同一歯数及び同一径に形成され、且つ、該第1リングギアと該第2リングギアとが同一歯数及び同一径に形成されているのが好ましい(請求項5)。
図2において、符号1は本発明が適用される車両であって、2はエンジン、3はトランスミッションである。エンジン2の駆動力はトランスミッション3を介してセンタディファレンシャル(以下、センタデフ)5に伝達され、このセンタデフ5から前輪8と後輪14とに駆動力が配分されて伝達されるようになっている。
また、左右輪駆動力配分機構15は、それぞれ並列に配設された2つの遊星歯車機構16,17及びモータ(電動機)18から構成されており、これらの遊星歯車機構16,17及びモータ18はいずれもリアデフ12の回転軸(即ち、リングギア12a,プラネタリキャリア12c及びサンギア12dの回転中心軸)と同軸上に配設されている。
また、中空軸16d′の内部には、リアデフ12のサンギア12dに接続された右側ドライブシャフト13Rがサンギア16d及び中空軸16d′と同軸上に配設されている。
また、モータ18は、2つの遊星歯車機構16,17の車軸方向(車幅方向に)に配設されており、本実施形態では、外周側にステータ(固定子)18aが配設され、ステータ18aの内側にロータ(回転子)18bが配設されている。なお、ロータ18bを外周側に配設しステータ18aを内側に配設しても良い。
また、図2に示すように、車両1には上記左右輪駆動力配分機構15及び前後輪駆動力配分機構19の作動状態を制御する駆動力配分制御手段(ECU)20がそなえられている。このECU20には、いずれも図示しないCPU,ROM,RAM,インタフェイス等がそなえられている。また、ECU20には、車両1の走行速度を検出する車速センサ、車両のヨーレイト(ヨー運動量)を検出するヨーレイトセンサ、車両のハンドル角(操舵角)を検出するハンドル角センサ、後輪14の左右輪の車輪速をそれぞれ検出する車輪速センサ等(いずれも図示省略)が接続されている。また、これらのセンサ以外にも、エンジン回転数センサ,前後Gセンサ,横Gセンサ,スロットルポジションセンサなどの種々のセンサ類が接続されている。
例えば、ECU20では車速とハンドル角とに基づいて車両1の走行状態に応じた左右の車輪速差の目標値(目標車輪速差)を算出するとともに、実際の左右車輪速差(実車輪速差)が目標車輪速差となるようにモータ18に対する制御信号を設定し出力するようになっている。
車両の直進時にはモータ18は回転せずに静止状態となり、旋回状態となると左右輪の回転数差に応じて回転する。即ち、直進時においては、左右のドライブシャフト13L,13Rの回転数が一致しているので、第1及び第2遊星歯車機構16,17のサンギア16d,17dの回転数が一致する。このため、各プラネタリギア16b,17bも互いに等速で自転し、キャリア17c及びモータ回転軸18cが静止した状態でリングギア17aが回転する。
また、これとは逆に旋回内輪側のサンギア16d,17dが増速するようにモータ18の作動を制御することで内輪側にトルクを移動することができる。この場合は、モータ18の回転数を低減することで車両の旋回方向に関係なく内輪側のサンギア16d,17dが増速される。これにより、旋回を抑制するようなヨーモーメントが発生してオーバステアが低減され、旋回安定性を向上できる。
以上詳述したように、本発明の左右駆動力配分装置によれば、モータ18の作動を制御して旋回外輪にトルクを移動することにより、旋回促進モーメントを付与して旋回性能を向上させることができる。また、旋回内輪にトルクを移動することにより、旋回抑制モーメントを付与して旋回安定性を向上させることができる。また、モータ18の作動をロックすることでLSDとしての機能し、安定性やトラクション性能を向上させることができる。
また、2つの遊星歯車機構16,17に隣接してモータ18を同軸上に設けることにより、更なる小型化を図ることができるほか、特に従来の技術に対して径方向へ小型化することができる。本実施形態のように、前方にエンジン1が搭載された車両1の後輪側の駆動力配分に本装置を適用する場合、車幅方向(車軸方向)には比較的空間に余裕があるものの径方向にはほとんど余裕がないため、従来の技術のように径方向に大型化する装置では搭載が困難であったが、本発明によれば、径方向への小型化を図ることができるので、搭載性が大幅に向上するという特有の利点がある。
即ち、この変形例では、第1サンギア16dと第2サンギア17dとの間にディファレンシャルギアが介装されておらず、第1サンギア16dが直接左後輪14Lの車軸23Lに接続され、第2サンギア17dが直接右後輪14Rの車軸23Rに接続されている。
なお、この変形例では、車両前部に駆動源(エンジン)を搭載して前輪を駆動するいわゆるFF車両の後輪側に駆動力配分機構15を適用した場合を示すが、車両前部に駆動源を搭載して後輪を駆動するいわゆるFR車両の前輪側、又は、車両後部に駆動源を搭載して後輪を駆動するいわゆるRR車両の前輪側等に駆動力配分機構15を適用してもよい。
次に、本発明の第2実施形態に係る左右駆動力配分装置について説明すると、図4はその要部構成を示す模式図であって、第1実施形態に対して適用されるディファレンシャルギアのタイプが異なっている。なお、これ以外は第1実施形態と同様に構成されているので、重複する部材については同じ符号を付し説明を極力省略する。
また、第1遊星歯車機構16のサンギア16dに接続された中空回転軸16d′はリアデフ22の入力ギア22eに接続されており、これによりサンギア16dがリアデフ22を介して左輪14Lと接続されている。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば図1及び図3において、モータ18を遊星歯車機構16とリアデフ12,22との間に設けて、遊星歯車機構16のキャリア16cをモータ回転軸18cに接続するとともに、他方の遊星歯車機構17のキャリア17cをケーシング4に固定しても良い。なお、このように構成した場合には、遊星歯車機構16が特許請求の範囲に記載された第2遊星歯車機構となり、遊星歯車機構17が特許請求の範囲に記載された第1遊星歯車機構となる。
2 エンジン(駆動源)
3 トランスミッション
4 ケーシング
5 センタディファレンシャル(センタデフ)
6 フロントディファレンシャル(フロントデフ)
7L,7R ドライブシャフト
8 前輪
9 ベベルギア機構
10 プロペラシャフト
11 ベベルギア機構
12,22 リアディファレンシャル(差動装置)
13L,13R ドライブシャフト
14 後輪
15 左右輪駆動力配分機構(駆動力調整手段)
16 第1遊星歯車機構
16a 第1リングギア
16b 第1プラネタリギア
16c 第1キャリア
16d 第1サンギア
17 第2遊星歯車機構
17a 第2リングギア
17b 第2プラネタリギア
17c 第2キャリア
17d 第2サンギア
18 モータ(電動機)
18a ステータ(固定子)
18b ロータ(回転子)
18c 中空軸(モータ回転軸)
19 前後輪駆動力配分機構
20 駆動力配分制御手段(ECU)
Claims (5)
- それぞれ並列に且つ同軸上に配設された第1遊星歯車機構と第2遊星歯車機構と電動機とをそなえ、
該第1遊星歯車機構が、
左右輪の一方の車輪に接続された第1サンギアと、
該2組の遊星歯車機構を収納するケーシングに固定された第1キャリアと、
該第1キャリアに軸支されるとともに該第1サンギアに噛合する第1プラネタリギアと、
該第1プラネタリギアに噛合する第1リングギアとをそなえ、
該第2遊星歯車機構が、
左右輪の他方の車輪に接続された第2サンギアと、
該電動機の回転軸に接続された第2キャリアと、
該第2キャリアに軸支されるとともに該第2サンギアに噛合する第2プラネタリギアと、
該第2プラネタリギアに噛合するとともに該第1リングギアと一体に構成された第2リングギアとをそなえる
ことを特徴とする、左右駆動力配分装置。 - 該第1サンギアと該第2サンギアとの間に、駆動源からの駆動力が入力されるとともに該左右輪の回転数差を吸収する差動装置が介装されている
ことを特徴とする、請求項1記載の左右駆動力配分装置。 - 駆動源が車両の前部に設けられるとともに、該第1及び該第2サンギアが該車両の後側の左右輪に接続されている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の左右駆動力配分装置。 - 該電動機が該ケーシングに収納されている
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1記載の左右駆動力配分装置。 - 該第1サンギアと該第2サンギアとが同一歯数及び同一径に形成され、
該第1プラネタリギアと該第2プラネタリギアとが同一歯数及び同一径に形成され、
且つ、該第1リングギアと該第2リングギアとが同一歯数及び同一径に形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の左右駆動力配分装置。
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