JP2010210055A - 駆動力調整装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駆動力調整装置の構成において、所定の方法に基づき入力要素I、第1出力要素R、第2出力要素L、モータ入力要素M、固定要素F、連結要素Cを設定し、縦軸に回転数、横軸に各要素の相対的な回転数比をとったグラフ上に各要素を点として表現したときに、L−IとR−Iとの長さが等しく、かつ、L−I−R、L−C−M及びF−C−Iの順、又は、L−I−R、R−C−M及びF−C−Iの順に直線で結ばれる速度線図を実現する構成とする。
【選択図】図2
Description
駆動源からのトルクが入力されるとともに、二つの出力軸の回転数差を吸収するデファレンシャルと、
前記デファレンシャルの出力軸間のトルク差を発生させるアクチュエータとして1つのモータと、
前記モータによるトルクの付与により、前記デファレンシャルの第1出力軸のトルクを増加又は減少させ、同じ大きさのトルクを前記デファレンシャルの第2出力軸で減少又は増加させる第1の3要素2自由度歯車機構と第2の3要素2自由度歯車機構を備える駆動力調整機構とを備え、
直進時の前記モータの回転数は0である駆動力調整装置において、
前記デファレンシャルのトルクが入力される回転要素と前記第2の3要素2自由度歯車機構の1つの回転要素を接続した要素を入力要素Iとし、
前記デファレンシャルの第1出力軸の回転要素を第1出力要素R、前記デファレンシャルの第2出力軸の回転要素を第2出力要素Lとし、
前記第1出力要素Rと前記第2出力要素Lのどちらか一方が前記第1の3要素2自由度歯車機構の1つの回転要素と接続し、
前記第1の3要素2自由度歯車機構と前記モータとを接続した要素をモータ入力要素Mとし、
前記第2の3要素2自由度歯車機構とケーシングとを接続し、回転数が0となる要素を固定要素Fとし、
前記第1の3要素2自由度歯車機構と第2の3要素2自由度歯車機構とを接続した要素を連結要素Cとし、
縦軸に回転数、横軸に各要素の相対的な回転数比をとったグラフ上に各要素を点として表現したときに、L−IとR−Iとの長さが等しく、かつ、L−I−R、L−C−M及びF−C−Iの順、又は、L−I−R、R−C−M及びF−C−Iの順に直線で結ばれる速度線図を実現する構成とする
ことを特徴とする。
前記第1の3要素2自由度歯車機構は、
前記デファレンシャルの一方の出力軸に接続された第1サンギヤと、
前記第1サンギヤの周囲に設けられ該第1サンギヤに噛合する第1プラネタリギヤと、
前記第1プラネタリギヤと同軸上に設けられるとともに該第1プラネタリギヤと一体に回転する第2プラネタリギヤと、
前記第1プラネタリギヤ及び前記第2プラネタリギヤを回転自在に軸支するとともに、前記モータの回転軸に接続された第1キャリアと、
前記第1サンギヤと同軸上に設けられ、前記第2プラネタリギヤと噛合するとともに第2サンギヤとを備え、
前記の3要素2自由度第2歯車機構は、
前記デファレンシャルのケースに接続された第3サンギヤと、
前記第3サンギヤの周囲に設けられ該第3サンギヤに噛合する第3プラネタリギヤと、
前記第3プラネタリギヤと同軸上に設けられ該第3プラネタリギヤと一体に回転する第4プラネタリギヤと、
前記第3プラネタリギヤ及び前記第4プラネタリギヤを回転自在に軸支する前記第2歯車機構を収納するケーシングに固定された第1キャリアと、
前記第3サンギヤと同軸上に設けられ、前記第4プラネタリギヤと噛合するとともに前記第2サンギヤと一体に回転する第4サンギヤとを備える
ことを特徴とする。
前記第1サンギヤと前記第3サンギヤは同一歯数に形成し、前記第1プラネタリギヤと前記第3プラネタリギヤは同一歯数に形成し、前記第2サンギヤと前記第4サンギヤは同一歯数に形成し、前記第2プラネタリギヤと前記第4プラネタリギヤは同一歯数に形成し、
前記第1サンギヤと前記第1プラネタリギヤの歯数の比を前記第2サンギヤと前記第2プラネタリギヤの歯数の比よりも大きく形成し、
前記第3サンギヤと前記第3プラネタリギヤの歯数の比を前記第4サンギヤと前記第4プラネタリギヤの歯数の比よりも大きく形成する
ことを特徴とする。
本発明に係る駆動力調整装置の設計に当たっては、駆動力調整装置について、どのような構成とすればよいのかを見出すために、はじめに、駆動力調整装置の構造及び特性について検討を行った。なお、以下においては、例として、車両の左右輪間の駆動力を調整する駆動力調整装置を引合に説明を行うものとする。以下、この検討の内容について説明する。
1.1.本検討における駆動力調整装置の設計要件
本検討における駆動力調整装置の設計要件を下記のように定義する。
・設計要件1:入力トルクを左右輪へ等配分し、左右輪間の差回転を許容するデファレンシャルを有する。
・設計要件2:左右輪間のトルク差を発生させるアクチュエータとして電動モータを用いる。
・設計要件3:電動モータの搭載数は1個とする。
・設計要件4:直進時、電動モータの回転数は0とする。
・設計要件5:電動モータによるトルクの付与により、右輪のトルクを増加又は減少させ、同じ大きさのトルクを左輪で減少又は増加させる。
上記設計要件を満たした構造を例とし、本検討における駆動力調整装置に最低限必要な構成を検討する。
1.2.1.回転要素の構成
図6は、本検討における駆動力調整装置の構造例の構造図である。
図6に示すように、本検討における駆動力調整装置の構造例においては、3つの3要素2自由度の歯車機構が用いられている。左側の歯車機構はデファレンシャル100であり、デファレンシャル100の右側にある2つの歯車機構の右側を第1歯車機構101、左側を第2歯車機構102とする。
第3サンギヤ112は入力要素Iと接続されている。第4サンギヤ113はケーシング132と接続され、回転数は0となる。この回転要素を、固定要素F(Fixed Element)とする。
第1キャリア130は第2キャリア131と接続されている。この回転要素を、連結要素(Connecting Element)Cとする。
速度線図においては各回転要素を点として表現する。縦軸は各回転要素の回転数、横軸は各回転要素の相対的な回転数比を示す。歯車機構の3要素は直線で結ばれる。歯車機構の回転要素の回転数が変化する場合、各回転要素の相対的な回転数比が変わらないため回転要素は縦方向のみに移動し、回転要素を結ぶ直線の角度が変化する。
図7に示すように、本検討における駆動力調整装置の構造例の速度線図においては、車両が回転数NI、左右輪回転数差ΔNで左旋回している状態を示す。したがって、右輪出力要素Rが入力要素Iよりも速く左輪出力要素Lは入力要素Iよりも遅い。また、図7において、L−I−Rはデファレンシャル100、C−R−Mは第1歯車機構101、F−I−Cは第2歯車機構102を表している。
図7に示す走行状態における右輪出力要素Rの回転数NR、左輪出力要素Lの回転数NLは、入力要素Iの回転数NI、左右輪回転数差ΔNを用いた下式で表すことができる。
速度線図においては、歯車機構の各回転要素へ伝達されるトルクの関係をてこの原理と同じように解析することができる。すなわち、速度線図においてトルクと各回転要素の相対的な回転数差は、てこの原理における力とてこ棒の長さの比と同じ要素であると考えることができる。したがって、各回転要素へ伝達されるトルクの関係はトルクの総和の釣り合い式やモーメントの釣り合い式を解くことで各回転要素に伝達されるトルクを解析することができる。
デファレンシャル100は駆動トルクとモータ103が発生したトルクとは逆方向のトルクを右輪出力要素R及び左輪出力要素Lへ等配分する。よって、右輪出力要素Rにはモータ103が発生したトルクと同方向のトルク、左輪出力要素Lにはモータが発生したトルクとは逆方向のトルクを付与し、左右輪間のトルク差を発生させる。
前項の解析結果より各回転要素の役割を以下に示す。
入力要素I、右輪出力要素R及び左輪出力要素Lはデファレンシャル100に必要な3つの回転要素である。
モータトルクTmを入力するモータ入力要素Mは、1.1項の設計要件4より直進時には回転数を0にする必要がある。
よって、モータ入力要素Mはデファレンシャル100の3要素とは別の要素となる必要がある回転要素である。
連結要素CはモータトルクTmの反力を受け持ち、右輪出力要素RへモータトルクTmを伝達する。
速度線図を用いて本検討における駆動力調整装置が実現できるすべての構造を検討し、それらを分類する。
1.2項より、本検討における駆動力調整装置を構成するためには、1つのデファレンシャル100と、各回転要素同士の相対的な回転数比がそれぞれ等しい2つの3要素2自由度歯車機構が必要となることが分かる。これらの歯車機構の回転要素は入力要素I、右輪出力要素R、左輪出力要素L、モータ入力要素M、及び、連結要素C又は固定要素Fのいずれかの要素として定義でき、必要十分な役割が与られている。
デファレンシャル100の回転要素をそれぞれ入力要素I、右輪出力要素R、左輪出力要素Lとする。
デファレンシャル100を除いた2つの歯車機構のうち一方を第1歯車機構101、もう一方を第2歯車機構102とする。
モータ入力要素Mと固定要素Fは、別々の歯車機構の回転要素となる必要がある。モータ入力要素Mを第1歯車機構の回転要素、固定要素Fを第2歯車機構の要素とする。
また、第2歯車機構102の残り1要素は、デファレンシャル接続要素D1と接続しているデファレンシャル100の回転要素以外に残る2要素のうちのいずれか一方と接続する。この回転要素をデファレンシャル接続要素D2とする。
直進時にはデファレンシャル100の回転要素である入力要素I、右輪出力要素R及び左輪出力要素Lの回転数は等しく、0よりも大きな値となる。よって、デファレンシャル100の回転要素と接続するデファレンシャル接続要素D1及びD2もデファレンシャルの回転要素と等しい回転数となり、0よりも大きな値となる。
連結要素Cの回転数は、第1歯車機構101及び第2歯車機構102において他の2要素がどの歯車に適用されるのかによって決まる。以下に、第1歯車機構101及び第2歯車機構102における各回転要素の回転数がとりうる大小関係の組合せを示す。
・「連結要素C<モータ入力要素M・固定要素F(=0)<デファレンシャル接続要素D1,D2」
・「モータ入力要素M・固定要素F(=0)<連結要素C<デファレンシャル接続要素D1,D2」
図9においては、直進時における第1歯車機構101及び第2歯車機構102の各回転要素の回転数がとりうる大小関係の組合せと連結要素Cに対する各回転要素の相対的な回転数比の条件が満たされている。
・図9(a)に示す、連結要素Cの回転数NCが他の回転要素と比較し、最も高い構造をA型とする。
・図9(b)に示す、連結要素Cの回転数NCがデファレンシャル100の回転方向に対し逆回転している構造をV型とする。
・図9(c)に示す、連結要素Cの回転数NCがデファレンシャル100の回転要素より遅くなる構造をX型とする。
表1に示す組合せ1と組合せ2、組合せ3と組合せ4及び組合せ5と組合せ6はそれぞれ左右対称の接続である。よって、表1に示す6つの組合せは、以下に示す3つの分類として定義することができる。
・デファレンシャル接続要素D1,D2がそれぞれ右輪出力要素R及び左輪出力要素Lと接続される構造をSS(Shaft to Shaft接続)型と定義する。
・デファレンシャル接続要素D1と右輪出力要素R又は左輪出力要素L、デファレンシャル接続要素D2と入力要素Iが接続される構造をSC(Shaft to Case接続)型と定義する。
・デファレンシャル接続要素D1と入力要素I、デファレンシャル接続要素D2と右輪出力要素R又は左輪出力要素Lが接続される構造をCS(Case to Shaft接続)型と定義する。
2.1.各構造における回転数とトルク
左右輪間のトルク差をΔTとした場合、右輪及び左輪のそれぞれへのトルク移動量ΔT/2とモータトルクTmの関係を下式のように仮定する。
図11は、A/SS型の速度線図である。なお、図13(a)は第1歯車機構において右輪出力要素Rに作用するトルクΔTRについて示した図、図13(b)は第1歯車機構において連結要素Cに作用するトルクTCについて示した図、図13(c)は第2歯車機構について示した図、図13(d)はデファレンシャルについて示した図である。
また、表2は、図11に示す速度線図中で用いられている記号の一覧を示した表である。
図12においては、A/SS型以外の構造も上記と同様に演算し、回転数比aをシステムゲインGで表した速度線図である。
図12より、A/SS型の右輪と左輪の回転数差ΔNとモータ回転数Nmの関係を求める。
第1歯車機構101及び第2歯車機構102の各要素の回転数の関係より、連結要素Cの回転数NCは下式で表すことができる。
図13は、各回転要素の回転数をNIで正規化した速度線図である。
各構造の違いを明確にするために下記項目の特性を比較する。
・モータの消費エネルギー
・システムゲインGがとりうる範囲
・回転要素の回転数
2.3.1.モータの消費エネルギーの比較
式(1)と式(14)より、モータトルクTmとモータ回転数Nmの積よりモータ103の消費エネルギーPを求める。
デファレンシャルの回転要素である入力要素NI、右輪出力要素NR、左輪出力要素NLは式(17)〜(19)で表され、構造の違いによる差はない。
モータ回転数Nmは、式(16)よりSとシステムゲインGに比例するため、各構造においてシステムゲインGが等しい場合には構造の違いによる差はない。
連結要素Cの回転数NCは、構造の違いにより表3のように異なる値となる。
図14より、システムゲインGが一定時には、SC型は、Sに係わらず回転数NCは一定となることが分かる。これに対し、SS型及びCS型は、Sに比例し回転数NCが増大することが分かる。
表5に示すように、V/SS型のシステムゲインGは1未満、V/SC型及びV/CS型のシステムゲインGは0.5未満となる。したがって、V型を適用する場合には少なくとも所望のトルク差の半分以上のトルクを出力するモータ103が必要となるため大型モータが必要となる。
表5に示すように、SS型及びCS型は旋回時に連結要素Cの回転数も増減する。したがって、SS型及びCS型を適用する場合は旋回時に走行抵抗が変化し、走行特性が変化する懸念がある。これに対し、SC型は旋回時の連結要素Cの回転数が一定であるため、走行抵抗が変化せず、走行特性が変化することがない。特に、A/SC型及びX/SC型は、回転数NCが常に正の値であることから、第1キャリア130及び第2キャリア131の回転方向がデファレンシャル100のケース140や出力軸に対して常に同方向に回転するため、駆動力調整装置のケーシング内部における攪拌抵抗を低減させ、走行負荷を減少させることができる。
本実施例に係る駆動力調整装置は、上述した検討の結果から、回転数NCが一定で、回転数NCが常にデファレンシャルのケースの回転数より小さいX/SC型を実現できる構成とした。
図1に示すように、デファレンシャル1には、左輪と右輪とに伝達される駆動力配分を調整可能な左右輪駆動力配分機構2が設置されている。本実施例においては、デファレンシャル1は、従来より広く知られているベベルギヤ式の差動装置を用いている。
図2は、第1の実施例に係る駆動力調整装置の速度線図である。なお、本実施例においては、中空軸6が連結要素Cである。
図2に示す連結要素Cの回転数NCは、下式で表すことができる。
本実施例に係る駆動力調整装置は、モータ18を左右輪駆動力配分機構15の車両前後方向における側方に設置した点が第1の実施例に係る駆動力調整装置の構成と異なる。
図3に示すように、本実施例に係る駆動力調整装置は、モータ5を左右輪駆動力配分機構2の車両前後方向における側方に設置し、ロータ50にギヤ52を設置し、このギヤ52と噛合するギヤ53を中空軸8の外周面に設置して、モータ5と左右輪駆動力配分機構2とを接続している。
本実施例に係る駆動力調整装置は、上述した検討の結果から、回転数NCが一定で、回転数NCが常にデファレンシャルのケースの回転数より小さいX/SC型を実現できる構成とした。なお、本実施例に係る駆動力調整装置は、左右輪駆動力調整機構2の構成以外については、第1の実施例に係る駆動力調整装置の構成と同様である。
図4に示すように、本実施例に係る駆動力調整装置における左右輪駆動力調整機構2は、それぞれ並列に配設された第1及び第2の3要素2自由度歯車機構3,4及びモータ5から構成されている。
本実施例に係る駆動力調整装置は、上述した検討の結果から、回転数NCが一定で、回転数NCが常にデファレンシャルのケースの回転数より小さいX/SC型を実現できる構成とした。なお、本実施例に係る駆動力調整装置は、左右輪駆動力調整機構2の構成以外については、第1の実施例に係る駆動力調整装置の構成と同様である。
図5に示すように、本実施例に係る駆動力調整装置における左右輪駆動力調整機構2は、それぞれ並列に配設された第1及び第2の3要素2自由度歯車機構3,4及びモータ5から構成されている。
2 左右輪駆動力調整機構
3 第1の3要素2自由度歯車機構
4 第2の3要素2自由度歯車機構
5 モータ
6,7,8 中空軸
9 プロペラシャフト
10 右サイドギヤ
11 左サイドギヤ
12,13 デファレンシャルピニオンギヤ
14 入力ギヤ
15 ケース
20 左側ドライブシャフト
21 右側ドライブシャフト
22 ケーシング
30 第1サンギヤ
31 第1プラネタリギヤ
32 第2プラネタリギヤ
33 第2サンギヤ
34 第1キャリア
40 第3サンギヤ
41 第3プラネタリギヤ
42 第4プラネタリギヤ
43 第4サンギヤ
44 第2キャリア
50 ロータ
51 ステータ
52,53 ギヤ
90 出力ギヤ
200,221 第1内歯ギヤ
201,220 第1外歯ギヤ
202,222 第2外歯ギヤ
203,223 第2内歯ギヤ
204,224 中空軸
205,225 軸受
210,231 第3内歯ギヤ
211,230 第3外歯ギヤ
212,232 第4外歯ギヤ
213,233 第4内歯ギヤ
214,234 中空軸
215,235 中空円筒
Claims (3)
- 駆動源からのトルクが入力されるとともに、二つの出力軸の回転数差を吸収するデファレンシャルと、
前記デファレンシャルの出力軸間のトルク差を発生させるアクチュエータとして1つのモータと、
前記モータによるトルクの付与により、前記デファレンシャルの第1出力軸のトルクを増加又は減少させ、同じ大きさのトルクを前記デファレンシャルの第2出力軸で減少又は増加させる第1の3要素2自由度歯車機構と第2の3要素2自由度歯車機構を備える駆動力調整機構とを備え、
直進時の前記モータの回転数は0である駆動力調整装置において、
前記デファレンシャルのトルクが入力される回転要素と前記第2の3要素2自由度歯車機構の1つの回転要素を接続した要素を入力要素Iとし、
前記デファレンシャルの第1出力軸の回転要素を第1出力要素R、前記デファレンシャルの第2出力軸の回転要素を第2出力要素Lとし、
前記第1出力要素Rと前記第2出力要素Lのどちらか一方が前記第1の3要素2自由度歯車機構の1つの回転要素と接続し、
前記第1の3要素2自由度歯車機構と前記モータとを接続した要素をモータ入力要素Mとし、
前記第2の3要素2自由度歯車機構とケーシングとを接続し、回転数が0となる要素を固定要素Fとし、
前記第1の3要素2自由度歯車機構と第2の3要素2自由度歯車機構とを接続した要素を連結要素Cとし、
縦軸に回転数、横軸に各要素の相対的な回転数比をとったグラフ上に各要素を点として表現したときに、L−IとR−Iとの長さが等しく、かつ、L−I−R、L−C−M及びF−C−Iの順、又は、L−I−R、R−C−M及びF−C−Iの順に直線で結ばれる速度線図を実現する構成とする
ことを特徴とする駆動力調整装置。 - 前記第1の3要素2自由度歯車機構は、
前記デファレンシャルの一方の出力軸に接続された第1サンギヤと、
前記第1サンギヤの周囲に設けられ該第1サンギヤに噛合する第1プラネタリギヤと、
前記第1プラネタリギヤと同軸上に設けられるとともに該第1プラネタリギヤと一体に回転する第2プラネタリギヤと、
前記第1プラネタリギヤ及び前記第2プラネタリギヤを回転自在に軸支するとともに、前記モータの回転軸に接続された第1キャリアと、
前記第1サンギヤと同軸上に設けられ、前記第2プラネタリギヤと噛合するとともに第2サンギヤとを備え、
前記の3要素2自由度第2歯車機構は、
前記デファレンシャルのケースに接続された第3サンギヤと、
前記第3サンギヤの周囲に設けられ該第3サンギヤに噛合する第3プラネタリギヤと、
前記第3プラネタリギヤと同軸上に設けられ該第3プラネタリギヤと一体に回転する第4プラネタリギヤと、
前記第3プラネタリギヤ及び前記第4プラネタリギヤを回転自在に軸支する前記第2歯車機構を収納するケーシングに固定された第1キャリアと、
前記第3サンギヤと同軸上に設けられ、前記第4プラネタリギヤと噛合するとともに前記第2サンギヤと一体に回転する第4サンギヤとを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動力調整装置。 - 前記第1サンギヤと前記第3サンギヤは同一歯数に形成し、前記第1プラネタリギヤと前記第3プラネタリギヤは同一歯数に形成し、前記第2サンギヤと前記第4サンギヤは同一歯数に形成し、前記第2プラネタリギヤと前記第4プラネタリギヤは同一歯数に形成し、
前記第1サンギヤと前記第1プラネタリギヤの歯数の比を前記第2サンギヤと前記第2プラネタリギヤの歯数の比よりも大きく形成し、
前記第3サンギヤと前記第3プラネタリギヤの歯数の比を前記第4サンギヤと前記第4プラネタリギヤの歯数の比よりも大きく形成する
ことを特徴とする請求項2に記載の駆動力調整装置。
Priority Applications (6)
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---|---|---|---|
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