JP6844268B2 - 電動車両の駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動車両の駆動装置に関し、特に2機の電動機を備えた駆動装置に関する。
車両を駆動する原動機として複数の電動機を備えた車両が知られている。下記特許文献1には、2機の電動機と遊星歯車機構を組み合わせた電動車両の駆動装置が示されている。2機の電動機の出力軸が遊星歯車機構のサン要素、キャリア要素にそれぞれ結合可能となっており、リング要素に出力軸が結合可能となっている。
特許第5308791号公報
遊星歯車機構は、3つの要素が相対的に回転する、つまり差動することにより、各要素間の速度比を変更することができる。一方、差動時には、各要素が相対運動することにより遊星歯車機構内の機械損失が大きくなる。
本発明は、複数の電動機と遊星歯車機構を備えた電動車両の駆動装置において、遊星歯車機構内の機械損失を低減させることを目的とする。
本発明に係る電動車両の駆動装置は、第1電動機と第2電動機を有し、さらに第1電動機が接続される第1入力要素と、第2電動機が接続される第2入力要素と、出力要素とを有する遊星歯車機構を有する。出力要素の速度を固定したときの第1入力要素の速度変化に対する第2入力要素の速度変化の比である遊星歯車比が、第1電動機の最大パワーと第2電動機の最大パワーの比である最大パワー比の0.8倍以上1.2倍以下に設定されている。
また、遊星歯車比を最大パワー比に設定することができる。
本発明に係る電動車両の他の駆動装置は、第1電動機と第2電動機を有し、さらに第1電動機が接続される第1入力要素と、第2電動機が接続される第2入力要素と、出力要素とを有する遊星歯車機構を有する。出力要素の速度を固定したときの第1入力要素の速度変化に対する第2入力要素の速度変化の比である遊星歯車比が、第1電動機の最大トルク発生時の第1入力要素のトルクと第2電動機の最大トルク発生時の第2入力要素のトルクの比である入力要素最大トルク比の0.8倍以上1.2倍以下に設定されている。
また、遊星歯車比を入力要素最大トルク比に設定することができる。
遊星歯車機構を差動させずに動作できる範囲が大きくなり、差動の機会を減らすことができ、機械損失を低減することができる。
本発明の実施形態の電動車両の駆動装置10の構成を示す模式図である。 1機の電動機で走行中の駆動装置10の共線図である。 遊星歯車機構が差動していない状態の駆動装置10の共線図である。 遊星歯車比を電動機の最大パワー比に定めた駆動装置10のトルク特性を示す図である。 遊星歯車比を入力要素最大トルク比に定めた駆動装置10のトルク特性の一例を示す図である。 遊星歯車比を最大パワー比に対し20%ずらした駆動装置10のトルク特性を示す図である。 遊星歯車比を最大パワー比に対し30%ずらした駆動装置10のトルク特性を示す図である。 遊星歯車比を入力要素最大トルク比に対し20%ずらした駆動装置10のトルク特性を示す図である。 遊星歯車比を入力要素最大トルク比に対し30%ずらした駆動装置10のトルク特性を示す図である。 本発明の他の実施形態の電動車両の駆動装置50の構成を示す模式図である。 1機の電動機で走行中の駆動装置50の共線図である。 遊星歯車機構が差動していない状態の駆動装置50の共線図である。 本発明の更に他の実施形態の電動車両の駆動装置80の構成を示す模式図である。 1機の電動機で走行中の駆動装置80の共線図である。 遊星歯車機構が差動していない状態の駆動装置80の共線図である。 本発明の更に他の実施形態の電動車両の駆動装置120の構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に従って説明する。図1は、電動車両の駆動装置10の構成を示す模式図である。駆動装置10は、第1電動機M1と第2電動機M2を備え、第1電動機M1と第2電動機M2は、それぞれ遊星歯車機構12の別個の入力要素に接続されている。遊星歯車機構12は、サンギア14と、サンギア14を取り囲むように位置するリングギア16と、サンギア14とリングギア16に噛み合う複数のプラネタリピニオン18を回転可能に支持するプラネタリキャリア20を有する。以下、プラネタリピニオンをピニオン、プラネタリキャリアをキャリアと記す。遊星歯車機構12の3要素、すなわちサンギア14、リングギア16、キャリア20は、共通の回転軸線周りを回転する。
第1電動機M1は、リングギア16に接続されている。より具体的には、第1電動機M1は、その出力軸である第1電動機軸22に設けられたギア24と、リングギア16の外周側に設けられたギア26とから構成される入力歯車対28を介してリングギア16に接続されている。第1電動機M1とリングギア16は、複数の歯車対を介して接続されてもよい。第2電動機M2は、サンギア14に接続されている。より具体的には、第2電動機M2の出力軸である第2電動機軸30にサンギア14が固定されている。また、第2電動機M2とサンギア14は、1対または複数対の歯車対を介して接続されてもよい。第1および第2電動機M1,M2と遊星歯車機構12の対応する要素とを接続する伝動要素は歯車対に限らず、ベルト、チェーン等を用いた伝動要素であってもよい。
この駆動装置10においては、キャリア20が出力要素である。キャリア20には出力軸32が結合されており、出力軸32は出力歯車列34および差動装置を含む最終減速機36を介して駆動輪38に接続されている。出力歯車列34は、減速比を変更可能にするための変速機構を含んでよい。
第1電動機軸22上には、ワンウェイクラッチ40が設けられている。ワンウェイクラッチ40は、車両を前進させるときの第1電動機M1の回転を許容し、これと反対向きの回転を阻止する。また、ワンウェイクラッチ40の代わりに、車両の前進時と後進時において、第1電動機軸22の回転を阻止する方向を変更可能なセレクタブルワンウェイクラッチを採用することもできる。また、ワンウェイクラッチ40の代わりにドグクラッチを採用し、必要に応じて第1電動機軸22の回転を阻止するようにしてもよい。
遊星歯車機構12のギア比ρは、サンギア14の歯数zSとリングギア16の歯数zRの比である(ρ=zS/zR)。また、入力歯車対28の減速比λとする。
図2および図3は、遊星歯車機構12の各要素の回転速度ωの関係を示す図、いわゆる共線図である。符号S,C,Rで示す3本の縦軸がそれぞれサンギア14の回転速度ωS、キャリア20の回転速度ωC、リングギア16の回転速度ωRを示す。遊星歯車機構においては、2つの要素の回転速度が定まると、残りの1つの要素の回転速度が決定する。この関係を示した図が共線図である。3つの要素の回転速度は、3本の縦軸に交差する直線上に常に存在する。1つの要素の回転速度を固定すると、他の2つの要素の回転速度は、互いに関連をもって変化する。この遊星歯車機構12においては、キャリア20の回転速度ωCを固定し、サンギア14の回転速度ωSを変化させると、その変化量ΔωSに対してリングギア16の回転速度ωRは、ΔωSのζ倍変化する(ΔωR=ζ・ΔωS)。このリングギア回転速度の変化量ΔωRとサンギア14の速度変化量ΔωSの比ζを以下、遊星歯車比ζと記す。遊星歯車比ζは、遊星歯車機構の機械的な構造により決定し、この遊星歯車機構12においては、ギア比ρである(ζ=ρ)。
遊星歯車機構において、各要素のトルクの総和は0である。言い換えれば、入力トルクと出力トルクは等しい。この遊星歯車機構12においては、入力トルクであるサンギア14のトルクTSおよびリングギア16のトルクTRの和は、出力トルクであるキャリア20のトルクTCに等しい(TS R C )。また、各要素の回転速度が維持されるためには、2つの入力トルクの比、つまりサンギアのトルクTSとリングギアのトルクTRの比が遊星歯車比ζとなっている必要がある(ζ=TS/TR)。
図2は、第2電動機M2のみで走行している状態を示してる。リングギア16のトルクTRは、ワンウェイクラッチ40が第1電動機軸22を拘束していることで生じる反力である。
車両がある速度で走行しているとき、キャリア20の回転速度ωCは車両の速度に対応した値に定まる。よって、共線図において、回転速度ωCは固定されるが、この速度ωCを通る直線は無数に存在する。つまり、車両がある速度を維持するためのサンギア14およびリングギア16の回転速度ωS,ωRの組合せは無数に存在する。
サンギア14の回転速度ωSとリングギア16の回転速度ωRに差がある場合、つまり遊星歯車機構12が差動動作している場合、各要素が相対運動することによる摩擦等の機械損失が発生する。遊星歯車機構12が差動動作していないとき、つまり3つの要素の速度が等しいときには、3つの要素(サンギア14、リングギア16、キャリア20)が一体となって回転し、要素間の相対運動による機械損失が小さくなる。
前述のように、キャリア20の回転速度ωCを固定したとき、サンギア14およびリングギア16の回転速度ωS,ωRの組合せは無数に存在するが、遊星歯車機構12の機械損失を低減するためには、これらの回転速度ωS,ωRは等しいことが望ましい。サンギア14およびリングギア16の回転速度ωS,ωRが等しければ、キャリア20の回転速度ωCもこれらに等しくなる。この状態を示したのが図3である。3つの要素の回転速度が等しい状態を維持するためには、前述のようにサンギア14とリングギア16のトルク比(TS/TR)を、遊星歯車比ζとする必要がある。
ζ=TS/TR ・・・(1)
しかし、回転速度を維持するためのトルクを2機の電動機M1,M2が常に出力できるとは限らない。例えば、第1電動機M1がトルクTRを発生しているとき、第2電動機M2がトルクTS(=ζTR)に対応するトルクを発生できないと、サンギア14の回転速度ωSを維持することができない。これを避けるためには、ある回転速度における第1および第2電動機M1,M2によるリングギア16およびサンギア14のトルクTR,TSの最大値TuR,TuSが式(1)の関係を満たすようにすればよい。
ζ=TuS/TuR ・・・(1)'
駆動装置10においては、サンギア14およびリングギア16のトルクTS,TRと、第1および第2電動機M1,M2のトルクTM1,TM2の関係は、次式(2)となる。
R=λTM1,TS=TM2 ・・・(2)
第1および第2電動機M1,M2が、そのときの回転速度で出力できるトルクの上限値をTuM1,TuM2とすれば、式(2)は、次式(2)’となる。
TuR=λTuM1,TuS=TuM2 ・・・(2)’
式(1)’、(2)’から次式(3)を得る。
ζ=TuM2/λTuM1 ・・・(3)
式(3)を満たすことで、第1および第2電動機M1,M2が共にトルクの上限値TuM1,TuM2で動作しているときに、3つの要素の回転速度が一致する状態を維持することができる。言い換えれば、一方の電動機が出力するトルクが不足して、回転速度を維持できないということがない。
トルク上限値TuM1,TuM2は、第1および第2電動機M1,M2の最大パワーmax(PM1),max(PM2)を、電動機M1,M2の回転速度ωM1,ωM2で割った値であり、さらに、ωM1=λωR,ωM2=ωS,ωR=ωSであるから、式(3)は、次式(4)となる。
Figure 0006844268
式(4)は、遊星歯車比ζを第2電動機M2の最大パワーmax(PM2)と第1電動機M1の最大パワーmax(PM1)の比に設定することを示している。式(4)を満たすように遊星歯車比ζを定めることにより、遊星歯車機構12が差動しない状態で、第1電動機M1と第2電動機M2に共に最大パワーを出力させることができる。
図4は、式(4)を満たす駆動装置10のトルク特性を示す図である。第2電動機M2のみで車両を駆動する場合のトルク特性が一点鎖線で示されている。第1および第2電動機M1,M2の2機で車両を駆動する場合のトルク特性が実線および破線で示されている。実線は、遊星歯車機構12が差動しないように制御した場合のトルク特性であり、破線は、差動を許容した場合のトルク特性である。図示するように、式(4)を満たすように遊星歯車比ζを設定することにより、遊星歯車機構12が差動しないように制御しても、差動を許容した場合とほぼ同等のトルク特性と得ることができる。
第1および第2電動機M1,M2が定トルク範囲で動作しているときには、トルク上限値TuM1,TuM2は、最大トルクmax(TM1),max(TM2)であるから、式(3)は次式(5)となる。
Figure 0006844268
式(5)は、遊星歯車比ζを第2電動機M2が最大トルクmax(TM2)発生しているときのサンギアトルクTSと第1電動機M1が最大トルクmax(TM1)を発生しているときのリングギアトルクTRの比、つまり2つの入力要素の最大トルク比に設定することを示している。
図5は、式(5)を満たす駆動装置10のトルク特性を示す図である。第2電動機M2のみで車両を駆動する場合のトルク特性が一点鎖線で示されている。第1および第2電動機M1,M2の2機で車両を駆動する場合のトルク特性が実線および破線で示されている。実線は、遊星歯車機構12が差動しないように制御した場合のトルク特性であり、破線は、差動を許容した場合のトルク特性である。この設定においては、最大値に近い駆動力を発生する場合に、第2電動機M2のみで駆動している状態から、2機の電動機M1,M2で駆動する状態へ移行するとき、駆動トルクが滑らかに繋がり、ショックが少ない。駆動トルクが車速に対して一定となる定トルク範囲では、差動なしで制御した場合、差動を許容して制御した場合と同等の駆動トルクを得ることができる。また、電動機を2機使用した定トルク範囲においては、遊星歯車比ζを最大パワー比に設定した場合に比べ、大きな駆動トルクを得ることができる。一方、駆動トルクが車速が増加するにつれて低下する範囲(パワーが一定の範囲)である定パワー範囲では、差動なしで制御した場合には、得られる駆動トルクがやや少ない。しかし、多くの領域で遊星歯車機構12を差動せずに済むので、機械損失の低減に有効である。
図6,7は、遊星歯車比ζを最大パワー比(max(PM2)/max(PM1))に対し変更した場合のトルク特性を示す図であり、図6が20%、図7が30%ずらしたときの特性を示している。なお、遊星歯車比ζの変更と共に、低速時の最大トルクが遊星歯車比ζを変更しないときと変わらないように最終減速比を調整している。
図4と比較して分かるように、遊星歯車比ζを20%ずらした場合(図6)、遊星歯車機構12を差動させずに動作できる範囲は狭くなる。最高速度Vmaxは、遊星歯車機構12を差動させることにより、遊星歯車比ζを最大パワー比に設定したときとほぼ同じ速度を得ることができる。遊星歯車比ζを30%ずらすと(図7)、差動させずに動作できる範囲は更に狭まる。また、最高速度Vmaxは、明らかに低下する。最大パワーを発生させる機会は限られていることを考えれば、差動させずに動作できる範囲が多少狭くても、実用上の損失は大きく変化しない。しかし、最高速度が低下するのは好ましくないため、最大パワー比に対して遊星歯車比ζを±20%の範囲で設定する。
図8,9は、遊星歯車比ζをリングギア16とサンギア14の最大トルク比(max(TM2)/max(TM1)λ)に対し変更した場合のトルク特性を示す図であり、図8が20%、図9が30%ずらしたときの特性を示している。なお、遊星歯車比ζの変更と共に、低速時の最大トルクが遊星歯車比ζを変更しないときと変わらないように最終減速比を調整している。
図5と比較して分かるように、遊星歯車比ζを20%ずらした場合(図8)、遊星歯車機構12を差動させずに動作できる範囲は狭くなる。最高速度Vmaxは、遊星歯車機構12を差動させることにより、遊星歯車比をリングギア16とサンギア14の最大トルク比に設定したときとほぼ同じ速度を得ることができる。遊星歯車比ζを30%ずらすと(図9)、差動させずに動作できる範囲は更に狭まる。また、最高速度Vmaxは、明らかに低下する。最大パワーを発生させる機会は限られていることを考えれば、差動させずに動作できる範囲が多少狭くても、実用上の損失は大きく変化しない。しかし、最高速度が低下するのは好ましくないため、リングギア16とサンギア14の最大トルク比(max(TM2)/max(TM1)λ)に対して遊星歯車比ζを±20%の範囲で設定する。
遊星歯車機構12を全く差動なしで動作させた場合、ギアの同じ歯が常に噛み合った状態が継続することになり耐久上好ましくない。よって、実際の動作においては、わずかに相対回転するように、例えば相対回転速度が数十rpm程度、あるいは各要素の回転速度の1%以下で運転するのが望ましい。この範囲の動作も差動なしの動作とする。
図10は、他の実施形態である電動車両の駆動装置50の構成を示す模式図である。駆動装置50は、第1電動機M1と第2電動機M2を備え、第1電動機M1と第2電動機M2は、それぞれ遊星歯車機構52の別個の入力要素に接続されている。遊星歯車機構52は、サンギア54と、サンギア54を取り囲むように位置するリングギア56を有する。さらに、遊星歯車機構52は、サンギア54と噛み合う内側プラネタリピニオン58(以下、内側ピニオン58と記す。)と、リングギア56と噛み合い、内側ピニオン58とも噛み合う外側プラネタリピニオン60(以下、外側ピニオン60と記す。)を有する。内側ピニオン58と外側ピニオン60は、プラネタリキャリア62(以下、キャリア62)に回転可能に支持される。キャリア62は、遊星歯車機構52に属する。遊星歯車機構52の3要素、すなわちサンギア54、リングギア56、キャリア62は、共通の回転軸線周りを回転する。
第1電動機M1は、サンギア54に接続されている。より具体的には、第1電動機M1の出力軸である第1電動機軸64にサンギア54が固定されている。第2電動機M2は、キャリア62に接続されている。より具体的には、第2電動機M2の出力軸である第2電動機軸66にキャリア62が固定されている。第1電動機M1とサンギア54および第2電動機M2とキャリア62は、1対または複数対の歯車対を介して接続されてもよく、また、歯車対に限らず、ベルト、チェーン等を用いた伝動要素を用いて接続されていてもよい。
この駆動装置50においては、リングギア56が出力要素である。リングギア56の外周には出力ギア68が設けられ、出力ギア68は、出力歯車列70および差動装置を含む最終減速機72を介して駆動輪74に接続されている。出力歯車列70は、減速比を変更可能にするための変速機構を含んでよい。
第1電動機軸64上には、ワンウェイクラッチ76が設けられている。ワンウェイクラッチ76は、車両を前進させるときの第1電動機M1の回転を許容し、これと反対向きの回転を阻止する。また、ワンウェイクラッチ76の代わりに、車両の前進時と後進時において、第1電動機軸64の回転を阻止する方向を変更可能なセレクタブルワンウェイクラッチを採用することもできる。また、ワンウェイクラッチ76の代わりにドグクラッチを採用し、必要に応じて第1電動機軸64の回転を阻止するようにしてもよい。
遊星歯車機構52のギア比ρは、サンギア54の歯数zSとリングギア56の歯数zRの比である(ρ=zS/zR)。
図11および図12は、遊星歯車機構52の各要素の回転速度ωの関係を示す図、いわゆる共線図である。符号S,C,Rで示す3本の縦軸がそれぞれサンギア54の回転速度ωS、キャリア62の回転速度ωC、リングギア56の回転速度ωRを示す。図11は、第2電動機M2のみで駆動しているときの状態を示しており、図12は、遊星歯車機構52が差動なしの状態で動作しているときの状態を示している。遊星歯車機構52の遊星歯車比ζは(1−ρ)/ρとなる(ζ=(1−ρ)/ρ)。遊星歯車機構52を差動させずに運転できる範囲を広くするために、第1および第2電動機M1,M2の最大パワーに基づき遊星歯車比ζを定めるときには、式(6)に従って設定する。第1および第2電動機M1,M2の最大トルクに基づき遊星歯車比ζを定めるときには、式(7)に従って設定する。
Figure 0006844268
駆動装置50においては、第1および第2電動機M1,M2が共に歯車対を介さず遊星歯車機構52に直接接続しているため、式(7)は、前出の式(5)においてλ=1とした式となっている。
図13は、さらに他の実施形態の電動車両の駆動装置80の構成を示す模式図である。駆動装置80は、第1電動機M1と第2電動機M2を備え、第1電動機M1と第2電動機M2は、それぞれ遊星歯車機構82の別個の入力要素に接続されている。遊星歯車機構82は、第1電動機M1が接続される第1サンギア84と、第2電動機M2が接続される第2サンギア86を有する。第1サンギア84は、第1電動機M1の出力軸である第1電動機軸88に結合される。また、第2サンギア86は、第2電動機M2の出力軸である第2電動機軸90に結合される。第1サンギア84は、プラネタリキャリア92(以下、キャリア92と記す。)に回転可能に支持された複数の外側プラネタリピニオン94(以下、外側ピニオン94と記す。)と噛み合っている。第2サンギア86は、キャリア92に回転可能に支持された複数の内側プラネタリピニオン96(以下、内側ピニオン96と記す。)と噛み合っている。各内側ピニオン96は、それぞれ1個の外側ピニオン94とも噛み合っている。第1サンギア84、第2サンギア86およびキャリア92は共通の軸線周りに回転可能である。キャリア92は出力要素であり、出力ギア98を備える。出力ギア98は、出力歯車列100および差動装置を含む最終減速機102を介して駆動輪104に接続されている。出力歯車列100は、減速比を変更可能にするための変速機構を含んでよい。
遊星歯車機構82は、第1サンギア84と外側ピニオン94からなる第1遊星歯車列106と、第2サンギア86と外側ピニオン94と内側ピニオン96からなる第2遊星歯車列108とを含む複合型の遊星歯車機構である。第1遊星歯車列106はシングルピニオン型の遊星歯車列であり、第2遊星歯車列108はダブルピニオン型の遊星歯車列である。
第1サンギア84の歯数はzS1であり、第2サンギア86の歯数はzS2である。
第1電動機軸88上には、ワンウェイクラッチ110が設けられている。ワンウェイクラッチ110は、車両を前進させるときの第1電動機M1の回転を許容し、これと反対向きの回転を阻止する。また、ワンウェイクラッチ110の代わりに、車両の前進時と後進時において、第1電動機軸88の回転を阻止する方向を変更可能なセレクタブルワンウェイクラッチを採用することもできる。また、ワンウェイクラッチ110の代わりにドグクラッチを採用し、必要に応じて第1電動機軸88の回転を阻止するようにしてもよい。
図14および図15は、遊星歯車機構82の各要素の回転速度ωの関係を示す図、いわゆる共線図である。符号S1,S2,Cで示す3本の縦軸がそれぞれ第1サンギア84の回転速度ωS1、第2サンギア86の回転速度ωS2、キャリア92の回転速度ωCを示す。図14は、第2電動機M2のみで駆動しているときの状態を示しており、図15は、遊星歯車機構82が差動なしの状態で動作しているときの状態を示している。
遊星歯車機構82の遊星歯車比ζはzS2/zS1となる(ζ=zS2/zS1)。遊星歯車機構82を差動させずに運転できる範囲を広くするために、第1および第2電動機M1,M2の最大パワーに基づき遊星歯車比ζを定めるときには、次式(8)に従って設定する。第1および第2電動機M1,M2の最大トルクに基づき遊星歯車比ζを定めるときには、次式(9)に従って設定する。
Figure 0006844268
図16は、さらに他の実施形態の電動車両の駆動装置120の構成を示す模式図である。駆動装置120は、前述の駆動装置80の一部を変更した装置であり、共通の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。駆動装置120において、第1電動機M1と第1サンギア84は、第1歯車対122を介して接続されている。第1電動機軸88上のギア(歯数:zM1)と、第1サンギア84に結合している第1入力軸124上のギア(歯数:zS1)とから、第1歯車対122が構成される。第2電動機M2と第2サンギア86は、第2歯車対126を介して接続されている。第2電動機軸90上のギア(歯数:zM2)と、第2サンギア86に結合している第2入力軸128上のギア(歯数:zS2)とから、第2歯車対126が構成される。第1歯車対122の減速比がλ1(=zS1/zM1)であり、第2歯車対の減速比がλ2(=zS2/zM2)である。ワンウェイクラッチ110は、第1入力軸124上に設けられている。
駆動装置120の共線図は、駆動装置80の共線図と同じである(ζ=zS2/zS1)。最大パワーに基づき遊星歯車比ζを定めるときには、次式(10)に従って設定する。最大トルクに基づき遊星歯車比ζを定めるときには、第1および第2歯車対122,126の減速比λ1,λ2を考慮して次式(11)に従って設定する。
Figure 0006844268
以上、例示した遊星歯車機構に限らず、他の遊星歯車機構を採用する場合であっても、本願の発明を適用できる。
10 駆動装置、12 遊星歯車機構、14 サンギア、16 リングギア、18 プラネタリピニオン、20 プラネタリキャリア(キャリア)、22 第1電動機軸、24 ギア、26 ギア、28 入力歯車対、30 第2電動機軸、32 出力軸、34 出力歯車列、36 最終減速機、38 駆動輪、40 ワンウェイクラッチ、50 駆動装置、52 遊星歯車機構、54 サンギア、56 リングギア、58 内側プラネタリピニオン、60 外側プラネタリピニオン、62 プラネタリキャリア(キャリア)、64 第1電動機軸、66 第2電動機軸、68 出力ギア、70 出力歯車列、72 最終減速機、74 駆動輪、76 ワンウェイクラッチ、80 駆動装置、82 遊星歯車機構、84 第1サンギア、86 第2サンギア、88 第1電動機軸、90 第2電動機軸、92 プラネタリキャリア、94 外側プラネタリピニオン、96 内側プラネタリピニオン、98 出力ギア、100 出力歯車列、102 最終減速機、104 駆動輪、106 第1遊星歯車列、108 第2遊星歯車列、110 ワンウェイクラッチ、120 駆動装置、122 第1歯車対、124 第1入力軸、126 第2歯車対、128 第2入力軸、M1 第1電動機、M2 第2電動機、TS サンギアトルク、TR リングギアトルク、TC キャリアトルク、max(PM1) 第1電動機の最大パワー、max(PM2) 第2電動機の最大パワー、max(TM1) 第1電動機の最大トルク、max(TM2) 第2電動機の最大トルク、ζ 遊星歯車比、λ 入力歯車対28の減速比、λ1 第1歯車対122の減速比、λ2 第2歯車対126の減速比。

Claims (4)

  1. 電動車両の駆動装置であって、
    第1電動機と、
    第2電動機と、
    第1電動機が接続される第1入力要素と、第2電動機が接続される第2入力要素と、出力要素とを有する遊星歯車機構と、
    を有し、
    出力要素の速度を固定したときの第2入力要素の速度変化に対する第1入力要素の速度変化の比である遊星歯車比が、第2電動機の発生し得る最大パワーと第1電動機の発生し得る最大パワーの比である最大パワー比の0.8倍以上1.2倍以下に設定されている、
    電動車両の駆動装置。
  2. 遊星歯車比が最大パワー比に設定されている、請求項1に記載の電動車両の駆動装置。
  3. 電動車両の駆動装置であって、
    第1電動機と、
    第2電動機と、
    第1電動機が接続される第1入力要素と、第2電動機が接続される第2入力要素と、出力要素とを有する遊星歯車機構と、
    を有し、
    出力要素の速度を固定したときの第2入力要素の速度変化に対する第1入力要素の速度変化の比である遊星歯車比が、第2電動機の発生し得る最大トルク発生時の第2入力要素のトルクと第1電動機の発生し得る最大トルク発生時の第1入力要素のトルクの比である入力要素最大トルク比の0.8倍以上1.2倍以下に設定されている、
    電動車両の駆動装置。
  4. 遊星歯車比が入力要素最大トルク比に設定されている、請求項3に記載の電動車両の駆動装置。
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