JP3948099B2 - 動力出力装置およびハイブリッド車両 - Google Patents

動力出力装置およびハイブリッド車両 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力源として原動機と電動機とを備えるハイブリッド式の動力出力装置および該動力出力装置を搭載したハイブリッド車両に関し、詳しくは2つの出力軸を備える動力出力装置および該装置を搭載した4輪駆動可能なハイブリッド車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンと電動機とを動力源とするハイブリッド車両が提案されている(例えば特開平9−47094に記載の技術等)。ハイブリッド車両の一種としていわゆるパラレルハイブリッド車両がある。パラレルハイブリッド車両は、エンジンから出力された動力を動力分配装置により分配する。分配された動力の一部は出力軸に伝達され、残りは発電機により電力に変換される。この電力はバッテリに蓄電されたり、出力軸に結合された電動機を駆動するのに用いられる。かかる構成により、パラレルハイブリッド車両はエンジンから出力された動力を任意の回転数およびトルクで出力軸に出力することができる。エンジンは運転効率の高い運転ポイントを選択して運転することができるため、ハイブリッド車両はエンジンのみを駆動源とする従来の車両に比べて省資源性および排気浄化性に優れている。
【0003】
一方、上述のパラレルハイブリッド車両の技術を利用して、4輪駆動可能なハイブリッド車両も提案されている(例えば特開平9−175203記載の技術等)。4輪駆動可能なハイブリッド車両の構成例を図15に示す。かかるハイブリッド車両では、原動機50の出力軸にクラッチモータ30のインナロータ34を結合するとともに、クラッチモータ30のアウタロータ32を駆動軸22に結合する。駆動軸22は変速ギヤ23およびディファレンシャルギヤ24を介して前輪26,28に結合されている。後輪27,29には電動機40が結合されており、該電動機40は駆動回路92を介してバッテリ94に接続されている。クラッチモータ30もまた駆動回路91を介してバッテリ94に電気的に接続されている。従って、電動機40とクラッチモータ30はバッテリ94を介して電気的に接続されている。
【0004】
クラッチモータ30はインナロータ34とアウタロータ32との間の電磁的な結合により動力を伝達するとともに、両者間の相対的な滑りに応じて電力を回生し、動力を電力に変換する動力分配装置としての役割を果たすものである。原動機50から出力された動力は上述したクラッチモータ30の作用により、一部が駆動軸22に伝達され前輪26,28を駆動し、残りの動力が電力に変換される。この電力は電動機40を駆動することにより、後輪27,29の駆動に用いられる。かかる作用により上述のハイブリッド車両では、前輪26,28および後輪27,29の双方から動力を出力することができ、いわゆる4輪駆動が可能である。
【0005】
エンジンのみを動力源とする従来の車両で4輪駆動を実現するためには、エンジンの動力を前輪および後輪の両者に伝達するために、プロペラシャフトを用いていた。これは重量および車両の室内スペースへの影響等の面でデメリットが多い。上述のハイブリッド車両では、プロペラシャフトを用いることなく4輪駆動を実現できる点でも大きな利点を有している。4輪駆動可能なハイブリッド車両は、その他省資源性および排気浄化性に優れているというハイブリッド車両の特性を4輪駆動車両においても活かすことができる点でも優れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、4輪駆動可能なハイブリッド車両では、前輪および後輪から出力されるトルク配分を適切な値に設定することが困難であった。上述の構成(図15)に基づいて説明すれば、クラッチモータ30のインナロータ34とアウタロータ32の間には作用反作用の関係が成立するから、原動機50から出力されるトルクと駆動軸22に伝達されるトルクとは常に等しくなる。前輪には駆動軸22のトルクを変速ギヤ23により一定の減速比でトルク変換して出力している。従って、前輪に出力されるトルクと原動機50の出力トルクとの比は、変速ギヤ23に応じて定まる一定値となる。
【0007】
上述のハイブリッド車両では、要求トルクが原動機50の出力トルクよりも大きい場合には電動機40でトルクを付加することにより前輪および後輪の総和で所望のトルクを出力しているのである。逆に要求トルクが原動機50の出力トルクよりも小さい場合には電動機40を発電機として作用し、いわゆる回生負荷を後輪に加えることになる。
【0008】
減速比の設定について図16を用いて説明する。図16は走行に必要となる走行トルクおよび車両からの出力トルクの関係を車速に応じて示したグラフである。図16の曲線L11に示す通り、主に路面との転がり摩擦および空気抵抗に対抗して走行するために必要となる走行トルクは車速が増すにつれて単調増加していく。加速や減速を生じることなく走行するためには、走行トルクと車両からの出力トルクが等しくなる必要がある。前輪からの出力トルクが大きい場合には、車両からの出力トルクと走行トルクを釣り合わせるために、後輪で負のトルクを付加する必要が生じるが、これは運転効率上好ましい状態ではない。従って、前輪からの出力トルクは頻繁に使用されるある速度での巡行時に走行トルクに概ね釣り合うように設定されることが望ましい。
【0009】
かかる速度を図16中のV11とすれば、この速度で前輪の出力トルク(曲線L13)が走行トルクL11に概ね等しくなるように設定することが望ましい。この場合でもV11よりも低い速度で走行する場合には、後輪で負のトルクを付加する必要があるが、その大きさを抑制することができる。例えば、図16中の曲線L14に相当する動力が前輪から出力されるように設定すれば、車速V11においてさえも後輪で負のトルクを加える必要がある他、その大きさも大きくなる。ハイブリッド車両では、図16の曲線L13に相当するトルクが出力されるように変速ギヤ23のギヤ比が設定されている。
【0010】
図16の曲線L13に示すように前輪からの動力を設定した上で、車両を加速する場合を考える。車両を加速する場合には図16の曲線L12に示す通り、走行トルクよりも大きなトルクが必要となる。先に説明した通り、前輪から出力されるトルクは原動機から出力されるトルクに対し、一定の比率で決まってしまうため、加速時に要求トルクを出力するには、後輪に結合された電動機を駆動してトルクを付加することが必要となる。この結果、加速時には車両から出力されるトルクの配分が後輪に大きく偏ることになる。
【0011】
以上では加速時を例にとって説明したが、従来のハイブリッド車両では前輪から出力されるトルクと原動機から出力されるトルクとの比が機構上、一定の値に制限されており、前後輪から出力されるトルクの配分を適切に制御することができなかった。この結果、加速時の操安定性という面で4輪駆動車としての特質が生かせない他、4輪駆動車としての効果が最も発揮されるべき低摩擦係数の路面での走行が効果的に行えないなどの不都合があった。一般に4輪駆動車においては、前輪および後輪にかかる荷重に応じたトルク配分でトルクが出力されることが好ましいとされているが、従来のハイブリッド車両では、車両の種々の走行状態に応じてかかるトルク配分を柔軟に実現することができなかった。かかる課題はハイブリッド車両に関わらず、2つの出力軸を有するハイブリッド式の動力出力装置において、両者から出力されるトルク配分を柔軟に制御することができないという点で共通する。
【0012】
本発明は上記課題の少なくとも一部を解決するためになされ、2つの出力軸を有するハイブリッド式の動力出力装置において、両軸から出力されるトルク配分を制御可能とすることを目的とする。また、このような動力出力装置を車両に適用して、4輪駆動可能なハイブリッド車両において前後輪から出力されるトルク配分を制御可能とすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明では以下の構成を採った。
本発明の動力出力装置は、
第1の出力軸および第2の出力軸と原動機とを有し、該原動機から出力される動力を前記第1の出力軸および第2の出力軸から出力可能な動力出力装置であって、
前記原動機の出力軸および前記第1の出力軸に結合され、該原動機から出力されるトルクと前記第1の出力軸に出力されるトルクが予め定めた比率となるように、該原動機から出力される動力の少なくとも一部を前記第1の出力軸に伝達しつつ、残余の動力を電力に変換する動力分配手段と、
前記第2の出力軸に結合され、少なくとも前記動力分配手段により変換された電力を用いて該第2の出力軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記原動機、動力分配手段および電動機の運転を制御して、前記第1の出力軸から出力される動力および前記第2の出力軸から出力される動力の総和を要求された動力に等しくする動力制御手段とを備え、
かつ、入力されるトルクと出力されるトルクとの比を変更可能なトルク比変更手段が、前記原動機から出力される動力を前記第1の出力軸に伝達する経路のいずれかの箇所に介設されていることを要旨とする。
【0014】
上記動力出力装置では、動力制御手段により第1の出力軸および第2の出力軸から出力される動力の総和が要求動力になるように制御しつつ、原動機から出力された動力を動力分配手段を経て一部は第1の出力軸に出力し、残余の動力を電力の形を介して第2の出力軸から出力する。この際、原動機から出力される動力を第1の出力軸に伝達する経路のいずれかの箇所にトルク比変更手段を介設しているため、かかる手段の作用により、原動機から出力されるトルクと第1の出力軸から出力されるトルクとの比が可変となる。例えば、原動機から要求動力に相当する動力が出力されている場合を考えれば、第1の出力軸から出力されるトルクが変更された場合には、第2の出力軸から出力される動力も変更されることになる。この結果、上記動力出力装置によれば、第1の出力軸と第2の出力軸から出力されるトルク比を運転状態に応じて好ましい状態に変更することができる。
【0015】
なお、上記動力出力装置において、トルク比変更手段を介設する場所は、原動機と動力分配手段との間であってもよいし、動力分配手段と第1の出力軸との間であっても構わない。また、トルク比変更手段は自動にトルク比を変更するものの他、手動でトルク比を切り替えるものであっても構わない。
【0016】
上記動力出力装置において、
前記トルク比変更手段は前記入力されるトルクと出力されるトルクとの比を、連続的に変更可能な手段であるものとすることが望ましい。
【0017】
かかる手段を採用すれば、第1の出力軸から出力されるトルクと第2の出力軸から出力されるトルクの比をより適切な値に変更することが可能となる。
【0018】
上記動力出力装置においては、
前記トルク比変更手段は、
入力された動力を出力するまでの該トルク比変更手段内部の動力の伝達経路を切り替えることにより、前記入力されるトルクと出力されるトルクとの比を少なくとも2段階に変更可能な手段であるものとすることもできる。
【0019】
かかる手段によれば、簡易な構成でトルク比の変更を実現することができる。ここで上記発明における動力の伝達経路の切り替えとは、例えば、複数のギヤの組み合わせを変更することにより動力の伝達経路の切り替えを行いつつトルク比を変更する手段が挙げられる。これらのギヤの組み合わせの変更時にはクラッチで動力の伝達経路の切り離しおよび接続を行うものとしてもよい。
【0020】
上記動力出力装置は、さらに
前記第1の出力軸および第2の出力軸からそれぞれ出力されるべきトルクを決定するトルク決定手段を備え、
前記動力制御手段は、前記原動機、動力分配手段および電動機の運転の制御に先だって、前記トルク比変更手段を制御して、前記原動機から出力されるトルクと前記第1の出力軸から出力されるトルクとの比を前記決定されたトルクに応じて変更する手段を備えることが望ましい。
【0021】
かかる動力出力装置によれば、トルク決定手段が第1の出力軸および第2の出力軸からそれぞれ出力すべきトルクを決定する。これにより原動機から出力されたトルクと第1の出力軸から出力されるトルクとの比が決定されることになる。動力制御手段は、このトルク比変更手段を制御して、上記トルク比を実現する。かかる制御により、上記動力出力装置は、第1の出力軸および第2の出力軸から出力されるトルク配分を自動的に適切な値にすることができる。
【0022】
上記動力出力装置においては、
前記動力制御手段は、前記トルク比変更手段の制御が行われる際には前記原動機、動力分配手段、および電動機の運転をなまし制御することが望ましい。
【0023】
かかる動力出力装置によれば、トルク比変更手段の制御に際し、原動機、動力分配手段、および電動機の運転をなまし制御するため、トルク比の変更に伴うショックを軽減することができる。この結果、例えば上記動力出力装置を車両等に使用した場合には、乗り心地を向上することができる。
【0024】
以上で説明した動力出力装置において、
前記動力分配手段は、
前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、
前記第1の出力軸に結合され、前記第1のロータと相対的に回転し得る第2のロータとを有し、
該第1のロータと第2のロータの間に生じる電磁的な結合および相対的な滑りによって、前記原動機から出力される動力を分配する手段であるものとすることができる。
【0025】
また、前記動力分配手段は、
入力軸を有する発電機と、
前記原動機の出力軸、前記第1の出力軸、前記入力軸にそれぞれ結合される3軸を有し、該3軸のうち2軸に入出力される動力が決定されると残余の1軸から入出力される動力が決定される動力入出力手段とを有するものとすることもできる。
【0026】
本発明のハイブリッド車両は、
前輪に結合された前車軸および後輪に結合された後車軸と、少なくとも原動機および電動機を用いて該原動機から出力される動力を前記前車軸および後車軸から動力を出力可能な動力出力装置とを備えた4輪駆動可能なハイブリッド車両であって、
前記動力出力装置は、
前記原動機の出力軸および前記前車軸または前記後車軸のいずれか一方の車軸に結合され、該原動機から出力されるトルクと該一方の車軸に出力されるトルクが予め定めた比率となるように、該原動機から出力される動力の少なくとも一部を前記一方の車軸に伝達しつつ、残余の動力を電力に変換する動力分配手段と、
前記前車軸および後車軸のうち、前記一方の車軸と異なる車軸に結合され、少なくとも前記動力分配手段により変換された電力を用いて該車軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記原動機、動力分配手段および電動機の運転を制御して、前記前車軸および前記後車軸から出力される動力の総和を要求された動力に等しくする動力制御手段とを備え、
かつ、入力されるトルクと出力されるトルクとの比を変更可能なトルク比変更手段が、前記原動機から出力される動力を前記一方の車軸に伝達する経路のいずれかの箇所に介設されていることを要旨とする。
【0027】
上記ハイブリッド車両によれば、先に説明した動力出力装置を搭載しているため、4輪駆動が可能であるとともに、前車軸および後車軸のトルク比を適切に変更することができる。なお、先に述べた動力出力装置の第1の出力軸を上記ハイブリッド車両の前車軸とすることもできるし、後車軸とすることもできる。
【0028】
上記ハイブリッド車両において、さらに
前記前車軸および前記後車軸からそれぞれ出力されるべきトルクを決定するトルク決定手段を備え、
前記動力制御手段は、前記原動機、動力分配手段および電動機の運転の制御に先だって、前記トルク比変更手段を制御して、前記原動機から出力されるトルクと前記一方の車軸から出力されるトルクとの比を前記決定されたトルクに応じて変更する手段を備えるものとすることもできる。
【0029】
かかるハイブリッド車両によれば、トルク比を自動制御することができるため、例えば車両の走行状態に応じて前車軸と後車軸のトルク比を適切な配分にすることができる。
【0030】
上記ハイブリッド車両において、
該ハイブリッド車両が加速時であるか否かを判定する加速判定手段を備え、
前記トルク決定手段は、該ハイブリッド車両の加速時は、前記前車軸から出力されるトルクが後車軸から出力されるトルク以上となるように前記前車軸と後車軸のトルクを決定する手段であるものとすることもできる。
【0031】
かかるハイブリッド車両によれば、加速時に出力されるトルクを増大する際における走行安定性を向上することができる。なお、前車軸から出力されるトルクを後車軸から出力されるトルクに対して大きくする程度は、各車輪にかかる荷重や車輪と車両の重心位置の関係等に応じて実験的に設定することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
(1)実施例の構成
はじめに、実施例の構成について図1を用いて説明する。図1は本実施例の動力出力装置を搭載した4輪駆動可能なハイブリッド車両の概略構成を示す説明図である。
【0033】
このハイブリッド車両に搭載された動力出力装置は、原動機としてのエンジン150から出力された動力を、動力分配手段としてのクラッチモータCM、トルク比変更手段としての変速ギヤ204、駆動軸112、動力伝達ギヤ111およびディファレンシャルギヤ114を介して第1の出力軸に相当する前車軸116に伝達し前輪116R,116Lから出力する前輪動力系統と、同じくエンジン150から出力された動力を電力の形を経て第2の出力軸に相当する後車軸118に伝達し後輪118R,118Lから出力する後輪動力系統とから成っている。
【0034】
まず、前輪動力系統の構成について説明する。図2は、この動力出力装置の構成をより詳細に示した構成図である。動力源としてのエンジン150は、吸入口200から吸入した空気と燃料噴射弁151から噴射されたガソリンとの混合気を燃焼室152に吸入し、この混合気の爆発により押し下げられるピストン154の運動をクランクシャフト156の回転運動に変換する。この爆発は、イグナイタ158からディストリビュータ160を介して導かれた高電圧によって点火プラグ162が形成した電気火花によって混合気が点火され燃焼することで生じる。燃焼により生じた排気は、排気口202を通って大気中に排出される。
【0035】
エンジン150の運転は、EFIECU170により制御されている。EFIECU170は内部にCPU、ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピュータであり、CPUがROMに記録されたプログラムに従い、後述する種々の制御処理を行うよう構成されている。EFIECU170が行うエンジン150の制御としては、エンジン150の回転数に応じた点火プラグ162の点火時期制御や、吸入空気量に応じた燃料噴射量制御等がある。エンジン150の制御を可能とするために、EFIECU170にはエンジン150の運転状態を示す種々のセンサが接続されている。例えばクランクシャフト156の回転数と回転角度を検出するためにディストリビュータ160に設けられた回転数センサ176及び回転角度センサ178などである。なお、EFIECU170には、この他、例えばイグニッションキーの状態STを検出するスタータスイッチ179なども接続されているが、その他のセンサ,スイッチなどの図示は省略した。
【0036】
エンジン150のクランクシャフト156は、ダンパ130及び第3クラッチ223を介してインナロータ軸133に結合されている。インナロータ軸133とはクラッチモータCMのインナロータ132の回転軸である。クラッチモータCMは、後述する通りインナロータ132とアウタロータ134を備え、両者が相対的に回転可能な対ロータ電動機である。前輪動力系統ではクラッチモータCMのアウタロータ134の回転軸であるアウタロータ軸135は変速ギヤ204を介して駆動軸112に結合されている。駆動軸112は変速ギヤ111、ディファレンシャルギヤ114を介して前輪116R,116Lを備えた前車軸116に結合されている。
【0037】
なお、ダンパ130は、このエンジン150のクランクシャフト156とインナロータ軸133とを接続し、クランクシャフト156のねじり振動の振幅を抑制する目的で設けられているものである。また、第3クラッチ223はケースに固定されており、インナロータ軸133を回転不能に把持するためのものである。第3クラッチ223は、クラッチモータCMで回生を行うことにより前輪116R,116Lに制動トルクを付加する際に結合状態となり、インナロータ軸133を回転不能に把持することにより、制動トルクの反力トルクを受ける。
【0038】
図3は、変速ギヤ204の構成を示す説明図である。変速ギヤ204は、プラネタリギヤ210と二つのクラッチC1,C2とから構成される。プラネタリギヤ210は、サンギヤ211、リングギヤ212なる同軸の2つのギヤと、サンギヤ211とリングギヤ213との間に配置されサンギヤ211の外周を自転しながら公転する複数のプラネタリピニオンギヤを備えたプラネタリキャリア213の3つの部分から構成される。図3に示す通り、リングギヤ212はケースに回転不能に固定されている。
【0039】
機構学上周知の事項であるが、リングギヤ212の歯数とサンギヤ211の歯数の比をρとすると(ρ=サンギヤ211の歯数/リングギヤ212の歯数<1)、プラネタリギヤ204を構成する3つのギヤの回転数には次の関係式(1)が成立する。
Nr−Nc=ρ×(Nc−Ns)・・・(1)
ここで、Nrはリングギヤ212の回転数、Ncはプラネタリキャリア213の回転数、Nsはサンギヤ211の回転数を意味する。本実施例では、リングギヤ212の回転数Nrは値0であるため、上式(1)は次式(2)と等価である。
Ns=(1+1/ρ)×Nc・・・(2)
【0040】
前輪動力系統において、駆動軸112は変速ギヤ204を構成するプラネタリギヤ210のサンギヤ211に結合されている。アウタロータ134に結合されたアウタロータ軸135はクラッチ221,222を介して変速ギヤ204に結合されており、第1クラッチ221を解放しつつ第2クラッチ222を接続するとアウタロータ軸135とサンギヤ211が結合され、結局アウタロータ軸135と駆動軸112が直結された状態となる。このときアウタロータ軸135から出力される動力は、回転数およびトルクを変えることなく駆動軸112に伝達される。
【0041】
逆に第2クラッチ222を解放しつつ第1クラッチ221を接続するとアウタロータ軸135とプラネタリキャリア213とが結合される。上式(2)より明らかな通り、サンギヤ211の回転数Nsはプラネタリキャリア213の回転数Ncよりも大きくなる。従って、クラッチ221,222を上述の結合状態にした場合、アウタロータ軸135の動力は、回転数が大きくトルクが小さい動力に変換されて駆動軸112に伝達される。このように変速ギヤ204はクラッチ221,222の結合状態を変えることにより、アウタロータ軸135から駆動軸112に伝達される動力を段階的に変換する。これらのクラッチ221,222の切り替えは、制御ユニット190から出力される切り替え制御信号に応じて行われる。なお、プラネタリギヤ210のギヤ比ρおよび動力伝達ギヤ111のギヤ比の設定については後述する。
【0042】
次に後輪動力系統について説明する。後輪動力系統では図1および図2に示す通り、アシストモータAMが配設されており、アシストモータAMのロータ142に結合された出力軸がディファレンシャルギヤ115を介して後輪118R,118Lを備えた後車軸118に結合されている。アシストモータAMのステータ144は回転不能にケースに固定されている。
【0043】
次に、クラッチモータCMおよびアシストモータAMの構成について説明する。クラッチモータCMは、対ロータの同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するインナロータ132と、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたアウタロータ134とを備える。アウタロータ134は、無方向性電磁鋼板の薄板を積層して形成されており、インナロータ132に対し相対的に回転可能に軸支されている。このモータCMは、インナロータ132に備えられた永久磁石による磁界とアウタロータ134に備えられた三相コイルによって形成される磁界との相互作用により両者が相対的に回転駆動する電動機として動作し、場合によってはこれらの相互作用によりアウタロータ134に備えられた三相コイルの両端に起電力を生じさせる発電機としても動作する。
【0044】
クラッチモータCMはインナロータ132とアウタロータ134の双方が回転可能であるため、インナロータ軸133から入力された動力をアウタロータ軸135に伝達することができる。クラッチモータCMを電動機として力行運転すればアウタロータ軸135にはトルクが付加された動力が伝達されることになるし、発電機として回生運転すれば動力の一部を電力の形で取り出しつつ残余の動力を伝達することができる。また、力行運転も回生運転も行わなければ、インナロータ132からアウタロータ134には動力が伝達されない状態となる。この状態は機械的なクラッチを解放にした状態に相当する。
【0045】
クラッチモータCMはスリップリング138および第1の駆動回路191を介してバッテリ194に電気的に接続されている。本実施例ではバッテリ194としてニッケル水素バッテリを用いている。駆動回路191は内部にスイッチング素子であるトランジスタを複数備えたトランジスタインバータであり、制御ユニット190からの制御信号に伴って各トランジスタがオン・オフする。制御ユニット190が駆動回路191のトランジスタのオン・オフの時間をPWM制御するとバッテリ194を電源とする三相交流がスリップリング138を介してクラッチモータCMのアウタロータ134に流れるようになっている。この三相交流によりアウタロータ134には回転磁界が形成され、クラッチモータCMは回転する。
【0046】
アシストモータAMも、クラッチモータCMと同様に同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータ142と、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータ143とを備える。アシストモータAMのステータ143も無方向性電磁鋼板の薄板を積層して形成されている。ステータ143は回転不能にケースに固定されている点で、クラッチモータCMのアウタロータ134と異なる。アシストモータAMは第2の駆動回路192を介してバッテリ194に電気的に接続されている。第2の駆動回路192は第1の駆動回路191と同様、トランジスタインバータにより構成されている。制御ユニット190の制御信号により駆動回路192のトランジスタをスイッチングすると、ステータ144に三相交流が流れて回転磁界を生じ、アシストモータAMは回転する。
【0047】
クラッチモータCM、アシストモータAMの制御を含むハイブリッド車両の運転状態は制御ユニット190により制御されている(図2参照)。制御ユニット190もEFIECU170と同様、内部にCPU、ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピュータであり、CPUがROMに記録されたプログラムに従い、後述する種々の制御処理を行うよう構成されている。これらの制御を可能とするために、制御ユニット190には、各種のセンサおよびスイッチが電気的に接続されている。制御ユニット190に接続されているセンサおよびスイッチとしては、アクセルペダルポジションセンサ164a、ブレーキペダルポジションセンサ165a、シフトポジションセンサ184、水温センサ174、バッテリ194の残容量検出器199などがある。制御ユニット190は、これらのセンサを通じて運転操作部からの種々の信号やバッテリ194の充電状態等を入力し、また、エンジン150を制御するEFIECU170との間で種々の情報を、通信によってやりとりしている。
【0048】
次に変速ギヤ204を構成するプラネタリギヤ210のギヤ比ρおよび動力伝達ギヤ111のギヤ比の設定について説明する。まず、動力伝達ギヤ111のギヤ比について説明する。このギヤ比は図3に示した第2クラッチ222が結合された状態、即ち変速ギヤ204でのギヤ比が値1である場合において、車両が加速する場合に基づいて設定してある。
【0049】
図4に走行トルクと前車軸からの出力トルクとの関係を示す。図4の曲線Ldは一定の速度で巡行する場合の走行トルクを示し、曲線Laは加速する場合の要求トルクの最大値を示している。当然、車両が加速する場合には、走行トルクよりも大きなトルクを出力する必要がある。この場合、車両が安定して加速するためには、前車軸116および後車軸118から出力されるトルクをそれぞれ適切な配分にしておく必要がある。かかる配分は各車輪にかかる荷重の分配や車輪位置と車両の重心との関係に応じて変化するため、実験的に設定する必要があるが、少なくとも後車軸118から出力するトルクが前車軸116から出力されるトルクに比較して極端に偏っていないようにすることが望ましい。本実施例では前後輪から出力されるトルクのバランスを考慮した上で、加速時に前車軸116から出力すべきトルクを図4の曲線L2に示すように設定した。かかる設定によれば、例えば車速がV2である場合には、前車軸116からトルクTf2が出力され、後車軸118からはトルクTr2が出力されることになる。図4から明らかな通り、本実施例では加速時において、後車軸118に比して前車軸116のトルク配分が大きくなるように設定されている。動力伝達ギヤ111のギヤ比はこのように設定されたトルク(曲線L2)を実現するように設定される。
【0050】
クラッチモータCMのインナロータ132とアウタロータ134の間では作用反作用の原理が働くから、エンジン150から出力されるトルクとアウタロータ軸135に伝達されるトルクとは常に等しくなる。これに対し前車軸116から出力されるトルクは動力伝達ギヤ111のギヤ比を変更することにより変えることができる。後述する通り、本実施例の動力出力装置は、前車軸116と後車軸118の双方から出力される動力の総和が要求動力となるように制御されているから、前車軸116から出力されるトルクの大小に応じて後車軸118から出力されるトルクが変化する。従って、動力伝達ギヤ111のギヤ比を調整することにより、前車軸116と後車軸118のトルク配分を調整することができるのである。加速に必要となる動力に相当する動力をエンジン150から出力している場合に適切なトルク配分で、即ち前輪から出力されるトルクが図4中の曲線L2で表されるトルクになるように、動力伝達ギヤ111のギヤ比は設定される。
【0051】
変速ギヤ204のギヤ比ρの設定について説明する。変速ギヤ204のギヤ比ρは、先に述べた通り、リングギヤ212の歯数とサンギヤ211の歯数との比によって定まる。プラネタリキャリア213の歯数は変速ギヤ204におけるトルクの変換に影響を与えない。変速ギヤ204のギヤ比は図3における第2クラッチ222を結合した状態において、勾配のない路面を一定速度で走行する場合に基づいて設定されている。
【0052】
車両が一定の速度で走行するためには、走行トルクと出力トルクとが釣り合っている必要がある。後述する通り、本実施例では前車軸116と後車軸118から出力される動力の総和が要求動力に等しくなるような制御が行われる。例えば、前車軸116から出力されるトルクが走行トルクに満たない場合には、後車軸118に結合されたアシストモータAMを駆動して不足分のトルクを補う。逆に前車軸116から出力されるトルクが走行トルクよりも大きい場合には、アシストモータAMで回生を行って後車軸に負荷を与える。但し、後者の状態は運転効率上好ましくないため、できれば回避したい状態である。アシストモータAMで回生をする状態、即ち後車軸118で負のトルクを付加する状態を回避しようとすれば、前車軸116から出力されるトルクが走行トルクを大きく超えないようにすることが望ましい。
【0053】
第2クラッチ222が結合されているとき、アウタロータ軸135はプラネタリキャリア213に結合された状態となり、その動力はギヤ比ρに応じてトルク変換されて駆動軸112、ひいては前車軸116から出力される。先に示した式(2)によれば、「Ns=(1+1/ρ)×Nc」なる関係がある。サンギヤ211の回転数Nsはプラネタリキャリア213の回転数Ncよりも高い。従って、第2クラッチ222が結合された状態では、アウタロータ軸135から出力される動力は回転数が高く、トルクが低い動力に変換されて駆動軸112から出力されることになる。前車軸116からは更に動力伝達ギヤ111により変換されたトルクが出力されることになる。
【0054】
これらの事情を考慮して、変速ギヤ204のギヤ比は決められる。勾配のない路面をある所定の設計速度を保って巡行する場合において、エンジン150を効率のよい運転状態で運転したとき、前車軸から出力されるトルクが走行トルクにほぼ釣り合うように変速ギヤ204のギヤ比ρを設定するのである。図4の曲線L1は上述の運転状態において前車軸116から出力されるトルクの設定値を示している。車速V1で走行する場合には前車軸116から出力されるトルクのみで走行できることを意味する。車速がV1よりも高い速度では後車軸118から不足分のトルクを出力する。V1よりも低い車速ではアシストモータAMで回生をして後車軸118に負荷をかけて走行することになるが、本実施例の設定ではその大きさは比較的小さく抑えることができている。なお、V1よりも低い車速においては、エンジン150の運転を停止し、アシストモータAMおよびクラッチモータCMを駆動して走行するものとしてもよい。
【0055】
変速ギヤ204のクラッチの結合状態と前車軸116から出力される動力との関係について説明する。図5は、変速ギヤ204におけるクラッチの結合状態の変更と前車軸116から出力される動力の関係を示した説明図である。図5中の曲線PW1,PW2はそれぞれ前車軸から出力される動力がそれぞれ値PW1,PW2で一定となるラインを示している。曲線L1は第1クラッチ221を結合した状態で前車軸から出力される動力を示しており、曲線L2は第2クラッチ222を結合した状態で前車軸から出力される動力を示している。第2クラッチ222が結合された状態で図5中の点Q2に相当する動力が出力されている場合、クラッチを切り替えて第1クラッチ221を結合すると、前車軸から出力される動力はトルクが低く、回転数が高いポイントに移行し、図5中の点Q1に相当する動力が出力される。クラッチの結合状態の切り替えのみでは、前車軸から出力される動力は値PW1で変化しない。
【0056】
次に車速がVelで一定の場合について考える。第1クラッチ221を結合した状態で前車軸221から点Q1に相当する動力が出力されているとする。このとき、車速を維持したまま第2クラッチ222を結合しようとすれば、図5中の点Q3に相当する動力を前車軸116から出力することになる。先に説明した通り、クラッチの結合状態を切り替えただけでは、前車軸116からは点Q2に相当する動力しか出力されないため、点Q3に相当する動力を出力するためには、クラッチモータCMの回転数を増加させる必要がある。この結果、車速Vel一定の下で第2クラッチ222を結合した場合には、第1クラッチ221が結合されている状態に比べて前車軸116から出力される動力が値PW1から値PW2に増大する。エンジン150から要求動力に相当する動力が出力され続けているとすれば、車速一定の条件下でクラッチ221,222の結合状態を変更することにより、前車軸116から出力される動力が値PW2に増大すると共に、クラッチモータCMで回生される電力が減少し、後車軸118から出力される動力が減少する。
【0057】
なお、点Q2と点Q3とでトルクが若干変化するのは、車速に応じてエンジン150から出力すべき動力が変化することに伴い、エンジン150の運転ポイントも変化しているからである。当然、両者のトルクが一致するようにエンジン150の運転を制御することも可能である。
【0058】
(2)トルク制御処理
次に、本実施例のハイブリッド車両のトルク制御処理について説明する。前述した構成を有するハイブリッド車輌は通常の走行時において、要求動力に相当する動力をエンジン150から出力し、出力された動力を所望の回転数およびトルクに変換しつつ、前車軸116および後車軸118の両軸に配分して伝達している。要求動力を前車軸116および後車軸118から出力するための制御について、図6を用いて説明する。図6は本実施例の動力出力装置のトルク制御ルーチンの流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、先に説明した制御ユニット190の内部に備えられたCPUにより周期的に実行されるものである。
【0059】
トルク制御ルーチンが開始されると制御ユニット190内のCPUは、前車軸116および後車軸118から出力される動力の総和として出力エネルギPdを算出する(ステップS10)。このエネルギPdはハイブリッド車両の走行に必要となるエネルギに相当するものである。出力エネルギPdはハイブリッド車両の車速やアクセルペダルポジションセンサ164aにより検出されるアクセルの踏み込み量AP等に応じて算出される。
【0060】
なお、トルク制御は単位時間当たりのエネルギ収支を考慮してなされるため、以下の説明においてエネルギという時は、全て単位時間当たりのエネルギを意味するものとする。従って、本明細書においてはエネルギという用語は動力と同義である。同様に電気エネルギも電力と同義である。
【0061】
次にCPUは充放電電力Pbの算出をする(ステップS15)。バッテリ194の充電状態は予め定めた所定の範囲内に維持するように制御されており、充放電電力Pbはかかる範囲に維持するために行われる充電および放電に要するエネルギとして、バッテリ194の充電状態に応じて求められる。続いてCPUは補機の駆動エネルギPhを算出する(ステップS20)。補機とは車両に搭載された空調機器等の電気機器を意味する。
【0062】
以上で算出された各エネルギの総和により要求動力Peを算出する(ステップS25)。つまり、Pe=Pr+Pb+Phである。この動力がエンジン150から出力されるべき動力となる。かかる要求動力に基づいてエンジン150の運転ポイント、即ち目標回転数Neおよび目標トルクTeを設定する(ステップS30)。運転ポイントの設定は予め定めたマップに従って、基本的にはエンジン150の運転効率を優先して設定する。
【0063】
図7はかかるマップの例を示した説明図である。図7はエンジンの回転数Neを横軸に、トルクTeを縦軸にとりエンジン150の運転状態を示している。図7中の曲線Bはエンジン150の運転が可能な限界範囲を示している。曲線α1からα6まではエンジン150の運転効率が一定となる運転ポイントを示している。α1からα6の順に運転効率は低くなっていく。また、曲線C1からC3はそれぞれエンジン150から出力される動力(回転数×トルク)が一定となるラインを示している。
【0064】
エンジン150は図7に示す通り、回転数およびトルクに応じて、運転効率が大きく相違し、例えば曲線C1に相当する動力を出力する場合には、図7中のA1点に相当する運転ポイント(回転数およびトルク)でエンジン150を運転するときが最も運転効率が高くなる。同様に曲線C2およびC3に相当する動力を出力する場合には図7中のA2およびA3点で運転する場合が最も効率が高くなる。出力すべき動力ごとに最も運転効率が高くなる運転ポイントを選択すると、図7中の曲線Aが得られる。これを動作曲線と呼ぶ。
【0065】
ステップS50における運転ポイントの設定では、予め実験的に求められた動作曲線をROMにマップとして記憶しておき、かかるマップから要求動力Peに応じた運転ポイントを読み込んで、エンジン150の回転数およびトルクを設定するのである。こうすることにより、最も運転効率の高い運転ポイントを設定することができる。
【0066】
こうしてエンジン150の運転ポイントを設定した後、CPUは減速比切り替え制御を行う(ステップS100)。この制御は、変速ギヤ204のクラッチ221,222の結合状態を切り替えることにより、アウタロータ軸135から出力されるトルクおよび回転数と駆動軸112から出力されるトルクおよび回転数との関係を段階的に切り替える制御である。かかる制御を実行することにより、エンジン150から出力される動力のうち、前車軸116に伝達される動力の配分が増減することになる。かかる配分の変化はクラッチモータCMの回転数の変化として現れる。この制御については後に詳述する。
【0067】
減速比切り替え処理により、クラッチ221,222の結合状態を決定し、クラッチモータCMの回転数を設定した後、CPUはクラッチモータCMおよびアシストモータAMのトルク指令値を設定する(ステップS200)。それぞれのトルク指令値の設定方法は、次の通りである。
【0068】
クラッチモータCMのインナロータ132はエンジン150のクランクシャフト156と結合されているから、作用反作用の原理に基づき、クラッチモータCMの出力トルクの絶対値はエンジン150の負荷トルクと等しくなる。但し、その符号はクラッチモータCMのアウタロータ134とインナロータ132の回転数の大小関係に応じて変化する。アウタロータ134がインナロータ132よりも高い回転数で回転している場合には、アウタロータ134がインナロータ132に対し相対的に回転する方向とアウタロータ134に加えられるトルクとが一致するため、クラッチモータCMは力行状態となる。このときはクラッチモータCMのトルク指令値は、エンジン150の目標トルクTeと同じ値となる。
【0069】
逆にアウタロータ134がインナロータ132よりも低い回転数で回転している場合には、アウタロータ134がインナロータ132に対し相対的に回転する方向とアウタロータ134に加えられるトルクとは逆方向になるため、クラッチモータCMは回生状態となる。このときはクラッチモータCMのトルク指令値は、エンジン150の目標トルクTeに負号を付けた値である−Teとなる。
【0070】
アウタロータ134の回転数とインナロータ132の回転数の差は、インナロータ軸133の回転数とエンジン150の回転数の差によって決まる。インナロータ軸133の回転数は車速および動力伝達ギヤ111、変速ギヤ204でのギヤ比によって決定される。変速ギヤ204のギヤ比は減速比切り替え制御によって決定されている。
【0071】
一方、アシストモータAMのトルク指令値は、要求されたトルクと前車軸116からの出力トルクとの差により設定される。つまり、要求されたトルクに対し、前車軸116からの出力トルクが不足している場合は、その不足分のトルクがアシストモータAMの出力トルクとなる。この場合は、前車軸116から出力されるトルクが要求トルクに満たないため、アシストモータAMを力行して、不足分のトルクを後車軸118から出力するのである。逆にクラッチモータCMから余剰のトルクが出力される場合には、アシストモータAMのトルク指令値は負となり、アシストモータAMは回生状態となる。なお、前車軸116からの出力トルクはクラッチモータCMのトルク指令値(ステップS200)に変速ギヤ204のギヤ比および動力伝達ギヤ111のギヤ比に応じた比例係数を乗じて求めることができる。
【0072】
こうして設定された値に基づいてクラッチモータCM、アシストモータAM,およびエンジンの運転を制御する(ステップS205)。モータMG1,MG2の制御については周知の同期モータの制御が適用でき、例えば特開平9−47094記載の制御が適用できる。また、エンジン150の制御も周知の技術であるため、ここでは詳細な説明を省略する。なお、エンジン150の制御自体はEFIECU170が実行しており、制御ユニット190はかかる制御に必要となる種々の情報を出力するのみである。
【0073】
上述の制御により行われるトルク変換の例を示す。図8はエンジン150から出力される動力の回転数およびトルクを変換して出力する様子を示す説明図である。エンジン150から図8のP1点に相当する動力、即ち回転数Ne、トルクTeからなる動力が出力されており、これを回転数が低くトルクの高い動力(P2点に相当する動力)に変換して出力する場合を考える。図8中の曲線は、回転数×トルクで与えられる動力が一定のラインを意味している。点P2の出力トルクは、前後輪それぞれに結合された駆動軸116,118の両者から出力されるトルクの総和である。簡単のため、動力伝達ギヤ111,変速ギヤ204におけるギヤ比を値1と仮定する。このときハイブリッド車両が前後輪ともに滑りを生じない状態で走行していれば、アウタロータ軸135および後車軸118の回転数は両者とも車速に応じて定まる回転数Ndfで一致している。
【0074】
アウタロータ134はインナロータ132の回転数Neよりも低い回転数Ndfで回転しているため、クラッチモータCMのトルク指令値は先に説明した通り−Teであり回生状態となる。このときクラッチモータ134で回生される電力はアウタロータ134とインナロータ132の回転数差(Ne−Ndf)とトルクTeとの積に等しい。これは図8のG1で示した部分の面積に相当する。
【0075】
アシストモータAMからは要求されるトルクに対し不足するトルクTdrが出力される。かかるトルクの出力は、アシストモータAMを力行することにより行われる。アシストモータAMが結合された後車軸118の回転数はNdfであるため、上記トルクを出力するためには、アシストモータAMでは回転数NdfとトルクTdrの積に相当する電力を消費することになる。この電力は、図8においてG2で示した部分の面積に相当する。
【0076】
一般に図8におけるG1の面積とG2の面積とは等しくなる。かかる関係は、点P1とP2の動力が一定、即ち回転数×トルクが一定であるという関係を加味すれば容易に証明することができる。これは、装置の運転効率を100%とすれば、クラッチモータCMで回生して得られる電力を用いてアシストモータAMを駆動できることを意味する。上述の例では動力伝達ギヤ111および変速ギヤ204のギヤ比を値1であると仮定して説明したが、ギヤ比が他の値の場合も同様の関係が成立する。
【0077】
なお、バッテリ194に蓄えられた電力を用いれば、アシストモータAMからTdr以上のトルクを出力することも可能である。このときはエンジン150から出力されている動力以上の動力が前車軸116および後車軸118から出力されることになる。また、アシストモータAMから出力される動力を抑制すれば、クラッチモータCMで回生した電力の一部でバッテリ194を充電することもできる。当然クラッチモータCMを力行しつつ、アシストモータAMを回生または力行して動力を出力することも可能である。先に述べた通り、アシストモータAMで回生をする運転状態は、本来出力する必要がない余剰のトルクを出力していることを意味するため、運転効率上好ましい運転状態とはいえない。
【0078】
次に、本実施例における減速比切り替え制御について説明する。本実施例における減速比切り替え制御ルーチンの流れを図9に示す。減速比切り替え制御ルーチンが開始されると、CPUはアクセルペダルポジションセンサ164aにより検出されたアクセル踏み込み量APを読み込む(ステップS105)。次にアクセル踏み込み量の変化率dAP/dtを算出する(ステップS110)。変化率dAP/dtとは、減速比切り替え制御ルーチンが前回実施された際に検出されたアクセル踏み込み量から上記ステップS105で検出された踏み込み量に至るまでの変化量を、この間の時間間隔dtで除した値である。変化率dAP/dtはそれぞれ前回に比べてアクセル踏み込み量が増加した場合が正となる。
【0079】
次にアクセル踏み込み量の変化率dAP/dtの絶対値が所定の値αよりも大きいか否かを判定する(ステップS115)。所定の値αは変速ギヤ204のクラッチ221,222の切り替え操作を行うか否かの判断基準となる値であり、アクセル踏み込み量の変化率dAP/dtの絶対値が所定の値α以下である場合には、変速ギヤ204のクラッチ221,222の切り替えを行う必要がないものと判断して減速比切り替え制御ルーチンを一旦終了する。
【0080】
アクセル踏み込み量の変化率dAP/dtの絶対値が所定の値αよりも大きい場合にはクラッチ221,222の切り替えを行うべきと判断する。これに該当する状況としてはアクセルペダル164を急激に踏み込んだ場合、アクセルペダル164の踏み込みを急激に弱めた場合が挙げられる。変化率dAP/dtが正であるとき(ステップS120)は、アクセルペダルが踏み込まれ、これまで出力していたトルクよりも大きなトルクを出力すべきことが要求されている場合に相当する。従って、CPUはローギヤ切り替え処理を実行する(ステップS130)。
【0081】
なお、アクセル踏み込み量の変化率dAP/dtの絶対値と所定の値αとの大小関係により、クラッチの切り替えを行うか否かの判断については、クラッチの切り替えが頻繁に行われる現象を回避するため、一定のヒステリシスを設けておくことが望ましい。また、クラッチモータCMやプラネタリギヤ210の回転数に制限があるような場合には、かかる制限を超えないよう、例えば車速に応じて減速比切り替え制御を禁止するリミッタを設けてもよい。さらに、アクセル踏み込み量と車速との関係から、加速が終了したと判断される場合には、その時点の車速に応じた適切なトルク配分が実現されるように減速比切り替え処理を実行するものとしてもよい。
【0082】
ローギヤ切り替え処理について図10にフローチャートを示す。このルーチンが開始されると、CPUはフラグCFが値1であるか否かを判定する(ステップS132)。フラグCFは変速ギヤ204の結合状態を表すフラグであり、値1である場合には第1クラッチ221が結合されている状態、つまりローギヤ状態であることを意味している。従って、フラグCFが値1である場合には、CPUは何も処理を行うことなくローギヤ切り替え処理を終了する。
【0083】
一方、フラグCFが値0である場合には、クラッチの切り替えを行うべく、第1クラッチC1を切り離す(ステップS134)。これにより駆動軸112には全く動力が伝達されない状態となる。次にCPUはクラッチモータCMの目標回転数Nc*を算出する(ステップS136)。これらの処理は車両が走行中に行われるものであるから、車速がほぼ一定値に維持される必要がある。先に説明した通り、車速を一定に保った状態で第2クラッチ222を結合した状態に切り替えようとすれば、クラッチモータCMの回転数を増加する必要がある(図5参照)。 この回転数は車速、第2クラッチ222を結合した場合のギヤ比およびエンジン150の回転数に応じて求めることができる。
【0084】
CPUはクラッチモータCMの回転数が目標回転数Nc*に一致するようにクラッチモータCMを増速し(ステップS138)、第2クラッチを接続する(ステップS140)。以上の制御によりプラネタリキャリア213の回転数とアウタロータ軸135の回転数を一致させてから第2クラッチを接続することができ、ショックを伴うことなくクラッチの切り替えを行うことができる。こうしてクラッチを切り替えた後、CPUはクラッチの結合状態を表すフラグCFに値1を代入して(ステップS142)、ローギヤ切り替え処理を終了する。また、減速比切り替え制御ルーチンも終了する(図9)。
【0085】
一方、アクセル踏み込み量の変化率dAP/dtが正でないとき(ステップS120)は、これまで出力していたトルクを減ずることが要求されていることを意味しているため、CPUはハイギヤ切り替え処理を実行する(ステップS150)。
【0086】
ハイギヤ切り替え処理について図11にフローチャートを示す。このルーチンが開始されると、CPUはフラグCFが値0であるか否かを判定する(ステップS152)。フラグCFが値0である場合には第2クラッチ222が結合されている状態、つまりハイギヤ状態であることを意味しているため、CPUは何も処理を行うことなくハイギヤ切り替え処理を終了する。
【0087】
フラグCFが値1である場合には、クラッチの切り替えを行うべく、第2クラッチ222を切り離す(ステップS154)。これにより駆動軸112には全く動力が伝達されない状態となる。次にCPUはクラッチモータCMの目標回転数Nc*を算出する(ステップS156)。車速をほぼ一定値に保った状態でハイギヤ切り替え処理を行う場合には、ローギヤ切り替え処理(図10)ではクラッチモータCMの回転数を減少する必要がある(図7参照)。
【0088】
CPUはクラッチモータCMの回転数が目標回転数Nc*に一致するようにクラッチモータCMを減速し(ステップS158)、第1クラッチ221を接続する(ステップS160)。以上の制御によりサンギヤ221の回転数とアウタロータ軸135の回転数を一致させてから第1クラッチ221を接続することができ、ショックを伴うことなくクラッチの切り替えを行うことができる。こうしてクラッチを切り替えた後、CPUはクラッチの結合状態を表すフラグCFに値0を代入して(ステップS162)、ハイギヤ切り替え処理を終了する。また、減速比切り替え制御ルーチンも終了する(図9)。
【0089】
先に図6を用いて説明した通り、減速比切り替え制御が実行された後、変速ギヤ204のギヤ比に応じてクラッチモータCMおよびアシストモータAMのトルクが設定され、前車軸116および後車軸118から出力されるトルクが総和として要求動力に等しくなるように制御される。
【0090】
前車軸116および後車軸118から出力される動力と減速比切り替え制御との関係について図5に即して説明すれば、車速を値Velに保ちつつハイギヤ切り替え処理を実行すれば前車軸116からは図5の点Q1に相当する動力が出力されることになるし、ローギヤ切り替え処理を実行すれば図5の点Q3に相当する動力が出力されることになる。当然、ローギヤ切り替え処理を実行した場合(点Q3)の方が前車軸116から出力される動力は大きくなる。ハイギヤ切り替え処理を実行しているときは、アウタロータ軸135から点Q2に相当する動力が出力され、この動力を変速ギヤ204で点Q1に相当する回転数およびトルクに変換して前車軸116から出力している。アウタロータ軸135の回転数はローギヤ切り替え処理を実行した場合(第2クラッチ222が結合された状態)の方がハイギヤ切り替え処理を実行した場合(第1クラッチ221が結合された状態)よりも高くなる。
【0091】
ローギヤ切り替え処理を実行した場合、即ち第1クラッチ221を解放し、第2クラッチ222を結合した場合に、エンジン150から出力された動力を前車軸116および後車軸118に分配する比率が変更される原理について説明する。例えばエンジン150から出力された動力の一部をアウタロータ軸135に伝達しつつ、電力を回生している場合には、インナロータ132よりもアウタロータ134の回転数が低い状態で運転されているから、ローギヤ切り替え処理により、アウタロータ軸135の回転数が高くなることは、インナロータ132とアウタロータ134の相対的な回転数の差が小さくなることを意味している。エンジン150が一定のトルクおよび回転数で運転されている場合、インナロータ132とアウタロータ134の相対的な回転数の差が小さくなればそこで回生される電力が小さくなる。従って、ローギヤ切り替え処理をした場合にはクラッチモータCMで回生される電力が小さくなる。バッテリ194からの電力供給を考えないものとすれば、このことはアシストモータAMから出力される動力が減少することを意味する。
【0092】
以上より、エンジン150から出力される動力が要求動力に一致している場合、ローギヤ切り替え処理を実行すればエンジン150から出力される動力のうち前車軸116から出力される動力の割合を増大するとともに後車軸118から出力される動力の割合を減少することになる。ハイギヤ切り替え処理を実行すれば逆に前車軸116から出力される動力の割合が減少し、後車軸118から出力される動力の割合が増加する。このように減速比切り替え制御ではエンジン150から出力される動力の前車軸116および後車軸118への出力の配分を切り替えているのである。
【0093】
以上で説明したハイブリッド車両によれば、例えば加速時や登坂時などアクセルが踏み込まれ、出力すべき動力を増加する要求が出された場合に、ローギヤ切り替え処理を実行することにより(図10)、前車軸から出力される動力の配分を大きくしつつ、動力を増加することができる。この結果、加速時や登坂時などにおける走行の安定性を向上することができる。また、上述の実施例では変速ギヤ204におけるギヤ比の切り替えを2段階で行うものとしているが、さらに多くのギヤ比に切り替え可能とすれば、種々の走行状態に応じてより適切に動力配分を制御することができる。しかも変速ギヤ204を追加する比較的簡単なハードウェア構成によりかかる動力配分を可能としており、プロペラシャフトを用いることなく4輪駆動を実現するというハイブリッド車両についての大きな利点を損ねることもない。
【0094】
なお、以上の構成をもつハイブリッド車両の第2の態様として、クラッチモータCM(図1)に代えて、プラネタリギヤ120および発電機Gを用いた構成を採るものとすることもできる。第2の態様によるハイブリッド車両の構成を図12に示す。このプラネタリギヤ120は変速ギヤ204に用いられるプラネタリギヤ210(図3)とは別のものである。
【0095】
第2の態様におけるプラネタリギヤ120への結合について説明する。プラネタリギヤ120のサンギヤ121には、発電機Gのロータが結合されている。プラネタリキャリア123には、エンジン150のクランクシャフト156が結合されている。リングギヤ122には、変速ギヤ204が結合されている。変速ギヤ204の内部構成は第1実施例と同様である(図3)。
【0096】
プラネタリギヤ120の各ギヤの回転数については、当然、先に説明した式(1)で表される関係が成立する。また、機構学上周知の事項であるが、各ギヤに入出力されるトルクについて、次式(3)で表される関係が成立する。
Ts=Tc×ρ/(1+ρ)
Tr=Tc/(1+ρ) ・・・(3)
ここで、Tsはサンギヤ121のトルク、Tcはプラネタリキャリア123のトルク、Trはリングギヤ122のトルクを意味している。また、ρはリングギヤ122とサンギヤ121のギヤ比である。
【0097】
上式(3)より明らかな通り、エンジン150から出力されたトルクがプラネタリキャリア123からプラネタリギヤ120に入力されると、サンギヤ121およびリングギヤ122には、それぞれギヤ比ρで定まる一定の割合でトルクが出力される。これはエンジン150から出力されるトルクと変速ギヤ204に入力されるトルクの比が常に一定であることを意味する。先に説明した第1の態様(図1)においては、クラッチモータCMの機構上、エンジン150から出力されるトルクと変速ギヤ204に入力されるトルクは等しかった。このようにエンジン150から出力されるトルクと変速ギヤ204に入力されるトルクとの比を自由に変更できない点で第2の態様と第1の態様は共通する。
【0098】
一方、サンギヤ121から出力されたトルクによって、そこに結合された発電機を駆動し、発電することができる。第2の態様は、エンジン150から出力された動力の一部を電力に変換することができるという点で第1の態様におけるクラッチモータCMの機能と共通する。以上より、第1の態様におけるクラッチモータCMを発電機Gおよびプラネタリギヤ120に置換して構成された第2の態様のハイブリッド車両は、第1実施例におけるハイブリッド車両と同様の機能を奏することが分かる。
【0099】
以上で説明したハイブリッド車両においては制御ユニット190の制御によりアクセルペダルの踏み込み量に応じて変速ギヤ204内のクラッチ221,222の結合状態が切り替えているが、この切り替えを手動で行うものとしてもよい。
【0100】
また、上記ハイブリッド車両において動力分配装置としてのクラッチモータCMまたはプラネタリギヤ120と変速ギヤ204の位置を入れ替えてもよい。また、変速ギヤ204はプラネタリギヤ210を用いた構成に限定されず、一般の車両で使用されている種々のトランスミッションを採用することができる。また、第2の態様においては、動力分配装置としてのプラネタリギヤ120と変速ギヤ204を構成するとプラネタリギヤ120の一部を共有する構成をとるものとしても構わない。
【0101】
(3)第2実施例のハイブリッド車両
次に本発明の第2実施例としてのハイブリッド車両について説明する。図13は第2実施例としてのハイブリッド車両の構成を示す構成図である。第2実施例のハイブリッド車両は、第1実施例のハイブリッド車両(図3参照)に対し、変速ギヤ204に換えて、無段変速機いわゆるCVT204aを用いている。
【0102】
第2実施例におけるCVT204aの構成について説明する。CVT204aは、アウタロータ軸135に取り付けられた一対のプーリ224と、駆動軸112に取り付けられたプーリ226と、両者に保持されるベルト225によりアウタロータ軸135から駆動軸112に動力を伝達する。プーリ224は、固定プーリ224aとスライドプーリ224bとを組み合わせて構成されている。プーリ226も同様に固定プーリ226aとスライドプーリ226bとを組み合わせて構成されており、スライドプーリ226bには、このプーリ226bを軸方向にスライドさせるアクチュエータ227が結合されている。各プーリ224a,224b,226a,226bは、ベルト225との接触面がテーパしている。従って、アクチュエータ227でスライドプーリ226bを軸方向にスライドさせるとベルト225の周回半径が変更され、アウタロータ軸135の動力を回転数およびトルクを変換して駆動軸112に伝達することができる。しかも第1実施例で示した変速ギヤ204のように段階的にギヤ比を変更するものとは異なり、回転数およびトルクの変換を連続的に行うことができる。これは前車軸116から出力する動力と後車軸118から出力する動力の配分を連続的に変更することができることを意味している。
【0103】
かかる構成を有する第2実施例におけるトルク制御ルーチンは第1実施例と同様である(図6参照)。但し、第2実施例では動力配分を連続的に変化させることができるため、減速比切り替え制御(図6のステップS100)が第1実施例とは異なる。第1実施例における減速比切り替え制御に置き換わる制御を動力配分制御と呼ぶものとする。以下、この制御処理について説明する。
【0104】
図14は第2実施例の動力配分制御ルーチンの流れを示すフローチャートである。動力配分制御ルーチンが開始されると、CPUは車速およびアクセルペダル踏み込み量APを読み込む(ステップS210)。これらの値に基づいてCPUは前車軸116および後車軸118から出力される動力の配分を設定する(ステップS215)。例えば、車速に対してアクセル踏み込み量が大きい場合には加速時を意味しているため、後車軸118に比べて前車軸116から出力されるトルクを大きくする。本実施例では車速およびアクセル踏み込み量に応じて適切な動力配分を予め実験的に設定したマップを制御ユニット190内のROMに記憶しておき、このマップを読み込むことで動力配分を設定している。動力配分の設定をより適切に行うため、車速やアクセル踏み込み量の変化率や要求動力等のパラメータを関与させるものとしても構わない。動力配分は、CVT204aの変速比に応じて変化するため、動力配分を設定することは、CVT204aの変速比を設定することとにもなる。
【0105】
なお、図6で説明した通り、エンジン150から出力される要求動力は別途設定されているため、動力配分の設定は、前車軸116および後車軸118から出力される動力値を設定することと同義である。また、動力配分はバッテリ194から供給される電力によりアシストモータAMを駆動するこを加味して設定するものとしても構わない。
【0106】
次に、設定された動力配分に基づいてクラッチモータCMの目標回転数NC*を算出する(ステップS220)。クラッチモータCMの回転数NC*はCVT204aの変速比に応じて定められる。この点については第1実施例において変速ギヤ204のギヤ比に応じてクラッチモータCMの回転数が変わるのと同じである。
【0107】
以上の設定に基づいて、CPUはアクチュエータ227に駆動信号を出力することによってCVT204aの変速比を変更し(ステップS225)、またクラッチモータCMの回転数を変更する(ステップS230)。以上の処理によりクラッチモータCMの回転数および前車軸116から出力されるトルクが設定される。CPUはこれらの値に基づいてクラッチモータCM、アシストモータAMのトルク指令値を設定し(図6のステップS200)、クラッチモータCM、アシストモータAM、およびエンジン150の運転を制御する(S205)。かかる制御により要求動力に相当する動力が前車軸116、後車軸118から適切な動力配分で出力される。
【0108】
一般に4輪駆動する場合には、各車輪にかかる荷重分布に応じた動力配分で動力を出力することが好ましいとされている。第2実施例のハイブリッド車両によれば、CVT204aの機能により前車軸116および後車軸118から出力される動力の配分を連続的に変化させることができるため、車両の走行状態に応じてより適切なトルク配分で動力を出力することが可能となる。
【0109】
第2実施例のハイブリッド車両においても、第1実施例と同様、動力分配装置としてクラッチモータCMに変えてプラネタリギヤを用いることもできる。また、動力分配装置とCVT204aの位置を入れ替えた構成も可能である。つまり、図13ではエンジン150、クラッチモータCM、CVT204a、駆動軸112の順に動力を伝達する構成となっているが、エンジン150、CVT204a、クラッチモータCM、駆動軸112の順に動力を伝達する構成とすることも可能である。
【0110】
以上で説明した第1実施例および第2実施例の各動力出力装置について、減速比の切り替え(図9)および動力配分の変更(図14)が行われる場合には、クラッチモータCM、アシストモータAMおよびエンジン150の運転の制御をなまし制御するものとしてもよい。かかる制御なく減速比の切り替えを行った場合には前車軸116および後車軸118から出力される動力が急激に変化するため、ショックが発生し乗り心地を損ねる可能性もある。なまし制御を行うものとしてそれぞれから出力されるトルク等が滑らかに変化するようにすれば、かかるショックを緩和することが可能となる。なまし制御としては種々の周知の制御を適用することができる。例えば、周期的に実行される制御ルーチンについて、あるサイクルで設定されたトルク指令値と、前回のサイクルで設定されたトルク指令値との平均値を制御に用いるトルク指令値とする方法が可能である。
【0111】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。例えば、上記実施例では動力出力装置をハブリッド車両に適用した場合を例にとって説明したが、本発明はハイブリッド車両に限らず、二つの出力軸から動力を出力することが要求される種々の装置に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としての動力出力装置を搭載した車両の全体構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施例としての動力出力装置の概略構成を示す説明図である。
【図3】変速ギヤ204の構成を示す説明図である。
【図4】前車軸116から出力されるトルクと要求トルクとの関係を示す説明図である。
【図5】前車軸116から出力されるトルクと変速ギヤ204内のクラッチの切り替えの関係を示す説明図である。
【図6】トルク制御ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図7】エンジン150の運転ポイントの設定について示す説明図である。
【図8】本発明の動力出力装置によるトルク変換の様子を示す説明図である。
【図9】減速比切り替え制御ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図10】ローギヤ切り替え処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】ハイギヤ切り替え処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】第1実施例における第2の態様としてのハイブリッド車両の全体構成を示す説明図である。
【図13】本発明の第2実施例としてのハイブリッド車両の全体構成を示す説明図である。
【図14】第2実施例における動力配分制御ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図15】4輪駆動可能な従来のハイブリッド車両の全体構成を示す説明図である。
【図16】加速時における電動機の付加トルクと前車軸からの出力トルクの関係を示す説明図である。
【符号の説明】
22…駆動軸
23…変速ギヤ
24…ディファレンシャルギヤ
26,27,28,29…駆動輪
30…クラッチモータ
32…アウタロータ
34…インナロータ
40…電動機
50…原動機
80…制御装置
91,92…駆動回路
94…バッテリ
111…動力伝達ギヤ
112…駆動軸
114…ディファレンシャルギヤ
115…ディファレンシャルギヤ
116…前車軸
116R,116L…前輪
118…後車軸
118R,118L…後輪
120…プラネタリギヤ
121…サンギヤ
122…リングギヤ
123…プラネタリキャリア
130…ダンパ
132…インナロータ
133…インナロータ軸
134…アウタロータ
135…アウタロータ軸
142…ロータ
144…ステータ
150…エンジン
151…燃料噴射弁
152…燃焼室
154…ピストン
156…クランクシャフト
158…イグナイタ
160…ディストリビュータ
162…点火プラグ
164…アクセルペダル
164a…アクセルペダルポジションセンサ
165…ブレーキペダル
165a…ブレーキペダルポジションセンサ
170…EFIECU
174…水温センサ
176…回転数センサ
178…回転角度センサ
179…スタータスイッチ
182…シフトレバー
184…シフトポジションセンサ
190…制御ユニット
191…第1の駆動回路
192…第2の駆動回路
194…バッテリ
199…残容量センサ
200…吸気口
202…排気口
204…変速ギヤ
210…プラネタリギヤ
211…サンギヤ
212…リングギヤ
213…プラネタリキャリア
221…第1クラッチ
222…第2クラッチ
223…第3クラッチ
224…プーリ
224a…固定プーリ
224b…スライドプーリ
225…ベルト
226…プーリ
226a…固定プーリ
226b…スライドプーリ
227…アクチュエータ
CM…クラッチモータ
AM…アシストモータ
G…発電機

Claims (10)

  1. 第1の出力軸および第2の出力軸と原動機とを有し、該原動機から出力される動力を前記第1の出力軸および第2の出力軸から出力可能な動力出力装置であって、
    前記原動機の出力軸および前記第1の出力軸に結合され、該原動機から出力されるトルクと前記第1の出力軸に出力されるトルクが予め定めた比率となるように、該原動機から出力される動力の少なくとも一部を前記第1の出力軸に伝達しつつ、残余の動力を電力に変換する動力分配手段と、
    前記第2の出力軸に結合され、少なくとも前記動力分配手段により変換された電力を用いて該第2の出力軸に動力を入出力可能な電動機と、
    前記原動機、動力分配手段および電動機の運転を制御して、前記第1の出力軸から出力される動力および前記第2の出力軸から出力される動力の総和を要求された動力に等しくする動力制御手段とを備え、
    かつ、入力されるトルクと出力されるトルクとの比を変更可能なトルク比変更手段が、前記原動機から出力される動力を前記第1の出力軸に伝達する経路のいずれかの箇所に介設されている動力出力装置。
  2. 請求項1記載の動力出力装置であって、
    前記トルク比変更手段は前記入力されるトルクと出力されるトルクとの比を、連続的に変更可能な手段である動力出力装置。
  3. 請求項1記載の動力出力装置であって、
    前記トルク比変更手段は、
    入力された動力を出力するまでの該トルク比変更手段内部の動力の伝達経路を切り替えることにより、前記入力されるトルクと出力されるトルクとの比を少なくとも2段階に変更可能な手段である動力出力装置。
  4. 請求項1記載の動力出力装置であって、さらに
    前記第1の出力軸および第2の出力軸からそれぞれ出力されるべきトルクを決定するトルク決定手段を備え、
    前記動力制御手段は、前記原動機、動力分配手段および電動機の運転の制御に先だって、前記トルク比変更手段を制御して、前記原動機から出力されるトルクと前記第1の出力軸から出力されるトルクとの比を前記決定されたトルクに応じて変更する手段を備える動力出力装置。
  5. 請求項4記載の動力出力装置であって、
    前記動力制御手段は、前記トルク比変更手段の制御が行われる際には前記原動機、動力分配手段、および電動機の運転をなまし制御する動力出力装置。
  6. 請求項1記載の動力出力装置であって、
    前記動力分配手段は、
    前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、
    前記第1の出力軸に結合され、前記第1のロータと相対的に回転し得る第2のロータとを有し、
    該第1のロータと第2のロータの間に生じる電磁的な結合および相対的な滑りによって、前記原動機から出力される動力を分配する手段である動力出力装置。
  7. 請求項1記載の動力出力装置であって、
    前記動力分配手段は、
    入力軸を有する発電機と、
    前記原動機の出力軸、前記第1の出力軸、前記入力軸にそれぞれ結合される3軸を有し、該3軸のうち2軸に入出力される動力が決定されると残余の1軸から入出力される動力が決定される動力入出力手段とを有する動力出力装置。
  8. 前輪に結合された前車軸および後輪に結合された後車軸と、少なくとも原動機および電動機を用いて該原動機から出力される動力を前記前車軸および後車軸から動力を出力可能な動力出力装置とを備えた4輪駆動可能なハイブリッド車両であって、
    前記動力出力装置は、
    前記原動機の出力軸および前記前車軸または前記後車軸のいずれか一方の車軸に結合され、該原動機から出力されるトルクと該一方の車軸に出力されるトルクが予め定めた比率となるように、該原動機から出力される動力の少なくとも一部を前記一方の車軸に伝達しつつ、残余の動力を電力に変換する動力分配手段と、
    前記前車軸および後車軸のうち、前記一方の車軸と異なる車軸に結合され、少なくとも前記動力分配手段により変換された電力を用いて該車軸に動力を入出力可能な電動機と、
    前記原動機、動力分配手段および電動機の運転を制御して、前記前車軸および前記後車軸から出力される動力の総和を要求された動力に等しくする動力制御手段とを備え、
    かつ、入力されるトルクと出力されるトルクとの比を変更可能なトルク比変更手段が、前記原動機から出力される動力を前記一方の車軸に伝達する経路のいずれかの箇所に介設されている動力出力装置。
  9. 請求項8記載のハイブリッド車両であって、さらに
    前記前車軸および前記後車軸からそれぞれ出力されるべきトルクを決定するトルク決定手段を備え、
    前記動力制御手段は、前記原動機、動力分配手段および電動機の運転の制御に先だって、前記トルク比変更手段を制御して、前記原動機から出力されるトルクと前記一方の車軸から出力されるトルクとの比を前記決定されたトルクに応じて変更する手段を備える動力出力装置。
  10. 請求項9記載のハイブリッド車両であって、
    該ハイブリッド車両が加速時であるか否かを判定する加速判定手段を備え、
    前記トルク決定手段は、該ハイブリッド車両の加速時は、前記前車軸から出力されるトルクが後車軸から出力されるトルク以上となるように前記前車軸と後車軸のトルクを決定する手段であるハイブリッド車両。
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