JP2876376B2 - 差動装置のトルク分配機構 - Google Patents

差動装置のトルク分配機構

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JP2876376B2 JP8990993A JP8990993A JP2876376B2 JP 2876376 B2 JP2876376 B2 JP 2876376B2 JP 8990993 A JP8990993 A JP 8990993A JP 8990993 A JP8990993 A JP 8990993A JP 2876376 B2 JP2876376 B2 JP 2876376B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1つの入力要素と2つ
の出力要素とを備えた差動装置において、その差動装置
の入力要素に加えられるトルクを2つの出力要素に所定
の比率で分配する差動装置のトルク分配機構に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の動力伝達系に設けられる差動装
置は、自動車の旋回時に左右の車輪に生じる回転速度差
を吸収し、エンジンのトルクを左右両輪に適切な比率で
分配するように構成される。しかしながら、一般の差動
装置は左右の車輪に加わる負荷の差により作動するた
め、一方の車輪が摩擦係数が小さい路面に乗り上げて空
転したような場合に、他方の車輪へのトルクの伝達量が
減少したりトルクの伝達が遮断される問題がある。
【0003】かかる不都合を回避するために、ステアリ
ングホイールの回転角や車速に基づいて差動装置を積極
的に制御し、その時の運転状態に適したトルクを左右の
車輪に分配する差動装置のトルク分配機構が提案されて
いる。
【0004】図7は、かかる従来の差動装置のトルク分
配機構の構造を示すものである。同図において、エンジ
ンEおよびミッションMに接続されて駆動されるプロペ
ラシャフト01はベベルギヤ02およびベベルギヤ03
を介して中央シャフト04に伝達される。中央シャフト
04の左右両側には、右輪WR を駆動する右シャフト0
R と左輪WL を駆動する左シャフト05L とが同軸に
配設され、中央シャフト04と右シャフト05R との間
には右側の差動装置DR が設けられ、中央シャフト04
と左シャフト05L との間には左側の差動装置DL が設
けられる。
【0005】前記両差動装置DR ,DL は何れもプラネ
タリギヤ式のもので、右シャフト05R と左シャフト0
L とにそれぞれ固着されたプラネタリキャリヤ0
R ,06L と、各プラネタリキャリヤ06R ,06L
に回転自在に支持されたプラネタリギヤ07R ,07L
と、中央シャフト04に固着されて各プラネタリギヤ0
R ,07L に噛合する左右一対のサンギヤ08R ,0
L と、各プラネタリギヤ07R ,07L に噛合する左
右一対のリングギヤ09R ,09L とから構成される。
そして、左右のリングギヤ09R ,09L と一体に形成
した左右一対のベベルギヤ010R ,010L は、モー
タ011により減速機012を介して駆動される共通の
ベベルギヤ013に噛合する。
【0006】上述の構造のトルク分配機構によれば、中
央シャフト04に伝達されたトルクが両差動装置DR
L を介して右輪WR および左輪WL に均等に伝達され
る場合には、左右のリングギヤ09R ,09L 、すなわ
ち左右のベベルギヤ010R,010L は回転しない。
しかるに、右輪WR と左輪WL とに加わる負荷に差が生
じた場合に右シャフト05R と左シャフト05L とに回
転速度差が発生しようとする結果、左右のリングギヤ0
R ,09L にも回転速度差が発生する。したがって、
モータ011により共通のベベルギヤ013を介して左
右のベベルギヤ010R ,010L 、すなわち左右のリ
ングギヤ09R ,09L に積極的に回転速度差を与えれ
ば、中央シャフト04から右シャフト05R と左シャフ
ト05Lとに伝達されるトルクの分配比率を任意に制御
することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
差動装置のトルク分配機構は、エンジンEのトルクが2
つの差動装置DR ,DL を介して右輪WR および左輪W
L に伝達されるため、両差動装置DR ,DL にエンジン
Eのトルクに耐え得るだけの強度を与える必要があり、
これが重量増加の要因となる問題がある。
【0008】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、トルク分配機構の差動装置に作用するトルクを軽減
して該トルク分配機構の軽量化を図ることを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、1つの入力要素と2
つの出力要素とを備えた第1の差動装置において、その
第1の差動装置の入力要素に加えられるトルクを2つの
出力要素に所定の比率で分配する差動装置のトルク分配
機構であって、第1の要素と第2の要素と第3の要素と
よりなる第2の差動装置を備え、第1の要素を前記一方
の出力要素に結合するとともに、第2の要素を前記他方
の出力要素に結合し、かつ第3の要素を駆動源に連結し
たことを特徴とする。
【0010】また請求項2に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記2つの出力要素が同一回転数で
同一方向に回転しているときに前記第3の要素が回転し
ないように、前記第1の要素と前記一方の出力要素とを
回転数調整手段を介して結合したことを特徴とする。
【0011】また請求項3に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記第1の差動装置が、リングギ
ヤ、サンギヤおよび前記リングギヤとサンギヤとに噛合
するプラネタリギヤを支持するプラネタリキャリヤより
なり、前記リングギヤを入力要素とし、前記サンギヤお
よびプラネタリキャリヤをそれぞれ出力要素としたこと
を特徴とする。
【0012】また請求項4に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記第2の差動装置が、リングギ
ヤ、サンギヤおよび前記リングギヤとサンギヤとに噛合
するプラネタリギヤを支持するプラネタリキャリヤより
なり、前記リングギヤを第1の要素とし、前記プラネタ
リキャリヤを第2の要素とし、かつ前記サンギヤを第3
の要素としたことを特徴とする。
【0013】また請求項5に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記駆動源が前記入力要素に接続さ
れた油圧ポンプにより駆動される油圧モータで構成さ
れ、前記油圧ポンプおよび油圧モータのうちの少なくと
も一方が可変容量型であることを特徴とする。
【0014】また請求項6に記載された発明は、1つの
入力要素と2つの出力要素とを備えた第1の差動装置に
おいて、その第1の差動装置の入力要素に加えられるト
ルクを2つの出力要素に所定の比率で分配する差動装置
のトルク分配機構であって、第1の要素と第2の要素と
第3の要素とよりなる第2の差動装置を備え、第1の要
素を前記入力要素に結合するとともに、第2の要素を前
記2つの出力要素の一方に結合し、かつ第3の要素を駆
動源に連結したことを特徴とする。
【0015】また請求項7に記載された発明は、請求項
6の構成に加えて、前記第2の差動装置が、リングギ
ヤ、サンギヤおよび前記リングギヤとサンギヤとに噛合
するプラネタリギヤを支持するプラネタリキャリヤより
なり、前記リングギヤを第1の要素とし、前記プラネタ
リキャリヤを第2の要素とし、かつ前記サンギヤを第3
の要素としたことを特徴とする。
【0016】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0017】図1は本発明の第1実施例による差動装置
のトルク分配機構を、フロントエンジン・フロントドラ
イブ車に適用したものである。同図に示すように、車体
に横置きに搭載したエンジンEにはミッションMが接続
され、そのミッションMの出力軸である差動装置入力軸
1は第1の差動装置であるプラネタリギヤ式の差動装置
Dに駆動力を伝達するための入力ギヤ2を備える。
【0018】差動装置Dは、前記差動装置入力軸1の入
力ギヤ2に噛合する外歯ギヤ3を外周に有するリングギ
ヤ4と、このリングギヤ4の内部に同軸に配設されたサ
ンギヤ5と、前記リングギヤ4に噛合するアウタプラネ
タリギヤ6および前記サンギヤ5に噛合するインナプラ
ネタリギヤ7を、それらが相互に噛合する状態で支持す
るプラネタリキャリヤ8とから構成される。前記差動装
置Dは、そのリングギヤ4が入力要素として機能すると
ともに、一方の出力要素として機能するプラネタリキャ
リヤ8が右シャフト9を介して右輪WR に接続され、他
方の出力要素として機能するサンギヤ5が左シャフト1
0を介して左輪WL に接続される。
【0019】次に、差動装置Dの入力要素であるリング
ギヤ4から入力されたトルクを2つの出力要素であるプ
ラネタリキャリヤ8とサンギヤ5とに所定の比率で分配
するトルク分配機構11の構造を説明する。
【0020】トルク分配機構11は第2の差動装置とし
ての遊星歯車機構Pを備え、左シャフト10に結合した
プラネタリキャリヤ12に設けられたプラネタリギヤ1
3は左シャフト10に相対回転自在に支持したサンギヤ
14に噛合するとともに、前記プラネタリギヤ13はプ
ラネタリキャリヤ12の外周に配設したリングギヤ15
に噛合する。差動装置Dのプラネタリキャリヤ8と一体
に形成した外歯ギヤ16と遊星歯車機構Pのリングギヤ
15に形成した外歯ギヤ17とは、一体に形成された回
転数調整手段としての一対ピニオン18,19にそれぞ
れ噛合し、これにより差動装置Dと遊星歯車機構Pとが
相互に連結される。
【0021】さて、遊星歯車機構Pのプラネタリギヤ1
3、サンギヤ14およびリングギヤ15の歯数をそれぞ
れZP ,ZS ,ZR とし、プラネタリキャリヤ12、サ
ンギヤ14およびリングギヤ15の回転速度をそれぞれ
ωC , ωS ,ωR とすると、サンギヤ14を固定した場
合(すなわちωS =0)には、良く知られているよう
に、 ωR =ωC ×(1+ZS /ZR ) ・・・ が成り立つ。
【0022】ここで右輪WR と左輪WL とが同一速度で
回転する場合を考えると、左輪WLと一体に回転する前
記遊星歯車機構Pのプラネタリキャリヤ12の回転速度
は前述のようにωC であり、その左輪WL と同一速度で
ある右輪WR と一体に回転する差動装置Dのプラネタリ
キャリヤ8の回転速度もωC となる。そして、遊星歯車
機構Pのプラネタリキャリヤ12により駆動されるリン
グギヤ15の回転速度ωR は前記式によりωC ×(1
+ZS /ZR )で表される。
【0023】すなわち、右輪WR と左輪WL が同一速度
ωC で回転するためには、差動装置Dのプラネタリキャ
リヤ8の回転速度がωC となり、遊星歯車機構Pのリン
グギヤ15の回転速度がωC ×(1+ZS /ZR )とな
るように、前記一対のピニオン18,19によりプラネ
タリキャリヤ8とリングギヤ15とを相互に連動連結す
る必要がある。そのためには、リングギヤ15に形成し
た外歯ギヤ17の半径r1 とプラネタリキャリヤ8に形
成した外歯ギヤ16の半径r2 とが、 r2 /r1 =1+(ZS /ZR ) ・・・ の関係を満たすように設定すれば良い。
【0024】そして、車両のステアリングホイールの回
転角や車速等に基づいて駆動される電動モータ20のピ
ニオン21により、遊星歯車機構Pのサンギヤ14と一
体に形成された遊星歯車機構入力ギヤ22が回転駆動さ
れる。
【0025】次に、前述の構成を備えた本発明の第1実
施例の作用について説明する。
【0026】車両の直進走行中にモータ20は停止状態
に保持され、そのモータ20のピニオン21に遊星歯車
機構入力ギヤ22を介して接続された遊星歯車機構Pの
サンギヤ14が固定される。このとき、差動装置Dのプ
ラネタリキャリヤ8と遊星歯車機構Pのプラネタリキャ
リヤ12とは、前述のようにリングギヤ15、外歯ギヤ
17、ピニオン19、ピニオン18および外歯ギヤ16
を介して所定のギヤ比で連動連結されている。したがっ
て、両プラネタリキャリヤ8,12の回転速度、すなわ
ち差動装置Dの一対の出力要素であるプラネタリキャリ
ヤ8およびサンギヤ5の回転速度は強制的に一致せしめ
られ、右輪WR と左輪WL とは同一速度で回転する。こ
のように、車両の直進走行中すなわち差動が行われない
ときにモータ20が停止状態に保持されるため、該モー
タ20の駆動が最小限に抑えられる。
【0027】さて、車両を旋回させるべくステアリング
ホイールが操作されると、その操舵角と車速とに基づい
て必要な左右両輪WR ,WL の回転速度差が演算され、
その回転速度差に対応する方向および速度でモータ20
が駆動される。その結果、遊星歯車機構Pのサンギヤ1
4が回転し、両プラネタリキャリヤ8,12の回転速
度、すなわち差動装置Dのプラネタリキャリヤ8とサン
ギヤ5との回転速度に所定の差が発生する。而して、ミ
ッションMから差動装置Dのリングギヤ4に伝達された
トルクは、モータ20の回転方向および回転速度により
決定される所定の比率で左右両輪WR ,WL に伝達され
る。
【0028】而して、この差動装置Dと遊星歯車機構P
とがスパーギヤよりなるピニオン18,19で接続され
るため、従来のベベルギヤを用いたものに比べてトルク
分配機構の軸方向寸法を短縮することができる。しか
も、エンジンEのトルクは第1の差動装置Dを介して右
輪WR および左輪WL に伝達され、第2の差動装置であ
る遊星歯車機構Pにはモータ20のトルクしか作用しな
いため、その遊星歯車機構Pを小型軽量化して重量を削
減することが可能となる。
【0029】図2は本発明の第2実施例を示すもので、
この実施例は遊星歯車機構Pのサンギヤ14の駆動源と
して油圧モータ20を用い、このモータ20に油圧発生
源23を接続した点に特徴を有している。油圧発生源2
3としては、電動モータにより駆動される油圧ポンプ、
エンジンEにより駆動される油圧ポンプ、エンジンEか
ら車輪WR ,WL への動力伝達系に設けられる油圧ポン
プ等の適宜のものを使用することができる。
【0030】図3は本発明の第3実施例を示すもので、
この実施例はミッションMの出力軸である差動装置入力
軸1に油圧ポンプ24と油圧モータ20を一体に組み合
わせたものを設け、その油圧ポンプ24および油圧モー
タ20の少なくとも一方を可変容量型とした点に特徴を
有している。この実施例によれば、油圧ポンプ24ある
いは油圧モータ20の容量を変化させることにより遊星
歯車機構Pのサンギヤ14の回転速度を制御することが
できる。
【0031】図4は本発明の第4実施例を示すもので、
この実施例は遊星歯車機構入力ギヤをウオームホイール
25により構成するとともに、電動モータ20に設けた
ウオームギヤ26を前記ウオームホイール25に噛合さ
せた点に特徴を有している。この実施例によれば、ウオ
ームギヤ26とウオームホイール25とよりなる伝動機
構により、モータ20から遊星歯車機構Pへの駆動力の
伝達は支障無く行われるが、遊星歯車機構Pからモータ
20への駆動力の伝達は阻止される。したがって、右輪
R あるいは左輪WL の一方がスリップしたような場合
に、遊星歯車機構Pからモータ20へ入力される過剰な
負荷がウオームギヤ26で受止されるため、そのモータ
20を小型化することができる。
【0032】図5は本発明の第5実施例を示すもので、
この実施例は左シャフト10に相対回転自在に支持され
る遊星歯車機構Pのサンギヤ14が、モータ20の出力
軸27に直結されて駆動される。そのためにモータ20
の出力軸27は中空に形成され、その内部を左シャフト
10が貫通する。この実施例によれば、トルク分配機構
11の半径方向寸法を小型化することができる。
【0033】図6は本発明の第6実施例を示すもので、
この実施例は第1の差動装置Dとして一般的なベベルギ
ヤ式のものを用いた点に特徴を有している。すなわち、
この差動装置Dは入力ギヤ2に噛合する外歯ギヤ28を
外周に有して右シャフト9と左シャフト10に回転自在
に支持された入力要素としてのディファレンシャルケー
ス29と、このディファレンシャルケース29の内部に
支持されたディファレンシャルピニオン30と、このデ
ィファレンシャルピニオン30に噛合するとともに右シ
ャフト9および左シャフト10にそれぞれ結合された一
対の出力要素としてのディファレンシャルサイドギヤ3
1,32とから構成される。そして前記ディファレンシ
ャルケース29に設けた外歯ギヤ16とリングギヤ15
に設けた外歯ギヤ17とが前述の第1実施例と同様にピ
ニオン18,19を介して接続され、プラネタリキャリ
ヤ12が左シャフト10を介して一方のディファレンシ
ャルサイドギヤ32に接続され、更にサンギヤ14がモ
ータ20に接続される。
【0034】而して、この第6実施例においても差動装
置Dと遊星歯車機構Pとがスパーギヤよりなるピニオン
18,19で接続されるため、従来のベベルギヤを用い
たものに比べてトルク分配機構11の軸方向寸法を短縮
することができ、しかも遊星歯車機構Pにはモータ20
のトルクしか作用しないために、その遊星歯車機構Pを
小型軽量化して重量を削減することができる。
【0035】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行うことができる。
【0036】例えば、第1〜第5実施例における遊星歯
車式の差動装置Dにおいて、リングギヤ4、サンギヤ5
およびプラネタリキャリヤ8の何れを入力要素あるいは
出力要素とするかは適宜変更可能である。また、実施例
では遊星歯車機構Pを構成する3つの要素、すなわちプ
ラネタリキャリヤ12、サンギヤ14およびリングギヤ
15のうち、リングギヤ15を差動装置Dの一方の出力
要素(プラネタリキャリヤ8)に連結し、プラネタリキ
ャリヤ12を差動装置Dの他方の出力要素(サンギヤ
5)に連結し、サンギヤ14をモータ20に連結してい
るが、遊星歯車機構Pを構成する前記3つの要素の役割
は任意に入れ換えることができる。また、本発明のトル
ク分配機構は車両の前輪の駆動系に限らず後輪の駆動系
にも適用可能であり、四輪駆動車両における前輪と後輪
間のトルク分配にも適用可能である
【0037】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載された発
明によれば、第1〜第3の要素を備えた第2の差動装置
を設け、第1の要素を第1の差動装置の一方の出力要素
に結合するとともに、第2の要素を第1の差動装置の他
方の出力要素に結合し、かつ第3の要素を駆動源に結合
したことにより、前記第2の差動装置には前記駆動源の
トルクしか作用しなくなる。したがって、第2の差動装
置を小型軽量化し、トルク分配機構全体として重量の軽
減を図ることができる。
【0038】また請求項2に記載された発明によれば、
第1の差動装置の2つの出力要素が同一回転数で同一方
向に回転しているときに第3の要素が回転しないので、
第3の要素に結合された駆動源の作動を最小限に抑える
ことが可能となる。
【0039】また請求項3に記載された発明によれば、
前記第1の差動装置をリングギヤ、サンギヤおよび前記
リングギヤとサンギヤに噛合するプラネタリギヤを支持
するプラネタリキャリヤよりなる遊星歯車式としたので
ベベルギヤが不要となり、ベベルギヤ式の差動装置を採
用した場合に比べてトルク分配機構の軸方向寸法を小型
化することができる。
【0040】また請求項4または請求項7に記載された
発明によれば、前記第2の差動装置をリングギヤ、サン
ギヤおよび前記リングギヤとサンギヤに噛合するプラネ
タリギヤを支持するプラネタリキャリヤよりなる遊星歯
車式としたのでベベルギヤが不要となり、ベベルギヤ式
の差動装置を採用した場合に比べてトルク分配機構の軸
方向寸法を小型化することができる。
【0041】また請求項5に記載された発明によれば、
少なくとも一方が可変容量型である油圧ポンプと油圧モ
ータとを組み合わせたことにより、コンパクトな構造で
油圧モータの回転数を任意に調整することができる。
【0042】また請求項6に記載された発明によれば、
第1〜第3の要素を備えた第2の差動装置を設け、第1
の要素を第1の差動装置の入力要素に結合するととも
に、第2の要素を第1の差動装置の2つの出力要素の一
方に結合し、かつ第3の要素を駆動源に結合したことに
より、前記第2の差動装置には前記駆動源のトルクしか
作用しなくなる。したがって、第2の差動装置を小型軽
量化し、トルク分配機構全体として重量の軽減を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による差動装置のトルク分
配機構を示す図
【図2】本発明の第2実施例による差動装置のトルク分
配機構を示す図
【図3】本発明の第3実施例による差動装置のトルク分
配機構を示す図
【図4】本発明の第4実施例による差動装置のトルク分
配機構を示す図
【図5】本発明の第5実施例による差動装置のトルク分
配機構を示す図
【図6】本発明の第6実施例による差動装置のトルク分
配機構を示す図
【図7】従来の差動装置のトルク分配機構を示す図
【符号の説明】
4 リングギヤ(入力要素) 5 サンギヤ(出力要素) 6 アウタプラネタリギヤ(プラネタリギヤ) 7 インナプラネタリギヤ(プラネタリギヤ) 8 プラネタリキャリヤ(出力要素) 12 プラネタリキャリヤ(第2の要素) 13 プラネタリギヤ 14 サンギヤ(第3の要素) 15 リングギヤ(第1の要素) 18 ピニオン(回転数調整手段) 19 ピニオン(回転数調整手段) 20 モータ(駆動源) 24 油圧ポンプ 29 ディファレンシャルケース(入力要素) 31 ディファレンシャルサイドギヤ(出力要素) 32 ディファレンシャルサイドギヤ(出力要素) D 差動装置(第1の差動装置) P 遊星歯車機構(第2の差動装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 48/30 B60K 23/04 F16H 48/20

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの入力要素(4)と2つの出力要素
    (5,8)とを備えた第1の差動装置(D)において、
    その第1の差動装置(D)の入力要素(4)に加えられ
    るトルクを2つの出力要素(5,8)に所定の比率で分
    配する差動装置のトルク分配機構であって、 第1の要素(15)と第2の要素(12)と第3の要素
    (14)とよりなる第2の差動装置(P)を備え、第1
    の要素(15)を前記一方の出力要素(8)に結合する
    とともに、第2の要素(12)を前記他方の出力要素
    (5)に結合し、かつ第3の要素(14)を駆動源(2
    0)に連結したことを特徴とする、差動装置のトルク分
    配機構。
  2. 【請求項2】 前記2つの出力要素(5,8)が同一回
    転数で同一方向に回転しているときに前記第3の要素
    (13)が回転しないように、前記第1の要素と前記一
    方の出力要素(8)とを回転数調整手段(18,19)
    を介して結合したことを特徴とする、請求項1記載の差
    動装置のトルク分配機構。
  3. 【請求項3】 前記第1の差動装置(D)が、リングギ
    ヤ(4)、サンギヤ(5)および前記リングギヤ(4)
    とサンギヤ(5)とに噛合するプラネタリギヤ(6,
    7)を支持するプラネタリキャリヤ(8)よりなり、前
    記リングギヤ(4)を入力要素とし、前記サンギヤ
    (5)およびプラネタリキャリヤ(8)をそれぞれ出力
    要素としたことを特徴とする、請求項1記載の差動装置
    のトルク分配機構。
  4. 【請求項4】 前記第2の差動装置(P)が、リングギ
    ヤ(15)、サンギヤ(14)および前記リングギヤ
    (15)とサンギヤ(14)とに噛合するプラネタリギ
    ヤ(13)を支持するプラネタリキャリヤ(12)より
    なり、前記リングギヤ(15)を第1の要素とし、前記
    プラネタリキャリヤ(8)を第2の要素とし、かつ前記
    サンギヤ(5)を第3の要素としたことを特徴とする、
    請求項1記載の差動装置のトルク分配機構。
  5. 【請求項5】 前記駆動源(20)が前記入力要素
    (4)に接続された油圧ポンプ(24)により駆動され
    る油圧モータ(20)で構成され、前記油圧ポンプ(2
    4)および油圧モータ(20)のうちの少なくとも一方
    が可変容量型であることを特徴とする、請求項1記載の
    差動装置のトルク分配機構。
  6. 【請求項6】 1つの入力要素(29)と2つの出力要
    素(31,32)とを備えた第1の差動装置(D)にお
    いて、その第1の差動装置(D)の入力要素(29)に
    加えられるトルクを2つの出力要素(31,32)に所
    定の比率で分配する差動装置のトルク分配機構であっ
    て、 第1の要素(15)と第2の要素(12)と第3の要素
    (14)とよりなる第2の差動装置(P)を備え、第1
    の要素(15)を前記入力要素(29)に結合するとと
    もに、第2の要素(12)を前記2つの出力要素(3
    1,32)の一方に結合し、かつ第3の要素(14)を
    駆動源(20)に連結したことを特徴とする、差動装置
    のトルク分配機構。
  7. 【請求項7】 前記第2の差動装置(P)が、リングギ
    ヤ(15)、サンギヤ(14)および前記リングギヤ
    (15)とサンギヤ(14)とに噛合するプラネタリギ
    ヤ(13)を支持するプラネタリキャリヤ(12)より
    なり、前記リングギヤ(15)を第1の要素とし、前記
    プラネタリキャリヤ(8)を第2の要素とし、かつ前記
    サンギヤ(5)を第3の要素としたことを特徴とする、
    請求項6記載の差動装置のトルク分配機構。
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