JP6873566B2 - 遊星歯車変速機構 - Google Patents
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以下、本発明の実施例1の構成について、図1〜図2を参照しながら説明する。
図1、図2により、遊星歯車変速機構の構成を説明する。
なお、電動モータ出力軸2の回転方向は、矢視Dからみて、時計回りの回転gを正回転、反時計回りの回転fを逆回転とする。
電動モータ出力軸2は、第1ワンウェイクラッチOWC1を介して、遊星歯車の一要素としてのサンギヤSと連結するとともに、ドック歯10a、10bを備え、図示左右方向に移動可能なギヤセレクタ10に軸方向移動可能で、回転方向は一体的に回転するように、スプライン結合されている。
また、サンギヤSには、ドック歯10bと噛合い可能な対向する位置にドック歯Saが設けられている。このドック歯10bとドック歯Saにより、第1ドッグクラッチDog1を構成する。
サンギヤSは、変速機ケースに固定された遊星歯車の一要素としてのキャリアCに回転自在に支持される複数のピニオンギヤPに、内側から噛合っている。
また、複数のピニオンギヤPの外側には遊星歯車の一要素としてのリングギヤRが噛合っている。このリングギヤRは、電動モータ出力軸2の軸方向(図示右方向)に一体的に階段状に形成された出力ギヤ11aを有する出力軸11を有している。
この出力軸11は、第2ワンウェイクラッチOWC2を介して、伝動軸9と連結している。
伝動軸9のギヤセレクタ10側には、ドック歯10aと噛合い可能な対向する位置にドック歯9aが形成されている。このドック歯9aとドック歯10aにより、第2ドッグクラッチDog2を構成する。
なお、ギヤセレクタ10は、図示しない電動アクチュエータに連結するシフター4により、第1ドッグクラッチDog1の締結位置と第2ドッグクラッチDog2の締結位置と中立位置の3位置に移動可能となっている。
さらに、出力軸11は、図示しない差動機構を内蔵するデフケース7のデフリングギヤ6と噛合い、左右の駆動輪に連結する駆動軸8a、8bに駆動力を伝達する。
なお、電動モータ出力軸2が時計回りの正回転(破線)を行うと、第1ワンウェイクラッチOWC1はフリーとなり、サンギヤSへの回転伝達はできなくなる。
図2(b)に示すように、伝動軸9が時計回りの正回転(破線)を行うと、第2ワンウェイクラッチOWC2はロックし、出力軸11を同一回転方向に回転することになる。
なお、伝動軸9が反時計回りの逆回転(実線)を行うと、第2ワンウェイクラッチOWC2はフリーとなり、出力軸11への回転伝達はできなくなる。
図3,図4により、遊星歯車変速機構の作動を説明する。
図3、図4(a)に示すように、前進1速時には、電動モータ1の電動モータ出力軸2は反時計回りの逆回転であり、第2ドッグクラッチDog2が締結し、第1ワンウェイクラッチOWC1はロックしている状態である。
駆動力の流れとしては、入力軸としての電動モータ出力軸2は反時計回りの逆回転をし、第1ワンウェイクラッチOWC1はロックしている状態なので、サンギヤSが同一の逆回転方向へ回転を行い、サンギヤSと噛合っている固定されているキャリアCに支持された複数のピニオンギヤPは正回転に回転し、リングギヤRすなわち出力軸11を同一の正回転方向へ回転させる。
さらに、この出力軸11の出力ギヤ11aと噛合っているデフリングギヤ6を反時計回りの逆回転方向に回転させて、駆動軸8a、8bを介して駆動輪に、前進方向の駆動力を伝達している。
図3、図4(a)に示すように、前進2速時には、電動モータ1の電動モータ出力軸2は時計回りの正回転であり、第2ドッグクラッチDog2が締結し、第2ワンウェイクラッチOWC2はロックしている状態である。
駆動力の流れとしては、入力軸としての電動モータ出力軸2は時計回りの正回転をし、第1ワンウェイクラッチOWC1はフリーの状態なので、サンギヤSへの回転伝達は行われないので、電動モータ出力軸2とスプライン結合しているギヤセレクタ10を同一の正回転方向に回転させる。ここで、締結している第2ドッグクラッチDog2を介して、伝動軸9を同一の正回転方向に回転させる。
伝動軸9が正回転を行うため、第2ワンウェイクラッチOWC2はロックし、出力軸11を同一の正回転方向へ回転させる。
さらに、この出力軸11の出力ギヤ11aと噛合っているデフリングギヤ6を反時計回りの逆回転方向に回転させて、駆動軸8a、8bを介して駆動輪に、前進1速より小さい変速比で、前進方向の駆動力を伝達する。
このように、前進1速から前進2速への変速は、電動モータ1の電動モータ出力軸2の回転方向を変更するのみで、行うことができる。
図3、図4(a)に示すように、後退時には、電動モータ1の電動モータ出力軸2は時計回りの正回転であり、第1ドッグクラッチDog1が締結している状態である。
駆動力の流れとしては、入力軸としての電動モータ出力軸2は時計回りの正回転をし、第1ワンウェイクラッチOWC1はフリーの状態なので、第1ワンウェイクラッチOWC1を介してのサンギヤSへの回転伝達は行われない。
そこで、電動モータ出力軸2とスプライン結合しているギヤセレクタ10を同一の正回転方向に回転させる。さらに、締結している第1ドッグクラッチDog1を介して、サンギヤSを同一の正回転方向に回転させる。
サンギヤSが正回転方向へ回転を行い、サンギヤSと噛合っている固定されているキャリアCに支持されている複数のピニオンギヤPは逆回転に回転し、リングギヤRすなわち出力軸11を同一の逆回転方向へ回転させる。
さらに、この出力軸11の出力ギヤ11aと噛合っているデフリングギヤ6を時計回りの正回転方向に回転させて、駆動軸8a、8bを介して駆動輪に、後退方向の駆動力を伝達する。
なお、前進方向と後退方向の切り替えは、車両停止状態で行うため、ドッグクラッチの切替えを行っても変速ショックへの影響は全くない。
山道や街中での低速走行のような加減速の多い走行の場合には、前進コースト時に後退時と同様の締結にすることにより、回生が可能となり、電費をよくすることができる。
図3、図4(b)に示すように、前進コースト時の発電モード時には、後退時と同様の締結とする。
逆駆動力の流れとしては、駆動輪より駆動される駆動軸8a、8bは車両前進方向である反時計回りの逆転方向に回転され、デフリングギヤ6を反時計回りの逆転方向に回転させる。
つぎに、デフリングギヤ6と出力ギヤ11aを介して噛合っている出力軸11すなわち一体的に形成されたリングギヤRを時計回りの正転方向へ回転させる。
さらに、複数のピニオンギヤPを介して、サンギヤSを逆回転方向へ回転させ、さらに締結している第1ドッグクラッチDog1を介して、ギヤセレクタ10を逆回転方向へ回転させ、つぎに、スプライン結合している電動モータ出力軸2を逆回転方向へ回転させることにより、電動モータ1を発電機として作用させ、回生エネルギを電気として回収することができる。
なお、第1ワンウェイクラッチOWC1はフリーの状態である。
また、前進ドライブ状態になると、前進時の締結状態に戻すことになる。
実施例1の遊星歯車変速機構には、登坂停止時の後退防止機能を備えている。
後退防止機能の作動を説明する。
締結状態は、前進1速の時と同一である。
まず、駆動輪が後退しようとすると、駆動軸8a、8bは時計回りの正回転方向へ回転しようとし、デフリングギヤ6を時計回りの正回転方向へ回転させようとし、まず、第1に出力軸11の出力ギヤ11aを介してリングギヤRを反時計回りの逆回転方向へ回転させようとして、複数のピニオンギヤPに力がかかる系統と、第2に、出力軸11が反時計回りの逆回転方向へ回転しようとすることで、第2ワンウェイクラッチOWC2がロックして、伝動軸9を反時計回りの逆回転方向へ回転させようとすることで、第2ドッグクラッチDog2、ギヤセレクタ10、電動モータ出力軸2、さらに第1ワンウェイクラッチOWC1がロックして、サンギヤSを反時計回りの逆回転方向へ回転させようとして、複数のピニオンギヤPに力がかかる系統が発生することにより、第1、第2の2系統の力により、固定されたキャリアCに支持された複数のピニオンギヤPはロックする。
このため、駆動輪すなわち、デフリングギヤ6が後退方向へ回転することを防止することができる。
実施例1の遊星歯車変速機構にあっては、以下に列挙する作用効果を奏する。
よって、前進時における電動モータ2の効率の高い領域を使うことができ、後退段を備えるため、車両用としての適用も容易となる。
よって、シフター4を駆動する電動アクチュエータを作動するためのエネルギ損失がなくなり、変速機構システムの作動効率が高くなる。
よって、変速速度が向上し、回転方向を変えるエネルギが小さくて済むため、電費をよくすることができる。
よって、前進時には複雑な制御を行う必要がなく、後退時のドッグクラッチ切換えのショックも停止時のため、ショックの心配もないので、小型かつ軽量な変速機構を構成できる。
よって、回生エネルギを電気として回収することができ、電費をよくすることができる。
よって、遊星歯車変速機構は、登坂停止時の後退防止が可能となる。
以上、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は実施例に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
正逆転可能な駆動源として、実施例1では、電動モータにて説明したが、エアモータを使用してもよい。
また、実施例1では、切り替えクラッチとして、ドッグクラッチにて説明したが、湿式クラッチ等を用いてもよい。この場合、前進時の発電モードへのクラッチ切替えショックをより低減することができる。
2 電動モータ軸
3 変速機ケース
4 シフター
6 デフリングギヤ
7 デフケース
9 伝動軸
9a ドッグ歯
10 ギヤセレクタ
10a ドッグ歯
10b ドッグ歯
11 出力軸
11a 出力ギヤ
Dog1 第1ドッグクラッチ(切替えクラッチ)
Dog2 第2ドッグクラッチ(切替えクラッチ)
C キャリア
P ピニオンギヤ
R リングギヤ
S サンギヤ
Sa ドッグ歯
OWC1 第1ワンウェイクラッチ
OWC2 第2ワンウェイクラッチ
Claims (3)
- 正逆転可能な駆動源と、
該駆動源の駆動力を入力する入力軸と遊星歯車のサンギヤとを第1ワンウェイクラッチを介して連結し、
前記サンギヤと該サンギヤの外方で噛合う複数のピニオンを回転自在に支持するキャリアを変速機ケースに固定し、
前記複数のピニオンと該ピニオンの外方で噛合うリングギヤと、
該リングギヤと一体的に形成される出力軸の内方で、第2ワンウェイクラッチを介して連結する伝動軸と、
前記入力軸を前記サンギヤあるいは前記伝動軸に選択的に連結可能な切替クラッチと
を備え、
前記駆動源の回転方向を変化させることで出力軸の変速比を変更し、前記切替クラッチの切替えにより、出力軸の回転方向を変更する、
ことを特徴とする遊星歯車変速機構。 - 請求項1に記載の遊星歯車変速機構において、
前記駆動源は、電動モータである、
ことを特徴とする遊星歯車変速機構。 - 請求項1に記載の遊星歯車変速機構において、
前記切替クラッチは、ドッグクラッチである、
ことを特徴とする遊星歯車変速機構。
Priority Applications (1)
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JP2017217979A JP6873566B2 (ja) | 2017-11-13 | 2017-11-13 | 遊星歯車変速機構 |
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JP2017217979A JP6873566B2 (ja) | 2017-11-13 | 2017-11-13 | 遊星歯車変速機構 |
Publications (2)
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JP2019090446A JP2019090446A (ja) | 2019-06-13 |
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Family Applications (1)
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JP2017217979A Active JP6873566B2 (ja) | 2017-11-13 | 2017-11-13 | 遊星歯車変速機構 |
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