JP2010210054A - 駆動力調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望する左右輪のトルク差よりも小さな最大トルクを発生するモータを用いることができる駆動力調整装置を提供する。
【解決手段】駆動力調整装置の構成において、所定の方法に基づき入力要素I、第1出力要素R、第2出力要素L、モータ入力要素M、固定要素F、連結要素Cを設定し、縦軸に回転数、横軸に各要素の相対的な回転数比をとったグラフ上に各要素を点として表現したときに、L−IとR−Iとの長さが等しく、かつ、L−I−R、F−I−C及びC−R−Mの順、又は、L−I−R、M−L−C及びC−I−Fの順に直線で結ばれる速度線図を実現する構成とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、駆動力調整装置に関する。
従来から、車両の左右輪への駆動力の配分量を調整する駆動力調整装置が知られている。駆動力調整装置は、左右の駆動輪の間にデファレンシャルとともに駆動力調整機構を設け、この駆動力調整機構の作動を制御することで駆動力配分状態が制御される。駆動力調整機構としては、左右輪のうち一方の車輪を他方の車輪よりも増速及び減速する2つの歯車機構と、左右輪にトルク配分を行うことで、左右輪にトルク差を生じさせるモータとを備える構成が知られている。このような技術の一例が下記特許文献1に開示されている。
特開2007−177916号公報
しかしながら、上述した上記特許文献1に開示される駆動力調整装置は、2つの歯車機構における各歯車の歯数によっては、遊星歯車を支持するキャリアの回転方向が、デファレンシャルのケースや出力軸に対して常に逆方向に回転することとなる場合がある。この場合、駆動力調整装置のケーシング内部において攪拌抵抗が増加し、走行負荷が増加してしまうという問題がある。
また、2つの歯車機構における各歯車の歯数によっては、モータトルクの減速比が1未満となる場合がある。この場合、所望する左右輪のトルク差よりも大きな最大トルクを発生することができるモータを用いなければならないため、モータが大型化し、駆動力調整装置の重量が増大してしまうという問題がある。
以上のことから、本発明は、所望する左右輪のトルク差よりも小さな最大トルクを発生するモータを用いることができる駆動力調整装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決する第1の発明に係る駆動力調整装置は、
駆動源からの駆動力が入力されるとともに、二つの出力軸の回転数差を吸収するデファレンシャルと、
前記デファレンシャルの出力軸間のトルク差を発生させるアクチュエータとして1つのモータと、
前記モータによるトルクの付与により、前記デファレンシャルの第1出力軸のトルクを増加又は減少させ、同じ大きさのトルクを前記デファレンシャルの第2出力軸で減少又は増加させる第1の3要素2自由度歯車機構と第2の3要素2自由度歯車機構を備える2出力軸間の駆動力調整機構とを備え、
直進時の前記モータの回転数は0である2出力軸間の駆動力調整装置において、
前記デファレンシャルのトルクが入力される回転要素と前記第2の3要素2自由度歯車機構の1つの回転要素を接続した要素を入力要素Iとし、
前記デファレンシャルの第1出力軸の回転要素を第1出力要素R、第2出力軸の回転要素を第2出力要素Lとし、
前記第1出力要素Rと前記第2出力要素Lのどちらか一方が前記第1の3要素2自由度歯車機構の1つの回転要素と接続し、
前記第1の3要素2自由度歯車機構の1つの回転要素と前記モータとを接続した要素をモータ入力要素Mとし、
前記第2の3要素2自由度歯車機構の1つの回転要素とケーシングとを接続し、回転数が0となる要素を固定要素Fとし、
前記第1の3要素2自由度歯車機構の1つの回転要素と第2の3要素2自由度歯車機構の1つの回転要素とを接続した要素を連結要素Cとし、
縦軸に回転数、横軸に各要素の相対的な回転数比をとったグラフ上に各要素を点として表現したときに、L−IとR−Iとの長さが等しく、かつ、L−I−R、F−I−C及びC−R−Mの順、又は、L−I−R、M−L−C及びC−I−Fの順に直線で結ばれる速度線図を実現する構成とする
ことを特徴とする。
上記の課題を解決する第2の発明に係る駆動力調整装置は、第1の発明に係る駆動力調整装置において、
前記第1の3要素2自由度歯車機構は、
前記デファレンシャルの一方の出力軸に接続された第1サンギヤと、
前記第1サンギヤの周囲に設けられ該第1サンギヤに噛合する第1プラネタリギヤと、
前記第1プラネタリギヤと同軸上に設けられるとともに該第1プラネタリギヤと一体に回転する第2プラネタリギヤと、
前記第1プラネタリギヤ及び前記第2プラネタリギヤを回転自在に軸支する第1キャリアと、
前記第1サンギヤと同軸上に設けられ、前記第2プラネタリギヤと噛合するとともに前記モータの回転軸に接続された第2サンギヤと
前記第2の3要素2自由度歯車機構は、
前記デファレンシャルのケースに接続された第3サンギヤと、
前記第3サンギヤの周囲に設けられ該第3サンギヤに噛合する第3プラネタリギヤと、
前記第3プラネタリギヤと同軸上に設けられ該第3プラネタリギヤと一体に回転する第4プラネタリギヤと、
前記第3プラネタリギヤ及び前記第4プラネタリギヤを回転自在に軸支するとともに、前記第1キャリアと一体に形成された第2キャリアと、
前記第3サンギヤと同軸上に設けられ、前記第4プラネタリギヤと噛合するとともに前記第1の3要素2自由度歯車機構を収納するケーシングに固定された第4サンギヤとを備える
ことを特徴とする。
前記第1サンギヤと前記第3サンギヤは同一歯数に形成し、前記第1プラネタリギヤと前記第3プラネタリギヤは同一歯数に形成し、前記第2サンギヤと前記第4サンギヤは同一歯数に形成し、前記第2プラネタリギヤと前記第4プラネタリギヤは同一歯数に形成し、
前記第1サンギヤと前記第1プラネタリギヤの歯数の比を前記第2サンギヤと前記第2プラネタリギヤの歯数の比よりも小さく形成し、
前記第3サンギヤと前記第3プラネタリギヤの歯数の比を前記第4サンギヤと前記第4プラネタリギヤの歯数の比よりも小さく形成する
ことを特徴とする。
本発明によれば、所望するデファレンシャルの二つの出力軸間のトルク差よりも小さな最大トルクを発生するモータを用いることができる駆動力調整装置を提供することができる。
第1の実施例に係る駆動力調整装置のスケルトン図である。 第1の実施例に係る駆動力調整装置の速度線図である。 第2の実施例に係る駆動力調整装置のスケルトン図である。 第3の実施例に係る駆動力調整装置のスケルトン図である。 第3の実施例に係る駆動力調整装置の速度線図である。 第4の実施例に係る駆動力調整装置のスケルトン図である。 第5の実施例に係る駆動力調整装置のスケルトン図である。 第6の実施例に係る駆動力調整装置のスケルトン図である。 本検討における駆動力調整装置の構造例の構造図である。 本検討における駆動力調整装置の構造例の速度線図である。 各歯車機構において各回転要素に働くトルクを示した図である。 直進時における第1の3要素2自由度歯車機構及び第2の3要素2自由度歯車機構がとりうる速度線図である。 本検討における駆動力調整装置が成立する構造の速度線図である。 A/SS型の速度線図である。 各構造における速度線図を示した図である。 各回転要素の回転数をNIで正規化した速度線図である。 システムゲインGを一定にした場合のそれぞれの連結要素Cの回転数NCの比較結果を示した図である。
以下、本発明に係る駆動力調整装置を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明に係る駆動力調整装置の設計に当たっては、駆動力調整装置について、どのような構成とすればよいのかを見出すために、はじめに、駆動力調整装置の構造及び特性について検討を行った。なお、以下においては、例として、車両の左右輪間の駆動力を調整する駆動力調整装置を引合に説明を行うものとする。以下、この検討の内容について説明する。
1.本検討における駆動力調整装置の構造検討
1.1.本検討における駆動力調整装置の設計要件
本検討における駆動力調整装置の設計要件を下記のように定義する。
・設計要件1:入力トルクを左右輪へ等配分し、左右輪間の差回転を許容するデファレンシャルを有する。
・設計要件2:左右輪間のトルク差を発生させるアクチュエータとして電動モータを用いる。
・設計要件3:電動モータの搭載数は1個とする。
・設計要件4:直進時、電動モータの回転数は0とする。
・設計要件5:電動モータによるトルクの付与により、右輪のトルクを増加又は減少させ、同じ大きさのトルクを左輪で減少又は増加させる。
1.2.必要な構成の検討
上記設計要件を満たした構造を例とし、本検討における駆動力調整装置に最低限必要な構成を検討する。
1.2.1.回転要素の構成
図9は、本検討における駆動力調整装置の構造例の構造図である。
図9に示すように、本検討における駆動力調整装置の構造例においては、3つの3要素2自由度の歯車機構が用いられている。左側の歯車機構はデファレンシャル100であり、デファレンシャル100の右側にある2つの歯車機構の右側を第1歯車機構101、左側を第2歯車機構102とする。
第1歯車機構101の2つのサンギヤのうち歯数の多いサンギヤを第1サンギヤ110、歯数の少ないサンギヤを第2サンギヤ111とする。第2歯車機構102の2つのサンギヤのうち歯数の多いサンギヤを第3サンギヤ112、歯数の少ないサンギヤを第4サンギヤ113とする。
第1サンギヤ110、第2サンギヤ111、第3サンギヤ112及び第4サンギヤ113とかみ合うそれぞれのプラネタリギヤを第1プラネタリギヤ120、第2プラネタリギヤ121、第3プラネタリギヤ122及び第4プラネタリギヤ123とする。また、第1プラネタリギヤ120と第3プラネタリギヤ122の歯数は等しく、第2プラネタリギヤ121と第4プラネタリギヤ123の歯数は等しい。
第1プラネタリギヤ120と第2プラネタリギヤ121のキャリアを第1キャリア130とし、第3プラネタリギヤ122と第4プラネタリギヤ123のキャリアを第2キャリア131とする。
ここで、デファレンシャル100のプロペラシャフト104からトルクが入力される回転要素を、入力要素(Input Element)I、右輪側の回転要素を右輪出力要素(Right Wheel Output Element)R、左輪側の回転要素を左輪出力要素(Left Wheel Output Element)Lとする。
第1サンギヤ120は右輪出力要素Rに接続されている。第2サンギヤ111はモータ103と接続されている。この回転要素を、モータ入力要素(Motor Input Element)Mとする。
第3サンギヤ112は入力要素Iと接続されている。第4サンギヤ113はケーシング132と接続され、回転数は0となる。この回転要素を、固定要素F(Fixed Element)とする。
第1キャリア130は第2キャリア131と接続されている。この回転要素を、連結要素(Connecting Element)Cとする。
1.2.2.速度線図による機構解析
速度線図においては各回転要素を点として表現する。縦軸は各回転要素の回転数、横軸は各回転要素の相対的な回転数比を示す。歯車機構の3要素は直線で結ばれる。歯車機構の回転要素の回転数が変化する場合、各回転要素の相対的な回転数比が変わらないため回転要素は縦方向のみに移動し、回転要素を結ぶ直線の角度が変化する。
図10は、本検討における駆動力調整装置の構造例の速度線図である。
図10に示すように、本検討における駆動力調整装置の構造例の速度線図においては、車両が回転数NI、左右輪回転数差ΔNで左旋回している状態を示す。したがって、右輪出力要素Rが入力要素Iよりも速く左輪出力要素Lは入力要素Iよりも遅い。また、図10において、L−I−Rはデファレンシャル100、C−R−Mは第1歯車機構101、F−I−Cは第2歯車機構102を表している。
左右輪回転数差が発生した場合、デファレンシャル100は左右輪の一方を入力要素Iの回転数NIに対し増速し、もう一方を減速する。この増速又は減速される回転数の大きさは等しい。つまり、右輪出力要素R及び左輪出力要素Lの入力要素Iに対する相対的な回転数比は等しいため、速度線図中のL−IとR−Iの長さは等しくなる。
図10に示すように、第1歯車機構101における右輪出力要素Rに対する各要素の相対的な回転数比をa及びb、第2歯車機構102における入力要素Iに対する各要素の相対的な回転数比をc及びdとする。回転数比a,b,c,dはそれぞれの歯車の歯数を用いた下式によって定義される。
Figure 2010210054
ここで、ZS1は第1サンギヤ歯数、ZS2は第2サンギヤ歯数、ZP1は第1プラネタリギヤ歯数、ZP2は第2プラネタリギヤ歯数、ZS3は第3サンギヤ歯数、ZS4は第4サンギヤ歯数、ZP4は第3プラネタリギヤ歯数、ZP4は第4プラネタリギヤ歯数を意味する。
はじめに、各回転要素の回転数を解析する。
図10に示す走行状態における右輪出力要素Rの回転数NR、左輪出力要素Lの回転数NLは、入力要素Iの回転数NI、左右輪回転数差ΔNを用いた下式で表すことができる。
Figure 2010210054
第2歯車機構102の固定要素Fの回転数は常に0、入力要素Iの回転数はNIである。第2歯車機構102は3要素2自由度であるため、連結要素Cの回転数NCは一意的に決まり、下式で表すことができる。
Figure 2010210054
第1歯車機構101の右輪出力要素Rの回転数NRは回転数NIと左右輪回転数差ΔNにより決まり、連結要素Cの回転数NCは第2歯車機構102によって一意的に決まっている。第1歯車機構101も3要素2自由度であるため、モータ入力要素Mの回転数Nmは一意的に決まり、下式で表すことができる。
Figure 2010210054
式(8)を右輪出力要素Rの回転数NRと連結要素Cの回転数NCで整理すると下式が得られる。
Figure 2010210054
式(9)から回転数NRと回転数NCを消去するため、式(9)に式(5),(7)を代入すると下式が得られる。
Figure 2010210054
以上より、本検討における駆動力調整装置の構造例においては、入力要素Iの回転数NIと左右輪回転数差ΔNで連結要素C、モータ入力要素Mの右輪出力要素R及び左輪出力要素Lの回転数が決まる。つまり、5要素2自由度の構造である。
ここで、1.1項の設計要件4の直進時にモータ入力要素Mの回転数Nmを0とするために必要な条件を検討する。直進時、つまり、左右輪回転数差ΔNを0とした場合、モータ入力要素Mの回転数を表す式(10)において左右輪回転数差ΔNと係数の積で表される第2項は0となり、回転数NIと係数の積で表される第1項が残る。走行時にはNI>0となるため、設計条件を満たすためには第1項のNIの係数を0とする必要がある。この条件を下式に示す。
Figure 2010210054
式(11)を整理すると下式が得られる。
Figure 2010210054
次に、各回転要素に伝達されるトルクを解析する。
速度線図においては、歯車機構の各回転要素へ伝達されるトルクの関係をてこの原理と同じように解析することができる。すなわち、速度線図においてトルクと各回転要素の相対的な回転数差は、てこの原理における力とてこ棒の長さの比と同じ要素であると考えることができる。したがって、各回転要素へ伝達されるトルクの関係はトルクの総和の釣り合い式やモーメントの釣り合い式を解くことで各回転要素に伝達されるトルクを解析することができる。
図11は、各歯車機構において各回転要素に働くトルクを示した図である。なお、図11(a)は第2歯車機構a、図11(b)は第2歯車機構b、図11(c)は第1歯車機構、図11(d)はデファレンシャルについて示している。また、図11において、TIは入力要素へ入力される動力トルク、TRは右輪出力トルク、TLは左輪出力トルク、Tmはモータ入力トルク、TCは連結要素へ伝達されるモータトルク、ΔTRは右輪出力要素へ伝達されるモータトルク、ΔTIは入力要素へ伝達されるモータトルクを意味する。
図11(a)より、C点を支点としたトルクのモーメントの釣り合いを下式で表す。
Figure 2010210054
図11(b)より、R点を支点としたトルクのモーメントの釣り合いを下式で表す。
Figure 2010210054
図11(c)より、F点を支点としたトルクのモーメントの釣り合いを下式で表す。
Figure 2010210054
図11(d)より、トルクの総和の釣り合い、及び、I点を支点としたトルクのモーメントの釣り合いを下式で表す。
Figure 2010210054
式(13)〜(17)より、右輪出力要素R及び左輪出力要素Lの出力トルクは下式で表すことができる。
Figure 2010210054
式(18),(19)より、左右輪間のトルク差ΔTは下式で表すことができる。
Figure 2010210054
以上より、第1歯車機構101においてモータ入力要素Mにモータトルクが入力される。連結要素Cはモータトルクの反力を受け持ち、モータ103が発生したトルクと同方向のトルクを右輪出力要素Rへ伝達する。連結要素Cはモータトルクの反力を第2歯車機構102へ伝達する。
第2歯車機構102において固定要素Fは連結要素Cより伝達されるモータトルクの反力の反力を受け持ち、モータ103が発生したトルクとは逆方向のトルクを入力要素Iへ伝達する。
デファレンシャル100は駆動トルクとモータ103が発生したトルクとは逆方向のトルクを右輪出力要素R及び左輪出力要素Lへ等配分する。よって、右輪出力要素Rにはモータ103が発生したトルクと同方向のトルク、左輪出力要素Lにはモータが発生したトルクとは逆方向のトルクを付与し、左右輪間のトルク差を発生させる。
ここで、1.1項の設計要件5であるトルク移動量の大きさを等しくするための条件を検討する。右輪出力要素R及び左輪出力要素Lのトルク移動量の大きさは、それぞれ式(18),(19)における第2項のモータトルクTmと係数の積で決まる。トルク移動時にはTm≠0であるため、設計要件を満たすためにはこれら係数を等しくする必要がある。この条件を下式に示す。
Figure 2010210054
式(21)を整理すると式(12)と同じ下式が得られる。
Figure 2010210054
1.2.3.まとめ
前項の解析結果より各回転要素の役割を以下に示す。
入力要素I、右輪出力要素R及び左輪出力要素Lはデファレンシャル100に必要な3つの回転要素である。
モータトルクTmを入力するモータ入力要素Mは、1.1項の設計要件4より直進時には回転数を0にする必要がある。
よって、モータ入力要素Mはデファレンシャル100の3要素とは別の要素となる必要がある回転要素である。
モータ入力要素Mと右輪出力要素Rは、モータトルクTmを右輪出力要素Rへ伝達するため、第1歯車機構101の回転要素とする。また、連結要素Cを第1歯車機構101の残りの1要素とする。
連結要素CはモータトルクTmの反力を受け持ち、右輪出力要素RへモータトルクTmを伝達する。
連結要素Cで受け持つモータトルクTmの反力を第2歯車機構102へ伝達するため連結要素Cを介して第1歯車機構101と第2歯車機構102を接続する。第2歯車機構102の残りの2要素を入力要素Iと固定要素Fとする。
固定要素Fは連結要素Cによって伝達されたモータトルクTmの反力の反力を受け持ち、入力要素IへモータトルクTmを伝達する。固定要素Fが固定されることによってこの構造は、5つの回転要素の回転数が回転数NIと左右輪回転数差ΔNで一意的に決まる5要素2自由度の構造となる。
また、1.1項の設計要件4,5を満足するためには、2つの歯車機構における各回転要素同士の相対的な回転数比a,b,c,dで表される条件式a/b=c/dを満たす必要がある。この条件式を満たすためには、2つの歯車機構における各回転要素同士の相対的な回転数比が等しくする、つまり、a=cかつb=dが成立する必要がある。
以上より、1つのデファレンシャル100と、各回転要素同士の相対的な回転数比がそれぞれ等しい2つの3要素2自由度歯車機構において、歯車機構の1回転要素が他の歯車機構の1回転要素とそれぞれ接続される、5要素2自由度の構造が本検討における駆動力調整装置の構造例に最低限必要の構成であることが分かった。
1.3.本検討における駆動力調整装置の構造分類
速度線図を用いて本検討における駆動力調整装置が実現できるすべての構造を検討し、それらを分類する。
1.2項より、本検討における駆動力調整装置を構成するためには、1つのデファレンシャル100と、各回転要素同士の相対的な回転数比がそれぞれ等しい2つの3要素2自由度歯車機構が必要となることが分かる。これらの歯車機構の回転要素は入力要素I、右輪出力要素R、左輪出力要素L、モータ入力要素M、及び、連結要素C又は固定要素Fのいずれかの要素として定義でき、必要十分な役割が与られている。
ここで、各歯車機構の各回転要素を下記のように定義する。
デファレンシャル100の回転要素をそれぞれ入力要素I、右輪出力要素R、左輪出力要素Lとする。
デファレンシャル100を除いた2つの歯車機構のうち一方を第1歯車機構101、もう一方を第2歯車機構102とする。
第1歯車機構101と第2歯車機構102の接続する回転要素を連結要素Cとする。連結要素Cは、第1歯車機構101及び第2歯車機構102双方の回転要素となる。
モータ入力要素Mと固定要素Fは、別々の歯車機構の回転要素となる必要がある。モータ入力要素Mを第1歯車機構の回転要素、固定要素Fを第2歯車機構の要素とする。
第1歯車機構101の残り1要素は、デファレンシャル100の回転要素である入力要素I、右輪出力要素R及び左輪出力要素Lのいずれかと接続する。この回転要素をデファレンシャル接続要素D1とする。
また、第2歯車機構102の残り1要素は、デファレンシャル接続要素D1と接続しているデファレンシャル100の回転要素以外に残る2要素のうちのいずれか一方と接続する。この回転要素をデファレンシャル接続要素D2とする。
はじめに、直進時の第1歯車機構101及び第2歯車機構102の回転要素の回転数を比較し、これらの歯車機構がとりうる構造を検討する。
直進時にはデファレンシャル100の回転要素である入力要素I、右輪出力要素R及び左輪出力要素Lの回転数は等しく、0よりも大きな値となる。よって、デファレンシャル100の回転要素と接続するデファレンシャル接続要素D1及びD2もデファレンシャルの回転要素と等しい回転数となり、0よりも大きな値となる。
モータ入力要素Mの回転数は、設計要件より直進時には0となる。また、固定要素の回転数は常に0である。
連結要素Cの回転数は、第1歯車機構101及び第2歯車機構102において他の2要素がどの歯車に適用されるのかによって決まる。以下に、第1歯車機構101及び第2歯車機構102における各回転要素の回転数がとりうる大小関係の組合せを示す。
・「モータ入力要素M・固定要素F(=0)<デファレンシャル接続要素D1,D2<連結要素C」
・「連結要素C<モータ入力要素M・固定要素F(=0)<デファレンシャル接続要素D1,D2」
・「モータ入力要素M・固定要素F(=0)<連結要素C<デファレンシャル接続要素D1,D2」
デファレンシャル接続要素D1とD2の回転数は等しく、0より大きな値となる。モータ入力要素Mと固定要素Fの回転数は等しく、0となる。よって、連結要素Cに対するデファレンシャル接続要素D1及びD2の相対的な回転数比は等しく、同様に、連結要素Cに対するモータ入力要素Mと固定要素Fの相対数比も等しい。
図12は、直進時における第1歯車機構101及び第2歯車機構102がとりうる速度線図である。
図12においては、直進時における第1歯車機構101及び第2歯車機構102の各回転要素の回転数がとりうる大小関係の組合せと連結要素Cに対する各回転要素の相対的な回転数比の条件が満たされている。
ここで、直進時における回転要素の回転数の関係に注目することで、第1歯車機構101及び第2歯車機構102がとりうる構造を分類できる。以下に、この分類の定義を示す。
・図12(a)に示す、連結要素Cの回転数NCが他の回転要素と比較し、最も高い構造をA型とする。
・図12(b)に示す、連結要素Cの回転数NCがデファレンシャル100の回転方向に対し逆回転している構造をV型とする。
・図12(c)に示す、連結要素Cの回転数NCがデファレンシャル100の回転要素より遅くなる構造をX型とする。
次に、第1歯車機構101及び第2歯車機構102の回転要素であるデファレンシャル接続要素D1,D2とデファレンシャル100の回転要素の接続の組合せから、これらの歯車機構がとりうる構造を検討する。
表1は、デファレンシャル接続要素D1,D2の2要素とデファレンシャル100の3要素が接続する場合のすべての組合せを示した表である。
Figure 2010210054
直進時における回転要素の回転数の関係に注目した分類であるA型、V型及びX型と、デファレンシャル100と第1歯車機構101及び第2歯車機構102の接続の組合せである表1に示す組合せ1〜6とを組合せた全18種類が本検討における駆動力調整装置を実現できるすべて構造である。
図13は、本検討における駆動力調整装置が成立する構造の速度線図である。
表1に示す組合せ1と組合せ2、組合せ3と組合せ4及び組合せ5と組合せ6はそれぞれ左右対称の接続である。よって、表1に示す6つの組合せは、以下に示す3つの分類として定義することができる。
・デファレンシャル接続要素D1,D2がそれぞれ右輪出力要素R及び左輪出力要素Lと接続される構造をSS(Shaft to Shaft接続)型と定義する。
・デファレンシャル接続要素D1と右輪出力要素R又は左輪出力要素L、デファレンシャル接続要素D2と入力要素Iが接続される構造をSC(Shaft to Case接続)型と定義する。
・デファレンシャル接続要素D1と入力要素I、デファレンシャル接続要素D2と右輪出力要素R又は左輪出力要素Lが接続される構造をCS(Case to Shaft接続)型と定義する。
以上より、直進時における回転要素の回転数の関係に注目した分類であるA型、V型及びX型と、第1歯車機構101及び第2歯車機構102とデファレンシャル100の接続に注目した分類であるSS型、SC型及びCS型との組合せによって、図13に示す速度線図で表された本検討における駆動力調整装置を実現できるすべての構造は9種類に分類することができる。
なお、1.2項で用いた駆動力調整装置の構造例は直進時には連結要素Cの回転数NCが最も高くなる。また、モータ入力要素Mが含まれる第1歯車機構101は右輪出力要素Rと接続され、固定要素Fが含まれる第2歯車機構102は入力要素Iと接続されている。よって、1.2項で用いた駆動力調整装置の構造例はA/SC型に分類される。
2.本検討における駆動力調整装置の特性検討
2.1.各構造における回転数とトルク
左右輪間のトルク差をΔTとした場合、右輪及び左輪のそれぞれへのトルク移動量ΔT/2とモータトルクTmの関係を下式のように仮定する。
Figure 2010210054
ここで、システムゲインGはトルク移動量ΔTに対するモータトルクTmの増幅率を意味する。
デファレンシャル100における入力要素Iと右輪出力要素R、入力要素Iと左輪出力要素Lのギヤ比を1対1とし、式(23)を成立させた場合、回転要素間の相対的な回転数比をシステムゲインGを用いて表した速度線図を検討する。
ここで、一例としてA/SS型の速度線図について検討する。
図14は、A/SS型の速度線図である。なお、図14(a)は第1歯車機構において右輪出力要素Rに作用するトルクΔTRについて示した図、図14(b)は第1歯車機構において連結要素Cに作用するトルクTCについて示した図、図14(c)は第2歯車機構について示した図、図14(d)はデファレンシャルについて示した図である。
図14においては、右輪出力要素Rとモータ入力要素M、及び、左輪出力要素Lと固定要素Fの相対的な回転数比をaとし、各歯車機構におけるトルクの関係を表している。
また、表2は、図14に示す速度線図中で用いられている記号の一覧を示した表である。
Figure 2010210054
図14(a)より、C点を中心としたトルクのモーメントの釣り合いを下式で表す。
Figure 2010210054
図14(b)より、R点を中心としたトルクのモーメントの釣り合いを下式で表す。
Figure 2010210054
図14(c)より、F点を中心としたトルクのモーメントの釣り合いを下式で表す。
Figure 2010210054
図14(d)より、トルクの総和の釣り合い、及び、I点を中心としたトルクのモーメントの釣り合いを下式で表す。
Figure 2010210054
式(24)〜(28)より、右輪出力要素R及び左輪出力要素Lにかかるトルクは下式で表すことができる。
Figure 2010210054
式(29),(30)より、モータ出力によって右輪のトルクTRを増加させ、左輪のトルクTLを減少させる、つまり、モータ出力によってトルクが移動していることが分かる。また、左右輪間のトルク差ΔTは下式で表すことができる。
Figure 2010210054
トルク移動量ΔTを表す式(23),(31)より下式が得られる。
Figure 2010210054
上式を整理することで回転数比aは下式で表すことができる。
Figure 2010210054
図15は、各構造における速度線図を示した図である。
図15においては、A/SS型以外の構造も上記と同様に演算し、回転数比aをシステムゲインGで表した速度線図である。
図15より、A/SS型の右輪と左輪の回転数差ΔNとモータ回転数Nmの関係を求める。
第1歯車機構101及び第2歯車機構102の各要素の回転数の関係より、連結要素Cの回転数NCは下式で表すことができる。
Figure 2010210054
式(34),(35)から回転数NCを消去すると下式が得られる。
Figure 2010210054
式(36)を整理することで下式が得られる。
Figure 2010210054
右輪出力要素Rと左輪出力要素Lの回転数差はΔNと表すことができるため、式(37)は下式で表すことができる。
Figure 2010210054
以上より、モータ回転数Nmは、システムゲインG及び左右輪の回転数差ΔNに比例する。そして、この関係はすべての構造において成立する。
2.2.各回転要素回転数の正規化
各回転要素の回転数の比較を簡易化するため、速度線図中の各回転数を入力回転数NIで正規化する。
また、入力回転数NIと右輪回転数NRの差を正規化した値をSとする。
Figure 2010210054
Sは、デファレンシャル100のケース140と車輪の回転数差であるためΔN/(2Nm)と同値となり、モータ回転数Nmは下式のように表すことができる。
Figure 2010210054
デファレンシャル100の各回転要素の回転数は下式のように表すことができる。
Figure 2010210054
ここで、A/SS型の連結要素Cの正規化した回転数NC/NI求めるため、式(35)を入力回転数NIで正規化すると下式が得られる。
Figure 2010210054
式(44)に式(43)を代入すると下式が得られる。
Figure 2010210054
A/SS型以外の構造も上記と同様に正規化した連結要素Cの回転数NCを演算する。
表3は、各構造における正規化した連結要素Cの回転数NCを示した表である。
Figure 2010210054
以上より、各構造において入力回転数NIで各要素の回転数を正規化すると、各回転数はシステムゲインG及びSで表すことができる。
図16は、各回転要素の回転数をNIで正規化した速度線図である。
2.3.各構造における特性の比較
各構造の違いを明確にするために下記項目の特性を比較する。
・モータの消費エネルギー
・システムゲインGがとりうる範囲
・回転要素の回転数
2.3.1.モータの消費エネルギーの比較
式(1)と式(14)より、モータトルクTmとモータ回転数Nmの積よりモータ103の消費エネルギーPを求める。
Figure 2010210054
よって、モータ103の消費エネルギーPはシステムゲインGや構造に係わらず、トルク差ΔTと左右輪の回転数差ΔNの値よって決まることが分かる。
2.3.2.システムゲインGがとりうる範囲
表4は、各構造のシステムゲインGが取り得る範囲を示した表である。
Figure 2010210054
2.3.3.回転要素の回転数の比較
デファレンシャルの回転要素である入力要素NI、右輪出力要素NR、左輪出力要素NLは式(17)〜(19)で表され、構造の違いによる差はない。
モータ回転数Nmは、式(16)よりSとシステムゲインGに比例するため、各構造においてシステムゲインGが等しい場合には構造の違いによる差はない。
連結要素Cの回転数NCは、構造の違いにより表3のように異なる値となる。
図17は、システムゲインGを一定にした場合のそれぞれの連結要素Cの回転数NCの比較結果を示した図である。なお、図17(a)においてはシステムゲインG=4であり、図17(b)においてはシステムゲインG=0.2である。
図17より、システムゲインGが一定時には、SC型は、Sに係わらず回転数NCは一定となることが分かる。これに対し、SS型及びCS型は、Sに比例し回転数NCが増大することが分かる。
2.3.4.まとめ
表5は、各構造の特性比較の一覧を示した表である。
Figure 2010210054
はじめに、システムゲインGの範囲を比較する。
表5に示すように、V/SS型のシステムゲインGは1未満、V/SC型及びV/CS型のシステムゲインGは0.5未満となる。したがって、V型を適用する場合には少なくとも所望のトルク差の半分以上のトルクを出力するモータ103が必要となるため大型モータが必要となる。
これに対し、A/SS型のシステムゲインGは1よりも大きな値、A/SC型及びA/CS型のシステムゲインGは0.5よりも大きな値となる。また、X型のシステムゲインGは0よりも大きな値となる。したがって、システムゲインGを1よりも大きな値に設定することができるため、所望する左右輪のトルク差よりも小さな最大トルクを発生できるモータ103を使用することができ、モータ103を小型化し、駆動力調整装置の軽量化を図ることができる。
次に、連結要素Cの回転数NCを比較する。
表5に示すように、SS型及びCS型は旋回時に連結要素Cの回転数も増減する。したがって、SS型及びCS型を適用する場合は旋回時に走行抵抗が変化し、走行特性が変化する懸念がある。これに対し、SC型は旋回時の連結要素Cの回転数が一定であるため、走行抵抗が変化せず、走行特性が変化することがない。特に、A/SC型及びX/SC型は、回転数NCが常に正の値であることから、第1キャリア130及び第2キャリア131の回転方向がデファレンシャル100のケース140や出力軸に対して常に同方向に回転するため、駆動力調整装置のケーシング内部における攪拌抵抗を低減させ、走行負荷を減少させることができる。
以下、本発明に係る駆動力調整装置の第1の実施例について説明する。
本実施例に係る駆動力調整装置は、上述した検討の結果から、システムゲインGに1よりも大きな値を取ることができ、回転数NCが一定で常に正の値を取るA/SC型を実現できる構成とした。
図1は、第1の実施例に係る駆動力調整装置のスケルトン図である。
図1に示すように、デファレンシャル1には、左輪と右輪とに伝達される駆動力配分を調整可能な左右輪駆動力調整機構2が設置されている。本実施例においては、デファレンシャル1は、従来より広く知られているベベルギヤ式の差動装置を用いている。
デファレンシャル1は、デファレンシャル1のケース15の内部に左右のサイドギヤ10,11とデファレンシャルピニオンギヤ12,13を備え、ケース15の外周面に入力ギヤ14を備えている。左右のサイドギヤ10,11は互いに対向し、かつ入力ギヤ14と同軸上に設けられている。入力ギヤ14は、プロペラシャフト9の端部に設置された出力ギヤ90と噛合している。
また、左右のサイドギヤ10,11の間にデフピニオン12,13が設けられるとともに、これらのデフピニオン12,13は自転可能に入力ギヤ14に支持されている。そして、左側のサイドギヤ10に左側ドライブシャフト20が接続され、右側のサイドギヤ11に右側ドライブシャフト21が接続されている。
そして、直進時には、左右のサイドギヤ10,11及びデファレンシャルピニオンギヤ12,13が相対回転することなく一体となって回転するとともに、旋回時には、各ギヤが自転することで左右のドライブシャフト20,21の回転数差が吸収されるようになっている。
また、左右輪駆動力調整機構2は、それぞれ並列に配設された第1及び第2の3要素2自由度歯車機構3,4及びモータ5から構成されており、第1及び第2の3要素2自由度歯車機構3,4及びモータ5はいずれもデファレンシャル1の回転軸(すなわち、入力ギヤ14の回転中心軸)と同軸上に配設されている。
右輪側に配設された3要素2自由度歯車機構3は、右側のドライブシャフト21に接続された第1サンギヤ30と、第1サンギヤ30の周囲に複数設けられて第1サンギヤ30と噛合する第1プラネタリギヤ31と、第1プラネタリギヤ31と一体に回転する第2プラネタリギヤ32と、第1及び第2プラネタリギヤ31,32を回転自在に軸支する第1キャリア34と、第1サンギヤ30と同軸上に設けられ、第2プラネタリギヤ32と噛合する第2サンギヤ33とを備えている。
第2サンギヤ33は、モータ5のロータ(回転子)50に接続される中空軸(モータ回転軸)8に一体に形成されている。また、中空軸8の内部には、右側ドライブシャフト21が同軸上に配設されている。
モータ5は、第1及び第2の3要素2自由度歯車機構3,4の車軸方向(車幅方向)に配置されており、本実施例においては、外周側にステータ(固定子)51が配置され、ステータ51の内側にロータ50が配置されている。なお、ロータ50を外周側に配設しステータ51を内側に配置する構成としてもよい。
左輪側に配設された3要素2自由度歯車機構4は、デファレンシャル1の入力ギヤ14に接続された第3サンギヤ40と、第3サンギヤ40の周囲に複数設けられ、第3サンギヤ40と噛合する第3プラネタリギヤ41と、第3プラネタリギヤ41に対し同軸上に設けられるとともに第3プラネタリギヤ41と一体に回転する第4プラネタリギヤ42と、第3及び第4プラネタリギヤ41,42を回転自在に軸支するとともに、第1キャリア34と一体に形成された第2キャリア44と、第3サンギヤ40と同軸上に設けられ、第4プラネタリギヤ42と噛合するとともに第1及び第2の3要素2自由度歯車機構3,4を収納するケーシング6に固定された第4サンギヤ43とを備えている。
第3サンギヤ40とデファレンシャル1の入力ギヤ14は中空軸7を介して接続されており、これにより第3サンギヤ40とデファレンシャル1の入力ギヤ14とが一体に回転するようになっている。中空軸7,8の内部には、デファレンシャル1のサイドギヤ11に接続された右側ドライブシャフト21が配設されており、このドライブシャフト21は、中空軸7,8と同軸上に配設されている。
本実施例においては、第1サンギヤ30と第3サンギヤ40は同一歯数に形成されている。また、第1プラネタリギヤ31と第3プラネタリギヤ41も同一歯数に形成されている。さらに、第2サンギヤ33と第4サンギヤ43は同一歯数に形成されている。また、第2プラネタリギヤ32と第4プラネタリギヤ42も同一歯数に形成されている。
また、第1及び第3サンギヤ30,40と、第2及び第4サンギヤ33,43とでは、第1及び第3サンギヤ30,40の方の歯数が多く形成されている。さらに、第1及び第3プラネタリギヤ31,41と、第2及び第4プラネタリギヤ32,42とでは、第1及び第3プラネタリギヤ31,41の方の歯数が少なく形成されている。
本実施例に係る駆動力調整装置は上述した構成により、車両の走行状況等に応じてモータ5の作動を制御することで、左右輪の間で駆動力配分(トルク配分)の状態を適宜変更して、一方の車輪の駆動トルクを増大又は減少させることができる。
次に、本実施例に係る駆動力調整装置の作用について説明する。
図2は、第1の実施例に係る駆動力調整装置の速度線図である。
図2に示す連結要素Cの回転数NCは、下式で表すことができる。
Figure 2010210054
ここで、ΔTは左右のドライブシャフト20,21上のトルク差、Tmはモータトルク、Niはデファレンシャル1のケース15の回転数を意味する。
本実施例に係る駆動力調整装置によれば、式(47)より、連結要素Cの回転数NCは常に正の値となることから、連結要素Cはデファレンシャル1のケース15や中空軸7と常に同方向に回転することとなるため、攪拌抵抗を低減することができる。したがって、走行負荷を減少させることができる。
なお、上記特許文献1に開示される駆動力調整装置は、V/SC型の駆動力調整装置であるため、連結要素Cの回転数NCは常に負の値となることから、連結要素Cはデファレンシャル1のケース15や中空軸7と常に逆方向に回転することとなるため、攪拌抵抗が増加してしまう。したがって、走行負荷が増加してしまう。
また、本実施例に係る駆動力調整装置によれば、表5に示すように、A/SC型の駆動力調整装置の場合、モータトルクTmのシステムゲインGのとりうる範囲はG>0.5となるため、システムゲインGを1以上と設定することができる。したがって、所望する左右輪のトルク差よりも小さな最大トルクを発生できるモータ5を使用することができるため、モータ5を小型化し、駆動力調整装置を軽量化することができる。
なお、上記特許文献1に開示される駆動力調整装置は、V/SC型の駆動力調整装置であるため、モータトルクTmのシステムゲインGのとりうる範囲は0<G<0.5となる。したがって、所望する左右輪のトルク差の2倍以上の最大トルクを発生できるモータ5を使用する必要があるため、モータ5が大型化し、駆動力調整装置の重量が増大してしまう。
以下、本発明に係る駆動力調整装置の第2の実施例について説明する。
本実施例に係る駆動力調整装置は、モータ18を左右輪駆動力調整機構15の車両前後方向における側方に設置した点が第1の実施例に係る駆動力調整装置の構成と異なる。なお、これ以外の構成は第1の実施例に係る駆動力調整装置と同様である。
図3は、第2の実施例に係る駆動力調整装置のスケルトン図である。
図3に示すように、本実施例に係る駆動力調整装置は、モータ5を左右輪駆動力調整機構2の車両前後方向における側方に設置し、ロータ50の出力軸にギヤ52を設置し、このギヤ52と噛合するギヤ53を中空軸8の外周面に設置して、モータ5と左右輪駆動力調整機構2とを接続している。
本実施例に係る駆動力調整装置によれば、駆動力調整装置の車幅方向の大きさを小さくすることができるため、第1の実施例に係る駆動力調整装置のように車幅方向にモータ5を設置する余裕がない車両であっても、本実施例に係る駆動力調整装置を搭載することができる。
以下、本発明に係る駆動力調整装置の第3の実施例について説明する。
本実施例に係る駆動力調整装置は、左輪側にモータ5を設置した点が第1の実施例に係る駆動力調整装置の構成と異なる。
図4は、第3の実施例に係る駆動力調整装置のスケルトン図である。
図4に示すように、本実施例に係る駆動力調整装置は、第1の実施例に係る駆動力調整装置の構成とは逆に、左輪側にモータ5を設置する。
図5は、第3の実施例に係る駆動力調整装置の速度線図である。
本実施形態に係る駆動力調整装置の速度線図は、第1の実施例に係る駆動力調整装置の構成とは逆に、左輪側にモータ5を設置するため、図5に示す速度線図となる。これにより、本実施例に係る駆動力調整装置や、第1の実施例に係る駆動力調整装置を適宜選択することにより、車両の形状に合わせて駆動力調整装置を搭載することができる。
以下、本発明に係る駆動力調整装置の第4の実施例について説明する。
本実施例に係る駆動力調整装置は、上述した検討の結果から、システムゲインGに1よりも大きな値を取ることができ、回転数NCが一定で常に正の値を取るA/SC型を実現できる構成とした。なお、本実施例に係る駆動力調整装置は、左右輪駆動力調整機構2の構成以外については、第1の実施例に係る駆動力調整装置の構成と同様である。
図6は、第4の実施例に係る駆動力調整装置のスケルトン図である。
図6に示すように、本実施例に係る駆動力調整装置における左右輪駆動力調整機構2は、それぞれ並列に配設された第1及び第2の3要素2自由度歯車機構3,4及びモータ5から構成されており、第1及び第2の3要素2自由度歯車機構3,4及びモータ5はいずれもデファレンシャル1の回転軸(すなわち、入力ギヤ14の回転中心軸)と同軸上に配設されている。
右輪側に配設された3要素2自由度歯車機構3は、右側のドライブシャフト21に接続された第1サンギヤ200と、第1サンギヤ200の周囲に複数設けられて第1サンギヤ200と噛合する第1プラネタリギヤ201と、第1プラネタリギヤ201と一体に回転する第2プラネタリギヤ202と、第1及び第2プラネタリギヤ201,202を回転自在に軸支する第1キャリア204と、第1サンギヤ200と同軸上に設けられ、第2プラネタリギヤ202と噛合する第2サンギヤ203とを備えている。
第1キャリア204は、モータ5のロータ(回転子)50に接続される中空軸(モータ回転軸)8に一体に形成されている。また、中空軸8の内部には、右側ドライブシャフト21が同軸上に配設されている。
モータ5は、第1及び第2の3要素2自由度歯車機構3,4の車軸方向(車幅方向)に配置されており、本実施例においては、外周側にステータ(固定子)51が配置され、ステータ51の内側にロータ50が配置されている。なお、ロータ50を外周側に配設しステータ51を内側に配置する構成としてもよい。
左輪側に配設された3要素2自由度歯車機構4は、デファレンシャル1の入力ギヤ14に接続された第3サンギヤ210と、第3サンギヤ210の周囲に複数設けられ、第3サンギヤ210と噛合する第3プラネタリギヤ211と、第3プラネタリギヤ211に対し同軸上に設けられるとともに第3プラネタリギヤ211と一体に回転する第4プラネタリギヤ212と、第3及び第4プラネタリギヤ211,212を回転自在に軸支するとともに、ケーシング6と一体に形成された第2キャリア214と、第3サンギヤ210と同軸上に設けられ、第4プラネタリギヤ212と噛合する第4サンギヤ213とを備えている。
第2サンギヤ203と第4サンギヤ213は中空軸205を介して接続されており、これにより第2サンギヤ203と第4サンギヤ213とが一体に回転するようになっている。第3サンギヤ210とデファレンシャル1の入力ギヤ14は中空軸7を介して接続されており、これにより第3サンギヤ210とデファレンシャル1の入力ギヤ14とが一体に回転するようになっている。中空軸7,8,205の内部には、デファレンシャル1のサイドギヤ11に接続された右側ドライブシャフト21が配設されており、このドライブシャフト21は、中空軸7,8,205と同軸上に配設されている。
本実施例においては、第1サンギヤ200と第3サンギヤ210は同一歯数に形成されている。また、第1プラネタリギヤ201と第3プラネタリギヤ211も同一歯数に形成されている。さらに、第2サンギヤ203と第4サンギヤ213は同一歯数に形成されている。また、第2プラネタリギヤ202と第4プラネタリギヤ212も同一歯数に形成されている。
また、第1及び第3サンギヤ200,210と、第2及び第4サンギヤ203,213とでは、第1及び第3サンギヤ200,210の方の歯数が多く形成されている。さらに、第1及び第3プラネタリギヤ201,211と、第2及び第4プラネタリギヤ202,212とでは、第1及び第3プラネタリギヤ201,211の方の歯数が少なく形成されている。
すなわち、本実施例においては、第1及び第3プラネタリギヤ201,211と第1及び第3サンギヤ200,210との歯数比は、第2及び第4プラネタリギヤ202,212と第2及び第4サンギヤ203,213との歯数比よりも小さく設定されている。
本実施例に係る駆動力調整装置は上述した構成により、車両の走行状況等に応じてモータ5の作動を制御することで、左右輪の間で駆動力配分(トルク配分)の状態を適宜変更して、一方の車輪の駆動トルクを増大又は減少させることができる。そして、本実施例に係る駆動力調整装置は、第1の実施例に係る駆動力調整装置と同様の作用及び効果を奏する。
以下、本発明に係る駆動力調整装置の第5の実施例について説明する。
本実施例に係る駆動力調整装置は、上述した検討の結果から、システムゲインGに1よりも大きな値を取ることができ、回転数NCが一定で常に正の値を取るA/SC型を実現できる構成とした。なお、本実施例に係る駆動力調整装置は、左右輪駆動力調整機構2の構成以外については、第1の実施例に係る駆動力調整装置の構成と同様である。
図7は、第5の実施例に係る駆動力調整装置のスケルトン図である。
図7に示すように、本実施例に係る駆動力調整装置における左右輪駆動力調整機構2は、それぞれ並列に配設された第1及び第2の3要素2自由度歯車機構3,4及びモータ5から構成されている。
右輪側に配設された3要素2自由度歯車機構3は、右側のドライブシャフト21に接続された第1内歯ギヤ220と、第1内歯ギヤ220の内側に設けられ第1内歯ギヤ220と噛合する第1外歯ギヤ221と、第1外歯ギヤ221と中空軸224を介して接続され一体に回転する第2外歯ギヤ222と、第2外歯ギヤ222の外側に設けられ第2外歯ギヤ222と噛合する第2内歯ギヤ223とを備えている。
中空軸224の外周面には、軸受225が設置されている。軸受225の外側には、モータ5のロータ(回転子)50に接続される中空軸(モータ回転軸)8が接続されている。すなわち、中空軸224と中空軸8は、軸受225を介して接続されている。そして、中空軸8の内部には、右側ドライブシャフト21及び第1内歯ギヤ220が同軸上に配設され、第1外歯ギヤ221及び中空軸224が偏心して配設されている。
モータ5は、第1及び第2の3要素2自由度歯車機構3,4の車軸方向(車幅方向)に配置されており、本実施例においては、外周側にステータ(固定子)51が配置され、ステータ51の内側にロータ50が配置されている。なお、ロータ50を外周側に配設しステータ51を内側に配置する構成としてもよい。
左輪側に配設された3要素2自由度歯車機構4は、デファレンシャル1の入力ギヤ14に接続された第3内歯ギヤ230と、第3内歯ギヤ230の内側に設けられ、第3内歯ギヤ230と噛合する第3外歯ギヤ231と、第3外歯ギヤ231と中空軸234を介して接続され一体に回転する第4外歯ギヤ232と、第4外歯ギヤ232の外側に設けられ第4外歯ギヤ232と噛合する第4内歯ギヤ233とを備えている。
第2内歯ギヤ223と第4内歯ギヤ233は中空円筒235を介して接続されており、これにより第2内歯ギヤ223と第4内歯ギヤ233とが一体に回転するようになっている。第3内歯ギヤ230とデファレンシャル1の入力ギヤ14は中空軸7を介して接続されており、これにより第3内歯ギヤ230とデファレンシャル1の入力ギヤ14とが一体に回転するようになっている。
中空軸7,8,224,234及び中空円筒235の内部には、デファレンシャル1のサイドギヤ11に接続された右側ドライブシャフト21が配設されており、このドライブシャフト21は、中空軸7,8及び中空円筒235と同軸上に配設されている。また、中空軸224,234はドライブシャフト21に対し偏心して配設されている。
本実施例においては、第1内歯ギヤ220と第3内歯ギヤ230は同一歯数に形成されている。また、第1外歯ギヤ221と第3外歯ギヤ231も同一歯数に形成されている。さらに、第2内歯ギヤ223と第4内歯ギヤ233は同一歯数に形成されている。また、第2外歯ギヤ222と第4外歯ギヤ232も同一歯数に形成されている。
また、第1及び第3内歯ギヤ220,230と、第2及び第4内歯ギヤ223,233とでは、第1及び第3内歯ギヤ220,230の方の歯数が多く形成されている。さらに、第1及び第3外歯ギヤ221,231と、第2及び第4外歯ギヤ222,232とでは、第1及び第3外歯ギヤ221,231の方の歯数が少なく形成されている。
すなわち、本実施例においては、第1及び第3内歯ギヤ220,230と第1及び第3外歯ギヤ221,231との歯数比は、第2及び第4内歯ギヤ223,233と第2及び第4外歯ギヤ222,232との歯数比よりも小さく設定されている。
本実施例に係る駆動力調整装置は上述した構成により、車両の走行状況等に応じてモータ5の作動を制御することで、左右輪の間で駆動力配分(トルク配分)の状態を適宜変更して、一方の車輪の駆動トルクを増大又は減少させることができる。そして、本実施例に係る駆動力調整装置は、第1の実施例に係る駆動力調整装置と同様の作用及び効果を奏する。
以下、本発明に係る駆動力調整装置の第6の実施例について説明する。
本実施例に係る駆動力調整装置は、上述した検討の結果から、システムゲインGに1よりも大きな値を取ることができ、回転数NCが一定で常に正の値を取るA/SC型を実現できる構成とした。なお、本実施例に係る駆動力調整装置は、左右輪駆動力調整機構2の構成以外については、第1の実施例に係る駆動力調整装置の構成と同様である。
図8は、第6の実施例に係る駆動力調整装置のスケルトン図である。
図8に示すように、本実施例に係る駆動力調整装置における左右輪駆動力調整機構2は、それぞれ並列に配設された第1及び第2の3要素2自由度歯車機構3,4及びモータ5から構成されている。
右輪側に配設された3要素2自由度歯車機構3は、右側のドライブシャフト21に接続された第1外歯ギヤ240と、第1外歯ギヤ240の外側に設けられ第1外歯ギヤ240と噛合する第1内歯ギヤ241と、第1内歯ギヤ241と中空軸244を介して接続され一体に回転する第2外歯ギヤ242と、第2外歯ギヤ242の外側に設けられ第2外歯ギヤ242と噛合する第2内歯ギヤ243とを備えている。そして、本実施例においては、第1内歯ギヤ241は中空軸244の内周面に設けられ、第2外歯ギヤ242は中空軸244の外周面に設けられている。
中空軸244の右輪側の端部の外周面には、軸受245が設けられている。軸受245の外側には、モータ5のロータ(回転子)50に接続される中空軸(モータ回転軸)8が接続されている。すなわち、中空軸244と中空軸8は、軸受245を介して接続されている。そして、中空軸8の内部には、右側ドライブシャフト21が同軸上に配設され、中空軸244が偏心して配設されている。
モータ5は、第1及び第2の3要素2自由度歯車機構3,4の車軸方向(車幅方向)に配置されており、本実施例においては、外周側にステータ(固定子)51が配置され、ステータ51の内側にロータ50が配置されている。なお、ロータ50を外周側に配設しステータ51を内側に配置する構成としてもよい。
左輪側に配設された3要素2自由度歯車機構4は、デファレンシャル1の入力ギヤ14に接続された第3外歯ギヤ250と、第3外歯ギヤ250の外側に設けられ、第3外歯ギヤ250と噛合する第3内歯ギヤ251と、第3内歯ギヤ251と中空軸254を介して接続され一体に回転する第4外歯ギヤ252と、第4外歯ギヤ252の外側に設けられ第4外歯ギヤ252と噛合する第4内歯ギヤ253とを備えている。そして、本実施例においては、第3内歯ギヤ251は中空軸254の内周面に設けられ、第4外歯ギヤ252は中空軸254の外周面に設けられている。
第2内歯ギヤ243と第4内歯ギヤ253は中空円筒255を介して接続されており、これにより第2内歯ギヤ243と第4内歯ギヤ253とが一体に回転するようになっている。第3内歯ギヤ250とデファレンシャル1の入力ギヤ14は中空軸7を介して接続されており、これにより第3内歯ギヤ250とデファレンシャル1の入力ギヤ14とが一体に回転するようになっている。
中空軸7,8,244,254及び中空円筒255の内部には、デファレンシャル1のサイドギヤ11に接続された右側ドライブシャフト21が配設されており、このドライブシャフト21は、中空軸7,8及び中空円筒255と同軸上に配設されている。また、中空軸244,254はドライブシャフト21に対し偏心して配設されている。
本実施例においては、第1外歯ギヤ240と第3外歯ギヤ250は同一歯数に形成されている。また、第1内歯ギヤ241と第3内歯ギヤ251も同一歯数に形成されている。さらに、第2内歯ギヤ243と第4内歯ギヤ253は同一歯数に形成されている。また、第2外歯ギヤ242と第4外歯ギヤ252も同一歯数に形成されている。
また、第1及び第3外歯ギヤ240,250と、第2及び第4内歯ギヤ243,253とでは、第1及び第3外歯ギヤ240,250の方の歯数が少なく形成されている。さらに、第1及び第3内歯ギヤ241,251と、第2及び第4外歯ギヤ242,252とでは、第1及び第3内歯ギヤ241,251の方の歯数が少なく形成されている。
すなわち、本実施例においては、第1及び第3内歯ギヤ241,251と第1及び第3外歯ギヤ240,250との歯数比は、第2及び第4内歯ギヤ243,253と第2及び第4外歯ギヤ242,252との歯数比よりも大きく設定されている。
本実施例に係る駆動力調整装置は上述した構成により、車両の走行状況等に応じてモータ5の作動を制御することで、左右輪の間で駆動力配分(トルク配分)の状態を適宜変更して、一方の車輪の駆動トルクを増大又は減少させることができる。そして、本実施例に係る駆動力調整装置は、第1の実施例に係る駆動力調整装置と同様の作用及び効果を奏する。
なお、以上の本発明の実施形態の説明においては、例として、車両の左右輪の駆動力を調整する駆動力調整装置を引合に説明したが、左右輪の駆動力の調整に限ることなく、左右輪を前後輪として、車両の前後輪の駆動力を調整する駆動力調整装置とすることもできる。
また、上述した各実施例は本発明に係る駆動力調整装置の要件を満たす構成の一例について説明するものであり、これら以外の構成の3要素2自由度歯車機構であっても本発明に係る駆動力調整装置の要件を満たす構成を実現することは可能である。
以上説明したように、本発明に係る駆動力調整装置は、駆動源からの駆動力が入力されるとともに、二つの出力軸の回転数差を吸収するデファレンシャル1と、デファレンシャル1の出力軸間のトルク差を発生させるアクチュエータとして1つのモータ5と、モータ5によるトルクの付与により、デファレンシャル1の第1出力軸(第1〜4の実施例においては右輪側の出力軸)のトルクを増加又は減少させ、同じ大きさのトルクをデファレンシャル1の第2出力軸(第1〜4の実施例においては左輪側の出力軸)で減少又は増加させる第1の3要素2自由度歯車機構3と第2の3要素2自由度歯車機構4を備える2出力軸間の駆動力調整機構とを備え、直進時のモータ5の回転数は0である2出力軸間の駆動力調整装置において、デファレンシャル1のトルクが入力される回転要素と第2の3要素2自由度歯車機構4の1つの回転要素を接続した要素を入力要素Iとし、デファレンシャル1の第1出力軸の回転要素を第1出力要素R、第2出力軸の回転要素を第2出力要素Lとし、第1出力要素Rと第2出力要素Lのどちらか一方が第1の3要素2自由度歯車機構3の1つの回転要素と接続し、第1の3要素2自由度歯車機構3の1つの回転要素とモータ5とを接続した要素をモータ入力要素Mとし、第2の3要素2自由度歯車機構4の1つの回転要素とケーシング6とを接続し、回転数が0となる要素を固定要素Fとし、第1の3要素2自由度歯車機構3の1つの回転要素と第2の3要素2自由度歯車機構4の1つの回転要素とを接続した要素を連結要素Cとし、縦軸に回転数、横軸に各要素の相対的な回転数比をとったグラフ上に各要素を点として表現したときに、L−IとR−Iとの長さが等しく、かつ、L−I−R、F−I−C及びC−R−Mの順、又は、L−I−R、M−L−C及びC−I−Fの順に直線で結ばれる速度線図を実現する構成とすることにより、連結要素Cの回転数NCは常に正の値となることから、連結要素Cはデファレンシャル1のケース15や中空軸7と常に同方向に回転することとなるため、攪拌抵抗を低減することができる。したがって、走行負荷を減少させることができる。
また、本発明に係る駆動力調整装置は、A/SC型の駆動力調整装置であるため、表5に示すように、モータトルクTmのシステムゲインGのとりうる範囲はG>0.5となるため、システムゲインGを1以上と設定することができる。したがって、所望する左右輪のトルク差よりも小さな最大トルクを発生できるモータ5を使用することができるため、モータ5を小型化し、駆動力調整装置を軽量化することができる。
本発明は、例えば、車両の左右輪や前後輪の駆動力を調整する駆動力調整装置に利用することが可能である。
1 デファレンシャル
2 左右輪駆動力調整機構
3 第1の3要素2自由度歯車機構
4 第2の3要素2自由度歯車機構
5 モータ
6 ケーシング
7,8 中空軸
9 プロペラシャフト
10 左サイドギヤ
11 右サイドギヤ
12,13 デファレンシャルピニオンギヤ
14 入力ギヤ
15 ケース
20 左側ドライブシャフト
21 右側ドライブシャフト
30,200 第1サンギヤ
31,201 第1プラネタリギヤ
32,202 第2プラネタリギヤ
33,203 第2サンギヤ
34,204 第1キャリア
205 中空軸
40,210 第3サンギヤ
41,211 第3プラネタリギヤ
42,212 第4プラネタリギヤ
43,213 第4サンギヤ
44 第2キャリア
50 ロータ
51 ステータ
52,53 ギヤ
90 出力ギヤ
220,241 第1内歯ギヤ
221,240 第1外歯ギヤ
222,242 第2外歯ギヤ
223,243 第2内歯ギヤ
224,244 中空軸
225,245 軸受
230,251 第3内歯ギヤ
231,250 第3外歯ギヤ
232,252 第4外歯ギヤ
233,253 第4内歯ギヤ
234,254 中空軸
235,255 中空円筒

Claims (3)

  1. 駆動源からの駆動力が入力されるとともに、二つの出力軸の回転数差を吸収するデファレンシャルと、
    前記デファレンシャルの出力軸間のトルク差を発生させるアクチュエータとして1つのモータと、
    前記モータによるトルクの付与により、前記デファレンシャルの第1出力軸のトルクを増加又は減少させ、同じ大きさのトルクを前記デファレンシャルの第2出力軸で減少又は増加させる第1の3要素2自由度歯車機構と第2の3要素2自由度歯車機構を備える2出力軸間の駆動力調整機構とを備え、
    直進時の前記モータの回転数は0である2出力軸間の駆動力調整装置において、
    前記デファレンシャルのトルクが入力される回転要素と前記第2の3要素2自由度歯車機構の1つの回転要素を接続した要素を入力要素Iとし、
    前記デファレンシャルの第1出力軸の回転要素を第1出力要素R、第2出力軸の回転要素を第2出力要素Lとし、
    前記第1出力要素Rと前記第2出力要素Lのどちらか一方が前記第1の3要素2自由度歯車機構の1つの回転要素と接続し、
    前記第1の3要素2自由度歯車機構の1つの回転要素と前記モータとを接続した要素をモータ入力要素Mとし、
    前記第2の3要素2自由度歯車機構の1つの回転要素とケーシングとを接続し、回転数が0となる要素を固定要素Fとし、
    前記第1の3要素2自由度歯車機構の1つの回転要素と第2の3要素2自由度歯車機構の1つの回転要素とを接続した要素を連結要素Cとし、
    縦軸に回転数、横軸に各要素の相対的な回転数比をとったグラフ上に各要素を点として表現したときに、L−IとR−Iとの長さが等しく、かつ、L−I−R、F−I−C及びC−R−Mの順、又は、L−I−R、M−L−C及びC−I−Fの順に直線で結ばれる速度線図を実現する構成とする
    ことを特徴とする駆動力調整装置。
  2. 前記第1の3要素2自由度歯車機構は、
    前記デファレンシャルの一方の出力軸に接続された第1サンギヤと、
    前記第1サンギヤの周囲に設けられ該第1サンギヤに噛合する第1プラネタリギヤと、
    前記第1プラネタリギヤと同軸上に設けられるとともに該第1プラネタリギヤと一体に回転する第2プラネタリギヤと、
    前記第1プラネタリギヤ及び前記第2プラネタリギヤを回転自在に軸支する第1キャリアと、
    前記第1サンギヤと同軸上に設けられ、前記第2プラネタリギヤと噛合するとともに前記モータの回転軸に接続された第2サンギヤと
    前記第2の3要素2自由度歯車機構は、
    前記デファレンシャルのケースに接続された第3サンギヤと、
    前記第3サンギヤの周囲に設けられ該第3サンギヤに噛合する第3プラネタリギヤと、
    前記第3プラネタリギヤと同軸上に設けられ該第3プラネタリギヤと一体に回転する第4プラネタリギヤと、
    前記第3プラネタリギヤ及び前記第4プラネタリギヤを回転自在に軸支するとともに、前記第1キャリアと一体に形成された第2キャリアと、
    前記第3サンギヤと同軸上に設けられ、前記第4プラネタリギヤと噛合するとともに前記第1の3要素2自由度歯車機構を収納するケーシングに固定された第4サンギヤとを備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の駆動力調整装置。
  3. 前記第1サンギヤと前記第3サンギヤは同一歯数に形成し、前記第1プラネタリギヤと前記第3プラネタリギヤは同一歯数に形成し、前記第2サンギヤと前記第4サンギヤは同一歯数に形成し、前記第2プラネタリギヤと前記第4プラネタリギヤは同一歯数に形成し、
    前記第1サンギヤと前記第1プラネタリギヤの歯数の比を前記第2サンギヤと前記第2プラネタリギヤの歯数の比よりも小さく形成し、
    前記第3サンギヤと前記第3プラネタリギヤの歯数の比を前記第4サンギヤと前記第4プラネタリギヤの歯数の比よりも小さく形成する
    ことを特徴とする請求項2に記載の駆動力調整装置。
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