JP2001033832A - カラーフィルタ、表示素子、表示方法、および表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ、表示素子、表示方法、および表示装置

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JP2001033832A JP11204664A JP20466499A JP2001033832A JP 2001033832 A JP2001033832 A JP 2001033832A JP 11204664 A JP11204664 A JP 11204664A JP 20466499 A JP20466499 A JP 20466499A JP 2001033832 A JP2001033832 A JP 2001033832A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光の利用効率が高い、カラーフィルタおよび
表示素子を提供する。 【解決手段】 基板16と、該基板16上に、相互に異
なる有彩色を有する刺激応答性高分子ゲル12R、12
G、12Bと、刺激応答性高分子ゲル12R、12G、
12Bに接する液体22とを有するカラーフィルタ10
である。刺激応答性高分子ゲル12R、12G、12B
に刺激を与え(または刺激を与えるのを中断し)、前記
高分子ゲルを状態変化させることにより、光透過率を向
上させることができる。また、カラーフィルタ10と、
カラーフィルタ10に入射する光を調光する調光素子と
を有する表示素子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高分子ゲルの刺激応
答性を利用したカラーフィルタおよび表示素子等に関
し、デスクトップ型やノート型コンピュータ等の表示装
置、携帯機器などの表示部、その他のOA装置等の表示
部、および屋外用大面積表示板等に広く応用可能なカラ
ーフィルタおよび表示素子等に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カラー表示素子として液晶表示素
子が広く利用されている。さらに、液晶表示素子は低消
費電力で駆動できるので、近年、携帯機器等の表示部へ
の応用も盛んに検討されている。ところで、カラー液晶
表示素子には大きく分けて、透過型液晶表示素子と反射
型液晶表示素子の2種類がある。透過型液晶素子は、一
般に、一対の偏光子間にTN(Twisted Nem
atic)液晶、STN(Super Twisted
Nematic)液晶、または強誘電性液晶などを封
入した調光層と、カラーフィルタ層とから構成される。
しかし、一般的なカラーフィルタは、その光透過率が低
い(20〜30%程度)ので、その結果、液晶表示素子
の光利用効率は10%以下になる。そこで、充分な輝度
を有する画像を表示するために、通常、透過型液晶表示
素子の後ろに、冷陰極管、ELやLEDなどの高輝度の
バックライトを配置している。しかしながら、バックラ
イトは消費電力が高いので、透過型液晶素子を携帯機器
等へ応用すると、バッテリーによる駆動時間が短くなる
という問題がある。また、特に屋外などの周囲が明るい
場合には視認性が低下し、さらに、偏光板を使用するた
めに視野角が狭いという問題がある。
【0003】反射型液晶表示素子は、前記バックライト
を使用せずに、省電力化、屋外での利用、ハードコピー
のような視認性の高さを目指した反射型液晶表示素子で
ある。反射型液晶表示素子としては、使用される液晶の
種類に応じて、ECB(Electrically C
ontrol Birefringence)モード、
GH(Guest Host)モード、TNモード、S
TNモード等が知られている。TN、STNモードの反
射型液晶表示素子は、前記透過型液晶素子とほぼ同様な
構成であるが、バックライトの代わりに光反射電極を備
えている。しかし、透過型液晶と同様にカラーフィルタ
と偏光板を用いるために、一般的に反射率は10%程度
と低く、暗い表示になる。そこで、光反射電極の工夫や
マイクロレンズの利用により、特定の狭い視野角で、反
射率30%程度の明るさを得ている。しかしながら、未
だ明るさが不十分であり、視野角が極端に狭く視認性が
悪いという問題がある。
【0004】ECBモードは偏光子を用いた干渉色によ
りカラー表示を行うもので、カラーフィルタを必要とせ
ず、TNモードやSTNモードと比較して、ある程度、
表示画像の明るさを向上させることができるが、視認性
が悪いという問題は未だ解決されていない。GHモード
では、二色性色素を混合した液晶(GH液晶)を用いる
ので、偏光子やカラーフィルタが不要であり、明るく、
かつ広い視野角の表示が可能となる。しかしながら、必
要なコントラストを得るための液晶材料の設計が困難で
あり、色素の耐久性が悪く、フルカラー表示にはC(シ
アン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各色に応じ
た3つの液晶層の構成が必要となり、素子のコストが非
常に高くなる等の問題がある。
【0005】カラーフィルタを用いる表示技術において
課題とされている光利用効率の向上を目的として、カラ
ーフィルタの透過光量を可変にする技術が提案されてい
る。例えば、特開平10−48675号公報には、複数
の圧電性薄膜を積層し、外部電場により各層の厚みを変
化させることで干渉作用により反射光や透過光の波長を
変化させるものである。しかしながら、干渉作用を用い
るために視野角依存性が生じることや、波長幅が狭く光
量が少ない等の問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光の利用効
率が高いカラーフィルタ、および表示素子を提供するこ
とを目的とする。また、本発明は、透過光の色調が変化
し得るカラーフィルタを提供することを目的とする。さ
らに、本発明は、明るい画像表示が可能である表示素
子、表示方法、および表示装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
基板と、該基板上に、相互に異なる有彩色を有する第1
および第2の刺激応答性高分子ゲルと、該第1および第
2の刺激応答性高分子ゲルに接する液体とを有するカラ
ーフィルタである。
【0008】前記カラーフィルタに光を入射すると、有
彩色を有する第1および/または第2の刺激応答性高分
子ゲルによって、所定の波長の光が吸収され、種々の色
相を有する透過光が得られる。さらに、第1および/ま
たは第2の刺激応答性高分子ゲルに刺激を与え(または
刺激を与えるのを中断し)、前記高分子ゲルを状態変化
させ、光透過率を向上させた状態で光を入射することに
より、種々の色相を有する明るい透過光が得られる。
【0009】前記カラーフィルタは、前記第1の刺激応
答性高分子ゲルを有する第1の着色領域と、第2の刺激
応答性高分子ゲルを有する第2の着色領域を有する構成
としてもよい。各々の刺激応答性高分子ゲルは、各々の
着色領域において、基板表面に固定されているのが好ま
しい。前記第1および第2の刺激応答性高分子ゲルとし
て、外部刺激を供与された際に、液体を吸収または放出
して体積変化する高分子ゲルを使用するのが好ましい。
また、R(レッド)、G(グリーン)、およびB(ブル
ー)の3原色の刺激応答性高分子ゲルを有する構成にす
ると、フルカラーを表示できるので好ましい。
【0010】また、前記カラーフィルタは、前記第1お
よび第2の刺激応答性着色高分子に刺激を付与する刺激
付与手段を有する構成としてもよく、前記刺激付与手段
は基板上に形成された区画化された刺激付与層から構成
されているのが好ましい。
【0011】請求項8に記載の発明は、前記カラーフィ
ルタと、該カラーフィルタへの入射光を調光する調光素
子とを有する表示素子である。
【0012】前記表示素子では、調光素子によって、前
記カラーフィルタへの入射光が調光され、種々の色調の
色が表示される。前記カラーフィルタは、高い光透過率
を有するので、本発明の表示素子は明るい表示が可能で
ある。
【0013】前記調光素子が、基板と、該基板上に黒色
の刺激応答性高分子ゲルと、該刺激応答性高分子ゲルに
接する液体とを有する構成であるのが好ましい。前記表
示素子を、前記黒色の刺激応答性高分子ゲルに刺激を付
与する刺激付与手段を有する構成にすることができる。
前記刺激付与手段は、調光素子の基板上に形成された区
画化された刺激付与層から構成されているのが好まし
い。また、前記調光素子は、液晶調光素子であってもよ
い。
【0014】また、表示素子は、調光素子へ光を照射す
る光照射手段を有する構成とすることができる。また、
調光素子へ光を反射する光反射手段を有する構成とする
こともできる。
【0015】請求項15に記載の発明は、基板と、該基
板の一方の面側に配置された、有彩色の刺激応答性高分
子ゲルと、該刺激応答性高分子ゲルに接する液体とを有
する第1の層と、前記基板の他方の面側に配置された、
黒色の刺激応答性高分子ゲルと、該黒色の刺激応答性高
分子ゲルに接触する液体とを有する第2の層とを有し、
前記第1の層は、前記有彩色の刺激応答性高分子ゲルを
区画化された領域に配置して形成された着色領域を有
し、且つ、前記第2の層は、前記黒色の刺激応答性高分
子ゲルを区画化された領域に配置して形成された調光領
域を有する表示素子である。
【0016】前記表示素子では、第2の層の調光領域に
よって、第1の層の着色領域に入射される光が調光さ
れ、着色領域で所定の波長の光が吸収されることによっ
て、有彩色または無彩色が表示される。前記調光領域お
よび前記着色領域は、各々に固定された刺激応答性高分
子ゲルに刺激を与えることによって、光透過率が変化す
るので、種々の色調(輝度も含む。以下、本明細書にお
いて同様である。)の表示が可能となる。
【0017】請求項16に記載の発明は、前記表示素子
と、入力される画像情報に従ってカラーフィルタの光透
過率を変化させる手段と、前記画像情報に従って調光素
子の光透過率を変化させる手段とを有する表示装置であ
る。
【0018】前記表示装置は、前記表示素子を備えてい
るので、色調に富んだ画像を表示することができる。
【0019】請求項17に記載の発明は、基板と、該基
板の一方の面側に配置された、有彩色の刺激応答性高分
子ゲルと、該刺激応答性高分子ゲルに接する液体とを有
する第1の層と、前記基板の他方の面側に配置された、
黒色の刺激応答性高分子ゲルと、該黒色の刺激応答性高
分子ゲルに接触する液体とを有する第2の層とを有する
表示素子を用いる表示方法であって、前記黒色の刺激応
答性高分子ゲルに刺激を付与することによって前記第1
の層の光透過率を変化させ、および/または、前記有彩
色の刺激応答性高分子ゲルに刺激を付与することによっ
て前記第2の層の光透過率を変化させ、表示色の色調を
変化させる表示方法である。
【0020】前記表示方法は、第1の層および第2の層
の光透過率を個別に変化させることができるので、種々
の組み合わせによって、表示色の色調を種々変化させる
ことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1に本発明のカラーフィルタの
1実施形態を示す。カラーフィルタ10は、レッド
(R)の着色高分子ゲル12Rと、グリーン(G)の着
色高分子ゲル12Gと、ブルー(B)の着色高分子ゲル
12Bとが基板16の表面上の所定の位置に各々配置さ
れて形成された、セグメント化された着色領域14R、
着色領域14G、着色領域14Bを有する。基板16と
基板18間には、封止材20によって、液体22が封入
されていて、着色高分子ゲル12R、12G、12Bと
接触している。着色高分子ゲル12R、12G、12B
は、図2に示す様に、外部から加えられる刺激に応じ
て、液体22を放出して収縮状態(図2(a))に、お
よび液体20を吸収して膨潤状態(図2(b))に可逆
的に変化する刺激応答性を有する。
【0022】着色高分子ゲル12R、12G、12Bを
膨潤させた状態(図2(b)には、12Rの膨潤状態の
みを図示する。12G、12Bも同様である。)で、カ
ラーフィルタ10に光を照射すると、着色領域14R、
14G、14B(図2(b)には14Rのみを図示す
る。14G、14Bも同様である。)で特定の波長の光
が吸収され、透過光は白色を呈する。次に、刺激付与手
段(不図示)から刺激を与え(あるいは刺激を与えるの
を中断し)、着色高分子ゲル12R、12G、12Bを
収縮させた状態(図2(a))で、カラーフィルタ10
に光を照射すると、いずれの着色領域においても光はほ
とんど吸収されないので、透過光量が増大し、透過光は
明るい白色を呈する。高分子ゲル12Rのみ膨潤状態に
し、着色高分子ゲル12G、12Bを収縮状態にする
と、透過光は赤色に変化する。同様に、各々の着色高分
子ゲルに、選択的に刺激を付与することによって、着色
領域14R、着色領域14G、着色領域14Bの光透過
量を変化させ、透過光の呈する色調を種々変化させるこ
とができる。
【0023】尚、図2(a)および図2(b)において
は、着色高分子ゲルの体積変化を、収縮状態および膨潤
状態の2値で示しているが、これに限定されず、着色高
分子ゲルの体積を多段階的に変化させることも可能であ
る。着色高分子ゲルを多段階的に変化させると、階調表
現が可能となり、非常に多くの色調の色を得ることがで
きる。また、図2では、複数の刺激応答性着色高分子ゲ
ルによって、1色の着色領域を形成しているが、1つの
着色高分子ゲルによって、1つの着色領域を形成してい
てもよい。
【0024】図3に本発明のカラーフィルタの他の実施
形態を示す。図1と同様な部材には、同一の番号を付
し、詳細な説明は省略する。カラーフィルタ10’は、
刺激付与層24が表面上に形成された基板16’と、刺
激付与層26が形成された基板18’が、着色高分子ゲ
ル12R、12G、12B、および液体22を挟持して
構成されている。着色高分子ゲル12R、12G、12
Bは、各々、基板16’上に形成された刺激付与層24
上に配置され、着色領域14R、着色領域14G、着色
領域14Bを形成している。刺激付与層24、26は、
例えば電極層であり、特定の位置の刺激付与層24、2
6にのみ電圧を供与することによって、選択的に着色高
分子ゲル12R、12G、12Bに刺激を与えることが
できる。この様に、カラーフィルタ10’では、着色高
分子ゲル12R、12G、12Bに、基板16’上に形
成された刺激付与層24、および基板18’上に形成さ
れた刺激付与層26から刺激を与えることにより、簡易
な構成で、透過光の色調を種々変化させることができ
る。
【0025】本発明のカラーフィルタにおいて、刺激応
答性着色高分子ゲルは、各色毎に、特定のパターンで、
および等間隔で配置されているのが好ましい。また、前
記実施の形態では、色の三原色であるR、G、Bの着色
高分子ゲルを用い、着色領域14R、着色領域14G、
着色領域14Bを形成して、加法混色によるフルカラー
の表示を可能としたが、これに限定されず、例えば、シ
アン、マゼンタ、イエローの着色高分子ゲルを用い、各
々に対応する着色領域を形成し、減法混色によりフルカ
ラーを表示することもできる。
【0026】本発明のカラーフィルタの構成は、前記実
施の形態の構成に限定されず、他の部材を含んでいても
よい。例えば、反射型表示用のカラーフィルタとする場
合は、図4に示す様に、基板18’の表面に、反射防止
層、ノングレア層、防汚層、帯電防止層、保護層などの
層28を形成するとともに、光反射層30を有するカラ
ーフィルタ10’’の構成にするのが好ましい。また、
刺激付与層24または26が光反射層を兼用していても
よい。反射防止層を設けると表示素子表面の光反射を防
止し視認性が改善する。また、ノングレア層を設けると
映り込みを防止することができる。保護層を設けると基
板表面を外部衝撃や傷から保護することができ、また、
防汚層や帯電防止層を設けると表面の汚れを防ぐことが
できる。さらに、光の漏洩を防止するブラックマトリッ
クスを着色領域(画素)間に設けてもよい。
【0027】図5に、カラーフィルタ10’をカラー表
示素子に適用した実施形態を示す。尚、図1および図2
と同様な部材には、同一の番号を付し、詳細な説明は省
略する。カラー表示素子100はカラーフィルタ10’
と調光層40とを積層した構成である。調光層40は、
黒色の高分子ゲル42が、基板46の表面上の所定の位
置に配置されて形成された、セグメント化された調光領
域44を有する。基板46と基板16’’間には、封止
材20によって、液体22が封入されていて、高分子ゲ
ル42と接触している。高分子ゲル42は、外部から加
えられる刺激に応じて、液体22を吸収または放出し
て、膨潤または収縮する刺激応答性を有する。基板46
には、刺激付与層48が設けられている。一方、基板1
6’’の刺激付与層24が設けられた面と反対側の面に
は、刺激付与層50が形成されている。刺激付与層4
8、50は、例えば電極であり、特定の刺激付与層4
8、50間にのみ電圧を供与することによって、選択的
に高分子ゲル42に刺激を与えることができ、特定の調
光領域44の光透過率を変化させることができる。調光
領域44は、光透過方向に沿って、着色領域14R、着
色領域14G、着色領域14Bの各々と対応する位置に
配置されていて、調光領域44の光透過率を変化させる
と、対応する着色領域14R、14G、14Bのいずれ
かへの光透過量が変化する。
【0028】図6〜図16を用いて、カラー表示素子1
00の色表示機能について説明する。図6に示す様に、
調光層40の全ての高分子ゲル42(14R、14G、
14B各々の下に配置されている高分子ゲル42を、4
2R、42G、42Bとする。また、着色領域14R、
14G、14Bへの透過光を調光可能な調光領域を、各
々調光領域44R、44G、44Bとする。)を膨潤状
態とすると、調光層40への入射光は、黒色の高分子ゲ
ル42によりほとんど吸収され、カラー表示素子100
は黒色を表示する。次に、図7に示す様に、着色領域1
4Rの下層に位置する調光領域44Rの高分子ゲル42
Rにのみ刺激付与層36から刺激を与えると、高分子ゲ
ル42Rは液体22を放出して収縮する。その結果、調
光領域44Rから着色領域14Rにのみ光が透過し、カ
ラー表示素子100は赤色を表示する。図8では、高分
子ゲル42Gのみが収縮状態であるので、調光領域44
Gから着色領域14Gにのみ光が透過し、カラー表示素
子100は緑色を表示する。図9では、高分子ゲル42
Bのみが収縮状態であるので、調光領域44Bから着色
領域14Bにのみ光が透過し、カラー表示素子100は
青色を表示する。
【0029】図10では、黒色の高分子ゲル42R、4
2Gを収縮状態とすることで、調光領域44Rから着色
領域14Rへ、および調光領域44Gから着色領域14
Gへ各々光が透過し、カラー表示素子100は赤色と緑
色の混色(黄色)を表示する。同様に、図11では、カ
ラー表示素子100は赤色と青色の混色(マゼンタ)を
表示し、図12では、カラー表示素子100は緑色と青
色の混色(シアン)を表示する。図13では、高分子黒
色ゲル42R、42G、42Bは全て収縮状態になって
いるので、調光層40に入射された光のほとんどがカラ
ーフィルタ10’’へ透過し、着色領域14R、着色領
域14G、着色領域14Bで特定の波長の光が吸収さ
れ、カラー表示素子100は白色を呈する。
【0030】この様に、カラー表示素子100では、調
光層40においてセグメント化されて配置されている黒
色の高分子ゲル42に選択的に刺激を与えることで、着
色領域14R、14G、14Bへの光透過量を変化させ
ることができ、その結果、種々の色が表示される。ま
た、調光素子に偏向板等の視野角を狭める部材を用いる
必要がないので、視野角の広い表示が可能になる
【0031】さらに、カラー表示素子100は、カラー
フィルタ10’’においてセグメント化されて配置され
た着色高分子ゲル12R、12G、12Bに選択的に刺
激を与えることで、着色領域14R、14G、14Bの
光透過量を変化させることができ、その結果、輝度や色
相等の色調をさらに種々変化させることができる。例え
ば、図14では、高分子黒色ゲル42R、42G、42
Bが全て収縮状態であるとともに、着色高分子ゲル12
R、12G、12Bも全て収縮状態であるので、調光層
40およびカラーフィルタ10’’の透過光量が増大
し、カラー表示素子100は、図13の状態よりも、明
るい白を表示する。また、図15では、着色高分子ゲル
12R以外のゲルが収縮状態であるので、調光層40お
よびカラーフィルタ10’’の透過光量が増大し、カラ
ー表示素子100は、図7の状態よりも、明るく、色調
が異なる赤色を表示する。同様な方法により、カラー表
示素子100は、種々の単色および混色(図16)につ
いても、より明るく、色調が異なる色を表示することが
できる。
【0032】この様に、カラー表示素子100では、調
光層40およびカラーフィルタ10’の光透過量を変化
させることができるので、光利用効率を改善することが
でき、明るい表示が可能であるとともに、表示色の色調
に富んだ表示が可能になる。
【0033】尚、図6〜図16において、着色高分子ゲ
ル12R、12G、12B、および高分子ゲル42R、
42G、42Bの体積変化を、収縮状態および膨潤状態
の2値で示しているが、これに限定されず、高分子ゲル
の体積を多段階的に変化させることも可能である。多段
階的に変化させると、階調表現が可能となり、非常に多
くの色調の色を得ることができる。
【0034】図17には、ハーフミラーの様な半透明な
光反射層30を有するとともに、バックライト層32を
有する構成のカラー表示素子100’を示す。この様な
構成とすると、明るい状態では反射型として利用し、外
からの入射光量が低下し、暗くなった場合にバックライ
ト層32から光を供給することが可能となる。その結
果、低消費電力で、より明るい表示が可能になる。さら
に、前述の目的で、基板18の表面に、反射防止層、ノ
ングレア層、防汚層、帯電防止層、保護層などの層34
を設けることもできる。その他、駆動用回路、駆動用配
線、カラーフィルタ10’の光利用効率を高めるための
マイクロレンズ、光の漏洩を防止するブラックマトリッ
クス等の部材を含む構成であってもよい。尚、本発明の
カラー表示素子を光透過型の素子とする場合は、光反射
層30は不要になる。また、光反射型の素子とする場合
は、通常、バックライト層は不要になる。
【0035】図18に、カラーフィルタ10’をカラー
表示素子に適用した他の実施形態を示す。尚、図1、図
2、および図5と同一の部材には同一の番号を付し、詳
細な説明は省略する。カラー表示素子100’’は、カ
ラーフィルタ10’と液晶調光層40’とを積層した構
成である。液晶調光層40’は、液晶52が、基板4
6’と基板16’’’間に封入されて構成されている。
基板46’には、セグメント化された電極(不図示)が
形成され、基板16’’’の刺激付与層24が設けられ
た面と反対側の面には、電極(不図示)が形成されてい
る。特定の対向する電極間にのみ電圧を供与することに
よって、選択的に特定の着色領域14(14R、14
B、14Gを含む)に対応する位置にある液晶52のみ
を光透過方向に配向させることができる。その結果、特
定の着色領域14への光透過量が変化し、カラー表示素
子100’’は種々の色相の色を表示することができ
る。
【0036】カラー表示素子100’’は、カラーフィ
ルタ10’中の着色高分子ゲル12R、12G、12B
を収縮状態にすることで、従来のカラーフィルタを用い
た場合より、光の利用効率を高くすることができ、明る
い白色表示が可能となる。また、単色や混色を表示する
際も、残りの1または2の着色領域を形成している着色
高分子ゲルを収縮状態にすることで、単色および混色に
おいても明るい表示が可能になる。従って、従来のカラ
ーフィルタを用いた構成に比べて明るく、幅広い色調を
表示することができる。
【0037】液晶調光層40’を利用したカラー表示素
子は、図19に示すカラー表示素子100’’’の様
に、液晶調光層40’の前後に種々の機能層54(図1
9中、54a〜54eで示す)を有する構成が好まし
い。機能層54としては、例えば、配向膜、偏光子、光
学補償膜、位相差膜などが挙げられる。これらのうち、
光学補償膜と位相差膜は調光機能や色調の最適化や視野
角の拡大などの目的で形成される。図19では、機能層
54として、層54aおよび層54eに偏光膜、層54
bに光学補償膜、層54cおよび層54dに配向膜を配
置した構成を示した。さらに、カラー表示素子10
0’’’は、前述と同様の目的で、保護層34、半透明
の光反射層30、およびバックライト層32が設けられ
ている。
【0038】尚、カラー表示素子100’’’には、偏
光膜が2層設けられているが、反射型表示素子ではいず
れか一層であってもよい。GH液晶を用いた場合は偏光
膜は不要になる。また、偏光膜の配置は図19に示す位
置に限定されるわけではない。光透過型の素子とする場
合は、光反射層30は不要になる。また、光反射型の素
子とする場合は、通常、バックライト層32は不要にな
【0039】液晶調光素子としては一般的な構成のもの
を使用することができる。使用可能な液晶のタイプとし
ては、ツイステッドネマチック(TN)液晶、スーパー
ツイステッドネマチック(STN)液晶、ゲスト−ホス
ト(GH)液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ポリ
マー分散液晶などが挙げられる。これらのなかでもTN
液晶、STN液晶やGH液晶は特に好ましい。また、特
にTN液晶、STN液晶を使用し、複屈折を利用するモ
ードの表示素子では、偏光子を利用すること、また、液
晶配向膜や視野角を広げる光学補償層を形成することは
公知の技術と同様にして好ましく実施される。液晶調光
層への電界の印加においては、種々の電極層やTFT素
子、MIM素子を用いることが可能である。また、液晶
調光層の基板上に駆動用回路を設けることも公知の技術
と同様にして実施可能である。
【0040】本発明の表示素子に利用可能な調光素子と
しては、その他、エレクトロクロミック調光素子(EC
D)、電気泳動調光素子、エレクトロルミネッセンス素
子(EL)、LED、CRTなどの種々発光型調光素子
等が挙げられる。TN液晶、GH液晶、有機EL、無機
ELを利用した調光素子を用いると、明るさや消費電力
の観点で優れている。また、特に、調光素子として、黒
色の刺激応答性高分子ゲルを利用した調光素子を用いる
と、上記した様に、表示素子の光利用効率が高く、か
つ、色調を種々変化させることができ、さらに視野角の
広い表示が可能となる。
【0041】本発明の表示素子の構成は、前記実施の形
態の構成に限定されず、例えば、カラーフィルタと調光
層とが逆に積層された構成であってもよい。また、前記
実施の形態では、カラーフィルタと調光層とが1の基板
を併用しているが、個別に基板を設けた構成であっても
よい。
【0042】次に、本発明のカラーフィルタおよび表示
素子に用いる種々の部材について説明する。本発明に用
いられる刺激応答性着色高分子ゲルとは、液体に接触さ
せた状態で高分子ゲルにpH変化、イオン濃度変化、化
学物質の吸脱着量変化、光、熱、電流、電界、または磁
界などの外部刺激を与えると、高分子ゲルが状態変化
し、外部刺激を与えるのを中断すると、元の状態に戻る
ものをいう。状態変化としては、高分子ゲルが接触する
液体を吸収または放出することによって生じる可逆的体
積変化(膨潤・収縮)が好ましい。可逆的体積変化する
刺激応答性高分子ゲルを用いると、該体積変化に伴い、
高分子ゲルの光吸収面積や含有される色材の光吸収効率
が変化し、光透過率を可逆的に変化させることができ
る。
【0043】以下に、本発明に好ましく使用し得る刺激
応答性高分子ゲルの具体例を示すが、本発明に用いられ
る刺激応答性高分子ゲルは、以下の具体例に限定される
ものではない。尚、以下の記載中、“(メタ)”の如き
記載は、( )内に記載の化合物名も含むことを意味す
る。電極反応などによるpH変化に応答する刺激応答性
高分子ゲルとしては、電解質系高分子ゲルが好ましい。
具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸の架橋体やその金
属塩;(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリルアミド、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アク
リル酸アルキルエステル、ジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリルアミドなどから選択される1種以上と
の共重合体の架橋体やその4級塩や金属塩;マレイン酸
と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルな
どから選択される1種以上との共重合体の架橋体やその
金属塩;ポリビニルスルホン酸の架橋体やその金属塩;
ビニルスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルなどから選択される1種以上との共重合
体の架橋体やその金属塩;ポリビニルベンゼンスルホン
酸の架橋体やその金属塩;ビニルベンゼンスルホン酸と
(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなど
から選択される1種以上との共重合体の架橋体やその金
属塩;ポリ(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸
の架橋体やその金属塩;(メタ)アクリルアミドアルキ
ルスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルなどから選択される1種以上との共重合体の
架橋体やその金属塩;ポリジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミドの架橋体やその4級塩;ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルなどから選択される1種以上との共重合体の架橋体や
その金属塩や4級塩;ポリジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミドとポリビニルアルコールとの複合体
の架橋体やその4級塩;ポリビニルアルコールとポリ
(メタ)アクリル酸との複合体の架橋体やその金属塩;
カルボキシアルキルセルロース金属塩の架橋体;ポリ
(メタ)アクリロニトリルの架橋体の部分加水分解物や
その金属塩;等が挙げられる。
【0044】中でも、ポリ(メタ)アクリル酸架橋体や
その金属塩;(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリルア
ミドの共重合体の架橋体やその金属塩;マレイン酸と
(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリル酸とジアルキルアミノア
ルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルなどから選択される1種以上との共重合
体の架橋体やその4級塩や金属塩;ポリビニルアルコー
ルとポリ(メタ)アクリル酸との複合体の架橋体やその
金属塩;が好ましい。
【0045】電界による界面活性剤などの化学物質の吸
脱着量の変化に応答する刺激応答性高分子ゲルとして
は、強イオン性高分子ゲルが好ましい。具体的には、ポ
リビニルスルホン酸の架橋体やその金属塩;ビニルスル
ホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルなどから選択される1種以上との共重合体の架橋
体やその金属塩;ポリビニルベンゼンスルホン酸の架橋
体やその金属塩;ビニルベンゼンスルホン酸と(メタ)
アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどから選択
される1種以上との共重合体の架橋体やその金属塩;ポ
リ(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸の架橋体
やその金属塩;(メタ)アクリルアミドアルキルスルホ
ン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルなどから選択される1種以上との共重合体の架橋体や
その金属塩;等が挙げられる。中でも、ポリビニルスル
ホン酸の架橋体やその金属塩、ポリビニルベンゼンスル
ホン酸の架橋体やその金属塩、ポリ(メタ)アクリルア
ミドアルキルスルホン酸の架橋体やその金属塩が好まし
い。これらの高分子ゲルを、n−ドデシルピリジニウム
クロライドなどのアルキルピリジニウム塩、アルキルア
ンモニウム塩、フェニルアンモニウム塩、テトラフェニ
ルホスフォニウムクロライドなどのホスホニウム塩等の
カチオン性界面活性剤と組み合わせ、該カチオン性界面
活性剤の高分子ゲルに対する吸脱着量を変化させること
で、前記高分子ゲルを体積変化させることができる。
【0046】電気的酸化・還元に応答する刺激応答性高
分子ゲルとしては、カチオン性高分子ゲルと電子受容性
化合物とのCT錯体(電荷移動錯体)が好ましい。具体
的には、ポリジメチルアミノプロピル(メタ)アクリル
アミドなどポリ[N−アルキル置換アミノアルキル(メ
タ)アクリルアミド]の架橋体;ポリジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ポリジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレートなどのポリ(メタ)アクリル酸N
−アルキル置換アルキルエステルの架橋体;ポリスチレ
ンの架橋体;ポリビニルピリジンの架橋体;ポリビニル
カルバゾールの架橋体;ポリジメチルアミノスチレンの
架橋体等が挙げられる。中でも、N−アルキル置換アル
キル(メタ)アクリルアミドの架橋体が好ましい。これ
らの高分子ゲルと、ベンゾキノン、7,7,8,8−テ
トラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラシアノエ
チレン、クロラニル、トリニトロベンゼン、無水マレイ
ン酸やヨウ素などの電子受容性化合物とを組み合わせる
ことで、電気的酸化・還元に応じて体積変化が可能とな
る。
【0047】熱に応答する刺激応答性高分子ゲルとして
は、LCST(下限臨界共融温度)を有する高分子の架
橋体、および互いに水素結合する2成分の高分子ゲルの
IPN体(相互侵入網目構造体)や凝集性の側鎖をもつ
イオン性ゲル等が好ましい。通常、LCSTゲルは高温
において収縮し、一方、後者のIPN体やイオン性ゲル
は高温で膨潤する特性を有する。前者の具体的な化合物
としては、ポリN−イソプロピルアクリルアミドなどの
ポリ[N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド]の架
橋体;N−アルキル置換(メタ)アクリルアミドと(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルなどから選択される1種以上
との共重合体の架橋体やその金属塩;ポリビニルメチル
エーテルの架橋体;メチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロースなどのアルキル置換
セルロース誘導体の架橋体;等が挙げられる。一方、後
者の化合物としては、ポリ(メタ)アクリルアミドの架
橋体とポリ(メタ)アクリル酸との架橋体からなるIP
N体およびその部分的中和体(アクリル酸単位を部分的
に金属塩化したもの);長鎖アルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重
合体の架橋体やその金属塩;芳香族系モノマと(メタ)
アクリル酸との共重合体の架橋体やその金属塩;等が挙
げられる。中でも、ポリ[N−アルキル置換(メタ)ア
クリルアミド]の架橋体;ポリ(メタ)アクリルアミド
の架橋体とポリ(メタ)アクリル酸の架橋体とのIPN
体およびその部分中和体;長鎖アルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重
合体の架橋体やその金属塩;芳香族系モノマと(メタ)
アクリル酸との共重合体の架橋体やその金属塩;等が好
ましい。
【0048】光に応答する刺激応答性高分子ゲルとして
は、トリアリールメタン誘導体やスピロベンゾピラン誘
導体等の光によってイオン解離する基を有する親水性高
分子化合物の架橋体が好ましい。具体的には、ビニル置
換トリアリールメタンロイコ誘導体とアクリルアミドと
の共重合体の架橋体等が挙げられる。中でも、ビニル置
換トリアリールメタンロイコ誘導体とアクリルアミドと
の共重合体の架橋体が好ましい。
【0049】磁気に応答する刺激応答性高分子ゲルとし
ては、強磁性体粒子や磁性流体等を含有するポリビニル
アルコールの架橋体等が挙げられる。
【0050】刺激応答性高分子ゲルの刺激による体積変
化量は大きいことが好ましく、膨潤時および収縮時の体
積比が5以上であるのが好ましく、10以上であるのが
より好ましく、15以上であるのがさらに好ましい。
【0051】刺激応答性高分子ゲルは、球体、立方体、
楕円体、多面体、多孔質体、繊維状、星状、針状、中空
状等、種々の形状のものを利用することができる。刺激
応答性高分子ゲル粒子の大きさは、その液体を含まない
状態において平均粒径で0.1μm〜1mmであるのが
好ましく、1μm〜500μmであるのがより好まし
い。粒径が0.1μm以下であると、粒子のハンドリン
グが困難になる、優れた光学特性が得られない等の問題
を生じる。一方、粒径が500μmを超えると、体積変
化に要する応答速度が遅くなる等の問題を生じる。
【0052】本発明のカラーフィルタに利用される刺激
応答性着色高分子ゲルは、特定濃度以上の色材(有彩
色)を含有する。また、調光素子に利用される黒色の刺
激応答性高分子ゲルは、特定濃度以上の黒色の色材を含
有する。刺激応答性高分子ゲルに含有される色材として
は、染料や無機系顔料、有機系顔料などが好ましい。ま
た、前記色材は、刺激応答性高分子ゲルに、物理的ある
いは化学的に固定されているのが好ましい。尚、顔料及
び染料等の色材は、単独で使用してもよく、所望とする
色を得るために混合して使用してもよい。
【0053】前記染料の好適な具体例としては、例え
ば、黒色のニグロシン系染料、赤、緑、青、シアン、マ
ゼンタ、イエローなどのカラー染料であるアゾ染料、ア
ントラキノン系染料、インジゴ系染料、フタロシアニン
系染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン
染料、キノリン染料、ニトロ染料、ベンゾキノン染料、
ナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、ベリノン染料
などが挙げられ、特に光吸収係数が高いものが望まし
い。例えば、C.I.ダイレクトイエロー1、8、1
1、12、24、26、27、28、33、39、4
4、50、58、85、86、87、88、89、9
8、157、C.I.アシッドイエロー1、3、7、1
1、17、19、23、25、29、38、44、7
9、127、144、245、C.I.ベイシックイエ
ロー1、2、11、34、C.I.フードイエロー4、
C.I.リアクティブイエロー37、C.I.ソルベン
トイエロー6、9、17、31、35、100、10
2、103、105、C.I.ダイレクトレッド1、
2、4、9、11、13、17、20、23、24、2
8、31、33、37、39、44、46、62、6
3、75、79、80、81、83、84、89、9
5、99、113、197、201、218、220、
224、225、226、227、228、229、2
30、231、
【0054】C.I.アシッドレッド1、6、8、9、
13、14、18、26、27、35、37、42、5
2、82、85、87、89、92、97、106、1
11、114、115、118、134、158、18
6、249、254、289、C.I.ベイシックレッ
ド1、2、9、12、14、17、18、37、C.
I.フードレッド14、C.I.リアクティブレッド2
3、180、C.I.ソルベントレッド5、16、1
7、18、19、22、23、143、145、14
6、149、150、151、157、158、C.
I.ダイレクトブルー1、2、6、15、22、25、
41、71、76、78、86、87、90、98、1
63、165、199、202、C.I.アシッドブル
ー1、7、9、22、23、25、29、40、41、
43、45、78、80、82、92、93、127、
249、C.I.ベイシックブルー1、3、5、7、
9、22、24、25、26、28、29、C.I.フ
ードブルー2、C.I.ソルベントブルー22、63、
78、83〜86、191、194、195、104、
【0055】C.I.ダイレクトブラック2、7、1
9、22、24、32、38、51、56、63、7
1、74、75、77、108、154、168、17
1、C.I.アシッドブラック1、2、7、24、2
6、29、31、44、48、50、52、94、C.
I.ベイシックブラック2、8、C.I.フードブラッ
ク1、2、C.I.リアクティブブラック31、C.
I.フードバイオレット2、C.I.ソルベントバイオ
レット31、33、37、C.I.ソルベントグリーン
24、25、C.I.ソルベントブラウン3、9等が挙
げられる。
【0056】不飽和二重結合基などの重合可能な基を有
した構造の染料や、前記高分子ゲルと反応可能ないわゆ
る反応性染料等を使用すると、染料を前記高分子ゲルに
化学的に固定化することができるので好ましい。また、
色材として染料を用いる場合、前記高分子ゲル中に含有
させる染料の濃度は、3重量%〜50重量%であるのが
好ましく、5重量%〜30重量%であるのがより好まし
い。また、染料濃度は少なくとも前記高分子ゲルの乾燥
あるいは収縮状態において、飽和吸収濃度以上であるこ
とが望ましい。ここで、飽和吸収濃度以上とは、特定の
光路長のもとにおける染料濃度と光学濃度(あるいは光
吸収量)の関係が一次直線の関係から大きく乖離するよ
うな高い染料濃度の領域をいう。
【0057】一方、前記顔料の具体例としては、黒色顔
料であるブロンズ粉、各種カーボンブラック(チャネル
ブラック、ファーネスブラック等)、白色顔料である酸
化チタンなどの金属酸化物や、カラー顔料である例え
ば、フタロシアニン系のシアン顔料、ベンジジン系のイ
エロー顔料、ローダミン系のマゼンタ顔料、あるいはこ
の他にもアントラキノン系、アゾ系、アゾ金属錯体、フ
タロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、インジ
ゴ系、イソインドリノン系、キナクリドン系、アリルア
ミド系などの各種顔料を挙げることができる。イエロー
系顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化
合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化
合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いら
れる。より詳細には、C.I.ピグメントイエロー1
2、13、14、15、17、62、74、83、9
3、94、95、109、110、111、128、1
29、147、168等が好適に用いられる。
【0058】また、マゼンタ系顔料としては、縮合アゾ
化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノ
ン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフ
トール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジ
ゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。より詳細に
は、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、2
3、48;2、48;3、48;4、57;1、81;
1、144、146、166、169、177、18
4、185、202、206、220、221、254
が特に好ましい。シアン系顔料としては、銅フタロシア
ニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩
基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.
I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:
2、15;3、15:4、60、62、66等が特に好
適に利用できる。
【0059】色材として使用する顔料の粒径は、1次粒
子の平均粒径で0.001μm〜1μmであるのが好ま
しく、0.01μm〜0.5μmであるのが特に好まし
い。顔料の粒径が0.01μm以下であると、前記高分
子ゲルからの流出が起こり易く、一方、0.5μmを超
えると、発色特性が低下する傾向がある。
【0060】色材として顔料を用いる場合、顔料は、高
分子ゲル中に、染料と同様、飽和吸収濃度以上で含有さ
れるのが好ましい。ここで、飽和吸収濃度以上とは、特
定の光路長のもとにおける顔料濃度と光学濃度(あるい
は光吸収量)の関係が一次直線の関係から大きく乖離す
るような高い顔料濃度の領域を示す。前記飽和吸収濃度
以上にするのに必要な含有量は、使用する顔料の光吸収
係数によって異なるが、一般的には、前記高分子ゲル中
における顔料濃度は、3重量%〜90重量%であるのが
好ましく、5重量%〜80重量%であるのがより好まし
い。顔料の濃度が3重量%以下であると、飽和吸収濃度
以上とならず発色材料の体積変化による色濃度変化が現
れ難くなる。カラーフィルタ層の厚みを厚くすることに
より、高コントラスト化することができるが、それによ
って応答速度が低下する等の問題が生じる。一方、顔料
の濃度が90重量%を超えると、高分子ゲルの刺激応答
特性や体積変化量が低下する傾向がある。
【0061】色材の前記高分子ゲルからの流出を防止す
るには、前記高分子ゲルの架橋密度を最適化して、色材
を高分子網目中に物理的に閉じ込める、高分子ゲルとの
電気的、イオン的、その他物理的な相互作用が高い色材
を用いる、表面を化学修飾した色材を用いるのが効果的
である。表面を化学修飾した色材としては、例えば、表
面にビニル基などの不飽和基や、不対電子(ラジカル)
等の高分子ゲルと化学結合する基を導入した顔料や、高
分子材料をグラフトした顔料等が挙げられる。
【0062】前記高分子ゲルは、物理的粉砕法によって
粉砕する方法、架橋前の高分子を物理的粉砕法や化学的
粉砕法によって粒子化した後に架橋してゲルとする方
法、あるいは乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法など
の粒子化重合法等の一般的な方法によって製造すること
ができる。高分子ゲル中に、前記色材を含有させる方法
としては、架橋構造を形成する前の高分子に、色材を均
一に分散混合し、その後、該高分子を架橋して色材を含
有する高分子ゲルを得る方法や、重合時に高分子前駆体
モノマ組成物に色材を添加しておき、その後、重合して
色材を含有する高分子ゲルを得る方法が好ましい。重合
時において色材を添加する場合には、重合性基や不対電
子(ラジカル)を有する色材を使用し、高分子と化学結
合させるのも好ましい。また、色材は、高分子ゲル中に
均一に分散されているのが好ましく、特に、高分子へ色
材を分散する場合は、機械的混練法、攪拌法、あるいは
分散剤などを利用して均一に分散させることが望まし
い。
【0063】前記高分子ゲルを多孔質化すると、高分子
ゲルへの液体の吸収および高分子ゲルからの液体の放出
を促進することができ、応答速度が向上するので好まし
い。多孔質化の方法としては、例えば、顔料を含有する
高分子ゲルに、液体を吸収させ膨潤状態とし、これを凍
結乾燥する方法が挙げられる。
【0064】さらに、前記高分子ゲル粒子の表面には、
光散乱部材を固定化してもよい。光散乱部材を表面に固
定化すると、よりコントラストの高い色表示が可能なカ
ラーフィルタおよび表示素子を提供することができる。
光散乱部材を表面に固定化した刺激応答性高分子ゲルと
しては、特願平10−190409号明細書に詳細が記
載されている。
【0065】前記高分子ゲルに接触して配置される液体
は、前記高分子ゲルに吸収されることによって前記高分
子ゲルを膨潤させるとともに、前記高分子ゲルから放出
されることによって、前記高分子ゲルを収縮させる機能
を有する液体であるのが好ましい。具体的には、水、電
解質水溶液、メチルアルコール、エチルアルコール、プ
ロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール
類、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、エ
ーテル類、エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホオキシド、アセトニト
リル、プロピレンカーボネートや脂肪族や芳香族系有機
溶媒などやそれらの混合物が使用できる。また、液体に
は高分子ゲルに吸脱する界面活性剤、溶液のpH変化を
促進するためのビオロゲン誘導体などの酸化還元剤、
酸、アルカリ、塩、および分散安定剤、酸化防止や紫外
線吸収などの安定剤などを添加してもよい。
【0066】前記高分子ゲルと液体との混合比は、重量
比で1:2000〜1:1(高分子ゲル:液体)である
のが好ましい。
【0067】また、前記高分子ゲルと前記液体とをマイ
クロカプセルに内包させて使用することも、利用範囲の
拡大や特性の向上の観点から好ましい。
【0068】本発明のカラーフィルタ、および表示素子
の基板としては、ポリエステル、ポリイミド、ポリメタ
クリル酸メチル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリカーボネート、セルロース誘導体などの高分
子フイルムや板状基板、ガラス基板、金属基板、セラミ
ック基板などを使用することができる。尚、素子構成に
もよるが、基板は光学的に透明であるのが好ましく、特
に、透過型表示素子の場合は基板の全てが透明であるの
が好ましい。基板の厚みについては、特に限定はない
が、一般的には、20μm〜2cmであるのが好まし
い。
【0069】本発明において、カラーフィルタ、または
表示素子(黒色高分子ゲルを利用した調光素子を備えた
構成)が、内部に刺激応答性高分子ゲルに刺激を付与す
る刺激付与手段を備えていると、構成が簡易になるので
好ましい。刺激付与手段は、前記高分子ゲルに刺激を与
え、その体積を可逆的に変化させる機能を有する。特
に、前記高分子ゲルに与える刺激が、電気的、熱的、光
学的刺激であると、刺激付与の制御が容易になるので好
ましい。
【0070】電気的な刺激では、電界応答、酸化・還元
反応、化学物質の泳動による吸脱着、液体のpH変化に
より刺激応答性高分子ゲル粒子が応答する。電気的刺激
を前記高分子ゲルに与える刺激付与手段としては、銅、
アルミニウム、銀、プラチナ等に代表される金属層、酸
化錫−酸化インジウム(ITO)層に代表される金属酸
化物層、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアニ
リン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアセン類、ポ
リアセチレン類などに代表される導電性高分子層、高分
子と前述の金属や金属酸化物の粒子との複合材料層など
の電極層を、上下の基板面に設け、該電極層間に画像信
号に応じて電圧を供与する構成が好ましい。また、前記
電極層とTFT(薄膜トランジスタ)素子やMIM(M
etal/Insulator/Metal)素子など
のスイッチング素子を組み合わせることも、電極層に結
合した配線を設けることも好ましく実施される。尚、液
晶調光素子を用いる場合は、刺激付与手段と同様な、液
晶調光素子を駆動するための電極層が必要となり、該電
極層の材質としては、前記と同様な材質が挙げられる。
【0071】刺激付与手段を構成している電極層はセグ
メント化され、且つ、セグメント化された電極層に対応
して、着色領域または調光領域が形成されているのが好
ましい。この様な構成にすることにより、任意の着色領
域(画素)および任意の調光領域に選択的且つ個別に刺
激を付与することができるので好ましい。セグメント化
された電極層の好ましい面積および形状は、用途や所望
の解像度により異なるが、一般的なPCなどの小型ディ
スプレイ用途では、一辺が50μmから500μmの四
角形や、幅が50μmから500μmのストライプであ
るのが好ましい。また、大面積ディスプレイ用途では、
さらに大きなセグメントであっても構わない。基板上に
形成される電極層の厚みは、一般に1nmから50μm
であるのが好ましい。
【0072】熱的刺激を前記高分子ゲルに与える刺激付
与手段としては、Ni−Cr化合物などに代表される金
属層、酸化タンタルやITOなどの金属酸化物層、カー
ボン層などに代表されるの発熱抵抗体層を、上下の基板
面に設け、該発熱抵抗体層を前記電極材料等を用いて配
線し、画像信号に応じて前記発熱抵抗体層に電圧を供与
する構成が好ましい。また、発熱抵抗体層は着色領域お
よび調光領域に対応してセグメント化されているのが、
前記電極層と同様に好ましい。
【0073】光学的刺激を前記高分子ゲルに与える刺激
付与手段としては、レーザー、LED、ELなどの発光
素子層を用いることが好ましい。なお、光刺激を与える
場合は、表示素子内部(カラーフィルタおよび調光素子
内部を含む)に発光層を形成してもよいが、素子の外部
に発光駆動素子や装置を設けることも好ましい。発光層
を設ける場合は、着色領域および調光領域に対応してセ
グメント化されているのが、前記電極層と同様に好まし
い。
【0074】その他、刺激付与手段は、磁界や電磁波を
高分子ゲルに与える層を基板上に形成することによって
構成してもよい。
【0075】本発明のカラーフィルタおよび表示素子を
反射型表示素子に適用する場合は、光反射手段を設ける
のが好ましい。光反射手段としては、アルミニウム、ク
ロム、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、ニッケル、
金、銀、プラチナなどの種々の金属膜や、酸化金属ある
いはこれらの混合物の膜などを使用することができる。
また、光反射手段は前記刺激付与手段を構成する電極
層、発熱抵抗体層、発光層などと併用してもよい。尚、
光反射手段は、カラーフィルタや調光素子の基板上に直
接形成されていても、個別に設けられていてもよい。
【0076】本発明のカラーフィルタおよび表示素子を
透過型表示素子に適用する場合は、バックライトを設け
るのが好ましい。バックライトは、冷陰極管、蛍光管、
LED、EL等、およびそれらと導光体や光拡散体とを
組み合わせた素子等、液晶表示素子に使用されているも
のを広く利用することができる。
【0077】尚、前記反射防止や帯電防止、ブラックマ
トリックス等、その他の部材については詳細な説明を省
略するが、公知の技術と同様な種々の材料を用いること
ができる。
【0078】次に、本発明のカラーフィルタおよび表示
素子の作製例を示す。カラーフィルタの作製例として、
電気刺激応答性着色高分子ゲル(R、G、Bの3色)を
用い、刺激付与手段として電極層を有する基板を用いた
場合の作製例を示す。まず、基板の面上に電極層をエッ
チング処理等により形成する。例えば、セグメント駆動
させる場合は特定の電極セグメントを、パッシブ駆動さ
せる場合はストライプ電極を、またTFT等のアクティ
ブ駆動させる場合は、少なくとも一方の基板上に、TF
T素子とセグメント電極を形成する。
【0079】次に、R、G、Bの着色高分子ゲルを、各
々所定の位置に配置し、着色領域R、G、Bを形成す
る。前記着色高分子ゲルを所定の位置に配置する方法と
しては、例えば、前記着色高分子ゲルを基板上あるいは
電極上に固定する方法が挙げられる。特に、着色高分子
ゲルを前記の様にして形成した電極上に固定すると、着
色高分子ゲルに、選択的に電気的刺激を与えることがで
きるので好ましい。例えば、ゲル粒子を用いてこれを基
板や電極上に固定する方法としては、種々の2官能性化
合物や接着剤を利用する化学的な方法により、あるいは
物理的な方法により行うことができる。化学的な方法と
しては、例えば、反応性シランカップリング剤を用いて
基板や電極上をあらかじめ処理して官能基を導入し、こ
れと前記ゲル粒子の官能基とを反応させることにより、
共有結合させてゲル粒子を基板上等に固定する方法が挙
げられる。その他にも、種々の多官能性化合物や接着剤
によりゲル粒子を固定する方法が挙げられる。また、物
理的方法としては、基板や電極表面を立体的に加工し
て、ゲル粒子を基板上等に形成された凹部等に固定化す
る方法や、セル構造の特定の区画にゲルを閉じ込める方
法が挙げられる。また、基板等の表面を立体的に加工
し、凸部を形成して、該凸部にゲル粒子を結合させた
り、長鎖化合物(スペーサ)や高分子繊維、金属繊維等
を介してゲル粒子を基板上等に固定すると、ゲル粒子と
基板等との間にある程度の空間を設けることができ、ゲ
ル粒子の刺激応答特性を低下させることなく、ゲル粒子
を所定の位置に固定することができるので好ましい。さ
らには、ゲル粒子および液体をマイクロカプセル等に内
包させ、該マイクロカプセルを固定化することも好まし
く実施される。
【0080】R、G、Bの刺激応答性高分子ゲル粒子
を、各々、基板上等の異なった位置に結合(固定化)さ
せ、着色領域を形成するには、例えば、各々のゲル粒子
を含む組成物を印刷等で基板上の所望の位置に塗布し反
応させる方法、およびマスキング法などにより各色を逐
次形成し結合させる方法等が利用できる。各色の画素の
配置は様々なものが適用できるが、一般的には各色が特
定の規則性をもって配置されることが望ましい。例え
ば、ストライプ状に特定の色を配置する構成などが挙げ
られる。図20に、基板の面上に形成されたセグメント
電極層24上に、等しい面積の着色領域14R、着色領
域14G、および着色領域14Bを等間隔で配置したカ
ラーフィルタの平面図を示す。着色領域14R、着色領
域14G、および着色領域14Bを図20に示す配置と
すれば、着色領域はカラーフィルタおよび表示素子にお
いて画素になり得る。
【0081】着色領域(画素)を構成している着色高分
子ゲル粒子は、1個であっても多数個あってもよい。着
色高分子ゲル粒子の応答性は、その粒子径が小さいほど
優れているので、複数個の小粒子径の着色高分子ゲルに
より、画素を形成するのが好ましい。また、着色高分子
ゲル粒子が膨潤した場合、粒子間に隙間が少ないのが好
ましい。また、着色高分子ゲル粒子は1粒子層として、
基板上等に固定されているのが、高い調光機能を得る点
で好ましい。
【0082】次に、表面にゲル粒子を固定化した基板
を、他の基板と特定の間隔を設けて対向させ、張り合わ
せる。対向する一対の基板の間隔は、1μm〜5mmで
あるのが好ましい。特に小型表示素子では、前記間隔が
10μm〜200μmであるのが好ましい。間隔が1μ
m未満であると、発色濃度が低くなり所望のコントラス
トを得ることができず、5mmを超えると素子が重くな
り実用上問題となる場合がある。一対の基板の間隔を所
定の大きさにするためには、種々の大きさのスペーサ粒
子を基板間に散布する方法や、フィルムスペーサーを用
いる方法、基板等上に形成された立体的な構造体等を利
用する方法が好ましく実施される。また、スペーサがゲ
ル粒子を区画化するセル構造になっていてもよい。さら
に、このスペーサがブラックマトリックスを兼ねていて
もよい。
【0083】2枚の基板を張り合わせる場合、特定の開
口部を除き周囲を接着剤、紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂
で封止することが好ましい。
【0084】次に、前記開口部から減圧注入法等で液体
を基板間に注入し、その後、開口部を封止し、カラーフ
ィルタを得る。
【0085】黒色の刺激応答性高分子ゲルを利用した調
光素子も、前記カラーフィルタの作製法と同様なプロセ
スで作製することができる。カラーフィルタと調光素子
は積層されるので、基板を共用することができる。基板
を共用する構成とする場合は、共用される基板には、双
方の面上に電極層等の刺激付与層が設けられているのが
好ましい。また、調光素子の黒色の高分子ゲルから形成
される調光領域は、カラーフィルタの各画素と対応した
大きさや位置で配置されている、もしくは個々の画素に
対応して調光可能に構成されているのが好ましい。
【0086】液晶調光素子を利用したカラー表示素子を
作製する場合は、前記の様にして作製したカラーフィル
タと、液晶調光素子とを積層する。この構成において
も、カラーフィルタと液晶調光素子は基板を共用するこ
とが可能である。液晶調光素子は、一対の刺激付与手段
を設けた基板間に液晶を注入するという一般的な方法で
作製できる。具体例として、TN液晶やSTN液晶を用
いた液晶調光素子の作製例を以下に説明する。まず、電
極付き基板上に配向膜を形成し、これを所望の方向にラ
ビング処理する。基板上に所望の大きさのスペーサーを
散布した後、一対の基板を張り合わせ、一部に液晶の注
入口を残して、周囲を樹脂等で封止する。その後、減圧
注入法により液晶を注入した後、開口部を封止すること
で液晶セルが得られる。さらに、反射型表示では少なく
とも1つ、透過型表示では一対の偏光板を液晶層に隣接
して形成する。また、種々の光学補償板や位相差板を形
成することも好ましく実施される。
【0087】この他にも、GH液晶表示を用いることも
好ましく、その場合は偏光板が不要になる。液晶調光層
の厚みや材料は、公知技術と同様な一般的な範囲で選択
することが可能である。
【0088】本発明の表示装置は、本発明のカラーフィ
ルタと、該カラーフィルタへの入射光を調光する調光素
子と、入力される画像情報に従ってカラーフィルタの光
透過率を変化させる第1の手段と、前記画像情報に従っ
て調光素子の光透過率を変化させる第2の手段とを有す
る表示装置である。第1の手段は、入力される画像信号
に応じて、カラーフィルタの内部または外部に設けられ
ている刺激付与手段(刺激応答性着色高分子ゲルに刺激
を付与する手段)を制御し、選択的に刺激応答性着色高
分子ゲルに刺激を付与し、カラーフィルタの光透過率を
変化させる機能を有する。例えば、前記刺激付与手段
が、基板上にセグメント化された電極層から構成されて
いる場合は、電極層への通電を画像信号に応じて制御す
る機能を有する。一方、第2の手段は、入力される画像
信号に応じて、調光素子を駆動させ、調光素子の光透過
率を変化させる機能を有する。前記調光素子が黒色の刺
激応答性高分子ゲルを利用した態様である場合は、表示
素子の内部または外部に設けられている刺激付与手段
(黒色の刺激応答性高分子ゲルに刺激を付与するための
手段)を制御し、選択的に刺激応答性着色高分子ゲルに
刺激を付与し、カラーフィルタの光透過率を変化させる
機能を有する。例えば、前記刺激付与手段が、調光層の
基板上にセグメント化された電極層から構成されている
場合は、画像信号に応じて電極層への通電を制御する機
能を有する。
【0089】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲は、以下の実施例によって制限される
ものではない。
【0090】・刺激応答性高分子ゲル粒子の作製例1 以下の様にして、pH応答性の高分子ゲル粒子(黒色、
R、G、B)を作製した。1次粒径約0.1μmのカー
ボンブラック(昭和キャボット社製、「ショウブラッ
ク」:以下カーボンブラックのことを「CB」と略す)
10gを、界面活性剤の「エマルゲン909」(花王
製)0.3gを添加した蒸留水50mlに混合し、超音
波分散装置を用いてCBを均一に分散させた溶液を調製
した。次に、モノマーとしてアクリル酸10g、架橋剤
としてメチレンビスアクリルアミド0.02gを蒸留水
20mlに溶解し、これに水酸化ナトリウム6gを混合
してアクリル酸を中和したモノマ水溶液を調製した。こ
の水溶液を先に調製したCB分散溶液と混合し、これを
フラスコ中に入れ、脱気、窒素置換した。
【0091】このモノマ混合物に、重合開始剤として過
硫酸アンモニウム0.2gを添加し、分散媒であるシク
ロヘキサン200mlに投入し、これを窒素パージした
容器内に加え、ホモジナイザーで高速攪拌して乳化し
た。さらに、重合促進剤としてテトラエチルエチレンジ
アミン0.1mlを添加し、30℃で5時間重合を行っ
た。重合により生成した黒色粒子を大量の蒸留水中に投
入し、これをろ過する操作を繰り返すことで精製を行な
った。その後、大量のメタノールを用いて脱水し、乾燥
させた。得られた高分子ゲルの粗粒子を、分級すること
で、乾燥時の平均粒径が10μmの黒色高分子ゲル粒子
を得た。この黒色高分子ゲル粒子の0.01N水酸化ナ
トリウム水溶液における吸水量は約150g/gであっ
た。また、この黒色高分子ゲル粒子はpHを変化させる
ことにより可逆的に膨潤・収縮させることができ、pH
3.0(収縮)からpH12(膨潤)の間で粒子径は約
3倍、体積で約30倍程度の変化を可逆的に起こす特性
を示した。
【0092】前記黒色の高分子ゲル粒子の作製におい
て、用いたCBを、レッド(R)、グリーン(G)、ブ
ルー(B)の顔料(大日本精化製)に各々代えて、同様
な方法で、R、G、Bの3色の高分子着色ゲルを各々得
た。得られた着色高分子ゲル粒子の物性は、前記黒色の
高分子ゲル粒子とほぼ同一であった。
【0093】・刺激応答性高分子ゲル粒子の作製例2 以下の様にして、感熱応答性の高分子ゲル粒子(黒色、
R、G、B)を作製した。N−イソプロピルアクリルア
ミド9.8g、アクリル酸ナトリウム0.2g、メチレ
ンビスアクリルアミド0.05gを蒸留水50mlに溶
解し、これに1次粒径約0.1μmの水分散CB溶液
(固形分15%、昭和キャボット社製、「Caboje
t300」)20mlを添加し、さらに、この溶液を脱
気、窒素置換した後、過硫酸アンモニウム0.1gを添
加したモノマ水溶液を調製した。次に、ソルビトール系
界面活性剤(第一工業製薬製:「ソルゲン50」)2.
0gをシクロヘキサン300mlに溶解した溶液をフラ
スコに加え、脱気、窒素置換し、これに、先に調製した
モノマ水溶液を添加し、回転式攪拌羽根を用いて高速攪
拌して乳化させた。
【0094】乳化後、反応系の温度を10℃に調節し、
溶液を攪拌しながらこれにテトラメチルエチレンジアミ
ンの50%水溶液を1ml添加し、重合を行なった。重
合後、生成した黒色粒子を回収し、純水で洗浄して精製
後、乾燥させた。粒子を分級することで平均粒径約10
μmの黒色の高分子ゲル粒子を得た。この粒子の20℃
における純水吸水量は約38g/gであった。このゲル
粒子を水で膨潤させた後加熱すると、約36℃に相転移
点をもって収縮した。つまり、相転移点よりも高温側で
は収縮し、低温側では膨潤し、かつ変化は可逆的であっ
た。また、膨潤・収縮によって粒径は約2.5倍、体積
で約16倍程度変化した。
【0095】前記黒色の高分子ゲル粒子の作製におい
て、用いたCBを、レッド(R)、グリーン(G)、ブ
ルー(B)の顔料(「Cabojet300」と固形分
を同一とし、分散剤として作製例1で使用した「エマル
ゲン909」を同様に使用)に各々代えて、同様な方法
で、R、G、Bの3色の高分子着色ゲルを各々得た。得
られた着Y速高分子ゲル粒子の物性は、前記黒色の高分
子ゲル粒子とほぼ同一であった。
【0096】・実施例1 前記作製例1で作製したpH応答性着色高分子ゲル粒子
を用いて、R、G、Bの3原色からなるカラーフィルタ
を、以下の様にして作製した。透明導電性電極としてI
TO(インジウム−スズ酸化物)を形成したガラス基板
(厚み1.5mm、50mm×60mm)を用いて、こ
の電極をリソグラフィー法によりエッチングすること
で、幅0.5mm、隣接する電極間の距離が0.1mm
のストライプ電極層を形成した。ストライプ電極層の長
軸が基板の短軸方向および長軸方向となる2種類の基板
AおよびBを作製した(図21)。次に、基板Aの各ス
トライプ電極層上に、シランカップリング剤(3−Gl
ycidoxypropyltrimethoxysi
lane)溶液をマスキング法により塗布し、加熱反応
させた後に洗浄して、電極層上に着色高分子ゲル粒子を
固定するための結合剤層を形成した。
【0097】次に、作製例1で作製したR、G、Bの3
色の高分子ゲル粒子と水とからなるペースト溶液を各々
調製し、該溶液を基板Aのストライプ電極層上にスクリ
ーン印刷法により塗布し、加熱することによって反応性
シランカップリング剤と高分子ゲル粒子を化学反応させ
て、各々の着色高分子ゲル粒子を所定の位置に固定化し
た。R、G、Bの繰り返し単位が順次配列する配置とし
た(図22)。その後、基板を純水で洗浄することで電
極上に結合していない余剰のゲル粒子を除去した。電極
上を顕微鏡観察すると、着色高分子ゲル粒子が、各電極
上にほぼ均一に配置されていた。
【0098】次に、基板Bの表面に100μmの樹脂ス
ペーサを散布した後、一部の開口部を除き外周部に紫外
線硬化樹脂を塗布し、前記の高分子ゲル粒子を固定化し
た基板Aと張り合わせ、紫外線を照射して接着させた。
なお、基板Aと基板Bの表面上に形成されたストライプ
電極が対向して直交するように張り合わせて、単純マト
リックス駆動セルとした。次に、セル内部に高分子ゲル
の膨潤液体として0.01N水酸化ナトリウム水溶液を
減圧封入法により注入後、開口部を封止し、カラーフィ
ルターを作製した。ゲル粒子を固定化した基板A側の電
極層をアノードとし、5Vの直流電流を通電可能なよう
に電源から各ストライプ電極末端に配線した。
【0099】X、Y軸に相当する基板A、Bの各ストラ
イプ電極を選択することで、特定の画素に通電を行い、
カラーフィルタの光透過率の変化を観測した。通電前の
試料は、全てのゲル粒子が膨潤状態にあるため、カラー
フィルタに入射された光は画素部で吸収され、透過光量
は約25%で、透過光は白色であった。一方、すべての
画素に通電を行うと電極表面のpHが低下しゲル粒子が
収縮し、その結果、カラーフィルタの透過光量は約80
%に増大し、透過光は明るい白色になった。再び、通電
を止めると、約30m秒程度で、もとの透過光量に戻っ
た。さらに、R画素以外の画素に通電を行うと透過光は
赤色に変化した。同様に特定の色の画素を選択して通電
を行うことで透過光は種々の色に変化した。尚、顕微鏡
観察から通電により着色光分子ゲル粒子は、その体積が
約30倍の範囲で可逆的に変化することが確認された。
以上示した様に、実施例1のカラーフィルタは、透過光
の色相を種々変化させることができるとともに、透過光
量を変化させることができ、明るい色表示が可能なカラ
ーフィルタであることが確認できた。
【0100】・実施例2 実施例1と同様なプロセスでカラーフィルタを作製し
た。但し、カラーゲル粒子を固定化した基板A’とし
て、裏面に、表面(着色光分子を固定した面)のストラ
イプ電極層と互いに直交する配置でストライプ電極層を
形成したものを用いた。実施例1で使用したストライプ
電極層が形成された基板Aと同様の基板を用い、その全
ての電極層上に、作製例1で作製した黒色の高分子ゲル
粒子を実施例1と同様な方法により固定化した。前記の
カラーフィルタのセルと各画素が重なるように、黒色ゲ
ル粒子を固定化した基板を、実施例1と同様な方法で1
00μmの樹脂スペーサを介して張り合わせ、液体とし
て0.01N水酸化ナトリウム水溶液を減圧封入法によ
り注入後、開口部を封止し、カラー表示素子を作製し
た。尚、対向する面に形成されたストライプ電極層は、
互いに直交するように基板を張り合わせた。
【0101】得られたカラー表示素子は、通電前は、全
てのゲル粒子が膨潤状態であるために、大半の入射光は
吸収され、透過光量は約0.8%の黒表示であった。一
方、調光層およびカラーフィルタのすべての画素に通電
を行うと、高分子ゲル粒子が収縮して光が透過し、透過
光量は約65%になり、白表示となった。再び、通電を
止めると瞬時にもとの黒表示に戻った。次に、R画素の
下層に位置する調光層の領域にのみ通電を行うと、透過
光は赤色に変化した。同様にG、Bに対応する領域の調
光層にのみ通電を行うことで、透過光を緑色、青色に各
々変化させることができた。さらに、2色のカラー画素
に対応する領域の調光層にのみ通電を行うことで、混合
色を表示することができた。例えば、RおよびGの2色
に対応する領域の調光層のみを選択して通電することで
黄色(Y)の表示が実現できた。同様に、2色を選択す
ることで、シアン(C)、マゼンタ(M)の各色を表示
することが可能であった。
【0102】さらに単色の輝度を種々調節することもで
きた。例えば、カラーフィルタ層のR画素以外の全ての
画素に通電することで前記の赤よりも明るい赤を表示す
ることができた。このようにカラーフィルタと調光層の
各画素を様々に組み合わせて通電することにより、様々
な色調の色を表示することができた。また、このカラー
表示素子の背景に、MgOからなる拡散反射板を配置す
ると、白表示の反射率が50%以上の明るい反射型表示
が可能であることが確認できた。一方、バックライトを
配置するとより明るい、鮮明な表示が実現可能なことも
確認できた。また、ほぼ180°に近い広い視野角で鮮
明な画像を確認することが可能であった。以上示した様
に、実施例2のカラー表示素子は、視野角が広く、明る
く、色調豊かな表示が実現可能であることが確認でき
た。
【0103】・実施例3 前記作製例2で作製した熱応答性着色高分子ゲル粒子を
用いて、R、G、Bの3原色からなるカラーフィルタ
を、以下の様にして作製した。基板として、ガラス基板
上(厚み1.5mm、30mm×30mm)に透明発熱
抵抗体として抵抗値を最適化したITO層を形成し、こ
れを実施例1と同様な方法でエッチング処理すること
で、幅1mm、隣接間の距離が0.2mmとなるストラ
イプ状の発熱抵抗体層を形成した。なお、該ストライプ
状の発熱抵抗体層の両端に配線して、パルス状の電流を
通電することで、発熱抵抗体層を所望の温度に加熱可能
な構成にした。尚、実施例1と同様に、発熱抵抗体層を
長軸方向に形成した基板Aと、短軸方向に形成した基板
Bとを作製した。
【0104】前記発熱抵抗体層上に、実施例1と同様な
プロセスで、作製例2で調製したR、G、B色の感熱応
答性高分子ゲル粒子を各々固定した。尚、R、G、Bの
各色は実施例1と同様に規則正しく配置させた。さらに
対向基板として同様なガラス基板を用い、実施例1と同
様に張り合わせてセルを作製し、これに膨潤液体として
純水を注入後、封止することでカラーフィルタを作製し
た。
【0105】特定のストライプ状発熱抵抗体層を選択的
に通電することで、特定の画素のみを発熱させて、光透
過率の変化を観測した。通電前の試料は、全ての着色高
分子ゲル粒子が膨潤状態にあるため、入射光が吸収さ
れ、透過光量は約25%で、透過光は白色であった。一
方、すべての画素に通電を行うと、発熱抵抗体表面の温
度が上昇してゲル粒子が収縮し、光が透過し、透過光量
は約75%に増大した。再び、通電を止めると約100
m秒で、透過光量に戻った。さらに、R画素以外の画素
に通電を行うと、透過光は赤色に変化した。同様に特定
の色の画素を選択して通電を行うことで透過光は種々の
色に変化した。尚、顕微鏡観察から通電により着色光分
子ゲル粒子は、その体積が約15倍の範囲で可逆的に変
化することが確認された。以上示した様に、実施例3の
カラーフィルタは、透過光の色相を種々変化させること
ができるとともに、透過光量を変化させることができ、
明るい色表示が可能なカラーフィルタであることが確認
できた。
【0106】・実施例4 実施例3と同様なプロセスでカラーフィルタを作製し
た。実施例3で作製したものと同様のストライプ状の発
熱抵抗体層を有する基板を用い、その全ての発熱抵抗体
層上に作製例2で作製した感熱応答性黒色ゲル粒子を実
施例1と同様な方法により固定した。前記のカラーフィ
ルタのセルと調光層のセルが重なるように、黒色ゲル粒
子を固定化した基板を、実施例2および実施例3と同様
な方法で100μmの樹脂スペーサを介して張り合わ
せ、液体として純水を注入後、開口部を封止し、カラー
表示素子を作製した。
【0107】通電前の試料は、全てのゲル粒子が膨潤状
態であるために、大半の入射光は吸収されるため、透過
光量は約0.8%で黒表示であった。一方、カラーフィ
ルタおよび調光層のすべての画素に通電を行うと、高分
子ゲル粒子が収縮して、光が透過し、透過光量は約60
%となり、白表示が実現できた。再び、通電を止めると
瞬時にもとの黒表示に戻った。次に、R画素の下層に位
置する領域の調光層にのみ通電を行うと透過光は赤色に
変化した。同様にG、B画素に対応する特定の領域の調
光層にのみ通電を行うことで透過光を緑色、青色に変化
させることができた。さらに、2色のカラー画素に対応
する特定の領域の調光層にのみ通電を行うことで、混合
色を表示することができた。例えば、RおよびGの2色
に対応する領域の調光層を選択的に通電すると、黄色
(Y)の表示が実現できた。同様に、2色を選択するこ
とで、シアン(C)、マゼンタ(M)の各色を表示する
ことが可能であった。
【0108】さらに単色の輝度を種々調節することもで
きた。例えば、カラーフィルタのR画素以外の全ての画
素を通電することで前記よりも明るい赤を表示すること
ができた。このようにカラーフィルタと調光層の各画素
を様々に組み合わせて通電することにより様々な色調を
得ることができた。また、このカラー表示素子試料に背
景に、MgOからなる拡散反射板を配置すると白表示の
反射率が50%以上の明るい反射型表示が可能であるこ
とが確認できた。一方、バックライトを配置するとより
明るい、鮮明な表示が実現可能なことも確認できた。ま
た、ほぼ180°に近い広い視野角で鮮明な画像を確認
することが可能であった。以上示した様に、実施例4の
カラー表示素子は、視野角が広く、明るく、色調豊かな
表示が実現可能であることが確認できた。
【0109】・実施例5 実施例1で作製したカラーフィルタと液晶からなる調光
層を積層したカラー表示素子を作製した。液晶調光層は
TN液晶を用い、以下に示す一般的プロセスで作製し
た。実施例1と同様にして作製した2枚の、ストライプ
電極層が形成された基板AおよびBを用い、電極層上に
ポリイミドの配向膜を形成し、ラビング処理を行った、
2枚の基板を10μmのスペーサーを介して、同様にし
て張り合わせて接着しセルを作製した。なお、各ラビン
グ方向およびストライプ電極は直交するように配置し
た。これに、減圧注入法により、TN用液晶(メルク社
製)を注入後、封止して液晶セルを作製した。この液晶
セルの光路の前後に偏光子をクロスニコルに配置し、ノ
ーマリーホワイトモードとした。これは、通電時に光を
透過するモードである。前記カラーフィルタと、前記T
N液晶セルを各画素が重なるように積層し、カラー表示
素子を作製した。
【0110】カラーフィルタおよび液晶調光層の各電極
を選択的に通電し、その光透過率の変化を観測した。通
電前の試料は、液晶調光層は光透過状態であるが、カラ
ーフィルタの高分子ゲル粒子が膨潤状態にあるため、大
半の入射光は吸収され、透過光量は約10%であり、透
過光は白色であった。一方、カラーフィルタの全ての画
素に通電を行うと透過光量は約30%に増大した(白表
示)。再び、通電を止めると約30m秒でもとの透過光
量に戻った。また、液晶調光層の全ての画素を通電する
と、液晶調光層は光非透過状態になり、透過光量は0.
1%以下となり、黒表示となった。次に、R画素の下層
に位置する領域を除く全ての液晶調光層に通電を行う
と、透過光は赤色に変化した。同様にG、Bに対応する
領域以外の液晶調光層に通電を行うことで透過光を緑
色、青色に各々変化させることができた。さらに、2色
のカラー画素に対応する領域以外の液晶調光層に通電を
行うことで、混合色を表示することができた。例えば、
B画素に対応する領域の液晶調光層を選択的に通電する
ことで、RおよびGの混色である黄色(Y)の表示が実
現できた。同様に、2色を選択することで、シアン
(C)、マゼンタ(M)の各色を表示することが可能で
あった。
【0111】さらに単色の輝度を種々調節することもで
きた。例えば、カラーフィルタのR画素を除く他の画素
に通電することで、前記の赤表示よりも明るい赤を表示
することができた。このように、カラーフィルタと液晶
調光層の各画素を様々に組み合わせて通電することによ
り様々な色調を得ることができた。また、このカラー表
示素子試料に背景に、MgOからなる拡散反射板を配置
すると白表示の反射率が25%以上の明るい反射型表示
が可能であることが確認できた。一方、バックライトを
配置するとより明るい、鮮明な表示が実現可能なことも
確認できた。以上に示した様に、実施例5のカラー表示
素子は、明るく、色調豊かな表示が実現可能であること
が確認できた。
【0112】・比較例 実施例5で作製したTN液晶セルに、一般的なR、G、
Bカラーフィルタを組み併せたカラー表示素子を作製
し、その光学特性を評価した。前記カラーフィルタとし
ては、R、G、Bのカラーフィルタ層を形成したストラ
イプ電極基板を用いた。カラーフィルタ層は、R、G、
Bの各顔料を含有した樹脂を用いて、リソグラフィー法
により基板上に各色の層をストライプ状(ストライプ電
極に対応)に配置して、形成した。さらに、カラーフィ
ルタ層上に保護層を形成後、ITO電極層をスパッタリ
ング法により形成し、これをストライプ状に加工した。
カラーフィルタ基板を用いる以外は、実施例5と同様に
して液晶セルを作製した。
【0113】通電前の試料の透過率は白表示ではあるが
透過率は約8%と低かった。一方、全ての画素に通電を
行うと、透過率は0.1%以下の黒表示となった。ま
た、実施例5と同様に特定の画素のみに通電を行うこと
で、種々の色を表示することが可能であった。しかしな
がら、いずれの色においても透過光量は非常に低く、強
力なバックライトを配置しないと画像の認識が困難であ
った。また、実施例5のように、カラーフィルタ層の透
過光を可変することができないために、明るさ(輝度)
を調節することはできなかった。以上示した様に、液晶
調光層を用いた表示素子である実施例5の表示素子は、
従来のカラーフィルタを用いた比較例の表示素子と比較
して、明るさや色調の多様性の上で優れていることが確
認された。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば、光の利用効率が高いカ
ラーフィルタ、および表示素子を提供することができ
る。また、本発明によれば、透過光の色調が変化し得る
カラーフィルタを提供することができる。さらに、本発
明によれば、明るい画像表示が可能である表示素子、表
示方法、および表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカラーフィルタの1実施形態の断面
図である。
【図2】 本発明のカラーフィルタに用いられる刺激応
答性着色高分子ゲルの状態変化の例を示した概念図であ
る。
【図3】 本発明のカラーフィルタの他の実施形態の断
面図である。
【図4】 本発明のカラーフィルタの他の実施形態の断
面図である。
【図5】 本発明の表示素子の1実施形態の断面図であ
る。
【図6】 本発明の表示素子の表示方法を説明するため
の概念図である。
【図7】 本発明の表示素子の表示方法を説明するため
の概念図である。
【図8】 本発明の表示素子の表示方法を説明するため
の概念図である。
【図9】 本発明の表示素子の表示方法を説明するため
の概念図である。
【図10】 本発明の表示素子の表示方法を説明するた
めの概念図である。
【図11】 本発明の表示素子の表示方法を説明するた
めの概念図である。
【図12】 本発明の表示素子の表示方法を説明するた
めの概念図である。
【図13】 本発明の表示素子の表示方法を説明するた
めの概念図である。
【図14】 本発明の表示素子の表示方法を説明するた
めの概念図である。
【図15】 本発明の表示素子の表示方法を説明するた
めの概念図である。
【図16】 本発明の表示素子の表示方法を説明するた
めの概念図である。
【図17】 本発明の表示素子の他の実施形態の断面図
である。
【図18】 本発明の表示素子の他の実施形態の断面図
である。
【図19】 本発明の表示素子の他の実施形態の断面図
である。
【図20】 カラーフィルタの平面図の一例である。
【図21】 実施例に用いた基板の平面図である。
【図22】 実施例で作製したカラーフィルタの平面図
である。
【符号の説明】
10 カラーフィルタ 12 刺激応答性着色高分子ゲル 14 着色領域 16 基板 18 基板 20 封止材 22 液体 24 刺激付与層 26 刺激付与層 30 光反射層 32 バックライト層 40 調光層 42 刺激応答性高分子ゲル(黒色) 44 調光領域 48 刺激付与層 50 刺激付与層 100 表示素子

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板上に、相互に異なる有彩
    色を有する第1および第2の刺激応答性高分子ゲルと、
    該第1および第2の刺激応答性高分子ゲルに接する液体
    とを有するカラーフィルタ。
  2. 【請求項2】 第1の刺激応答性高分子ゲルを有する第
    1の着色領域と、第2の刺激応答性高分子ゲルを有する
    第2の着色領域とを有する請求項1に記載のカラーフィ
    ルタ。
  3. 【請求項3】 第1の着色領域および第2の着色領域に
    おいて、第1および第2の刺激応答性高分子ゲルが各々
    基板表面に固定されていることを特徴とする請求項2に
    記載のカラーフィルタ。
  4. 【請求項4】 第1および第2の刺激応答性高分子ゲル
    が、外部刺激を供与された際に、液体を吸収または放出
    して体積変化する請求項1から請求項3までのいずれか
    1項に記載のカラーフィルタ。
  5. 【請求項5】 R(レッド)、G(グリーン)、および
    B(ブルー)の3原色の刺激応答性高分子ゲルを有する
    請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のカラ
    ーフィルタ。
  6. 【請求項6】 第1および第2の刺激応答性着色高分子
    ゲルに刺激を付与する刺激付与手段を有する請求項1か
    ら請求項5までのいずれか1項に記載のカラーフィル
    タ。
  7. 【請求項7】 刺激付与手段が基板上に形成された区画
    化された刺激付与層から構成されている請求項6に記載
    のカラーフィルタ。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7までのいずれか1
    項に記載のカラーフィルタと、該カラーフィルタへの入
    射光を調光する調光素子とを有する表示素子。
  9. 【請求項9】 調光素子が、基板と、該基板上に黒色の
    刺激応答性高分子ゲルと、該刺激応答性高分子ゲルに接
    する液体とを有する請求項8に記載の表示素子。
  10. 【請求項10】 黒色の刺激応答性高分子ゲルに刺激を
    付与する刺激付与手段を有する請求項9に記載の表示素
    子。
  11. 【請求項11】 刺激付与手段が、調光素子の基板上に
    形成された区画化された刺激付与層から構成されている
    請求項10に記載の表示素子。
  12. 【請求項12】 調光素子が、液晶調光素子である請求
    項8に記載の表示素子。
  13. 【請求項13】 調光素子へ光を照射する光照射手段を
    有する請求項8から請求項12までのいずれか1項に記
    載の表示素子。
  14. 【請求項14】 調光素子へ光を反射する光反射手段を
    有する請求項8から請求項12までのいずれか1項に記
    載の表示素子。
  15. 【請求項15】 基板と、 該基板の一方の面側に配置された、有彩色の刺激応答性
    高分子ゲルと、該刺激応答性高分子ゲルに接する液体と
    を有する第1の層と、 前記基板の他方の面側に配置された、黒色の刺激応答性
    高分子ゲルと、該黒色の刺激応答性高分子ゲルに接触す
    る液体とを有する第2の層と、を有し、 前記第1の層は、前記有彩色の刺激応答性高分子ゲルを
    区画化された領域に配置して形成された着色領域を有
    し、且つ、 前記第2の層は、前記黒色の刺激応答性高分子ゲルを区
    画化された領域に配置して形成された調光領域を有する
    表示素子。
  16. 【請求項16】 請求項8から請求項15のいずれか1
    項に記載の表示素子と、入力される画像情報に従ってカ
    ラーフィルタの光透過率を変化させる手段と、前記画像
    情報に従って調光素子の光透過率を変化させる手段とを
    有する表示装置。
  17. 【請求項17】 基板と、該基板の一方の面側に配置さ
    れた、有彩色の刺激応答性高分子ゲルと、該刺激応答性
    高分子ゲルに接する液体とを有する第1の層と、前記基
    板の他方の面側に配置された、黒色の刺激応答性高分子
    ゲルと、該黒色の刺激応答性高分子ゲルに接触する液体
    とを有する第2の層とを有する表示素子を用いる表示方
    法であって、 前記黒色の刺激応答性高分子ゲルに刺激を付与すること
    によって第2の層の光透過率を変化させ、および/また
    は、前記有彩色の刺激応答性高分子ゲルに刺激を付与す
    ることによって前記第2の層の光透過率を変化させ、表
    示色の色調を変化させる表示方法。
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