JP2001033791A - フィルム状の液晶表示パネルの製造方法 - Google Patents

フィルム状の液晶表示パネルの製造方法

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JP2001033791A
JP2001033791A JP11210393A JP21039399A JP2001033791A JP 2001033791 A JP2001033791 A JP 2001033791A JP 11210393 A JP11210393 A JP 11210393A JP 21039399 A JP21039399 A JP 21039399A JP 2001033791 A JP2001033791 A JP 2001033791A
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Hiroya Miyauchi
宏哉 宮内
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Rohm Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶注入時に両フィルム基板を確実に固定し
て作業を適切に進めることができるとともに、表示ムラ
のない液晶表示パネルを製作することができるようにす
る。 【解決手段】 2枚のフィルム基板10,20を貼り合
わせ、その間の液晶封止部30に液晶注入口33から液
晶を注入するようにして液晶表示パネルを製作する製造
方法であって、両フィルム基板10,20を貼り合わせ
る前に、フィルム基板10の片面上に粒状のスペーサ3
1…を散布する。そして、両フィルム基板10,20の
外側の面に一対の磁石シートMS1,MS2を密着させ
るとともに、両磁石シートMS1,MS2で両フィルム
基板10,20を挟み持ちながら所定の作業室内に在室
させ、その作業室内の雰囲気を吸引して真空状とする。
その後、作業室内において液晶注入口33を液晶中に漬
けた状態とし、さらにその後、作業室内を元の雰囲気状
態に戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、張りがなく撓み
やすいフィルム状の液晶表示パネルの製造方法に関し、
特に液晶注入時に優れた効果を伴う方法である。
【0002】
【従来の技術】フィルム状の液晶表示パネルは、2枚の
フィルム基板を貼り合わせることにより、両フィルム基
板間に画素領域となる液晶封止部を有して構成される
が、両フィルム基板の間隔を一定に保つために、液晶封
止部には、液晶表示に支障がない程度の粒状としたスペ
ーサが一様に散布されている。そして、液晶封止部に液
晶を注入する際には、以下の注入プロセスに従って作業
が進められる。
【0003】つまり、液晶の注入プロセスにおいては、
両フィルム基板が所在する作業室内の雰囲気を吸引して
真空状とし、液晶封止部の外周一部に開口形成された液
晶注入口を液晶中に漬けた状態とする。その後、作業室
内を元の雰囲気状態に戻すことにより、液晶注入口から
液晶封止部へと負圧作用で吸い込まれるようにして液晶
を注入する。液晶の注入量が所定の量に達すると、液晶
注入口を樹脂などで塞いだ状態とし、液晶封止部を完全
に密封状態として完了する。
【0004】このような作業においては、固定用の治具
などを用いて両フィルム基板を取り扱うが、フィルム基
板は張りがなく撓みやすいため、ガラス基板などに用い
る治具を流用することができない。そのため、フィルム
状の液晶表示パネルには、専用の治具が用意されてお
り、このような専用治具で両フィルム基板の端部などを
挟み持ちながら注入作業を進めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のフィルム状の液晶表示パネルに対する液晶の注入方
法においては、作業室内の雰囲気を急激に吸引するよう
にして真空状とした場合、液晶封止部の内外に圧力差が
生じて両フィルム基板が若干外側に膨らんでしまう。そ
うすると、液晶封止部に一様に散布されたスペーサは、
両フィルム基板間における間隔の狭い方へとずれ動いて
しまうので、液晶封止部のスペーサが部分的に偏った分
布状態となって表示ムラが発生していた。また、作業室
内を元の雰囲気状態に戻す際にも、液晶封止部に液晶注
入口から勢い良く液晶が流れ込むので、その流れに押さ
れてスペーサがずれ動く結果、部分的に表示ムラが発生
するという難点があった。
【0006】また、両フィルム基板の膨らんだ状態で液
晶を注入すると、必要以上に液晶封止部に液晶が封じら
れた状態となり、液晶の厚みを一定に保つことができな
いだけでなく、液晶封止部の外周を囲うように設けたシ
ール材を破って液晶が漏れ出るという問題があった。
【0007】さらに、フィルム状の液晶表示パネルは、
張りがなく撓みやすいため、上述したように専用の治具
を用いて取り扱うが、この専用治具をガラス基板用など
とは別にして製作しなければならず面倒である。その一
方、そのような専用治具を用いて挟み持つようにして
も、両フィルム基板を確実に固定することは難しく、フ
ィルム基板を正常な姿勢に保持できずに液晶の注入に失
敗する場合もあった。
【0008】そこで、本願発明は、上記した事情のもと
で考え出されたものであって、液晶注入時においては、
両フィルム基板を確実に固定して作業を適切に進めるこ
とができるとともに、表示ムラのない液晶表示パネルを
製作することができるフィルム状の液晶表示パネルの製
造方法を提供することをその課題とする。
【0009】
【発明の開示】上記課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0010】すなわち、本願発明により提供されるフィ
ルム状の液晶表示パネルの製造方法は、2枚のフィルム
基板を貼り合わせてその間に液晶封止部を形成する一
方、上記液晶封止部の外周一部に液晶注入口を形成し、
その液晶注入口から上記液晶封止部に液晶を注入して液
晶表示パネルを製作するフィルム状の液晶表示パネルの
製造方法であって、上記両フィルム基板を貼り合わせる
前に、フィルム基板の片面上に粒状のスペーサを散布す
る工程と、上記スペーサが散布された面を内側に向けて
上記両フィルム基板を貼り合わせ、両フィルム基板間に
スペーサを挟んだ状態で上記液晶封止部を形成する工程
と、上記両フィルム基板の外側の面に一対の磁石シート
を密着させるとともに、両磁石シートで上記両フィルム
基板を挟み持ちながら所定の作業室内に在室させ、その
作業室内の雰囲気を吸引して真空状とする工程と、上記
作業室内において上記液晶注入口を液晶中に漬けた状態
とし、その後、上記作業室内を元の雰囲気状態に戻す工
程とを工程中に含むことを特徴としている。
【0011】上記技術的手段が講じられた本願発明によ
り提供されるフィルム状の液晶表示パネルの製造方法で
は、作業室内の雰囲気を吸引するようにして真空状とす
る際、両フィルム基板の外側の面に一対の磁石シートが
互いに磁力で引き合うようにして密着する。そうする
と、両フィルム基板は、両磁石シートに両側から押さえ
つけられた状態でほぼ真っすぐな平行姿勢に固定され
る。一方、液晶封止部のスペーサは、両フィルム基板に
より両側から挟み付けられて容易に動くことができず、
その液晶封止部において一様に分布した状態となる。そ
の後、作業室内を元の雰囲気状態に戻すと、負圧作用に
よって液晶注入口から液晶封止部へと吸い込まれるよう
にして液晶が流れ込む。そのような液晶の流れに対して
液晶封止部のスペーサは、両フィルム基板に挟み付けら
れた状態にあることから、ずれ動くことが少なく一様に
分布した状態が保たれる。したがって、液晶の注入に際
しては、一対の磁石シートを用いて両フィルム基板間に
おけるスペーサを挟み付けながら、これらのフィルム基
板を確実に固定して作業を進めることができるので、液
晶封止部におけるスペーサの偏りを原因とした表示ムラ
を防止できるとともに、液晶封止部の厚みをスペーサに
より一定とした液晶表示パネルを製作することができ
る。また、張りがなく撓みやすいフィルム状の液晶表示
パネルは、一対の磁石シートを密着させるようにして両
側から挟み持たれることにより、磁石シートと液晶表示
パネルとが合体してある程度の厚みをもった剛性品が得
られるので、このような剛性品をガラス基板などの場合
と同様の治具を用いて容易に取り扱うことができる。
【0012】上記本願発明の好ましい実施の形態として
は、上記両フィルム基板のいずれか一方の片面上には、
上記液晶封止部の外周に沿ってシール材が塗布され、そ
のシール材を熱処理により軟化させながら上記両フィル
ム基板を貼り合わせる構成とすることができる。
【0013】このように構成された製造方法によれば、
シール材が液晶封止部の外周とされる一方、そのシール
材を介して両フィルム基板が熱圧着などで確実に貼り合
わされ、両フィルム基板間に一定の間隔を空けた液晶封
止部を形成することができる。
【0014】他の好ましい実施の形態としては、上記ス
ペーサには、強磁性材料を含む微粒子が用いられる構成
とすることができる。また、上記スペーサは、上記強磁
性材料を核としてその外側に樹脂被覆層が形成された構
造を有している構成とすることができ、さらに、上記樹
脂被覆層は、熱に対して軟化しにくい樹脂により形成さ
れている構成とすることができる。一方、上記スペーサ
は、上記強磁性材料を核として最外層に熱可塑性樹脂被
膜が形成された構造を有している構成とすることもでき
る。
【0015】このように構成された製造方法によれば、
スペーサが強磁性材料を含む微粒子である場合、そのよ
うな強磁性材料を介して磁力が強められるので、一対の
磁石シートは、その間に所在するスペーサを介して互い
に強い磁力で引き付けられ、両フィルム基板の外側の面
にぴったりと密着した状態となる。その結果、両磁石シ
ートを用いて液晶を注入する際には、両フィルム基板を
しっかりと真っすぐな姿勢に保ちながら確実に挟み持つ
ことができる。また、強磁性材料を核とした外側に樹脂
被覆層を形成し、その樹脂被覆層を熱に対して軟化しに
くい樹脂としたスペーサの場合、両フィルム基板を貼り
合わせる際に熱処理を行っても、樹脂被覆層を有するス
ペーサが形崩れしにくいので、一定の粒径としたスペー
サを挟んで両フィルム基板を一定の間隔に保ちながら貼
り合わせることができる。一方、強磁性材料を核として
最外層に熱可塑性樹脂被膜を有するスペーサの場合、両
フィルム基板を貼り合わせる際に熱処理を行うと熱可塑
性樹脂被膜が軟化し、そのような熱可塑性樹脂被膜を介
して両フィルム基板の内側の面にスペーサが粘着するの
で、液晶封止部のスペーサを定着状態としてその偏りを
防ぐことができる。
【0016】さらに他の好ましい実施の形態としては、
上記一対の磁石シートは、上記液晶注入口の上下面付近
を覆うことなく、上記両フィルム基板の外側の面に密着
させられる構成とすることができる。このような構成に
おいても、上記一対の磁石シートは、上記両フィルム基
板における少なくとも一組の両縁端部からはみ出るよう
にして互いに対向配置されるのが好ましい。
【0017】このように構成された製造方法によれば、
液晶注入口を液晶中に漬ける際、その液晶注入口の上下
面付近に磁石シートが覆われないので、そのような磁石
シートに液晶を付着させることがなく、必要な部分以外
での液晶の吸い上げを防止することができる。また、一
対の磁石シートを両フィルム基板の両縁端部からはみ出
るようにして互いに対向配置させた場合、両フィルム基
板における両縁端部が一対の磁石シートの間に完全に挟
み込まれるので、両フィルム基板をより一層しっかりと
固定した状態で挟み持つことができる。
【0018】なお、上記一対の磁石シートは、その両方
がともに常磁性体である必要は必ずしもなく、片方が常
磁性体であれば他方を強磁性体などとしても良い。つま
り、2枚のシートが磁力を介して互いに引き付けられる
ものであれば、それらのシートは本願発明に係る磁石シ
ートと言える。
【0019】本願発明のその他の特徴および利点は、添
付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より
明らかとなろう。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0021】図1は、本願発明に係る製造方法により製
作されるフィルム状の液晶表示パネルの一実施形態を示
した平面図、図2は、図1に示す液晶表示パネルの断面
を拡大して示した断面図である。なお、各図において
は、本願発明の特徴を明りょうとするために、厚み方向
の寸法などを強調して示す。
【0022】本願発明に係る製造方法を説明する前に、
フィルム状の液晶表示パネルについて簡単に説明する
と、液晶表示パネルは、図1および図2に示すように、
2枚のフィルム基板10,20を貼り合わせて構成さ
れ、その間に液晶封止部30を形成したものである。両
フィルム基板10,20の外側の面には、図2に示すよ
うに、光の偏光方向が交差するように一対の偏光板1
1,21が貼り着けられている。なお、図1および図2
には示さないが、両フィルム基板10,20の外側の面
には、保護膜が形成されているとともに、その保護膜と
偏光板11,21との間に位相差板なども設けらてい
る。一方、両フィルム基板10,20の内側の表面上に
は、透明電極パターン12,22および配向膜13,2
3が造り込まれており、これらの透明電極パターン1
2,22は、いずれか一方がセグメント電極、他方がコ
モン電極として液晶封止部30で互いに交差する配線形
態とされている。透明電極パターン12,22は、たと
えばITO(Indium Tin Oxide)膜をフォトエッチング
などによりパターニングして形成されたものである。ま
た、配向膜13,23は、透明電極パターン12,22
の上からたとえばポリイミド樹脂を塗布した後、ラビン
グ処理などを施して形成されたものである。
【0023】さらに、一方のフィルム基板10は、図1
に示すように、外部との接続のために他方のフィルム基
板20の一先端部20aからはみ出るかたちとされ、そ
のはみ出た部分に上記透明電極パターン12,22の接
続端子部12a,22aが露出するように形成されてい
る。一方のフィルム基板10上に形成された透明電極パ
ターン12は、同一面上を引き回すようにして接続端子
部12aが所定の部分に配置されるが、他方のフィルム
基板20上に形成された透明電極パターン22は、図示
しない導電性部材を介して相対するフィルム基板10上
へと橋渡しされ、その橋渡し箇所から所定の部分へと接
続端子部22aが配線されている。このような各フィル
ム基板10,20は、せいぜい0.1〜0.3mm程度
の厚みとされ、両フィルム基板10,20を貼り合わせ
た液晶表示パネルでも、張りがなく撓みやすいものであ
る。
【0024】液晶封止部30は、上記両透明電極パター
ン12,22の交点がマトリクス状に配列された画素領
域であって、各交点の電極間に印加する電圧のオン/オ
フなどに応じて駆動制御される液晶を封止しておくため
の空間部分である。そのような液晶の厚みを一定とする
ために、液晶封止部30には、粒状のスペーサ31…が
一様に分布した状態で封入されている。個々のスペーサ
31は、液晶表示に支障がない程度の非常に小さい微粒
子とされ、多数個のスペーサ31…が液晶封止部30に
おいて両フィルム基板10,20間に挟み込まれてい
る。また、両フィルム板10,20間における液晶封止
部30の外周に沿う部分は、図1に太線で示すように、
液晶を囲うかたちのシール材32が印刷法などにより塗
布形成され、このシール材32の一部分には、液晶封止
部30に液晶を注入できるように液晶注入口33が形成
されている。液晶注入口33は、液晶を液晶封止部30
に注入した後に樹脂などを用いて塞がれる。
【0025】さらに、図3は、一つのスペーサの内部構
造を示した断面図であって、この図を参照してスペーサ
について説明する。この図に示すように、スペーサ31
は、たとえば粒径を3〜10μm程度とした微粒子であ
って、後述する製造方法において独特の効果を発揮する
ものである。まず第1に、スペーサ31は、後述する製
造方法において磁力効果を発揮するために、たとえば
鉄、コバルト、ニッケル、またはそれらの合金もしくは
化合物などの強磁性材料31aを核として形成されてい
る。このような強磁性材料31aは、その径がたとえば
2〜9μm程度とされている。さらに、強磁性材料31
aの外側には、熱によっても軟化しにくい樹脂被覆層3
1bが形成されている。この樹脂被覆層31bは、たと
えばアクリル系などの樹脂によってその厚みがたとえば
1〜2μm程度とされている。このような樹脂被覆層3
1bの表面となる最外層には、熱により軟化して可塑性
を示す熱可塑性樹脂被膜31cが形成されている。この
熱可塑性樹脂被膜31cは、たとえばポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、塩化ビニル
樹脂、メタクリル樹脂、ナイロン、フッ素樹脂、ポリカ
ーボネート、ポリエーテルなどを主原料として、その膜
厚がたとえば0.1〜0.5μm程度とされている。
【0026】次に、本願発明に係るフィルム状の液晶表
示パネルの製造方法の一実施形態について、図面を参照
して説明する。
【0027】図4ないし図10は、図1に示すフィルム
状の液晶表示パネルの製造方法について、各製造工程を
説明するために示した説明図である。なお、図4から始
められる工程に先だって、各フィルム基板10,20の
内側となる片面上には、すでに透明電極パターン12,
22および配向膜13,23が形成されているととも
に、一方のフィルム基板10における液晶封止部30の
外周に沿う部分にも、すでにシール材32が塗布して固
化されている。また、各図においては、パネル1枚分の
構成しか示さないが、一般的には、所定枚数分のフィル
ム原板を貼り合わせた後、適当な時点でパネル1枚分の
形に切断して取り扱われる。さらに、各図においては、
透明電極パターン12,22などの細部について便宜上
図示しない。
【0028】まず、図4に示すように、一方のフィルム
基板10の内側となる片面には、スプレーSなどを用い
てスペーサ31…が一様に散布される。一様に散布され
たスペーサ31…は、シール材32の内側となる領域、
つまり液晶封止部30に相当する領域全体にわたって広
く分布した状態とされる。
【0029】次に、図5に示すように、上記スペーサ3
1…が散布された面と、他方の透明電極パターン22な
どが形成されている面とを対向させるようにして、両フ
ィルム基板10,20を互いに貼り合わす。この際、た
とえば160℃程度の熱処理によってシール材32を軟
化させ、その後、シール材32を冷却、硬化することに
より、このシール材32の接着作用によって両フィルム
基板10,20が確実に貼り合わされる。また、上記熱
処理の際、スペーサ31…の熱可塑性樹脂被膜31cも
軟化した状態となり、その後、この熱可塑性樹脂被膜3
1cを介して両フィルム基板10,20の内側の面にス
ペーサ31…が粘着した状態で定着する。一方、スペー
サ31…の樹脂被覆層31bは、熱に対して軟化しにく
い性質を有するため、熱処理によってもスペーサ31…
の粒子形状が形崩れしにくく、一定の粒径としたスペー
サ31…を両フィルム基板10,20間に挟んだ状態と
することができる。これにより、両フィルム基板10,
20間においては、厚み方向にスペーサ31…を介して
一定の間隔に保たれた液晶封止部30が形成される。
【0030】以上のような貼り合わせ工程を経て一体化
された両フィルム基板10,20は、原板から切り出さ
れることでパネル1枚分、または数枚分が横方向につな
がるようにカットされた後、図6ないし図8に示すよう
に、液晶注入前の中間品Mとして磁石シートMS1,M
S2を用いて取り扱われる。この際に用いられる磁石シ
ートMS1,MS2とは、たとえば厚さが1mm程度の
常磁性体などからなる2枚一組としたシート部材であっ
て、上記中間品Mを両側から挟み持つためのものであ
る。両磁石シートMS1,MS2により中間品Mを挟み
持つ状態では、図7によく示すように、中間品Mにおけ
る一組の両縁端部M1,M2から両磁石シートMS1,
MS2が符号Wの寸法分はみ出た恰好とされる。また、
中間品Mにおける液晶注入口33側の上下面付近は、符
号L1の寸法分だけ両磁石シートMS1,MS2によっ
ても覆われない状態とされる一方、液晶注入口33の反
対側の縁端部M3は、それより符号L2の寸法分はみ出
る恰好として両磁石シートMS1,MS2により完全に
覆われる。なお、符号Wの寸法は、たとえば略3mm以
上の幅寸法とするのが好ましい。一方、符号L1の寸法
は、たとえば10〜20mm程度の間隔をあけるのが好
ましく、符号L2の寸法は、特に縁端部M3からはみ出
るように設けられなくても良い。
【0031】図8は、図7のI−I線に沿う断面を示し
た断面図であるが、この図に示すように、中間品Mは、
その外側の両面に磁石シートMS1,MS2が密着した
状態とされる。この際、両磁石シートMS1,MS2
は、互いに磁力を介して強く引き合う状態で密着するた
め、液晶封止部30は、両磁石シートMS1,MS2の
密着力によって押し潰されるような状態となる。しかし
ながら、液晶封止部30には、多数個のスペーサ31…
が一様に分布して挟み込まれていることから、この液晶
封止部30が両磁石シートMS1,MS2で押し潰され
ることはなく、両フィルム基板10,20間が一定の間
隔に保たれる。また、両磁石シートMS1,MS2は、
その間に中間品Mを挟んで対向配置されるため、互いに
作用する磁力が弱いと中間品Mを確実に固定することが
できない。そこで、本実施形態では、強磁性材料31a
を含む粒状のスペーサ31…を液晶封止部30に散布
し、そのような強磁性材料31aを介して磁力を強める
ように構成している。これにより、両磁石シートMS
1,MS2は、その間に所在するスペーサ31…を介し
て互いに強い磁力で引き付けられ、中間品Mの外側の表
面にぴったりと密着した状態となる。これにより、中間
品Mは、両磁石シートMS1,MS2によって確実に挟
み持つようにして取り扱われる。
【0032】以上のようにして両磁石シートMS1,M
S2で挟み持たれた中間品Mは、続いて液晶注入工程に
移される。この際、両磁石シートMS1,MS2と中間
品Mとは、互いに密着して一体となることで一つの合体
品Uとして取り扱うことができる。このような合体品U
は、2枚の磁石シートMS1,MS2によって相当の厚
みを有することから、ガラス基板などと同様に一つの剛
性品とした取り扱いが可能である。そして、図9に示す
ように、各合体品Uをガラス基板などの場合に用いる治
具のガイドGに沿って液晶注入口33を下方に向けなが
らセットした後、その治具とともに液晶注入用のチャン
バー(作業室)内に収容する。その後、チャンバー内の
雰囲気を真空ポンプなどで吸引するようにして真空状と
する。そうすると、液晶封止部30内に満ちている空気
も液晶注入口33を通じて吸引されて真空状となる。こ
の際、両フィルム基板10,20は、両磁石シートMS
1,MS2によって両側から押さえつけられた状態でほ
ぼ真っすぐ鉛直方向に沿う姿勢に固定され、しかも、液
晶封止部30にはスペーサ31…が挟み込まれているこ
とから、急激に真空状とする状態であっても、液晶封止
部30が膨らんだり潰れたりすることはなく、両フィル
ム基板10,20間が一定の間隔に保たれる。
【0033】そして、チャンバー内を所定の圧力状態ま
で減圧した後、そのチャンバー内において治具を移動さ
せることにより、液晶注入口33付近を液晶LC中に漬
けた状態とする。この際、磁石シートMS1,MS2
は、液晶注入口33付近を覆わないようにして中間品M
に密着した状態であり、磁石シートMS1,MS2に液
晶LCが触れることなく、液晶封止部30以外の部分な
どに余分な液晶LCが付着しないよう配慮されている。
【0034】このようにして液晶LC中に液晶注入口3
3を漬けた後、図10に示すように、チャンバー内を元
の雰囲気状態に戻す。そうすると、液晶封止部30内が
外部よりも低圧状態となり、負圧作用によって液晶注入
口33から液晶封止部30へと吸い込まれるようにして
液晶LCが流れ込む。この際、液晶封止部30のスペー
サ31…は、両フィルム基板10,20に挟み付けられ
た状態にあって、しかも熱可塑性樹脂被膜31cが粘着
することで各位置に定着した状態であることから、その
位置からずれ動くことが少なく一様に分布した状態に保
たれる。また、液晶封止部30の両面を形成するフィル
ム基板10,20は、両磁石シートMS1,MS2によ
って外側から挟み付けられた状態にあるため、必要以上
に液晶封止部30に対して液晶LCが注入されることは
なく、両フィルム基板10,20の間隔、すなわち液晶
封止部30の厚みが一定に保たれる。その後、液晶LC
の注入量が所定の量に達すると、治具から合体品Uを取
り出して磁石シートMS1,MS2と中間品Mとをそれ
ぞれ別にするとともに、中間品Mにおける液晶注入口3
3を樹脂などで塞いだ状態とする。さらにその後、両フ
ィルム基板10,20の外側の表面に偏光板11,21
などを貼り着けることにより、液晶表示パネルの製作を
完了する。
【0035】したがって、上記工程順に進められる製造
方法によれば、液晶LCの注入に際しては、一対の磁石
シートMS1,MS2を用いて両フィルム基板10,2
0間に所在するスペーサ31…を挟み付けながら、一体
化されたフィルム基板10,20を確実に固定して作業
を進めることができる。しかも、液晶の注入時、両フィ
ルム基板10,20間の液晶封止部30においては、ス
ペーサ31…が熱可塑性樹脂被膜31cを介して定着し
た状態にあることから、そのようなスペーサ31…が偏
在することもなく一様に分布した状態で液晶を注入する
ことができる。つまり、スペーサ31…の偏りを原因と
した表示ムラを防止できるとともに、液晶封止部30の
厚みをスペーサ31…を介して一定とした液晶表示パネ
ルを製作することができる。
【0036】また、張りがなく撓みやすいフィルム状の
液晶表示パネルは、一対の磁石シートMS1,MS2を
密着させるようにして両側から挟み持たれることによ
り、磁石シートMS1,MS2と液晶表示パネルとが合
体してある程度の厚みをもった剛性のある合体品Uが得
られるので、このような合体品Uをガラス基板などの場
合と同様の治具を用いて容易に取り扱うことができる。
【0037】なお、上記実施形態において示したスペー
サ31…の構造は、特に図3に示すような3層構造とす
ることなく、たとえば両磁石シートMS1,MS2が互
いに作用し合う磁力が強ければ、強磁性材料31aが含
まれるものでなくても良い。あるいは、熱可塑性樹脂被
膜31cなどが形成されない粒状のスペーサであっても
良い。
【0038】また、上記実施形態では、液晶の注入に先
だってパネル1枚分に切断した後、その1枚ごとに一対
の磁石シートMS1,MS2で挟んだ合体品Uとして治
具にセットするとしたが、所定の枚数分を一つの中間形
態として取り扱うようにしても良い。この場合、そのよ
うな中間形態の平面的大きさに応じた一対の磁石シート
が用いられる。
【0039】さらに、上記実施形態において例示した寸
法などは、限界的範囲を意味するものではなく、液晶表
示パネルの大きさに応じて適当な寸法に調整されるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る製造方法により製作されるフィ
ルム状の液晶表示パネルの一実施形態を示した平面図で
ある。
【図2】図1に示す液晶表示パネルの断面を拡大して示
した断面図である。
【図3】一つのスペーサの内部構造を示した断面図であ
る。
【図4】図1に示すフィルム状の液晶表示パネルの製造
方法について、一製造工程を説明するために示した説明
図である。
【図5】図1に示すフィルム状の液晶表示パネルの製造
方法について、一製造工程を説明するために示した説明
図である。
【図6】図1に示すフィルム状の液晶表示パネルの製造
方法について、一製造工程を説明するために示した説明
図である。
【図7】図1に示すフィルム状の液晶表示パネルの製造
方法について、一製造工程を説明するために示した説明
図である。
【図8】図1に示すフィルム状の液晶表示パネルの製造
方法について、一製造工程を説明するために示した説明
図であって、特に図7のI−I線に沿う断面を示した断
面図である。
【図9】図1に示すフィルム状の液晶表示パネルの製造
方法について、一製造工程を説明するために示した説明
図である。
【図10】図1に示すフィルム状の液晶表示パネルの製
造方法について、一製造工程を説明するために示した説
明図である。
【符号の説明】
10,20 フィルム基板 11,21 偏光板 12,22 透明電極パターン 13,23 配向膜 30 液晶封止部 31… スペーサ 31a 強磁性材料 31b 樹脂被覆層 31c 熱可塑性樹脂被膜 32 シール材 33 液晶注入口 LC 液晶 MS1,MS2 磁石シート

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚のフィルム基板を貼り合わせてその
    間に液晶封止部を形成する一方、上記液晶封止部の外周
    一部に液晶注入口を形成し、その液晶注入口から上記液
    晶封止部に液晶を注入して液晶表示パネルを製作するフ
    ィルム状の液晶表示パネルの製造方法であって、 上記両フィルム基板を貼り合わせる前に、フィルム基板
    の片面上に粒状のスペーサを散布する工程と、 上記スペーサが散布された面を内側に向けて上記両フィ
    ルム基板を貼り合わせ、両フィルム基板間にスペーサを
    挟んだ状態で上記液晶封止部を形成する工程と、 上記両フィルム基板の外側の面に一対の磁石シートを密
    着させるとともに、両磁石シートで上記両フィルム基板
    を挟み持ちながら所定の作業室内に在室させ、その作業
    室内の雰囲気を吸引して真空状とする工程と、 上記作業室内において上記液晶注入口を液晶中に漬けた
    状態とし、その後、上記作業室内を元の雰囲気状態に戻
    す工程と、 を工程中に含むことを特徴とするフィルム状の液晶表示
    パネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記両フィルム基板のいずれか一方の片
    面上には、上記液晶封止部の外周に沿ってシール材が塗
    布され、そのシール材を熱処理により軟化させながら上
    記両フィルム基板を貼り合わせる、請求項1に記載にフ
    ィルム状の液晶表示パネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記スペーサには、強磁性材料を含む微
    粒子が用いられる、請求項1または請求項2に記載のフ
    ィルム状の液晶表示パネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記スペーサは、上記強磁性材料を核と
    してその外側に樹脂被覆層が形成された構造を有してい
    る、請求項3に記載のフィルム状の液晶表示パネルの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 上記樹脂被覆層は、熱に対して軟化しに
    くい樹脂により形成されている、請求項4に記載のフィ
    ルム状の液晶表示パネルの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記スペーサは、上記強磁性材料を核と
    して最外層に熱可塑性樹脂被膜が形成された構造を有し
    ている、請求項3ないし請求項5のいずれかに記載のフ
    ィルム状の液晶表示パネルの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記一対の磁石シートは、上記液晶注入
    口の上下面付近を覆うことなく、上記両フィルム基板の
    外側の面に密着させられる、請求項1ないし請求項6の
    いずれかに記載のフィルム状の液晶表示パネルの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 上記一対の磁石シートは、上記両フィル
    ム基板における少なくとも一組の両縁端部からはみ出る
    ようにして互いに対向配置される、請求項1ないし請求
    項7のいずれかに記載のフィルム状の液晶表示パネルの
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7471370B2 (en) 2006-02-10 2008-12-30 Chunghwa Picture Tubes, Ltd Columnar spacer for liquid crystal display
CN101989005A (zh) * 2009-07-30 2011-03-23 北京京东方光电科技有限公司 结构基板、传送装置和对盒装置
CN102981318A (zh) * 2012-12-03 2013-03-20 京东方科技集团股份有限公司 液晶灌注器皿

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