JP2001032937A - 単層金属ガスケット - Google Patents

単層金属ガスケット

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JP2001032937A
JP2001032937A JP11208092A JP20809299A JP2001032937A JP 2001032937 A JP2001032937 A JP 2001032937A JP 11208092 A JP11208092 A JP 11208092A JP 20809299 A JP20809299 A JP 20809299A JP 2001032937 A JP2001032937 A JP 2001032937A
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peripheral plate
metal gasket
bore
around
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Kenichi Sekioka
健一 関岡
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Nippon Gasket Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この単層金属ガスケットは，ボア孔周縁板の
ボア孔周りの幅を変更してボア孔周りの面圧の調整を行
う。 【解決手段】 この単層金属ガスケットは，ボア孔３と
ビード７を備えたボア孔周縁板２と，ボア孔周縁板２を
囲む外周板１とから構成されている。ボア孔周縁板２
は，ボア孔３の周りに沿って幅を変更され，ボルト孔５
の近傍で狭い幅４に形成され，それ以外の領域で広い幅
１１に形成されている。単層金属ガスケットのボア孔３
の周りの面圧分布は，ボア孔周縁板２のボア孔３の周り
における幅のサイズによって一部調整されるものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は，例えば，シリン
ダヘッドとシリンダブロックとの対向面間に介在して適
用されるボア孔周縁板とそれを取り囲む外周板から成る
単層金属ガスケットに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来，単層金属ガスケットとして，特開
平５─４４８４７号公報に開示されたものが知られてい
る。該単層金属ガスケットは，弾性金属板を素材とし，
シリンダ用開口の周囲にビードを形成すると共に，シリ
ンダ用開口の周縁部を除く部分をエッチングによって薄
く形成したものである。
【０００３】また，実開平４−８８７６９号公報に開示
されたメタルシリンダヘッドガスケットは，ボア孔周囲
のシール性と透孔周囲のシール性とを独立的に設計可能
としたものであり，ボア孔周囲をボア孔の周りに形成し
たビードを備えた金属板でシールし，透孔周囲を透孔の
周りに形成したハーフビードを備えた金属薄板でシール
したものである。
【０００４】シリンダヘッドガスケットを単板で作製し
たものが知られている。該シリンダヘッドガスケット
は，シリンダブロックのボア周囲に連続したウォータジ
ャケット部を備えたオープンデッキ型エンジンに適用さ
れ，ウォータジャケット部より内側のボア周縁部分を厚
さが厚い金属板によって形成し，その他の部分を厚さが
薄い金属板によって形成し，厚い金属板と薄い金属板と
をウォータージャケット部で重合させて溶接したもので
ある（例えば，特開平８─２３３１０５号公報，特開平
８─２８５０８０号公報参照）。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】上記各シリンダヘッド
ガスケットは，いずれのものも，図１３に示すように，
ボア孔３Ｐの周りを構成するボア孔周縁板２Ｐとボア孔
周縁板２Ｐの周縁６Ｐを取り囲む外周板１Ｐから成り，
ボア孔周縁板２Ｐにボア孔３Ｐ周りにビード７Ｐを形成
したものであり，それらのボア孔周縁板２Ｐの幅は，ボ
ア孔３Ｐの周りで基本的に均一の幅を有しているもので
あり，ボア孔周りに発生する面圧調整についての技術的
思想を備えていないものである。即ち，従来のボア孔周
縁板２Ｐの幅は，上述のように，ボア孔周りで連続的に
変化している形状を有しておらず，締付条件によって
は，特に，ボルト孔近傍のボア孔周りにおける面圧の均
一化を達成できない構造であることは明らかである。上
記のような構成のガスケットでは，シリンダヘッドとシ
リンダブロックとを固定するボルトの締付条件が様々に
異なる各種のエンジンに対して適用する際の柔軟性，適
応性或いは設計の自由度が低くなる。即ち，シリンダヘ
ッドのシリンダブロックへの締付条件によっては，特
に，ボルト孔５Ｐの近傍のボア孔３Ｐの周りにおける面
圧を均一化するのが困難である。上記のような金属ガス
ケットでは，締付条件が様々に異なる各種のエンジンに
対して適用する際に，柔軟性或いは適応性が低くなる傾
向がある。
【０００６】また，シリンダブロックのボア周囲に断続
したウォータジャケット部を備えたクローズドデッキ型
エンジンにおいては，オープンデッキ型のエンジンと比
較して，シリンダブロックの剛性が高い場合が多いの
で，ボルトの締付荷重がやや高めに設定される傾向があ
る。このため，シリンダヘッドガスケットでは，エンジ
ン設計条件によってはボルト孔近傍のボア孔周りで面圧
が高くなり，ボア孔周りでの面圧の均一化を達成するこ
とが困難な場合がある。このような状況では，金属製ガ
スケットには，ボア孔近傍及びボア間を含めてボア孔周
りにおいて面圧バランスを綿密に調整する手段が必要と
なる。
【０００７】上記のように，ボア孔周りボア孔周縁板の
板厚が厚く，ボア孔周縁板を取り囲む外周板から成る単
層金属ガスケットにおいては，ボア孔周縁板の幅がボア
孔周りで均一な幅の形状である場合には，ボア孔周りの
面圧分布は，例えば，ボルト孔に近い部分では高くな
り，ボルト孔から離れた部分では低くなる現象がある。
ガスケットについては，最近のエンジンにおける低剛性
化や高燃焼圧化の状況では，ボア孔周りの微小な面圧ア
ンバランスもシール性能の観点から問題となる場合が多
い。
【０００８】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は，上記
の問題を解決することであり，シリンダヘッドとシリン
ダブロックとのボルトによる締付荷重が高めに設定され
るクローズドデッキ型エンジンに好適であり，ボア孔周
りにおいて，板厚の厚いボア孔周縁板の幅をボア孔周り
において適宜に連続的に変化させることにより，微小な
面圧アンバランスを調整して面圧の均一化を達成できる
構造がシンプルな単層金属ガスケットを提供することで
ある。
【０００９】この発明は，シリンダブロックと該シリン
ダブロックにボルトによって固定されたシリンダヘッド
との対向面間に介在して適用され，ボア孔周りに少なく
とも１条のビードを備え且つ前記ボア孔間に連続部を有
する前記ボア孔周りの周縁部に配置されたボア孔周縁板
と，該ボア孔周縁板を取り囲んで且つ前記ボア孔周縁板
の外周縁部に接続された外周板とから成り，前記ボア孔
周縁板の厚さが前記外周板の厚さよりも厚く形成された
金属ガスケットにおいて，前記ボア孔周縁板の幅を前記
ボア孔周りの面圧分布に応じて連続的に変化させ，前記
ボア孔周りの前記面圧分布の調整の一部を前記ボア孔周
りにおける前記ボア孔周縁板の幅のサイズの狭広で行う
ことを特徴とする単層金属ガスケットに関する。
【００１０】この単層金属ガスケットでは，前記ボア孔
周縁板における前記連続部の前記ボア孔間のそれぞれの
幅は，前記ボア孔間において同一幅又は異なった幅に形
成されている。
【００１１】また，前記ボア孔周縁板の前記ボア孔周り
の幅は，前記ボルトが挿通する前記外周板に形成された
ボルト孔の近傍で最も狭く形成されている。
【００１２】この単層金属ガスケットは，上記のように
構成されているので，ボア孔周りの面圧の均一化を容易
に調整することができる。特に，ボルト孔近傍におい
て，ボルトの締付圧力が高くなっていたとしても，ボア
孔周縁板の幅を上記のように調整することによってボア
孔周りの面圧分布を均一化してシール性を向上させるこ
とができる。
【００１３】
【発明の実施の形態】以下，図面を参照して，この発明
による単層金属ガスケットの実施例を説明する。図１は
この発明による単層金属ガスケットの実施例を示す平面
図，図２は図１の単層金属ガスケットにおけるボア孔周
縁板を示す平面図，図３は図１の符号Ｄの領域に相当す
る部分の別の例を示す平面図，図４〜図１０は図１の単
層金属ガスケットのＡ−Ａ断面とＢ−Ｂ断面における各
種の実施例を示す断面図，図１１はボア孔周りに２条の
ハーフビードを備えた実施例であり，図１の符号Ｃの領
域を示す拡大平面図，図１２は図１１のＣ−Ｃ断面にお
ける実施例を示す断面図，及び図１３は従来の金属ガス
ケットのボア孔周縁板を示す平面図である。
【００１４】この単層金属ガスケットは，シリンダブロ
ックと該シリンダブロックにボルトによって固定された
シリンダヘッドとの対向面間に介在して適用されるもの
であり（図示せず），ボア孔３及びボア孔３の周りにビ
ード７を備えたボア孔周縁板２と，ボア孔周縁板２を取
り囲んで且つボア孔周縁板２の外周縁６に接続された外
縁板即ち外周板１とから成り，ボア孔周縁板２の厚さが
外周板１の厚さよりも厚く形成されている。外周板１に
は，上記ボルトが貫通するボルト孔５の他に，油孔２
０，水孔２１，油孔兼ボルト孔２２等の孔を適宜形成さ
れている。
【００１５】この単層金属ガスケットは，特に，ボア孔
周縁板２の幅をボア孔３の周りの面圧分布に応じて連続
的に変化させ，ボア孔周りの面圧分布の調整の一部をボ
ア孔周りにおけるボア孔周縁板２の幅のサイズの狭広で
行うことに特徴を有している。この単層金属ガスケット
は，特に図１と図２に示すように，ボア孔周縁板２の幅
を，ボア孔３周りに沿って狭い幅４と広い幅１１とで形
成したものであり，ボルト孔５の近傍で最も幅が狭い形
状に構成されており，シリンダブロックのボア間が比較
的広いタイプのエンジンに適したものである。これに対
して，図３に示す単層金属ガスケットは，ボア孔周縁板
２の最も狭い部分（狭い幅４）がボア孔３の間及びボル
ト孔５の近傍に位置しており，狭い幅４の部分と接続部
８とがほぼ同じ幅を有する形状をしており，外周板１と
ボア孔周縁板２とを構成する金属板が単層であるので，
ボア孔周縁板２のボア孔３の間を余り極端に狭くするこ
とは困難であり，例えば，面圧バランス上，不可欠とな
った場合等に適用することが好ましい。
【００１６】また，ボア孔周縁板２における連続部即ち
接続部８のボア孔３間のそれぞれの幅は，ボア孔３の
間，言い換えれば，気筒間において同一幅又は異なった
幅に形成されているものである。この単層金属ガスケッ
トは，基本的には，ボア孔周縁板２のボア孔３周りの幅
は，ボルトが挿通する外周板１に形成されたボルト孔５
の近傍で最も狭い幅４に形成され，ボルト孔５の近傍か
ら離れるに従って広い幅１１に形成されている。
【００１７】この単層金属ガスケットでは，ボア孔周縁
板２のビード７の高さは，ボア孔３周りにおいて一定で
あり，例えば，部分的にビード７の高さを変化させる必
要もないものである。ボア孔周縁板２に形成されたビー
ド７の平面的形状は，必ずしも円環状に限らず，ボア形
状，ボルト孔５位置及びこれらと関連する微小面圧バラ
ンスに応じた多少の変形は許容されるものである。ボア
孔周縁板２に形成されたビード７の向きは，シリンダヘ
ッド側に突出する形状に限定されるものではなく，シリ
ンダブロック側に突出する形状に構成することもでき
る。また，ボア孔周縁板２に形成されたビード７の幅
は，ボア孔３の周りで一定の幅を持つシンプルな形状で
もよいが，面圧均一化，面圧の微調整上，特定領域での
適正な面圧を確保するため等の面圧調整のため，必要に
応じてボア孔３の周りで局部的に適宜変えることもでき
る。
【００１８】この単層金属ガスケットを作製する場合
に，外周板１とボア孔周縁板２とは，それぞれ異なる厚
さの別個の弾性金属板から打ち抜いて加工することがで
きる。ボア孔周縁板２は，ボア孔３間では互いに接続さ
せるための接続部８を有するように形成されている。
【００１９】この単層金属ガスケットでは，ボア孔周縁
板２の個々のボア孔３の周りの平面的形状は，それぞれ
同一，言い換えれば，平面形状で合同であってもよく，
或いは異なった形状に形成されてもよいものである。こ
の単層金属ガスケットは，例えば，３，４気筒用として
使用される場合に，必ずしも両端側で同一の形状に構成
される必要はないものである。
【００２０】ボア孔周縁板２について，幅が広い部分の
外形を結んだ平面的基本形状は，円形状に限らず，多角
形状，四角形状等の形状に形成することもできる。ま
た，ボア孔周縁板２は，エンジンのボアに対応するボア
孔３に沿う周縁部９を接続部８でそれぞれ接続すること
ができるように，ボア孔周縁板２の形状に応じて弾性金
属板から打ち抜いて形成することができる。
【００２１】この単層金属ガスケットは，外周板１とボ
ア孔周縁板２とを接続することによって構成されてい
る。外周板１とボア孔周縁板２との接続方法は，突き合
わせ溶接，重ね合わせ溶接，機械的かしめ等の固着方法
によって達成でき，重合による突出部を形成しないよう
に，外周板１とボア孔周縁板２と境界部に段差形状に形
成したり，或いは，図示していないが，滑らかな面に形
成することができる。
【００２２】また，この単層金属ガスケットは，ボア孔
３の周方向の適切な位置に，図７，図８，図９及び図１
０に示すように，フッ素ゴム等やウレタン系高分子材料
等から成るシールのための補助シールビード１０を形成
することができる（例えば，特願平１０−３２３８０９
号参照）。補助シールビード１０は，外周板１とボア孔
周縁板２とを部分的に溶接する場合に，製作上，溶接工
数を削減するように形成してもよいものである。
【００２３】また，この単層金属ガスケットは，ボア孔
３の間の領域では少なくとも１条のビード７が会合した
形状に構成することもできる。１条のフルビードを会合
させる場合に，例えば，会合ビード部におけるばね定数
を適正な大きさに調整し，会合ビード部におけるビード
幅の変化と断面形状の変化を小さくし，会合ビード部に
おける面圧のピーク値を低くし，会合ビード部と非会合
ビード部の境界に発生する面圧の低下を小さくするよう
に構成することができる（例えば，特開平６−７４３４
３号公報参照）。
【００２４】この単層金属ガスケットでは，外周板１と
ボア孔周縁板２との材質は，金属であり，軟鋼，ばね
鋼，加工または加温や加熱等の熱処理によって硬化する
金属材料，鋳鉄類，ステンレス鋼類，アルミニウム合金
類等を使用でき，外周板１とボア孔周縁板２との材質が
異なったものを利用することもできる。また，外周板１
とボア孔周縁板２との表面を，非金属材料等でコーティ
ング処理を施してもよいものである。外周板１とボア孔
周縁板２へのコーティング処理を施す面，領域等は，適
正に選択して行うことができ，局部的又は全面的なコー
ティング処理を行うことができる。更に，外周板１とボ
ア孔周縁板２とは，板の厚さは，適用するエンジンによ
って決定されるものであり，両者の厚さの比率が決定さ
れているものではない。
【００２５】次に，図４〜図１２を参照して，この発明
による単層金属ガスケットの各種の実施例を説明する。
図４〜図１２において，同一機能を有する部分には同一
符号を付し，重複する説明は省略する。図４〜図１０に
おいて，符号Ａはボア孔周縁板２の幅が広い幅１１を示
し，符号Ｂはボア孔周縁板２の幅が狭い幅４を示してい
る。また，ボア孔周縁板２に形成されたビード７は，ボ
ア孔３に沿って同一形状に形成されているものとする。
【００２６】まず，図４を参照して，この単層金属ガス
ケットの第１実施例を説明する。図４の（Ａ）は図１の
単層金属ガスケットにおけるボア孔周縁板の幅が広い領
域のＡ−Ａ断面を示す断面図，及び図４の（Ｂ）は図１
の単層金属ガスケットにおけるボア孔周縁板の幅が狭い
領域のＢ−Ｂ断面を示す断面図である。第１実施例で
は，ボア孔周縁板２に形成されたボア孔３の周りに沿っ
て１条のフルビード１３のビード７を備えており，ボア
孔周縁板２の周縁部６を取り囲むように外周板１が配置
されている。ボルト孔５の近傍では，ボア孔周縁板２の
幅が狭い状態に形成されている。
【００２７】図５を参照して，この単層金属ガスケット
の第２実施例を説明する。図５の（Ａ）は図１の単層金
属ガスケットにおけるボア孔周縁板の幅が広い領域のＡ
−Ａ断面を示す断面図，及び図５の（Ｂ）は図１の単層
金属ガスケットにおけるボア孔周縁板の幅が狭い領域の
Ｂ−Ｂ断面を示す断面図である。第２実施例では，ボア
孔周縁板２に２条のビード７が形成されており，ボア孔
３に沿って内側にフルビード１３が形成され，フルビー
ド１３の外側にハーフビード１２が形成されている。
【００２８】図６を参照して，この単層金属ガスケット
の第３実施例を説明する。図６の（Ａ）は図１の単層金
属ガスケットにおけるボア孔周縁板の幅が広い領域のＡ
−Ａ断面を示す断面図，及び図６の（Ｂ）は図１の単層
金属ガスケットにおけるボア孔周縁板の幅が狭い領域の
Ｂ−Ｂ断面を示す断面図である。第３実施例では，ボア
孔周縁板２に２条のビード７が形成されており，ボア孔
３に沿って内側のフルビード１３が形成され，内側のフ
ルビード１３の外周側に外側のフルビード１３が形成さ
れている。
【００２９】図７を参照して，この単層金属ガスケット
の第４実施例を説明する。図７の（Ａ）は図１の単層金
属ガスケットにおけるボア孔周縁板の幅が広い領域のＡ
−Ａ断面を示す断面図，及び図７の（Ｂ）は図１の単層
金属ガスケットにおけるボア孔周縁板の幅が狭い領域の
Ｂ−Ｂ断面を示す断面図である。第４実施例では，ボア
孔周縁板２に１条のフルビード１３のビード７が形成さ
れており，しかも，ビード７の内外周に補助シールビー
ド１０がそれぞれ形成されている。第４実施例では，補
助シールビード１０の突出方向は，フルビード１３の突
出方向と同一方向にそれぞれ方向付けられている。
【００３０】図８を参照して，この単層金属ガスケット
の第５実施例を説明する。図８の（Ａ）は図１の単層金
属ガスケットにおけるボア孔周縁板の幅が広い領域のＡ
−Ａ断面を示す断面図，及び図８の（Ｂ）は図１の単層
金属ガスケットにおけるボア孔周縁板の幅が狭い領域の
Ｂ−Ｂ断面を示す断面図である。第５実施例では，ボア
孔周縁板２には２条のビード７が形成され，ボア孔３に
沿って内側にフルビード１３が形成され，フルビード１
３の外側にハーフビード１２が形成されている。しか
も，フルビード１３とハーフビード１２との間には補助
シールビード１０が形成されている。第５実施例では，
補助シールビード１０の突出方向は，フルビード１３の
突出方向と同一方向にそれぞれ方向付けられている。第
５実施例では，補助シールビード１０は，フルビード１
３とハーフビード１２との間に位置しているが，フルビ
ード１３の内側，或いはハーフビード１２の外周に形成
されてもよいものである。
【００３１】図９を参照して，この単層金属ガスケット
の第６実施例を説明する。図９の（Ａ）は図１の単層金
属ガスケットにおけるボア孔周縁板の幅が広い領域のＡ
−Ａ断面を示す断面図，及び図９の（Ｂ）は図１の単層
金属ガスケットにおけるボア孔周縁板の幅が狭い領域の
Ｂ−Ｂ断面を示す断面図である。第６実施例では，ボア
孔周縁板２には，１条のフルビード１３のビード７が形
成され，ボア孔３に沿ってフルビード１３の内側で且つ
両面に一対の補助シールビード１０，１６が形成されて
いる。補助シールビード１０は，フルビード１３の凸部
側に形成され，補助シールビード１６はフルビード１３
の凹部側に形成されている。更に，外周板１には，ボル
ト孔５の周囲にハーフビード１４が形成されている。
【００３２】図１０を参照して，この単層金属ガスケッ
トの第７実施例を説明する。図１０の（Ａ）は図１の単
層金属ガスケットにおけるボア孔周縁板の幅が広い領域
のＡ−Ａ断面を示す断面図，及び図１０の（Ｂ）は図１
の単層金属ガスケットにおけるボア孔周縁板の幅が狭い
領域のＢ−Ｂ断面を示す断面図である。第７実施例で
は，ボア孔周縁板２に１条のフルビード１３のビード７
が形成されており，しかも，ビード７の外周側に補助シ
ールビード１０が形成されている。補助シールビード１
０は，図示していないが，ビード７の内周側に設けるこ
ともできる。第７実施例では，補助シールビード１０の
突出方向は，フルビード１３の突出方向と同一方向にそ
れぞれ方向付けられている。更に，外周板１に形成され
たボルト孔５の周囲には補助シールビード１５が形成さ
れている。
【００３３】図１１及び図１２を参照して，この単層金
属ガスケットの第８実施例を説明する。図１１は図１の
単層金属ガスケットにおける符号Ｄ領域を示す拡大平面
図，及び図１２は図１１のＣ−Ｃ断面における断面図で
ある。第８実施例は，ボア孔周縁板２に２条のハーフビ
ード１２のビード７が形成されている。第８実施例で
は，ボア孔３に沿って内周側に内側のハーフビード１２
が形成され，内側のハーフビード１２の外周側に外側の
ハーフビード１２が形成され，しかも，両ハーフビード
１２は，傾斜方向が逆方向に延びており，互いに会合す
ることなく，間に平ら部１８が形成されるように隔置し
て形成されている。また，第８実施例では，ボア孔周縁
板２のボア孔３間では，外側のハーフビード１２が互い
に近接し，フルビード状の会合部１７に形成され，この
形状に構成されることによってボア孔３における面圧バ
ランスの調整を良好に行うことができる。また，図示し
てないが，ボア孔周縁板２に１条のハーフビードを形成
した場合でも，ボア孔３の間の接続部８で互いに近接さ
せ，フルビード状の会合部に形成することもできる。
【００３４】
【発明の効果】この発明による単層金属ガスケットは，
上記のように，ボア孔周縁板の幅をボア孔周りに部分的
に変更するだけで，ボア孔周縁板に形成されるビードの
高さをボア孔に沿って部分的に変更することなく，ボア
孔の周りの面圧を微小調整を含めて調整することがで
き，ボア孔周りの面圧を均一化すると共に，簡単に調整
することができる。従って，この単層金属ガスケット
は，特に，クローズドタイプのエンジンに適用した場合
に，面圧バランスの調整が容易であり，構造的に簡素化
されたガスケットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明による単層金属ガスケットの実施例を
示す平面図である。
【図２】図１の単層金属ガスケットにおけるボア孔周縁
板を示す平面図である。
【図３】図１の符号Ｄの領域に相当する部分の別の例を
示す平面図である。
【図４】図１の単層金属ガスケットのＡ−Ａ断面とＢ−
Ｂ断面における第１実施例を示す断面図である。
【図５】図１の単層金属ガスケットのＡ−Ａ断面とＢ−
Ｂ断面における第２実施例を示す断面図である。
【図６】図１の単層金属ガスケットのＡ−Ａ断面とＢ−
Ｂ断面における第３実施例を示す断面図である。
【図７】図１の単層金属ガスケットのＡ−Ａ断面とＢ−
Ｂ断面における第４実施例を示す断面図である。
【図８】図１の単層金属ガスケットのＡ−Ａ断面とＢ−
Ｂ断面における第５実施例を示す断面図である。
【図９】図１の単層金属ガスケットのＡ−Ａ断面とＢ−
Ｂ断面における第６実施例を示す断面図である。
【図１０】図１の単層金属ガスケットのＡ−Ａ断面とＢ
−Ｂ断面における第７実施例を示す断面図である。
【図１１】ボア孔周りに２条のハーフビードを備えた実
施例であり，図１の符号Ｃの領域を示す拡大平面図であ
る。
【図１２】図１１のＣ−Ｃ断面における実施例を示す断
面図である。
【図１３】従来の金属ガスケットのボア孔周縁板を示す
平面図である。
【符号の説明】
１ 外周板 ２ ボア孔周縁板 ３ ボア孔 ４ 狭い幅 ５ ボルト孔 ６ 周縁部 ７ ビード ８ 接続部 ９ 周縁 １０，１５，１６ 補助シールビード １１ 広い幅 １２，１４ ハーフビード １３ フルビード １７ フルビード状の会合部 １８ 平ら部 ２０ 油孔 ２１ 水孔 ２２ 油孔兼ボルト孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 シリンダブロックと該シリンダブロック
    にボルトによって固定されたシリンダヘッドとの対向面
    間に介在して適用され，ボア孔周りに少なくとも１条の
    ビードを備え且つ前記ボア孔間に連続部を有する前記ボ
    ア孔周りの周縁部に配置されたボア孔周縁板と，該ボア
    孔周縁板を取り囲んで且つ前記ボア孔周縁板の外周縁部
    に接続された外周板とから成り，前記ボア孔周縁板の厚
    さが前記外周板の厚さよりも厚く形成された金属ガスケ
    ットにおいて，前記ボア孔周縁板の幅を前記ボア孔周り
    の面圧分布に応じて連続的に変化させ，前記ボア孔周り
    の前記面圧分布の調整の一部を前記ボア孔周りにおける
    前記ボア孔周縁板の幅のサイズの狭広で行うことを特徴
    とする単層金属ガスケット。
  2. 【請求項２】 前記ボア孔周縁板における前記連続部の
    前記ボア孔間のそれぞれの幅は，前記ボア孔間において
    同一幅又は異なった幅に形成されていることを特徴とす
    る請求項１に記載の単層金属ガスケット。
  3. 【請求項３】 前記ボア孔周縁板の前記ボア孔周りの幅
    は，前記ボルトが挿通する前記外周板に形成されたボル
    ト孔の近傍で最も狭く形成されていることを特徴とする
    請求項１又は２に記載の単属金属ガスケット。
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