JP2001031934A - クロロプレンラテックス接着剤を用いた接着方法および積層体 - Google Patents
クロロプレンラテックス接着剤を用いた接着方法および積層体Info
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Abstract
能に優れ、かつ耐熱性とのバランスにも優れたクロロプ
レンラテックス接着剤の接着方法を提供する。 【解決手段】 (A)クロロプレン単独またはそれと共
重合可能な単量体を30℃より低い温度で重合して得ら
れ、ロジン酸、ロジン酸ナトリウムおよびロジン酸カリ
ウムから選ばれる1種または2種以上と、水酸化ナトリ
ウムおよび水酸化カリウムを含みクロロプレン重合体が
3〜40重量%のゲル分を含み、ゾルの重量平均分子量
が40万以上であるクロロプレンラテックス、および
(B)PH調整剤を含み、PHが7〜10であるクロロ
プレンラテックス接着剤を、スプレー塗布装置を用いて
塗布し、湿潤状態で圧着により接合する接着方法。
Description
テックス接着剤を用いた接着方法およびそれによって得
られる積層体に関する。さらに詳しくは初期接着性能、
特に湿潤状態における接着性能に優れ、かつ耐熱性との
バランスに優れたクロロプレンラテックス接着剤の接着
方法およびそれによって得られる積層体に関する。
接着剤は溶剤型が主流であった。しかし、近年溶剤型接
着剤は製造や使用の際の有機溶剤による毒性、火気危険
性、環境汚染などの問題から、脱溶剤化の要求が高まっ
ている。
ラテックス接着剤に代替する方法が有効と考えられ、各
種ポリマーを使用したラテックス接着剤の検討が盛んに
行われている。
は、接合する被着体の双方に塗布し、これら接着剤層を
乾燥した後に貼り合わせることにより、貼り合わせ直後
から高い接着性を発現する。こうした特徴から水系コン
タクト型接着剤として利用が期待されている反面、乾燥
時間が必要となるために、接着剤を塗布してから接着す
るのに時間を要すること、また乾燥時間を短縮するには
特殊な乾燥設備が必要となりコストアップにつながるな
どの課題があった。
は、クロロプレン100重量部に対し、3〜5重量部の
長鎖脂肪酸またはロジン酸の塩類を乳化剤に用い、n−
ドデシルメルカプタン0.09〜0.15重量部の存在
下で、該単量体を20℃より低温でアルカリ性乳化液中
で重合を行い、単量体の転化率90〜98%で重合を停
止し、ゲル分40〜90重量%を含有するポリクロロプ
レンのラテックスをつくり粘着付与樹脂を配合したポリ
クロロプレンラテックス接着剤の製造方法が開示されて
いる。また特開平4−298536号公報にはアクリル
酸エステルコポリマーを含む第一分散液とクロロプレン
重合体のコロイド状第二分散液を予め混合した後、また
は同時に混合しながら塗布し、湿潤状態で被着体を押し
つけることで接着する方法が開示されている。また特開
平10−195406号公報にはアクリルエマルジョン
とクロロプレンラテックス、更に必要に応じてウレタン
樹脂エマルジョンと可塑剤を含有する水系接着剤組成物
が開示されている。また特公昭54−97637号公
報、特公昭56−9953号公報などには、ゴムラテッ
クスとラテックスを造膜する造膜剤よりなる2液型水系
接着剤が開示されている。しかし、これらの公報の実施
例に従い作製されたラテックスは、初期接着性能、特に
湿潤状態における接着性能が十分とは言えず、この改良
が課題となっていた。
従来技術の問題点を解決し、初期接着性能、特に湿潤状
態における接着性能に優れ、かつ耐熱性とのバランスに
も優れたクロロプレンラテックス接着剤の接着方法を提
供するものである。
題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、ロジン酸系の
乳化剤を使用し、30℃より低い温度で重合し、水酸化
ナトリウムおよび水酸化カリウムを含有するクロロプレ
ンラテックスを用い、更にPH調整剤の使用によりラテ
ックスPHを7〜10としたクロロプレンラテックス接
着剤を、スプレー塗布装置を用いて塗布し、湿潤状態で
圧着接合することにより、初期接着性能、特に湿潤状態
における接着性能に優れ、かつ耐熱性とのバランスにも
優れた接着方法が得られることを見いだし、本発明の完
成に至った。
クロロプレン及びそれと共重合可能な単量体を30℃よ
り低い温度で重合して得られ、ロジン酸、ロジン酸ナト
リウムおよびロジン酸カリウムから選ばれる1種または
2種以上と、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを
含みクロロプレン重合体が3〜40重量%のゲル分を含
み、ゾルの重量平均分子量が40万以上であるクロロプ
レンラテックス、および(B)PH調整剤を含み、PH
が7〜10であるクロロプレンラテックス接着剤を、ス
プレー塗布装置を用いて塗布し、湿潤状態で圧着により
接合する接着方法である。また本発明は、クロロプレン
ラテックスが、ナトリウムイオン量がラテックスの固形
分あたり0.15〜1.0重量%、カリウムイオン量が
ラテックスの固形分あたり0.15〜1.0重量%であ
る上記のクロロプレンラテックス接着剤を用いた接着方
法である。更に本発明は上記のクロロプレンラテックス
接着剤に、粘着付与樹脂および/または可塑剤および/
または軟化剤を配合してなるクロロプレンラテックス接
着剤を用いた上記の接着方法である。
多孔質有機材料と非多孔質材料を上記の接着方法により
接着させた積層体である。更に本発明は上記の多孔質有
機材料がポリウレタンの発泡体である上記の積層体であ
る。
けるクロロプレン重合体は、2−クロロ−1,3−ブタ
ジエン(以下クロロプレンと記す)の単独重合体および
クロロプレンと共重合可能な他の単量体の1種以上を共
重合して得られる共重合体である。
な単量体としては、例えば2,3−ジクロロ−1,3−
ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジ
エン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アク
リル酸及びそのエステル類、メタクリル酸及びそのエス
テル類等が挙げられ、必要に応じてこれらを2種以上用
いてもかまわない。
分とは、トルエン溶媒に不溶な成分の含有率をいい、ゾ
ルとはトルエン溶媒に可溶な成分をいう。本発明におけ
るクロロプレン重合体は、そのゲル分が3〜40重量%
の範囲にある。なお、ゲル分は下記の方法で求めること
が出来る。クロロプレン重合体ラテックスを凍結乾燥し
重量をAとする、23℃で20時間トルエンに溶解
(0.6重量%に調整)し、遠心分離機を使用し、更に
200メッシュの金網を用いて不溶分すなわちゲルを分
離する。ゲルを風乾後110℃雰囲気下で、1時間乾燥
し重量をBとする。下記の式に従ってゲル分を算出す
る。 ゲル分=B/A×100 (%)
体のゾル、即ちトルエン溶媒可溶成分の重量平均分子量
が重要な役割を果たし、本発明におけるクロロプレン重
合体のゾルの重量平均分子量は40万以上である。重量
平均分子量の好ましい範囲は45万以上120万以下で
ある。
分、およびゾルの重量平均分子量を以上のように規定し
ているのは以下の理由による。
は、クロロプレン重合体が分子運動性に優れたゾルを多
量に含むことによる。この為クロロプレンラテックス粒
子間および接着界面におけるクロロプレン分子鎖の融合
がすみやかに起こり、接着強度が瞬時に発現し、優れた
初期接着性能を発現することが可能となる。クロロプレ
ン重合体のゲル分が40重量%を越えると、この初期接
着性能が大幅に低下するため好ましくない。
ロロプレンラテックス接着剤においては、ゲル分の低い
クロロプレン重合体を使用した場合は耐熱性が劣る傾向
にあり、初期接着性と耐熱性のバランスに劣っていた。
本発明においては、クロロプレン重合体のゲル分が3〜
40重量%、ゾルの重量平均分子量を40万以上とする
ことにより、優れた初期接着性能と耐熱性のバランスが
優れたものとなる。ゲル分が3重量%未満、ゾルの重量
平均分子量が40万未満の場合には耐熱性が著しく低下
する。
性と耐熱性のバランス化が要求される場合にはゲル分は
5〜30重量%でありかつゾルの重量平均分子量は50
万以上とすることが好ましい。
得るには、周知の重合方法を用いて、クロロプレン重合
体のゲル分が3〜40重量%、ゾルの重量平均分子量が
40万以上となるよう調整すればよいが、高度な分子制
御が必要となるため、以下の方法で調整することが好ま
しい。
には、水性乳化液中でラジカル重合する方法が簡便であ
り工業的にも有利な方法である。この際に使用する乳化
剤としては、例えばロジン酸の塩類、脂肪酸の塩類、ア
ルキルベンセンスルホン酸Naなどのアルキルスルホン
酸塩、ラウリル硫酸Naなどのアルキル硫酸エステル塩
のごときアニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤、カチオ
ン系乳化剤、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子
などが挙げられる。しかし、本発明においては、重合制
御面、および初期接着性能、特に湿潤状態における接着
性能の観点から、少なくともロジン酸および/またはロ
ジン酸塩を使用することが必要であり、ロジン酸、ロジ
ン酸ナトリウムおよびロジン酸カリウムから選ばれる1
種または2種以上と、水酸化ナトリウムおよび水酸化カ
リウムとを用いる。また、ロジン酸、ロジン酸ナトリウ
ムおよびロジン酸カリウムから選ばれる1種または2種
以上をクロロプレンまたはクロロプレン及びそれと共重
合可能な単量体100重量部に対して3〜7重量部含
み、かつ水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムをナト
リウムイオン量とカリウムイオン量の合計量がロジン酸
の中和量より過剰となるように使用することが好まし
い。更に、これに上記の乳化剤の1種あるいは2種以上
を併用しても構わない。特にロジン酸とノニオン乳化剤
の併用は、ラテックスの多価イオンに対する安定性や凍
結・低温安定性を高める上で有効であり、ノニオン乳化
剤は重合時あるいは重合後に添加することが出来る。
分子量の制御は、連鎖移動剤の使用とその使用量、
重合温度と、さらに最終重合率の調整によって可能と
なる。
合体の製造に一般的に用いられるものであれば特に制限
はなく、例えばn−ドデシルメルカプタンやtert−
ドデシルメルカプタン等の長鎖アルキルメルカプタン
類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドやジエチ
ルキサントゲンジスルフィド等のジアルキルキサントゲ
ンジスルフィド類、ヨードホルム等の公知の連鎖移動剤
を使用することができる。なお、ゲル分、およびゾルの
分子量制御面において長鎖アルキルメルカプタン類また
はジアルキルキサントゲンジスルフィド類の使用が好ま
しい。
重合に用いられる過硫酸カリウム等の加硫酸塩、第3−
ブチルヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が使用
でき、特に限定されるものではない。またアントラキノ
ンスルホン酸ナトリウムや、ホルムアミジンスルフィン
酸などを併用することでより円滑に重合反応を進めるこ
とが出来る。また重合温度については、一般のクロロプ
レンの乳化重合では0〜55℃の範囲であることが重合
制御上好ましいが、本発明におけるゲル分が3〜40重
量%、ゾルの重量平均分子量が40万以上のクロロプレ
ン重合体を得るには、30℃より低い温度で重合するこ
とが必要であり、5〜20℃の低温で行うことがより好
ましい。より低温で重合を行うことにより、ゲル分を低
く抑えかつゾルの重量平均分子量を大きくすることがで
きる。また重合温度を低くすることにより、クロロプレ
ン重合体主鎖中の1,4−トランス構造が増加し、結晶
性の高いクロロプレン重合体を得ることができる。クロ
ロプレン重合体の結晶化により、初期接着力が向上する
ほか、凝集力の高い接着剤層を得ることが可能となる。
ロプレンまたはクロロプレン及びそれと共重合可能な単
量体の最終重合率は、80〜95%の範囲であることが
好ましく、この範囲の最終重合率とすることにより、目
的のゲル分とゾルの重量平均分子量を有するクロロプレ
ン重合体の制御が可能となる。最終重合率をこの範囲に
制御するには、フェノチアジン、ヒドロキシアミン、タ
ーシャリーブチルカテコールなどの重合停止剤を添加
し、所定の最終重合率となるよう重合を停止すればよ
い。
するゲル分、およびゾルの分子量を達成できるよう連鎖
移動剤の添加量を調整すればよいが、例えば連鎖移動剤
としてn−ドデシルメルカプタンを使用した場合、その
使用量をクロロプレンまたはクロロプレン及びそれと共
重合可能な単量体100重量部当たり0.06〜0.1
8重量部使用し、最終重合率を80〜95%の範囲で重
合することで達成できる。
の固形分濃度は特に限定されるものではないが、45〜
65重量%の範囲にあることが好ましく、より好ましく
は50〜65重量%、更に好ましくは55〜65重量%
の範囲である。より高い固形分濃度とすることにより、
より初期接着性に優れたラテックスとなる。特に湿潤状
態における接着に対して、高固形分化による接着性能の
向上が顕著となる。なお、固形分濃度は、重合時のモノ
マー/水比あるいはモノマー分添などにより調節できる
ほか、濃縮あるいは水等の添加により希釈することで、
必要な濃度に制御することができる。濃縮の方法として
は、減圧濃縮などがあるが、特に限定するものではな
い。
ラテックスを取扱い易くし、また特に湿潤状態における
高度な接着性能を発現するためには、乳化剤としてロジ
ン酸を用い、更にラテックス中にナトリウムイオンとカ
リウムイオンを特定量含有することが好ましい。この際
のロジン酸の使用量としてはクロロプレンまたはクロロ
プレン及びそれと共重合可能な単量体100重量部に対
して3〜7重量部の範囲が好ましく、より好ましくは4
〜6重量部の範囲である。またラテックス中のナトリウ
ムイオン量は、ラテックスの固形分あたり0.15〜
1.0重量%、より好ましくは0.3〜1.0重量%、
更に好ましくは0.5〜1.0重量%であり、カリウム
イオン量がラテックスの固形分あたり0.15〜1.0
重量%であることが好ましい。これにより低温安定性や
放置中の層分離安定性に優れ、かつ貯蔵安定性に優れ、
更に湿潤状態での接着性能に優れたクロロプレンラテッ
クスを得ることができる。
おいては、クロロプレンラテックスに対して、PH調整
剤を添加し、ラテックスPHを7〜10とすることが必
要である。このようなPH調整剤としては、一般的な無
機酸、有機酸などの酸性物質やその塩類、アミノ酸類な
どの両性塩類の他、PHが10以下のエマルジョン類や
各種ラテックス類を使用することが出来、これらの1種
または2種以上を併用することが出来る。例えば有機酸
としては、酢酸、ぎ酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、フタル酸、イ
ソフタル酸、乳酸、酪酸、アスコルビン酸、コハク酸、
酒石酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、アジ
ピン酸、シュウ酸、アビエチン酸等が挙げられ、無機酸
としてはホウ酸、リン酸、塩酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、
亜硫酸などが挙げられ、これら有機酸、無機酸とナトリ
ウム、カリウム、アンモニア、アミノエタノール、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミンとの塩類などが
挙げられる。またアミノ酸類としては、グリシン、グリ
シルグリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、アラニ
ン、フェニルアラニン、アルギニン、グルタミン、グル
タミン酸などが挙げられ、PH10以下のエマルジョン
としては、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステル
の共重合体エマルジョンやアクリル酸、メタクリル酸等
を共重合したスチレン−ブタジエン共重合体やクロロプ
レンなどのカルボキシル変性合成ゴムラテックスなどが
挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
なお接着性能、ラテックスの安定性の面ではグリシン、
アラニン、フェニルアラニン、グルタミン酸などのアミ
ノ酸類やマロン酸などの有機酸が好ましい。
て、ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジン樹
脂、重合ロジン樹脂、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹
脂、テルペンフェノール樹脂、C5留分系石油樹脂、C
9留分系石油樹脂、C5留分/C9留分系石油樹脂、D
CPD系石油樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン
樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂などの粘着
付与樹脂を添加することが出来る。粘着付与樹脂の添加
方法としては、接着剤組成物中に樹脂を均一に分散させ
るために、エマルジョンとしてから添加するのが好まし
い。その他酸化亜鉛など金属酸化物、炭酸カルシウムや
シリカなどの無機充填剤、ジブチルフタレートやプロセ
スオイルなどの可塑剤または軟化剤、更に各種老化防止
剤や加硫促進剤、イソシアネート類などの硬化剤、増粘
剤などを任意に配合することができる。
皮革、レザー、ゴム、プラスチック、フォーム、陶器、
ガラス、セラミック、金属などの同種、あるいは異種の
接合接着を良好に行うことができ、特に湿潤状態におけ
る接着性に優れている。また、本発明の接着方法におい
ては、少なくとも片面が紙、木材、布、皮革、レザー、
フォームなどの多孔質有機材料である場合により高い接
着性能が得られ、良好な多孔質有機材料同士または多孔
質有機材料と非多孔質材料の積層体を得ることができ
る。更に、多孔質有機材料がポリウレタンの発泡体であ
る場合により良好な積層体を得ることができる。またラ
テックス接着剤の施工方法に関しては、一般に刷毛塗
り、コテ塗り、スプレー塗布、ロールコーター塗布など
が可能であるが、本発明のスプレー塗布による接着方法
は、作業性、初期接着性において優れている。
エアスプレー、エアレススプレー等を使用することがで
きる。また接合する被着体それぞれの両面に塗布し接着
する方法、あるいは片方にのみ塗布し接着する方法のい
ずれも可能である。なお塗布量については被着体表面に
接着剤として20〜200g/m2程度とするのが好ま
しいが、より好ましくは40〜150g/m2程度であ
り、更に塗布後1〜10分程度経過後に圧着するのが好
ましい。
凝固剤として使用することでより高い初期接着性を発現
することができる。凝固剤を塗布する方法としては、ク
ロロプレンラテックス接着剤を塗布後に別のスプレーを
用いて接着剤層の上に塗布する方法、あるいは反対に凝
固剤を先に塗布した後、クロロプレンラテックス接着剤
をスプレー塗布する方法、あるいは2台のスプレーを用
いクロロプレンラテックス接着剤と凝固剤とを同一面に
吹き付ける方法、あるいはクロロプレンラテックス接着
剤と凝固剤と同時に塗布できるスプレー、即ち2液型ス
プレーを用いて塗布する方法などが可能である。凝固剤
としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシ
ウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、硫酸ナト
リウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミ
ニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウ
ム、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウムなどの水溶液
が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
なおこの場合は、先に伸べた粘着付与樹脂、可塑剤など
の配合剤を添加してもかまわない。
が、これらの実施例は本発明を限定するものでない。な
お、以下の説明における部および%は重量基準によって
示す。
造 内容積3リットルの反応器を用い、窒素気流下で、水1
00部、酸価160の不均化ロジン酸5部、水酸化ナト
リウム0.8部、水酸化カリウム0.3部、ホルムアル
デヒドナフタレンスルホン酸縮合物のナトリウム塩0.
3部、亜硫酸水素ナトリウムを0.3部仕込み、溶解
後、撹拌しながらクロロプレン単量体100部とn−ド
デシルメルカプタン0.14部を加えた。過硫酸カリウ
ム0.1重量部を開始剤として用い、窒素雰囲気下10
℃で重合し、最終重合率が90%に達したところでフェ
ノチアジンの乳濁液を加えて重合を停止した。減圧下で
未反応単量体を除去し、クロロプレンラテックスAを得
た。更に減圧下で水分を蒸発させ濃縮を行い、固形分濃
度が55%となるよう調整した。ラテックス中のナトリ
ウムイオン(Naイオン)は0.63%、カリウムイオ
ン(Kイオン)量は0.27%となる。なおラテックス
中のナトリウムイオン(Naイオン)、カリウムイオン
(Kイオン)量については、各添加剤の含有量を全て合
計し、ラテックス中の固形分に対する割合(%)とし
た。
て、表1に示した各種配合処方で接着剤を調整し、以下
の方法により接着性を評価した。 〔初期接着強度〕密度30kg/m3のウレタンフォー
ム(厚さ20mm×長さ50mm×幅50mm)を被着
体に用い、23℃雰囲気下で70g/m2の接着剤をス
プレー塗布(一液型スプレーガン イワタW−77型、
ノズル口径2.5mmを使用)した。塗布後23℃雰囲
気中で1分間放置後、接着剤が未乾燥の状態で2個のウ
レタンフォームの接着面同士を重ね合わせ、厚さ40m
mを10mmに圧縮して5秒間保持した。その後直ちに
引張り試験機(引張り速度200mm/min)で接着
面と垂直方向に引張り試験を行い強度を測定した。 〔耐熱クリープ試験〕密度30kg/m3のウレタンフ
ォーム(厚さ50mm×長さ100mm×幅100m
m)を被着体に用い、23℃雰囲気下で70g/m2の
接着剤をスプレー塗布(一液型スプレーガン イワタW
−77型、ノズル口径2.5mmを使用)した。塗布後
23℃雰囲気中で1分間放置後、接着剤塗布面を摘むよ
う(厚さ方向を折りたたむように)に接着し、60℃雰
囲気下で4時間放置した。放置後、接着状態を保持した
ものを○、接着面が開放したものを×と表示した。
及びゾルの分子量を下記の方法に従い測定した。 〔ゲル分測定〕ラテックス試料を凍結乾燥し精秤してA
とした。23℃で20時間、トルエンで溶解(0.6%
に調製)し、遠心分離機を使用し、更に200メッシュ
の金網を用いてゲル分を分離した。ゲル分を風乾後11
0℃雰囲気下で、1時間乾燥し、精秤してBとした。ゲ
ル分は下式に従がって算出した。 ゲル分=B/A×100 (%)
行った。分子量の算出はポリスチレン換算で求めた。試
料は分離したゾルを0.1%THF溶液に調製した。 カラムサイズ:7.5mmφ×50mm(GUAR
D)、7.5mmφ×300mm(Mixed−B) カラム温度:35℃ 溶媒:THF、流出速度:1ml/min 検出器:SIMADZU RID−6A
%、ゾル分の重量平均分子量(Mw)は66万であっ
た。
リシンを1部添加した。その時のラテックスPHおよび
接着物性を表1に示した。
ラニンを1部添加した。その時のラテックスPHおよび
接着物性を表1に示した。
リシンを2部添加した。その時のラテックスPHおよび
接着物性を表1に示した。
ロン酸を2部添加した。その時のラテックスPHおよび
接着物性を表1に示した。
ェニルアラニンを2部添加した。その時のラテックスP
Hおよび接着物性を表1に示した。
リシンを5部、その他可塑剤DBPを5部添加した。そ
の時のラテックスPHおよび接着物性を表1に示した。
リシンを5部、その他アクリルエマルジョンであるポリ
トロンA−65(旭化成社製)を20部添加した。その
時のラテックスPHおよび接着物性を表1に示した。
し評価した。接着物性を表1に示した。なお耐熱クリー
プについては、被着体をつまみ接着することが出来ず、
測定することが出来なかった。
ンであるポリトロンA−65(旭化成社製)を20部添
加した。その時のラテックスPHおよび接着物性を表1
に示した。
うに水酸化ナトリウムを0.6部、水酸化カリウムを
0.5部として、クロロプレンラテックスAと同様に製
造を行った。このラテックスに対してPH調整剤として
グリシンを1部添加し、接着物性を評価し表2に示し
た。
うに重合温度を15℃として、クロロプレンラテックス
Aと同様に製造を行った。このラテックスに対してPH
調整剤としてグリシンを1部添加し、接着物性を評価し
表2に示した。
うにn−ドデシルメルカプタンの添加量を0.04部、
重合率97%としてクロロプレンラテックスAと同様に
製造を行った。このラテックスに対してPH調整剤とし
てグリシンを1部添加し、接着物性を評価し表2に示し
た。
うにn−ドデシルメルカプタンの添加量を0.3部とし
てクロロプレンラテックスAと同様に製造を行った。こ
のラテックスに対してPH調整剤としてグリシンを1部
添加し、接着物性を評価し表2に示した。
うに水酸化ナトリウムを添加せず、水酸化カリウムを
1.5部としてクロロプレンラテックスAと同様に製造
を行った。このラテックスに対してPH調整剤としてグ
リシンを1部添加し、接着物性を評価し表2に示した。
明のクロロプレンラテックス接着剤を用いた接着方法に
よれば、初期接着性、特に湿潤状態における接着性能に
優れ、かつ耐熱性とのバランスが良好なことが明かであ
り、本発明は合板など木材接着、ウレタンフォームの接
着、紙材などの接着に特に好適な接着方法を提供するこ
とが出来る。
Claims (5)
- 【請求項1】 (A)クロロプレンまたはクロロプレン
及びそれと共重合可能な単量体を30℃より低い温度で
重合して得られ、ロジン酸、ロジン酸ナトリウムおよび
ロジン酸カリウムから選ばれる1種または2種以上と、
水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを含みクロロプ
レン重合体が3〜40重量%のゲル分を含み、ゾルの重
量平均分子量が40万以上であるクロロプレンラテック
ス、および(B)PH調整剤を含み、PHが7〜10で
あるクロロプレンラテックス接着剤を、スプレー塗布装
置を用いて塗布し、湿潤状態で圧着により接合すること
を特徴とする接着方法。 - 【請求項2】 (A)クロロプレンラテックスが、ナト
リウムイオン量がラテックスの固形分あたり0.15〜
1.0重量%、カリウムイオン量がラテックスの固形分
あたり0.15〜1.0重量%であることを特徴とする
請求項1記載の接着方法。 - 【請求項3】 粘着付与樹脂および/または可塑剤およ
び/または軟化剤を含有したクロロプレンラテックス接
着剤を用いることを特徴とする請求項1または2記載の
接着方法。 - 【請求項4】 請求項1または2記載の接着方法により
接着させてなる多孔質有機材料同士または多孔質有機材
料と非多孔質材料の積層体。 - 【請求項5】 多孔質有機材料がポリウレタンの発泡体
であることを特徴とする請求項4記載の積層体。
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