JP2001026655A - 炭酸ガス用成形材料 - Google Patents
炭酸ガス用成形材料Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 水素添加NBRを主成分とする炭酸ガス用成形
材料であって、炭酸ガス透過性および体積膨潤性に対す
る抵抗性にすぐれたものを提供する。 【解決手段】 水素添加NBRおよび塩化ビニル系樹脂の
ブレンド物よりなる炭酸ガス用成形材料。
材料であって、炭酸ガス透過性および体積膨潤性に対す
る抵抗性にすぐれたものを提供する。 【解決手段】 水素添加NBRおよび塩化ビニル系樹脂の
ブレンド物よりなる炭酸ガス用成形材料。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸ガス用成形材
料に関する。更に詳しくは、炭酸ガス透過性および体積
膨潤性に対する抵抗性にすぐれた炭酸ガス用成形材料に
関する。
料に関する。更に詳しくは、炭酸ガス透過性および体積
膨潤性に対する抵抗性にすぐれた炭酸ガス用成形材料に
関する。
【０００２】
【従来の技術】冷凍機等に現在用いられている冷媒は、
新冷媒と呼ばれるフロンR-134a(1,1,1,2-テトラフルオ
ロエタン)が主流であるが、環境規制等の問題から将来
使用禁止が予定されている。この冷媒の代替品として近
年注目されているのは、炭化水素系ガスと炭酸ガスであ
る。炭化水素系ガスは、爆発や燃焼の危険性が著しく高
いため、世界的にみても次期冷媒は炭酸ガスを使用する
方向に進んでいる。
新冷媒と呼ばれるフロンR-134a(1,1,1,2-テトラフルオ
ロエタン)が主流であるが、環境規制等の問題から将来
使用禁止が予定されている。この冷媒の代替品として近
年注目されているのは、炭化水素系ガスと炭酸ガスであ
る。炭化水素系ガスは、爆発や燃焼の危険性が著しく高
いため、世界的にみても次期冷媒は炭酸ガスを使用する
方向に進んでいる。
【０００３】しかるに、炭酸ガスはフロンよりも高圧に
なり、また一般的な高分子材料への透過性や溶解度も高
いためブリスター(発泡)が発生し易く、仮りにブリスタ
ーが発生しなかったとしても、材料それ自身から炭酸ガ
スが透過して、圧力維持や密封を困難なものとしてい
る。
なり、また一般的な高分子材料への透過性や溶解度も高
いためブリスター(発泡)が発生し易く、仮りにブリスタ
ーが発生しなかったとしても、材料それ自身から炭酸ガ
スが透過して、圧力維持や密封を困難なものとしてい
る。
【０００４】ゴム材料にあっても、一般的には炭酸ガス
透過率が高く、それは特に圧力が10気圧以上では著しく
高いため、炭酸ガスを十分に密封することができない。
また、炭酸ガスはポリマー中へ溶解し易いため、膨潤性
も大きく、このため炭酸ガスを用いる装置には、ゴム材
料部品を使用できないのが実情である。
透過率が高く、それは特に圧力が10気圧以上では著しく
高いため、炭酸ガスを十分に密封することができない。
また、炭酸ガスはポリマー中へ溶解し易いため、膨潤性
も大きく、このため炭酸ガスを用いる装置には、ゴム材
料部品を使用できないのが実情である。
【０００５】従来のフロンガス冷媒の場合には、水素添
加NBRやEPDM等がシール材等の成形材料として用いられ
ているが、これらのゴム材料は炭酸ガスとの接触で大き
く膨潤し、またブリスターを生ずるという欠点を有して
いる。
加NBRやEPDM等がシール材等の成形材料として用いられ
ているが、これらのゴム材料は炭酸ガスとの接触で大き
く膨潤し、またブリスターを生ずるという欠点を有して
いる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水素
添加NBRを主成分とする炭酸ガス用成形材料であって、
炭酸ガス透過性および体積膨潤性に対する抵抗性にすぐ
れたものを提供することにある。
添加NBRを主成分とする炭酸ガス用成形材料であって、
炭酸ガス透過性および体積膨潤性に対する抵抗性にすぐ
れたものを提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
水素添加NBRおよび塩化ビニル系樹脂のブレンド物より
なる炭酸ガス用成形材料によって達成される。
水素添加NBRおよび塩化ビニル系樹脂のブレンド物より
なる炭酸ガス用成形材料によって達成される。
【０００８】
【発明の実施の形態】水素添加NBRとしては、好ましく
は中ニトリル含量または中高ニトリル含量のNBRの共役
ジエン単位の少くとも50%、好ましくは90%以上が水素添
加されたものが用いられる。また塩化ビニル系樹脂とし
ては、一般にポリ塩化ビニルが用いられる。これら両者
のブレンド物中、塩化ビニル系樹脂は約5〜50重量%、好
ましくは約10〜40重量%の割合で用いられる。塩化ビニ
ル系樹脂のブレンド割合がこれよりも少ないと、CO2透
過率が大きくなるばかりではなく、体積膨潤の程度も増
加する。一方、これよりも多い割合で用いられると、ゴ
ム材料として必要な弾性が失われるようになる。
は中ニトリル含量または中高ニトリル含量のNBRの共役
ジエン単位の少くとも50%、好ましくは90%以上が水素添
加されたものが用いられる。また塩化ビニル系樹脂とし
ては、一般にポリ塩化ビニルが用いられる。これら両者
のブレンド物中、塩化ビニル系樹脂は約5〜50重量%、好
ましくは約10〜40重量%の割合で用いられる。塩化ビニ
ル系樹脂のブレンド割合がこれよりも少ないと、CO2透
過率が大きくなるばかりではなく、体積膨潤の程度も増
加する。一方、これよりも多い割合で用いられると、ゴ
ム材料として必要な弾性が失われるようになる。
【０００９】このような各成分からなるブレンド物中に
は、力学的物性や耐ガス透過性を高めるといった観点か
ら、ブレンド物100重量部当り約5〜150重量部、好まし
くは約10〜100重量部の無機充填材が添加される。無機
充填材としては、カーボンブラック、シリカ等の補強性
充填材が一般に用いられ、それと共にメタけい酸カルシ
ウム、けいそう土、グラファイト、雲母、炭酸カルシウ
ム、酸化亜鉛等の非補強性充填材を併用することもでき
る。
は、力学的物性や耐ガス透過性を高めるといった観点か
ら、ブレンド物100重量部当り約5〜150重量部、好まし
くは約10〜100重量部の無機充填材が添加される。無機
充填材としては、カーボンブラック、シリカ等の補強性
充填材が一般に用いられ、それと共にメタけい酸カルシ
ウム、けいそう土、グラファイト、雲母、炭酸カルシウ
ム、酸化亜鉛等の非補強性充填材を併用することもでき
る。
【００１０】これらの各成分を含有する成形材料中に
は、架橋剤としての有機過酸化物が更に添加されて用い
られる。有機過酸化物としては、例えば1,1-ビス(第3ブ
チルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、2,
5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロキシパーオキサイ
ド、ジ第3ブチルパーオキサイド、第3ブチルクミルパー
オキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α-ビス(第3
ブチルパーオキシ)-p-ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジ
メチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジ
メチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ベン
ゾイルパーオキサイド、第3ブチルパーオキシベンゼ
ン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキ
サン等が、ブレンド物100重量部当り約0.1〜7重量部、
好ましくは約1〜5重量部の割合で用いられる。有機過酸
化物を架橋剤とする成形材料中には、トリアリルイソシ
アヌレート、トリアリルシアヌレート等によって代表さ
れる多官能性不飽和化合物共架橋剤が、ブレンド物100
重量部当り約0.1〜10重量部、好ましくは約1〜5重量部
の割合で添加されて用いられる。架橋剤および共架橋剤
がこれ以上の割合で用いられると、生地焼けなどを生ず
る。
は、架橋剤としての有機過酸化物が更に添加されて用い
られる。有機過酸化物としては、例えば1,1-ビス(第3ブ
チルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、2,
5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロキシパーオキサイ
ド、ジ第3ブチルパーオキサイド、第3ブチルクミルパー
オキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α-ビス(第3
ブチルパーオキシ)-p-ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジ
メチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジ
メチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ベン
ゾイルパーオキサイド、第3ブチルパーオキシベンゼ
ン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキ
サン等が、ブレンド物100重量部当り約0.1〜7重量部、
好ましくは約1〜5重量部の割合で用いられる。有機過酸
化物を架橋剤とする成形材料中には、トリアリルイソシ
アヌレート、トリアリルシアヌレート等によって代表さ
れる多官能性不飽和化合物共架橋剤が、ブレンド物100
重量部当り約0.1〜10重量部、好ましくは約1〜5重量部
の割合で添加されて用いられる。架橋剤および共架橋剤
がこれ以上の割合で用いられると、生地焼けなどを生ず
る。
【００１１】成形材料の調製は、オープンロール、ニー
ダ、バンバリーミキサ等を用いて、約70〜150℃、好ま
しくは約80〜130℃の温度で行われ、それの加硫成形は
圧縮成形機、射出成形機等を用いて行われる。
ダ、バンバリーミキサ等を用いて、約70〜150℃、好ま
しくは約80〜130℃の温度で行われ、それの加硫成形は
圧縮成形機、射出成形機等を用いて行われる。
【００１２】
【発明の効果】本発明に係る炭酸ガス用成形材料は、60
気圧におけるCO2透過率が10-10cm3(STP)・cm/cm2・秒・
cmHgのオーダー以下で、しかも体積膨張変化率△Vが20%
以下というすぐれた値を示している。
気圧におけるCO2透過率が10-10cm3(STP)・cm/cm2・秒・
cmHgのオーダー以下で、しかも体積膨張変化率△Vが20%
以下というすぐれた値を示している。
【００１３】このような性質を示す本発明の炭酸ガス用
成形材料は、冷媒として炭酸ガスを用いるエアコンプレ
ッサ、冷凍機、超臨界CO2抽出(クロマトグラフィー)装
置等の炭酸ガス接触装置のパッキン、ガスケット、Oリ
ング等のシール材の成形材料として好適に用いることが
できる。
成形材料は、冷媒として炭酸ガスを用いるエアコンプレ
ッサ、冷凍機、超臨界CO2抽出(クロマトグラフィー)装
置等の炭酸ガス接触装置のパッキン、ガスケット、Oリ
ング等のシール材の成形材料として好適に用いることが
できる。
【００１４】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【００１５】 実施例 水素添加NBR(日本ゼオン製品ゼットポール1020) 70重量部 ポリ塩化ビニル(新第一塩ビ製品ZEST800Z) 30 〃 カーボンブラック(Cancarb社製品サーマックスN990) 80 〃 酸化マグネシウム(協和化学製品キョーワマグ#150) 5 〃 有機過酸化物(日本油脂製品パークミルD) 5 〃 トリアリルイソシアヌレート(日本化成製品タイク) 3 〃 以上の各成分を10インチオープンロール(ロール温度130
℃)で混練し、混練物を180℃で6分間プレス加硫し、直
径90mm、厚さ0.5mmの円形シートを加硫成形した。
℃)で混練し、混練物を180℃で6分間プレス加硫し、直
径90mm、厚さ0.5mmの円形シートを加硫成形した。
【００１６】この円形シートから直径50mmの円形試料を
切取り、これを高圧ガス透過率装置に取付け、高圧(60
気圧)のCO2透過率を測定すると、9.1×10-10cm3(STP)・
cm/cm 2・秒・cmHgであった。また、円形シートから20×
5mmの短冊状試料を切取り、窓付き高圧装置内で高圧(60
気圧)のCO2雰囲気中に曝し、カセトメーターで体積膨潤
変化率△Vを測定すると、15体積%であった。
切取り、これを高圧ガス透過率装置に取付け、高圧(60
気圧)のCO2透過率を測定すると、9.1×10-10cm3(STP)・
cm/cm 2・秒・cmHgであった。また、円形シートから20×
5mmの短冊状試料を切取り、窓付き高圧装置内で高圧(60
気圧)のCO2雰囲気中に曝し、カセトメーターで体積膨潤
変化率△Vを測定すると、15体積%であった。
【００１７】比較例 実施例において、水素添加NBR量を100重量部に変更し、
ポリ塩化ビニルを用いないと、CO2透過率は7.3×10-9cm
3(STP)・cm/cm2・秒・cmHgであり、また体積膨潤変化率
△Vは31体積%であった。
ポリ塩化ビニルを用いないと、CO2透過率は7.3×10-9cm
3(STP)・cm/cm2・秒・cmHgであり、また体積膨潤変化率
△Vは31体積%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ０８Ｌ 27/06 Ｃ０８Ｌ 27/06 Ｆターム(参考） 4F071 AA12X AA24 AA34X AA76 AB01 AB03 AB18 AC01 AC08 AC12 AE02 AE17 AH19 BA01 BB03 BC01 4J002 AC071 BD042 DA026 DA036 DE106 DE236 DJ006 DJ016 DJ056 EK017 EK027 EK037 EK047 EK067 EU188 EU198 FD016 FD147 FD148 GJ02
Claims (4)
- 【請求項１】 水素添加NBRおよび塩化ビニル系樹脂の
ブレンド物よりなる炭酸ガス用成形材料。 - 【請求項２】 更に無機充填材を含有してなる請求項１
記載の炭酸ガス用成形材料。 - 【請求項３】 更に有機過酸化物および共架橋剤を含有
してなる請求項１または２記載の炭酸ガス用成形材料。 - 【請求項４】 炭酸ガス接触装置のシール材成形材料と
して用いられる請求項１、２または３記載の炭酸ガス用
成形材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20251999A JP2001026655A (ja) | 1999-07-16 | 1999-07-16 | 炭酸ガス用成形材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20251999A JP2001026655A (ja) | 1999-07-16 | 1999-07-16 | 炭酸ガス用成形材料 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001026655A true JP2001026655A (ja) | 2001-01-30 |
Family
ID=16458845
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20251999A Pending JP2001026655A (ja) | 1999-07-16 | 1999-07-16 | 炭酸ガス用成形材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001026655A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002146342A (ja) * | 2000-11-15 | 2002-05-22 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | シール材 |
| GB2409057A (en) * | 2003-12-08 | 2005-06-15 | Philip Frederick James Haylor | Access protected storage component for a computer system |
| CN103739987A (zh) * | 2013-12-09 | 2014-04-23 | 吴江市董鑫塑料包装厂 | 一种pvc密封条型材 |
| CN104130520A (zh) * | 2014-07-24 | 2014-11-05 | 浙江晶通塑胶有限公司 | 韧性优越的复合地板的中层料及其配制方法 |
| US20170011861A1 (en) * | 2014-01-27 | 2017-01-12 | Hutchinson | Electrode for an electric-energy storage system with collector including a protective conductive layer and corresponding manufacturing method |
-
1999
- 1999-07-16 JP JP20251999A patent/JP2001026655A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002146342A (ja) * | 2000-11-15 | 2002-05-22 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | シール材 |
| GB2409057A (en) * | 2003-12-08 | 2005-06-15 | Philip Frederick James Haylor | Access protected storage component for a computer system |
| CN103739987A (zh) * | 2013-12-09 | 2014-04-23 | 吴江市董鑫塑料包装厂 | 一种pvc密封条型材 |
| US20170011861A1 (en) * | 2014-01-27 | 2017-01-12 | Hutchinson | Electrode for an electric-energy storage system with collector including a protective conductive layer and corresponding manufacturing method |
| US10079118B2 (en) * | 2014-01-27 | 2018-09-18 | Hutchinson | Electrode for an electric-energy storage system with collector including a protective conductive layer and corresponding manufacturing method |
| CN104130520A (zh) * | 2014-07-24 | 2014-11-05 | 浙江晶通塑胶有限公司 | 韧性优越的复合地板的中层料及其配制方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20060307 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20080610 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20080617 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20081021 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |