JP2001026375A - ペイル容器入り金属線材の収納方法 - Google Patents
ペイル容器入り金属線材の収納方法Info
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Abstract
線材の始端を引き出す際に円滑に、かつ、縺れが全く生
じることがないようにすることができて、溶接作業の場
合等の線材引き出し処理における作業信頼性を高め、か
つ、作業能率の向上を図るペイル容器入り金属線材の収
納方法の提供。 【解決手段】 ペイル巻きした積層金属線材2をペイル
容器1に収納してその上部に押さえ板3を載せた後、始
端金属線材4を固定保持させ金属線材の収納方法であっ
て、始端金属線材4からペイル容器1の内周縁に対応す
る1環分以上3環分以下の長さの引き出し金属線材5を
押さえ板3の上面に環状にして引き出させる。
Description
属線材の収納方法に関し、例えば溶接用ワイヤ等の比較
的小径の金属線材を所定の直径のペイル巻きにより積層
した状態で収納されるペイル容器(pail:上端が開口し
た筒状の容器)において、固定保持されてなる金属線材
の始端を引き出す際に円滑に、かつ、縺れ(もつれ)が
生じることがないように収納する金属線材の収納方法に
関するものである。
量で連続した環状にして積層し収納するには、ペイル容
器が汎く用いられている。この場合、溶接ワイヤはほぼ
一定の大きさの環の積み重ねになるペイル巻きにより収
納されている。
納時には該ワイヤに捻じりを加えながら成されているの
が普通である。このため、一旦収納された溶接ワイヤが
その始端部(収納完了時の末端部)を固定保持しなけれ
ば、捻じり力が解放されようとするために、「ばらけ」
ようとする動きが起こる。
ペイル容器の輸送時における振動を吸収して積層されて
いる溶接用ワイヤがばらけないようにするために、押さ
え板と蓋との間に挿入されている緩衝材に、前記始端部
が係止されている。このとき、溶接用ワイヤの始端部は
係止位置の近傍で始端より約半環分が押さえ板の内側よ
り引き出されている(例えば、実用新案登録第 2542917
号公報参照)。
イヤをペイル容器へ収納するには、連続直線状の溶接用
ワイヤを環状に丸める必要がある。そのため、ペイル容
器への収納直前に溶接用ワイヤに捻じりを付加させなが
ら順次収納している。この場合の捻じり量は溶接用ワイ
ヤの1環分に対してほぼ1回転である。
は、溶接用ワイヤの端部を切断する直前に、円環状に構
成された押さえ板を積層された溶接用ワイヤの上に載
せ、積層された溶接用ワイヤが「ばらけ出」することが
ないように前記押さえ板で溶接用ワイヤを押さえ付けさ
せている。なお、この押さえ板は環状の縦壁部と該縦壁
部の下端より内向きに延びる多数の弾性内向片とから形
成されたものがある(実公平 3− 13489号公報参照)。
を切断して溶接用ワイヤの始端部の固定保持が終わる。
前記押さえ板はその材質として薄肉厚のプラスチックと
したものが用いられる。これは、積層された溶接用ワイ
ヤの捻じり力解放による跳ね上がりを抑えるだけの重量
を確保すればよいためである。また、前記弾性内向片は
溶接用ワイヤを溶接時に引き出す際に溶接用ワイヤに無
理な力が及ばない形状となっている。
に溶接用ワイヤの跳ね上がりを抑えることができない点
と、押さえ板自体の取り扱い性やペイル容器内での拘束
性(積層ワイヤの高さの変化に安定的に追従してペイル
容器内壁に沿って自然に下がって行く性質)とを重視し
て、ペイル容器の内壁に接する面に段ボール材を接合し
た構造となっている。
せた状態でのペイル容器上端部から積層ワイヤまでの高
さの差がある程度確保された状態になっているのが標準
的な仕様であり、これは、需要先への輸送時にペイル容
器が受ける振動により積層状態が崩れる等悪化するのを
防ぐために、振動を吸収する緩衝材を挿入する必要があ
るからである。緩衝材としては、実公平 3− 11189号公
報によって挙示されるような、段ボール紙を四角形状に
したものの一対を上下に装着するように構成された例が
ある。この緩衝材は、下側の段ボール四角形部材の上部
4隅に振動を吸収する役割をするゴムを掛止する切り欠
き口が設けられ、一方、上側の同部材は下側のものより
も対角形状をやや小さくして、その下側の端面が4隅に
あるゴムに当たるようにしている。
の上に載せた状態では、ゴムの伸びを確保するために上
側の段ボール四角形部材はペイル容器の上端面より出っ
張っている。この状態でペイル容器に蓋をすると、ゴム
の伸びが得られ十分な振動吸収効果が奏されるので輸送
中の積層ワイヤの移動もなく、安定した積層状態を維持
することができるとされている。そして、緩衝材を積層
ワイヤの上に載せた後、前述した切断済みの溶接用ワイ
ヤの端部をそのまま、上側の段ボール四角形部材に係止
して固定保持するのである。
てはペイル容器内に積層された溶接用ワイヤの引き出し
端部(以下、始端ワイヤと言う)は押さえ板の内方(直
下方)で切り欠き円環状を成す複数の弾性内向片の隙間
よりそのまま出して直近の緩衝材に固着している。この
ままでも、溶接時には始端ワイヤをそのまま引き出して
溶接作業を行っても支障無く使用することは可能であ
る。しかしながら、極く稀ではあるが、始端ワイヤを緩
衝材から切り離した際に始端ワイヤに捻じり力の大きい
状態が残っていた場合、その捻じり力を解放しよう(戻
そう)とする作用が生じて始端ワイヤが押さえ板の弾性
内向片から積層ワイヤの上面側に引き戻され、その結
果、最悪の場合積層ワイヤの間に始端ワイヤが潜り込む
ことになって、始端ワイヤを見つけて再度引き出すとこ
の部分と下層ワイヤとが縺れてしまうことがある。
発見することが容易でなく、一見、正常な状態と錯覚す
るようなことがあると、溶接中に溶接用ワイヤの縺れが
甚だしくなって溶接不良にもつながりかねない事態とな
って、このような問題が一度でも発生することは連続作
業下において決して好ましくないものである。
ために成されたものであり、本発明の目的は、ペイル容
器に収納されて固定保持されてなる金属線材の始端を引
き出す際に円滑に、かつ、縺れが全く生じることがない
ようにすることができて、溶接作業の場合等の線材引き
出し処理における作業信頼性を高め、かつ、作業能率の
向上を図らせるペイル容器入り金属線材の収納方法を提
供することである。
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明に係る請求項1の発明は、ペイル巻きされた
積層金属線材をペイル容器に収納してその上部に押さえ
板を載せた後、始端金属線材を固定保持させる金属線材
の収納方法であって、前記始端金属線材から前記ペイル
容器の内周縁に対応する1環分以上3環分以下の長さの
引き出し金属線材を前記押さえ板の上面に環状にして引
き出してなることを特徴とするペイル容器入り金属線材
の収納方法である。
記請求項1記載のペイル容器入り金属線材の収納方法に
おいて、前記押さえ板が、帯板状の縦壁部と、この縦壁
部の下端から折れ曲がって先細りの板片状に延びる複数
の弾性内向片により形成される歯欠円環状の押さえ部と
から成り、ペイル容器の内壁に前記縦壁部が当接し、前
記ペイル容器に収納した積層金属線材に前記押さえ部が
当接するように該積層金属線材上に載置される構成とし
たことを特徴とする。
を溶接用ワイヤの例について説明すると、溶接装置に溶
接用ワイヤを装着する際に、始端ワイヤをたとえ不用意
に切り離したとしても、押さえ板の押さえ部の上に1環
分以上3環分以下の長さの引き出しワイヤが留まってい
るため、始端ワイヤを見失うことが全く無く、また、そ
の際に溶接用ワイヤが縺れたとしても押さえ部の上の引
き出しワイヤまでであるため、装着時に確実に発見でき
る。このようにすれば、安定した引き出しが実現できる
ため、溶接等の作業を阻害することがない。
を、添付図面を参照しながら具体的に説明する。各図面
において、図1は、本発明の実施の形態の一例に係る積
層ワイヤが収納されるペイル容器の一部を切欠して示す
斜視図であり、図2は、図1に対応する二面図で、
(イ)は断面示正面図、(ロ)は平面図である。
の外筒を備えるペイル容器であって、該容器1の内部空
間に捩り入りの溶接用ワイヤで実現される金属線材がペ
イル巻状で積層して収納されている。2はこのペイル巻
き溶接用ワイヤからなる積層ワイヤを示している。積層
ワイヤ2は、ペイル容器1の内部にその内径よりやや小
径の大きさに回転させながらかつ捻じりが加えられなが
ら落とし込まれた溶接用ワイヤが所定重量にて積層され
てなり、この積層状態は花柄状に前後するワイヤ同士が
密の状態で保たれている。そして、この積層ワイヤ2の
上端部には押さえ板3が載置され、ワイヤ引出しの際の
ワイヤ跳ね上がりを防止し得るようになっている。
り、一つの縦壁部6と複数の弾性内向片8により形成さ
れる歯欠円環状の押さえ部7とから成る所望の形状に一
体に成形される。縦壁部6は、ペイル容器1の外筒周長
に略等しいか或いは若干長だけ長い帯板状を成してい
て、該外筒の内壁に面接触により当接される部分であ
る。押さえ部7としての複数の弾性内向片8は、縦壁部
6の下端から所要間隔を存して内向きに直角方向に折れ
曲がって延びて、縦壁部6の下端に連なる底辺部分から
先端部の頂角部分に向けて先細り状を成していて、容器
ペイル容器1内の前記積層ワイヤ2の上面に沿わせて載
置される部分である。
テル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテレフタル酸エチ
レン(PET)樹脂等の適度な弾性を有し、繰り返し曲
げに対しても十分な強度を持つ材料が好適である。ま
た、比較的寒冷な場所で使用される機会も多いことか
ら、低温使用条件下における強度を十分に備えた材料を
使用することも好ましい手段である。
積層ワイヤ2上面に円環状に丸めて載置することによ
り、積層ワイヤ2は、ペイル巻きの上端から押さえ部7
の弾性内向片8の周縁に接触移動しながら回転して上方
に引き出される。このとき、積層ワイヤ2に接する弾性
内向片8が多少の変形を受け、これによって、対応する
位置の縦壁部6が外筒の内壁により強く当接されて、積
層ワイヤ2が必要以上に長く引き出されるのを防ぐと共
に、押さえ板3の降下を良好に行わせ、かくして、積層
ワイヤ2の引出しを円滑、かつ、絡みやもつれがない状
態で安定的に行わせることができる。
は輸送時に生じる振動を吸収するための緩衝材が搭載さ
れており、この緩衝材の適宜個所に始端ワイヤ4が固定
保持されている。なお、緩衝材は従来の公知のものを随
意に使用可能であるので、図示を省略している。
において、積層ワイヤ2の始端ワイヤ4よりペイル容器
1内周縁に対応する1環分以上3環分以下の長さの部分
である引き出しワイヤ5については、押さえ部7の前記
弾性内向片8の上に引き出して環状にして積載してい
る。即ち、引き出しワイヤ5は押さえ部7と前記緩衝材
との間に介在されており、そして、始端ワイヤ4が緩衝
材に固定保持されているのである。
3の押さえ部7の上面に環状にして引き出してなること
により、溶接作業時に溶接用ワイヤを引き出している際
に、ワイヤが縺れることがなく、安定して引き出される
こととなって、スムーズに溶接することができる。
に引き出しておくべき引き出しワイヤ5を1環分以上3
環分以下の長さとしたのは、1環分未満の長さであれ
ば、溶接用ワイヤの捻じり力が作用して押さえ部7の下
側に全長が引き込まれる恐れがあって従来の解決すべき
課題通りの状況が起こり得るものであり、一方、3環分
超過の長さであれば、押さえ部7の上面で引き出しワイ
ヤ5のワイヤ同士が縺れる恐れがあり、また、引き出す
ための手間が長い分だけ余計にかかる不都合がある、の
諸点に鑑みて成されたものであって、1環分以上3環分
以下の長さの範囲内であれば所期の目的を十分達成させ
ることが可能である。
成すものであって、ペイル容器内に収納されている積層
金属線材の始端金属線材から前記ペイル容器の内周縁に
対応する1環分以上3環分以下の長さの引き出し金属線
材を押さえ板の上面に環状にして引き出させることによ
り、溶接作業時等による金属線材引き出しの際に線材の
縺れが発生することなく、連続引き出し操作が安定して
行えるだけでなく、材料の効率的な使用が図られる。
この縦壁部の下端から折れ曲がって先細りの板片状に延
びる複数の弾性内向片により形成される歯欠円環状の押
さえ部とから成る押さえ板を使用して、1環分以上3環
分以下の長さの引き出し金属線材を押さえ板の上面に環
状にして引き出させることにより、絡みやもつれを発生
させることなく円滑に金属線材を順次引き出して溶接部
等の処理部に対して全長の最後に至るまで安定して送給
させることが可能である。
収納されるペイル容器の一部を切欠して示す斜視図であ
る。
図、(ロ)は平面図である。
3…押さえ板 4…始端金属線材(始端ワイヤ) 5…引き出し金属線
材(引き出しワイヤ) 6…縦壁部 7…押さえ部 8
…弾性内向片
Claims (2)
- 【請求項1】 ペイル巻きされた積層金属線材をペイル
容器に収納してその上部に押さえ板を載せた後、始端金
属線材を固定保持させる金属線材の収納方法であって、
前記始端金属線材から前記ペイル容器の内周縁に対応す
る1環分以上3環分以下の長さの引き出し金属線材を前
記押さえ板の上面に環状にして引き出してなることを特
徴とするペイル容器入り金属線材の収納方法。 - 【請求項2】 前記押さえ板が、帯板状の縦壁部と、こ
の縦壁部の下端から折れ曲がって先細りの板片状に延び
る複数の弾性内向片により形成される歯欠円環状の押さ
え部とから成り、ペイル容器の内壁に前記縦壁部が当接
し、前記ペイル容器に収納した積層金属線材に前記押さ
え部が当接するように該積層金属線材上に載置される請
求項1記載のペイル容器入り金属線材の収納方法。
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