JP2001024163A - 半導体メモリ - Google Patents

半導体メモリ

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JP2001024163A
JP2001024163A JP11198978A JP19897899A JP2001024163A JP 2001024163 A JP2001024163 A JP 2001024163A JP 11198978 A JP11198978 A JP 11198978A JP 19897899 A JP19897899 A JP 19897899A JP 2001024163 A JP2001024163 A JP 2001024163A
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cell
memory cell
write
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mfsfet
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Yasushi Sakui
康司 作井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細化、高速化、低電圧化などに優れた新規
なメモリを提案する。 【解決手段】 メモリセルアレイは、複数のセルユニッ
トから構成される。セルユニットは、ビット線とソース
線の間に接続される。セルユニットは、実質的に同一構
造を有する直列接続された複数のMFSFETから構成
される。複数のMFSFETのうち、ビット線に最も近
い1つのMFSFETとソース線に最も近い1つのMF
SFETは、セレクトトランジスタとして用いられる。
セレクトトランジスタとして用いられるMFSFET以
外のMFSFETは、メモリセルとして用いられる。デ
ータは、MFSFETの強誘電体膜の分極状態として、
メモリセルに記憶される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体メモリに関
し、特に、FRAM(Ferroelectric Random Access Me
mory)に使用される。
【0002】
【従来の技術】FRAMは、メモリセルの一部に強誘電
体膜(Ferroelectric Film)を使用し、この強誘電体膜
の分極状態によりメモリセルのデータ(“0”,
“1”)が決定される半導体メモリのことである。FR
AMは、高速動作、消費電力の低下、メモリ容量の増
大、許容できる書き換え回数の増加などが可能であると
共に、電源を切ってもデータが消えない不揮発性を有す
るという多くの特徴を持っている。
【0003】FRAMのメモリセルとしては、現在、例
えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のメ
モリセルのキャパシタ絶縁膜を強誘電体膜に置き換えた
ものや、MISFET(Metal Insulated Semiconducto
r Field Effect Transistor)のゲート絶縁膜を強誘電
体膜に置き換えたものなどが知られている。
【0004】MISFETのゲート絶縁膜を強誘電体膜
に置き換えた構造を有するメモリセルは、MFSFET
(Metal-Ferroelectric-Semiconductor Field Effect T
ransistor)と呼ばれる。MFSFETは、強誘電体膜
の分極状態(基板側がプラス、ゲート電極側がマイナス
のときを下向き、基板側がマイナス、ゲート電極側がプ
ラスのときを上向きとする)に応じてソース領域とドレ
イン領域の間に流れる電流を制御することによりメモリ
機能を発揮する。
【0005】MFSFETは、DRAMのキャパシタ絶
縁膜を強誘電体膜に置き換えたものと比較すると、比例
縮小則(スケーリング則)に基づくセルサイズの縮小が
可能なためにメモリ容量の増大やチップ面積の縮小に適
していると共に、データを非破壊で読み出すことができ
るという大きな特徴を有する。反面、MFSFETは、
強誘電体膜を半導体基板(シリコン基板)上に形成する
プロセス上の課題(原子の相互拡散、バッファ層を用い
た場合にはその比誘電率)など、実用化のための特有の
技術的課題も持っている。
【0006】現在、MFSFETを有するFRAMに関
する研究論文としては、例えば、以下の文献が知られて
いる。 文献1: H. Ishihara et al., "Proposal of a Singl
e-Transistor-Cell-Type Ferroelectric Memory Using
an SOI structure and Experimental Study onthe Inte
rference Problem in the Write Operation" Jpn J. Ap
pl. Phys. Vol.36, pp.1655-1658, March 1997. 文献2: 石原 宏、 「強誘電体ゲートFETの作製
とニューロン回路への応用」応用物理 第66巻 第1
2号 頁1335−1339、1997 文献3: 石原 宏、 「強誘電体ゲートFETの現状
と問題点」信学技報ED97−213、 頁9−16、
1998年3月 現在のMFSFETの原型となる技術は、例えば、19
55年にベル研究所から提出された特許( W.L.Brown,
US Patent 2,791,759 、 I.M.Ross, US Patent2,791,76
0)に開示されている。
【0007】この技術が提案されて以来、四十数年間に
わたり、MFSFETの研究開発が断続的に行われてき
た。しかし、MFSFETに関しては、上述したよう
に、解決が困難な特有の技術的課題、特に、強誘電体膜
と半導体膜(シリコン膜)の間における原子の相互拡散
を防止して良好な界面特性を得る、という課題が十分に
解決されておらず、現在においても実用化のレベルには
至っていない。
【0008】一方、近年では、電子機器の高度化、複雑
化に対応するため、半導体メモリに関しても、高速動
作、消費電力の低下、メモリ容量の増大、許容できる書
き換え回数の増加、不揮発性であることなど、ユーザの
要求が一段と厳しくなってきている。そこで、このよう
な要求に応えることができるFRAMが再び注目を浴び
るようになり、特に、日本と韓国を中心に、MFSFE
Tを有するFRAMの研究開発が活性化してきた。
【0009】FRAMの原型は、強誘電体膜の下部にY
方向に延びるストライプ電極を配置し、その上部にX方
向に延びるストライプ電極を配置したいわゆる単純マト
リックス構造を有する。しかし、この構造では、書き込
み時に、選択セル以外の非選択セルにも部分的に電圧が
印加されるため、書き込みの繰り返しにより非選択セル
のデータが反転するという干渉効果が生じる。
【0010】そこで、現在では、この干渉効果を防ぐた
めに、セル選択用FETを用いるアクティブマトリック
ス構造を有するFRAMや、単純マトリックス構造を有
するFRAMを改良したFRAMなどが研究開発されて
いる。
【0011】図31は、MFSFETを用いたFRAM
の従来のセルアレイ構造の一例を示している。図32
は、図31のデバイスの等価回路を示している。このF
RAMTは、文献3に開示されるものであり、単純マト
リックス構造を有する。
【0012】シリコン基板11上に、シリコン酸化膜
(SiO)12が形成され、シリコン酸化膜12上
に、例えば、Y方向に延びるストライプ状のシリコン膜
13が形成される。シリコン膜13は、p型領域と、こ
のp型領域を挟み込む2つのn型領域とを有する。シリ
コン基板11、シリコン酸化膜12及びシリコン膜13
により、SOI(Silicon On Insulator)構造が形成さ
れる。
【0013】シリコン膜13上に、シリコン膜13を完
全に覆う強誘電体膜14が形成され、強誘電体膜14上
に、例えば、X方向に延びるストライプ状の金属膜(ゲ
ート電極)15が形成される。シリコン膜(シリコンス
トライプ)13と金属膜(金属ストライプ)15は、互
いに直交するように配置されるため、単純マトリックス
構造が形成される。シリコン膜13と金属膜15の交差
点には、MFSFET16が形成される。
【0014】このセルアレイ構造では、1つのシリコン
ストライプ内に形成される複数のメモリセルが、並列接
続され、かつ、1つのソース領域と1つのドレイン領域
を共有しているため、メモリセルごとにソース領域及び
ドレイン領域に対するコンタクトホールを設ける必要が
なく、メモリセルの高密度化に適している。
【0015】次に、図31及び図32のFRAMの基本
動作について説明する。以下の説明においては、便宜
上、シリコン膜13に低電位、金属膜15に高電位が印
加されるときに強誘電体膜に生じる電界を下向きの電界
とし、シリコン膜13に高電位、金属膜15に低電位が
印加されるときに強誘電体膜に生じる電界を上向きの電
界とする。また、シリコン膜側がプラス、金属膜側がマ
イナスの分極を下向きの分極とし、シリコン膜側がマイ
ナス、金属膜側がプラスの分極を上向きの分極とする。
さらに、下向きの分極(残留分極点)を“1”状態
(“1”書き込み状態)とし、上向きの分極(残留分極
点)を“0”状態(初期状態又は“0”書き込み状態)
とする。
【0016】(1) 書き込み動作 まず、初期化を行う。初期化は、全てのシリコン膜(シ
リコンストライプ)13にVpを印加し、かつ、全ての
金属膜(金属ストライプ)15に0Vを印加することに
より行う。この時、全てのメモリセルに関して、強誘電
体膜14内(シリコンストライプと金属ストライプが交
差する部分に限る。以下、この説明において同じ。)に
は、上向きの電界が発生する。
【0017】そして、図33に示すように、電界の印加
が一度も行われていない強誘電体膜14については、分
極状態がA点からB点に移動する。また、“0”状態を
記憶する強誘電体膜14については、分極状態がC点か
らB点に移動し、“1”状態を記憶する強誘電体膜14
については、分極状態がE点からG点を経由してB点に
移動(分極反転)する。即ち、全てのメモリセルに関し
て、強誘電体膜14は、上向きの分極を有し、かつ、そ
の分極値は、飽和分極値Pmaxとなる。
【0018】また、シリコン膜13に与える電位をVp
から0Vに変化させると、全てのメモリセルに関して、
強誘電体膜14内の電界は、0になるが、強誘電体膜1
4の上向きの分極の分極量は、0にならず、残留分極値
Prとなる(C点=残留分極点)。つまり、全てのメモ
リセルは、“0”状態(閾値が高い状態)に初期化され
る(図34参照)。
【0019】次に、選択されたメモリセルについて、
“1”書き込みを行う。即ち、選択された金属ストライ
プにVp、非選択の金属ストライプにVp/3、選択さ
れたシリコンストライプに0V、非選択のシリコンスト
ライプに2Vp/3をそれぞれ印加する。
【0020】この時、図36に示すように、選択された
メモリセル(◎で示す)の強誘電体膜には、電圧(電位
差)Vpが印加され、その強誘電体膜内には、下向きの
電界が発生する。この下向きの電界は、選択されたメモ
リセルの強誘電体膜の分極を上向きから下向きに反転さ
せる、即ち、強誘電体膜を分極反転させるのに十分な値
を有している。よって、選択されたメモリセルの強誘電
体膜の分極状態は、C点→F点→D点と移動し、その強
誘電体膜の下向きの分極の分極値は、飽和分極値−Pm
axとなる。
【0021】一方、選択メモリセル以外の全ての非選択
のメモリセル(白丸,黒丸で示す)の強誘電体膜には、
電圧+Vp/3又は−Vp/3が印加される。
【0022】電圧+Vp/3が印加される強誘電体膜内
には、下向きの電界が発生する。しかし、この下向きの
電界は、非選択のメモリセルの強誘電体膜の分極を上向
きから下向きに反転させる、即ち、強誘電体膜を分極反
転させるのに十分な値を有していない。よって、電圧+
Vp/3が印加される強誘電体膜の分極状態は、C点と
F点の間にあり、その強誘電体膜の分極は、上向きのま
まである。
【0023】電圧−Vp/3が印加される強誘電体膜内
には、上向きの電界が発生する。よって、電圧−Vp/
3が印加される強誘電体膜の分極状態は、C点とB点の
間にあり、その強誘電体膜の分極は、上向きのままであ
る。
【0024】この後、全てのシリコン膜13及び全ての
金属膜15の電位を0Vにすると、選択されたメモリセ
ルの分極状態は、D点からE点(残留分極点)に移動す
るため、選択されたメモリセルは、“1”状態(閾値が
低い状態)になる(図35参照)。一方、非選択のメモ
リセルの分極状態は、C点(残留分極点)に戻るため、
非選択のメモリセルは、“0”状態を維持する(図34
参照)。
【0025】上述の書き込み動作では、選択されたシリ
コン膜13に0V、非選択のシリコン膜13に2Vp/
3が印加される。この時、複数のシリコン膜(シリコン
ストライプ)13は、互いに物理的に離れているため、
1つのシリコン膜に複数のウェルを形成するウェル分離
に比べて、メモリセル同士の絶縁性は十分である。
【0026】また、図37に示すように、例えば、上述
の書き込み動作を行った後に、シリコン膜13及び金属
膜15に所定の電位を与えてもよい。この場合、大部分
のメモリセルの強誘電体膜14に対して、書き込み動作
時に印加される電圧に対して大きさが等しく逆向きの電
圧が印加されるため、干渉効果を有効に低減することが
できる。
【0027】(2) 読み出し動作 “1”状態のメモリセル(nチャネルMFSFET)で
は、強誘電体膜14の下向きの残留分極により、チャネ
ルの表面、即ち、シリコン膜13のp型領域の表面に負
電荷が誘起される。よって、“1”状態のメモリセル
は、“0”状態のメモリセルに比べ、閾値が低くなって
いる。
【0028】“0”状態のメモリセル(nチャネルMF
SFET)では、強誘電体膜14の上向きの残留分極に
より、チャネルの表面、即ち、シリコン膜13のp型領
域の表面に正電荷が誘起される。よって、“0”状態の
メモリセルは、“1”状態のメモリセルに比べ、閾値が
高くなっている。
【0029】そこで、図38に示すように、“1”状態
のメモリセルについては、ドレイン電流Idが流れ、
“0”状態のメモリセルについては、ドレイン電流Id
が流れないような所定の読み出し電位Vreadを設定
し、選択された金属膜(金属ストライプ)15にこの読
み出し電位Vreadを与える。そして、選択されたメ
モリセルにセル電流が流れるか否かを検出することによ
り、読み出し動作が完了する。
【0030】ところで、シリコンストライプ内に10
個のメモリセルが並列に接続され、非選択の金属膜15
に0Vを与えたときにシリコンストライプ内の非選択の
メモリセルにリーク電流Ileakが生じたと仮定する
と、正確な読み出しを行うためには、読み出し電流(ド
レイン電流Id)は、少なくともリーク電流Ileak
の10倍程度でなければならない。
【0031】そして、FETのサブスレッショルド領域
において電流を1桁増加させるために、約0.1Vが必
要であると仮定すると、読み出し電位Vreadは、約
0.4Vとなる。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】図39は、上述の文献
1〜3に開示されるFRAMのセルアレイ構造の平面図
を示している。また、図40は、図39のXL−XL線
に沿う断面図を示している。
【0033】メモリセルは、上述のように、シリコンス
トライプと金属ストライプの交差点に形成される。シリ
コンストライプ内には、p型領域(チャネル)とこれを
挟み込む2つのn型領域(ソース及びドレイン)が形成
される。金属ストライプは、ワード線となる。シリコン
ストライプは、互いに物理的に分離され、シリコンスト
ライプ同士は、一定の距離だけ離れている。
【0034】このようなセルアレイ構造を採用する場合
のセルサイズについて検討する。シリコンストライプ同
士の間隔(素子分離幅)が、F(Fは、Feature size
で、デザインルールの最小値を示す。)であると仮定す
ると、メモリセルのX方向のサイズ(又はビット線のピ
ッチ)は、4Fとなり、メモリセルのY方向のサイズ
(又はワード線のピッチ)は、2Fとなる。従って、1
つのメモリセルのサイズは、8F(=4F×2F)と
なる。
【0035】しかし、このメモリセルサイズは、フラッ
シュメモリのような不揮発性半導体メモリのセルサイズ
よりも大きい。例えば、直列接続された16個のメモリ
セルからなるNANDストリングを有するNAND型の
フラッシュEEPROMでは、1つのメモリセルサイズ
は、4.5F(詳しくは、後述する。)となる。この
ため、大きなメモリ容量を有するFRAMを作製しよう
とすると、チップサイズが大きくなり、歩留りが低下
し、コストが増大する、といった問題が生じる。また、
上述のようなセルアレイ構造を有するFRAMでは、デ
ータの書き換え時(上書き時)に各シリコンストライプ
に与える電位を制御するためのデコーダが必要となるた
め、制御回路の複雑化やチップサイズの増大を招くとい
う問題がある。
【0036】本発明は、上述の問題を解決すべくなされ
たもので、その目的は、メモリセルの微細化、チップサ
イズの縮小化、書き換え電圧の低電圧化、低消費電力
化、製造プロセスの簡略化などに優れ、かつ、高速動
作、高信頼性などを達成できる半導体メモリ(FRA
M)を提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の半導体メモリは、直列接続された複数のト
ランジスタから構成されるセルユニットと、前記セルユ
ニットの一端に接続されるビット線と、前記セルユニッ
トの他端に接続されるソース線とを備え、各トランジス
タは、実質的に同一構造を有すると共に、データを不揮
発に記憶する機能を有し、前記複数のトランジスタのう
ち、前記ビット線に最も近い1つのトランジスタと前記
ソース線に最も近い1つのトランジスタは、セレクトト
ランジスタとして用いられ、前記セレクトトランジスタ
として用いられるトランジスタ以外のトランジスタは、
メモリセルとして用いられる。前記セレクトトランジス
タとして用いるトランジスタは、常に、消去状態又は書
き込み状態に設定される。
【0038】本発明の半導体メモリの動作方法は、前記
半導体メモリにおいて、前記複数のトランジスタの全て
を消去状態にした後、前記セレクトトランジスタとして
用いられるトランジスタを書き込み状態にする、という
ものである。そして、前記セレクトトランジスタとして
用いられるトランジスタを書き込み状態にした後、前記
メモリセルとして用いられるトランジスタに対してデー
タ書き込み動作を実行する。
【0039】本発明の半導体メモリの動作方法は、前記
半導体メモリにおいて、前記複数のトランジスタの全て
を消去状態にした後、前記メモリセルとして用いられる
トランジスタに対してデータ書き込み動作を実行する、
というものである。
【0040】本発明の半導体メモリは、実質的に同一構
造を有する直列接続された複数のMFSFEETから構
成されるセルユニットと、前記セルユニットの一端に接
続されるビット線と、前記セルユニットの他端に接続さ
れるソース線とを備え、前記複数のMFSFETのう
ち、前記ビット線に最も近い1つのMFSFETと前記
ソース線に最も近い1つのMFSFETは、セレクトト
ランジスタとして用いられ、前記セレクトトランジスタ
として用いられるMFSFET以外のMFSFETは、
メモリセルとして用いられる。前記セレクトトランジス
タとして用いるMFSFETは、常に、消去状態又は書
き込み状態に設定される。
【0041】本発明の半導体メモリの動作方法は、前記
半導体メモリにおいて、前記複数のMFSFETの全て
を消去状態にした後、前記セレクトトランジスタとして
用いられるMFSFETを書き込み状態にする、という
ものである。そして、前記セレクトトランジスタとして
用いられるMFSFETを書き込み状態にした後、前記
メモリセルとして用いられるMFSFETに対してデー
タ書き込み動作を実行する。
【0042】本発明の半導体メモリの動作方法は、前記
半導体メモリにおいて、前記複数のMFSFETの全て
を消去状態にした後、前記メモリセルとして用いられる
MFSFETに対してデータ書き込み動作を実行する、
というものである。
【0043】本発明の半導体メモリの動作方法は、前記
半導体メモリにおいて、前記メモリセルとして用いられ
るMFSFETのゲート電極に低電位を与え、前記メモ
リセルとして用いられるMFSFETのうち、非選択の
MFSFETのゲート電極をフローティング状態にした
後、前記複数のMFSFETが形成される半導体基板に
高電位を与え、前記メモリセルとして用いられるMFS
FETのうち、選択されたMFSFETに対してデータ
消去動作を実行する、というものである。
【0044】本発明の半導体メモリの動作方法は、前記
半導体メモリにおいて、前記ビット線に所定電位を与
え、前記メモリセルとして用いられるMFSFETのチ
ャネルを初期電位に充電した後、前記メモリセルとして
用いられるMFSFETのチャネルをフローティング状
態にし、この後、前記メモリセルとして用いられるMF
SFETのゲート電極に書き込み電位又は転送電位を与
え、前記メモリセルとして用いられるMFSFETのう
ち、選択されたMFSFETに対してデータ書き込み動
作を実行する、というものである。
【0045】本発明の半導体メモリの動作方法は、前記
半導体メモリにおいて、前記ビット線に接地電位を与
え、前記メモリセルとして用いられるMFSFETのチ
ャネルを接地電位に設定し、この後、前記メモリセルと
して用いられるMFSFETのゲート電極に書き込み電
位又は転送電位を与え、前記メモリセルとして用いられ
るMFSFETのうち、選択されたMFSFETに対し
てデータ書き込み動作を実行する、というものである。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の半導体メモリについて詳細に説明する。
【0047】図1は、本発明の第1実施の形態に関わる
強誘電体メモリのセルアレイ構造の平面図を示してい
る。図2は、図1のII−II線に沿う断面図、図3
は、図1のIII−III線に沿う断面図、図4は、図
1のIV−IV線に沿う断面図である。図5は、図1乃
至図4に示すデバイスの等価回路を示している。
【0048】このセルアレイ構造の特徴は、メモリセル
アレイが直列接続された複数のメモリセルからなるNA
NDストリング(又はセルユニット)の集合から構成さ
れている点、及び、ビット線とソース線の間には実質的
に同じ構造を有する複数のMFSFETのみが直列接続
され、その両端の2つのMFSFETがセレクトトラン
ジスタとして機能し、残りのMFSFETがNANDス
トリングを構成するメモリセルとして機能する点にあ
る。このようなセルアレイ構造を有する強誘電体メモリ
をNAND型FRAMと称することにする。
【0049】以下、本発明の第1実施の形態に関わる強
誘電体メモリのセルアレイ構造について具体的に説明す
る。
【0050】p型シリコン基板21内には、n型ウェル
領域22とp型ウェル領域23から構成されるいわゆる
ツインウェルが形成される。メモリセルは、ツインウェ
ルのp型ウェル領域23内に形成される。但し、シリコ
ン基板21内にツインウェルを設けることなく、シリコ
ン基板21内に直接メモリセルを形成してもよい。ま
た、n型又はp型のシリコン基板内に形成した通常のp
ウェル領域内にメモリセルを形成してもよい。
【0051】シリコン基板21内には、STI(Shallo
w Trench Isolation)構造を有する素子分離層24が形
成される。素子分離層24は、例えば、酸化シリコンか
ら構成される。素子分離層24は、カラム方向にライン
状に延びており、全体として規則的なストライプ形状を
有している。素子分離層24の幅及びピッチ(又は素子
領域の幅)は、例えば、共に、F(Fは、Feature size
で、デザインルールの最小値を示す。以下、この説明に
おいて同じ。)に設定される。
【0052】p型ウェル領域(シリコン基板)23上及
び素子分離層24上には、バッファ層25が形成され
る。また、バッファ層25上には、強誘電体膜26が形
成される。バッファ層25は、上述の文献2にも開示さ
れているように、p型ウェル領域(シリコン基板)23
と強誘電体膜26の間の原子の相互拡散を防ぐために設
けられる。
【0053】具体的には、PZT(チタンジルコン酸
鉛,PbZr1−XTiO3)などのPbを含む強誘
電体材料をシリコン上(又は酸化シリコン上)に直接形
成する場合、強誘電体材料の形成時(温度は、例えば、
400℃程度)に、強誘電体材料内のPb原子とシリコ
ン内のSi原子が顕著に相互拡散することが知られてい
る。つまり、強誘電体膜26をp型ウェル領域(シリコ
ン基板)23上に直接形成すると、p型ウェル領域(シ
リコン基板)23と強誘電体膜26の良好な界面が得ら
れないという問題がある。
【0054】そこで、p型ウェル領域(シリコン基板)
23と強誘電体膜26の間にバッファ層25を配置し、
p型ウェル領域23と強誘電体膜26の間の原子の相互
拡散を防ぐようにしている。
【0055】なお、バッファ層25に関しては、以下の
点に注意する必要がある。強誘電体材料(例えば、PZ
T)は、一般的に高い比誘電率を有する。このため、バ
ッファ層25を、強誘電体膜26の比誘電率に比べて極
端に低い比誘電率を有する材料から構成すると、ゲート
電極とチャネルの間に印加される電圧のうちのほとんど
がバッファ層25に印加され、強誘電体膜26には少し
の電圧しか印加されなくなる。つまり、強誘電体膜26
に分極反転に必要な電圧を印加しようとすると、ゲート
電極とチャネルの間に非常に大きな電圧を印加しなけれ
ばならず、結果として、分極反転が生じる前に、バッフ
ァ層25に絶縁破壊が生じたり、バッファ層25内へ電
荷が注入されたりする。
【0056】また、バッファ層25内に電荷が注入され
ると、強誘電体膜26の分極方向(下向き又は上向き)
を反転させる方向に働く電界が強誘電体膜26に印加さ
れる場合があり、この場合には、残留分極の保持時間
(データ保持時間)が極端に短くなる。
【0057】以上の点を考慮すると、バッファ層25と
しては、その比誘電率が強誘電体膜26の比誘電率と同
じ程度か又はそれよりも高い材料から構成するのがよ
く、また、バッファ層25の厚さとしては、できるだけ
薄くするのがよいことがわかる。このような条件を満足
させることができる材料の候補としては、例えば、Sr
TiO,CeO,ZrOなどがある。
【0058】強誘電体膜26上には、ゲート電極27が
形成される。ゲート電極27は、ロウ方向にライン状に
延びており、全体として規則的なストライプ形状を有し
ている。ゲート電極27の幅及びピッチ(但し、ドレイ
ンコンタクト部A及びソースコンタクト部Bを除く)
は、例えば、共に、Fに設定される。
【0059】ゲート電極27の間のスペース部分におい
て、p型ウェル領域(シリコン基板)23の表面には、
ソース・ドレイン領域28が形成される。ドレインコン
タクト部Aにおいて、p型ウェル領域23の表面には、
ドレイン領域28dが形成される。ソースコンタクト部
Bにおいて、p型ウェル領域23の表面には、ソース領
域28sが形成される。
【0060】本例では、ドレイン領域28dとソース領
域28sの間に、セルユニット、即ち、18個のMFS
FETが直列接続される。これら18個のMFSFET
は、全て、実質的に同じ構造を有し、かつ、実質的に同
じ特性を有している。しかし、本例では、これら18個
のMFSFETのうち、最もドレイン領域28d寄りの
1つのMFSFETと最もソース領域28s寄りの1つ
のMFSFETを、セレクトトランジスタとして機能さ
せる。また、残りの16個のMFSFETをメモリセル
として機能させる。よって、ゲート電極27(SS
L),27(GSL)は、セレクトゲート線となり、ゲ
ート電極27(WL0),27(WL1),…27(W
L15)は、ワード線となる。
【0061】同一構造のMFSFETをセレクトトラン
ジスタとして機能させたり、又はメモリセルとして機能
させる手法については、NAND型FRAMの基本動作
の説明において詳述する。
【0062】なお、ドレイン領域28dとソース領域2
8sの間に接続されるMFSFETの数は、3個以上な
らば、特に、特定数に限定されることはない。つまり、
ドレイン領域28dとソース領域28sの間には、少な
くとも2個のセレクトトランジスタと少なくとも1個の
メモリセルが存在すれば足りる。
【0063】強誘電体膜26上及びゲート電極27上に
は、ゲート電極27を完全に覆う層間絶縁膜(例えば、
酸化シリコン)29が形成される。層間絶縁膜29の表
面は、平坦になっている。層間絶縁膜29、強誘電体膜
26及びバッファ層25には、ドレイン領域28dに達
するコンタクトホール30dとソース領域28sに達す
るコンタクトホール30sが形成される。コンタクトホ
ール30d内には、コンタクトプラグ31dが形成さ
れ、コンタクトホール30s内には、コンタクトプラグ
31sが形成される。コンタクトプラグ31d,31s
は、例えば、ポリシリコンやタングステンなどから構成
される。
【0064】層間絶縁膜29上には、層間絶縁膜(例え
ば、酸化シリコン)32が形成される。層間絶縁膜32
には、配線溝が形成され、この配線溝内には、コンタク
トプラグ31dに接続する配線33dとコンタクトプラ
グ31sに接続するソース線33(SL)が形成され
る。配線33d及びソース線33(SL)は、例えば、
タングステンやアルミニウムなどから構成される。
【0065】層間絶縁膜32上、配線33d上及びソー
ス線33(SL)上には、配線33d及びソース線33
(SL)を覆う層間絶縁膜(例えば、酸化シリコン)3
4が形成される。層間絶縁膜34には、配線33dに達
するビアホールが形成される。層間絶縁膜34上には、
層間絶縁膜(例えば、酸化シリコン)35が形成され
る。層間絶縁膜35には、配線溝が形成される。ビット
線36(BL)は、この配線溝内に形成され、かつ、ビ
アホールを介して配線33dに接続される。ビット線3
6(BL)は、例えば、アルミニウムから構成される。
ビット線36(BL)上には、パッシベーション膜37
が形成される。
【0066】図6は、本発明の第2実施の形態に関わる
強誘電体メモリのセルアレイ構造の平面図を示してい
る。図7は、図6のVII−VII線に沿う断面図、図
8は、図6のVIII−VIII線に沿う断面図、図9
は、図6のIX−IX線に沿う断面図である。
【0067】この実施の形態に関わるセルアレイ構造の
特徴は、上述の第1実施の形態に関わるセルアレイ構造
と同様に、メモリセルアレイが直列接続された複数のメ
モリセルからなるNANDストリング(又はセルユニッ
ト)の集合から構成されている点、及び、ビット線とソ
ース線の間には実質的に同じ構造を有する複数のMFS
FETのみが直列接続され、その両端の2つのMFSF
ETがセレクトトランジスタとして機能し、残りのMF
SFETがNANDストリングを構成するメモリセルと
して機能する点にある。
【0068】また、この実施の形態に関わるセルアレイ
構造は、上述の第1実施の形態に関わるセルアレイ構造
と異なり、以下の特徴を含んでいる。即ち、本例では、
強誘電体膜26が、メモリセル及びセレクトトランジス
タのチャネル上に、1つのメモリセル又は1つのセレク
トトランジスタごとに設けられている。具体的には、上
述の第1実施の形態では、強誘電体膜26をシリコン基
板21上の全体に形成し、データを、強誘電体膜26の
一部(チャネル上の部分)の分極状態により記憶してい
たが、この実施の形態では、強誘電体膜26を各トラン
ジスタ(メモリセル及びセレクトトランジスタ)のチャ
ネル上にそれぞれ独立して形成し、データを、トランジ
スタごとに設けられる強誘電体膜26の分極状態により
記憶している。
【0069】なお、各強誘電体膜26は、素子分離層2
4上に跨って配置されていてもよい。即ち、チャネル上
の強誘電体膜26のエッジ部が素子分離層24にオーバ
ーラップしていても構わない。
【0070】以下、本発明の第2実施の形態に関わる強
誘電体メモリのセルアレイ構造について具体的に説明す
る。
【0071】p型シリコン基板21内には、n型ウェル
領域22とp型ウェル領域23から構成されるいわゆる
ツインウェルが形成される。メモリセルは、ツインウェ
ルのp型ウェル領域23内に形成される。但し、シリコ
ン基板21内にツインウェルを設けることなく、シリコ
ン基板21内に直接メモリセルを形成してもよい。ま
た、n型又はp型のシリコン基板内に形成した通常のp
ウェル領域内にメモリセルを形成してもよい。
【0072】シリコン基板21内には、STI(Shallo
w Trench Isolation)構造を有する素子分離層24が形
成される。素子分離層24は、例えば、酸化シリコンか
ら構成される。素子分離層24は、カラム方向にライン
状に延びており、全体として規則的なストライプ形状を
有している。素子分離層24の幅及びピッチ(又は素子
領域の幅)は、例えば、共に、F(Fは、Feature size
で、デザインルールの最小値を示す。以下、この説明に
おいて同じ。)に設定される。
【0073】p型ウェル領域(シリコン基板)23上及
び素子分離層24上には、バッファ層25が形成され
る。また、バッファ層25上には、強誘電体膜26が形
成される。バッファ層25は、p型ウェル領域(シリコ
ン基板)23と強誘電体膜26の間の原子の相互拡散を
防ぐために設けられる。強誘電体膜26は、トランジス
タ(メモリセル及びセレクトトランジスタ)のチャネル
上に配置され、かつ、トランジスタごとに独立して設け
られている。
【0074】MFSFETにおいては、データの値
(“0”又は“1”)は、チャネル上の強誘電体膜26
の分極状態により判断されるため、少なくともチャネル
上に強誘電体膜26が存在すれば、NAND型FRAM
として機能させることができる。従って、第1及び第2
実施の形態では、互いにデバイス構造は異なるが、MF
SFETとしての機能は、全く同じである。
【0075】なお、製造プロセスのステップ数に関して
は、第1実施の形態のセルアレイ構造は、第2実施の形
態のセルアレイ構造よりも少なくなる。これについて
は、本発明のFRAMの製造方法の説明において詳述す
る。
【0076】強誘電体膜26上には、ゲート電極27が
形成される。ゲート電極27は、ロウ方向にライン状に
延びており、全体として規則的なストライプ形状を有し
ている。ゲート電極27の幅及びピッチ(但し、ドレイ
ンコンタクト部A及びソースコンタクト部Bを除く)
は、例えば、共に、Fに設定される。
【0077】ゲート電極27の間のスペース部分におい
て、p型ウェル領域(シリコン基板)23の表面には、
ソース・ドレイン領域28が形成される。ドレインコン
タクト部Aにおいて、p型ウェル領域23の表面には、
ドレイン領域28dが形成される。ソースコンタクト部
Bにおいて、p型ウェル領域23の表面には、ソース領
域28sが形成される。
【0078】本例では、ドレイン領域28dとソース領
域28sの間に、セルユニット、即ち、18個のMFS
FETが直列接続される。これら18個のMFSFET
は、全て、実質的に同じ構造を有し、かつ、実質的に同
じ特性を有している。しかし、本例では、これら18個
のMFSFETのうち、最もドレイン領域28d寄りの
1つのMFSFETと最もソース領域28s寄りの1つ
のMFSFETを、セレクトトランジスタとして機能さ
せる。また、残りの16個のMFSFETをメモリセル
として機能させる。よって、ゲート電極27(SS
L),27(GSL)は、セレクトゲート線となり、ゲ
ート電極27(WL0),27(WL1),…27(W
L15)は、ワード線となる。
【0079】同一構造のMFSFETをセレクトトラン
ジスタとして機能させたり、又はメモリセルとして機能
させる手法については、NAND型FRAMの基本動作
の説明において詳述する。
【0080】なお、ドレイン領域28dとソース領域2
8sの間に接続されるMFSFETの数は、3個以上な
らば、特に、特定数に限定されることはない。つまり、
ドレイン領域28dとソース領域28sの間には、少な
くとも2個のセレクトトランジスタと少なくとも1個の
メモリセルが存在すれば足りる。
【0081】強誘電体膜26上及びゲート電極27上に
は、ゲート電極27を完全に覆う層間絶縁膜(例えば、
酸化シリコン)29が形成される。層間絶縁膜29の表
面は、平坦になっている。層間絶縁膜29、強誘電体膜
26及びバッファ層25には、ドレイン領域28dに達
するコンタクトホール30dとソース領域28sに達す
るコンタクトホール30sが形成される。コンタクトホ
ール30d内には、コンタクトプラグ31dが形成さ
れ、コンタクトホール30s内には、コンタクトプラグ
31sが形成される。コンタクトプラグ31d,31s
は、例えば、ポリシリコンやタングステンなどから構成
される。
【0082】層間絶縁膜29上には、層間絶縁膜(例え
ば、酸化シリコン)32が形成される。層間絶縁膜32
には、配線溝が形成され、この配線溝内には、コンタク
トプラグ31dに接続する配線33dとコンタクトプラ
グ31sに接続するソース線33(SL)が形成され
る。配線33d及びソース線33(SL)は、例えば、
タングステンやアルミニウムなどから構成される。
【0083】層間絶縁膜32上、配線33d上及びソー
ス線33(SL)上には、配線33d及びソース線33
(SL)を覆う層間絶縁膜(例えば、酸化シリコン)3
4が形成される。層間絶縁膜34には、配線33dに達
するビアホールが形成される。層間絶縁膜34上には、
層間絶縁膜(例えば、酸化シリコン)35が形成され
る。層間絶縁膜35には、配線溝が形成される。ビット
線36(BL)は、この配線溝内に形成され、かつ、ビ
アホールを介して配線33dに接続される。ビット線3
6(BL)は、例えば、アルミニウムから構成される。
ビット線36(BL)上には、パッシベーション膜37
が形成される。
【0084】上述の第1及び第2実施の形態に関わるセ
ルアレイ構造によれば、実質的に同一構造を有する複数
(3個以上)のMFSFETがビット線とソース線の間
に直列接続される。また、この複数のMFSFETのう
ち、最もビット線寄りのMFSFETと最もソース線寄
りのMFSFETをセレクトトランジスタとして機能さ
せ、それ以外のMFSFETをメモリセルとして機能さ
せている。
【0085】つまり、本発明の半導体メモリのセルアレ
イ構造は、NAND型フラッシュEEPROM(2つの
セレクトトランジスタの間に1つのメモリセルが接続さ
れる場合を含む)において、メモリセル及びセレクトト
ランジスタを、共に、MFSFETから構成したもの
(NAND型FRAM)ということができる。
【0086】この場合、以下の効果が得られる。
【0087】 セルサイズの縮小 MFSFETを有する従来のFRAM(図39)では、
シリコンストライプ同士の間隔(素子分離幅)を、F
(Fは、Feature sizeで、デザインルールの最小値を示
す。)とすると、メモリセルのX方向のサイズ(又はビ
ット線のピッチ)は、4Fとなり、メモリセルのY方向
のサイズ(又はワード線のピッチ)は、2Fとなる。従
って、1つのメモリセルのサイズは、8F(=4F×
2F)となる。
【0088】これに対し、NAND型FRAMのセルサ
イズは、NAND型フラッシュEEPROMのセルサイ
ズと同程度と考えることができる。なぜなら、本発明の
FRAMのセルアレイ部のレイアウトは、NAND型フ
ラッシュEEPROMのセルアレイ部のレイアウトと実
質的に同じになるからである。図10は、NAND型フ
ラッシュEEPROMのセルアレイ部のレイアウトを示
しているが、このレイアウトは、図1及び図6に示すN
AND型FRAMのセルアレイ部のレイアウトと実質的
に同じである。
【0089】具体的には、メモリセルのX方向のサイズ
(又はビット線のピッチ)は、2Fとなり、メモリセル
のY方向のサイズ(又はワード線のピッチ)も、2Fと
なるため、1つのメモリセルのサイズは、4F(=2
F×2F)となる。また、本発明のFRAMでは、NA
NDストリングの両端のそれぞれに、セレクトトランジ
スタ及びコンタクト部(ドレインコンタクト部、ソース
コンタクト部)が設けられる。従って、本発明のFRA
Mの実際のセルサイズは、4F+α(αは、セレクト
トランジスタ及びコンタクト部による1セル当りの面積
の増加分)となる。
【0090】仮に、NANDストリングが16個のメモ
リセルから構成され、メモリ容量が256メガビットで
ある場合を考えると、αは、約0.5Fとなる。従っ
て、この場合、本発明のFRAMにおける1つのセルサ
イズは、4.5Fとなる。このセルサイズは、MFS
FETを有する従来のFRAMのセルサイズ(8F
よりも十分に小さい。
【0091】このように、本発明のNAND型FRAM
は、メモリセルのサイズを縮小するのに適しているた
め、メモリ容量の増大やチップサイズの縮小に貢献でき
る。
【0092】 書き換え電圧の低電圧化 NAND型フラッシュEEPROMでは、書き換え電圧
の低電圧化が困難であることが知られている。その理由
を簡単に説明すると、NAND型フラッシュEEPRO
Mのメモリセルは、横方向のサイズ(デザインルール)
については、比例縮小則(スケーリング則)に基づいて
縮小できるが、縦方向のサイズ(ゲート絶縁膜の厚さ)
については、プロセス技術の問題により比例縮小則に基
づいて縮小できないためである。
【0093】つまり、メモリ容量が、16→32→64
→256メガビットと増大するにつれて、メモリセルの
横方向のサイズは、縮小されるが、その縦方向のサイズ
は一定(例えば、ゲート酸化膜の厚さは、常に約10n
mに設定される。)であり、結果として、フローティン
グゲート電極に対して電荷の出し入れを行うために必要
な電圧(書き換え電圧)を、メモリ容量の増大又はメモ
リセルの横方向のサイズの縮小に応じて低くすることが
できない。
【0094】一方、NAND型フラッシュEEPROM
では、書き換え電圧は、コントロールゲート電極とフロ
ーティングゲート電極の間の容量C1と、フローティン
グゲート電極とシリコン基板の間の容量C2との比(カ
ップリング比)にも影響を受ける。即ち、容量C1を大
きくすれば(容量C2は一定とする。)、コントロール
ゲート電極とシリコン基板の間に印加される電圧(書き
換え電圧)のうち、フローティングゲート電極とシリコ
ン基板の間に印加される電圧の割合が大きくなり、結果
として、書き換え電圧を低くすることも可能である。
【0095】しかし、容量C1を大きくするためには
(材料は変えないものとする。)、コントロールゲート
電極とフローティングゲート電極の間の絶縁膜を厚さを
薄くする必要がある。つまり、書き換え電圧を低電圧化
するためには、フローティングゲート電極とシリコン基
板の間の絶縁膜(ゲート絶縁膜)の厚さを薄くして、フ
ローティングゲート電極に対する電荷の出し入れを行い
易くするか、又は、コントロールゲート電極とフローテ
ィングゲート電極の間の絶縁膜の厚さを薄くして、容量
C1を大きくする必要がある。
【0096】いずれにしても、書き換え電圧を低電圧化
するためには、膜質の良い薄い絶縁膜(例えば、約5n
m)を形成するためのプロセス技術が必要であり、この
技術が開発されない限り、書き換え電圧を低電圧化は困
難となる(現在の書き換え電圧は、20V程度と非常に
大きい。)。
【0097】これに対し、本発明のNAND型FRAM
では、メモリセルとしてMFSFETを使用している。
つまり、MFSFETは、データを強誘電体膜の分極状
態として記憶するため、書き換え電圧は、強誘電体膜を
分極反転させるために必要な電圧(臨界電圧)であれば
よい。この臨界電圧は、トンネル効果やホットエレクト
ロンによりフローティングゲート電極に対して電荷の出
し入れを行うための電圧よりも十分に小さい。具体的に
は、書き換え電圧は、数V程度(例えば、5V程度)で
十分である。従って、本発明のNAND型FRAMによ
れば、書き換電圧の低電圧化を達成することができる。
【0098】 チップサイズの縮小(ワード線駆動回
路のレイアウトの容易化) NAND型フラッシュEEPROMでは、上記で説明
したように、書き換え電圧の低電圧化が困難であり、結
果として、20V程度の高い書き換え電圧が必要とな
る。従って、NAND型フラッシュEEPROMでは、
高い書き換え電圧を発生させるための電圧発生回路(昇
圧回路)を設け、かつ、この書き換え電圧をワード線に
与えるワード線駆動回路を高耐圧トランジスタから構成
しなければならない。
【0099】通常、高耐圧トランジスタのサイズは、通
常トランジスタ(高電圧が印加されないトランジスタ)
のサイズよりも大きい。例えば、0.25μmルールで
設計される256メガビットのNAND型フラッシュE
EPROMの場合、高耐圧トランジスタのサイズ(デザ
インルール)は、通常トランジスタのサイズ(デザイン
ルール)よりも数倍大きくなる。このように、高耐圧ト
ランジスタのサイズを大きくすることにより、高電圧に
より生じる電界を弱めることができ、トランジスタの破
壊を防止することができる。
【0100】しかし、高耐圧トランジスタのサイズを大
きくすると、ロウデコーダ又はワード線駆動回路の面積
が巨大化する。また、ロウデコーダやワード線駆動回路
は、例えば、メモリセルアレイのブロックに対応して設
けられるため、これらの巨大化は、メモリチップ上にお
いてロウデコーダやワード線駆動回路が占める面積の増
大を意味し、結果として、チップサイズが増大する。ま
た、チップサイズは、無制限に大きくすることができな
いため、ロウデコーダ又はワード線駆動回路の面積が巨
大化は、メモリ容量の増大にとって不利である。
【0101】具体例について考える。例えば、0.25
μmルールで設計される256メガビットのメモリ容量
を有するNAND型フラッシュEEPROMにおいて、
1つのNANDストリングが、16個のメモリセルと2
個のセレクトトランジスタから構成される場合、図11
に示すように、NANDストリングのピッチは、約8.
5μmとなる。一方、このようなNAND型フラッシュ
EEPROMにおいて、高耐圧トランジスタのサイズ、
例えば、ゲート幅方向の長さは、8〜9μmとなる。従
って、NANDストリングのピッチ内には、1つの高耐
圧トランジスタのみしか配置することができず、ロウデ
コーダやワード線駆動回路のレイアウトが非常に難しく
なる。
【0102】また、次世代の1ギガビットNAND型フ
ラッシュEEPROMでは、例えば、メモリセルに対し
て0.15μmのデザインルールが適用される。この場
合、1つのNANDストリングが、16個のメモリセル
と2個のセレクトトランジスタから構成されるとする
と、NANDストリングのピッチは、約5μmとなる。
ところで、高耐圧トランジスタのサイズについては、信
頼性を確保するため、メモリセルが縮小されても、縮小
することができず、例えば、ゲート幅方向の長さは、8
〜9μmのままである。従って、NANDストリングの
ピッチ内に、高耐圧トランジスタを配置することができ
なくなり、ロウデコーダやワード線駆動回路のレイアウ
トが不可能になる。
【0103】ロウデコーダやワード線駆動回路のレイア
ウトを可能にするためには、1つのNANDストリング
を構成するメモリセルの数を増やせばよい。つまり、N
ANDストリング内のメモリセルの数を増やせば、NA
NDストリングのピッチが大きくなるため、高耐圧トラ
ンジスタをNANDストリングのピッチ内に収めること
ができる。例えば、1つのNANDストリング内のメモ
リセルの数を16個から32個に増やせば、NANDス
トリングのピッチは、約2倍になる。
【0104】NAND型フラッシュEEPROMは、消
去ブロック単位で、複数のメモリセルを同時消去する点
に特徴を有するものであり、消去ブロックサイズ(同時
消去を行うメモリセルの数)は、NANDストリングを
構成するメモリセルの数に比例する。従って、NAND
ストリングを構成するメモリセルの数を増やすことは、
消去ブロックサイズを増やすことを意味する。NAND
型フラッシュEEPROMの開発の歴史を見ると、現実
に、メモリ容量が増加する度に、NANDストリング内
のメモリセルの数を増やし、消去ブロックサイズを大き
くしている。
【0105】即ち、16メガビットNAND型フラッシ
ュEEPROMの消去ブロックサイズは、4キロバイト
であり、32メガビットNAND型フラッシュEEPR
OMの消去ブロックサイズは、8キロバイトであり、2
56メガビットNAND型フラッシュEEPROMの消
去ブロックサイズは、16キロバイトである。
【0106】しかし、近年では、消去ブロックサイズの
増大を欲しないユーザが多くなっている。例えば、デジ
タルカメラのメモリにNAND型フラッシュEEPRO
Mを使用しているユーザにおいては、旧製品と新製品と
の間のコンパチビリティを保つために、消去ブロックサ
イズの急激な変更(増大)は行わないでほしい、という
要望がある。
【0107】このような状況から、次世代の1ギガビッ
トNAND型フラッシュEEPROMでは、消去ブロッ
クサイズを、256メガビットNAND型フラッシュE
EPROMと同様に、16キロバイトとする必要性が出
てきている。
【0108】消去ブロックサイズを増大させずに、ロウ
デコーダ及びワード線駆動回路のレイアウトを可能にす
る技術として、NANDストリング内のメモリセルを動
作的に2つに分割することで、消去ブロックサイズを小
さくするものがある。1ギガビットNAND型フラッシ
ュEEPROMを考えると、例えば、図12に示すよう
に、NANDストリングを構成するメモリセルの数は、
32個となる。この時、従来方式では、消去ブロックサ
イズが32キロバイトとなるが、本方式では、消去ブロ
ックサイズは、16キロバイトのままである(256メ
ガビットNAND型EEPROMと同じ。)。
【0109】しかし、この場合、例えば、一方の消去ブ
ロック(選択ブロック)内のメモリセルに対して、何度
も、繰り返し、データの書き換えを行ったとすると、こ
の書き換え中に、他方の消去ブロック(非選択ブロッ
ク)内のメモリセルには、所定の電圧ストレスVpas
sが印加されることになる。従って、書き換え回数が多
数回に及ぶと、非選択ブロック内のメモリセルの閾値が
徐々に変化し、最悪の場合には、非選択ブロック内のメ
モリセルのデータが反転してしまう場合も考えられる。
【0110】従って、図12のNANDストリング内の
メモリセルを動作的に2つに分割する技術は、現実的と
は言えない。
【0111】このように、1ギガビットNAND型フラ
ッシュEEPROMに関しては、消去ブロックサイズの
増加なく(16キロバイトを保ったままで)、ロウデコ
ーダ及びワード線駆動回路のレイアウトを決定する、と
いう課題が未解決のままであり、この課題を解決しない
限り、1ギガビットNAND型フラッシュEEPROM
を現実のものとすることはでいない。
【0112】これに対し、本発明のNAND型FRAM
によれば、上記で説明したように、書き換え電圧の低
電圧化(5V程度)が可能である。従って、NAND型
FRAMでは、高い書き換え電圧を発生させるための電
圧発生回路(昇圧回路)が不要であり、かつ、書き換え
電圧をワード線に与えるワード線駆動回路も通常のトラ
ンジスタから構成することができる。
【0113】このため、ロウデコーダやワード線駆動回
路が巨大化することもなく、チップサイズの縮小に貢献
できる。また、高耐圧トランジスタが必要ないため、例
えば、1ギガビットNAND型フラッシュEEPROM
において、消去ブロックサイズの増加なく(16キロバ
イトを保ったままで)、かつ、非選択ブロック内のメモ
リセルに対するストレスVpassなしに、ロウデコー
ダ及びワード線駆動回路のレイアウトを容易に決定する
ことができる。
【0114】また、本発明のNAND型FRAMによれ
ば、書き換え電圧の低電圧化が可能なため、例えば、メ
モリセル同士の電気的分離を確保するための素子分離領
域の幅を狭くすることができる。即ち、互いに電気的に
分離しなければならない2つのメモリセルの間の絶縁が
確保できなくなる電圧(破壊電圧)は、素子分離領域の
幅に比例する。ここで、書き換え電圧が低くなるという
ことは、破壊電圧が低くてもよいことを意味するため、
結果として、素子分離領域の幅を狭めることができる。
このことも、チップサイズの縮小にとって有効である。
【0115】 セルアレイ構造及び製造プロセスの簡
略化 NAND型フラッシュEEPROMでは、直列接続され
る複数のメモリセルの両端(ビット線側、ソース線側)
に、それぞれ1つずつ、セレクトトランジスタを接続す
る必要がある。これらセレクトトランジスタは、例え
ば、書き込み(プログラム)動作において、選択ブロッ
ク内の非書き込みセル(“1”書き込みセル)を含むN
ANDストリング内のメモリセルのチャネルを書き込み
禁止電位に上昇させるために設けられる。
【0116】具体的には、選択ブロック内においては、
書き込み動作時、まず、ソース線側のセレクトトランジ
スタの全てをオフとし、ビット線側のセレクトトランジ
スタのゲート及び全てのワード線に電源電位VCCを印
加する。そして、書き込みセル(“0”書き込みセル)
を含むNANDストリング内のメモリセルのチャネルに
接地電位VSSを供給し、非書き込みセル(“1”書き
込みセル)を含むNANDストリング内のメモリセルの
チャネルに対しては、ビット線から初期電位(例えば、
電源電位VCC)を供給する。
【0117】この時、非書き込みセル(“1”書き込み
セル)を含むNANDストリング内のメモリセルのチャ
ネルは、VCC−Vth(Vthは、セレクトトランジ
スタの閾値)にプリチャージされ、かつ、そのNAND
ストリング内のビット線側のセレクトトランジスタは、
カットオフ状態となる。
【0118】この後、選択ブロック内において、例え
ば、選択されたワード線を書き込み電位Vprogに上
げ、非選択のワード線を転送電位Vpassに上げる
と、非書き込みセル(“1”書き込みセル)を含むNA
NDストリング内のメモリセルのチャネルは、ワード線
とチャネルの間の容量カップリングにより書き込み禁止
電位まで上昇する。
【0119】このように、NANDストリング内の2つ
のセレクトトランジスタは、書き込み動作時に、メモリ
セルのチャネルをフローティングにし、容量カップリン
グにより書き込み禁止電位を生成するために重要な役割
を果たす。
【0120】ここで、書き込み動作時、書き込みセル
(“0”書き込みセル)を含むNANDストリング内の
メモリセルのチャネルに接地電位VSSを供給するた
め、セレクトトランジスタのゲートには、電源電位VC
Cが印加される。このため、セレクトトランジスタに関
しては、(VCC−VSS)/2よりも低い正の電圧
(例えば、0.7V程度)を閾値とする必要がある。従
って、セレクトトランジスタに関しては、メモリセルと
別個のプロセスにより形成するとか、ゲート電極を形成
する前にチャネル部に閾値制御のためのイオン注入を行
うなどのプロセスの追加が必要であった。
【0121】しかし、メモリセルとセレクトトランジス
タをそれぞれ別々に形成すると、製造プロセスが、長
く、かつ、複雑になると共に、熱工程が増えるため、信
頼性も低下するという問題がある。
【0122】そこで、現在のNAND型フラッシュEE
PROMでは、メモリセルとセレクトトランジスタを、
共に、2層のポリシリコン層を積み上げた構造、いわゆ
るスタックゲート構造とし、メモリセルとセレクトトラ
ンジスタを同一の製造プロセスで形成している。
【0123】しかし、NAND型フラッシュEEPRO
Mでは、メモリセルとセレクトトランジスタは、互いに
同一構造を有しておらず、かつ、機能、性能も互いに異
なっている。例えば、NAND型フラッシュEEPRO
Mのメモリセルは、周知のように、フローティングゲー
ト電極とコントロールゲート電極(ワード線)を有する
のに対し、セレクトトランジスタは、フローティングゲ
ート電極を有していない。セレクトトランジスタでは、
例えば、2層のポリシリコン層をゲート電極(セレクト
ゲート線)として用い、一定間隔で、上下のポリシリコ
ン層を接続するシャント領域が設けられる。
【0124】シャント領域の意義は、セレクトゲート線
の低抵抗化にある。一般に、1層目(下層)のポリシリ
コン層の比抵抗は、2層目(上層)のポリシリコン層
(又はポリシリコン層とシリサイド層の積層でもよ
い。)の比抵抗よりも大きい。そこで、シャント領域を
一定間隔(例えば、32カラムごと)で設けてセレクト
ゲート線の低抵抗化を図っている。
【0125】しかし、シャント領域では、上下のポリシ
リコン層をそれぞれ露出させ、かつ、アルミニウムなど
の低抵抗材料により上下のポリシリコン層を電気的に接
続するため、レイアウト面積が大きくなる欠点がある。
例えば、0.25μmルールで設計された256メガビ
ットNAND型フラッシュEEPROMでは、ビット線
コンタクト部を挟み込む2本のセレクトゲート線の間隔
は、シャント領域のサイズに制限され、縮小することが
できない。
【0126】これに対し、本発明のNAND型FRAM
では、メモリセルとセレクトトランジスタは、実質的に
同一構造を有し、かつ、実質的に同一の機能及び特性を
有している。即ち、メモリセルとセレクトトランジスタ
は、共に、MFSFETから構成される。但し、実際の
動作(後述する。)においては、強誘電体膜の分極状態
を制御することにより、メモリセルは、メモリセルとし
て機能させ、セレクトトランジスタは、セレクトトラン
ジスタとして機能させる。
【0127】従って、本発明のNAND型FRAMにお
いては、メモリセルとセレクトトランジスタは、完全
に、同一の製造プロセスにより同時に形成することがで
き、製造プロセスが簡略化される。なお、NAND型フ
ラッシュEEPROMでは、セレクトトランジスタをス
タックゲート構造とすることで、メモリセルとセレクト
トランジスタのプロセスの一部を共通化することはでき
るが、例えば、フローティングゲート電極を形成するた
めのスリット形成プロセスや、シャント領域を形成する
ためのプロセスなどが必要であるため、NAND型FR
AMのように、完全に共通化することはできない。
【0128】また、本発明のNAND型FRAMでは、
セレクトトランジスタがMFSFETから構成されるた
め(スタックゲート構造を有していないため)、シャン
ト領域を設ける必要がない。従って、ビット線コンタク
ト部を挟み込む2本のセレクトゲート線の間隔は、比例
縮小則(スケーリング則)に基づき、ワード線同士の間
隔程度に縮小することができる。
【0129】このように、本発明のNAND型FRAM
では、セルアレイ構造が簡略化されることにより、メモ
リセルの微細化、高集積化や、製造プロセスの簡略化な
どに貢献できる。
【0130】 プログラムベリファイが不要 本発明のNAND型FRAMの重要な特徴の一つに、プ
ログラムベリファイが不要であるという点がある。
【0131】メモリセルをNAND型に接続したメモリ
セルアレイ(NAND型フラッシュEEPROM)で
は、書き込み(プログラム)は、ページ単位(1ロウご
と)に行われる。しかし、書き込み特性は、メモリセル
ごとに異なるため、1回の書き込み動作で十分に閾値が
上昇し、“0”書き込みが完了するメモリセルもあれ
ば、数回の書き込み動作を行っても十分に閾値が上昇せ
ず、“0”書き込みが完了しないメモリセルもある。
【0132】従って、全てのメモリセルに対して、同一
条件で、書き込み(プログラム)動作を行うと、全ての
メモリセルの書き込みが完了した時点で、あるメモリセ
ルについては、閾値が、読み出し時に非選択のワード線
に与えるパス電位を越えてしまう場合がある(オーバー
プログラム)。これでは、読み出し時に、オン状態でな
ければならない非選択セルがオフ状態となり、正確に、
選択セルのデータを読み出すことができなくなる(NO
R型のセルでオーバーイレーズが問題となるように、N
AND型セルでは、オーバープログラムが問題とな
る。)。
【0133】そこで、NAND型フラッシュEEPRO
Mでは、書き込み(プログラム)動作を行った後に、書
き込み(“0”書き込み)が完了したか否かを検証する
プログラムベリファイ動作が必要不可欠となる。また、
プログラムベリファイによりNG(書き込み未完了)と
されたセルについてのみ、再書き込みを行い、オーバー
プログラムのメモリセルが発生しないようにしている
(いわゆるビット毎ベリファイ)。
【0134】以下、参考のために、NAND型フラッシ
ュEEPROMの基本動作について説明する。NAND
型フラッシュEEPROMの公知例としては、例えば、
文献4(K.-D. Suh et al., "A 3.3V 32Mb NAND Flash
Memory with Incremental Step PulseProgramming Sche
me" IEEE J. Solid-State Circuits, vol.30, pp.1149-
1156,Nov. 1995)、文献5(Y. Iwata et al., "A 35 n
s Cycle Time 3.3V Only 32Mb NAND Flash EEPROM" IEE
E J. Solid-State Circuits, vol.30, pp.1157-1164, N
ov. 1995)などが知られている。
【0135】また、文献4には、NAND型フラッシュ
EEPROMの基本動作が詳細に説明されているので、
以下では、文献4に開示される基本動作について、簡単
に説明する。
【0136】なお、メモリセルアレイ部は、図13、図
14及び図15に示すような回路により構成されている
ものとする。この場合、消去(Erase)、読み出し(Rea
d)、書き込み(program)の各動作時におけるメモリセ
ル及びセレクトトランジスタに対するバイアス状態は、
表1に示すようになる。
【0137】
【表1】
【0138】但し、BSELは、ブロック選択信号、W
L0,…WL15は、ワード線、BL0,…BL422
3は、ビット線、SSLは、ビット線側のセレクトゲー
ト線、GSLは、ソース線側のセレクトゲート線、Se
l. W/Lは、選択されたブロック内の選択されたワ
ード線、Pass W/Lは、選択されたブロック内の
非選択のワード線、“0”B/Lは、“0”書き込みを
行うメモリセルが接続されるビット線、“1”B/L
は、“1”書き込みを行うメモリセルが接続されるビッ
ト線、Bulkは、基板(チャネル)である。
【0139】・ 消去動作 消去動作時では、まず、全てのワード線WL0,…WL
15が接地電位Vssに設定される(Sel. W/
L,Pass W/L = 0V)。この後、選択され
たブロック内のブロック選択信号BSELは、“H(例
えば、電源電位Vcc)”になり、非選択のブロック内
のブロック選択信号BSELは、“L(接地電位Vs
s)”を維持する。
【0140】従って、選択されたブロック内のワード線
WL0,…WL15は、接地電位Vssを維持し、非選
択のブロック内のワード線WL0,…WL15は、接地
電位Vssで、フローティング状態になる。
【0141】この後、消去パルス(例えば、21V、3
ms)がバルク(例えば、セルpウェル)Bulkに供
給される。その結果、選択されたブロックでは、バルク
Bulkとワード線WL0,…WL15の間に消去電圧
(21V)が印加され、フローティングゲート電極内の
電荷(電子)が、F−N(Fowler-Nordheim)トンネル
電流により、バルクBulkに移動する。
【0142】NAND型フラッシュEEPROMでは、
NOR型フラッシュEEPROMとは異なり、過消去
(オーバーイレーズ)が問題とならないため、選択され
たブロック内のメモリセルは、1回の消去パルスによ
り、−3V程度まで十分に消去される。
【0143】一方、非選択のブロック内では、消去パル
スがバルクBulkに供給されると同時に、ワード線W
L0,…WL15とバルクBulkの間の容量カップリ
ングにより、フローティング状態のワード線WL0,…
WL15の電位も上昇する。このため、ワード線WL
0,…WL15とバルクBulkの間には、FNトンネ
ル現象を生じさせるために十分な消去電圧が印加され
ず、非選択のブロック内のメモリセルのデータは、消去
されない。
【0144】ここで、ワード線WL0,…WL15とバ
ルクBulkの間のカップリング比について検討する。
カップリング比は、フローティング状態のワード線WL
0,…WL15に生じる容量から計算される。ここで、
フローティング状態のワード線WL0,…WL15は、
ブロック選択信号BSELにより制御されるMOSトラ
ンジスタのソースに接続され、かつ、そのソースとワー
ド線WL0,…WL15は、金属配線により互いに接続
されていると仮定する。
【0145】この場合、カップリング比は、ブロック選
択信号BSELにより制御されるMOSトランジスタの
ソースの接合容量、そのMOSトランジスタのソースと
ゲートのオーバーラップ容量、そのMOSトランジスタ
のソースとワード線WL0,…WL15を接続する金属
配線に生じる容量(特に、フィールド領域の容量)、ワ
ード線(ポリシリコン層)WL0,…WL15とバルク
(セルpウェル)Bulkの間に生じる容量などにより
決定される。
【0146】これら容量の中でも、特に、ワード線WL
0,…WL15とバルクBulkの間に生じる容量は、
カップリング比に大きな影響を与える。実験結果から求
めたカップリング比は、約0.9であり、よって、バル
クBulkに消去パルスを与えたときに、ワード線WL
0,…WL15の電位は、十分に上昇するため、FNト
ンネル電流の発生が防止される。
【0147】消去ベリファイ動作では、例えば、選択さ
れたブロック内の全てのメモリセルの閾値が−1V以下
になったか否かが検証される。そして、全てのメモリセ
ルの閾値が−1V以下になるまで、繰り返し、消去動作
が実行される。所定回数、消去動作を繰り返しても、選
択されたブロック内の全てのメモリセルの閾値が−1V
以下にならない場合、消去NGとして、消去動作が終了
する。
【0148】NAND型フラッシュEEPROMでは、
上述したように、過消去(オーバーイレーズ)が問題と
ならないため、消去動作においては、メモリセルの閾値
を所定値(上限)以下にすればよく、その閾値の下限
は、存在しない。よって、消去ベリファイをビットごと
に行う(ビット毎ベリファイを行う)必要はない。
【0149】・ 読み出し動作 読み出し動作は、1ページ(1ロウ)分のメモリセルの
データを同時にページバッファのラッチ回路に転送した
後、ページバッファから、例えば、1ビットずつ、連続
的にデータを出力することにより行う。
【0150】図16は、読み出し動作時における主要な
信号の動作波形を示している。まず、ページバッファP
/Bが“0”に初期化される。即ち、PGM及びDIS
が電源電位Vccであるため、全てのページバッファP
/B内のラッチ回路LHのノードAがMOSトランジス
タT1,T2を経由して接地点GNDに短絡され、その
結果、ノードAの値が“0”になる(Latch“0”
=“0”,LATCH“1”=“0”)。また、全ての
ビット線BL0,…BL4243は、接地電位Vssに
設定され、全てのワード線WL0,…WL15は、接地
電位Vssに設定され、セレクトゲート線SSL,GS
Lは、約4.5Vに設定される(時刻t1)。
【0151】この後、選択されたブロック内の非選択の
ワード線Pass W/Lは、約4.5Vに設定され、
選択されたブロック内の選択されたワード線Sel.
W/Lは、接地電位Vssを維持する(時刻t2)。
【0152】非選択のワード線Pass W/Lに与え
る約4.5Vという電位は、消去セル(“1”書き込み
セル)の閾値よりも高く、かつ、“0”書き込みセルの
閾値よりも高くなることを条件に決められたものであ
る。つまり、読み出し動作時、非選択のワード線Pas
s W/Lに接続される非選択のメモリセルは、データ
の値(“1”又は“0”)にかかわらず、オン状態とな
り、いわゆるパストランジスタとして機能する。
【0153】一方、選択されたワード線Sel. W/
Lは、接地電位(0V)Vssに設定されている。ま
た、データ“1”を記憶するメモリセル(消去セル)の
閾値は、マイナスに設定され、データ“0”を記憶する
メモリセル(書き込みセル)の閾値は、プラスに設定さ
れている。従って、選択されたワード線Sel. W/
Lに接続されるメモリセルについては、データが“1”
(消去セル)のとき、オン状態となり、データが“0”
(書き込みセル)のときオフ状態となる。
【0154】従って、消去セル(“1”書き込みセル)
のデータが読み出されるビット線BLiは、NANDス
トリングを経由してソース線(接地電位Vss)に電気
的に接続され、書き込みセル(“0”書き込みセル)の
データが読み出されるビット線BLiは、ソース線から
切断され、オープン状態(一端が電気的にどこにも接続
されていない状態をいう。)になる。
【0155】この後、PGM及びDISが、電源電位V
ccから接地電位Vssに変化し、Vrefが、0Vか
ら約1.5Vに変化する(時刻t3)。この時、MOS
トランジスタT1,T2がオフ状態になり、ページバッ
ファP/B内のラッチ回路LHのノードAは、接地点G
NDから切り離される。また、Vrefによりカレント
ミラー回路が活性化され、MOSトランジスタTCLに
約2μAの負荷電流が流れる。
【0156】一方、MOSトランジスタT3は、デプレ
ッション型であり、PGMが0Vでもオン状態となって
いる。
【0157】よって、消去セル(“1”書き込みセル)
のデータが読み出されるビット線BLiに接続されるペ
ージバッファでは、この負荷電流が接地点GNDに垂れ
流され、そのビット線BLiの電位は、低い値(約0.
4V)となる。このため、センス用のMOSトランジス
タTSは、オフ状態となる。書き込みセル(“0”書き
込みセル)のデータが読み出されるビット線BLiに接
続されるページバッファでは、そのビット線BLiがオ
ープン状態であるため、ビット線BLiの電位は、高い
値(約2V)となる。このため、センス用のMOSトラ
ンジスタTSは、オン状態となる。
【0158】この後、READが0Vから電源電位Vc
cに変化すると、MOSトランジスタT4がオン状態と
なるため、ビット線BLiの電位に応じて、ラッチ回路
LHのデータが決定される(時刻t4)。
【0159】即ち、消去セル(“1”書き込みセル)の
データが読み出されるビット線BLiの電位は、低い値
(約0.4V)であるため、そのビット線BLiが接続
されるページバッファでは、MOSトランジスタTS
は、オフ状態である。よって、READが電源電位Vc
cになり、MOSトランジスタT4がオン状態になって
も、ラッチ回路LHのデータ(ノードAの値)は、
“0”のままである。
【0160】また、書き込みセル(“0”書き込みセ
ル)のデータが読み出されるビット線BLiの電位は、
高い値(約2V)であるため、そのビット線BLiに接
続されるページバッファでは、MOSトランジスタTS
は、オン状態である。よって、READが電源電位Vc
cになり、MOSトランジスタT4がオン状態になる
と、ラッチ回路LHのデータ(ノードAの値)は、
“1”に反転する。
【0161】このようにして、1ページ(1ロウ)分の
メモリセルのデータは、同時に、ページバッファのラッ
チ回路に転送され、かつ、ラッチされる。この後、ペー
ジバッファP/Bごとに、Y1が制御され、例えば、選
択されたページバッファ内のラッチ回路LHのデータを
データ線DLに転送する。
【0162】・ 書き込み動作 書き込み動作では、まず、書き込みデータのロードが行
われる。書き込みデータのロードは、書き込みデータ
を、メモリチップの内部にシリアルかつ連続的に入力
し、この書き込みデータを、全て又は複数のページバッ
ファ内のラッチ回路にラッチすることにより完了する。
【0163】選択セルに対して“0”書き込みを行う場
合には、ラッチ回路LHには、データ“0”がラッチさ
れる(ノードA=“0”)。選択セルに対して“1”書
き込み(消去状態の維持)を行う場合には、ラッチ回路
LHには、データ“1”がラッチされる(ノードA=
“1”)。
【0164】この後、1ページ分のデータが、同時に、
1ページ分の選択セルに書き込まれる。書き込みは、
“0”書き込みを行う選択セルに対して“0”書き込み
が完了するまで、繰り返し、行われる。但し、書き込み
が所定回数に達しても、“0”書き込みが完了しない選
択セルが存在する場合には、書き込みNGとして、書き
込み動作を終了する。
【0165】1回の書き込みサイクルは、書き込み(プ
ログラム)動作とプログラムベリファイ動作から構成さ
れる。書き込み動作では、書き込みパルスが選択された
ワード線に与えられ、プログラムベリファイ動作では、
“0”書き込みを行う選択セルの閾値が所定の範囲内に
収まったか否かを検証する。特に、プログラムベリファ
イ動作では、過書き込み(オーバープログラム)を防止
するために、ビット毎ベリファイが実行される。
【0166】具体的には、書き込み動作は、以下のよう
なステップから構成される。なお、1回の書き込みサイ
クルは、約40μsで終了するものとする。
【0167】a. ビット線のセットアップ(約8μ
s) このステップでは、ページバッファ内のラッチ回路のデ
ータに応じて、ビット線の電位をセットアップする。例
えば、選択セルに対して“0”書き込みを行う場合に
は、ラッチ回路のデータは、“0”になるため、ビット
線BLiのレベルは、Vss(書き込み実行レベル)に
なる。また、選択セルに対して“1”書き込み(消去状
態の維持)を行う場合には、ラッチ回路のデータは、
“1”になるため、ビット線BLiのレベルは、Vcc
(書き込み禁止レベル)になる。
【0168】b. データ書き込み(約20μs) GSLを接地電位Vss、SSLを電源電位Vccに
し、ビット線の電位を、選択されたブロック内のNAN
Dストリングを構成するメモリセルのチャネルに転送す
る。この時、“0”書き込みを実行する選択セル(書き
込み実行セル)のチャネルは、接地電位(ビット線と同
じ電位)Vssとなり、“1”書き込みを実行する選択
セル(書き込み禁止セル)のチャネルは、Vcc−Vt
hに充電された後、フローティングとなる。この後、選
択されたブロック内において、選択された1本のワード
線Sel. W/Lにパルス状の書き込み電位(15.
5〜20V)を与え、残りの全ての非選択のワード線P
ass W/Lに転送電位(約10V)を与える。その
結果、書き込み実行セルでは、FNトンネル電流により
フローティングゲート電極に電荷(電子)が注入され、
“0”書き込みが実行される。一方、書き込み禁止セル
では、容量カップリングによりチャネルの電位が上昇す
るため、“0”書き込みが禁止される(言い換えれば、
“1”書き込みが実行される、又は消去状態が維持され
る)。
【0169】c. ワード線の放電(約4μs) 選択されたブロック内の全てのワード線の電荷を放電し
(Sel. W/L,Pass W/L=Vss)、こ
の後に行われるプログラムベリファイの準備を行う。
【0170】d. プログラムベリファイ(約8μs) プログラムベリファイでは、選択されたワード線に繋が
る選択セルのうち、書き込みセル(“0”書き込みセ
ル)の閾値が目標値(下限)以上になったか否かを検証
する。プログラムベリファイは、選択されたワード線に
繋がる1ページ分の選択セルのデータを読み出すことに
より実行される(プログラムベリファイリード)。
【0171】なお、通常の読み出し動作では、上述のよ
うに、例えば、選択されたワード線に0Vを与え、非選
択のワード線に約4.5Vを与えるが、プログラムベリ
ファイリードでは、例えば、選択されたワード線に約
0.7Vを与え、非選択のワード線に約4.5Vを与え
る。つまり、プログラムベリファイでは、メモリセルの
閾値が0.7Vを越えたときに、“0”書き込みが完了
したと判断される。
【0172】プログラムベリファイでは、“0”書き込
みが完了したメモリセル(閾値が0.7Vを越えるも
の)が繋がるページバッファ内のラッチ回路のデータ
は、“0”から“1”に変化する。従って、“0”書き
込みが完了したメモリセルについては、以後、書き込み
動作が行われることはない。これにより、過書き込み
(オーバープログラムを防止する。
【0173】プログラムベリファイでは、ページバッフ
ァ内のラッチ回路のデータは、“0”から“1”にのみ
変化し、“1”から“0”には変化しないように制御さ
れる。よって、“1”書き込みセル(書き込み禁止セ
ル)が繋がるページバッファ内のラッチ回路のデータ
は、“1(書き込み禁止)”を維持し、“0”書き込み
セル(書き込み実行セル)が繋がるページバッファ内の
ラッチ回路のデータは、その“0”書き込みセルの閾値
に応じて、“0(書き込み実行)”から“1(書き込み
禁止)”に変化する。
【0174】そして、全てのページバッファ内のラッチ
回路のデータが“1”になるまで、繰り返し、書き込み
動作とプログラムベリファイ動作が実行される。但し、
書き込み動作(プログラムベリファイ動作を含む)に要
した時間が最大時間(例えば、10サイクル)に達した
ときは、書き込みNGとして、書き込み動作を終了させ
る。
【0175】図17及び図18は、書き込み動作時にお
ける選択されたワード線に繋がる選択セル(書き込み実
行セルと書き込み禁止セル)のバイアス条件を示してい
る。GSLを接地電位Vss、SSLを電源電位Vcc
にし、ビット線の電位を、選択されたブロック内のNA
NDストリングを構成するメモリセルのチャネルに転送
する。この時、“0”書き込みを実行する選択セル(書
き込み実行セル)のチャネルは、接地電位(ビット線と
同じ電位)Vssとなり、“1”書き込みを実行する選
択セル(書き込み禁止セル)のチャネルは、Vcc−V
thに充電された後、フローティングとなる。
【0176】この後、選択されたブロック内において、
選択された1本のワード線にパルス状の書き込み電位
(例えば、18V)Vpgmを与え、残りの全ての非選
択のワード線に転送電位(約10V)Vpassを与え
る。その結果、書き込み実行セルでは、フローティング
ゲート電極とチャネルの間に大きな電位差が生じ、FN
トンネル電流により、チャネルからフローティングゲー
ト電極へ電荷(電子)が注入され、“0”書き込みが実
行される。
【0177】一方、書き込み禁止セルでは、書き込み電
位Vpgm又は転送電位Vpassがワード線に供給さ
れると、ワード線(コントロールゲート電極)とチャネ
ルの間の容量カップリングによりチャネルの電位が上昇
する。このため、書き込み禁止セルでは、フローティン
グゲート電極とチャネルの間に大きな電位差が生じるこ
とはなく、“0”書き込みが禁止される(言い換えれ
ば、“1”書き込みが実行される、又は消去状態が維持
される)。
【0178】なお、書き込み動作時に、書き込み禁止セ
ルのチャネル電位(書き込み禁止電位)を十分に上昇さ
せれば、書き込み禁止セルに対する誤書き込み(“0”
書き込み)を防止することができる。また、書き込み禁
止電位は、チャネルの初期充電を十分に行うこと、及
び、ワード線とチャネルの間のカップリング比を大きく
することにより、十分に大きくすることができる。
【0179】ところで、ワード線とチャネルの間のカッ
プリング比Bは、以下の式で表すことができる。 B = Cox/(Cox + Cj) 但し、Coxは、ワード線とチャネルの間のゲート容量
の総和であり、Cjは、メモリセルのソース及びドレイ
ンの接合容量の総和である。
【0180】また、NANDストリングのチャネル容量
は、CoxとCjの合計となる。この他にも、セレクト
ゲート線とソース(又はドレイン)の間のオーバーラッ
プ容量や、ビット線やソース線に生じる容量などが存在
するが、これらの容量は、CoxやCjに比べると、非
常に小さいため、無視しても差し支えない。
【0181】これに対し、本発明のNAND型FRAM
のメモリセルは、MFSFETから構成される。MFS
FETは、データを強誘電体膜の分極状態として記憶す
るものである。また、強誘電体膜は、臨界電圧以上の電
圧(又は電界)が印加されることにより分極反転すると
共に、電圧(又は電界)が零になると、常に一定の分極
量(残留分極量)、即ち、閾値を持つことになる。つま
り、メモリセルがMFSFETから構成される場合、全
てのメモリセルの書き込み特性は、ほぼ同じと仮定で
き、例えば、1回の書き込みに対して、メモリセルの間
に閾値のばらつきが生じることはない(フラッシュメモ
リのメモリセルのように閾値が徐々に変化することがな
いため、閾値分布の裾が広がらない。)。
【0182】従って、本発明のNAND型FRAMで
は、NAND型フラッシュEEPROMのように、セル
の書き込み特性を考慮した複数回の書き込みを行う必要
がなく、臨界電圧以上の電圧を用いた1回の書き込みの
みを行えば足りる。また、本発明のNAND型FRAM
では、強誘電体膜に印加される電圧を、臨界電圧以上の
電圧にした後、零にすると、強誘電体膜には、常に、一
定の分極量(残留分極量)が生じる。このため、1回の
書き込み動作により、メモリセルの閾値が一定値に設定
されるため、プログラムベリファイが不要となる(オー
バープログラムも当然に生じない)。
【0183】このように、本発明のNAND型FRAM
によれば、書き込み動作を1回で済ませることができる
と共に、プログラムベリファイも不要となる。これに伴
い、書き込み動作のシーケンスが簡略化され、書き込み
時の制御が容易になり、かつ、ベリファイ回路も不要と
なる。また、データの書き込み時間が大幅に短縮される
ため、高速書き込みが可能となる。
【0184】 ページ単位及びバイト(ビット)単位
の書き換えが可能 NAND型フラッシュEEPROMなどのフラッシュメ
モリでは、データが、フローティングゲート電極中の電
荷量(電子量)として記憶され、かつ、ブロック単位の
データ消去を前提とするため、ページ単位の書き換えを
行うことができない。即ち、ページ単位のデータ書き換
えは、ブロック内の一部のデータのみを変え、その他の
部分のデータを変化させないことにより達成できるが、
フラッシュメモリでは、メモリセルに、直接、データを
上書きすることができず、また、消去に際しては、ブロ
ック内の全てのデータが同時に消去されてしまうため、
一部のデータのみを変えることは不可能である。
【0185】これに対し、本発明のNAND型FRAM
では、データが、強誘電体膜の分極状態として記憶され
る。また、強誘電体膜の分極状態(メモリセルのデー
タ)は、強誘電体膜に、臨界電圧以上の電圧を印加する
か、又は、臨界電圧未満の電圧を印加するかにより、維
持したり、又は、変化させたりすることができる。
【0186】従って、本発明のNAND型FRAMによ
れば、例えば、ページ単位の書き換えは、選択されたワ
ード線に繋がる1ページ分のメモリセルのデータの消去
を行った後、これら1ページ分のメモリセルに新たなデ
ータを書き込むことにより達成できる。
【0187】 その他の効果 本発明のNAND型FRAMは、メモリセルがMFSF
ETから構成される。従って、MFSFETの特徴を、
そのまま本発明のNAND型FRAMの特徴とすること
ができる。
【0188】第一に、本発明のNAND型FRAMは、
非破壊読み出しが可能、即ち、読み出し時にメモリセル
のデータが破壊されないという特徴を有する。DRAM
のセルキャパシタを強誘電体膜から構成したFRAMで
は、読み出し時にデータが破壊されるため、読み出し動
作においてデータの再書き込みというステップが必要と
なる。一方、本発明のNAND型FRAMでは、強誘電
体膜の分極状態に応じてメモリセル(MFSFET)の
閾値が変化するため、メモリセルのデータは、ゲートに
読み出し電位を与えたときのドレイン電流の値として検
出することができる。よって、本発明のNAND型FR
AMでは、読み出し時にデータが破壊されることがな
い。
【0189】第二に、本発明のNAND型FRAMは、
高速書き込みが可能、即ち、書き込み時間が短いという
特徴を有する。NAND型フラッシュEEPROMで
は、フローティングゲート電極に所定量の電荷(電子)
を注入することにより書き込みを行う。このため、フロ
ーティング電極内の電荷量(閾値)を検証するためのベ
リファイが必要であり、書き込み時間がDRAMやSR
AMなどのメモリよりも長い(10μs程度)という欠
点がある。これに対し、本発明のNAND型FRAMで
は、1回の書き込みにより所定の分極量(閾値)を得る
ことができるため、書き込み時間は、10ns程度とな
り、DRAMやSRAMなどのメモリと同程度となる。
【0190】第三に、本発明のNAND型FRAMは、
多くの書き換え回数を保証できるという特徴を有する。
NAND型フラッシュEEPROMでは、フローティン
グゲート電極とチャネルの間にトンネル酸化膜を設け、
このトンネル酸化膜にFNトンネル電流を流すことによ
り、データの消去及び書き込みを実行している。従っ
て、書き換え動作を繰り返し行うと、次第に、トンネル
酸化膜が劣化し、正確な書き換えを行えなくなる。この
ため、信頼性の面からNAND型フラッシュEEPRO
Mの書き換え回数は制限され、具体的には、10回程
度が限度であった。これに対し、本発明のNAND型F
RAMでは、データの消去及び書き込みは、強誘電体膜
の分極状態を変化させることにより行う。従って、強誘
電体膜自体の劣化は、ほとんどなく、NAND型FRA
Mの書き換え回数は、実質的に無制限、具体的には、1
16回程度まで可能となる。
【0191】以上、説明したように、本発明のNAND
型FRAMによれば、メモリセルをMFSFETから構
成し、かつ、ビット線とソース線の間にメモリセルをN
AND型に接続(直列接続)することにより、また、セ
レクトトランジスタを、実質的にメモリセルと同じ構造
を有するMFSFETから構成することにより、上述の
ような〜の顕著な効果を得ることができる。
【0192】次に、本発明のNAND型FRAMのセル
アレイ部の製造方法について詳細に説明する。
【0193】まず、図19に示すように、イオン注入法
により、p型シリコン基板21内にn型不純物を注入
し、n型ウェル領域22を形成すると共に、n型ウェル
領域22内にp型不純物を注入し、p型ウェル領域23
を形成する。また、シリコン基板21上に、例えば、カ
ラム方向に延びるライン状の素子分離層を形成する。素
子分離層は、LOCOS法により形成されるフィールド
酸化膜であっても、又は、STI(Shallow Trench Iso
lation)構造を有するものであってもよい。
【0194】この後、エピタキシャル成長法により、シ
リコン基板21上にバッファ層25を形成する。バッフ
ァ層25を構成する材料としては、例えば、SrTiO
,CeO,ZrOなどを使用する。続けて、エピ
タキシャル成長法により、バッファ層25上に、例え
ば、PZT(PbZr1−XTi)などの強誘電
体から構成される強誘電体膜26を形成する。また、L
PCVD法により、強誘電体膜26上に、例えば、不純
物を含むポリシリコン膜27を形成する。
【0195】次に、図19及び図20に示すように、P
EP(Photo Engraving Process)により、ポリシリコ
ン膜27上にレジストパターンを形成する。このレジス
トパターンをマスクにして、例えば、RIE(Reactive
Ion Etching)により、ポリシリコン膜27をエッチン
グし、ロウ方向に延びる複数のワード線(メモリセルの
ゲート電極)27(WL0),27(WL1),…27
(WL15)及びロウ方向に延びる複数のセレクトゲー
ト線(セレクトトランジスタのゲート電極)27(GS
L),27(SSL)を形成する。この時、同時に、セ
ルアレイ部の周辺に配置される周辺回路(Peripheral C
ircuit)を構成するトランジスタのゲート電極も形成さ
れる。
【0196】本例では、トランジスタ(メモリセル及び
セレクトトランジスタ)のゲート加工時に、ポリシリコ
ン膜27のみをエッチングしている。従って、セルアレ
イ部においては、ほぼ全体に、強誘電体膜26が配置さ
れる(周辺回路が形成される部分には、当然に、強誘電
体膜26は、存在しない。)。
【0197】しかし、例えば、ポリシリコン膜27をエ
ッチングした後、続けて、強誘電体膜26もエッチング
し、ワード線27(WL0),27(WL1),…27
(WL15)やセレクトゲート線27(GSL),27
(SSL)の直下のみに強誘電体膜26が配置されるよ
うにしてもよい。
【0198】また、例えば、トランジスタのチャネル上
のみに、強誘電体膜26を配置することもできる。この
場合、ポリシリコン膜27を形成する前に、素子分離層
上の強誘電体膜26にカラム方向に延びるスリットを予
め設けておく。このようにすれば、トランジスタのゲー
ト加工時に、トランジスタのチャネル上のみに強誘電体
膜26が残存する。
【0199】この後、イオン注入法により、自己整合的
に、シリコン基板21内(実際は、p型ウェル領域23
内)にn型不純物が注入され、ソース・ドレイン領域2
8,28s,28dが形成される。このイオン注入で
は、不純物(イオン)が強誘電体膜26及びバッファ層
25を経由してシリコン基板21内に注入されるため、
高い加速エネルギーを用いたイオン注入、いわゆる高加
速インプラ(high acceleration ion implantation)が
採用される。
【0200】次に、図21に示すように、LPCVD法
により、強誘電体膜26上及びゲート電極27上に、ゲ
ート電極27を完全に覆う層間絶縁膜(例えば、酸化シ
リコン)29が形成される。この後、層間絶縁膜29、
強誘電体膜26及びバッファ層25に、ドレイン領域2
8dに達するコンタクトホール30dとソース領域28
sに達するコンタクトホール30sが形成される。ま
た、コンタクトホール30d内には、コンタクトプラグ
31dが形成され、コンタクトホール30s内には、コ
ンタクトプラグ31sが形成される。コンタクトプラグ
31d,31sは、例えば、ポリシリコンやタングステ
ンなどから構成される。
【0201】また、LPCVD法により、層間絶縁膜2
9上には、層間絶縁膜(例えば、酸化シリコン)32が
形成される。層間絶縁膜32には、配線溝が形成され、
この配線溝内には、コンタクトプラグ31dに接続する
配線33dとコンタクトプラグ31sに接続するソース
線33(SL)が形成される。配線33d及びソース線
33(SL)は、例えば、タングステンやアルミニウム
などから構成される。
【0202】また、層間絶縁膜32上、配線33d上及
びソース線33(SL)上には、配線33d及びソース
線33(SL)を覆う層間絶縁膜(例えば、酸化シリコ
ン)34が形成される。層間絶縁膜34には、配線33
dに達するビアホールが形成される。また、周知の方法
により、層間絶縁膜34上に、ビット線36(BL)が
形成される。ビット線36(BL)は、ビアホールを介
して配線33dに接続される。ビット線36(BL)
は、例えば、アルミニウムから構成される。
【0203】最後に、LPCVD法により、ビット線3
6(BL)上に、パッシベーション膜37が形成され
る。
【0204】以上、本発明のNAND型FRAMの製造
方法の一例について説明したが、本発明のNAND型F
RAMは、上述の方法以外の方法、例えば、NAND型
フラッシュEEPROMの製造方法をそのまま利用する
ことも可能である。
【0205】次に、本発明のNAND型FRAMの基本
動作について説明する。本発明のNAND型FRAMの
基本動作は、NAND型フラッシュEEPROMの基本
動作に近似している。しかし、メモリセル及びセレクト
トランジスタが共にMFSFETから構成されていると
いう理由から、従来のFRAMやNAND型フラッシュ
EEPROMにはない特有の動作も必要である。
【0206】以下、消去(erase)動作、書き込み(pro
gram)動作、読み出し(read)動作について順に説明す
る。なお、セルアレイ部は、図22に示す回路から構成
され、メモリセル及びセレクトトランジスタは、nチャ
ネルMFSFETから構成されるものとする。また、便
宜上、チャネルに低電位、ゲート電極に高電位が印加さ
れるときに強誘電体膜に生じる電界を下向きの電界と
し、チャネルに高電位、ゲート電極に低電位が印加され
るときに強誘電体膜に生じる電界を上向きの電界とす
る。また、チャネル側がプラス、ゲート電極側がマイナ
スの分極を下向きの分極とし、チャネル側がマイナス、
ゲート電極側がプラスの分極を上向きの分極とする。さ
らに、下向きの分極(残留分極点)を“1”状態
(“1”書き込み状態)とし、上向きの分極(残留分極
点)を“0”状態(“0”書き込み状態又は消去状態)
とする。
【0207】・ 消去動作(ブロック消去)データ消去
を実行する選択されたブロックをブロック0とし、デー
タ消去を実行しない非選択のブロックをブロック1とす
る。
【0208】
【表2】
【0209】まず、表2並びに図23及び図24に示す
ように、全てのワード線WL0,WL1,…WL15及
び全てのセレクトゲート線GSL,SSLを接地電位V
ssにする。そして、選択されたブロック0内のワード
線WL0,WL1,…WL15及びセレクトゲート線G
SL,SSLについては、接地電位Vssを与え続け、
非選択のブロック1内のワード線WL0,WL1,…W
L15及びセレクトゲート線GSL,SSLについて
は、フローティング状態にする。
【0210】この後、消去電位(例えば、約5V)Ve
raがシリコン基板(例えば、セルpウェル)に供給さ
れる。
【0211】この時、選択されたブロック0内のソース
線側のセレクトトランジスタのソース領域(n型)とシ
リコン基板(p型)が順バイアス状態となり、ソース線
SLの電位は、Vera−Vf(Vfは、pn接合のビ
ルトインポテンシャルであり、約0.7Vである。)に
上昇する。また、選択されたブロック0内のビット線側
のセレクトトランジスタのドレイン領域(n型)とシリ
コン基板(p型)が順バイアス状態となり、ビット線B
L0,BL1,BL2,…の電位も、Vera−Vfに
上昇する。つまり、ソース線SL及びビット線BL0,
BL1,BL2,…の電位は、共に、Vera−Vf
(=約4.3V)となる。
【0212】その結果、選択されたブロック0では、シ
リコン基板とワード線WL0,WL1,…WL15の
間、及び、シリコン基板とセレクトゲート線GSL,S
SLの間に、それぞれ消去電圧(Vera−Vss)が
印加される。この消去電圧は、MFSFETの強誘電体
膜を分極反転させるために必要な最低限の電圧(臨界電
圧)よりも高い値に設定される。しかし、この消去電圧
(例えば、約5V)は、例えば、NAND型フラッシュ
EEPROMのメモリセルに対してFNトンネル現象を
利用した書き込み又は消去を実行するために必要な電圧
(約15V〜約21V)に比べると、十分に小さい。
【0213】選択されたブロック0では、シリコン基板
とワード線WL0,WL1,…WL15の間、及び、シ
リコン基板とセレクトゲート線GSL,SSLの間に、
強誘電体膜を分極反転させるために十分な上向きの電界
が生じるため、選択ブロック0内の全てのメモリセル及
び全てのセレクトトランジスタの強誘電体膜には、上向
きの分極が発生し、その分極値は、飽和分極値Pmax
となる(図25)。
【0214】一方、非選択のブロック1では、消去電位
(例えば、約5V)Veraがシリコン基板(例えば、
セルpウェル)に供給されると、シリコン基板とワード
線WL0,WL1,…WL15の間の容量カップリング
により、及び、シリコン基板とセレクトゲート線GS
L,SSLの間の容量カップリングにより、ワード線W
L0,WL1,…WL15の電位及びセレクトゲート線
GSL,SSLの電位は、α×Veraに上昇する。
【0215】ここで、αは、シリコン基板とワード線W
L0,WL1,…WL15の間及びシリコン基板とセレ
クトゲート線GSL,SSLの間の容量カップリングの
カップリング比であり、約0.9となる。よって、ワー
ド線WL0,WL1,…WL15の電位及びセレクトゲ
ート線GSL,SSLの電位は、α×Vera(=約
4.5V)となる。
【0216】その結果、非選択のブロック1では、シリ
コン基板とワード線WL0,WL1,…WL15の間、
及び、シリコン基板とセレクトゲート線GSL,SSL
の間には、それぞれ臨界電圧よりも十分に小さい電圧、
即ち、Vera(1−α)程度の電圧(約0.5V)が
印加される。つまり、非選択ブロック1内の全てのメモ
リセル及び全てのセレクトトランジスタの強誘電体膜の
分極状態は、変化しない。
【0217】この後、シリコン基板に与える電位をVe
raからVssに変化させると、全てのメモリセル及び
セレクトトランジスタに関して、強誘電体膜内の電界
は、0になる。この時、選択されたブロック0内のメモ
リセル及びセレクトトランジスタの強誘電体膜の上向き
の分極の分極量は、残留分極値Prとなる(図25)。
つまり、図26に示すように、選択されたブロック0内
の全てのメモリセル及び全てのセレクトトランジスタ
は、“0”状態(閾値が高い状態)、即ち、消去状態と
なる。
【0218】なお、上述の消去動作では、データ消去の
対象を、選択されたブロック0内のメモリセルとセレク
トトランジスタにしたが、データ消去の対象を、選択さ
れたブロック0内のメモリセルのみ又はセレクトトラン
ジスタのみとすることも可能である。
【0219】例えば、選択されたブロック0内のメモリ
セルのみを消去する場合には、表3に示すように、選択
されたブロック0内のセレクトゲート線SSL,GSL
に接地電位Vssを与えた後、選択されたブロック0内
のセレクトゲート線SSL,GSLをフローティング状
態にする。この後、シリコン基板(pウェル)に消去電
位Veraを与えると、容量カップリングにより、選択
されたブロック0内のセレクトゲート線SSL,GSL
の電位がVera×αに上昇する。つまり、選択された
ブロック0内のセレクトトランジスタの強誘電体膜に
は、分極反転に必要な十分な電界が発生しない。
【0220】
【表3】
【0221】また、選択されたブロック0内のセレクト
トランジスタのみを消去する場合には、表4に示すよう
に、選択されたブロック0内のワード線WL0,WL
1,…WL15に接地電位Vssを与えた後、選択され
たブロック0内のワード線WL0,WL1,…WL15
をフローティング状態にする。この後、シリコン基板
(pウェル)に消去電位Veraを与えると、容量カッ
プリングにより、選択されたブロック0内のワード線W
L0,WL1,…WL15の電位がVera×αに上昇
する。つまり、選択されたブロック0内のメモリセルの
強誘電体膜には、分極反転に必要な十分な電界が発生し
ない。
【0222】
【表4】
【0223】また、本発明のNAND型FRAMでは、
データ消去の対象を、選択されたブロック0内の1ペー
ジ又は複数ページのメモリセルとすることもできる。例
えば、選択されたブロック0内の1ページ分のメモリセ
ルのみを消去する場合には、表5に示すように、選択さ
れたブロック0内の選択された1つのワード線のみに接
地電位Vssを与え、残りの非選択の全てのワード線及
びセレクトゲート線を接地電位Vssにした後にフロー
ティング状態にする。この後、シリコン基板(pウェ
ル)に消去電位Veraを与えると、容量カップリング
により、選択されたブロック0内の非選択の全てのワー
ド線及びセレクトゲート線の電位がVera×αに上昇
する。つまり、選択されたブロック0内の非選択のメモ
リセル及びセレクトトランジスタの強誘電体膜には、分
極反転に必要な十分な電界が発生しない。
【0224】
【表5】
【0225】本発明のNAND型FRAMでは、消去動
作において、過消去(オーバーイレーズ)が問題となら
ない。なぜなら、本発明のNAND型FRAMでは、メ
モリセルの消去特性は、ゲート電極とチャネルの間のカ
ップリング比に影響を受けず、メモリセルの閾値は、臨
界電圧以上の所定の電圧を強誘電体膜に印加することに
より一律に決定されるためである。
【0226】・ 書き込み動作(メモリセルに対して) データ書き込みの対象となる選択されたブロックをブロ
ック0とし、データ書き込みの対象とならない非選択の
ブロックをブロック1とする。また、以下の説明では、
ワード線WL1が選択され、その他のワード線WL0,
WL2,…WL15は選択されていない場合を想定す
る。
【0227】
【表6】
【0228】まず、選択されたブロック0内の全てのメ
モリセルのデータを消去する。データ消去は、上述の消
去動作により行う。セレクトトランジスタについては、
“0”書き込み状態(消去状態)であっても、又は、
“1”書き込み状態であってもよい。セレクトトランジ
スタに対する書き込み動作については、後述する。
【0229】次に、表6並びに図27及び図28に示す
ように、“1”書き込みを行う選択セルが接続されるビ
ット線を接地電位Vssに設定し、“0”書き込みを行
う(消去状態を維持する)選択セルが接続されるビット
線を電源電位(例えば、約3V)Vccに設定する。な
お、書き込みデータが“1”のときは、ビット線の電位
が“0”(=Vss)となり、書き込みデータが“0”
のときは、ビット線の電位が“1”(=Vcc)となる
点に注意する。また、ソース線SLを電源電位Vccに
設定し、シリコン基板(pウェル)を接地電位Vssに
設定する。
【0230】また、選択されたブロック0内のビット線
側のセレクトゲート線SSLは、選択されたブロック0
内のビット線側のセレクトトランジスタがオン状態にな
るようなオン電位Vonに設定され、選択されたブロッ
ク0内のソース線側のセレクトゲート線GSLは、選択
されたブロック0内のソース線側のセレクトトランジス
タがオフ状態になるようなオフ電位Voffに設定され
る。非選択のブロック1内の2つのセレクトゲート線S
SL,GSLは、共に、セレクトトランジスタがオフ状
態になるようなオフ電位Voffに設定される。
【0231】オン電位Von及びオフ電位Voffは、
セレクトトランジスタ(MFSFET)の強誘電体膜の
分極状態によって変わる。セレクトトランジスタが
“0”書き込み状態(消去状態)、即ち、セレクトトラ
ンジスタの強誘電体膜の分極が上向きの場合には、その
閾値は、高い状態にあるため、例えば、オン電位Von
は、約3V、オフ電位Voffは、0Vとなる。また、
セレクトトランジスタが“1”書き込み状態、即ち、セ
レクトトランジスタの強誘電体膜の分極が下向きの場合
には、その閾値は、低い状態にあるため、例えば、オン
電位Vonは、0V、オフ電位Voffは、約−3Vと
なる。
【0232】このような電位関係において、“1”書き
込みを行う選択セルを含むNANDストリング内のメモ
リセルのチャネル電位は、接地電位Vssとなる。ま
た、“0”書き込みを行う(消去状態を維持する)選択
セルを含むNANDストリング内のメモリセルのチャネ
ル電位は、Vcc−Vth(Vthは、MFSFET
(メモリセル又はセレクトトランジスタ)の閾値)に予
備充電される。また、“0”書き込みを行う選択セルを
含むNANDストリング内のビット線側のセレクトトラ
ンジスタは、カットオフ状態となる。
【0233】この後、選択されたブロック0内の選択さ
れたワード線WL1を書き込み電位(例えば、約5V)
Vprogに設定し、選択されたブロック0内の非選択
のワード線WL0,WL2,…WL15を転送電位(例
えば、約3V)Vpassに設定し、非選択のブロック
1内の全てのワード線WL1,WL2,…WL15を接
地電位Vssに設定する。
【0234】この時、選択されたブロック0内の選択さ
れたワード線WL1に接続されるメモリセルのうち、
“1”書き込みを行う選択セルの強誘電体膜には、臨界
電圧以上の電圧Vprog−Vss(=約5V)が印加
される。従って、“1”書き込みを行う選択セルの強誘
電体膜には、分極反転に十分な下向きの電界が生じるた
め、下向きの分極が発生し、その分極値は、飽和分極値
−Pmaxとなる(図25)。
【0235】一方、選択されたブロック0内の選択され
たワード線WL1に接続されるメモリセルのうち、
“0”書き込みを行う(消去を維持する)選択セルにつ
いては、書き込み電位(例えば、約5V)Vprogが
ワード線WL1に供給され、かつ、転送電位(例えば、
約3V)Vpassがワード線WL0,WL2,…WL
15に供給されると、チャネル(フローティング)とワ
ード線WL0,WL1,…WL15の間の容量カップリ
ングにより、そのチャネルの電位は、β×(Vpass
−Vread)+(Vcc−Vth)に上昇する。
【0236】ここで、βは、チャネルとワード線WL
0,WL1,…WL15の間の容量カップリングのカッ
プリング比であり、約0.5となる。
【0237】従って、選択されたブロック0内の選択さ
れたワード線WL1に接続されるメモリセルのうち、
“0”書き込みを行う(消去を維持する)選択セルにつ
いては、強誘電体膜に臨界電圧以上の電圧が印加されな
いため、その強誘電体膜の分極状態は変化しない
(“1”書き込みが禁止される。)。
【0238】この後、全てのワード線WL0,WL1,
…WL15の電位を接地電位Vssに変化させると、選
択セル(“1”書き込みセル)の強誘電体膜の下向きの
分極の分極量は、残留分極値−Prとなり、選択セル
(“0”書き込みセル)の強誘電体膜の上向きの分極の
分極量は、残留分極値Prとなる(図25)。
【0239】つまり、図29に示すように、選択された
ブロック0内の選択されたワード線WL1に接続される
メモリセルのうち、選択セル(“1”書き込みセル)の
閾値は、低い値となり、選択セル(“0”書き込みセ
ル)の閾値は、高い値を維持する。
【0240】本発明のNAND型FRAMでは、書き込
み動作において、過書き込み(オーバープログラム)が
問題とならない。なぜなら、本発明のNAND型FRA
Mでは、メモリセルの書き込み特性は、ゲート電極とチ
ャネルの間のカップリング比に影響を受けず、メモリセ
ルの閾値は、臨界電圧以上の所定の電圧を強誘電体膜に
印加することにより一律に決定されるためである。
【0241】・ 書き込み動作(セレクトトランジスタ
に対して) セレクトトランジスタの強誘電体膜の分極は、上向き
(閾値が高い状態)であっても、又は、下向き(閾値が
低い状態)であっても、いずれでもよい。セレクトトラ
ンジスタの強誘電体膜の分極を上向きに設定するには、
上述したセレクトトランジスタに対する消去動作を行え
ばよい。
【0242】以下では、セレクトトランジスタの分極を
下向きに設定する手法について説明する。
【0243】
【表7】
【0244】まず、全てのワード線WL0,WL1,…
WL15、全てのセレクトゲート線SSL,GSL、全
てのビット線BL0,BL1,…、ソース線SL及びシ
リコン基板(pウェル)を接地電位Vssに設定する。
この後、“1”書き込みを行うセレクトトランジスタの
ゲート電極(セレクトゲート線)を書き込み電位(例え
ば、約5V)に設定する。通常は、全てのブロック内の
全てのセレクトトランジスタの閾値を等しくするため、
全てのセレクトゲート線SSL,GSLを接地電位Vs
sから書き込み電位Vprogに上昇させる。
【0245】この時、全てのセレクトトランジスタの強
誘電体膜には、臨界電圧以上の電圧が印加され、下向き
の電界により分極反転が生じ、下向きの分極(飽和分極
値−Pmax)が発生する。この後、全てのセレクトゲ
ート線SSL,GSLを接地電位Vssに戻すと、セレ
クトトランジスタの強誘電体膜の下向きの分極は、飽和
分極値−Prとなる。
【0246】・ 書き換え動作(ページ単位の書き換
え) 本発明のNAND型FRAMでは、ページ単位の書き換
えが可能である。まず、上述の消去動作により、書き換
えの対象となる1ページ分のメモリセルのデータを消去
する。この後、上述の書き込み動作により、書き換えの
対象となる1ページ分のメモリセルに対して、データ書
き込みを実行する。このように、本発明のNAND型F
RAMでは、消去動作及び書き込み動作がページ単位で
行えるため、結果として、ページ単位の書き換えが可能
となる。
【0247】・ 読み出し動作 “1”書き込み状態のメモリセル(nチャネルMFSF
ET)では、強誘電体膜14の下向きの残留分極によ
り、チャネル(シリコン基板)の表面、即ち、p型ウェ
ル領域の表面に負電荷が誘起される。従って、図30に
示すように、“1”書き込み状態のメモリセルは、
“0”書き込み状態のメモリセルに比べ、閾値が低くな
っている。
【0248】“0”書き込み状態のメモリセル(nチャ
ネルMFSFET)では、強誘電体膜14の上向きの残
留分極により、チャネル(シリコン基板)の表面、即
ち、p型ウェル領域の表面に正電荷が誘起される。従っ
て、図30に示すように、“0”書き込み状態のメモリ
セルは、“1”書き込み状態のメモリセルに比べ、閾値
が高くなっている。
【0249】
【表8】
【0250】そこで、表8に示すように、まず、全ての
ビット線BL0,BL1,…を初期電位(例えば、約
1.5V)VBLに予備充電した後、フローティング状
態にする。この後、選択されたブロック内の選択された
ワード線に読み出し電位Vreadを与え、選択された
ブロック内の非選択のワード線に転送電位Vpass
(read)を与える。
【0251】読み出し電位Vreadは、“1”書き込
み状態のメモリセルについてはドレイン電流Idが流
れ、“0”書き込み状態のメモリセルについてはドレイ
ン電流Idが流れないような値、例えば、約1Vに設定
される。また、転送電位Vpass(read)は、
“1”書き込み状態のメモリセルと“0”書き込み状態
のメモリセルの双方に対してドレイン電流Idが流れる
ような値、例えば、約3Vに設定される。なお、非選択
ブロック内のワード線には、接地電位Vssが与えられ
る。
【0252】また、選択されたブロック内のセレクトゲ
ート線SSL,GSLには、Vonが与えられる。Vo
nは、書き込み動作時に使用するVonと同じである。
例えば、セレクトトランジスタが“0”書き込み状態
(消去状態)にあるときは、Vonは、Vpass(r
ead)に設定され、セレクトトランジスタが“1”書
き込み状態にあるときは、Vonは、接地電位Vssに
設定される。但し、VonをVpass(read)に
設定しておけば、セレクトトランジスタは、その状態に
よらず、常にオン状態になる。
【0253】非選択ブロック内のセレクトゲート線SS
L,GSLには、Voffが与えられる。Voffは、
書き込み動作時に使用するVoffと同じである。例え
ば、セレクトトランジスタが“0”書き込み状態(消去
状態)にあるときは、Voffは、接地電位Vssに設
定され、セレクトトランジスタが“1”書き込み状態に
あるときは、Voffは、負電位、例えば、約−3Vに
設定される。また、ソース線SL及びシリコン基板(p
ウェル)は、接地電位Vssに設定される。
【0254】この時、選択されたブロック内の非選択の
ワード線に繋がる全てのメモリセルは、オン状態とな
る。また、選択されたブロック内の選択されたワード線
に繋がるメモリセルのうち、“1”書き込み状態のメモ
リセルは、オン状態、“0”書き込み状態のメモリセル
は、オフ状態となる。
【0255】従って、“1”書き込み状態のメモリセル
のデータを読み出すビット線の電位は、VBLからVs
sに変化し、“0”書き込み状態のメモリセルのデータ
を読み出すビット線の電位は、VBLを維持する。
【0256】そして、メモリセルのデータに応じて生じ
たビット線の電位差(Vss,VBL)は、センスアン
プ機能を有するラッチ回路により増幅され、かつ、保持
される。例えば、データ“1”に対応するVssは、V
ssのままとされ、データ“0”に対応するVBLは、
Vcc(例えば、約3V)に増幅される。センスアンプ
機能を有するラッチ回路のデータは、出力バッファを経
由してメモリチップの外部に出力される。
【0257】なお、読み出しデータが“1”のときは、
ビット線の電位が“0”(=Vss)となり、読み出し
データが“0”のときは、ビット線の電位が“1”(=
VBL)となる点に注意する。
【0258】上述の消去、書き込み及び読み出しの各動
作においては、例えば、セレクトトランジスタの状態
は、常に、固定しておくのがよい。例えば、予め、全て
のセレクトトランジスタを“0”書き込み状態又は
“1”書き込み状態にしておき、この後、メモリセルに
対して、消去動作、書き込み動作又は読み出し動作を行
うようにする。この場合、Von及びVoffが固定さ
れるため、各動作の制御が容易となる。
【0259】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の半導体
メモリ、即ち、MFSFETを用いたNAND型FRA
Mによれば、従来のFRAMや従来のNAND型フラッ
シュEEPROMから得られる効果以上の多くの効果、
例えば、1) メモリセルの微細化、チップサイズの縮
小化、書き換え電圧の低電圧化、低消費電力化、製造プ
ロセスの簡略化に優れる、2) 高速動作(書き換え時
間が短くなる)、高信頼性(書き換え回数が多くなる)
を達成できる、3) 非破壊読み出しやページ書き換え
が可能で、ベリファイが不要である、などの効果を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に関わるNAND型F
RAMを示す平面図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図。
【図4】図1のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】図1の半導体デバイスの等価回路を示す図。
【図6】本発明の第2実施の形態に関わるNAND型F
RAMを示す平面図。
【図7】図5のVII−VII線に沿う断面図。
【図8】図5のVIII−VIII線に沿う断面図。
【図9】図5のIX−IX線に沿う断面図。
【図10】NAND型フラッシュEEPROMを示す平
面図。
【図11】NANDストリングのサイズと高耐圧トラン
ジスタのサイズを比較する図。
【図12】図10のメモリで1つのブロック範囲を決め
る2つの方式を示す図。
【図13】図10のメモリのセルアレイ部を構成する回
路を示す図。
【図14】図13のページバッファを詳細に示す図。
【図15】図10のメモリの消去、書き込み及び読み出
し時の電位関係を示す図。
【図16】図10のメモリの読み出し時の信号波形を示
す図。
【図17】図10のメモリの書き込み時の様子を示す
図。
【図18】図10のメモリのメモリセルに生じる容量を
示す図。
【図19】図1のNAND型FRAMの製造方法の一工
程を示す断面図。
【図20】図1のNAND型FRAMの製造方法の一工
程を示す断面図。
【図21】図1のNAND型FRAMの製造方法の一工
程を示す断面図。
【図22】本発明のNAND型FRAMのセルアレイの
等価回路を示す図。
【図23】消去動作後の選択セルの分極状態を示す図。
【図24】消去動作後の非選択セルの分極状態を示す
図。
【図25】MFSFETの強誘電体膜のヒステリシス特
性を示す図。
【図26】消去動作後のメモリセルのゲート電位とドレ
イン電流の関係を示す図。
【図27】書き込み動作後の選択セルの分極状態を示す
図。
【図28】書き込み動作後の非選択セルの分極状態を示
す図。
【図29】書き込み動作後のメモリセルのゲート電位と
ドレイン電流の関係を示す図。
【図30】“1”,“0”の各セルに関しゲート電位と
ドレイン電流の関係を示す図。
【図31】従来のFRAMのデバイス構造の一例を示す
図。
【図32】図31のFRAMの等価回路を示す図。
【図33】強誘電体膜のヒステリシス特性を示す図。
【図34】上向きの分極とチャネルに誘起されるプラス
電荷を示す図。
【図35】下向きの分極とチャネルに誘起されるマイナ
ス電荷を示す図。
【図36】書き込み動作時の電位関係を示す図。
【図37】補償パルス発生時の電位関係を示す図。
【図38】“1”,“0”の各セルに関しゲート電位と
ドレイン電流の関係を示す図。
【図39】従来のFRAMを示す平面図。
【図40】図39のXL−XL線に沿う断面図。
【符号の説明】
11,21 :シリコン基板、 12 :シリコン酸化膜、 13 :シリコン膜、 14,26 :強誘電体膜、 15 :金属膜、 16 :メモリセル、 22 :n型ウェル領域、 23 :p型ウェル領域、 24 :素子分離層、 25 :バッファ層、 27 :ゲート電極、 28 :ソース・ドレイン領
域、 28s :ソース領域、 28d :ドレイン領域、 29,32,34,35 :層間絶縁膜、 30s,30d :コンタクトホール、 31s,31d :コンタクトプラグ、 33 :配線、 36 :ビット線、 37 :パッシベーション
膜。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直列接続された複数のトランジスタから
    構成されるセルユニットと、前記セルユニットの一端に
    接続されるビット線と、前記セルユニットの他端に接続
    されるソース線とを具備し、各トランジスタは、実質的
    に同一構造を有すると共に、データを不揮発に記憶する
    機能を有し、前記複数のトランジスタのうち、前記ビッ
    ト線に最も近い1つのトランジスタと前記ソース線に最
    も近い1つのトランジスタは、セレクトトランジスタと
    して用いられ、前記セレクトトランジスタとして用いら
    れるトランジスタ以外のトランジスタは、メモリセルと
    して用いられることを特徴とする半導体メモリ。
  2. 【請求項2】 前記セレクトトランジスタとして用いる
    トランジスタは、常に、消去状態又は書き込み状態に設
    定されていることを特徴とする請求項1記載の半導体メ
    モリ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の半導体メモリにおいて、
    前記複数のトランジスタの全てを消去状態にした後、前
    記セレクトトランジスタとして用いられるトランジスタ
    を書き込み状態にすることを特徴とする半導体メモリの
    動作方法。
  4. 【請求項4】 前記セレクトトランジスタとして用いら
    れるトランジスタを書き込み状態にした後、前記メモリ
    セルとして用いられるトランジスタに対してデータ書き
    込み動作を実行することを特徴とする請求項3記載の半
    導体メモリの動作方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の半導体メモリにおいて、
    前記複数のトランジスタの全てを消去状態にした後、前
    記メモリセルとして用いられるトランジスタに対してデ
    ータ書き込み動作を実行することを特徴とする半導体メ
    モリの動作方法。
  6. 【請求項6】 実質的に同一構造を有する直列接続され
    た複数のMFSFEETから構成されるセルユニット
    と、前記セルユニットの一端に接続されるビット線と、
    前記セルユニットの他端に接続されるソース線とを具備
    し、前記複数のMFSFETのうち、前記ビット線に最
    も近い1つのMFSFETと前記ソース線に最も近い1
    つのMFSFETは、セレクトトランジスタとして用い
    られ、前記セレクトトランジスタとして用いられるMF
    SFET以外のMFSFETは、メモリセルとして用い
    られることを特徴とする半導体メモリ。
  7. 【請求項7】 前記セレクトトランジスタとして用いる
    MFSFETは、常に、消去状態又は書き込み状態に設
    定されていることを特徴とする請求項6記載の半導体メ
    モリ。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の半導体メモリにおいて、
    前記複数のMFSFETの全てを消去状態にした後、前
    記セレクトトランジスタとして用いられるMFSFET
    を書き込み状態にすることを特徴とする半導体メモリの
    動作方法。
  9. 【請求項9】 前記セレクトトランジスタとして用いら
    れるMFSFETを書き込み状態にした後、前記メモリ
    セルとして用いられるMFSFETに対してデータ書き
    込み動作を実行することを特徴とする請求項8記載の半
    導体メモリの動作方法。
  10. 【請求項10】 請求項6記載の半導体メモリにおい
    て、前記複数のMFSFETの全てを消去状態にした
    後、前記メモリセルとして用いられるMFSFETに対
    してデータ書き込み動作を実行することを特徴とする半
    導体メモリの動作方法。
  11. 【請求項11】 請求項6記載の半導体メモリにおい
    て、前記メモリセルとして用いられるMFSFETのゲ
    ート電極に低電位を与え、前記メモリセルとして用いら
    れるMFSFETのうち、非選択のMFSFETのゲー
    ト電極をフローティング状態にした後、前記複数のMF
    SFETが形成される半導体基板に高電位を与え、前記
    メモリセルとして用いられるMFSFETのうち、選択
    されたMFSFETに対してデータ消去動作を実行する
    ことを特徴とする半導体メモリの動作方法。
  12. 【請求項12】 請求項6記載の半導体メモリにおい
    て、前記ビット線に所定電位を与え、前記メモリセルと
    して用いられるMFSFETのチャネルを初期電位に充
    電した後、前記メモリセルとして用いられるMFSFE
    Tのチャネルをフローティング状態にし、この後、前記
    メモリセルとして用いられるMFSFETのゲート電極
    に書き込み電位又は転送電位を与え、前記メモリセルと
    して用いられるMFSFETのうち、選択されたMFS
    FETに対してデータ書き込み動作を実行することを特
    徴とする半導体メモリの動作方法。
  13. 【請求項13】 請求項6記載の半導体メモリにおい
    て、前記ビット線に接地電位を与え、前記メモリセルと
    して用いられるMFSFETのチャネルを接地電位に設
    定し、この後、前記メモリセルとして用いられるMFS
    FETのゲート電極に書き込み電位又は転送電位を与
    え、前記メモリセルとして用いられるMFSFETのう
    ち、選択されたMFSFETに対してデータ書き込み動
    作を実行することを特徴とする半導体メモリの動作方
    法。
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