JP2001023142A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2001023142A
JP2001023142A JP11190692A JP19069299A JP2001023142A JP 2001023142 A JP2001023142 A JP 2001023142A JP 11190692 A JP11190692 A JP 11190692A JP 19069299 A JP19069299 A JP 19069299A JP 2001023142 A JP2001023142 A JP 2001023142A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
gmr
recording medium
thin film
magnetic recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11190692A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Onodera
誠一 小野寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP11190692A priority Critical patent/JP2001023142A/ja
Priority to EP00114292A priority patent/EP1067516A1/en
Publication of JP2001023142A publication Critical patent/JP2001023142A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/64Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent
    • G11B5/65Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent characterised by its composition
    • G11B5/658Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent characterised by its composition containing oxygen, e.g. molecular oxygen or magnetic oxide
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/64Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 GMRヘッドに合わせて磁性層である金属磁
性薄膜の膜厚、残留磁化量を最適化し、例えばGMRヘ
ッドを用いたヘリカルスキャンシステムに適用すること
で、これまでにない高密度記録システムを構築する。 【解決手段】 非磁性支持体上に金属磁性薄膜が形成さ
れてなり、当該金属磁性薄膜の残留磁化量Mrと膜厚δ
の積Mr・δの値が0.5〜1.5memu/cm2
あることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる金属磁性
薄膜型の磁気記録媒体に関するものであり、特に巨大磁
気抵抗効果型再生ヘッドを用いたヘリカルスキャン磁気
記録システムに用いて好適な磁気記録媒体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録媒体としては、非磁
性支持体上に酸化物磁性粉末あるいは合金磁性粉末等の
粉末磁性材料を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機結合剤中に分
散せしめた磁性塗料を塗布、乾燥することにより作製さ
れる、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が広く使用されて
いる。
【0003】これに対して、高密度記録への要求の高ま
りとともに、Co−Ni、Co−Cr、Co等の金属磁
性材料をメッキや真空薄膜形成手段(真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法等)によって非
磁性支持体上に直接被着した、いわゆる金属磁性薄膜型
の磁気記録媒体が提案され、注目を集めている。
【0004】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、保
磁力、残留磁化、角形比等に優れ、短波長での電磁変換
特性に優れるばかりでなく、磁性層の厚みをきわめて薄
くできるため、記録減磁や再生時の厚み損失が小さいこ
と、磁性層中に非磁性材である結合剤を混入する必要が
ないため、磁性材料の充填密度を高め、大きな磁化を得
ることができる等、数々の利点を有している。
【0005】さらに、この種の磁気記録媒体の電磁変換
特性を向上させ、より大きな出力を得ることができるよ
うにするため、磁気記録媒体の磁性層を形成するに際
し、磁性層を斜方に蒸着する、いわゆる斜方蒸着が提案
され、高画質VTR用、デジタルVTR用の磁気テープ
として実用化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のような利点を有
する金属磁性薄膜型の磁気記録媒体(いわゆる蒸着テー
プ)であるが、感度の高い磁気抵抗効果型の磁気ヘッド
(MRヘッド)による再生を考えた場合、これまでの蒸
着テープでは、発生する磁束量が大きすぎるため、ヘッ
ドが直線性を保つ領域を外れてしまい、歪みのない特性
を得ることができないのが実情である。
【0007】また、更に感度の高い巨大磁気抵抗効果型
再生ヘッド(いわゆる、GMRヘッド)により再生を行
った場合、蒸着テープでは、上述したMRヘッドを用い
た場合よりもさらに歪みのない特性を得ることが困難で
ある。言い換えると、蒸着テープでは、GMRヘッドを
用いて優れた出力特性を示すことができない。
【0008】本質的に塗布型の磁気記録媒体に比較して
低ノイズを示す蒸着テープは、GMRヘッドの使用に対
して優位性を持っているが、GMR素子の飽和、歪みを
起こさないために、磁気記録媒体表面の磁束量を決定す
る膜厚、残留磁化量を最適化する必要がある。
【0009】そこで本発明は、このような実情に鑑みて
提案されたものであり、GMRヘッドに合わせて磁性層
である金属磁性薄膜の膜厚、残留磁化量を最適化し、例
えばGMRヘッドを用いたヘリカルスキャンシステムに
適用することで、これまでにない高密度記録システムを
構築することが可能な磁気記録媒体を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、磁性層である金属磁性薄膜の厚さ、残留磁化量をこ
れまでよりも小さくし、GMR再生ヘッドの特性に合わ
せて最適化したものである。
【0011】すなわち、本発明の磁気記録媒体は、非磁
性支持体上に金属磁性薄膜が形成されてなり、当該金属
磁性薄膜の残留磁化量Mrと膜厚δの積Mr・δの値が
0.5〜1.5memu/cm2 であることを特徴とす
るものである。
【0012】金属磁性薄膜の残留磁化量Mrと膜厚δの
積Mr・δの値を上記範囲とすることにより、GMR再
生ヘッドが直線性を保つ領域で信号が再生され、歪みの
ない特性が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体は、非磁性
支持体上に磁性層として金属磁性薄膜を形成してなるも
のであり、磁性層である金属磁性薄膜の厚さ、残留磁化
量をこれまでよりも小さくし、GMR再生ヘッドの特性
に合わせて最適化したものである。
【0014】金属磁性薄膜の厚さは、ラインスピードを
変化させることにより制御することが可能であり、残留
磁化量は成膜中の酸素導入量を変化させることにより制
御することが可能である。
【0015】これら二つのパラメータを制御することに
より、GMR再生ヘッドを飽和させず、歪みの無い状態
で、最大の出力が得られるようにする。具体的には、金
属磁性薄膜の残留磁化量Mrと膜厚δの積Mr・δの値
が0.5〜1.5memu/cm2 となるようにする。
【0016】上記積Mr・δの値が0.5memu/c
2 未満であると、十分な再生出力が得られない。逆
に、1.5memu/cm2 を越えると、GMR再生ヘ
ッドが飽和してしまい、歪みが生ずる。
【0017】上記範囲であれば膜厚δや残留磁化量Mr
は任意に設定することが可能であるが、膜厚δや残留磁
化量Mrがあまり小さすぎると、上記積Mr・δの値を
0.5memu/cm2 以上確保することが難しい。逆
に、膜厚δや残留磁化量Mrがあまり大きすぎると、歪
みが問題となる。
【0018】したがって、金属磁性薄膜の膜厚δは、1
5〜60nmとすることが好ましい。残留磁化量Mr
は、200〜400emu/ccとすることが好まし
い。
【0019】また、本発明の磁気記録媒体の面内方向で
の保磁力は、低ノイズ、高分解能を実現するためには、
1000Oe以上に保つ必要がある。ただし、保磁力が
2500Oeを越えると、十分な記録ができなくなり、
再生出力が低下する。したがって、上記保磁力は、10
00〜2500Oeとすることが好ましい。
【0020】高分解能、低ノイズを両立するためには、
磁気記録媒体の面内方向での角形比は、0.6〜0.9
の範囲にあることが望ましい。
【0021】また、金属磁性薄膜は、スパッタリング
法、CVD(Chemical Vaper Deposition)法、真空蒸
着法、イオンプレーティング法等、従来公知の手法を用
いて成膜される。中でも、金属磁性薄膜としては、スパ
ッタリング法により成膜されたものが好ましい。スパッ
タリング法により成膜された金属磁性薄膜は、真空蒸着
法により成膜された金属磁性薄膜と比較して、非磁性支
持体に対する付着力に優れ、且つ、耐食性に優れたもの
となる。したがって、スパッタリング法を用いることに
よって、例えば、15〜60nmといった膜厚の金属磁
性薄膜を確実に成膜することができる。
【0022】金属磁性薄膜は、例えば、Cr下地層上に
成膜される。下地層としては、Crの他に、CrTi、
CrMo、CrV等が使用される。
【0023】金属磁性薄膜としては、成膜時に非磁性支
持体の温度を上げられない場合、CoPt系であること
が好ましく、具体的には、CoCrPt、CoCrTa
Pt、CoPt−SiO2、CoPt−SiO2、CoC
rTaPtNb等を例示することができる。また、金属
磁性薄膜としては、成膜時に非磁性支持体の温度を約2
00℃以上に上げることができる場合、CoCrTaを
例示することができる。また、CoCrTaPt、Co
CrTaPtNbについては、成膜時に非磁性支持体の
温度を約200℃以上に上げることができる場合にも適
用できる。
【0024】なお、本発明に係る磁気記録媒体において
は、磁性層表面に保護層が形成されていてもよいが、こ
の材料としては、通常の金属磁性薄膜用の保護膜として
使用されるものであれば、如何なるものであってもよ
い。例示するならば、カーボンや、CrO2、Al
23、BN、Co酸化物、MgO、SiO2、Si
34、SiNx、SiC、SiNx−SiO2、ZrO2
TiO2、TiC等が挙げられる。これらの単層膜であ
ってもよいし、多層膜あるいは複合膜であってもよい。
【0025】もちろん磁気記録媒体の構成はこれに限定
されるものではなく、必要に応じて非磁性支持体上に下
塗層が形成されたり、非磁性支持体における金属磁性薄
膜が成膜された面とは反対側の面にバックコート層を設
けたり、金属磁性薄膜または保護膜表面に潤滑剤や防錆
剤等よりなるトップコート層を形成したりしてもよい。
さらに、磁気記録媒体としては、複数の磁性層を積層し
たものであってもよい。さらにまた、磁気記録媒体とし
ては、垂直異方性或いは面内ランダム配向性を有するデ
ィスク状であってもよい。
【0026】上記磁気記録媒体は、GMR再生ヘッドを
用いたヘリカルスキャン磁気記録システムの磁気テープ
として好適である。
【0027】この場合、GMR再生ヘッドとしては、G
MR素子をシールドで挟み込んだシールド型のGMRヘ
ッドを用い、これを回転ドラムに搭載して記録再生装置
を構成する。
【0028】GMR再生ヘッドを用いたヘリカルスキャ
ン磁気記録システムと本発明の磁気記録媒体を組み合わ
せることにより、これまでにない高密度記録システムを
構築することができる。
【0029】上記ヘリカルスキャン磁気記録システムの
磁気記録再生装置は、回転ドラムを用いて記録再生を行
うヘリカルスキャン方式の磁気記録再生装置であり、回
転ドラムに搭載された再生用磁気ヘッドとして、GMR
ヘッドを使用する。
【0030】この磁気記録再生装置に搭載される回転ド
ラム装置の一構成例を図1及び図2に示す。なお、図1
は回転ドラム装置1の概略を示す斜視図であり、図2は
回転ドラム装置1を含む磁気テープ送り機構10の概略
を示す平面図である。
【0031】図1に示すように、回転ドラム装置1は、
円筒状の固定ドラム2と、円筒状の回転ドラム3と、回
転ドラム3を回転駆動するモータ4と、回転ドラム3に
搭載された一対のインダクティブ型磁気ヘッド5a,5
bと、回転ドラム3に搭載された一対のGMRヘッド6
a,6bとを備える。
【0032】上記固定ドラム2は、回転することなく保
持されるドラムである。この固定ドラム2の側面には、
磁気テープ7の走行方向に沿ってリードガイド部8が形
成されている。後述するように、記録再生時に磁気テー
プ7は、このリードガイド部8に沿って走行する。そし
て、この固定ドラム2と中心軸が一致するように、回転
ドラム3が配されている。
【0033】回転ドラム3は、磁気テープ7に対する記
録再生時に、モータ4によって所定の回転速度で回転駆
動されるドラムである。この回転ドラム3は、固定ドラ
ム2と略同径の円筒状に形成されてなり、固定ドラム2
と中心軸が一致するように配されている。そして、この
回転ドラム3の固定ドラム2に対向する側には、一対の
インダクティブ型磁気ヘッド5a,5b及び一対のGM
Rヘッド6a,6bが搭載されている。
【0034】インダクティブ型磁気ヘッド5a,5b
は、一対の磁気コアが磁気ギャップを介して接合される
とともに、磁気コアにコイルが巻装されてなる記録用磁
気ヘッドであり、磁気テープ7に対して信号を記録する
際に使用される。そして、これらのインダクティブ型磁
気ヘッド5a,5bは、回転ドラム3の中心に対して互
いに成す角度が180°となり、それらの磁気ギャップ
部分が回転ドラム3の外周から突き出すように、回転ド
ラム3に搭載されている。なお、これらのインダクティ
ブ型磁気ヘッド5a,5bは、磁気テープ7に対してア
ジマス記録を行うように、アジマス角が互いに逆となる
ように設定されている。
【0035】一方、GMRヘッド6a,6bは、磁気テ
ープ7からの信号を検出する感磁素子としてスピンバル
ブ素子を備えた再生用磁気ヘッドであり、磁気テープ7
から信号を再生する際に使用される。そして、これらの
GMRヘッド6a,6bは、回転ドラム3の中心に対し
て互いに成す角度が180°となり、磁気ギャップ部分
が回転ドラムの外周から突き出すように、回転ドラム3
に搭載されている。なお、これらのGMRヘッド6a,
6bは、磁気テープ7に対してアジマス記録された信号
を再生できるように、アジマス角が互いに逆となるよう
に設定されている。
【0036】そして、磁気記録再生装置は、このような
回転ドラム装置1に磁気テープ7を摺動させて、磁気テ
ープ7に対する信号の記録や、磁気テープ7からの信号
の再生を行う。
【0037】すなわち、記録再生時に磁気テープ7は、
図2に示すように、供給リール11からガイドローラ1
2,13を経て、回転ドラム装置1に巻き付くように送
られ、この回転ドラム装置1で記録再生がなされる。そ
して、回転ドラム装置1で記録再生がなされた磁気テー
プ7は、ガイドローラ14,15、キャプスタン16、
ガイドローラ17を経て、巻き取りロール18へと送ら
れる。すなわち、磁気テープ7は、キャプスタンモータ
19により回転駆動されるキャプスタン16によって所
定の張力及び速度にて送られ、ガイドローラ17を経て
巻き取りロール18に巻き取られる。
【0038】このとき、回転ドラム3は、図1中の矢印
Aに示すように、モータ4によって回転駆動される。一
方、磁気テープ7は、固定ドラム2のリードガイド部8
に沿って、固定ドラム2及び回転ドラム3に対して斜め
に摺動するように送られる。すなわち、磁気テープ7
は、テープ走行方向に沿って、図1中矢印Bに示すよう
にテープ入口側から固定ドラム2及び回転ドラム3に摺
接するようにリードガイド部8に沿って送られ、その
後、図1中矢印Cに示すようにテープ出口側へと送られ
る。
【0039】次に、上記回転ドラム装置1の内部構造に
ついて、図3を参照して説明する。
【0040】図3に示すように、固定ドラム2及び回転
ドラム3の中心には、回転軸21が挿通されている。な
お、固定ドラム2、回転ドラム3及び回転軸21は導電
材料からなり、これらは電気的に導通しており、固定ド
ラム2が接地されている。
【0041】そして、固定ドラム2のスリーブの内側に
は、2つの軸受け22,23が設けられており、これに
より、固定ドラム2に対して回転軸21が回転可能に支
持されている。すなわち、回転軸21は、軸受け22,
23により、固定ドラム2に対して回転可能に支持され
ている。一方、回転ドラム3には、その内周部にフラン
ジ24が形成されており、このフランジ24が回転軸2
1の上端部に固定されている。これにより、回転ドラム
3は、回転軸21の回転に伴って回転するようになされ
ている。
【0042】また、回転ドラム装置1の内部には、固定
ドラム2と回転ドラム3との間で信号の伝送を行うため
に、非接触型の信号伝送装置であるロータリトランス2
5が配されている。このロータリトランス25は、固定
ドラム2に取り付けられたステータコア26と、回転ド
ラム3に取り付けられたロータコア27とを有してい
る。
【0043】ステータコア26及びロータコア27は、
フェライト等のような磁性材料が、回転軸21を中心と
する円環状に形成されてなる。また、ステータコア26
には、一対のインダクティブ型磁気ヘッド5a,5bに
対応した一対の信号伝送用リング26a,26bと、一
対のGMRヘッド6a,6bに対応した信号伝送用リン
グ26cと、一対のGMRヘッド6a,6bの駆動に必
要な電力を供給するための電力伝送用リング26dと
が、同心円状に配置されている。同様に、ロータコア2
7にも、一対のインダクティブ型磁気ヘッド5a,5b
に対応した一対の信号伝送用リング27a,27bと、
一対のGMRヘッド6a,6bに対応した信号伝送用リ
ング27cと、一対のGMRヘッド6a,6bの駆動に
必要な電力を供給するための電力伝送用リング27dと
が、同心円状に配置されている。
【0044】これらのリング26a,26b,26c,
26d,27a,27b,27c,27dは、回転軸2
1を中心として円環状に巻回されたコイルからなり、ス
テータコア26の各リング26a,26b,26c,2
6dと、ロータコア27の各リング27a,27b,2
7c,27dとがそれぞれ対向するように配されてい
る。そして、このロータリトランス25は、ステータコ
ア26の各リング26a,26b,26c,26dと、
ロータコア27の各リング27a,27b,27c,2
7dとの間で、非接触にて信号や電力の伝送を行うよう
になっている。
【0045】また、回転ドラム装置1には、回転ドラム
3を回転駆動させるモータ4が取り付けられている。こ
のモータ4は、回転部分であるロータ28と、固定部分
であるステータ29とを有している。ロータ28は、回
転軸21の下端部に取り付けられており、駆動用マグネ
ット30を備えている。一方、ステータ29は、固定ド
ラム2の下端部に取り付けられており、駆動用コイル3
1を備えている。そして、駆動用コイル31に電流を供
給することにより、ロータ28が回転駆動される。これ
により、ロータ28に取り付けられている回転軸21が
回転し、それに伴って、回転軸21に固定されている回
転ドラム3が回転駆動されることとなる。
【0046】つぎに、以上のような回転ドラム装置1に
よる記録再生について、この回転ドラム装置1並びにそ
の周辺回路についての回路構成の概略を示す図4を参照
して説明する。
【0047】上記回転ドラム装置1を用いて磁気テープ
7に信号を記録する際は、先ず、モータ4の駆動用コイ
ル31に電流が供給され、これにより、回転ドラム3が
回転駆動される。そして、回転ドラム3が回転している
状態にて、図4に示すように、外部回路40からの記録
信号が記録用アンプ41に供給される。
【0048】記録用アンプ41は、外部回路40からの
記録信号を増幅し、一方のインダクティブ型磁気ヘッド
5aによって信号を記録するタイミングの時、当該イン
ダクティブ型磁気ヘッド5aに対応したステータコア2
6の信号伝送用リング26aに記録信号を供給し、ま
た、他方のインダクティブ型磁気ヘッド5bによって信
号を記録するタイミングの時、当該インダクティブ型磁
気ヘッド5bに対応したステータコア26の信号伝送用
リング26bに記録信号を供給する。
【0049】ここで、一対のインダクティブ型磁気ヘッ
ド5a,5bは、上述したように、回転ドラム3の中心
に対して互いに成す角度が180°となるように配され
ているので、これらのインダクティブ型磁気ヘッド5
a,5bは、180°の位相差を持って交互に記録する
こととなる。すなわち、記録用アンプ41は、一方のイ
ンダクティブ型磁気ヘッド5aに記録信号を供給するタ
イミングと、他方のインダクティブ型磁気ヘッド5bに
記録信号を供給するタイミングとを、180°の位相差
を持って交互に切り換える。
【0050】そして、一方のインダクティブ型磁気ヘッ
ド5aに対応したステータコア26の信号伝送用リング
26aに供給された記録信号は、非接触にてロータコア
27の信号伝送用リング27aに伝送される。そして、
ロータコア27の信号伝送用リング27aに伝送された
記録信号は、インダクティブ型磁気ヘッド5aに供給さ
れ、当該インダクティブ型磁気ヘッド5aにより、磁気
テープ7に対して信号の記録がなされる。
【0051】同様に、他方のインダクティブ型磁気ヘッ
ド5bに対応したステータコア26の信号伝送用リング
26bに供給された記録信号は、非接触にてロータコア
27の信号伝送用リング27bに伝送される。そして、
ロータコア27の信号伝送用リング27bに伝送された
記録信号は、インダクティブ型磁気ヘッド5bに供給さ
れ、当該インダクティブ型磁気ヘッド5bにより、磁気
テープ7に対して信号の記録がなされる。
【0052】また、上記回転ドラム装置1を用いて磁気
テープ7からの信号を再生する際は、先ず、モータ4の
駆動用コイル31に電流が供給され、これにより、回転
ドラム3が回転駆動される。そして、回転ドラム3が回
転している状態にて、図4に示すように、オシレータ4
2から高周波の電流がパワードライブ43に供給され
る。
【0053】オシレータ42からの高周波の電流は、パ
ワードライブ43によって所定の交流電流に変換された
上で、ステータコア26の電力伝送用リング26dに供
給される。そして、ステータコア26の電力伝送用リン
グ26dに供給された交流電流は、非接触にてロータコ
ア27の電力伝送用リング27dに伝送される。そし
て、ロータコア27の電力伝送用リング27dに伝送さ
れた交流電流は、整流器44により整流されて直流電流
とされレギュレータ45に供給され、当該直流電流はレ
ギュレータ45により所定の電圧に設定される。
【0054】そして、レギュレータ45によって所定の
電圧に設定された電流は、一対のGMRヘッド6a,6
bにセンス電流として供給される。なお、一対のGMR
ヘッド6a,6bには、当該GMRヘッド6a,6bか
らの信号を検出する再生用アンプ46が接続されてお
り、レギュレータ45からの電流は、この再生用アンプ
46にも供給される。
【0055】ここで、GMRヘッド6a,6bは、外部
磁界の大きさによって抵抗値が変化するスピンバルブ素
子を備えている。そして、GMRヘッド6a,6bは、
磁気テープ7からの信号磁界により、スピンバルブ素子
の抵抗値が変化し、これにより、センス電流に電圧変化
が現れるようになされている。
【0056】そして、再生用アンプ46は、この電圧変
化を検出し、当該電圧変化に応じた信号を再生信号とし
て出力する。なお、再生用アンプ46は、一方のGMR
ヘッド6aによって信号を再生するタイミングの時、当
該GMRヘッド6aによって検出した再生信号を出力
し、また、他方のGMRヘッド6bによって信号を再生
するタイミングの時、当該GMRヘッド6bによって検
出した再生信号を出力する。
【0057】ここで、一対のGMRヘッド6a,6b
は、上述したように、回転ドラム3の中心に対して互い
に成す角度が180°となるように配されているので、
これらのGMRヘッド6a,6bは、180°の位相差
を持って交互に再生することとなる。すなわち、再生用
アンプ46は、一方のGMRヘッド6aからの再生信号
を出力するタイミングと、他方のGMRヘッド6bから
の再生信号を出力するタイミングとを、180°の位相
差を持って交互に切り換える。
【0058】そして、再生用アンプ46からの再生信号
は、ロータコア27の信号伝送用リング27cに供給さ
れ、この再生信号は、非接触にてステータコア26の信
号伝送用リング26cに伝送される。ステータコア26
の信号伝送用リング26cに伝送された再生信号は、再
生用アンプ47によって増幅された上で、補正回路48
に供給される。そして、再生信号は、補正回路48によ
り所定の補正処理が施された後、外部回路40へと出力
される。
【0059】なお、図4に示したような回路構成とした
場合、一対のインダクティブ型磁気ヘッド5a,5b、
一対のGMRヘッド6a,6b、整流器44、レギュレ
ータ45及び再生用アンプ46は、回転ドラム3に搭載
され、回転ドラム3と共に回転する。一方、記録用アン
プ41、オシレータ42、パワードライブ43、再生用
アンプ47及び補正回路48については、回転ドラム装
置1の固定部分に配するか、或いは、回転ドラム装置1
とは別に構成された外部回路とする。
【0060】つぎに、上記回転ドラム3に搭載されるG
MRヘッド6a,6bについて、図5を参照して詳細に
説明する。なお、GMRヘッド6a及びGMRヘッド6
bは、アジマス角が互いに逆となるように設定されてい
る他は、同一の構成を有している。そこで、以下の説明
では、これらのGMRヘッド6a,6bをまとめてGM
Rヘッド6と称する。
【0061】GMRヘッド6は、回転ドラム3に搭載さ
れ、ヘリカルスキャン方式によって磁気テープ7からの
信号を、巨大磁気抵抗効果を利用して検出する再生専用
の磁気ヘッドである。一般に、GMRヘッド6は、電磁
誘導を利用して記録再生を行うインダクティブ型磁気ヘ
ッドや異方性磁気抵抗効果型磁気ヘッドよりも感度が高
く再生出力が大きいので、高密度記録に適している。し
たがって、再生用磁気ヘッドとしてGMRヘッド6を用
いることで、より高密度記録化を図ることができる。
【0062】そして、このGMRヘッド6は、図5に示
すように、Ni−Zn多結晶フェライト等のような軟磁
性材料からなる一対の磁気シールド51,52と、絶縁
体53を介して一対の磁気シールド51,52によって
挟持された略矩形状のGMR素子部54とを備える。な
お、GMR素子部54の両端からは、一対の端子が導出
されており、これらの端子を介して、MR素子部54に
センス電流を供給できるようになされている。
【0063】また、このGMRヘッド6において、一対
の磁気シールド51,52とGMR素子部54との間隔
は、100nm以下とした。一対の磁気シールド51,
52とGMR素子部54との間隔を100nm以下とす
ることによって、GMRヘッド6は、周波数特性に優れ
たものとなる。
【0064】GMR素子部54は、外部磁界に対して磁
化方向を変化させる磁化自由層と、固定磁化を有する磁
化固定層とが非磁性層を介して積層されてなるスピンバ
ルブ素子を有している。また、このスピンバルブ素子に
おいては、磁化固定層の磁化を固定する反強磁性層が当
該磁化固定層上に積層されている。
【0065】このGMR素子部54は、略矩形状に形成
されてなり、一側面が磁気テープ摺動面55に露呈する
ように、一対の磁気シールド51,52によって絶縁体
53を介して挟持されている。詳細には、このGMR素
子部54は、短軸方向が磁気テープ摺動面55に対して
略垂直となり、長軸方向が磁気テープ摺動方向に対して
略直交するように、一対の磁気シールド51,52によ
って絶縁体53を介して挟持されている。
【0066】このGMRヘッド6の磁気テープ摺動面5
5は、当該磁気テープ摺動面55にGMR素子部54の
一側面が露呈するように、磁気テープ7の摺動方向に沿
って円筒研磨されているとともに、磁気テープ7の摺動
方向に対して直交する方向に沿って円筒研磨されてい
る。これにより、このGMRヘッド6は、GMR素子部
54或いはその近傍部分が最も突出するようになされて
いる。このように、GMR素子部54或いはその近傍部
分が最も突出するようにすることにより、GMR素子部
54の磁気テープ7に対する当たり特性を良好なものと
することができる。
【0067】そして、以上のようなGMRヘッド6を用
いて磁気テープ7からの信号を再生する際は、図6に示
すように、磁気テープ7をGMR素子部54に摺動させ
る。なお、図6中の矢印は、磁気テープ7が磁化されて
いる様子を模式的に示している。
【0068】そして、このように磁気テープ7をGMR
素子部54に摺動させた状態で、GMR素子部54の両
端に接続された端子54a,54bを介して、GMR素
子部54にセンス電流を供給し、当該センス電流の電圧
変化を検出する。具体的には、MR素子部54の一端に
接続された端子54aから、所定の電圧Vcを印加する
とともに、MR素子部54の他端に接続された端子54
bを、回転ドラム3に接続しておく。ここで、回転ドラ
ム3は回転軸21を介して固定ドラム2に電気的に導通
しており、また、固定ドラム2は接地されている。した
がって、MR素子部54に接続された一方の端子54b
は、回転ドラム3、回転軸21及び固定ドラム2を介し
て接地されている。
【0069】そして、磁気テープ7を摺動させた状態で
GMR素子部54にセンス電流を供給すると、磁気テー
プ7からの磁界に応じて、磁化自由層の磁化方向が変化
し、磁化固定層の磁化方向と磁化自由層の磁化方向とが
なす相対角度が変化する。このとき、GMR素子部54
に供給されたセンス電流は、磁化固定層の磁化方向と磁
化自由層の磁化方向とがなす相対角度に依存して抵抗値
が変化することとなる。このため、GMR素子部54に
供給するセンス電流の電流値を一定にすることにより、
スピンバルブ素子における抵抗値が変化すると、センス
電流に電圧変化を生ずることとなる。そこで、このセン
ス電流の電圧変化を検出することにより、磁気テープ7
からの信号磁界が検出され、磁気テープ7に記録されて
いる信号が再生される。
【0070】このとき、GMRヘッド6においては、再
生出力が600μV/μm〜10mV/μmであること
が好ましい。上述した磁気テープ7では、Mr・δの値
が0.5〜1.5memu/cm2に規定されているた
め、再生出力が600μV/μm〜10mV/μmとさ
れたGMRヘッド6より確実に再生されることとなる。
言い換えると、Mr・δが0.5memu/cm2未満
の場合には、上述したように再生出力が規定されたGM
Rヘッド6により再生することが困難となってしまう虞
がある。また、Mr・δが1.5memu/cm2を超
える場合には、上述したように再生出力が規定されたG
MRヘッド6のスピンバルブ素子を飽和させてしまい、
歪みのない正確な再生出力を得ることが困難となる虞が
ある。
【0071】また、このGMRヘッド6においては、図
6中aで示すGMR素子部54の高さが0.5〜1.0
μmであることが好ましい。GMR素子部54の高さを
0.5〜1.0μmとすることによって、磁気テープ摺
動面55の摩耗を考慮した場合にもスピンバルブ素子を
確実に動作させることができる。具体的には、例えば、
磁気テープ摺動面55が0.1〜0.3μm程度摩耗し
た場合であっても、GMR素子部54の高さを0.5〜
1.0μmとすることによって、スピンバルブ素子を確
実に動作させることができる。
【0072】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、実験結果に基づき詳細に説明する。
【0073】実施例1 先ず、厚さ10μm、幅150mmのポリエチレンテレ
フタレートフィルムを用意し、この表面にアクリルエス
テルを主成分とする水溶性ラテックスを1000万個/
mm2 なる密度となるように塗布して下塗層を形成し
た。
【0074】続いて、この上にCoPtCr系の金属磁
性薄膜をスパッタリング法により成膜した。なお、金属
磁性薄膜は、膜厚60nmのCr下地層上に成膜する。
成膜条件を以下に示す。
【0075】成膜条件 スパッタ前到達真空度:8×10-5Pa Arガス圧:5mTorr 投入電圧:0.3kW このスパッタリング法により25nmの膜厚となるよう
に、CoPt12Cr15の金属磁性薄膜を形成した。その
後、上述のようにして形成された磁性層上にスパッタあ
るいはCVD法によりカーボン膜を厚さ約10nm形成
した。
【0076】そして、非磁性支持体における磁性層が形
成された面とは反対側の面に、カーボンとウレタン樹脂
からなるバックコート層を0.6μmなる厚さに形成す
るとともに、カーボン膜表面にパーフルオロポリエーテ
ルよりなる潤滑剤を塗布し、その後、8mm幅に裁断し
て磁気テープを完成した。
【0077】このようにして作製されたサンプルテープ
においては、残留磁化が300emu/ccであり、保
磁力が1800Oeであり、角形比が0.8である。
【0078】次に、サンプルテープに対して、電磁変換
特性の測定を行った。具体的には、8mmVTRを改造
したものを用い、各サンプルテープに記録波長0.5μ
mにて情報信号を記録した後、ヨーク型GMRヘッドに
より再生出力、ノイズレベル、エラーレートの測定を行
った。
【0079】ここで、ヨーク型GMRヘッドとしては、
CoFeからなる磁化自由層を有して抵抗変化率が約5
%であるスピンバルブ素子を備え、一対のシールド間距
離が0.17μmであるものを使用した。また、ヨーク
型GMRヘッドにおいて、トラック幅を3μm、アジマ
ス角を25degとし、ヨークハイトを約1μmとして
いる。
【0080】実施例2〜実施例5、比較例1〜比較例3 実施例2〜実施例5、比較例1〜比較例3では、Mr・
δを表1に示すようにした以外は、実施例1と同様にし
てサンプルテープを作製した。
【0081】そして、これら実施例1〜実施例5、比較
例1〜比較例3に関して、再生出力(記録波長0.5μ
m)、ノイズレベル(キャリア信号から1MHz下がっ
た周波数での値)、エラーレート[シンボルエラーレー
ト(Symbol Error Rate)]を測定した。結果を表1に
示す。
【0082】
【表1】
【0083】この表1からも明らかなように、Mr・δ
の値が0.5memu/cm2 未満(比較例1)である
と、十分な再生出力が得られず、また1.5memu/
cm2 を越える(比較例2及び比較例3)と、スピンバ
ルブ素子が飽和して再生波形が歪み、エラーレートが劣
化する。そのため、Mr・δの値としては、0.5〜
1.5memu/cm2 が望ましいと言える。
【0084】以上はMr・δの規定に関するものである
が、同じMr・δでも数字的には無数の組合せが存在す
る。そこで、より具体的に金属磁性薄膜の膜厚、残留磁
化量について検討を加えた。
【0085】表2は、金属磁性薄膜の膜厚δを変化させ
たサンプル1〜7の再生出力、ノイズレベル、エラーレ
ートを示すものである。再生出力、ノイズレベルは、実
施例6を基準とした値である。また、このとき金属磁性
薄膜の残留磁化は300emu/ccに統一している。
【0086】
【表2】
【0087】サンプル7のように、膜厚δが60nm以
上の場合には、スピンバルブ素子が飽和してしまい、波
形に歪みを生じてしまう。また、サンプル1のように、
膜厚δが10nmの場合には、十分な再生出力が得られ
ず、また保磁力も劣化するため、分解能が低下する傾向
にある。これらの結果から、金属磁性薄膜の膜厚δは、
15〜60nmが最適である。
【0088】次に、膜厚δを35nm一定とし、残留磁
化量Mrを変化させたサンプル8〜14の再生出力、ノ
イズレベル、エラーレートについて調べた。結果を表3
に示す。再生出力、ノイズレベルは、サンプル9を基準
とした値である。
【0089】
【表3】
【0090】サンプル8のように残留磁化量Mrが小さ
いと、十分な再生出力が得られず、また、サンプル14
のように残留磁化量Mrが大きすぎると、結果として保
磁力が低下してノイズが高くなり、分解能が低下する。
したがって、残留磁化量としては、200〜400em
u/ccが最適である。
【0091】次に、磁気記録媒体の膜面内で測定した保
磁力を変化させたサンプル15〜21の再生出力、ノイ
ズレベル、エラーレートを表4に示す。再生出力、ノイ
ズレベルは、サンプル16を基準にした値である。
【0092】
【表4】
【0093】サンプル15では、保磁力が小さく、ノイ
ズレベルが高い。サンプル21では、保磁力が大きくな
りすぎて記録が困難になり、再生出力の低下が認められ
る。したがって、保磁力は、1000Oeから2500
Oeの範囲が望ましい。
【0094】なお、表4には、保磁力を変化させたとき
の面内方向で測定した角形比を示すが、再生出力とノイ
ズレベルの観点から、0.6〜0.9の範囲が望まし
い。
【0095】次に、磁気記録媒体の磁性層表面の表面粗
さを変化させたサンプル22〜28のヘッド摩耗、摩擦
係数、再生出力及びノイズレベルを測定した結果を表5
に示す。なお、再生出力、ノイズレベルは、サンプル2
3を基準にした値である。
【0096】
【表5】
【0097】サンプル28では、表面粗さ(Rz)が大
きすぎるため、再生出力が低下しており、また、ノイズ
レベルも高くなっている。これに対して、サンプル22
では、表面粗さが小さすぎるために磁気ヘッドに対する
摩擦係数が多くなり、ヘッド摩耗が大となってしまう。
したがって、表面粗さ(Rz)は、10〜30nmであ
ることが好ましい。
【0098】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明においては、金属磁性薄膜の残留磁化量Mrと膜厚δ
の積Mr・δの値をGMR再生ヘッドの特性に合わせて
最適化しているので、GMR素子の飽和を防ぎ、高出
力、低ノイズを実現可能である。
【0099】特に、シールド型のGMR再生ヘッドを用
いたヘリカルスキャン磁気記録システムの磁気記録媒体
として用いることで、これまでにない高密度記録システ
ムを構築することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘリカルスキャン磁気記録方式の磁気記録再生
装置に搭載される回転ドラム装置の一構成例について、
その概略を示す斜視図である。
【図2】上記回転ドラム装置を含む磁気テープ送り機構
の一構成例について、その概略を示す平面図である。
【図3】上記回転ドラム装置の内部構造を示す断面図で
ある。
【図4】上記回転ドラム装置並びにその周辺回路につい
て、回路構成の概略を示す図である。
【図5】上記回転ドラムに搭載されるGMRヘッドの一
例について、一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図6】GMRヘッドを用いて磁気テープからの信号を
再生する様子を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 回転ドラム装置、 2 固定ドラム、 3 回転ド
ラム、 4 モータ、5a,5b インダクティブ型磁
気ヘッド、 6(6a,6b) GMRヘッド、 7
磁気テープ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に金属磁性薄膜が形成さ
    れてなり、当該金属磁性薄膜の残留磁化量Mrと膜厚δ
    の積Mr・δの値が0.5〜1.5memu/cm2
    あることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記残留磁化量Mrが200〜400e
    mu/ccであることを特徴とする請求項1記載の磁気
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記膜厚δが15〜60nmであること
    を特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 面内方向での保磁力が1000〜250
    0Oeであることを特徴とする請求項1記載の磁気記録
    媒体。
  5. 【請求項5】 面内方向での角形比が0.6〜0.9で
    あることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 表面粗さ(Rz)が10〜30nmであ
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 巨大磁気抵抗効果型再生ヘッドを用いた
    ヘリカルスキャン磁気記録システムに用いられることを
    特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 上記巨大磁気抵抗効果型再生ヘッドは、
    再生出力が600μV/μm〜10mV/μmであるこ
    とを特徴とする請求項7記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 上記巨大磁気抵抗効果型再生ヘッドは、
    スピンバルブ型磁気抵抗効果素子を有することを特徴と
    する請求項7記載の磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 上記金属磁性薄膜は、スパッタリング
    により形成されたことを特徴とする請求項1記載の磁気
    記録媒体。
JP11190692A 1999-07-05 1999-07-05 磁気記録媒体 Pending JP2001023142A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11190692A JP2001023142A (ja) 1999-07-05 1999-07-05 磁気記録媒体
EP00114292A EP1067516A1 (en) 1999-07-05 2000-07-04 Magnetic recording medium

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11190692A JP2001023142A (ja) 1999-07-05 1999-07-05 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001023142A true JP2001023142A (ja) 2001-01-26

Family

ID=16262285

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11190692A Pending JP2001023142A (ja) 1999-07-05 1999-07-05 磁気記録媒体

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP1067516A1 (ja)
JP (1) JP2001023142A (ja)

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3104250B2 (ja) * 1990-10-31 2000-10-30 ソニー株式会社 ディジタル画像信号の磁気記録方法
US5344706A (en) * 1991-10-01 1994-09-06 Carnegie Mellon University Magnetic recording medium comprising an underlayer and a cobalt samarium amorphous magnetic layer having a SmCo5 crystalline interface with the underlayer
US5307223A (en) * 1992-08-07 1994-04-26 International Business Machines Corporation Magnetic recording disk file for contact recording
KR0148842B1 (ko) * 1993-07-22 1998-10-15 가나이 쯔또무 자기기록매체 및 그의 제조방법과 자기기록 시스템
US5800931A (en) * 1994-09-29 1998-09-01 Carnegie Mellon University Magnetic recording medium with a MgO sputter deposited seed layer
US5567523A (en) * 1994-10-19 1996-10-22 Kobe Steel Research Laboratories, Usa, Applied Electronics Center Magnetic recording medium comprising a carbon substrate, a silicon or aluminum nitride sub layer, and a barium hexaferrite magnetic layer
US5968679A (en) * 1995-11-28 1999-10-19 Hoya Corporation Magnetic recording medium and method of manufacturing the same
JP2911798B2 (ja) * 1995-11-28 1999-06-23 ホーヤ株式会社 磁気記録媒体及びその製造方法
US5830584A (en) * 1996-01-16 1998-11-03 Seagate Technology, Inc. Bicrystal cluster magnetic recording medium
US5849386A (en) * 1996-04-26 1998-12-15 Hmt Technology Corporation Magnetic recording medium having a prelayer
US5922442A (en) * 1996-04-26 1999-07-13 Hmt Technology Corporation Magnetic recording medium having a CoCr alloy interlayer of a low saturation magnetization
JPH10241138A (ja) * 1997-02-24 1998-09-11 Sony Corp テープ状磁気記録媒体及びこれを用いた信号再生方法
US5993956A (en) * 1997-04-22 1999-11-30 Carnegie Mellon University Manganese containing layer for magnetic recording media
JPH11203652A (ja) * 1998-01-06 1999-07-30 Sony Corp 磁気記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
EP1067516A1 (en) 2001-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4092733B2 (ja) 磁気記録再生装置
KR100621504B1 (ko) 자기 저항 헤드 및 이를 이용한 자기 기록/재생 장치
JPH11328645A (ja) 磁気記録媒体の再生方法
JP2001023142A (ja) 磁気記録媒体
JPH11203652A (ja) 磁気記録媒体
US6229662B1 (en) Magnetic recording/reproducing apparatus and magnetic tape
JP2000003506A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び磁気記録再生装置
JP2006079672A (ja) ヘリカルテープシステム
JP2003016617A (ja) 磁気記録媒体
JP2002197633A (ja) 磁気記録媒体
JP2001237115A (ja) 金属磁性粉末及び磁気記録媒体
JP4265415B2 (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びこれを具備する磁気記録再生装置
JP2001023143A (ja) 磁気記録媒体及びその記録再生方法
EP1067517A1 (en) Magnetic recording medium
JP2004288345A (ja) 磁気記録再生装置
JP2001236618A (ja) 再生ヘッド装置
JP2001237114A (ja) 金属磁性粉末及び磁気記録媒体
JP2004178732A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び記録再生装置
JP2003242621A (ja) 磁気記録媒体
JP2002251702A (ja) 磁気テープ記録再生装置
JP2001102206A (ja) 金属磁性粉末及び磁気記録媒体並びにその製造方法
JP2002109715A (ja) 磁気記録媒体
JP2001313207A (ja) 金属磁性粉末及び磁気記録媒体
JP2002150539A (ja) 磁気記録媒体
JP2000323316A (ja) 磁性粉末および磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060302

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070828

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071225