JP2004178732A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び記録再生装置 - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び記録再生装置 Download PDF

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Hiroki Tetsukawa
弘樹 鉄川
Takeshi Kobayashi
健 小林
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Abstract

【課題】磁気記録媒体と摺接する磁気抵抗効果型磁気ヘッドの媒体摺接面の腐食の発生を防止する。
【解決手段】磁気テープ3と摺接しながら磁気信号の検出を行うGMRヘッド20の媒体摺接面20aに、カルボキシル基およびエステル結合を官能基として有する化合物を含有する防錆剤膜50を形成する。
また、磁気テープ3の表面に、GMRヘッド20の媒体摺接面20aに形成された防錆剤膜50と同一材料からなるトップコート層64、バックコート層65を形成し、磁気テープ3と摺接されるGMRヘッド20の媒体摺接面20aに防錆剤膜を転写させる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録媒体と摺接しながら磁気信号の検出を行う感磁素子として、磁気抵抗効果素子を具備する磁気抵抗効果型磁気ヘッド、および磁気抵抗効果型磁気ヘッドと磁気記録媒体である磁気テープとを組み合わせた記録再生装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録媒体に対して情報信号の記録および再生を行うものとして、従来よりインダクティブ磁気ヘッドや磁気抵抗効果型磁気ヘッドが実用化されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
磁気抵抗効果型磁気ヘッドを構成する磁気抵抗効果素子(以下、MR素子という。)は、外部磁界の大きさや向きにより抵抗値が変化する、いわゆる磁気抵抗効果を利用したものであり、磁気記録媒体からの信号磁界を検出するための感磁素子としての機能を有している。そして、このようなMR素子を具備する磁気ヘッドは、一般に磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、MRヘッドという。)と呼ばれている。
【0003】
また、MR素子としては、従来より異方性磁気抵抗効果を利用したものが使用されているが、磁気抵抗変化率(MR比)が小さいために、より大きなMR比を示すものが望まれていた。そこで近年においては、より大きなMR比を示すMR素子として、スピンバルブ膜を利用した巨大磁気抵抗効果素子(以下、GMR素子という。)が提案されている。
【0004】
上記GMR素子は、一対の磁性層で非磁性層を挟持してなるスピンバルブ膜を有し、このスピンバルブ膜に対して面内方向に流れる、いわゆるセンス電流のコンダクタンスが、一対の磁性層の磁化の相対角度に依存して変化する、いわゆる巨大磁気抵抗効果を利用したものである。
具体的には、スピンバルブ膜は、反強磁性層と、反強磁性層との間で働く交換結合磁界により所定の方向に磁化が固定された磁化固定層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する磁化自由層と、磁化固定層と磁化自由層との間を磁気的に隔離する非磁性層とが積層された構造を有している。
【0005】
このスピンバルブ膜を利用したGMR素子においては、外部磁界が印加されると、外部磁界の大きさや向きに応じて、磁化自由層の磁化方向が変化する。そして、磁化自由層の磁化方向が磁化固定層の磁化方向に対して、逆方向(反平行)となるとき、このスピンバルブ膜に流れるセンス電流の抵抗値が最大となる。一方、磁化自由層の磁化方向が磁化固定層の磁化方向に対して、同一方向(平行)となるときに、このスピンバルブ膜に流れるセンス電流の抵抗値が最小となる。
【0006】
従って、このようなGMR素子を備える磁気ヘッド(以下、GMRヘッドという。)では、GMR素子に対して一定のセンス電流を供給すると、磁気記録媒体からの信号磁界に応じて、このGMR素子を流れるセンス電流の電圧値が変化し、このセンス電流の電圧値の変化を検出することによって、磁気記録媒体からの磁気信号を読み取ることが可能となっている。
【0007】
一方、磁気記録媒体としては、従来においては非磁性支持体上に酸化物磁性粉末あるいは合金磁性粉末等の粉末磁性材料を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機結合剤中に分散せしめた磁性塗料を塗布、乾燥することにより作製される、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が、広く使用されている。
【0008】
また、高密度記録への要求の高まりと共に、Co−Ni、Co−Cr、Co等の金属磁性材料をメッキや真空薄膜形成手段(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等)によって非磁性支持体上に直接被着した、いわゆる金属磁性薄膜型の磁気記録媒体が提案され、注目を集めている。
【0009】
このような金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、保磁力、残留磁化、角形比等に優れ、短波長での電磁変換特性に優れるばかりでなく、磁性層の膜厚を極めて薄くできるため、記録減磁や再生時の厚み損失が小さいこと、磁性層中に非磁性材である結合剤を混入する必要がないため、磁性材料の充填密度を高め、大きな磁化を得ることができる等、種々の利点を有している。
【0010】
さらに、この種の磁気記録媒体の電磁変換特性を向上させ、より大きな出力を得るため、非磁性支持体上に金属磁性材料を斜方に蒸着させた、いわゆる蒸着テープが提案されており、例えば高画質VTR用、デジタルVTR用の磁気テープとして実用化されている。
【0011】
ところで、上述したGMRヘッドは、ハードディスクドライブ等の磁気ディスク装置において利用されている。ハードディスクドライブは、例えばサスペンションの先端部に取り付けられたヘッドスライダにGMRヘッドが搭載された構造を有している。そして、このハードディスクドライブでは、磁気ディスクの回転により生じる空気流を受けて、ヘッドスライダが磁気ディスクの信号記録面上を浮上しながら、このヘッドスライダに搭載されたGMRヘッドが磁気ディスクに記録された磁気信号を読み取ることによって、磁気ディスクに対する再生動作が行われる。
【0012】
また近年では、このような磁気ディスク装置に限らず、テープストリーマ等の磁気テープ装置にも、更なる高記録密度化を達成するため、GMRヘッドの利用が提案されている。
例えばヘリカルスキャン方式を採用するテープストリーマは、回転ドラムの外周部にGMRヘッドが磁気テープの走行方向と略直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置された構造を有している。そして、このテープストリーマでは、磁気テープが回転ドラムに対して斜めに走行しながら、回転ドラムが回転駆動し、この回転ドラムに搭載されたGMRヘッドが磁気テープと摺接しながら、磁気テープに記録された磁気信号を読み取ることによって、磁気テープに対する再生動作が行われる。
【0013】
このようなGMRヘッドと蒸着テープとを組み合わせた磁気テープ装置においては、従来よりもさらに飛躍的に記録密度を高めることが期待されている。
【0014】
【特許文献1】
特開平11−149612号公報(第4、5頁、第1図)
【特許文献2】
特開平10−302225号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したテープストリーマでは、GMRヘッドと磁気テープとの間の距離、いわゆるスペーシングを小さくすることが好ましく、磁気テープの表面は鏡面化が進んでいる。
【0016】
しかしながら、磁気テープの表面が鏡面化するに従って、磁気テープと回転ドラムの外周面との接触面積が増加し、走行時において磁気テープと回転ドラムとの間に働く摩擦力が大きくなり、磁気テープと回転ドラムとの貼り付きが生じて、磁気テープのスムーズな走行が困難となるおそれがある。
【0017】
このような問題に鑑みて、磁気テープの表面には、SiOフィラーや有機フィラー等からなる多数の微小突起が設けられており、これらの微小突起によって回転ドラムの外周面との接触面積を小さくし、磁気テープと回転ドラムとの間に働く摩擦力を低減化させている。
なお、このような微小突起は、磁気テープとなるベースフィルムの表面に、上述したフィラーを付着させ、その上に磁性膜を被覆させることで形成することができる。また、磁気テープの表面には通常、大気中や海水雰囲気中、高温高湿下における酸化や腐食等の発生を防止するためのDLC膜等の保護膜が形成されている。
【0018】
ところで、上述したハードディスクドライブにおいては、GMRヘッドが磁気ディスクの信号記録面に対して非接触な状態で再生動作が行われる。
また、GMRヘッドのスピンバルブ膜を構成する非磁性層には、通常Cuが用いられており、磁気ディスクと対向するGMRヘッドの媒体対向面には、腐食を防止するためにDLC(Diamond Like Carbon)膜等の保護膜が形成されている。
【0019】
一方、上述したテープストリーマにおいては、GMRヘッドが磁気テープに対して接触した状態で再生動作を行うことから、磁気テープと摺接されるGMRヘッドの媒体摺接面に、上述したように保護膜が形成されている場合には、再生動作時に磁気テープの表面に形成された微小突起や保護膜との接触によって、このGMRヘッドの媒体摺接面に形成された保護膜が摩耗することになる。
さらには、GMRヘッドの媒体摺接面に形成された保護膜は、磁気テープとのスペーシングとなることから、このGMRヘッドの短波長記録再生特性を劣化させる原因になる。
【0020】
従って、上述したテープストリーマ等の磁気テープ装置においては、GMRヘッドの媒体摺接面に保護膜を形成することは不適当である。このため、従来の磁気テープ装置においては、GMRヘッドの媒体摺接面が直接大気と触れることになり、高温高湿下や海水雰囲気中において腐食等が発生しやすくなるという問題が生じていた。
また、GMRヘッドの感度は、スピンバルブ膜に流れるセンス電流により決定される。このスピンバルブ膜の各層は、nmオーダの膜厚に形成されており、各層に僅かな腐食が発生しただけでも、各層の電気抵抗が変化してしまう。従って、上述したGMRヘッドの媒体摺接面における腐食の発生は、このGMRヘッドのヘッド特性を大幅に劣化させるものである。
【0021】
さらにGMRヘッドは、極めて高感度であることから、磁気記録媒体から受ける信号磁界が大きいと、ノイズの原因となるヘッド飽和を起こしてしまう。このため、GMRヘッドを上述した磁気テープ装置の再生用ヘッドとして用いる場合には、磁気記録媒体の残留磁化量Mrと磁性層の膜厚tとの積Mr・tの値を調整しなければならず、従来から磁性層の膜厚tを小とする試みが行なわれている。
【0022】
しかしながら、磁気記録媒体においては、GMRヘッドとの摺接によって、上述した保護膜の一部が削られることもあり、磁性層の膜厚を薄くすると、逆に酸化や腐食等が発生しやすくなってしまう。この場合、上述したGMRヘッドを用いた磁気テープ装置において再生出力を著しく低下させてしまう。
【0023】
磁気ヘッドの腐食を防ぐ方法としては、例えば上記特許文献1に、磁気コア半体の基端側と先端側とを分断する溝条部を設け、この溝条部に防錆剤を貯留させたものが提案されている。
しかしながら、この場合、磁気ヘッドに対して溝条部を形成するための新たな加工工程が必要となり、製造コストが嵩むという問題を生じる。
【0024】
また、磁気ヘッドの磁気抵抗効果膜の磨耗を防止する方法としては、例えば上記特許文献2に、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの摺動面に、DLC保護層のような硬質の被膜を形成したものが提案されている。
しかしながら、この例においては、特に磁気テープ媒体に適用する場合には、保護層の膜厚の分のスペーシングロスが生じ、出力が低下してしまうという問題がある。
【0025】
そこで、本発明においては、このような従来の問題点に鑑みて、磁気記録媒体と摺接しながら磁気信号の検出を行う磁気抵抗効果素子の媒体摺接面における腐食等の発生を防止し、磁気録媒体に対する適切な再生動作を行うことを可能とした磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供することとした。
【0026】
また、本発明においては、上記のような磁気抵抗効果型磁気ヘッドと磁気記録媒体である磁気テープとを組み合わせることで、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの腐食等の発生を防止しつつ、磁気テープの更なる高記録密度化を可能とした磁気テープの記録再生装置を提供することとした。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、磁気記録媒体と摺接しながら磁気信号の検出を行う感磁素子として磁気抵抗効果素子を具備し、この磁気抵抗効果素子の媒体摺接面に、カルボキシル基およびエステル結合を官能基として有する化合物を含有する防錆剤膜が形成されているものとする。
【0028】
本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッドによれば、磁気抵抗効果素子の媒体摺接面に、カルボキシル基およびエステル結合を官能基として有する化合物を含有する防錆剤膜が形成されていることから、磁気記録媒体と摺接される面に保護膜を形成しない場合においても、優れた耐食性を得ることができる。
【0029】
また、本発明に係る磁気テープの記録再生装置は、磁気テープと、磁気テープを走行させるテープ走行手段と、テープ走行手段により走行される磁気テープと摺接しながら磁気信号の検出を行う感磁素子としての磁気抵抗効果素子とを有する磁気抵抗効果型磁気ヘッドとを具備し、磁気テープの磁気抵抗効果型磁気ヘッドが摺接される側の主面、及び/又は、この主面とは反対側の主面に、カルボキシル基およびエステル結合を官能基として有する化合物を含有する防錆剤膜が形成されており、磁気テープに磁気抵抗効果型磁気ヘッドが摺接されることによって防錆剤膜が磁気抵抗効果素子の媒体摺接面に転写されるようにしたものとする。
【0030】
本発明に係る記録再生装置によれば、磁気テープに磁気抵抗効果型磁気ヘッドが摺接することによって、カルボキシル基およびエステル結合を官能基として有する化合物を含有する防錆剤膜が磁気抵抗効果素子の媒体摺接面に転写されることから、この防錆剤膜によって媒体摺接面が被覆され、磁気抵抗効果素子における腐食等の発生が回避される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッド、および磁気テープに適用する記録再生装置について、図を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
先ず、本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドを適用した磁気テープ用の記録装置について説明する。
図1に示す磁気テープ用の記録再生装置1は、ヘリカルスキャン方式によってテープカセット2に収納された磁気テープ3に対して情報信号の記録及び/又は再生を行うものである。
テープカセット2には、磁気テープ3を供給するための供給リール4と、この供給リール4から供給された磁気テープ3を巻き取るための巻取リール5とが回転可能に設けられている。
【0033】
記録再生装置1は、テープカセット2を着脱可能とする装置本体6を備え、この装置本体6には、テープカセット2のローディング時に供給リール4と巻取リール5との間で磁気テープ3の引き回しを行う複数のガイドローラ7a〜7fが設けられている。
【0034】
また、ガイドローラ7eとガイドローラ7fとの間には、テープ走行手段として、磁気テープ3が掛け合わされるピンチローラ8と、このピンチローラ8と共に磁気テープ3を挟み込むキャップスタン9と、このキャップスタン9を回転駆動するキャップスタンモータ10とが設けられている。
磁気テープ3は、ピンチローラ8とキャップスタン9との間に挟み込まれた状態で、キャップスタンモータ10によりキャップスタン9が、図1中矢印A方向に回転駆動されることによって、図1中矢印B方向に一定の速度および張力で走行するようになされている。
【0035】
また、ガイドローラ7cとガイドローラ7dとの間には、記録再生手段として、一対の記録用磁気ヘッド11a,11b、および一対の再生用磁気ヘッド12a,12bが搭載されたヘッドドラム13が設けられている。
磁気テープ3は、上述した複数のガイドローラ7a〜7fによってテープカセット2から引き出され、このヘッドドラム13に略180゜の角度範囲でヘリカル状に巻き付けられた状態で、図1中矢印B方向に走行する。
【0036】
ヘッドドラム13は、図1および図2に示すように、上下方向に組み合わされた一組の回転ドラム14および固定ドラム15と、回転ドラム14を回転駆動する駆動モータ16とを備え、互いの中心軸を一致させた状態でベースに対してやや斜めに傾斜した状態で配置されている。
【0037】
下ドラムを構成する固定ドラム15は、装置本体6のベースに固定支持されており、その円筒状の外周面15aには、磁気テープ3を案内するリードガイド17が形成されている。磁気テープ3は、このリードガイド17に沿って回転ドラム14の回転方向に対して斜めに走行される。
【0038】
一方、上ドラムを構成する回転ドラム14は、中心軸を一致させた略同径の固定ドラム15に対して回転可能に支持されると共に、固定ドラム15の下方に配置された駆動モータ16によって、図1および図2中矢印C方向に回転駆動される。また、回転ドラム14の固定ドラム15と対向する側の外周部には、磁気テープ3に対して信号の記録動作を行う一対の記録用磁気ヘッド11a、11bと、磁気テープ3に対して信号の再生動作を行う一対の再生用磁気ヘッド12a、12bとが取り付けられている。
【0039】
一対の記録用磁気ヘッド11a、11bは、一対の磁気コアが磁気ギャップを介して接合されると共に、磁気コアにコイルが巻装されてなるインダクティブ型磁気ヘッドである。
一対の記録用磁気ヘッド11a、11bは、回転ドラム14の回転中心に対して互いになす中心角が180°となる位置において互いに対向配置されている。
また、これら一対の記録用磁気ヘッド11a、11bは、それぞれの記録ギャップが回転ドラム14の外周面から外部に臨むように、回転ドラム14の外周面から僅かに突出して設けられている。なお、これら一対の記録ヘッド11a、11bは、磁気テープ3に対してアジマス記録を行えるように、互いの記録ギャップが磁気テープ3の走行方向と略直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置されている。
また、一対の記録ヘッド11a、11bは、互いのアジマス角が逆位相となるように設定されている。
【0040】
一方、一対の再生用磁気ヘッド12a、12bは、磁気テープ3からの信号を検出する感磁素子として磁気抵抗効果素子を具備する磁気抵抗効果型磁気ヘッドである。
これら一対の再生用磁気ヘッド12a、12bは、回転ドラム14の回転中心に対して互いになす中心角が180°となる位置において互いに対向配置されている。
また、これら一対の再生用磁気ヘッド12a、12bは、それぞれの再生ギャップが回転ドラム14の外周面から外部に臨むように、回転ドラム14の外周面から僅かに突出して設けられている。なお、これら一対の再生用磁気ヘッド12a、12bは、磁気テープ3に対してアジマス記録された信号を再生できるように、互いの再生ギャップが磁気テープ3の走行方向と略直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置されている。また、一対の再生用磁気ヘッド12a、12bは、互いのアジマス角が逆位相となるように設定されている。
【0041】
そして、このヘッドドラム13においては、回転ドラム14および固定ドラム15の外周面14a、15aに巻き付けられた磁気テープ3が図2中矢印B方向に走行しながら、駆動モータ16により回転ドラム14が図2中矢印C方向に回転駆動することによって、この回転ドラム14に搭載された一対の記録用磁気ヘッド11a、11b及び一対の再生用磁気ヘッド12a、12bが磁気テープ3と摺接しながら、信号の記録動作又は再生動作を行う。
【0042】
具体的に、記録時には磁気テープ3に対して一方の記録用磁気ヘッド11aが、記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で記録トラックを形成し、他方の記録用磁気ヘッド11bが、この記録トラックに隣接して記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で記録トラックを形成する。
そして、これら記録用磁気ヘッド11a、11bが磁気テープ3に対して繰り返し記録トラックを形成することによって、磁気テープ3に対して連続的に信号を記録することになる。
【0043】
一方、再生時には、磁気テープ3に対して、一方の再生用磁気ヘッド12aが、記録用磁気ヘッド11aにより記録された記録トラックから信号磁界を検出し、他方の再生用磁気ヘッド12bが、記録用磁気ヘッド11bにより記録された記録トラックから信号磁界を検出する。
そして、これら再生用磁気ヘッド12a、12bが記録トラックから繰り返し信号磁界を検出することによって、磁気テープ3に記録された信号を連続的に再生することになる。
【0044】
次に、図3および図4を参照して、本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッド20について詳細に説明する。
【0045】
磁気抵抗効果型磁気ヘッド20は、磁気記録媒体からの磁気信号の検出を行う感磁素子として、スピンバルブ膜を利用した巨大磁気抵抗効果素子(以下、GMR素子という。)を備える、いわゆる巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、GMRヘッドという。)である。
【0046】
このGMRヘッド20は、電磁誘導を利用して記録再生を行うインダクティブ型磁気ヘッドや異方性磁気抵抗効果型磁気ヘッドよりも感度が高く、再生出力が大きく高密度記録に適している。従って、上述した磁気テープ用記録再生装置1においては、GMRヘッド20を一対の再生用磁気ヘッド12a、12bに用いることにより、さらなる高密度記録化が図られる。
【0047】
具体的には、一対の再生用磁気ヘッド12a、12bは、図4に示すように、第1のコア部材21上に、例えばメッキ法やスパッタ法、蒸着法等の薄膜形成技術によりシールド層24、GMR素子27、ギャップ層26、およびシールド層25が形成されてなり、保護膜22を介して第2のコア部材23が貼り付けられた構造を有している。
また、一対の再生用磁気ヘッド12a、12bは、磁気テープ3と摺接する媒体摺接面20aが、図3中矢印Bに示す磁気テープ3の走行方向に沿って略円弧状に湾曲した曲面となっている。
そして、GMRヘッド20は、この媒体摺接面20aから外部に臨む再生ギャップが磁気テープ3の走行方向と略直交する方向に対してアジマス角θに応じて斜めとなるように配置されている。
【0048】
なお、一対の再生用磁気ヘッド12a、12bは、互いのアジマス角θが逆位相となる以外は、同一の構成を有している。従って、以下の説明においては、これら一対の再生用磁気ヘッド12a、12bをまとめてGMRヘッド20として説明する。
【0049】
このGMRヘッド20は、上下一対の磁気シールド層24、25の間にギャップ層26を介してGMR素子27が挟み込まれた構造を有している。
【0050】
一対の磁気シールド層24、25は、GMR素子27を磁気的にシールドするのに充分な幅を有する軟磁性膜からなり、ギャップ層26を介してGMR素子27を挟み込むことにより、磁気テープ3からの信号磁界のうち、再生対象外の磁界がGMR素子27に引き込まれないように機能する。すなわち、このGMRヘッド20では、GMR素子27に対して再生対象外の信号磁界が一対の磁気シールド層24、25に導かれ、再生対象の信号磁界だけがGMR素子27へと導かれる。これにより、GMR素子27の周波数特性及び読み取り分解能の向上が図られている。
【0051】
ギャップ層26は、GMR素子27と一対の磁気シールド層24、25との間を磁気的に隔離する非磁性非導電性膜からなり、一対の磁気シールド層24、25とGMR素子27との間隔がギャップ長となる。
【0052】
GMR素子27は、スピンバルブ膜40からなり、このスピンバルブ膜40に対して面内方向に流れるセンス電流のコンダクタンスが、一対の磁性層の磁化の相対角度に依存して変化する、いわゆる巨大磁気抵抗効果を利用したものである。
【0053】
スピンバルブ膜40としては、例えば、図5(a)に示すように、下地層41、反強磁性層42、磁化固定層43、非磁性層44、磁化自由層45、および保護層46が、順次積層された構造を有するボトム型のスピンバルブ膜40aや、図5(b)に示すように、下地層41、磁化自由層45、非磁性層44、磁化固定層43、反強磁性層42、および保護層46が、順次積層された構造を有するトップ型のスピンバルブ膜40b、図5(c)に示すように、下地層41、反強磁性層42、磁化固定層43、非磁性層44、磁化自由層45、非磁性層44、磁化固定層43、反強磁性層42、および保護層46が、順次積層された構造を有するデュアル型のスピンバルブ膜40c等を挙げることができる。
【0054】
下地層41及び保護層46は、このスピンバルブ膜40の比抵抗の増加を抑制するためのものであり、例えばTa等により形成される。
【0055】
反強磁性層42は、耐食性に優れているPtMnにより形成することが好ましい。また、反強磁性層42は、PtMnの他にも、耐食性に優れたNiOや、IrMn、CrMnPt、α−Fe、RhMn、NiMn、PdPtMn等により形成することができる。
【0056】
また、磁化固定層43及び磁化自由層45には、優れた耐食性を示し、かつ良好な軟磁気特性を示すNiFe又はCoNiFeが用いることが好ましく、更に好ましくは、磁化固定層43および磁化自由層45ともにNiFeとCoNiFeの組合せで用いることが好ましい。
また、磁化固定層43および磁化自由層45は、これらの合金を積層した積層構造、もしくはこれらの合金と、例えばRu等からなる非磁性膜とを交互に積層した積層フェリ構造としてもよい。
【0057】
また、非磁性層44には、優れた耐食性を示し、かつ高導電性を示すCu、CuAu、またはAuが用いることが好ましく、更に好ましくは、GMR素子27のMR比を高くし,出力を上げることができるCuまたはCuAuを用いることが好ましい。
【0058】
ここでは、GMR素子27として、例えば下層層41となるTaと、磁化自由層45となるNi80Fe20及びCo50Ni30Fe20と、非磁性層となるCu70Au30と、磁化固定層43となるNi80Fe20及びCo50Ni30Fe20と、反強磁性層42となるPtMnと、保護層46となるTaとが順次積層されてなるスピンバルブ膜40を備える構成とした。
【0059】
このスピンバルブ膜40において、磁化固定層43は、反強磁性層42に隣接して配置されることによって、この反強磁性層42との間で働く交換結合磁界により、所定の方向に磁化が固定された状態となっている。
一方、磁化自由層45は、非磁性層44を介して磁化固定層43と磁気的に隔離されることによって、微弱な外部磁界に対して磁化方向が容易に変化することが可能となっている。
【0060】
従って、スピンバルブ膜40では、外部磁界が印加されると、この外部磁界の大きさや向きに応じて、磁化自由層45の磁化方向が変化する。そして、この磁化自由層45の磁化方向が磁化固定層43の磁化方向に対して、逆方向(反平行)となるとき、このスピンバルブ膜40に流れる電流の抵抗値が最大となる。
一方、磁化自由層45の磁化方向が磁化固定層43の磁化方向に対して、同一方向(平行)となるときに、このスピンバルブ膜40に流れる電流の抵抗値が最小となる。
【0061】
このように、スピンバルブ膜40は、印加される外部磁界に応じて電気抵抗が変化することから、この抵抗変化を読み取ることによって磁気テープ3からの磁気信号を検出する感磁素子として機能している。
【0062】
また、このGMR素子27の動作の安定化を図るため、スピンバルブ膜40の長手方向の両端部には、図3および図4に示すように、このGMR素子27にバイアス磁界を印加するための一対の永久磁石膜28a、28bが設けられている。
そして、これら一対の永久磁石膜28a、28bに挟み込まれた部分の幅が、GMR素子27の再生トラック幅Twとなっている。
さらに、一対の永久磁石膜28a、28b上には、このGMR素子27の抵抗値を減少させるための一対の低抵抗化膜29a、29bが設けられている。
【0063】
また、GMR素子27には、スピンバルブ膜28にセンス電流を供給するための一対の導体部30a、30bが、その一端部側をそれぞれ一対の永久磁石膜28a、28b及び低抵抗化膜29a、29bに接続するように設けられている。
また、導体部30a、30bの他端部側には、外部回路と接続される一対の外部接続用端子31a、31bが設けられている。
【0064】
保護膜22は、GMRヘッド20が形成された第1のコア部材21の主面を外部接続用端子31a、31bが外部に臨む部分を除いて被覆すると共に、このGMRヘッド20が形成された第1のコア部材21と第2のコア部材23とを接合する。
【0065】
なお、図3および図4に示すGMRヘッド20は、特徴をわかりやすくするために、GMR素子27の周辺を拡大して図示されているが、実際には、第1のコア部材21及び第2のコア部材23と比べてGMR素子27は非常に微細であり、媒体摺接面20aにおいて、GMRヘッド20が外部に臨むのは、ほとんど第1のコア部材21と第2のコア部材23とが突き合わされた上部端面だけである。
【0066】
上述したように構成されるGMRヘッド20は、チップベース(図示せず)に貼り付けると共に、一対の外部接続用端子31a、31bがチップベースに設けられた接続端子と電気的に接続される。
そして、チップベースに設けられたGMRヘッド20は、一対の再生用磁気ヘッド12a、12bとして、図2に示す回転ドラム14に取り付けられる。
【0067】
ところで、上述した磁気テープ用記録再生装置1では、GMRヘッド20が磁気テープ3に対して接触した状態で再生動作を行うことから、磁気テープ3と摺接されるGMRヘッド20の媒体摺接面20aに、DLC(Diamond Like Carbon)膜等の保護膜を形成することができない。
このため、従来の磁気テープ用記録再生装置は、GMRヘッドの媒体摺接面が直接大気と触れることになり、高温高湿下や海水雰囲気中においてGMR素子の腐食等が発生しやすくなるといった問題があった。
【0068】
かかる点に鑑みて本発明のGMRヘッド20は、図3に示すように、磁気テープ3と摺接される媒体摺接面20aに、カルボキシル基およびエステル結合を官能基として有する化合物を含有する防錆剤膜50を形成した。
【0069】
防錆剤膜50は、上記カルボキシル基およびエステル結合を官能基として有する化合物を含有する防錆剤を、GMRヘッド20の媒体摺接面20aに塗布することにより形成することができる。
【0070】
上記カルボキシル基およびエステル結合を官能基として有する化合物は、パーフルオルポリエーテル鎖(PFPE)、あるいはフロロアルキル鎖を有するものであることが好ましい。パーフルオルポリエーテル鎖(PFPE)、あるいはフロロアルキル鎖中のフッ素により撥水性をもたせ、水分の吸着を抑制し、耐食性を向上することができる。また、フッ素は磁気テープ走行時における耐久性を向上させる作用がある。
さらには、カルボン酸化合物は摩擦低下に効果があり、磁気テープ走行時の摩擦を低下させ、磁気テープおよび磁気ヘッドの摩擦力が緩和され、走行耐久性が向上する。
【0071】
ここで、パーフルオロポリエーテルおよびフロロアルキルは、市販のものをいずれも適用可能であるが、好ましくは、上記カルボン酸およびエステルが官能基として有する化合物としては下記〔化1〕、あるいは〔化2〕、あるいは〔化3〕、あるいは〔化4〕で示される化合物が挙げられ、上記パーフルオルポリエーテル鎖あるいはフロロアルキル鎖の平均分子量は、特に制約されるものではないが、実用的には300〜8000であることが好ましい。平均分子量が300未満になると磁気テープの摩擦が高くなり、磁気テープ走行時のドラムへの貼り付きの原因となる。一方、平均分子量が8000よりも大きくなると、有機溶媒に対して溶けにくくなり、さらには凝集するため磁気テープへ塗布する時に塗布ムラが起こりやすくなる。
カルボキシル基およびエステル結合を官能基として有する化合物を塗布する際には、既存の炭化水素系溶媒に溶解して塗布すればよい。また塗布方法についても公知の方法がいずれも適用できる。
【0072】
【化1】
Figure 2004178732
【0073】
【化2】
Figure 2004178732
【0074】
【化3】
Figure 2004178732
【0075】
【化4】
Figure 2004178732
【0076】
但し、上記〔化1〕〜〔化4〕のRfは、パーフルオロポリエーテル鎖、あるいはフロロアルキル鎖を示し、Rはアルキル基、またはフッ化アルキル基を示す。
【0077】
カルボキシル基およびエステル結合を官能基として有する化合物は、上述したスピンバルブ膜40の磁気抵抗変化率(MR比)に影響を与える非磁性層44のCuやCuAuとの反応性が良く、被覆性に富み、海水雰囲気下での塩素イオンに対する耐食性に優れているという特長を有している。
【0078】
また、防錆剤膜50の膜厚は、1〜500Åの範囲とすることが好ましい。
防錆剤膜50の膜厚が1Åよりも薄くなると、耐食性を維持することが困難となり、一方、この防錆剤膜50の膜厚が500Åよりも厚くなると、GMRヘッド20と磁気テープ3との間のスペーシングとなり、このGMRヘッド20の出力感度が低下してしまうためである。従って、この防錆剤膜50の膜厚を1〜500Åの範囲に規定することで、優れた耐食性を示し、かつ高い磁気抵抗変化率を維持することができる。また、防錆剤膜50の膜厚は、2〜200Åの範囲であることがより好ましく、さらには膜厚を5〜100Åの範囲に規定すれば、GMR素子27の腐食等の発生を防止すると共に、このGMR素子27の良好な短波長記録再生特性を得ること可能である。
【0079】
なお、具体的には、上述したスピンバルブ膜40を構成する非磁性層44のCuAuとの反応性が良く、海水雰囲気下での塩素イオンに対する耐食性に優れた防錆剤膜50として、下記〔化5〕に示すカルボキシル基およびエステル結合を官能基として有する化合物を塗布により形成したことにより、上述したような優れた効果が確認された。
【0080】
【化5】
Figure 2004178732
【0081】
但し、上記〔化5〕のRfは、F(CF12(CH−を示し、RはC1837−を示す。
【0082】
上述したように、本発明に係るGMRヘッド20においては、磁気テープ3と摺接される媒体摺接面20aに、例えばDLC膜等の保護膜を形成しない場合においても、媒体摺接面20aに形成された防錆剤膜50によって、大気中や海水雰囲気中、高温高湿下において優れた耐食性を発揮することが可能である。従って、本発明のGMRヘッド20においては、GMR素子27の腐食等の発生を回避でき、磁気テープ3に対する適切な再生動作を行うことが可能である。
【0083】
次に、本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドに適用する磁気記録媒体について、図を参照して説明する。
【0084】
図6に示す磁気記録媒体60は、非磁性支持体上に金属磁性材膜を斜方に蒸着させてなる、いわゆる蒸着型の磁気テープであるものとする。
磁気テープは、保磁力、残留磁化、角形比等に優れ、短波長での電磁変換特性に優れるばかりでなく、磁性層の膜厚を極めて薄くできるため、記録減磁や再生時の厚み損失が小さいこと、磁性層中に非磁性材である結合剤を混入する必要がないため、磁性材料の充填密度を高め、大きな磁化を得ることができる等、数々の利点を有している。
上述した磁気テープ用の記録再生装置1では、このような磁気記録媒体60をテープカセット2の磁気テープ3に用いることで、電磁変換特性を向上させ、より大きな出力を得ることが可能である。
【0085】
具体的には、磁気記録媒体60は、テープ状の非磁性支持体61上に、金属磁性薄膜からなる磁性層62と、この磁性層62を保護する保護層63とが、順次積層された構成を有している。
【0086】
非磁性支持体61の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフイン類、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、アラミド樹脂、ポリカーボネート等のプラスチック等が挙げられる。
非磁性支持体61は、単層構造であっても多層構造であってもよい。また、例えば、非磁性支持体61の表面には、コロナ放電処理等の表面処理が施されていてもよく、易接着層等の有機物層が下塗層として形成されていてもよい。
【0087】
磁性層62は、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、イオンプレーティング法等、従来公知の手法を用いて金属磁性薄膜を被着することにより成膜することができる。特に、真空蒸着法により成膜されたものが好ましい。
金属磁性薄膜の膜厚は、ラインスピードを変化されることにより制御することが可能であり、残留磁化量は蒸着中の酸素導入量を変化させることにより制御することが可能であり、例えば、15〜50nm程度の膜厚の金属磁性薄膜を確実に成膜することができる。
また、磁性層62の金属磁性薄膜は、例えば、Cr下地層上に成膜されてもよい。下地層としては、Crの他に、CrTi、CrMo、CrV等が使用される。また、磁性層62は、単層構造であっても多層構造であってもよい。
【0088】
磁気記録媒体60においては、残留磁化量Mrと磁性層の膜厚tとの積Mr・tが、4mA〜17mAであることが好ましく、さらには4mA〜13mAであることが望ましい。磁気記録媒体60のMr・tが17mAよりも大きいと、GMRヘッド20が飽和して、MR抵抗変化が線形な領域を外れ、再生波形が歪むという不都合が生じ、また、Mr・tが4mAよりも小さいと、再生出力が小さく、良好なSN比(信号/ノイズ比)が得られなくなるという問題を生じる。よって、Mr・tを、4mA〜17mAの範囲にすることで、再生波形の歪みがなく、再生出力が大きく良好なSN比を有するものとなる。
【0089】
上記Mrおよびtについては、蒸着時の酸素導入量と非磁性支持体の送りスピード等の成膜条件を制御することによって調整することができる。すなわち、蒸着時の酸素導入量を少なくすることによりMrを大きくし、酸素導入量を多くすることによりMrを小さくすることができる。
また、蒸着時の非磁性支持体61の送りスピードを遅くすることにより、膜厚tを厚くでき、送りスピードを速くすることにより膜厚tを薄くできる。
また、磁性層62の形成後の表面酸化処理によってもMrを調整することができる。
【0090】
残留磁化量Mrは、160kA/m〜360kA/mの範囲であることが好ましい。Mrが360kA/mよりも大きいと、磁性粒子の分離が出来ず、磁気的相互作用によりノイズが増大してしまい、また、Mrが160kA/mよりも小さいと、Co粒子の酸化が進行し、充分な再生出力を得ることが出来ないためである。従って、ノイズを減少させ、充分な再生出力を付与するためには、Mrを160kA/m〜360kA/mの範囲に規定することが望ましく、さらには、200kA/m〜340kA/mの範囲とすることが好ましい。
【0091】
また、磁気記録媒体60の表面電気抵抗は、1×10Ω/sq〜1×10Ω/sqの範囲とすることが好ましい。表面電気抵抗が1×10Ω/sqよりも大きいと、磁気テープ3の走行中などにテープ表面に大きな電荷が帯電し、GMRヘッド20と接触した際にESD破壊(静電破壊)の原因となり、また表面電気抵抗が1×10Ω/sqよりも小さいと、媒体表面に電荷が流れやすくなり、GMRヘッド20と接触したときにヘッドに電流が急激に流れ、ESD破壊の原因となるためである。従って、表面電気抵抗を1×10Ω/sq〜1×10Ω/sqの範囲に規定することにより、金属磁性薄膜表面の帯電、または電流の流れを抑制して、GMRヘッド20の静電破壊を防止することができる。
【0092】
金属磁性薄膜の膜厚tは、15nm〜50nmの範囲であることが好ましい。tを上記のように規定することにより、磁気記録媒体60のMr・t、Mr、表面電気抵抗を、それぞれ上述した範囲に調整することが可能となる。
【0093】
磁気記録媒体60においては、面内方向での保磁力Hcは、100kA/m〜160kA/mの範囲であることが好ましい。保磁力が100kA/mよりも小さいと、低ノイズ化、高SN比を実現することができず、また、保磁力が160kA/mを超えると、充分な記録が出来なくなり、再生出力が低下してしまうためである。従って、面内方向での保磁力を100kA/m〜160kA/mの範囲に規定することで、低ノイズ化、高SN比を実現することができ、高い再生出力が得られる。
【0094】
上述したように、磁気記録媒体60においては、残留磁化量Mrと磁性層の膜厚tとの積Mr・tが、4mA〜17mAの範囲にされているので、再生波形の歪みがなく、再生出力が大きく良好なSN比を有するものとなる。
また、磁気記録媒体60においては、Mrが160kA/m〜360kA/mの範囲にされているので、ノイズを減少させ、充分な再生出力を有するものとなる。
また、磁気記録媒体60においては、金属磁性薄膜の表面電気抵抗が1×10Ω/sq〜1×10Ω/sqの範囲にされていることで、金属磁性薄膜表面の帯電、または電流の流れを抑制して、GMRヘッド20の静電破壊を防止することができる。従って本発明の磁気記録媒体60においては、ノイズの低減化が図られ、高い再生出力、および良好なSN比を有すると共に、GMRヘッド20で再生した場合のヘッドの飽和及び静電気破壊を防止することが可能である。
【0095】
保護層63は、通常の金属磁性薄膜用の保護膜として使用されるものであれば、如何なる材料であってもよく、例えばダイヤモンドライクカーボン(DLC)や、CrO、Al、BN、Co酸化物、MgO、SiO、Si、SiN、SiC、SiN−SiO、ZrO、TiO、TiC等が挙げられる。また、これらの単層膜であってもよく、多層膜あるいは複合膜であってもよい。
なお、上述した表面電気抵抗は、例えば、この金属磁性薄膜上に形成されるダイヤモンドライクカーボン(DLC)保護膜の膜厚等を制御することによって調整することも可能である。
【0096】
磁気記録媒体60には、磁性層62が形成された側の主面を被覆するトップコート層64として、GMRヘッド20の媒体摺接面20aに形成された防錆剤膜50と同一材料からなる防錆剤膜を形成してもよい。
【0097】
トップコート層64を形成する防錆剤膜は、GMRヘッド20の媒体摺接面20aに防錆剤膜50を転写するために、磁気記録媒体60のGMRヘッド20が摺接される側の主面に所定の膜厚で形成する。
【0098】
従って、磁気記録媒体60においては、GMRヘッド20が摺接されることによって、GMRヘッド20の媒体摺接面20aに防錆剤膜が転写され、この転写された防錆剤膜(図3中の50)によってGMR素子27の腐食等の発生が回避される。
【0099】
また、磁気記録媒体60には、磁性層62が形成された主面とは反対側の主面を被覆するバックコート層65として、上述したGMRヘッド20の媒体摺接面20aに形成された防錆剤膜と同一材料からなる防錆剤膜が所定の膜厚で形成されている。
【0100】
このバックコート層65は、図1中に示した供給リール4の巻回されることによって、バックコート層65と対向するトップコート層64に防錆剤膜を転写する。従って、このバックコート層65を形成する防錆剤膜は、磁気記録媒体60にGMRヘッド20が摺接されることによって、最終的にGMRヘッド20の媒体摺接面20aに転写される。
【0101】
なお、これらトップコート層64およびバックコート層65を構成する防錆剤膜の膜厚は、GMRヘッド20の媒体摺接面20aに形成された防錆剤膜と同様に、1〜500Åの範囲とすることが好ましく、さらには2〜200Åの範囲、さらには5〜100Åの範囲とすることが望ましい。
【0102】
上述したように、本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドに適用する磁気記録媒体60は、GMRヘッド20が摺接された際に、GMRヘッド20の媒体摺接面20aに防錆剤膜を、直接または間接的に転写するものであることから、GMRヘッド20の媒体摺接面20aに防錆剤膜50が形成されていない場合においても、転写された防錆剤膜によって、GMR素子27の腐食等の発生を回避することが可能である。
また、GMRヘッド20の媒体摺接面20aに形成された防錆剤膜50が摩耗により減少した場合でも、磁気記録媒体60から防錆剤膜が直接または間接的に転写されることによって、防錆剤膜50を所望の膜厚に維持することが可能である。従って、磁気テープ用記録再生装置1に装填されるテープカセット2の磁気テープ3として特に好適なものである。
【0103】
なお、磁気記録媒体60は、上述した構成に限定されるものではなく、必要に応じて磁性層62上に保護層63が形成されていない構成としてもよい。この場合、磁性層62上に防錆剤膜(トップコート層64)が直接被覆される構成となり、この防錆剤膜によって磁性層62の酸化や腐食等の発生を防ぐことも可能である。
また、磁気記録媒体60は、その両面に防錆剤膜が形成された構成に限らず、磁性層62が形成された側の主面のみに防錆剤膜を形成したものや、磁性層62が形成された側の主面とは反対側の主面のみに防錆剤膜を形成したものであってもよい。
【0104】
上述したように、磁気テープ用の記録再生装置1においては、本発明のGMRヘッド20と磁気記録媒体60とを組み合わせることで、これまでにない高密度記録再生システムを構築することが可能である。そして、この磁気テープ用の記録再生装置1においては、ヘリカルスキャン方式により磁気記録媒体60に対してGMRヘッド20を摺接しながら磁気信号の検出を行った際でも、GMRヘッド20の媒体摺接面20aの腐食等の発生を防止することができる。
【0105】
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
【実施例】
先ず、上述した防錆剤膜を媒体摺接面に形成したGMRヘッドと、防錆剤膜を媒体摺接面に形成しなかったGMRヘッドとをそれぞれ作製し、磁気テープ用の記録再生装置を用いて磁気テープを走行させずに、これらGMRヘッドを放置した場合の耐食性について調べた。
【0106】
ここでは、第1の磁気ヘッドとして、下地層となるTa膜と、磁化自由層となるNiFe膜、及びCoNiFe膜と、非磁性層となるCu膜と、磁化固定層となるNiFe膜と、反強磁性層となるPtMn膜と、保護層となるTa膜とが順次積層されてなるスピンバルブ膜を備えるGMRヘッドを作製し、第2の磁気ヘッドとして、下地層となるTa膜と、磁化自由層となるNiFe膜及びCoNiFe膜と、非磁性層となるCuAu膜と、磁化固定層となるNiFe膜と、反強磁性層となるPtMn膜と、保護層となるTa膜とが順次積層されてなるスピンバルブ膜を備えるGMRヘッドを作製した。
【0107】
上記第1の磁気ヘッドおよび第2の磁気ヘッドについて、媒体摺接面に防錆剤膜を形成しなかった場合と、媒体摺接面にカルボキシル基およびエステル結合を官能基として有する化合物からなる防錆剤膜を形成した場合とで、それぞれ腐食発生の有無についての評価を行った。
試験に用いた防錆剤膜を構成する化合物を、下記表1に示した。
【0108】
【表1】
Figure 2004178732
【0109】
評価結果を下記表2に示す。なお表2において、◎は、本腐食試験において腐食の発生がなく優れた耐食性が確認された場合を示し、○は、本腐食試験において腐食の発生が確認されなかった場合を示し、×は、本腐食試験において腐食の発生が確認された場合を示す。
【0110】
【表2】
Figure 2004178732
【0111】
上記表2に示す評価結果から、第1の磁気ヘッドおよび第2の磁気ヘッドにおいては、いずれも防錆剤膜を形成しなかった場合に腐食が発生した。
これに対して、媒体摺接面に防錆剤膜を形成した場合には、いずれも腐食の発生がなく、優れた耐食性を示した。
【0112】
次に、防錆剤膜を媒体摺接面に形成したGMRヘッドと、防錆剤膜を媒体摺接面に形成しなかったGMRヘッドとを作製すると共に、防錆剤膜を表面に形成した磁気テープと、防錆剤膜を表面に形成しなかった磁気テープとを作製し、磁気テープ用の記録再生装置において、GMRヘッドを磁気テープに摺接させた際に、これらGMRヘッドと磁気テープとの組合せによる腐食発生の有無についての評価を行った。
【0113】
なお、磁気ヘッドとしては、上述した第1の磁気ヘッドを用い、防錆剤膜として、上記表1に示した化合物1を用い、磁気テープとしては、磁性層が形成された側の主面のみ防錆剤膜を塗布により形成したものを用いた。
【0114】
評価結果を下記表3に示す。なお、表3においては、◎は、本腐食試験において腐食の発生がなく優れた耐食性が確認された場合を示し、○は、本腐食試験において腐食の発生が確認されなかった場合を示し、×は、本腐食試験において腐食の発生が確認された場合を示す。
【0115】
【表3】
Figure 2004178732
【0116】
上記表3に示すように、防錆剤膜を媒体摺接面に形成しなかったGMRヘッドを、防錆剤膜を表面に形成しなかった磁気テープに摺接させた場合には、腐食が発生することがわかる。
これに対して、防錆剤膜を媒体摺接面に形成したGMRヘッドを、防錆剤膜を表面に形成しなかった磁気テープに摺接させた場合、並びに、防錆剤膜を媒体摺接面に形成しなかったGMRヘッドを、防錆剤膜を表面に形成した磁気テープに摺接させた場合には、腐食の発生がなく、特に、防錆剤膜を媒体摺接面に形成したGMRヘッドを、防錆剤膜を表面に形成した磁気テープに摺接させた場合には、優れた耐食性を示すことがわかる。
【0117】
次に、防錆剤膜を表面に形成しなかった磁気テープと、磁性層が形成された側の主面のみ防錆剤膜を形成した磁気テープと、磁性層が形成された側の主面とは反対側の主面のみ防錆剤膜を形成した磁気テープと、両面に防錆剤膜を形成した磁気テープとをそれぞれ作製し、これら磁気テープに防錆剤膜が媒体摺接面に形成されていないGMRヘッドを摺接させた際の腐食発生の有無についての評価を行った。
【0118】
なお、磁気ヘッドとして、上述した第1の磁気ヘッドを用い、防錆剤膜としては、表1に示した化合物2を用いた。
【0119】
評価結果を下記表4に示す。なお、表4においては、◎は、本腐食試験において腐食の発生がなく優れた耐食性が確認された場合を示し、○は、本腐食試験において腐食の発生が確認されなかった場合を示し、×は、本腐食試験において腐食の発生が確認された場合を示す。
【0120】
【表4】
Figure 2004178732
【0121】
上記表4に示すように、防錆剤膜を表面に形成しなかった磁気テープにGMRヘッドを摺接させた場合には、腐食が発生することがわかる。
これに対して、磁性層が形成された側の主面のみ防錆剤膜を形成した磁気テープにGMRヘッドを摺接させた場合、並びに磁性層が形成された側の主面とは反対側の主面のみ防錆剤膜を形成した磁気テープにGMRヘッドを摺接させた場合には、腐食の発生がなく、特に、両面に防錆剤膜を形成した磁気テープにGMRヘッドを摺接させた場合には、優れた耐食性を示すことがわかる。
【0122】
次に、磁性層が形成された側の主面に防錆剤膜を形成しなかった磁気テープと、磁性層が形成された側の主面に防錆剤膜を形成した磁気テープとを、それぞれ作製し、これら磁気テープの腐食発生の有無についての評価を行った。
【0123】
なお、ここでは、作製された磁気テープの残留磁化量Mrは285mA/mであり、金属磁性薄膜の膜厚tは40nmであり、それらの積Mr・tは、12mAであり、保磁力Hcは、120kA/mであった。
また、防錆剤膜としては、上記表1に示した化合物1〜3を適用した。
【0124】
評価結果を下記表5に示す。なお、表5においては、○は、本腐食試験において腐食の発生が確認されなかった場合を示し、×は、本腐食試験において腐食の発生が確認された場合を示す。
【0125】
【表5】
Figure 2004178732
【0126】
上記表5の評価結果から、磁性層が形成された側の主面に防錆剤膜を形成しなかった磁気テープにおいては、腐食が発生することがわかる。
これに対して、磁性層が形成された側の主面に防錆剤膜を形成した磁気テープにおいては、腐食の発生がなく、優れた耐食性を示すことがわかる。
【0127】
【発明の効果】
本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドによれば、磁気抵抗効果素子の媒体摺接面に、カルボキシル基およびエステル結合を官能基として有する化合物を含有する防錆剤膜が形成されているので、磁気抵抗効果素子の媒体摺接面に腐食等が発生することが防止でき、磁気記録媒体に対する適切な再生動作を行うことが可能となった。
【0128】
また、本発明に係る記録再生装置によれば、磁気テープに磁気抵抗効果型磁気ヘッドが摺接することによって、カルボキシル基およびエステル結合を官能基として有する化合物を含有する防錆剤膜が、磁気抵抗効果素子の媒体摺接面に転写されることから、磁気記録媒体から転写された防錆剤膜によって媒体摺接面が被覆され、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの磁気抵抗効果素子に腐食等が発生することを防ぐことができた。したがって、磁気抵抗効果型磁気ヘッドと磁気テープとを組み合わせることにより、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの腐食等の発生を防ぎつつ、磁気テープの更なる高記録密度化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気テープ用の記録再生装置の概略平面図を示す。
【図2】記録再生装置を構成するヘッドドラムの概略斜視図を示す。
【図3】本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの概略斜視図を示す。
【図4】GMRヘッドを媒体摺接面側から見た端面図を示す。
【図5】(a) ボトム型のスピンバルブ膜の概略断面図を示す。
(b) トップ型のスピンバルブ膜の概略断面図を示す。
(c) デュアル型のスピンバルブ膜の概略断面図を示す。
【図6】本発明の記録再生装置に適用する磁気記録媒体の概略断面図を示す。
【符号の説明】
1……磁気テープ装置、2……テープカセット、3……磁気テープ、4……供給リール、5……巻取リール、6……装置本体、7a〜7f……ガイドローラ、8……ピンチローラ、9……キャップスタン、10……キャップスタンモータ、11a,11b……記録用磁気ヘッド、12a,12b……再生用磁気ヘッド、13……ヘッドドラム、14……回転ドラム、15……固定ドラム、16……駆動モータ、20……磁気抵抗効果型磁気ヘッド、20a……媒体摺接面、21…… 第1のコア部材、22……保護膜、23……第2のコア部材、24,25……シールド層、26……ギャップ層、27……GMR素子、28a,28b……永久磁石膜、29a,29b……低抵抗膜、30a,30b……導体部、31a,31b……外部接続用端子、40……スピンバルブ膜、42……反強磁性層、43 ……磁化固定層、44……非磁性層、45……磁化自由層、50……防錆剤膜、60……磁気記録媒体、61……非磁性支持体、62……磁性層、63……保護層、64……トップコート層、65……バックコート層

Claims (4)

  1. 磁気記録媒体と摺接しながら磁気信号の検出を行う感磁素子としての磁気抵抗効果素子を具備する磁気抵抗効果型磁気ヘッドであって、
    上記磁気抵抗効果素子の、上記磁気記録媒体との摺接面に、カルボキシル基およびエステル結合を官能基として有する化合物を含有する防錆剤膜が形成されていることを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  2. 回転ドラムに搭載されてヘリカルスキャン方式によりテープ状の磁気記録媒体と摺接しながら磁気信号の検出を行うことを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  3. 磁気テープと、当該磁気テープを走行させるテープ走行手段と、当該テープ走行手段により走行される磁気テープと摺接しながら磁気信号の検出を行う感磁素子としての磁気抵抗効果素子を有する磁気抵抗効果型磁気ヘッドとを具備する記録再生装置であって、
    上記磁気テープの、上記磁気抵抗効果型磁気ヘッドが摺接される側の主面及び/又は当該主面とは反対側の主面に、カルボキシル基およびエステル結合を官能基として有する化合物を含有する防錆剤膜が形成されており、
    上記磁気テープに上記磁気抵抗効果型磁気ヘッドが摺接されることによって、上記防錆剤膜が上記磁気抵抗効果素子の媒体摺接面に転写されるようになされていることを特徴とする記録再生装置。
  4. 上記磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、回転ドラムに搭載されてヘリカルスキャン方式により上記磁気テープと摺接しながら磁気信号の検出を行うことを特徴とする請求項3に記載の記録再生装置。
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