JP2004362708A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

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Hiroki Tetsukawa
弘樹 鉄川
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Abstract

【課題】磁気ヘッドの媒体摺動面に腐食の発生を防止し、かつ静電破壊の発生を効果的に回避した信頼性の高い磁気記録再生装置を提供する。
【解決手段】スピンバルブ膜40を構成する非磁性層がCuAuからなるものとし、Cu、Auの組成比を、それぞれ(100−a)、a(但しaは、原子%を表す。)としたときの組成範囲は5≦a<25であり、磁化固定層及び磁化自由層がNiFe又はCoNiFeからなるものとし、Co、Ni、及びFeの組成比を、それぞれb、c、d(b、c、dは、それぞれ原子%を表す。)としたときの組成範囲は0≦b≦80、10≦c≦95、5≦d≦55(b+c+d=100原子%)であり、適用する磁気記録媒体の金属磁性薄膜の残留磁化量Mrと膜厚tとの積Mr・tが、4mA〜20mAであり、残留磁化量Mrが、160kA/m〜400kA/mであるものとした磁気記録再生装置を提供する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録媒体と摺接しながら磁気信号の検出を行う感磁素子としてスピンバルブ膜を用いた磁気抵抗効果型磁気ヘッドを具備する磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録媒体から信号磁界を検出する感磁素子として、外部磁界の大きさや向きによって抵抗値が変化する、いわゆる磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子(以下、MR素子という。)が利用されている。そして、このようなMR素子を備える磁気ヘッドは、一般に磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、MRヘッドという。)と呼ばれている。
【0003】
このようなMR素子としては、異方性磁気抵抗効果を利用したものが従来から使用されているが、磁気抵抗変化率(MR比)が小さいために、より大きなMR比を示すものが望まれており、近年においてはスピンバルブ膜を利用した巨大磁気抵抗効果素子(以下、GMR素子という。)が提案されている(例えば、非特許文献1、特許文献1参照。)。
【0004】
GMR素子は、一対の磁性層で非磁性層を挟持してなるスピンバルブ膜を有し、このスピンバルブ膜に対して面内方向に流れる、いわゆるセンス電流のコンダクタンスが一対の磁性層の磁化の相対角度に依存して変化する、いわゆる巨大磁気抵抗効果を利用したものである。
具体的には、スピンバルブ膜は、反強磁性層と、反強磁性層との間で働く交換結合磁界により所定の方向に磁化が固定された磁化固定層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する磁化自由層と、磁化固定層と磁化自由層との間を磁気的に隔離する非磁性層とが積層された構造を有している。
【0005】
スピンバルブ膜を利用したGMR素子においては、外部磁界が印加されると外部磁界の大きさや向きに応じて磁化自由層の磁化方向が変化する。そして、磁化自由層の磁化方向が磁化固定層の磁化方向に対して逆方向(反平行)となるとき、このスピンバルブ膜に流れるセンス電流の抵抗値が最大となる。一方、磁化自由層の磁化方向が磁化固定層の磁化方向に対して同一方向(平行)となるとき、このスピンバルブ膜に流れるセンス電流の抵抗値が最小となる。
【0006】
従って、上述したようなGMR素子を備える磁気ヘッド(以下、GMRヘッドという。)においては、GMR素子に対して一定のセンス電流を供給すると、磁気記録媒体からの信号磁界に応じて、このGMR素子を流れるセンス電流の電圧値が変化することになり、このセンス電流の電圧値の変化を検出することによって、磁気記録媒体からの磁気信号を読み取ることが可能となる。
【0007】
下記特許文献1には、GMRヘッドをハードディスクドライブに利用する例が開示されている。
ハードディスクドライブは、例えばサスペンションの先端部に取り付けられたヘッドスライダにGMRヘッドが搭載された構造を有し、磁気ディスクの回転により生じる空気流を受けて、ヘッドスライダが磁気ディスクの信号記録面上を浮上しながら、このヘッドスライダに搭載されたGMRヘッドが磁気ディスクに記録された磁気信号を読み取ることによって、磁気ディスクに対する再生動作が行われる。
【0008】
上記GMRヘッドは、磁気ディスク装置に限らず、近年においてはテープストリーマ等の磁気テープ装置についての利用も検討されている。
例えばヘリカルスキャン方式を採用するテープストリーマは、回転ドラムの外周面部にGMRヘッドが磁気テープの走行方向と略直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置された構造を有している。
そして、テープストリーマでは、磁気テープが回転ドラムに対して斜めに走行しながら、回転ドラムが回転駆動し、この回転ドラムに搭載されたGMRヘッドが磁気テープと摺動しながら、磁気テープに記録された磁気信号を読み取ることによって、磁気テープに対する再生動作が行われる。
【0009】
テープストリーマにおいては、GMRヘッドと磁気テープとの間の距離、いわゆるスペーシングを小さくすることが好ましいため、この観点からは磁気テープの表面は、平滑化することが望ましい。
【0010】
しかしながら、磁気テープの表面が鏡面化するに従って、磁気テープと回転ドラムの外周面部との接触面積が増加し、走行時において磁気テープと回転ドラムとの間に働く摩擦力が大きくなり、磁気テープと回転ドラムとの貼り付きが生じて、磁気テープのスムーズな走行が困難となる。
そこで、通常磁気テープの表面には、SiOフィラーや有機フィラー等により微小突起を設けることにより、回転ドラムの外周面部との接触面積を小さくし、磁気テープと回転ドラムとの間に働く摩擦力を小さくする等の工夫がなされている。
また、磁気テープの表面には、傷や腐食等の発生を防止するためのDLC膜等の保護膜が形成されている。
【0011】
ところで、従来のハードディスクドライブにおいては、GMRヘッドが磁気ディスクの信号記録面に対して非接触な状態で再生動作が行われる。また、スピンバルブ膜を構成する非磁性層には通常Cuが用いられており、磁気ディスクと対向するGMRヘッドの媒体対向面には、このCuの腐食を防止するためのDLC(Diamond Like Carbon)膜等の保護膜が形成されている。
【0012】
【非特許文献1】
フィジカル・レビュー・ビー(Physical Review B)、第43巻、第1号p1297〜p1300「軟磁性多層膜における巨大磁気抵抗効果」(Giant Magnetoresistance in Soft Ferromagnetic Multilayers)
【特許文献1】
特開平8−111010号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現在GMRヘッドの適用が検討されている磁気テープシステムにおいては、GMRヘッドが磁気テープに対して接触した状態で再生動作を行うことから、磁気テープと摺接するGMRヘッドの媒体摺動面に、上述した腐食等の発生を防止するための保護膜が形成されていると、再生動作時に磁気テープの表面に形成された微小突起や保護膜との接触によって保護膜が摩耗する。
さらに、GMRヘッドの媒体摺動面に形成された保護膜は、磁気テープとのスペーシングとなることから、GMRヘッドの短波長記録再生特性を劣化させる原因になる。
【0014】
従って、磁気テープ装置おいて適用するGMRヘッドの媒体摺動面に保護膜を形成することは不適当であると考えられる。
このため、磁気テープ装置においては、GMRヘッドの媒体摺動面が直接大気と触れることになり、例えば高温高湿下等の厳しい使用条件下においては腐食等が発生しやすいという問題があった。
【0015】
また、GMRヘッドの感度は、スピンバルブ膜に流れるセンス電流により決定され、このスピンバルブ膜を構成する各層の膜厚はnmオーダで形成されており、各層に僅かな腐食が発生しただけでも、各層の電気抵抗が変化してしまう。従って、GMRヘッドの媒体摺動面における腐食の発生は、このGMRヘッドのヘッド特性を大幅に劣化させてしまう。
【0016】
上記特許文献1においては、ハードディスクに適用する磁気抵抗効果型磁気ヘッドについての耐腐食性を改善させる検討がなされてはいるが、ハードディスク装置においては、磁気ヘッドが媒体上を直接摺動することがないため、磁気ヘッドの摩擦によるダメージ量は、テープシステムの方が大きいことが明らかである。
また、ハードディスク装置においては、媒体が外気にさらされることなく、パッケージングによって密閉状態となっていることから、微細な粉塵等による磁気ヘッドの破損の影響に関してもテープシステムの方が、より深刻であると考えられる。よって、磁気テープ装置に適用するGMRヘッドの耐腐食性に関する向上を図ることは、ハードディスクドライブ以上に重要であると言える。
【0017】
上述した問題点に鑑みて、特に磁気記録媒体と摺接しながら磁気信号の検出を行う感磁素子としてGMR素子を利用する場合には、例えば高温高湿環境下においても、優れた耐食性を実現でき、高い磁気抵抗変化率を維持することが必要である。
【0018】
ところで、テープシステムとしては、民生用カムコーダー、業務用カムコーダー、テープストリーマ、アーカイバルテープシステム等が挙げられるが、そのうち民生用カムコーダー、業務用カムコーダーの使用は、屋外、屋内を問わず、例えば海水雰囲気中のような極めて厳しい条件下においても使用されることが多い。また、磁気テープ装置の使用のみならず、テープカードリッジの交換等、磁気記録再生ヘッドが外気と直接接触する機会も多い。
【0019】
しかしながら、特に外部環境が整備された屋内で使用されるテープストリーマや、アーカイバルテープシステムにおいては、民生用、業務用カムコーダーのように海水雰囲気中等の極めて腐食に関して厳しい条件下で使用されることは考慮しなくてよい。また、民生用、業務用カムコーダーであっても必ずしも厳しい条件下で使用する場合ばかりではない。すなわち、外部環境に存在する元素の種類やその濃度等は腐食に大きく影響するので、使用環境に応じた耐食性を図ることが必要である。
【0020】
また、極めて高感度の磁気抵抗効果型の磁気ヘッドに対し、従来公知のインダクティブ型の磁気ヘッドに対応して設計されていた磁気記録媒体を高感度型の磁気ヘッドにそのまま適用すると、媒体ノイズが大きくなり、残留磁化量が大きいため、磁気ヘッドの飽和が生じてしまうという問題がある。
【0021】
また、従来公知のインダクティブ型の磁気ヘッドに対応して設計されていた磁気記録媒体を高感度型の磁気ヘッドにそのまま適用すると、磁気記録媒体の表面に設けられたSiOフィラーや有機フィラー等によって磁気抵抗効果型磁気ヘッド表面が摩耗するおそれがある。
インダクティブヘッド型の磁気ヘッドを利用する場合は磁気記録媒体からの磁束の変化量で信号を検知するため多少のヘッド摩耗は許容されるが、磁気抵抗効果型磁気ヘッドは素子の抵抗変化を検知するためナノオーダーのヘッド摩耗ですら磁気抵抗効果型磁気ヘッドの動作点が変化してしまい、検出される信号が変化してしまうという問題がある。
【0022】
そこで本発明においては、上述した問題点に鑑みて、特に、腐食を誘発するような元素量が少ない環境における使用を前提とした場合において、充分な耐食性を有し、かつ高感度の磁気抵抗効果型磁気ヘッドを備えた磁気記録再生装置を提供することとした。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気記録再生装置は、磁気信号の検出を行う感磁素子として、反強磁性層と、この反強磁性層との間で働く交換結合磁界により所定の方向に磁化が固定された磁化固定層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する磁化自由層と、磁化固定層と磁化自由層との間を磁気的に隔離する非磁性層とが積層された構成を有するスピンバルブ膜を備える磁気抵抗効果型磁気ヘッドを具備し、テープ状の非磁性支持体上に金属磁性薄膜が形成された磁気記録媒体と摺接しながら磁気信号の検出を行うものである。
スピンバルブ膜を構成する非磁性層はCuAuからなるものとし、Cu、Auの組成比を、それぞれ(100−a)、a(但しaは、原子%を表す。)としたとき、組成範囲は5≦a<25であるものとし、磁化固定層及び磁化自由層はNiFe又はCoNiFeからなるものとし、Co、Ni、及びFeの組成比を、それぞれb、c、d(b、c、dは、それぞれ原子%を表す。)としたとき、組成範囲は、0≦b≦80、10≦c≦95、5≦d≦55(b+c+d=100原子%)であるものとし、適用する磁気記録媒体の金属磁性薄膜の残留磁化量Mrと膜厚tとの積Mr・tが、4mA〜20mAであり、残留磁化量Mrが、160kA/m〜400kA/mであるものとする。
【0024】
本発明の磁気記録再生装置によれば、スピンバルブ膜の構成層についての耐食性に鑑みて、材料組成を特定したことによって、使用環境に応じた適切な耐食性が得られ、優れた磁気抵抗変化率を長時間において維持することが可能となる。
また、適用する磁気記録媒体の残留磁化量と磁性層の膜厚との積、ならびに残留磁化量を数値的に最適な範囲に特定したことにより、ノイズの低減化が図られ、磁気ヘッド飽和を効果的に回避でき、再生波形の歪みがなく、高SN化が実現できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の磁気記録再生装置について、図を参照して詳細に説明する。
図1に示す磁気記録再生装置1は、ヘリカルスキャン方式によって磁気テープ2に対して信号の記録及び/又は再生を行うものである。
磁気記録再生装置1においては、磁気テープ2を供給する供給リール3と、供給リール3から供給された磁気テープを巻き取る巻取リール4と、供給リール3と巻取リール4との間で磁気テープ2の引き回しを行う複数のガイドローラ5a〜5fとを具備し、磁気テープ2が図中矢印A方向に走行するようになされている。
【0026】
また、ガイドローラ5eとガイドローラ5fとの間には、テープ走行手段として、磁気テープ2が掛け合わされるピンチローラ5gと、このピンチローラ5gと共に磁気テープ2を挟み込むキャップスタン6と、このキャップスタン6を回転駆動するキャップスタンモータ6aとが設けられている。
磁気テープ2は、ピンチローラ5gとキャップスタン6との間に挟みこまれ、キャップスタンモータ6aによりキャップスタン6が、図1中矢印B方向に回転駆動することにより、矢印A方向に一定の速度及び張力で走行するようになされている。
【0027】
磁気記録再生装置1においては、ガイドローラ5cと5dとの間に、磁気テープ2に対して信号の記録動作、再生動作を行うヘッドドラム7が設けられている。
図2に示すように、ヘッドドラム7は、駆動モータ8により図中矢印A方向に回転駆動する回転ドラム9と、ベース(図示せず)に固定された固定ドラム10とを有しており、回転ドラム9の外周面部9aと固定ドラムの外周面部10aとは連続している。
【0028】
磁気テープ2は、図1に示したガイドローラによって導かれ、回転ドラム9及び固定ドラム10の外周面部9a、10aに、略180゜の角度範囲でヘリカル状に巻きつけられた状態で走行するようになされている。
また、固定ドラム10の外周面部10aには、磁気テープ2を案内するリードガイド10bが設けられており、このリードガイド10bに沿って磁気テープ2が回転ドラム9の回転方向に対して斜めに走行するようになっている。
【0029】
回転ドラム9の外周面部9aには、磁気テープ2に対して信号の記録動作を行う一対の記録用磁気ヘッド11a、11bと、磁気テープ2に対して信号の再生動作を行う一対の再生用磁気ヘッド12a、12bとが取り付けられている。
これら記録用磁気ヘッド11a及び再生用磁気ヘッド12aと、記録用磁気ヘッド11b及び再生用磁気ヘッド12bとは、互いに180゜の位相差をもって回転ドラム9の外周面部9aに対向配置されている。
また、記録用磁気ヘッド11a、11b及び再生用磁気ヘッド12a、12bは、その記録ギャップ及び再生ギャップが、磁気テープ2の走行方向と略直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置されている。
【0030】
従って、ヘッドドラム7においては、回転ドラム9及び固定ドラム10の外周面部9a、10aに掛け合わされた磁気テープが図2中矢印A方向に走行しながら、駆動モータ8により回転ドラム9が図2中矢印C方向に回転駆動することによって、回転ドラム9に搭載された一対の記録用磁気ヘッド11a、11b及び一対の再生用磁気ヘッド12a、12bが磁気テープ2と摺動しながら、信号の記録動作又は再生動作を行うことになる。
【0031】
具体的に、記録時には磁気テープ2に対して一方の記録用磁気ヘッド11aが、記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で記録トラックを形成し、他方の記録用磁気ヘッド11bが、この記録トラックに隣接して記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で記録トラックを形成する。
そして、これら記録用磁気ヘッド11a、11bが磁気テープ2に対して繰り返し記録トラックを形成することによって、磁気テープ2に対して連続的に信号を記録することになる。
【0032】
一方、再生時には、磁気テープ2に対して、一方の再生用磁気ヘッド12aが、記録用磁気ヘッド11aにより記録された記録トラックから信号磁界を検出し、他方の再生用磁気ヘッド12bが、記録用磁気ヘッド11bにより記録された記録トラックから信号磁界を検出する。そして、これら再生用磁気ヘッド12a、12bが記録トラックから繰り返し信号磁界を検出することによって、磁気テープ2に記録された信号を連続的に再生することになる。
【0033】
次に、図3に本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの一部を切り欠いた状態の概略斜視図を示し、図4に磁気抵抗効果型磁気ヘッドの磁気テープと摺接する面の概略構成図を示し、これらを参照して、本発明装置に適用する磁気抵抗効果型磁気ヘッドについて詳細に説明する。
【0034】
磁気抵抗効果型磁気ヘッド20は、磁気記録媒体からの磁気信号の検出を行う感磁素子として、スピンバルブ膜を利用した巨大磁気抵抗効果素子(以下、GMR素子という。)を備える、いわゆる巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、GMRヘッドという。)である。
【0035】
GMRヘッド20は、電磁誘導を利用して記録再生を行うインダクティブ型磁気ヘッドや異方性磁気抵抗効果型磁気ヘッドよりも感度が高く、再生出力が大きく高密度記録に適している。従って、上述した磁気記録再生装置1においては、GMRヘッド20を一対の再生用磁気ヘッド12a、12bに用いることにより、さらなる高密度記録化が図られる。
【0036】
再生用磁気ヘッド12a、12bは、図4に示すように、第1のコア部材21上に、例えばメッキ法、スパッタ法、蒸着法等の各種薄膜形成技術により磁気シールド層24、GMR素子27、ギャップ層26、及びシールド層25が順次形成されてなり、保護膜22を介して第2のコア部材23が貼り付けられた構造を有している。
また、再生用磁気ヘッド12a、12bは、磁気テープ2が摺接する媒体摺動面20aが、図3中矢印Aに示す磁気テープ2の走行方向に沿って略円弧状に湾曲した曲面となっている。そして、媒体摺動面20aから外部に臨む再生ギャップが磁気テープ2の走行方向と略直交する方向に対してアジマス角θに応じて斜めとなるように配置される。
【0037】
なお、一対の再生用磁気ヘッド12a、12bは、互いのアジマス角θが逆位相となる以外は同一の構成を有している。従って、以下の説明においては、これら一対の再生用磁気ヘッド12a、12bをまとめてGMRヘッド20として説明する。
【0038】
GMRヘッド20は、、図4に示すように上下一対の磁気シールド層24、25の間にギャップ層26を介してGMR素子27が挟み込まれた構造を有している。
【0039】
一対の磁気シールド層24、25は、GMR素子27を磁気的にシールドするのに充分な幅を有する軟磁性膜からなり、ギャップ層26を介してGMR素子27を挟み込むことにより、磁気テープ2からの信号磁界のうち、再生対象外の磁界がGMR素子27に引き込まれないように機能する。すなわち、GMRヘッド20においては、GMR素子27に対して再生対象外の信号磁界が一対の磁気シールド層24、25に導かれ、再生対象の信号磁界だけがGMR素子27へと導かれる。これにより、GMR素子27の周波数特性及び読み取り分解能の向上が図られている。
【0040】
ギャップ層26は、GMR素子27と一対の磁気シールド層24、25との間を磁気的に隔離する非磁性非導電性膜からなり、一対の磁気シールド層24、25とGMR素子27との間隔がギャップ長となる。
【0041】
GMR素子27は、スピンバルブ膜40に対して面内方向に流れるセンス電流のコンダクタンスが、一対の磁性層の磁化の相対角度に依存して変化する、いわゆる巨大磁気抵抗効果を利用したものである。
【0042】
スピンバルブ膜40としては、例えば、図5に示すように、下地層41、反強磁性層42、磁化固定層43、非磁性層44、磁化自由層45、及び保護層46が、順次積層された構造を有するボトム型のスピンバルブ膜40aや、図6に示すように、下地層41、磁化自由層45、非磁性層44、磁化固定層43、反強磁性層42、及び保護層46が、順次積層された構造を有するトップ型のスピンバルブ膜40bや、図7に示すように、下地層41、反強磁性層42、磁化固定層43、非磁性層44、磁化自由層45、非磁性層44、磁化固定層43、反強磁性層42、及び保護層46が、順次積層された構造を有するデュアル型のスピンバルブ膜40c等が挙げられる。
【0043】
スピンバルブ膜を構成する磁化固定層43は、反強磁性層42に隣接して配置されることによって、反強磁性層42との間で働く交換結合磁界により、所定の方向に磁化が固定された状態となっている。
一方、磁化自由層45は、非磁性層44を介して磁化固定層43と磁気的に隔離されることによって、微弱な外部磁界に対して磁化方向が容易に変化することが可能となっている。
【0044】
従って、スピンバルブ膜40においては、外部磁界が印加されると、外部磁界の大きさや向きに応じて磁化自由層45の磁化方向が変化する。そして、磁化自由層45の磁化方向が磁化固定層43の磁化方向に対して逆方向(反平行)となるとき、このスピンバルブ膜40に流れる電流の抵抗値が最大となる。
一方、磁化自由層45の磁化方向が磁化固定層43の磁化方向に対して同一方向(平行)となるときに、このスピンバルブ膜40に流れる電流の抵抗値が最小となる。
このように、スピンバルブ膜40は、印加される外部磁界に応じて電気抵抗が変化することから、この抵抗変化を読み取ることによって磁気テープ2からの磁気信号を検出する感磁素子として機能している。
【0045】
なお、下地層41及び保護層46は、このスピンバルブ膜40の比抵抗の増加を抑制するためのものであり、例えばTa等からなる。
【0046】
また、GMR素子27の動作の安定化を図るため、スピンバルブ膜40の長手方向の両端部には、図3、図4に示すように、このGMR素子27にバイアス磁界を印加するための一対の永久磁石膜28a、28bが設けられている。
そして、一対の永久磁石膜28a、28bに挟み込まれた部分の幅が、GMR素子27の再生トラック幅Twとなっている。さらに、一対の永久磁石膜28a、28b上には、このGMR素子27の抵抗値を減少させるための一対の低抵抗化膜29a、29bが設けられている。
【0047】
また、GMR素子27には、スピンバルブ膜にセンス電流を供給するための一対の導体部30a、30bが、その一端部側をそれぞれ一対の永久磁石膜28a、28b、及び低抵抗化膜29a、29bに接続するように設けられている。
また、導体部30a、30bの他端部側には、外部回路と接続される一対の外部接続用端子31a、31bが設けられている。
【0048】
保護膜22は、GMRヘッド20が形成された第1のコア部材21の主面を外部接続用端子31a、31bが外部に臨む部分を除いて被覆すると共に、このGMRヘッド20が形成された第1のコア部材21と第2のコア部材23とを接合する。
【0049】
なお、図3及び図4に示すGMRヘッド20は、特徴をわかりやすくするために、GMR素子27の周辺を拡大して図示されているが、実際には、第1のコア部材21及び第2のコア部材23に比較してGMR素子27は非常に微細であり、媒体摺動面20aにおいて、GMRヘッド20が外部に臨むのは、ほとんど第1のコア部材21と第2のコア部材23とが突き合わされた上部端面だけである。
【0050】
上述したGMRヘッド20は、チップベース(図示せず)に貼り付けられると共に、一対の外部接続用端子31a、31bがチップベースに設けられた接続端子と電気的に接続される。チップベースに設けられたGMRヘッド20は、一対の再生用磁気ヘッド12a、12bとして、図2に示す回転ドラム9に取り付けられる。
【0051】
ところで、磁気記録再生装置1においては、GMRヘッド20が磁気テープ2に対して接触した状態で再生動作を行うことから、磁気テープ2と摺接するGMRヘッドの媒体摺動面20aに、DLC(Diamond Like Carbon)膜等の保護膜を形成することができない。このため、従来の磁気テープ装置では、GMRヘッドの媒体摺動面が直接大気に触れることになり、腐食等が発生しやすくなるといった問題があった。
【0052】
かかる点に鑑みて、本発明の磁気記録再生装置におけるGMRヘッド20は、媒体摺動面20aに保護膜を形成しない場合においても、優れた耐食性を示し、かつ高い磁気抵抗変化率を維持可能なスピンバルブ膜を適用することによって、磁気テープ2に対する適切な再生動作を行うことを可能としている。
【0053】
具体的には、先ず、スピンバルブ膜40を構成する反強磁性層42を、優れた耐食性を示す材料により形成する。例えば、PtMn、NiO、IrMn、CrMnPt、α−Fe、RhMn、NiMn、PdPtMn等を適用することができる。
【0054】
スピンバルブ膜40を構成する非磁性層44は、優れた耐食性を示し、かつ高導電性を示すCuAuにより形成されているものとする。
非磁性層44は、Cu、Auの組成比を、それぞれ(100−a)、a(aは、原子%を表す。)としたとき、組成範囲は、5≦a<25とすることが好適である。
【0055】
ここで、非磁性層44の材料組成を変化させて作製したスピンバルブ膜のサンプルA〜Gを作製し、これら各サンプルについて高温高湿度条件下において耐食性試験を行った。耐食性試験前後におけるサンプルの電気抵抗変化、腐食試験前後における磁気ヘッドの磁気抵抗効果、及び表面観察によって耐食性試験評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
なお、下記表1においては、○は耐食性試験前後で磁気抵抗効果を示し、スピンバルブ膜の電気抵抗に変化が生じず、表面に腐食が確認されなかった場合を示し、△は耐食性試験前後で磁気抵抗効果を示したが、僅かにスピンバルブ膜の電気抵抗が変化した場合を示し、▲は耐食性試験前後で磁気抵抗効果、スピンバルブ膜の電気抵抗が変化した場合を示し、×は耐食性試験前後で磁気抵抗効果が見られず、スピンバルブ膜の電気抵抗が著しく変化した場合を示す。
【0056】
【表1】
Figure 2004362708
【0057】
上述した耐食性試験前後における磁気抵抗効果と、スピンバルブ膜の電気抵抗変化の結果によれば、CuAuの組成において、Auが5%以上添加することにより、実用上充分な耐食性が得られることが分かった。
【0058】
さらにAuの添加量が10%以上とすることにより、スピンバルブ膜表面の腐食の発生が確認されず、耐食性試験前後において磁気抵抗効果を示すことができ、スピンバルブ膜の電気抵抗変化を抑制できた。
【0059】
一方、Auの添加量を5%未満とすると、スピンバルブ膜の表面に腐食が発生してしまい、耐食性試験後において実用上充分な磁気抵抗効果が得られなくなり、スピンバルブ膜の電気抵抗が急激に変化してしまうことが分かった。
【0060】
上述したことから、スピンバルブ膜40を構成する非磁性層をCuAu合金により形成する場合、Auの添加量は5原子%以上、さらには10%原子以上とすることが好適である。これによりGMRヘッドではスピンバルブ膜の腐食の発生が回避され、高い磁気抵抗変化率が維持される。
【0061】
次に、スピンバルブ膜の非磁性層44であるCuAu合金の組成を変化させた場合の、磁気抵抗変化率〔%〕の変化を図8に示す。
図8に示すように、Auの添加量を低減化した方が磁気抵抗変化率が高くなるという傾向がある。
【0062】
ここで、スピンバルブ膜の非磁性層44であるCuAu合金の組成を変化させた磁気ヘッドのサンプル1〜9を作製し、これらサンプルの磁気抵抗変化率、及び磁気ヘッドの再生出力を測定した。
これらの測定結果を下記表2に示す。なお表2においては、磁気ヘッドの出力はRHカーブ測定器により測定したものとし、Cu=100%(Au=0%)の磁気ヘッドの出力を基準値(0dB)とし、これとの相対値で表した。
【0063】
【表2】
Figure 2004362708
【0064】
上記表2に示すように、Auの添加量を25%未満に選定することにより、磁気ヘッドの出力の低下を、リファレンス磁気ヘッド(Au=0%:サンプル1)に対して4dB以内に抑制することができ、実用上充分な出力が得られることが分かった。
【0065】
上述したように、耐食性の向上を図ることと、高い磁気抵抗変化率を得ることを両立させるためには、Cu、Auの組成比を、それぞれ(100−a)、a(但しaは、原子%を表す。)としたとき、その組成範囲は、5≦a<25とすることが好ましいことが分かった。
すなわち、これによりGMRヘッド20の媒体摺動面20aに保護膜を形成しない場合においても非磁性層44の腐食の発生を回避でき、優れた耐食性と優れた磁気抵抗効果の両立が図られる。
【0066】
なお非磁性層44には、Al、Ta、In、B、Nb、Hf、Mo、W、Re、Pt、Pd、Rh、Ga、Zr、Ir、Ag、Ni、Ruから選ばれる少なくとも一種または二種以上の元素が添加されていてもよい。
【0067】
次に、スピンバルブ膜40を構成する磁化固定層43及び磁化自由層45について説明する。
磁化固定層43及び磁化自由層45は、優れた耐食性を示し、かつ良好な軟磁気特性を示すNiFe又はCoNiFeを適用する。これらはどちらか一方でもよく、組合せて適用してもよい。また、磁化固定層43及び磁化自由層45は、これらの合金を積層した積層構造、もしくはこれらの合金と、例えばRu等からなる非磁性膜とを交互に積層した積層フェリ構造としてもよい。
【0068】
磁化固定層43及び磁化自由層45に関して、Co、Ni、Feの組成比を変化させたNiFe、又はCoNiFeのサンプルを作製し、各サンプルについて、高温高湿条件下において耐食性試験を行い、試験後に表面観察を行い、腐食の発生の有無について調べた。
【0069】
図9に、Co、Ni、Feの組成比を変化させた際の腐食試験の評価結果を示す。なお図9中、○は表面に腐食の発生がなく、電気抵抗が変化しなかった場合を示し、●は表面に腐食が発生し、電気抵抗が変化した場合を示す。
【0070】
また、■は保磁力Hcが10Oe(796A/m)よりも高くなる場合を示し、▲は、bcc相(体心立方構造)となる場合を示す。なお、Hc>10Oeとなる場合は保磁力の増加によって磁気抵抗効果が劣化する。
また、NiFe又はCoNiFeは、共にfcc相(面心立方構造)である方が磁気抵抗効果は高くなる。一方、他の結晶構造となる場合には、界面での格子の不整合が生じ、磁気抵抗効果が劣化する。また、fcc相とbcc相とが混在する場合も、界面での格子の不整合が生じ、磁気抵抗効果が劣化する。
【0071】
図9に示すように、Co、Ni、Feに対して、Coの含有量が80原子%よりも大きく、Niの含有量が10原子%よりも小さいと、磁化固定層43及び磁化自由層45に腐食が発生しやすくなることがわかった。また、Co、Ni、Feに対して、Niの含有量が95原子%よりも大きくなり、Feの含有量が5原子%よりも小さくなると、磁化固定層43及び磁化自由層45の保磁力Hcが大きくなり、磁気抵抗効果が劣化することがわかった。
また、Co、Ni、Feに対して、Feの含有量が55原子%よりも大きくなると、磁化固定層43及び磁化自由層45に腐食が発生しやすくなることがわかった。
【0072】
上述したことから非磁性層をCuAuにより形成することとし、磁化固定層43及び磁化自由層45をFeNi又はCoNiFeにより形成する場合には、Co、Ni、Feの組成比を、それぞれb、c、d(b、c、dは、それぞれ原子%を表す。)としたときに、その組成範囲が、0≦b≦80、10≦c≦95、5≦d≦55(b+c+d=100原子%)とすることが好適である。
【0073】
すなわち、磁化固定層43及び磁化自由層45においては、図10に示すように、Co、Ni、Feの組成比が、点A(Co=0原子%、Ni=95原子%、Fe=5原子%)、点B(Co=0原子%、Ni=45原子%、Fe=55原子%)、点C(Co=50原子%、Ni=10原子%、Fe=40原子%)、点D(Co=80原子%、Ni=10原子%、Fe=10原子%)、点E(Co=80原子%、Ni=15原子%、Fe=5原子%)の5点で囲まれた実線の範囲内にあることが好ましい。
【0074】
上述したように、磁気抵抗効果型磁気ヘッドのスピンバルブ膜を構成する磁化固定層43及び磁化自由層45に関して、具体的に材料の組成比を特定することによって、優れた磁気抵抗効果を確保しつつ、耐食性の向上が図られる。
【0075】
さらには、磁化固定層43及び磁化自由層45において、Co、Ni、Feの組成範囲が、10≦b≦80、10≦c≦85、5≦d≦40となる、すなわちCo、Ni、Feの組成比が、図10中の点F(Co=10原子%、Ni=85原子%、Fe=5原子%)、点G(Co=10原子%、Ni=50原子%、Fe=40原子%)、点C(Co=50原子%、Ni=10原子%、Fe=40原子%)、点、点D(Co=80原子%、Ni=10原子%、Fe=10原子%)、点E(Co=80原子%、Ni=15原子%、Fe=5原子%)の5点で囲まれた破線の範囲内にあることが望ましい。
これにより、磁化固定層43及び磁化自由層45が優れた耐食性を示し、かつ高い磁気抵抗変化率を維持することが可能であると共に、特にCoの割合が増すことによって磁気抵抗変化率を高めることが可能となる。
【0076】
上述したスピンバルブ膜40においては、磁化固定層43及び磁化自由層45は、上述した組成比を有するNiFe、CoNiFeに、Au、Ir、Pt、Al、Ru、Rh、Cr、Pdから選ばれる少なくとも一種または二種以上の元素が添加されていてもよい。
【0077】
上述したスピンバルブ膜40を構成する磁化固定層43及び磁化自由層45においては、NiFeあるいはCoNiFe以外に、耐食性に優れたCo系アモルファス、微結晶合金を組合せてもよい。具体的にはCoNbZr、CoNbZrTa、CoZrTa、CoZr等が挙げられる。
【0078】
また、上述した組成比を有するNiFe、又はCoNiFeである磁化固定層43及び磁化自由層45は、スピンバブル40においてそれぞれ異なっていてもよく、複数の組合せによって構成されていてもよい。
【0079】
上述したような条件を満足するスピンバルブ膜40として、具体的には、例えば下地層41となるTaと、磁化自由層45となるNi80Fe20及びCo60Ni20Fe20と、非磁性層44となるCu80Au20と、磁化固定層43となるCo60Ni20Fe20と、反強磁性層42となるPtMnと、保護層46となるTaとが順次積層されてなる構成としたところ、優れた耐食性を示し、磁気テープと摺動される媒体摺動面20aに保護膜を形成しない場合であっても、高温高湿下や海水雰囲気中等の厳しい使用条件下においても腐食の発生を効果的に防止することができ、磁気テープ2に対する適切な再生動作を行うことが可能であることが確認できた。
特に、ヘリカルスキャン方式を用いた磁気記録再生装置において、上述したようなGMRヘッドを再生用磁気ヘッド12a、12bとして適用したところ、優れた耐食性を得ることができた。
【0080】
なお、本発明においては、上述したような構成のGMRヘッドに限定されず、例えばGMRヘッド上に、電磁誘導を利用したインダクティブ型磁気ヘッドが積層されてなる複合型磁気ヘッドにも適用可能である。
また、本発明は、絶縁層を介して一対の磁性層を積層し、一方の磁性層から他方の磁性層に流れるトンネル電流のコンダクタンスが一対の磁性層の磁化の相対角度に依存して変化する磁気トンネル接合素子を備える磁気トンネル効果型磁気ヘッドにも適用可能である。
【0081】
次に、本発明の磁気記録再生装置1を構成する磁気抵抗効果型磁気ヘッドに適用する磁気記録媒体(磁気テープ)について説明する。
磁気記録媒体(磁気テープ)2は、図11に示すように、長尺状の非磁性支持体61上に金属磁性薄膜62及び保護層63が順次積層形成されて成り、金属磁性薄膜形成面側とは反対側の主面にバックコート層64が形成された構成を有している。
【0082】
非磁性支持体61としては、磁気テープ用のベースフィルムに従来使用されている材料をいずれも適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフイン類、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、アラミド樹脂、ポリカーボネート等のプラスチック等が挙げられる。
非磁性支持体61は、単層構造であっても多層構造であってもよい。また、非磁性支持体の表面には、コロナ放電処理等の表面処理が施されていてもよいし、易接着層等の有機物層が形成されていてもよい。
【0083】
金属磁性薄膜62は、例えばCo系合金等の金属磁性材料を用いて、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、イオンプレーティング法等、従来公知の手法により形成することができ、特に、真空蒸着法により成膜することが好適である。
金属磁性薄膜62の膜厚は、ラインスピードを変化させることにより制御することが可能であり、残留磁化量は、蒸着中の酸素導入量を変化させることにより制御することが可能である。
【0084】
また、非磁性支持体61と金属磁性薄膜62との間には、例えば、所定の材料により下地層や下塗層を介在させてもよい。下地層としては、例えばCr膜の他、CrTi、CrMo、CrV等が挙げられ、下塗層としては、例えばアクリルエステルを主成分とする水溶性ラテックスの塗布膜が挙げられる。
【0085】
次に、磁気記録媒体2の特性について説明する。
本発明においては、磁気記録媒体2は、残留磁化量Mrと膜厚tとの積Mr・tが、4mA〜20mAの範囲であるものとする。
磁気記録媒体2のMr・tが20mAよりも大きいと、GMRヘッドが飽和して、MR抵抗変化が線形な領域を外れ、再生波形が歪んでしまうためである。
また、Mr・tが4mAよりも小さいと、再生出力が小さくなり良好なC/N(信号/ノイズ比)を得ることが出来なくなってしまうためである。
従って、Mr・tを、4mA〜20mAの範囲に規定することで、再生波形の歪みがなく、再生出力が大きく良好なC/Nを有するものとなる。さらには、積Mr・tが、6mA〜20mAであることが望ましく、さらにはMr・tは、6mA〜17mAであることが望ましい。
【0086】
Mrとtについては、蒸着時の酸素導入量と非磁性支持体62の送りスピードなどの条件によって制御することが可能である。すなわち、蒸着時の酸素導入量を少なくすれば、Mrは大きくなり、酸素導入量を多くすれば、Mrは小さくなる。
また、蒸着時の非磁性支持体62の送りスピードを遅くすればtは厚くなり、送りスピードを遅くすればtは薄くなる。また、磁性層62形成後の表面酸化処理によってもMrを調整することができる。
【0087】
そして、残留磁化量Mrは、160kA/m〜400kA/mの範囲であることが好ましい。Mrが400kA/mよりも大きいと、磁性粒子の分離ができず、磁気的相互作用によりノイズが増大してしまい、一方、Mrが160kA/mよりも小さいと、Co粒子の酸化が進行し、充分な再生出力を得ることができないためである。
従って、Mrを160kA/m〜400kA/mの範囲に規定することで、ノイズを減少させ、充分な再生出力を付与することができる。そして、Mrは200kA/m〜360kA/mの範囲であることがより好ましい。
【0088】
金属磁性薄膜62の膜厚tは、残留磁化量Mrと膜厚tの積Mr・tが、上記数値範囲になるように制御する。
金属磁性薄膜62の膜厚tは15nm〜100nmが好適であり、さらには20nm〜75nmであることが望ましく、更には20nm〜50nmとすることが好ましい。
【0089】
磁気記録媒体2は、金属磁性薄膜形成面側の算術平均粗さRaが1nm〜5nmであり、十点平均粗さRzが20nm〜200nmであることが望ましい。
なお、上記各表面粗さについては、JISの粗さ形状パラメータ(JIS B0601−1994)で規格されているように、Raは、平均線から絶対値偏差の平均値であり、Rzは、基準長さ毎の山頂の高い方から5点、谷底の低い方から5点を選び、その平均高さであるものとする。
ここでの表面粗さRa及びRzは、AFMを用いて50μm×50μmの面積で測定した。
【0090】
Raが1nm未満、あるいはRzが20nm未満であると、磁気記録媒体2はテープ走行時において回転ドラム9やガイドローラ5に貼り付いてしまい、磁気テープの走行性が悪化する。また、Raが5nmよりも大、あるいはRzが200nmよりも大であると、磁気抵抗効果型磁気ヘッド12が摺動により摩耗してしまい、また、磁気記録媒体2と磁気抵抗効果型磁気ヘッド12とのスペーシングが大きくなるため出力の劣化を招来する。
【0091】
また、磁気記録媒体(磁気テープ)は、面内方向での保磁力Hcが、100kA/m〜160kA/mであることが好ましい。
保磁力Hcが100kA/mよりも小さいと、低ノイズ化、高SN比を実現することができないためである。一方、保磁力Hcが160kA/mを超えると、充分な記録が出来なくなり、再生出力が低下してしまうためである。
従って、面内方向での保磁力を100kA/m〜160kA/mの範囲に規定することにより、低ノイズ化及び高SN比が実現でき、高い再生出力が得られる。
【0092】
なお、保護層63は、従来の磁気テープ用の保護膜として使用されるものであれば、如何なるものであってもよい。例えば、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、CrO、Al、BN、Co酸化物、MgO、SiO、Si、SiN、SiC、SiN−SiO、ZrO、TiO、TiC等が挙げられる。保護層63は、これらの単層膜であってもよいし、多層膜あるいは複合膜であってもよい。
【0093】
磁気記録媒体の構成は、図11に示すものに限定されるものではなく、必要に応じて各種材料層を形成したり、金属磁性薄膜62又は保護層63上に潤滑剤や防錆剤等よりなるトップコート層を形成してもよい。
また、金属磁性薄膜を複数積層したものであってもよい。さらに、垂直異方性あるいは面内ランダム配向性を有してもよい。
【0094】
上述したように本発明の磁気記録再生装置によれば、磁気抵抗効果型磁気ヘッドのスピンバルブ膜を構成する非磁性層がCuAuからなるものとし、磁化固定層及び磁化自由層がNiFeあるいはCoNiFeによりなるものとし、かつそれらの材料組成を規定したことにより、耐食性の向上を図ることと、高い磁気抵抗変化率を得ることの両立が図られ、GMRヘッドの媒体摺動面に保護膜を形成しない場合においても、非磁性層44の腐食の発生を防止でき、例えば高温高湿環境下において長時間使用においても高い磁気抵抗効果を維持することが可能となった。
【0095】
また、本発明装置に適用する磁気記録媒体について、金属磁性薄膜の残留磁化量と膜厚との積、ならびに残留磁化量を数値的に最適な範囲に特定したことにより、極めて高感度の磁気ヘッドを適用した場合においても、ノイズの低減化が図られ、磁気ヘッド飽和を効果的に回避でき、再生波形の歪みがなく、高SN化が実現できた。
【0096】
【実施例】
次に、本発明の磁気記録再生装置について、具体的な実施例を挙げて説明する。なお、以下に示す例においては、具体的な材料名、数値等を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0097】
〔実施例1〕
適用する磁気テープを下記のようにして作製した。
非磁性支持体として、厚さ10μm幅150mmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、この表面に、アクリルエステルを主成分とする水溶性ラテックス塗布し、微細凹凸の密度が1000万個/mmとなるようにして下塗層を形成した。
【0098】
次に、下塗層上にCo−O系の金属磁性薄膜を、真空蒸着法により膜厚40nmとなるように形成した。
成膜条件を以下に示す。
(成膜条件)
蒸着時真空度:7×10−2Pa
インゴット:Co
入射角度:45°〜90°
導入ガス:酸素ガス
【0099】
金属磁性薄膜形成後、スパッタ法あるいはCVD法によりカーボン膜よりなる保護層を膜厚約10nmに形成した。その後、金属磁性薄膜形成面とは反対側の面に、カーボンとウレタン樹脂からなるバックコート層を膜厚0.6μmに形成した。また、上記保護層上にパーフルオロポリエーテルよりなる潤滑剤を塗布した。
その後、8mm幅に裁断して、大気中、常温にて所定期間保持する工程を経て金属磁性薄膜表面の酸化を行い、サンプルとなる磁気テープを作製した。
【0100】
上述のようにして作製された磁気テープの残留磁化量Mrは、325kA/mであり、金属磁性薄膜の膜厚tは40nmであり、それらの積Mr・tは、13mAであった。
【0101】
〔実施例2〜6〕、〔比較例1、2〕
金属磁性薄膜の蒸着時における酸素導入量、及び金属磁性薄膜形成後の、大気中での保持工程時間を調整することにより、残留磁化量Mrを制御し、膜厚tとの積Mr・tを、下記表3に示すようにした。
その他の製造条件は上記実施例1と同様にしてサンプル磁気テープを作製した。
【0102】
上述のようにして作製した〔実施例1〜6〕及び〔比較例1、2〕の磁気テープに対して、それぞれ電磁変換特性の測定を行った。
具体的には、8mmVTRを改造したものを用い、各サンプル磁気テープに記録波長0.4μmにて情報信号を記録した後、シールド型GMRヘッド20により再生出力、ノイズレベル、及びC/Nの測定を行った。
【0103】
上述のようにして作製した〔実施例1〜6〕及び〔比較例1、2〕の磁気テープの作製条件、及び再生出力、ノイズレベル、C/Nの測定結果を、それぞれ下記表3に示す。
【0104】
【表3】
Figure 2004362708
【0105】
上記表3に示すように、金属磁性薄膜の残留磁化量Mrと膜厚tとの積Mr・tを4mA〜20mAとした実施例1〜6においては、歪みがなく高い再生出力が得られ、良好なC/Nが得られた。
【0106】
一方、残留磁化量Mrと金属磁性薄膜の膜厚tとの積Mr・tが、4mA未満である比較例1においては、再生出力が小さくなり良好なC/Nが得られなかった。
また、Mr・tが20mAよりも大きい比較例2においては、GMRヘッドが飽和してしまい、再生出力に歪みが生じた。
【0107】
〔実施例7〜10〕、〔比較例3、4〕
次に、金属磁性薄膜の残留磁化量Mrを変化させ、磁気テープサンプルを作製し、これらの再生出力、ノイズレベル、及びC/Nを測定評価した。
なお、これらにおいては、金属磁性薄膜形成後の大気中での保持工程時間を調整することにより、残留磁化量Mrと金属磁性薄膜の膜厚tとの積Mr・tを13mAと一定になるようにして、残留磁化量Mrを下記表4に示すように制御した。その他の作製条件は、上記実施例1と同様とした。
【0108】
上述のようにして作製した〔実施例7〜10〕及び〔比較例3、4〕の磁気テープの残留磁化量Mr、再生出力、ノイズレベル、C/Nの測定結果を下記表4に示す。
【0109】
【表4】
Figure 2004362708
【0110】
上記表4に示すように、金属磁性薄膜の残留磁化量Mrが160〜400kA/mである実施例7〜10においては、ノイズの低減化が図られ、高い再生出力が得られ、良好なC/Nが得られた。特にMrが200〜360kA/mとしたとき、良好な磁気特性が得られることが確かめられた。
【0111】
一方、金属磁性薄膜の残留磁化量Mrが160kA/m未満である比較例3においては、充分な再生出力が得られなかった。
また、金属磁性薄膜の残留磁化量Mrが400kA/mよりも大きい比較例4においては、ノイズが増大してしまい、良好なC/Nが得られなかった。
【0112】
【発明の効果】
本発明の磁気記録再生装置によれば、磁気ヘッドを構成するスピンバルブ膜の非磁性層がCuAuからなるものとし、かつ磁化固定層及び磁化自由層がNiFeあるいはCoNiFeにより構成されてなるものとし、かつそれらの材料組成を数値的に特定したことにより、耐食性の向上と、高い磁気抵抗変化率を得ることの両立が図られ、GMRヘッドの媒体摺動面に保護膜を形成しない場合においても、非磁性層44の腐食の発生を防止でき、長時間使用においても高い磁気抵抗効果を維持できた。
さらに、適用する磁気記録媒体の金属磁性薄膜の残留磁化量と金属磁性薄膜の膜厚との積、ならびに残留磁化量を数値的に最適な範囲に特定したことにより、ノイズの低減化が図られ、磁気ヘッド飽和を効果的に回避し、再生波形の歪みを抑制し、高SN化を図ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気テープ用の記録再生装置の概略平面図を示す。
【図2】記録再生装置を構成するヘッドドラムの概略斜視図を示す。
【図3】本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの概略斜視図を示す。
【図4】GMRヘッドを媒体摺接面側から見た端面図を示す。
【図5】ボトム型のスピンバルブ膜の概略断面図を示す。
【図6】トップ型のスピンバルブ膜の概略断面図を示す。
【図7】デュアル型のスピンバルブ膜の概略断面図を示す。
【図8】非磁性層の組成と、磁気抵抗変化率との関係を示す。
【図9】磁化固定層及び磁化自由層に関して、組成比を変化させた場合の腐食試験結果を示す。
【図10】磁化固定層及び磁化自由層に関して、腐食を効果的に防止する好適な組成比の範囲を示す。
【図11】磁気記録媒体の概略断面図を示す。
【符号の説明】
1……磁気記録再生装置、2……磁気記録媒体、3……供給リール、4……巻取リール、5a〜5f……ガイドローラ、5g……ピンチローラ、6……キャップスタン、6a……キャップスタンモータ、7……ヘッドドラム、8……駆動モータ、9……回転ドラム、10……固定ドラム、11……記録用磁気ヘッド、12…… 再生用磁気ヘッド、20……GMRヘッド、21……第1のコア部材、22……保護膜、23……第2のコア部材、24,25……磁気シールド層、26……ギャップ層、27……GMR素子、28a,28b……永久磁石膜、29a,29b……低抵抗化膜、30a,30b……導体部、31a,31b……外部接続用端子、40,40a,40b,40c……スピンバルブ膜、41……下地層、42……反強磁性層、43……磁化固定層、44……非磁性層、45……磁化自由層、46……保護層、61……非磁性支持体、62……金属磁性薄膜、63……保護層、64……バックコート層

Claims (2)

  1. 磁気信号の検出を行う感磁素子として、反強磁性層と、当該反強磁性層との間で働く交換結合磁界により所定の方向に磁化が固定された磁化固定層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する磁化自由層と、上記磁化固定層と上記磁化自由層との間を磁気的に隔離する非磁性層とが積層された構成を有するスピンバルブ膜を備える磁気抵抗効果型磁気ヘッドを具備し、
    テープ状の非磁性支持体上に金属磁性薄膜が形成されてなる磁気記録媒体と摺接しながら磁気信号の検出を行う磁気記録再生装置であって、
    上記非磁性層は、CuAuからなり、Cu、Auの組成比を、それぞれ(100−a)、a(但しaは、原子%を表す。)としたとき、組成範囲は、5≦a<25であり、
    上記磁化固定層及び上記磁化自由層は、NiFe又はCoNiFeからなり、Co、Ni、及びFeの組成比を、それぞれb、c、d(b、c、dは、それぞれ原子%を表す。)としたとき、組成範囲は、0≦b≦80、10≦c≦95、5≦d≦55(b+c+d=100原子%)であり、
    上記金属磁性薄膜の残留磁化量Mrと膜厚tとの積Mr・tが、4mA〜20mAであり、残留磁化量Mrが、160kA/m〜400kA/mであることを特徴とする磁気記録再生装置。
  2. 上記感磁素子は、回転ドラムに搭載されてヘリカルスキャン方式によりテープ状の磁気記録媒体と摺動しながら磁気信号の検出を行うことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録再生装置。
JP2003161956A 2003-06-06 2003-06-06 磁気記録再生装置 Pending JP2004362708A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101138195B1 (ko) 2009-05-14 2012-05-10 가부시키가이샤 어드밴티스트 접속 장치, 접속 방법, 시험 장치 및 스위치 장치

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