JP4265416B2 - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びこれを具備する磁気記録再生装置 - Google Patents
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Description
具体的には、スピンバルブ膜は、反強磁性層と、反強磁性層との間で働く交換結合磁界により所定の方向に磁化が固定された磁化固定層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する磁化自由層と、磁化固定層と磁化自由層との間を磁気的に隔離する非磁性層とが積層された構造を有している。
ハードディスクドライブは、例えばサスペンションの先端部に取り付けられたヘッドスライダにGMRヘッドが搭載された構造を有し、磁気ディスクの回転により生じる空気流を受けて、ヘッドスライダが磁気ディスクの信号記録面上を浮上しながら、このヘッドスライダに搭載されたGMRヘッドが磁気ディスクに記録された磁気信号を読み取ることによって、磁気ディスクに対する再生動作が行われる。
例えばヘリカルスキャン方式を採用する磁気テープ装置は、回転ドラムの外周面部にGMRヘッドが磁気テープの走行方向と略直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置された構造を有している。
そして、磁気テープ装置では、磁気テープが回転ドラムに対して斜めに走行しながら、回転ドラムが回転駆動し、この回転ドラムに搭載されたGMRヘッドが磁気テープと摺動しながら磁気テープに記録された磁気信号を読み取ることによって磁気テープに対する再生動作が行われる。
そこで、通常磁気テープの表面には、SiO2フィラーや有機フィラー等により微小突起を設けることにより、回転ドラムの外周面部との接触面積を小さくし、磁気テープと回転ドラムとの間に働く摩擦力を小さくする等の工夫がなされている。
また、磁気テープの表面には、傷や腐食等の発生を防止するためのDLC(Diamond Like Carbon)膜等の保護膜が形成されている。
さらに、GMRヘッドの媒体摺動面に形成された保護膜は、磁気テープとのスペーシングとなることから、GMRヘッドの短波長記録再生特性を劣化させる原因になる。
このため、磁気テープ装置においては、GMRヘッドの媒体摺動面が直接大気と触れることになり、例えば高温高湿下や海水雰囲気中等の、厳しい使用条件下においては腐食等が発生しやすいという問題があった。
また、ハードディスク装置においては、媒体が外気にさらされることなく、パッケージングによって密閉状態となっていることから、微細な粉塵等による磁気ヘッドの破損の影響に関してもテープシステムの方が、より深刻であると考えられる。よって、磁気テープ装置に適用するGMRヘッドの耐腐食性に関する向上を図ることは、ハードディスクドライブ以上に重要であると言える。
磁気記録再生装置1は、磁気テープ2を供給する供給リール3と、供給リール3から供給された磁気テープを巻き取る巻取リール4と、供給リール3と巻取リール4との間で磁気テープ2の引き回しを行う複数のガイドローラ5a〜5fとを具備し、磁気テープ2が図中矢印A方向に走行するようになされている。
磁気テープ2は、ピンチローラ5gとキャップスタン6との間に挟みこまれ、キャップスタンモータ6aによりキャップスタン6が、図1中矢印B方向に回転駆動することにより、矢印A方向に一定の速度及び張力で走行するようになされている。
ヘッドドラム7の概略斜視図を図2に示す。ヘッドドラム7は、駆動モータ8により図2中矢印A方向に回転駆動する回転ドラム9と、回転ドラム9の外周面部9aと連続した外周面部10aと、ベース(図示せず)に固定された固定ドラム10とを有している。
また、固定ドラム10の外周面部10aには、磁気テープ2を案内するリードガイド10bが設けられており、このリードガイド10bに沿って磁気テープ2が回転ドラム9の回転方向に対して斜めに走行するようになっている。
これら記録用磁気ヘッド11a及び再生用磁気ヘッド12aと、記録用磁気ヘッド11b及び再生用磁気ヘッド12bとは、互いに180゜の位相差をもって回転ドラム9の外周面部9aに対向配置されている。
また、記録用磁気ヘッド11a、11b及び再生用磁気ヘッド12a、12bは、その記録ギャップ及び再生ギャップが、磁気テープ2の走行方向と略直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置されている。
そして、これら記録用磁気ヘッド11a、11bが磁気テープ2に対して繰り返し記録トラックを形成することによって、磁気テープ2に対して連続的に信号が記録される。
再生用磁気ヘッド12a、12bが記録トラックから繰り返し信号磁界を検出することによって磁気テープ2に記録された信号が連続的に再生される。
また、磁気抵抗効果型磁気ヘッド20は、磁気テープ2が摺接する媒体摺動面20aが、図3中矢印Aに示す磁気テープ2の走行方向に沿って略円弧状に湾曲した曲面となっている。
そして、この媒体摺動面20aから外部に臨む再生ギャップが磁気テープ2の走行方向と略直交する方向に対してアジマス角θに応じて斜めとなるように配置される。
一方、磁化自由層45は、非磁性層44を介して磁化固定層43と磁気的に隔離されることによって、微弱な外部磁界に対して磁化方向が容易に変化することが可能となっている。
一方、磁化自由層45の磁化方向が磁化固定層43の磁化方向に対して同一方向(平行)となるときに、このスピンバルブ膜40に流れる電流の抵抗値が最小となる。
そして、これら一対の永久磁石膜28a、28bに挟み込まれた部分の幅が、GMR素子27の再生トラック幅Twとなっている。
さらに、一対の永久磁石膜28a、28b上には、このGMR素子27の抵抗値を減少させるための一対の低抵抗化膜29a、29bが設けられている。
また、導体部30a、30bの他端部側には、外部回路と接続される一対の外部接続用端子31a、31bが設けられている。
そして、チップベースに設けられたGMRヘッド20は、一対の再生用磁気ヘッド12a、12bとして、図2に示す回転ドラム9に取り付けられる。
具体的には、電気化学的手法を用いた腐食試験を行い、腐食試験前後における電気抵抗の変化について測定し、かつ腐食試験後に表面観察を行い、腐食の発生の有無について調べた。
なお、本腐食試験においては、Ag・AgCl電極を参照電極とし、濃度0.1mol/LのNaCl溶液中にサンプルを所要の時間液浸させたときに測定される分極曲線を参照することとした。このときの分極曲線の一例を図8に示す。
測定電極にはPtを用い、室温(約20℃)で行った。なお、測定時の電位上昇速度は、約10mV/secとした。上記サンプルの金属、合金膜の膜厚は約100nmとし、NaCl溶液のpHは7とした。
すなわち分極曲線のアノード曲線の方での電流密度が高ければ、金属、合金の腐食反応が進行しており、その金属、合金は腐食し易い。
これは、上述した単層膜での試験、並びに局部電池効果を考慮して、腐食電位の高い金属、例えばAuからなる下地膜上に各層を積層した積層膜での試験を行った。局部電池効果によってAuと接する積層膜の方が単層膜よりも腐食が発生しやすい傾向にあるためである。
なお、腐食試験前後の耐食性評価は、サンプルの電気抵抗の変化、及び光学顕微鏡を用いた表面状態観察結果の双方を考慮して判断した。
下記表1において、○は電気抵抗に変化が見られず表面に変化が生じなかった場合を示し、△は電気抵抗に殆ど変化が見られず表面に僅かに変色が発生した場合を示し、×は電気抵抗が変化し表面に腐食が発生した場合を示す。
電位が0.25V vs Ag・AgClのときのサンプル側電極における電流密度が0.5mA/cm2以下になるときは、スピンバルブ膜40の非磁性層44、磁化固定層43、磁化自由層45、及び反強磁性層42のサンプル表面に腐食の発生が確認されず、腐食試験前後の抵抗変化も殆ど無く、優れた耐食性が実現されることが分かった。
一方、上記電流密度が0.5mA/cm2よりも大きくなると、非磁性層44、磁化固定層43、磁化自由層45、及び反強磁性層42のサンプル表面に腐食が発生し、腐食試験前後の抵抗変化が急激に増加し、実用上充分な耐食性が得られなくなることが分かった。
なお、上記電流密度に関する条件は、スピンバルブ膜40を構成する膜の少なくともいずれかが満たしていればスピンバルブ膜40の耐食性の向上効果が得られるが、構成膜の全てが上記条件を満たしているようにすることにより、極めて高い耐食性を有するスピンバルブ膜が得られることが確かめられた。
非磁性層44の材料は、優れた耐食性を示し且つ高導電性を示す、Au、CuAuが好適であるが、Cu、Auの組成比を、それぞれ(100−a)、a(aは、原子%を表す。)としたとき、15≦a<100とすることが好適である。
これは、上記表1に示すように、Cuに対するAuの割合を増加すると、電流密度は低下し、腐食試験環境下において腐食反応の進行が遅くなることが確認され、Auの添加量を15原子%以上とすることによって、上述した電流密度は、0.5〔mA/cm2〕以下となることによるものである。
また、非磁性層44には、Au、Al、Ta、In、B、Nb、Hf、Mo、W、Re、Pt、Pd、Rh、Ga、Zr、Ir、Ag、Ni、Ruから選ばれる少なくとも一種または二種以上の元素が任意に添加されていてもよい。
また、非磁性層としてCuAuの他、CuPd、CuPt、CuNi、CuRu、CuRhのいずれかを適用しても、上述した場合と同様に、優れた耐食性を示し、高温高湿下や海水雰囲気中等の厳しい使用条件下においても腐食の発生が回避され、適切な再生動作を行うことができることが確かめられた。
磁化固定層43及び磁化自由層45は、上述したようにNiFe又はCoNiFeにより形成するものとし、これらのどちらか一方でもよく、組合せて構成してもよい。
また、磁化固定層43及び磁化自由層45は、これらの合金を積層した積層構造、もしくはこれらの合金と、例えばRu等からなる非磁性膜とを交互に積層した積層フェリ構造としてもよい。
また、NiFeまたはCoNiFeは、共にfcc相(面心立方構造)である方が磁気抵抗効果は高くなる。一方、他の結晶構造(例えばbcc構造(体心立方構造)となる場合には、界面での格子の不整合が生じ、磁気抵抗効果が劣化する。また、fcc相とbcc相とが混在する場合も、界面での格子の不整合が生じ、磁気抵抗効果が劣化する。
また、本発明は、絶縁層を介して一対の磁性層を積層し、一方の磁性層から他方の磁性層に流れるトンネル電流のコンダクタンスが一対の磁性層の磁化の相対角度に依存して変化する磁気トンネル接合素子を備える磁気トンネル効果型磁気ヘッドにも適用可能である。
磁気記録媒体(磁気テープ)は、図9に示すように、長尺状の非磁性支持体61上に金属磁性薄膜62及び保護層63が順次積層形成されて成り、金属磁性薄膜形成面側とは反対側の主面にバックコート層64が形成された構成を有している。
非磁性支持体61は、単層構造であっても多層構造であってもよい。また、非磁性支持体の表面には、コロナ放電処理等の表面処理が施されていてもよいし、易接着層等の有機物層が形成されていてもよい。
金属磁性薄膜62の膜厚は、ラインスピードを変化させることにより制御することが可能であり、残留磁化量は、蒸着中の酸素導入量を変化させることにより制御することが可能である。
金属磁性薄膜62は、残留磁化量Mrと膜厚tとの積Mr・tが、4mA〜20mAであるものとする。
磁気記録媒体2のMr・tが20mAよりも大きいと、GMRヘッドが飽和して、MR抵抗変化が線形な領域を外れ、再生波形が歪んでしまい、一方、Mr・tが4mAよりも小さいと、再生出力が小さくなり良好なC/N(信号/ノイズ比)を得ることが出来なくなってしまうためである。
従って、Mr・tを、4mA〜20mAの範囲に規定することで、再生波形の歪みがなく、再生出力が大きく良好なC/Nを有するものとなる。さらには、積Mr・tが、6mA〜20mAであることが望ましく、さらにはMr・tは、6mA〜17mAであることが望ましい。
従って、Mrを160kA/m〜400kA/mの範囲に規定することで、ノイズを減少させ、充分な再生出力を付与することができる。そして、Mrは200kA/m〜360kA/mの範囲であることがより好ましい。
金属磁性薄膜62の膜厚tは15nm〜100nmが好適であり、さらには20nm〜75nmであることが望ましく、更には20nm〜50nmとすることが好ましい。
なお、上記各表面粗さについては、JISの粗さ形状パラメータ(JIS B0601-1994)で規格されているように、Raは、平均線から絶対値偏差の平均値であり、Rzは、基準長さ毎の山頂の高い方から5点、谷底の低い方から5点を選び、その平均高さであるものとする。
ここでの表面粗さRa及びRzは、AFMを用いて50μm×50μmの面積で測定した。
保磁力Hcが100kA/mよりも小さいと、低ノイズ化、高SN比を実現することができないためである。一方、保磁力Hcが160kA/mを超えると、充分な記録が出来なくなり、再生出力が低下してしまうためである。
従って、面内方向での保磁力を100kA/m〜160kA/mの範囲に規定することにより、低ノイズ化及び高SN比が実現でき、高い再生出力が得られる。
また、金属磁性薄膜を複数積層したものであってもよい。さらに、垂直異方性或いは面内ランダム配向性を有してもよい。
なお、以下に示す例においては、具体的な材料名、数値等を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例A1〕
磁気テープを下記のようにして作製した。
非磁性支持体として、厚さ10μm幅150mmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、この表面に、アクリルエステルを主成分とする水溶性ラテックス塗布し、微細凹凸の密度が1000万個/mm2となるようにして下塗層を形成した。
成膜条件を以下に示す。
(成膜条件)
蒸着時真空度:7×10-2Pa
インゴット:Co
入射角度:45°〜90°
導入ガス:酸素ガス
その後、8mm幅に裁断して、大気中、常温にて所定期間保持する工程を経て金属磁性薄膜表面の酸化を行い、サンプルとなる磁気テープを作製した。
金属磁性薄膜の蒸着時における酸素導入量、及び金属磁性薄膜形成後の、大気中での保持工程時間を調整することにより、残留磁化量Mrを制御し、膜厚tとの積Mr・tを、下記表2に示す値になるように制御した。
その他の製造条件は上記実施例A1と同様にしてサンプル磁気テープを作製した。
具体的には、8mmVTRを改造したものを用い、各サンプル磁気テープに記録波長0.4μmにて情報信号を記録した後、シールド型GMRヘッド20により再生出力、ノイズレベル、及びC/Nの測定を行った。
また、Mr・tが20mAよりも大きい比較例A2においては、GMRヘッドが飽和してしまい、再生出力に歪みが生じた。
次に、金属磁性薄膜の残留磁化量Mrを変化させ、磁気テープを作製し、これらの再生出力、ノイズレベル、及びC/Nを測定評価した。
なお、これらにおいては、金属磁性薄膜形成後の大気中での保持工程時間を調整することにより、残留磁化量Mrと金属磁性薄膜の膜厚tとの積Mr・tを13mAと一定になるようにして、残留磁化量Mrを下記表3に示すように制御した。その他の作製条件は、上記実施例A1と同様とした。
また、残留磁化量Mrが400kA/mよりも大きい比較例A4においては、ノイズが増大し、良好なC/Nが得られなかった。
〔実施例B1〕
磁気テープを下記のようにして作製した。
非磁性支持体として、厚さ10μm幅150mmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、この表面に、アクリルエステルを主成分とする水溶性ラテックス塗布し、微細凹凸の密度が1000万個/mm2となるようにして下塗層を形成した。
成膜条件を以下に示す。
(成膜条件)
蒸着時真空度:7×10-2Pa
インゴット:Co
入射角度:45°〜90°
導入ガス:酸素ガス
その後、8mm幅に裁断して、大気中、常温にて所定期間保持する工程を経て金属磁性薄膜表面の酸化を行い、サンプルとなる磁気テープを作製した。
なお、残留磁化量Mrは、325kA/mであり、金属磁性薄膜の膜厚tは40nmであり、それらの積Mr・tは、13mAであった。
磁気記録媒体2の作製時において非磁性支持体61の突起高や表面粗さを制御し、非磁性支持体61と金属磁性膜62の間に下地層や下塗層を設けることにより、下記表4に示す表面粗さRa、Rzを有する磁気テープを作製した。
具体的には、8mmVTRを改造したものを用い、各サンプル磁気テープを走行した後のシールド型GMRヘッド20の抵抗変化によりヘッド摩耗測定を行った。ヘッド磨耗の評価及び磁気テープの走行性の評価の結果を下記表4に示す。
なお、ヘッド磨耗については、◎を磨耗が殆ど確認されなかったもの、○をヘッド磨耗量が3%以下であったもの、×をヘッド磨耗が10%以上であったもの、−を磁気テープ走行不可により測定できなかったものとして評価した。
また、磁気テープの走行性については、実用上良好な走行性が得られたものを○、貼り付きが生じ、走行不良であったものを×として評価した。
また、金属磁性薄膜のRaが5nmよりも大きい比較例B3、及びRzが200nmよりも大きい比較例B4においては、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの摩耗が増加し、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの抵抗が高くなり、出力が不安定となった。
Claims (5)
- 磁気信号の検出を行う感磁素子として、反強磁性層と、当該反強磁性層との間で働く交換結合磁界により所定の方向に磁化が固定された磁化固定層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する磁化自由層と、前記磁化固定層と前記磁化自由層との間を磁気的に隔離する非磁性層とが積層された構成のスピンバルブ膜を備え、
前記スピンバルブ膜を構成する前記反強磁性層、前記磁化固定層、前記磁化自由層、及び前記非磁性層は、濃度0.1mol/LのNaCl溶液を用いた分極曲線(アノード曲線)において、電位を0.25V vs Ag・AgClとしたとき、電流密度が0.5mA/cm2以下となり、
テープ状の磁気記録媒体と摺接しながら磁気信号の検出を行う磁気抵抗効果型磁気ヘッド。 - 前記磁化自由層は、保磁力Hcが10Oe未満である請求項1に記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
- ヘリカルスキャン磁気記録再生装置を構成する回転ドラムに搭載されてなり、
当該回転ドラムの周面を摺動する前記テープ状の磁気記録媒体と摺接しながら磁気信号の検出を行う請求項1に記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。 - 磁気信号の検出を行う感磁素子として、反強磁性層と、当該反強磁性層との間で働く交換結合磁界により所定の方向に磁化が固定された磁化固定層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する磁化自由層と、前記磁化固定層と前記磁化自由層との間を磁気的に隔離する非磁性層とが積層された構成のスピンバルブ膜を備える磁気抵抗効果型磁気ヘッドと、
テープ状の非磁性支持体上に金属磁性薄膜が形成されてなる磁気記録媒体とを具備し、
前記磁気抵抗効果型磁気ヘッドが、前記磁気記録媒体と摺接しながら磁気信号の検出を行い、
前記スピンバルブ膜を構成する前記反強磁性層、前記磁化固定層、前記磁化自由層、及び前記非磁性層は、濃度0.1mol/LのNaCl溶液を用いた分極曲線(アノード曲線)において、電位を0.25V vs Ag・AgClとしたとき、電流密度が0.5mA/cm2以下であり、
前記金属磁性薄膜の残留磁化量Mrと膜厚tとの積Mr・tが、4mA〜20mAであり、
残留磁化量Mrが、160kA/m〜400kA/mである磁気記録再生装置。 - 前記磁気抵抗効果型磁気ヘッドが搭載された回転ドラムを有し、
当該回転ドラムの周面を前記テープ状の磁気記録媒体が走行するようになされ、
ヘリカルスキャン方式により、前記磁気記録媒体と前記感磁素子とが摺接しながら磁気信号の検出を行う請求項4に記載の磁気記録再生装置。
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