JP2005252205A - 巨大磁気抵抗効果素子、巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド、磁気記録再生装置 - Google Patents
巨大磁気抵抗効果素子、巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド、磁気記録再生装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 耐食性の向上と高抵抗化とを図り、直接摺動する高密度記録化された磁気記録媒体への対応を可能とする。
【解決手段】 反強磁性層27と磁化固定層28と磁化自由層30と非磁性層29とを積層したスピンバルブ膜26を有し、各層に対して積層方向のセンス電流を通電するCPP型GMR素子であり、非磁性層29が組成比(100−a)、aで組成範囲、25≦a≦100のCuAu合金で形成され、磁化固定層28と磁化自由層が30が組成比b、c、d、組成範囲が0≦b≦75、15≦c≦95、5≦d≦40、b+c+d=100原子%であるCoNiFe合金或いはNiFe合金により形成される。
【選択図】 図5
【解決手段】 反強磁性層27と磁化固定層28と磁化自由層30と非磁性層29とを積層したスピンバルブ膜26を有し、各層に対して積層方向のセンス電流を通電するCPP型GMR素子であり、非磁性層29が組成比(100−a)、aで組成範囲、25≦a≦100のCuAu合金で形成され、磁化固定層28と磁化自由層が30が組成比b、c、d、組成範囲が0≦b≦75、15≦c≦95、5≦d≦40、b+c+d=100原子%であるCoNiFe合金或いはNiFe合金により形成される。
【選択図】 図5
Description
本発明は、非磁性層を一対の磁性層に挟んだスピンバルブ膜を有し、このスピンバルブ膜に対して垂直方向のセンス電流を通電するいわゆる面垂直通電構成の巨大磁気抵抗効果素子、この巨大磁気抵抗効果素子を備えて磁気記録媒体に記録された磁気記録信号を再生する巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びこの巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドを備えて磁気記録媒体に記録された磁気記録信号を再生する磁気記録再生装置に関する。
磁気抵抗効果素子は、外部磁界の大きさや向きによって抵抗値が変化する、いわゆる磁気抵抗効果(MR効果)を利用して磁気信号を検出する機能を有している。従来の磁気抵抗効果素子としては、抵抗が、素子の磁化方向と素子中を流れるセンス電流の通電方向とのなす角度の余弦の二乗に比例して変化する異方性磁気抵抗効果を利用するものが用いられていた。かかる異方性磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗変化率(MR比)が小さく、高出力特性や高感度特性等の要求を実現し得ないといった問題があった。
磁気抵抗効果素子においては、高出力特性或いは高感度特性を有するものとして、例えば特許文献1や非特許文献1に開示される非磁性層が一対の磁性層間に挟まれて積層されてなるスピンバルブ膜を有して巨大磁気抵抗効果(GMR効果。GMR:Giant Magneto Resistance)を利用する素子(以下、GMR素子と称する。)も提供されている。GMR素子は、センス電流の流れている素子の抵抗変化が、非磁性層間での伝導電子のスピン依存性と異層界面でのスピン依存性散乱により発生する磁気抵抗効果を利用する。GMR素子は、異方性磁気抵抗効果素子と比較して抵抗変化量が大きいことから、高出力特性或いは高感度特性が得られる。
GMR素子は、具体的には、スピンバルブ膜が、反強磁性層と、この反強磁性層との間で働く交換結合磁界により所定の方向に磁化が固定された磁化固定層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する磁化自由層と、磁化固定層と磁化自由層との間を磁気的に隔離する非磁性層とが積層されて構成されている。GMR素子は、外部磁界が印加されることにより、その大きさや向きに応じて磁化自由層の磁化方向が変化する。GMR素子は、磁化自由層の磁化方向が磁化固定層の磁化方向と逆方向(反平行)となるとき、スピンバルブ膜に流れるセンス電流の抵抗値が最大となる。また、GMR素子は、磁化自由層の磁化方向が磁化固定層の磁化方向と同一方向(平行)となるとき、スピンバルブ膜に流れるセンス電流の抵抗値が最小となる。
したがって、かかるGMR素子を備えた巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、GMR磁気ヘッドと称する。)は、GMR素子に一定量のセンス電流を供給すると、磁気記録媒体に記録された磁気記録信号に基づいてこのGMR素子を流れるセンス電流の電圧値が変化し、この電圧変化を検出して磁気記録信号を再生する。特許文献1には、GMR磁気ヘッドをサスペンションの先端部に取り付けたヘッドスライダに搭載したハードディスクドライブの適用例が開示されている。ハードディスクドライブは、磁気ディスクの回転に伴う空気流によりヘッドスライダに浮力が生じ、磁気ディスクの信号記録面に対してGMR磁気ヘッドが微小の対向間隔を保持されて記録された磁気記録信号を再生する。
ところで、GMR磁気ヘッドにおいては、従来センス電流の通電方向をGMR素子の面内方向とするいわゆるCIP(Current In-Plane)構成が採用されていた。CIP型GMR磁気ヘッドは、通電構造が簡易であり、記録密度が50Gb/inch2程度までの磁気記録媒体からの磁気記録信号の再生を可能とする。しかしながら、かかるCIP型GMR磁気ヘッドであっても、100Gb/inch2程度の記録密度、0.1μm程度のトラック幅が要求される高記録密度化が図られるようになると、最新のドライプロセスを利用するパターニング技術を用いてもGMR素子を製作することが困難となる。CIP型GMR磁気ヘッドは、素子の低抵抗化の必要性から、電流通路の断面積を大きくする必要があるためにトラック幅の狭小化にも限界がある。
GMR磁気ヘッドにおいては、上述したCIP型GMR素子の問題を解決するために、例えば特許文献2や特許文献3に開示されるGMR素子の膜面に対してセンス電流を垂直方向に通電する面垂直通電型、いわゆるCPP(Current Perpendicular to Plane)型GMR素子を搭載することも検討されている。CPP型GMR素子は、センス電流が絶縁層に形成される微細なピンホールの働きで絶縁層内を電子の移動が実現されることによりピンホールに電流が集中し、電流の通過断面が縮小される場合と同様に磁化自由層の磁化方向の反転に応じて大きな抵抗値が得られるようになる原理を利用したものである。
CPP型GMR素子は、CIP型GMR素子にそのまま置き換えて用いてもセンス電流の通電方向が変えられたことによって充分な感度を得ることができない。特許文献3のCPP型GMR素子においては、各層間にセンス電流の通路を横切る微細通電領域を分散形成してなる通電規制層を配置することによって素子の高抵抗化を図っている。
ところで、GMR磁気ヘッドは、上述したハードディスクドライブばかりでなく、例えばテープストリーマ等のヘリカルスキャン方式を採用した磁気テープ装置や高密度型フロッピー(登録商標)ディスクドライブ装置等(以下、磁気テープ装置と総称する。)のように、ヘッド面が磁気記録媒体の信号記録面を直接摺動して磁気記録信号を再生する磁気ヘッド装置にもその搭載が検討されている。ヘリカルスキャン方式の磁気ヘッド装置は、磁気ヘッドを搭載したヘッドドラムを備え、このヘッドドラムの外周部を磁気テープが約180°の巻き付け角度を以ってヘリカル状に巻き付けられて走行する。磁気ヘッド装置は、ヘッドドラムが、装置固定部に対してやや斜めに傾斜した状態で設けられており、固定ドラムと回転ドラムとに分割されている。
磁気ヘッド装置は、磁気テープの下端縁が突き合わされるリードガイドが形成された固定ドラムに対して回転ドラムが回転自在に組み合わされ、その外周部を磁気テープが走行する。磁気ヘッド装置には、回転ドラムの外周部に磁気ヘッドが磁気テープの走行方向と略直交する方向に対してアジスマ角に応じてやや斜めに傾斜した状態で搭載されている。磁気ヘッド装置は、磁気ヘッドによってヘッドドラムの外周部を走行する磁気テープに対して信号等の記録・再生を行う。
磁気テープ装置は、一般に磁気ヘッドのヘッド面に対して磁気テープが摺擦して走行するように構成されており、スペーシング性の向上を図るために磁気テープの表面を鏡面に仕上げている。磁気テープ装置は、かかる磁気テープがヘッドドラムの外周部を大きな接触面積を以って走行することによって大きな摩擦力が生じ、場合によっては磁気テープがヘッドドラムの外周部に貼り付いてスムーズな走行が行われないといった事態を生じさせることもある。
磁気テープ装置においては、このために磁気テープの表面に酸化シリコン(SiO2)フィラーや有機フィラー等からなる微小突起を形成し、この微小突起によってヘッドドラムの外周部との接触面積を小さくして円滑な走行が行われるようにしている。磁気テープには、記録層の傷付きや腐食等の発生を防止するために、DLC(Diamond Like Carbon)膜等の保護膜層も形成されている。
ところで、GMR磁気ヘッドは、ハードディスクドライブに用いられる場合には、上述したように磁気ディスクの信号記録面に対して媒体対向面(ヘッド面)が微小の対向間隔を保持される。GMR磁気ヘッドは、一般にGMR素子のスピンバルブ膜を構成する非磁性層にCuが用いられており、このCuの腐食を防止するためにヘッド面にDLC膜等の保護膜が成膜形成されている。
ハードディスクドライブは、一般に良好な環境条件下に設置され、密閉状態を保持したパッケージングの内部においてGMR磁気ヘッドによるハードディスクからの磁気記録信号の再生動作が行われる。さらに、ハードディスクドライブにおいては、特に保護膜等の劣化や磨耗が発生しないためGMR素子のスピンバルブ膜を構成する各層に腐食が発生することはほとんど無く、高精度の特性が安定して保持される。なお、特許文献1には、耐食性の向上を図ったGMR磁気ヘッドが開示されている。
一方、磁気テープ装置は、例えば民生用や業務用のカムコーダ、テープストリーマ或いはアーカイバルテープシステム等に採用されるが、特にカムコーダの場合には屋外、屋内を問わず、極端な場合には海水雰囲気等の極めて劣悪な環境下においても使用される。したがって、磁気テープ装置においては、カムコーダ等については、高温高湿環境或いは劣悪な環境下においても優れた耐食性を有して高磁気抵抗変化率が維持されるGMR磁気ヘッドが必要とされる。
また、磁気テープ装置は、テープストリーマやアーカイバルテープシステムであれば、一般にオフィス等のある程度の良好な環境条件下で用いられることからGMR磁気ヘッドが一般的な範囲での耐食性を有していればよい。しかしながら、かかる磁気テープ装置でも、テープカートリッジやディスクカートリッジを交換等する場合に、記録再生部に配置したGMR磁気ヘッドが直接外部にさらされた状態となることで、ハードディスクドライブと比較して外部環境の影響を受けやすい。したがって、かかる磁気テープ装置においても、耐食性に優れたGMR磁気ヘッドを必要とする。
GMR磁気ヘッドは、耐食性の向上を図るためにヘッド面に保護膜を形成する対応が図られるが、磁気テープがヘッド面を摺擦しながら走行する磁気テープ装置に用いられる場合には充分な耐食性を保持することが困難である。GMR磁気ヘッドは、上述したように表面に微小突起や保護膜が形成された磁気テープがヘッド面を摺擦しながら走行することにより、ヘッド面に形成した保護膜が削られてしまう。また、GMR磁気ヘッドは、ヘッド面に保護膜を形成した場合に、磁気テープの信号記録面とのスペーシング性が低下し、短波長記録再生特性が劣化するといった問題もある。
磁気テープ装置においては、CPP型GMR磁気ヘッドを用いることによって100Gb/inch2程度の記録密度、0.1μm程度のトラック幅を実現して高密度記録化、高出力特性化或いは高感度特性化が図られるようになる。しかしながら、CPP型GMR磁気ヘッドは、上述したようにCIP型GMR磁気ヘッド素子と比較してnmオーダの膜厚によって成膜されるスピンバルブ膜の多層化が必要であり、また各層に生じる腐食によってスピンバルブ膜の電気抵抗が大きく変化し、特性が大幅に劣化する。
したがって、本発明は、耐食性の向上と高抵抗化とが図られて狭トラック化による高密度記録化に対応することを可能とする面垂直通電型の巨大磁気抵抗効果素子、この巨大磁気抵抗効果素子を搭載して磁気記録媒体の信号記録面をヘッド面が直接摺擦して記録された磁気記録信号を再生する面垂直通電型の巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド並びにこの巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドを搭載する磁気記録再生装置を提供することを目的に提案されたものである。
上述した目的を達成する本発明にかかる巨大磁気抵抗効果素子は、少なくとも、反強磁性層と、この反強磁性層との間で作用する交換結合磁界により磁化方向が固定される磁化固定層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する磁化自由層と、この磁化自由層と磁化固定層との間に設けられる非磁性層とを積層したスピンバルブ膜を有し、各層に対して積層方向のセンス電流が通電される。巨大磁気抵抗効果素子は、非磁性層がCuとAuの組成比を(100−a)、a(ただし、aは原子%を示す。)としたときに組成範囲が25≦a≦100であるCuAu合金により形成され、磁化固定層及び磁化自由層がCoとNiとFeの組成比をそれぞれb、c、d(ただし、b、c、dは原子%を示す。)としたときに組成範囲が0≦b≦75、15≦c≦95、5≦d≦40、b+c+d=100原子%であるCoNiFe合金或いはNiFe合金によって形成される。
以上のように構成された本発明にかかる巨大磁気抵抗効果素子においては、外部磁界が印加されていない状態で、磁化固定層からのバイアス磁界により磁化自由層の磁化方向が外部磁界の方向と交差する方向に設定され、スピンバルブ膜の層方向に対してセンス電流が通電される。巨大磁気抵抗効果素子においては、外部磁界の印加により磁化自由層の磁化方向が反転し、スピンバルブ膜内に磁気抵抗変化が生じる。巨大磁気抵抗効果素子においては、非磁性層や磁化固定層及び磁化自由層を合金により形成したスピンバルブ膜が高抵抗値化されており、磁化自由層の磁化方向の反転に応じてセンス電流に大きな抵抗変化が生じる高磁気抵抗変化率特性を得る。巨大磁気抵抗効果素子においては、狭トラック化による高密度記録化が図られた磁気記録媒体から磁気記録信号を高感度かつ高出力で検出する。
巨大磁気抵抗効果素子においては、非磁性層をCuAu合金によって形成することにより耐食性の向上が図られ、表面に保護膜の形成を不要とする。したがって、巨大磁気抵抗効果素子においては、磁気記録媒体の信号記録面を直接摺擦する磁気記録再生ヘッドに適用しても高磁気抵抗変化率特性が長期間に亘っても保持される。
また、上述した目的を達成する本発明にかかる巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、第1磁気シールドと第2磁気シールドとの間に、ギャップ層を介して巨大磁気抵抗効果素子を設けてなる。磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、巨大磁気抵抗効果素子が、少なくとも、反強磁性層と、この反強磁性層との間で作用する交換結合磁界により磁化方向が固定される磁化固定層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する磁化自由層と、この磁化自由層と磁化固定層との間に設けられる非磁性層とを積層したスピンバルブ膜を有し、このスピンバルブ膜の上層と下層とに積層形成した第1電極層と第2電極層との間で積層方向のセンス電流を通電する面垂直通電型の巨大磁気抵抗効果素子によって構成される。磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、巨大磁気抵抗効果素子の非磁性層がCuとAuの組成比を(100−a)、a(ただし、aは原子%を示す。)としたときに組成範囲が25≦a≦100であるCuAu合金により形成され、磁化固定層及び磁化自由層がCoとNiとFeの組成比をそれぞれb、c、d(ただし、b、c、dは原子%を示す。)としたときに組成範囲が0≦b≦75、15≦c≦95、5≦d≦40、b+c+d=100原子%であるCoNiFe合金或いはNiFe合金により形成される。
以上のように構成された本発明にかかる巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいては、外部磁界が印加されていない状態で、巨大磁気抵抗効果素子が、磁化固定層からのバイアス磁界により磁化自由層の磁化方向を外部磁界の方向と交差する方向に設定され、スピンバルブ膜の層方向に対してセンス電流が通電される。巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいては、外部磁界の印加により巨大磁気抵抗効果素子内において、磁化自由層の磁化方向が反転してスピンバルブ膜内に磁気抵抗変化が生じる。巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいては、巨大磁気抵抗効果素子が非磁性層や磁化固定層及び磁化自由層を合金により形成したことによりスピンバルブ膜が高抵抗値化されており、磁化自由層の磁化方向の反転に応じてセンス電流に大きな抵抗変化が生じる高磁気抵抗変化率特性を得る。巨大磁気抵抗効果型ヘッドにおいては、狭トラック化による高密度記録化が図られた磁気記録媒体から磁気記録信号を高感度かつ高出力で検出する。
巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいては、巨大磁気抵抗効果素子が非磁性層をCuAu合金によって形成することにより耐食性の向上が図られており、表面に保護膜を形成することが不要とされる。したがって、巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいては、磁気記録媒体の信号記録面を直接摺擦する磁気記録再生ヘッドに適用しても高磁気抵抗変化率特性が長期間に亘っても保持される。
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかる磁気記録再生装置は、第1磁気シールドと第2磁気シールドとの間にギャップ層を介して巨大磁気抵抗効果素子を設けてなる巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドを備え、この巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドによって磁気記録媒体に記録された磁気記録信号を再生する。磁気記録再生装置は、巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドに設けた巨大磁気抵抗効果素子が、少なくとも、反強磁性層と、この反強磁性層との間で作用する交換結合磁界により磁化方向が固定される磁化固定層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する磁化自由層と、この磁化自由層と磁化固定層との間に設けられる非磁性層とを積層したスピンバルブ膜を有し、このスピンバルブ膜の上層と下層とに積層形成した第1電極層と第2電極層との間で積層方向のセンス電流を通電する面垂直通電型の巨大磁気抵抗効果素子によって構成される。磁気記録再生装置は、巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドに設けた巨大磁気抵抗効果素子の非磁性層がCuとAuの組成比を(100−a)、a(ただし、aは原子%を示す。)としたときに組成範囲が25≦a≦100であるCuAu合金により形成され、磁化固定層及び磁化自由層がCoとNiとFeの組成比をそれぞれb、c、d(ただし、b、c、dは原子%を示す。)としたときに組成範囲が0≦b≦75、15≦c≦95、5≦d≦40、b+c+d=100原子%であるCoNiFe合金或いはNiFe合金により形成される。
以上のように構成された本発明にかかる磁気記録再生装置においては、外部磁界が印加されていない状態で、巨大磁気抵抗効果素子が、磁化固定層からのバイアス磁界により磁化自由層の磁化方向を外部磁界の方向と交差する方向に設定されるとともに、スピンバルブ膜の層方向に対してセンス電流を通電する。磁気記録再生装置においては、磁気記録媒体に記録された磁気記録信号を検出する巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、磁気記録信号に基づく外部磁界が巨大磁気抵抗効果素子に印加される。磁気記録再生装置においては、巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドが磁気記録信号に基づいて、巨大磁気抵抗効果素子内において磁化自由層の磁化方向が反転してスピンバルブ膜内に磁気抵抗変化を生じさせる。磁気記録再生装置においては、巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドに設けた巨大磁気抵抗効果素子の非磁性層や磁化固定層及び磁化自由層を合金により形成したことによってスピンバルブ膜が高抵抗値化されている。磁気記録再生装置においては、巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドが、巨大磁気抵抗効果素子の磁化自由層が磁化方向の反転に応じてセンス電流に大きな抵抗変化が生じることで、高磁気抵抗変化率特性を有している。磁気記録再生装置においては、巨大磁気抵抗効果型ヘッドによって、狭トラック化による高密度記録化が図られた磁気記録媒体から磁気記録信号を高感度かつ高出力で再生する。
磁気記録再生装置においては、巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの巨大磁気抵抗効果素子が非磁性層をCuAu合金によって形成することにより耐食性の向上が図られており、巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの表面に保護膜を形成することが不要とされている。したがって、磁気記録再生装置においては、巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドが狭トラック化による高密度記録化を図られた磁気記録媒体に対してその信号記録面を直接摺擦して磁気記録信号を再生する方式にも適用可能であり、高磁気抵抗変化率特性が長期間に亘っても保持され、磁気記録媒体から磁気記録信号を高感度かつ高出力で再生する。
以上のように構成された本発明によれば、非磁性層や磁化固定層及び磁化自由層を合金によって形成することにより層内の高抵抗値化を図ったスピンバルブ膜を有することにより、磁化自由層の磁化方向の反転に応じてセンス電流に大きな抵抗変化が生じる高磁気抵抗変化率特性が得られるようになり、狭トラック化による高密度記録化が図られた磁気記録媒体から磁気記録信号を高感度かつ高出力で再生することが可能となる。また、本発明によれば、非磁性層をCuAu合金によって形成することによって表面に保護膜を形成せずとも耐食性の向上が図られるようになり、長期間に亘って高磁気抵抗変化率特性が保持されるようになるとともに、狭トラック化による高密度記録化を図られた磁気記録媒体に対してその信号記録面を直接摺擦して磁気記録信号を再生する方式にも適用可能であり、磁気記録媒体から磁気記録信号を高感度かつ高出力で再生することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態として図面に示したについて詳細に説明する。実施の形態として示した磁気記録再生装置は、磁気テープ2に対してヘリカルスキャン方式により磁気記録信号の記録再生を行う磁気テープ装置1である。磁気テープ装置1は、装填された図示しないテープカートリッジの供給リール3から磁気テープ2を引き出して、図1に示すようにこの磁気テープ2を所定の走行路に沿って走行させて巻取リール4に巻き取るようにする。
磁気テープ装置1は、磁気テープ2の走行路が、磁気テープ2を掛け合わす複数個のガイドローラ5a〜5fと、磁気テープ2を挟み込むピンチローラ6及びキャプスタン7とによって構成される。磁気テープ装置1は、キャプスタンモータ8によって所定の速度で回転されるキャプスタン7によって、磁気テープ2を走行路に沿って供給リール3と巻取リール4との間を一定の走行速度で走行させる。
磁気テープ装置1には、ガイドローラ5cとガイドローラ5dとの間に位置して、磁気テープ2に磁気記録信号を記録し、また記録された磁気記録信号を再生するヘッドドラム9が配置されている。ヘッドドラム9は、図1及び図2に示すように図示しないベースに固定して設けられた固定ドラム10と、駆動モータ12によって回転駆動される回転ドラム11とから構成される。ヘッドドラム9は、固定ドラム10に対して回転ドラム11が共通外周面を構成するようにして同軸上に組み合わされ、ベースに対して傾斜した状態で配置される。
ヘッドドラム9は、ガイドローラ5c、5dが中心を越える両側位置まで磁気テープ2をローディングすることによって、この磁気テープ2が固定ドラム10と回転ドラム11との外周面に約180°の角度範囲で押し付けられる。ヘッドドラム9には、固定ドラム10の外周面に回転方向に対して傾斜する段部を構成するリードガイド10aが形成されている。したがって、ヘッドドラム9には、磁気テープ2がリードガイド10aに下端縁が突き合わされることにより、約180°の巻き付け角度を以ってヘリカル状に巻き付けられて走行する。
ヘッドドラム9には、回転ドラム11の外周部に、磁気テープ2に対して磁気記録信号を記録するための一対の第1磁気記録ヘッド13a及び第2磁気記録ヘッド13bと、磁気テープ2に記録された磁気記録信号を再生する一対の第1GMR磁気ヘッド14a及び第2GMR磁気ヘッド14bとが搭載されている。ヘッドドラム9は、回転ドラム11に対して、第1磁気記録ヘッド13aと第2磁気記録ヘッド13bとを中心対象位置に配置するとともに、第1GMR磁気ヘッド14aと第2GMR磁気ヘッド14bとを中心対象位置に配置している。
ヘッドドラム9は、第1磁気記録ヘッド13a及び第2磁気記録ヘッド13bと第1GMR磁気ヘッド14a及び第2GMR磁気ヘッド14bとを、それぞれの記録ギャップと再生ギャップとが磁気テープ2の走行方向に対してアジスマ角度に応じた所定の角度を付すようにして配置してなる。ヘッドドラム9は、磁気テープ2が固定ドラム10と回転ドラム11との外周部に掛け合わされて図2において矢印A方向へと走行するとともに、回転ドラム11が駆動モータ12によって矢印B方向へと回転される。ヘッドドラム9は、第1磁気記録ヘッド13a及び第2磁気記録ヘッド13bと第1GMR磁気ヘッド14a及び第2GMR磁気ヘッド14bとが磁気テープ2に対して摺動状態を保持されて磁気記録信号の記録動作或いは再生動作を行う。
ヘッドドラム9は、磁気テープ2に対して、例えば第1磁気記録ヘッド13aが磁気記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で記録トラックを形成し、第2磁気記録ヘッド13bが形成された記録トラックに隣接した領域に磁気記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で記録トラックを形成する。ヘッドドラム9は、第1磁気記録ヘッド13aと第2磁気記録ヘッド13bとが磁気テープ2に対して順次記録トラックを形成することによって、磁気記録信号を連続して記録する。
ヘッドドラム9は、磁気テープ2に対して、詳細を後述する例えば第1GMR磁気ヘッド14aが第1磁気記録ヘッド13aによって形成された記録トラックから磁気記録信号に基づく信号磁界を検出し、第2GMR磁気ヘッド14bが第2磁気記録ヘッド13bによって形成された記録トラックから磁気記録信号に基づく信号磁界を検出する。ヘッドドラム9は、第1GMR磁気ヘッド14aと第2GMR磁気ヘッド14bとが磁気テープ2の各記録トラックから信号磁界を検出して、磁気記録信号を連続して再生する。
第1GMR磁気ヘッド14aと第2GMR磁気ヘッド14bは、同等に形成された部材であり、図3及び図4によってGMR磁気ヘッド14として総称して説明する。GMR磁気ヘッド14は、第1コア部材15上に、例えばめっき法やスパッタ法或いは蒸着法等の成膜技術によってGMRヘッド素子16を形成し、このGMRヘッド素子16上に保護膜17を介して第2コア部材18を貼り付けてなる。GMR磁気ヘッド14は、図3に矢印Cで示す方向に磁気テープ2が摺動する媒体摺動面14cが略円弧状の湾曲面に形成されることによりいわゆるテープ当たりが良好となるように形成されている。なお、GMR磁気ヘッド14は、第1コア部材15となる基板上に同一形状となる多数個のGMR素子を形成し、これらGMR素子と対向して第1コア部材15に保護膜17を介して第2コア部材18を貼り付けた後に個々に切り出することによって製作される。
GMR磁気ヘッド14は、図4に示すように第1コア部材15上に積層形成された第1磁気シールド層19及び第2磁気シールド層20と、ギャップ層21と、CIP型GMR素子22と、一対の永久磁石膜23a、23bと、第1電極層24及び第2電極層25とからなる積層体によって構成される。第1磁気シールド層19と第2磁気シールド層20は、軟磁性材によってGMR素子22を磁気的にシールドするに充分な幅を有してそれぞれ成膜される。第1磁気シールド層19と第2磁気シールド層20は、磁気テープ2に記録された磁気記録信号に基づく信号磁界から再生対象外の磁界を引き込むことによってこの再生対象外磁界がGMR磁気ヘッド14に引き込まれないように機能することで、周波数特性や読取分解能の向上が図られるようにする。
ギャップ層21は、非磁性非導電材によって形成され、第1磁気シールド層19と第2磁気シールド層20との間を磁気的に隔離する。ギャップ層21は、媒体摺動面14cから外部に臨み、第1磁気シールド層19及び第2磁気シールド層20とGMR素子22との間隔をギャップ長とする再生ギャップを構成する。再生ギャップは、磁気テープの走行方向と略直交する方向に対してアジマス角に対応して所定の角度が付されてなる。
GMR素子22は、詳細を後述する層構成のスピンバルブ膜26を有して、外部磁界の変化に応じて素子内の電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用した感磁素子である。GMR磁気ヘッド14は、GMR素子22の長手方向の両端部に永久磁石膜23a、23bを成膜形成し、これらに永久磁石膜23a、23bによってGMR素子22にバイアス磁界を印加して動作の安定化が図られる。GMR磁気ヘッド14は、永久磁石膜23a、23bによって挟まれたGMR素子22の幅が再生トラック幅を構成する。
GMR素子22は、図5に示すようにスピンバルブ膜26が、反強磁性層27と磁化固定層28と高抵抗非磁性層29と磁化自由層30との積層体からなるトップ型スピンバルブ膜26からなり、反強磁性層27上に第1電極層24が形成されるとともに磁化自由層30上に第2電極層25が形成されている。GMR素子22は、同図矢印で示すように、第1電極層24からスピンバルブ膜26に対して各層の積層方向のセンス電流が通電される。なお、GMR素子22は、第2電極層25からスピンバルブ膜26に対して各層の積層方向にセンス電流が通電されてもよい。また、GMR素子22は、スピンバルブ膜26が上述したトップ型スピンバルブ膜に限定されず、例えば層構造を逆にするボトム型スピンバルブ膜、或いは多層構成のデュアル型スピンバルブ膜によって構成するようにしてもよい。
GMR素子22は、上述したスピンバルブ膜26の磁気抵抗効果により、磁気テープ2から印加される磁気記録信号に基づく外部磁界を検出する。すなわち、スピンバルブ膜26においては、反強磁性層27に積層形成された磁化固定層28が、反強磁性層27との間で作用する交換結合磁界により磁化方向が固定された状態となっている。スピンバルブ膜26においては、磁化自由層30が磁化固定層28との間に高抵抗非磁性層29が介在することによって磁気的に隔離された状態となっており、外部から印加される微弱な外部磁界に対しても磁化方向が容易に変化する。
スピンバルブ膜26においては、印加される外部磁界の大きさや向きに応じて磁化自由層30の磁化方向が変化する。スピンバルブ膜26においては、磁化自由層30の磁化方向が磁化固定層28の磁化方向と逆方向となるときに、層内を流れる電流の抵抗値が最大となる。スピンバルブ膜26においては、磁化自由層30の磁化方向が磁化固定層28の磁化方向と同一方向となるときに、層内を流れる電流の抵抗値が最小となる。スピンバルブ膜26においては、磁気テープ2からセンス電流の通電方向及びバイアス磁界の磁化方向に対して垂直方向の外部磁界が印加され、この外部磁界による抵抗変化をセンス電流の電流値変化によって検出させる。
スピンバルブ膜26においては、後述するように磁化固定層28や磁化自由層30或いは高抵抗非磁性層29が合金材によって形成されることから、層内の高抵抗値化が図られている。したがって、スピンバルブ膜26においては、外部磁界の印加による磁化自由層30の磁化方向の反転に応じてセンス電流に大きな抵抗変化が生じて高磁気抵抗変化率特性が得られ、狭トラック化による高密度記録化が図られた磁気テープ2から磁気記録信号を高感度かつ高出力で検出することを可能とする。
GMR磁気ヘッド14は、図3に示すように第1電極層24と第2電極層25が、第1コア部材15に形成した接続端子部24a、25aにそれぞれリード24b、25bを介して接続される。GMR磁気ヘッド14は、第1コア部材15の側面を保護膜17によって被覆し、この保護膜17を介して第2コア部材18を貼り付けてなる。なお、保護膜17は、接続端子部24a、25aを露出させて形成される。なお、GMR磁気ヘッド14は、特徴を解りやすくするために図3及び図4に拡大して示したが、実際には第1コア部材15や第2コア部材18と比較して極めて微細であり、媒体摺動面14cにおいてGMRヘッド素子16が外部に臨むのは微小な部位である。
GMR磁気ヘッド14は、図示しないチップベースに貼り付けられるとともに、このチップベースに設けた接続端子に第1電極層24と第2電極層25の接続端子部24a、25aがそれぞれ接続される。GMR磁気ヘッド14は、チップベースを介して回転ドラム11に搭載され、その媒体摺動面14cを直接摺動する磁気テープ2から記録された磁気記録信号を再生する。
ところで、GMR磁気ヘッド14においても、ハードディスクドライブ装置用のGMR磁気ヘッドと同様に、例えば耐食性の向上等を目的として媒体摺動面14cにDLC膜等の保護膜を形成することが好ましい。しかしながら、GMR磁気ヘッド14においては、保護膜が、媒体摺動面14cを摺動する磁気テープ2によって削り落とされ、また再生特性を低下させることでかかる対応を図ることができない。GMR磁気ヘッド14においては、後述するスピンバルブ膜26の層構造によって優れた耐食特性を有することで保護膜を不要とし、高磁気抵抗変化率特性も保持される。
スピンバルブ膜26は、反強磁性層27が優れた耐食性を有するPtMnが用いられ、上述したようにスパッタ法等の成膜法によりコア基板上に成膜形成された第1電極層24上或いは磁化固定層28上に成膜形成される。反強磁性層27は、PtMnの他にも、優れた耐食性を有する例えばNiO、IrMn、CrMnPt、α−Fe203、RhMn、NiMn、PdPtMn等の強磁性合金材が用いられる。
磁化固定層28と磁化自由層30は、優れた耐食性と良好な軟磁気特性とを有するCoNiFe合金又はNiFe合金が用いられてスパッタ法等の成膜法により、反強磁性層27上或いは高抵抗非磁性層29上に成膜形成される。なお、磁化固定層28と磁化自由層30は、これらの合金材の積層構造や、これら合金材と例えばRu等の非磁性膜とを交互に積層してなるいわゆる積層フェリ磁性層構造によって構成するようにしてもよい。
磁化固定層28と磁化自由層30は、具体的にはCo、Ni、Feの組成範囲が、b、c、d(ただし、b、c、dは原子%を示す。)としたときに、組成範囲が0≦b≦75、15≦c≦95、5≦d≦55、b+c+d=100原子%であるCoNiFe合金或いはNiFe合金が用いられて成膜形成される。磁化固定層28と磁化自由層30は、後述する腐食試験の検証から明らかなように、かかる組成のCoNiFe合金又はNiFe合金を用いることによって、優れた耐食性と高磁気抵抗効果率とを奏する。
なお、磁化固定層28と磁化自由層30には、上述したCoNiFe合金又はNiFe合金に対して、例えばAu、Ir、Pt、Al、Ru、Rh、Cr、Pdから選択される1種類又は複数種類の元素を添加するようにしてもよい。また、磁化固定層28と磁化自由層30には、CoNiFe合金又はNiFe合金に対して、さらに耐食性に優れたCoNbZr、CoNbZrTa、CoZr等のCo系アモルファスや微結晶合金を添加するようにしてもよい。
高抵抗非磁性層29は、優れた耐食性と高導電性とを有するCuAu合金又はAuが用いられてスパッタ法等の成膜法により、磁化固定層28上に成膜形成される。高抵抗非磁性層29は、具体的にはCuとAuの組成比を(100−a)、a(ただし、aは原子%を示す。)としたときに、組成範囲が25≦a≦100であるCuAu合金により形成される。高抵抗非磁性層29は、後述する腐食試験の検証から明らかなように、かかる組成のCuAu合金を用いることによって、優れた耐食性と高導電性とを奏する。なお、高抵抗非磁性層29は、CuAu合金又はAuに対して、例えばPd、Al、Ta、In、B、Nb、Hf、Mo、W、Re、Ru、Rh、Ga、Zr、Ir、Ag、Niから選択される1種類又は複数種類の元素を添加するようにしてもよい。
ところで、高抵抗非磁性層29は、上述したようにCuAu合金を用いて形成することによってCu或いはAuとの比抵抗が上昇する。図6は、横軸がCuAu合金におけるCuの組成比、縦軸が比抵抗の変化量を示し、実測値とノルドハイム則に基づく計算値をプロットした特性図である。高抵抗非磁性層29は、同図から明らかなように、合金化によりスピンバルブ膜26に対して層方向に通電されるセンス電流に対して第1電極層24と第2電極層25との高抵抗化を図るようにする。高抵抗非磁性層29は、これによってスピンバルブ膜26内に通電規制層を形成することなく同等の通電規制作用を奏するようにして、抵抗変化量を高めるようにする。高抵抗非磁性層29は、GMR素子22が、層構造を変えることなくCPP型として機能させる。
以上のように構成したGMR磁気ヘッド14について、電気化学的手法を用いた以下の腐食試験を行い、腐食試験の前後における磁気抵抗変化率の測定と腐食の発生の有無についての表面観察を行った。腐食試験は、高抵抗非磁性層29が組成を異にするCuAu合金によって形成した合金単層膜を製作し、これら合金単層膜について標準水素電極(SHE:Standard Hydrogen Electrode)を照合電極として、濃度0.1kmol/LのNaCl溶液中に液浸させたときに測定される標準水素電極に対する腐食電位を測定した。
ところで、腐食電位は、溶液の種類や濃度によって変化する。腐食試験は、特に測定電極としてPtを用い、室温(約20℃)での腐食電位の測定を行うとともに、測定された腐食電位から標準水素電極(SHE)への補正を行って腐食電位とした。なお、測定時の電位上昇速度は、約0.5mV/secである。
また、腐食電位及び腐食試験前後の抵抗変化については、膜特性を調べるため、スピンバルブ膜26を構成する各層の単層膜での測定、或いは局部電池効果等を調べるため、スピンバルブ膜26の要部となる磁化固定層28及び磁化自由層30を高抵抗非磁性層29を介して積層した積層膜での測定、さらにスピンバルブ膜26の各層を積層した積層膜での測定の何れの測定方法によって測定されたものであってもよい。なお、ここでは、スピンバルブ膜26を構成する各層の単層膜での測定により腐食電位及び腐食試験前後の抵抗変化を求めた。
また、表面観察においては、上述した単層膜での試験、並びに局部電池効果を考慮して、腐食電位の高い金属、例えばAuからなる下地層上に各層を積層した積層膜での試験を行った。かかる試験は、局部電池効果によって、Auと接する積層膜の方が単層膜よりも腐食が発生しやすい傾向にあるためである。
GMR磁気ヘッド14は、磁気テープ装置1が高温高湿の環境下や海水雰囲気において使用されることがあることから、NaCl溶液を用いてスピンバルブ膜の腐食試験を行った。腐食電位及び腐食試験前後の抵抗変化との関係、並びに表面観察結果を図7に示す。同図において、横軸はCuAu合金のAu添加量(a%)を示し、横軸は試験後の抵抗変化率(%)を示す。また、同図において、○印は表面観察の結果腐食の発生がなかったものを示し、△印は表面にわずかに変色が発生したものを示し、×印は表面観察の結果腐食が確認されたものを示す。
図7に示すように、腐食試験前後の抵抗変化及び表面観察結果は、腐食電位+0.4[VvsSHE]を境にして大きく変化することがわかる。すなわち、腐食電位が+0.4[VvsSHE]以上となるときには、スピンバルブ膜26の表面に腐食の発生は無く、腐食試験前後の抵抗変化もほとんど無いことがわかる。一方、腐食電位が+0.4[VvsSHE]よりも低くなると、スピンバルブ膜26の表面に腐食が発生し、腐食試験前後の抵抗変化が急激に増加することがわかる。そして、さらに腐食電位が低くなると、抵抗測定が不可能な状態まで腐食が進行することがわかる。
次に、上述した高抵抗非磁性層29として、耐食性に優れたCuAu合金又はAuを用いる場合のAuとCuの組成比と腐食電位との関係について調べた。
Cuに対するAuの割合を変化させた際の高抵抗非磁性層29の標準水素電極に対する腐食電位[VvsSHE]の測定結果を図8に示す。
図8に示すように、Cuに対するAuの割合と腐食電位とは比例関係にあり、Cuに対してAuの割合を25原子%以上とすることによって、上述した標準水素電極に対する腐食電位[VvsSHE]が+0.4[VvsSHE]以上となることがわかる。
したがって、図7及び図8に示した試験結果から明らかなように、GMR磁気ヘッド14は、Auを25原子%以上添加することによって表面の腐食の発生が防止されて優れた耐食性を奏するとともに、試験前後における抵抗変化率も抑制されまた実ヘッドにおいても優れた磁気抵抗効果が引き続き作用されることが確認された。なお、GMR磁気ヘッド14は、高抵抗非磁性層29をCuAu合金で形成する場合にAuの添加量が少ないほど磁気抵抗変化率が高くなる傾向にある。したがって、GMR磁気ヘッド14は、磁気抵抗効果特性を維持するために、高抵抗非磁性層29を形成するCuAu合金の組成比(100−a)、aを、上述したように25≦a≦100の範囲とするが、好ましくは25≦a≦75、さらに好ましくは25≦a≦45とする。
次に高抵抗非磁性層29としてCuAu合金を用い、かつ上述した磁化固定層28及び磁化自由層30として耐食性に優れたNiFe合金或いはCoNiFe合金を用いた場合のCo、Ni、Feの組成比と腐食電位との関係について調べた。
試験は、Co、Ni、Feの組成比を変化させたNiFe合金及びCoNiFe合金のサンプルを作製し、各サンプルについて上述した腐食電位試験と同様に、標準水素電極に対する腐食電位を測定するとともに、腐食試験前後に表面観察を行って腐食の発生の有無について調べた。
Co、Ni、Feの組成比を変化させた各サンプルの評価結果を図9に示す。なお、同図において、○印は表面に腐食の発生が無く上述した標準水素電極に対する腐食電位[VvsSHE]が+0.4[VvsSHE]以上となる場合を示し、●印は表面に腐食が発生した場合を示す。また、■印は保持力Hcが10Oeよりも高くなる場合を示し、▲印はbcc相(体心立方構造)となる場合を示す。なお、保持力Hcが10Oeよりも高くなる場合(Hc>10Oe)となる場合は、保持力の増加によって軟磁気特性を兼ねた磁気抵抗効果が劣化する。また、NiFe合金或いはCoNiFe合金は、ともにfcc相(面心立方構造)である方が磁気抵抗効果が高くなる。一方、他の結晶構造となる場合には、界面での格子の不整合が生じて磁気抵抗効果が劣化する。また、fcc相とbcc相とが混在する場合も、界面での格子の不整合が生じて磁気抵抗効果が劣化する。
図9に示すように、Co、Ni、Feの組成比について、Coの割合が75原子%よりも大きくかつNiの割合が15原子%よりも小さくなると、磁化固定層28と磁化自由層30とに腐食が発生しやすくなることがわかる。また、Co、Ni、Feの組成比について、Niの割合が95原子%よりも大きくかつFeの割合が5原子%よりも小さくなると、磁化固定層28と磁化自由層30の保磁力が大きくなり、磁気抵抗効果が劣化することがわかる。さらに、Co、Ni、Feの組成比について、Feの割合が40原子%よりも大きくなると、磁化固定層28と磁化自由層30とに腐食が発生しやすくなることがわかる。
したがって、GMRヘッド素子16は、高抵抗非磁性層29としてCuAu合金を用い、かつ上述した磁化固定層28及び磁化自由層30にNiFe合金或いはCoNiFe合金を用いる場合に、Co、Ni、Feの組成範囲が、組成比をそれぞれb、c、d(ただし、b、c、dは原子%を示す。)としたときに、0≦b≦75、15≦c≦95、5≦d≦40、b+c+d=100原子%とすることが好ましい。
すなわち、磁化固定層28及び磁化自由層30は、図10に示すように、Co、Ni、Feの組成比が、点A(Co=0原子%、Ni=95原子%、Fe=5原子%)、点B(Co=0原子%、Ni=60原子%、Fe=40原子%)、点C(Co=45原子%、Ni=15原子%、Fe=40原子%)、点D(Co=75原子%、Ni=15原子%、Fe=10原子%)、点E(Co=75原子%、Ni=20原子%、Fe=5原子%)の5点で囲まれた実線の範囲内にあることが好ましい。
GMRヘッド素子16は、磁化固定層28及び磁化自由層30を上述した構成とすることによって、磁気テープ2が摺動する媒体摺動面14cに保護膜を形成しない場合においてもこれら磁化固定層28及び磁化自由層30に腐食が発生することが防止されて、優れた耐食性を得ることができる。
さらに、磁化固定層28及び磁化自由層30は、Co、Ni、Feの組成範囲が、組成比をそれぞれb、c、d(ただし、b、c、dは原子%を示す。)としたときに、20≦b≦75、20≦c≦75、5≦d≦40、b+c+d=100原子%とすることがさらに好ましい。すなわち、磁化固定層28及び磁化自由層30は、Co、Ni、Feの組成比が図10に示す点F(Co=20原子%、Ni=75原子%、Fe=5原子%)、点G(Co=20原子%、Ni=40原子%、Fe=40原子%)、点H(Co=40原子%、Ni=20原子%、Fe=40原子%)、点E(Co=75原子%、Ni=20原子%、Fe=5原子%)の4点で囲まれた破線の範囲内にあることがより好ましい。
GMRヘッド素子16においては、磁化固定層28及び磁化自由層30を上述した構成とすることにより、優れた耐食性と高い磁気抵抗変化率とを維持することが可能であるとともに特にCoの割合が増すことによって磁気抵抗変化率を高めることが可能となる。
さらにまた、磁化固定層28及び磁化自由層30は、Co、Ni、Feの組成範囲が、組成比をそれぞれb、c、d(ただし、b、c、dは原子%を示す。)としたときに、40≦b≦75、20≦c≦65、5≦d≦30、b+c+d=100原子%とすることが好ましい。すなわち、磁化固定層28及び磁化自由層30は、Co、Ni、Feの組成比が、図10に示す点I(Co=30原子%、Ni=65原子%、Fe=5原子%)、点J(Co=30原子%、Ni=40原子%、Fe=30原子%)、点K(Co=50原子%、Ni=20原子%、Fe=30原子%)、点E(Co=75原子%、Ni=20原子%、Fe=5原子%)の4点で囲まれた一点鎖線の範囲内にあることがより好ましい。
GMRヘッド素子16においては、磁化固定層28及び磁化自由層30を上述した構成とすることにより、さらに優れた耐食性と高い磁気抵抗変化率とを維持することが可能であるとともに、優れた耐食性と高い磁気抵抗変化率とを高次元でバランスさせることが可能となる。
GMR磁気ヘッド14は、上述した条件を満足するものとして、GMR素子22のスピンバルブ膜26が、例えば反強磁性層27をPtMnによって形成し、磁化固定層28をCo50Ni30Fe20の合金によって形成し、磁化自由層30をNi80Fe20とCo50Ni30Fe20の合金によって形成し、高抵抗非磁性層29をCu75Au25の合金によって形成する。GMR磁気ヘッド14は、優れた耐食性を有するとともに高い磁気抵抗変化率を保持するスピンバルブ膜26を有することで、磁気テープ2が媒体摺動面14aを直接摺動するヘリカルスキャン方式の磁気テープ装置1に適用し、極めて劣悪な環境下において使用することを可能とする。
GMR磁気ヘッド14は、層構造の追加や変更を要することなくGMR素子22がCCP型GMR素子を構成する。したがって、GMR磁気ヘッド14は、100Gb/inch2程度の記録密度、0.1μm程度のトラック幅とする高記録密度化を図った磁気テープ2への適用も可能とされる。
1 磁気テープ装置、2 磁気テープ、9 ヘッドドラム、13 磁気記録ヘッド、14 GMR磁気ヘッド、15 第1コア部材、16 GMRヘッド素子、17 保護膜、18 第2コア部材、19 第1磁気シールド層、20 第2磁気シールド層、21 ギャップ層、22 GMR素子、23 永久磁石膜、24 第1電極層、25 第2電極層、26 スピンバルブ膜、27 反強磁性層、28 磁化固定層、29 高抵抗非磁性層、30 磁化自由層
Claims (3)
- 少なくとも、反強磁性層と、この反強磁性層との間で作用する交換結合磁界により磁化方向が固定される磁化固定層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する磁化自由層と、この磁化自由層と上記磁化固定層との間に設けられる非磁性層とを積層したスピンバルブ膜を有し、上記各層に対して積層方向のセンス電流を通電する面垂直通電型の巨大磁気抵抗効果素子であり、
上記非磁性層が、CuとAuの組成比を(100−a)、a(ただし、aは原子%を示す。)としたときに、組成範囲が25≦a≦100であるCuAu合金により形成され、
上記磁化固定層及び上記磁化自由層が、CoとNiとFeの組成比をそれぞれb、c、d(ただし、b、c、dは原子%を示す。)としたときに、組成範囲が0≦b≦75、15≦c≦95、5≦d≦40、b+c+d=100原子%であるCoNiFe合金或いはNiFe合金によって形成され
ることを特徴とする巨大磁気抵抗効果素子。 - 第1磁気シールドと第2磁気シールドとの間にギャップ層を介して巨大磁気抵抗効果素子を設けてなる磁気抵抗効果型磁気ヘッドであり、
上記巨大磁気抵抗効果素子が、少なくとも、反強磁性層と、この反強磁性層との間で作用する交換結合磁界により磁化方向が固定される磁化固定層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する磁化自由層と、この磁化自由層と上記磁化固定層との間に設けられる非磁性層とを積層したスピンバルブ膜を有し、このスピンバルブ膜の上層と下層とに積層形成した第1電極層と第2電極層との間で積層方向のセンス電流を通電する面垂直通電型の巨大磁気抵抗効果素子であり、
上記非磁性層が、CuとAuの組成比を(100−a)、a(ただし、aは原子%を示す。)としたときに、組成範囲が25≦a≦100であるCuAu合金により形成され、
上記磁化固定層及び上記磁化自由層が、CoとNiとFeの組成比をそれぞれb、c、d(ただし、b、c、dは原子%を示す。)としたときに、組成範囲が0≦b≦75、15≦c≦95、5≦d≦40、b+c+d=100原子%であるCoNiFe合金或いはNiFe合金によって形成され
ることを特徴とする巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド。 - 第1磁気シールドと第2磁気シールドとの間にギャップ層を介して巨大磁気抵抗効果素子を設けてなる巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドを備え、この巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドによって磁気記録媒体に記録された磁気記録信号を再生する磁気記録再生装置であり、
上記巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの上記巨大磁気抵抗効果素子が、少なくとも、反強磁性層と、この反強磁性層との間で作用する交換結合磁界により磁化方向が固定される磁化固定層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する磁化自由層と、この磁化自由層と上記磁化固定層との間に設けられる非磁性層とを積層したスピンバルブ膜を有し、このスピンバルブ膜の上層と下層とに積層形成した第1電極層と第2電極層との間で積層方向のセンス電流を通電する面垂直通電型の巨大磁気抵抗効果素子であり、
上記非磁性層が、CuとAuの組成比を(100−a)、a(ただし、aは原子%を示す。)としたときに、組成範囲が25≦a≦100であるCuAu合金により形成され、
上記磁化固定層及び上記磁化自由層が、CoとNiとFeの組成比をそれぞれb、c、d(ただし、b、c、dは原子%を示す。)としたときに、組成範囲が0≦b≦75、15≦c≦95、5≦d≦40、b+c+d=100原子%であるCoNiFe合金或いはNiFe合金によって形成され
ることを特徴とする磁気記録再生装置。
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CN104775049A (zh) * | 2015-03-31 | 2015-07-15 | 中国科学院物理研究所 | Au-Cu合金材料、包含其的纯自旋流器件及其应用 |
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2004
- 2004-03-08 JP JP2004064711A patent/JP2005252205A/ja not_active Withdrawn
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Date | Code | Title | Description |
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