JP2004110893A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び磁気テープシステム - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び磁気テープシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2004110893A
JP2004110893A JP2002269045A JP2002269045A JP2004110893A JP 2004110893 A JP2004110893 A JP 2004110893A JP 2002269045 A JP2002269045 A JP 2002269045A JP 2002269045 A JP2002269045 A JP 2002269045A JP 2004110893 A JP2004110893 A JP 2004110893A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
head
magnetic tape
film
tape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002269045A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroki Tetsukawa
鉄川 弘樹
Tadashi Osue
尾末 匡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2002269045A priority Critical patent/JP2004110893A/ja
Publication of JP2004110893A publication Critical patent/JP2004110893A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

【課題】磁気記録媒体と摺接するGMRヘッドの媒体摺接面に腐食が発生することを防止する。
【解決手段】磁気テープ3と摺接しながら磁気信号の検出を行うGMRヘッド20の媒体摺接面20aに、トリアゾール又はトリアゾール誘電体を含有する防錆剤膜50を形成する。また、磁気テープ3の表面に、GMRヘッド20の媒体摺接面20aに形成された防錆剤膜50と同一材料からなる防錆剤膜50aを形成し、この磁気テープ3と摺接されるGMRヘッド20の媒体摺接面20aに防錆剤膜50aを転写する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録媒体と摺接しながら磁気信号の検出を行う感磁素子として磁気抵抗効果素子を備えた磁気抵抗効果型磁気ヘッド、並びにそのような磁気抵抗効果型磁気ヘッドと磁気録媒体である磁気テープとを組み合わせた磁気テープシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気抵抗効果素子(以下、MR素子という。)は、外部磁界の大きさや向きにより抵抗値が変化する、いわゆる磁気抵抗効果を利用したものであり、例えば、磁気記録媒体からの信号磁界を検出するための感磁素子として磁気ヘッド等に用いられている。そして、このようなMR素子を備える磁気ヘッドは、一般に磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、MRヘッドという。)と呼ばれている。
【0003】
また、MR素子としては、異方性磁気抵抗効果を利用したMR素子が従来より使用されているが、磁気抵抗変化率(MR比)が小さいために、より大きなMR比を示すものが望まれている。そこで、より大きなMR比を示すMR素子として、スピンバルブ膜を利用した巨大磁気抵抗効果素子(以下、GMR素子という。)が提案されている。
【0004】
このGMR素子は、一対の磁性層で非磁性層を挟持してなるスピンバルブ膜を有し、このスピンバルブ膜に対して面内方向に流れる、いわゆるセンス電流のコンダクタンスが、一対の磁性層の磁化の相対角度に依存して変化する、いわゆる巨大磁気抵抗効果を利用したものである。具体的に、スピンバルブ膜は、反強磁性層と、反強磁性層との間で働く交換結合磁界により所定の方向に磁化が固定された磁化固定層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する磁化自由層と、磁化固定層と磁化自由層との間を磁気的に隔離する非磁性層とが積層された構造を有している。
【0005】
このスピンバルブ膜を利用したGMR素子では、外部磁界が印加されると、外部磁界の大きさや向きに応じて、磁化自由層の磁化方向が変化する。そして、磁化自由層の磁化方向が磁化固定層の磁化方向に対して、逆方向(反平行)となるとき、このスピンバルブ膜に流れるセンス電流の抵抗値が最大となる。一方、磁化自由層の磁化方向が磁化固定層の磁化方向に対して、同一方向(平行)となるときに、このスピンバルブ膜に流れるセンス電流の抵抗値が最小となる。
【0006】
したがって、このようなGMR素子を備える磁気ヘッド(以下、GMRヘッドという。)では、GMR素子に対して一定のセンス電流を供給すると、磁気記録媒体からの信号磁界に応じて、このGMR素子を流れるセンス電流の電圧値が変化することになり、このセンス電流の電圧値の変化を検出することによって、磁気記録媒体からの磁気信号を読み取ることが可能となっている。
【0007】
一方、磁気記録媒体としては、非磁性支持体上に酸化物磁性粉末あるいは合金磁性粉末等の粉末磁性材料を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機結合剤中に分散せしめた磁性塗料を塗布、乾燥することにより作製される、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が従来より広く使用されている。
【0008】
また、高密度記録への要求の高まりと共に、Co−Ni、Co−Cr、Co等の金属磁性材料をメッキや真空薄膜形成手段(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等)によって非磁性支持体上に直接被着した、いわゆる金属磁性薄膜型の磁気記録媒体が提案され、注目を集めている。
【0009】
この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、保磁力、残留磁化、角形比等に優れ、短波長での電磁変換特性に優れるばかりでなく、磁性層の厚みをきわめて薄くできるため、記録減磁や再生時の厚み損失が小さいこと、磁性層中に非磁性材である結合剤を混入する必要がないため、磁性材料の充填密度を高め、大きな磁化を得ることができる等、数々の利点を有している。
【0010】
さらに、この種の磁気記録媒体の電磁変換特性を向上させ、より大きな出力を得るため、非磁性支持体上に金属磁性材料を斜方に蒸着させた、いわゆる蒸着テープが提案されており、例えば高画質VTR用、デジタルVTR用の磁気テープとして実用化されている。
【0011】
ところで、上述したGMRヘッドは、ハードディスクドライブ等の磁気ディスク装置において利用されている。例えばハードディスクドライブは、サスペンションの先端部に取り付けられたヘッドスライダにGMRヘッドが搭載された構造を有している。そして、このハードディスクドライブでは、磁気ディスクの回転により生じる空気流を受けて、ヘッドスライダが磁気ディスクの信号記録面上を浮上しながら、このヘッドスライダに搭載されたGMRヘッドが磁気ディスクに記録された磁気信号を読み取ることによって、磁気ディスクに対する再生動作が行われる。
【0012】
また、近年では、このような磁気ディスク装置に限らず、テープストリーマ等の磁気テープ装置にも、更なる高記録密度化を達成するためにGMRヘッドを利用することが提案されている。例えばヘリカルスキャン方式を採用するテープストリーマは、回転ドラムの外周部にGMRヘッドが磁気テープの走行方向と略直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置された構造を有している。そして、このテープストリーマでは、磁気テープが回転ドラムに対して斜めに走行しながら、回転ドラムが回転駆動し、この回転ドラムに搭載されたGMRヘッドが磁気テープと摺接しながら、磁気テープに記録された磁気信号を読み取ることによって、磁気テープに対する再生動作が行われる。
【0013】
そして、このようなGMRヘッドと蒸着テープとを組み合わせた磁気テープ装置では、従来と比較して飛躍的に記録密度を高めることが期待されている。
【0014】
【特許文献1】
特開平11−149612号公報(第4−5頁、第1図)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したテープストリーマでは、GMRヘッドと磁気テープとの間の距離、いわゆるスペーシングを小さくすることが好ましく、磁気テープの表面は、その表面性を上げることで、より鏡面となっている。
【0016】
しかしながら、磁気テープの表面が鏡面となるに従って、逆に磁気テープと回転ドラムの外周面との接触面積が増加する。すると、走行時において磁気テープと回転ドラムとの間に働く摩擦力が大きくなり、場合によっては、磁気テープと回転ドラムとの貼り付きが生じて、磁気テープのスムーズな走行が不可能となってしまう。
【0017】
そこで、磁気テープの表面には、SiOフィラーや有機フィラー等からなる無数の微小突起が設けられており、このような微小突起によって回転ドラムの外周面との接触面積を小さくし、磁気テープと回転ドラムとの間に働く摩擦力を小さくすることが行われている。なお、これらの微小突起は、磁気テープとなるベースフィルムの表面に、上述したフィラーを付着させ、その上に磁性膜を被覆させることで形成される。また、磁気テープの表面には、大気中や海水雰囲気中、高温高湿下における酸化や腐食等の発生を防止するためのDLC膜等の保護膜が形成されている。
【0018】
ところで、上述したハードディスクドライブでは、GMRヘッドが磁気ディスクの信号記録面に対して非接触な状態で再生動作を行っている。また、上述したスピンバルブ膜を構成する非磁性層には、Cuが用いられており、磁気ディスクと対向するGMRヘッドの媒体対向面には、このCu等が腐食されることを防止するためのDLC(Diamond Like Carbon)膜等の保護膜が形成されている。
【0019】
一方、上述したテープストリーマでは、GMRヘッドが磁気テープに対して接触した状態で再生動作を行うことから、磁気テープと摺接されるGMRヘッドの媒体摺接面に、上述した腐食等の発生を防止するための保護膜が形成された場合には、再生動作時に磁気テープの表面に形成された微小突起や保護膜との接触によって、このGMRヘッドの媒体摺接面に形成された保護膜が摩耗することになる。さらに、GMRヘッドの媒体摺接面に形成された保護膜は、磁気テープとのスペーシングとなることから、このGMRヘッドの短波長記録再生特性を劣化させることになる。
【0020】
したがって、上述したテープストリーマ等の磁気テープ装置では、GMRヘッドの媒体摺接面に保護膜を形成することができない。このため、従来の磁気テープ装置では、GMRヘッドの媒体摺接面が直接大気と触れることになり、高温高湿下や海水雰囲気中において腐食等が発生しやすくなるといった問題があった。また、GMRヘッドの感度は、スピンバルブ膜に流れるセンス電流により決定される。また、このスピンバルブ膜の各層は、nmオーダで形成されており、各層に僅かな腐食が発生しただけでも、各層の電気抵抗が変化してしまう。したがって、上述したGMRヘッドの媒体摺接面における腐食の発生は、このGMRヘッドのヘッド特性を大幅に劣化させてしまう。
【0021】
さらに、GMRヘッドは、高感度であることから、磁気記録媒体から受ける信号磁界が大きいと、ノイズの原因となるヘッド飽和を起こしてまう。このため、GMRヘッドを上述した磁気テープ装置の再生ヘッドとして用いる場合には、磁気記録媒体の残留磁化量Mrと磁性層の厚みtとの積Mr・tの値を調整しなければならなず、従来より磁性層の厚みtを小さくすることが行われている。
【0022】
しかしながら、磁気記録媒体では、GMRヘッドとの摺接によって、上述した保護膜の一部が削られることもあり、磁性層の厚みを薄くすると、逆に酸化や腐食等が発生しやすくなってしまう。この場合、上述したGMRヘッドを用いた磁気テープ装置において再生出力を著しく低下させてしまう。
【0023】
なお、磁気ヘッドの腐食を防ぐ方法としては、例えば磁気コア半体の基端側と先端側とを分断する溝条部を設け、この溝条部に防錆剤を貯留させたものがある(特許文献1参照。)。しかしながら、この場合、磁気ヘッドに対して溝条部を形成するための新たな加工工程が必要となり、製造コストが嵩むといった問題が発生してしまう。
【0024】
そこで、本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、磁気記録媒体と摺接しながら磁気信号の検出を行う磁気抵抗効果素子の媒体摺接面に腐食等が発生することを防止し、磁気録媒体に対する適切な再生動作を行うことを可能とした磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供することを目的とする。
【0025】
また、本発明は、そのような磁気抵抗効果型磁気ヘッドと磁気録媒体である磁気テープとを組み合わせることで、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの腐食等の発生を防ぎつつ、磁気テープの更なる高記録密度化を可能とした磁気テープシステムを提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、磁気記録媒体と摺接しながら磁気信号の検出を行う感磁素子として磁気抵抗効果素子を備えており、この磁気抵抗効果素子の媒体摺接面に、トリアゾール又はトリアゾール誘電体を含有する防錆剤膜が形成されていることを特徴としている。
【0027】
以上のように、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッドでは、磁気抵抗効果素子の媒体摺接面にトリアゾール又はトリアゾール誘電体を含有する防錆剤膜が形成されていることから、磁気記録媒体と摺接される面に保護膜を形成しない場合でも、優れた耐食性を得ることができる。
【0028】
また、本発明に係る磁気テープシステムは、磁気テープと、磁気テープを走行させるテープ走行手段と、テープ走行手段により走行される磁気テープと摺接しながら磁気信号の検出を行う感磁素子として磁気抵抗効果素子を有する磁気抵抗効果型磁気ヘッドとを備え、磁気テープの磁気抵抗効果型磁気ヘッドが摺接される側の主面及び/又は当該主面とは反対側の主面に、トリアゾール又はトリアゾール誘電体を含有する防錆剤膜が形成されており、磁気テープに磁気抵抗効果型磁気ヘッドが摺接されることによって、防錆剤膜が磁気抵抗効果素子の媒体摺接面に転写されることを特徴としている。
【0029】
以上のように、本発明に係る磁気テープシステムでは、磁気テープに磁気抵抗効果型磁気ヘッドが摺接することによって、トリアゾール又はトリアゾール誘電体を含有する防錆剤膜が磁気抵抗効果素子の媒体摺接面に転写されることから、この磁気テープから転写された防錆剤膜によって媒体摺接面を被覆し、磁気抵抗効果素子に腐食等が発生するのを防ぐことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び磁気テープシステムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
先ず、図1に示すように、本発明を適用した磁気テープシステムを構成する磁気テープ装置1について説明する。
【0032】
この磁気テープ装置1は、ヘリカルスキャン方式によってテープカセット2に収納された磁気テープ3に対して情報信号の記録又は再生を行うものであり、テープカセット2には、磁気テープ3を供給するための供給リール4と、この供給リール4から供給された磁気テープ3を巻き取るための巻取リール5とが回転可能に設けられている。
【0033】
磁気テープ装置1は、テープカセット2を着脱可能とする装置本体6を備え、この装置本体6には、テープカセット2のローディング時に供給リール4と巻取リール5との間で磁気テープ3の引き回しを行う複数のガイドローラ7a〜7fが設けられている。
【0034】
また、ガイドローラ7eとガイドローラ7fとの間には、テープ走行手段として、磁気テープ3が掛け合わされるピンチローラ8と、このピンチローラ8と共に磁気テープ3を挟み込むキャップスタン9と、このキャップスタン9を回転駆動するキャップスタンモータ10とが設けられている。そして、磁気テープ3は、ピンチローラ8とキャップスタン9との間に挟み込まれた状態で、キャップスタンモータ10によりキャップスタン9が図1中矢印A方向に回転駆動されることによって、図1中矢印B方向に一定の速度及び張力で走行するようになされている。
【0035】
また、ガイドローラ7cとガイドローラ7dとの間には、記録再生手段として、一対の記録ヘッド11a,11b及び一対の再生ヘッド12a,12bが搭載されたヘッドドラム13が設けられている。磁気テープ3は、上述した複数のガイドローラ7a〜7fによってテープカセット2から引き出され、このヘッドドラム13に略180゜の角度範囲でヘリカル状に巻き付けられた状態で、図1中矢印B方向に走行される。
【0036】
このヘッドドラム11は、図1及び図2に示すように、上下方向に組み合わされた一組の回転ドラム14及び固定ドラム15と、回転ドラム14を回転駆動する駆動モータ16とを備え、互いの中心軸を一致させた状態で装置本体6のベースに対してやや斜めに傾斜した状態で配置されている。
【0037】
このうち、下ドラムを構成する固定ドラム15は、装置本体6のベースに固定支持されており、その円筒状の外周面15aには、磁気テープ3を案内するリードガイド17が形成されている。磁気テープ3は、このリードガイド17に沿って回転ドラム14の回転方向に対して斜めに走行される。
【0038】
一方、上ドラムを構成する回転ドラム14は、中心軸を一致させた略同径の固定ドラム15に対して回転可能に支持されると共に、固定ドラム15の下方に配置された駆動モータ16によって、図1及び図2中矢印C方向に回転駆動される。また、回転ドラム14の固定ドラム15と対向する側の外周部には、磁気テープ3に対して信号の記録動作を行う一対の記録ヘッド11a,11bと、磁気テープ3に対して信号の再生動作を行う一対の再生ヘッド12a,12bとが取り付けられている。
【0039】
一対の記録ヘッド11a,11bは、一対の磁気コアが磁気ギャップを介して接合されると共に、磁気コアにコイルが巻装されてなるインダクティブ型磁気ヘッドである。これら一対の記録ヘッド11a,11bは、回転ドラム14の回転中心に対して互いになす中心角が180°となる位置において互いに対向配置されている。また、これら一対の記録ヘッド11a,11bは、それぞれの記録ギャップが回転ドラム14の外周面から外部に臨むように、回転ドラム14の外周面から僅かに突出して設けられている。なお、これら一対の記録ヘッド11a,11bは、磁気テープ3に対してアジマス記録を行えるように、互いの記録ギャップが磁気テープ3の走行方向と略直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置されている。また、一対の記録ヘッド11a,11bは、互いのアジマス角が逆位相となるように設定されている。
【0040】
一方、一対の再生ヘッド12a,12bは、磁気テープ3からの信号を検出する感磁素子として磁気抵抗効果素子(以下、MR素子という。)を備えた磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、MRヘッドという。)である。これら一対の再生ヘッド12a,12bは、回転ドラム14の回転中心に対して互いになす中心角が180°となる位置において互いに対向配置されている。また、これら一対の再生ヘッド12a,12bは、それぞれの再生ギャップが回転ドラム14の外周面から外部に臨むように、回転ドラム14の外周面から僅かに突出して設けられている。なお、これら一対の再生ヘッド12a,12bは、磁気テープ3に対してアジマス記録された信号を再生できるように、互いの再生ギャップが磁気テープ3の走行方向と略直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置されている。また、一対の再生ヘッド12a,12bは、互いのアジマス角が逆位相となるように設定されている。
【0041】
そして、このヘッドドラム13では、回転ドラム14及び固定ドラム15の外周面14a,15aに巻き付けられた磁気テープ3が、図2中矢印B方向に走行されながら、駆動モータ16により回転ドラム14が、図2中矢印C方向に回転駆動されることによって、この回転ドラム14に搭載された一対の記録ヘッド11a,11b及び一対の再生ヘッド12a,12bが磁気テープ3と摺接しながら、信号の記録動作又は再生動作を行う。
【0042】
具体的に、記録時には、磁気テープ3に対して、一方の記録ヘッド11aが、記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で記録トラックを形成し、他方の記録ヘッド11bが、この記録トラックに隣接して記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で記録トラックを形成する。そして、これら記録ヘッド11a,11bが磁気テープ3に対して繰り返し記録トラックを形成することによって、磁気テープ3に対して連続的に信号を記録することになる。
【0043】
一方、再生時には、磁気テープ3に対して、一方の再生ヘッド12aが、一方の記録ヘッド11aにより記録された記録トラックから信号磁界を検出し、他方の再生ヘッド12bが、他方の記録ヘッド11bにより記録された記録トラックから信号磁界を検出する。そして、これら再生ヘッド12a,12bが記録トラックから繰り返し信号磁界を検出することによって、磁気テープ3に記録された信号を連続的に再生することになる。
【0044】
次に、図3及び図4に示すように、本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド20について説明する。
【0045】
この磁気抵抗効果型磁気ヘッド20は、磁気記録媒体からの磁気信号の検出を行う感磁素子として、スピンバルブ膜を利用した巨大磁気抵抗効果素子(以下、GMR素子という。)を備える、いわゆる巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、GMRヘッドという。)である。
【0046】
このGMRヘッド20は、電磁誘導を利用して記録再生を行うインダクティブ型磁気ヘッドや異方性磁気抵抗効果型磁気ヘッドよりも感度が高く再生出力が大きいので、高密度記録に適している。したがって、上述した磁気テープ装置1では、このようなGMRヘッド20を一対の再生ヘッド12a,12bに用いることで、より高密度記録化を図ることが可能となっている。
【0047】
具体的に、一対の再生ヘッド12a,12bは、第1のコア部材21上に、例えばメッキ法やスパッタ法、蒸着法等の薄膜形成技術によりGMRヘッド20が形成され、このGMRヘッド20上に保護膜22を介して第2のコア部材23が貼り付けられた構造を有している。また、一対の再生ヘッド12a,12bは、その磁気テープ3と摺接する媒体摺接面20aが、図3中矢印Bに示す磁気テープ3の走行方向に沿って略円弧状に湾曲した曲面となっている。そして、GMRヘッド20は、この媒体摺接面20aから外部に臨む再生ギャップが磁気テープ3の走行方向と略直交する方向に対してアジマス角θに応じて斜めとなるように配置されている。
【0048】
なお、一対の再生ヘッド12a,12bは、互いのアジマス角が逆位相となる以外は、同一の構成を有している。したがって、以下の説明では、これら一対の再生ヘッド12a,12bをまとめてGMRヘッド20として説明するものとする。
【0049】
このMRヘッド20は、上下一対の磁気シールド層24,25の間にギャップ層26を介してGMR素子27が挟み込まれた構造を有している。
【0050】
一対の磁気シールド層24,25は、GMR素子27を磁気的にシールドするのに十分な幅を有する軟磁性膜からなり、ギャップ層26を介してGMR素子27を挟み込むことにより、磁気テープ3からの信号磁界のうち、再生対象外の磁界がMR素子27に引き込まれないように機能する。すなわち、このMRヘッド20では、GMR素子27に対して再生対象外の信号磁界が一対の磁気シールド層24,25に導かれ、再生対象の信号磁界だけがGMR素子27へと導かれる。これにより、GMR素子27の周波数特性及び読み取り分解能の向上が図られている。
【0051】
ギャップ層26は、GMR素子27と一対の磁気シールド層24,25との間を磁気的に隔離する非磁性非導電性膜からなり、一対の磁気シールド層24,25とGMR素子27との間隔がギャップ長となる。
【0052】
GMR素子27は、スピンバルブ膜40からなり、このスピンバルブ膜40に対して面内方向に流れるセンス電流のコンダクタンスが、一対の磁性層の磁化の相対角度に依存して変化する、いわゆる巨大磁気抵抗効果を利用したものである。スピンバルブ膜40としては、例えば、図5(a)に示すように、下地層41と、反強磁性層42と、磁化固定層43と、非磁性層44と、磁化自由層45と、保護層46とが、この順に積層された構造を有するボトム型のスピンバルブ膜40aや、図5(b)に示すように、下地層41と、磁化自由層45と、非磁性層44と、磁化固定層43と、反強磁性層42と、保護層46とが、この順に積層された構造を有するトップ型のスピンバルブ膜40b、図5(c)に示すように、下地層41と、反強磁性層42と、磁化固定層43と、非磁性層44と、磁化自由層45と、非磁性層44と、磁化固定層43と、反強磁性層42と、保護層46とが、この順に積層された構造を有するデュアル型のスピンバルブ膜40c等を挙げることができる。
【0053】
このうち、下地層41及び保護層46は、このスピンバルブ膜40の比抵抗の増加を抑制するためのものであり、例えばTa等からなる。
【0054】
反強磁性層42には、優れた耐食性を示すPtMnが用いることが好ましい。また、反強磁性層42としては、PtMnの他にも、耐食性に優れたNiOや、IrMn、CrMnPt、α−Fe203、RhMn、NiMn、PdPtMn等を用いることができる。
【0055】
また、磁化固定層43及び磁化自由層45には、優れた耐食性を示し且つ良好な軟磁気特性を示すNiFe又はCoNiFeが用いることが好ましく、更に好ましくは、磁化固定層43と磁化自由層45のうち、一方をNiFeとし、他方をCoNiFeとすることが好ましい。また、磁化固定層43及び磁化自由層45は、これらの合金を積層した積層構造、若しくはこれらの合金と、例えばRu等からなる非磁性膜とを交互に積層した積層フェリ構造としてもよい。
【0056】
また、非磁性層44には、優れた耐食性を示し且つ高導電性を示すCu、CuAu又はAuが用いることが好ましく、更に好ましくは、GMR素子27のMR比を高くし,出力を上げることができるCu又はCuAuを用いることが好ましい。
【0057】
ここでは、GMR素子27として、例えば下層層41となるTaと、磁化自由層45となるNi80Fe20及びCo50Ni30Fe20と、非磁性層となるAu70Cu30と、磁化固定層43となるCo50Ni30Fe20と、反強磁性層42となるPtMnと、保護層46となるTaとが順次積層されてなるスピンバルブ膜40を備える構成とした。
【0058】
このスピンバルブ膜40において、磁化固定層43は、反強磁性層42に隣接して配置されることによって、この反強磁性層42との間で働く交換結合磁界により、所定の方向に磁化が固定された状態となっている。一方、磁化自由層45は、非磁性層44を介して磁化固定層43と磁気的に隔離されることによって、微弱な外部磁界に対して磁化方向が容易に変化することが可能となっている。
【0059】
したがって、このスピンバルブ膜40では、外部磁界が印加されると、この外部磁界の大きさや向きに応じて、磁化自由層45の磁化方向が変化する。そして、この磁化自由層45の磁化方向が磁化固定層43の磁化方向に対して、逆方向(反平行)となるとき、このスピンバルブ膜40に流れる電流の抵抗値が最大となる。一方、磁化自由層45の磁化方向が磁化固定層43の磁化方向に対して、同一方向(平行)となるときに、このスピンバルブ膜40に流れる電流の抵抗値が最小となる。
【0060】
このように、スピンバルブ膜40は、印加される外部磁界に応じて電気抵抗が変化することから、この抵抗変化を読み取ることによって磁気テープ3からの磁気信号を検出する感磁素子として機能している。
【0061】
また、このGMR素子27の動作の安定化を図るため、スピンバルブ膜40の長手方向の両端部には、図3及び図4に示すように、このGMR素子27にバイアス磁界を印加するための一対の永久磁石膜28a,28bが設けられている。そして、これら一対の永久磁石膜28a,28bに挟み込まれた部分の幅が、GMR素子27の再生トラック幅Twとなっている。さらに、一対の永久磁石膜28a,28b上には、このGMR素子27の抵抗値を減少させるための一対の低抵抗化膜29a,29bが設けられている。
【0062】
また、GMR素子27には、スピンバルブ膜28にセンス電流を供給するための一対の導体部30a,30bが、その一端部側をそれぞれ一対の永久磁石膜28a,28b及び低抵抗化膜29a,29bに接続するように設けられている。また、この導体部30a,30bの他端部側には、外部回路と接続される一対の外部接続用端子31a,31bが設けられている。
【0063】
保護膜22は、GMRヘッド20が形成された第1のコア部材21の主面を外部接続用端子31a,31bが外部に臨む部分を除いて被覆すると共に、このGMRヘッド20が形成された第1のコア部材21と第2のコア部材23とを接合する。
【0064】
なお、図3及び図4に示すMRヘッド20は、特徴をわかりやすくするために、GMR素子27の周辺を拡大して図示されているが、実際には、第1のコア部材21及び第2のコア部材23と比べてMR素子27は非常に微細であり、媒体摺接面20aにおいて、MRヘッド20が外部に臨むのはほとんど第1のコア部材21と第2のコア部材23とが突き合わされた上部端面だけである。
【0065】
以上のように構成されるGMRヘッド20は、図示しないチップベースに貼り付けると共に、一対の外部接続用端子31a,31bがチップベースに設けられた接続端子と電気的に接続される。そして、このチップベースに設けられたGMRヘッド20は、一対の再生ヘッド12a,12bとして、図2に示す回転ドラム14に取り付けられている。
【0066】
ところで、上述した磁気テープ装置1では、GMRヘッド20が磁気テープ3に対して接触した状態で再生動作を行うことから、磁気テープ3と摺接されるGMRヘッド20の媒体摺接面20aに、DLC(Diamond Like Carbon)膜等の保護膜を形成することができない。このため、従来の磁気テープ装置では、GMRヘッドの媒体摺接面が直接大気と触れることになり、高温高湿下や海水雰囲気中においてGMR素子の腐食等が発生しやすくなるといった問題があった。
【0067】
そこで、本発明を適用したGMRヘッド20では、図3に示すように、磁気テープ3と摺接される媒体摺接面20aに、トリアゾール又はトリアゾール誘電体を含有する防錆剤膜50が形成されている。
【0068】
この防錆剤膜50は、トリアゾール又はトリアゾール誘導体を含有する防錆剤をGMRヘッド20の媒体摺接面20aに塗布することで形成される。トリアゾール及びトリアゾール誘導体としては、例えば1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4トリアゾール等が挙げられる。これらトリアゾール又はトリアゾール誘導体は、上述したスピンバルブ膜40の磁気抵抗変化率(MR比)に影響を与える非磁性層44のCuやCuAuとの反応性が良く、海水雰囲気下での塩素イオンに対する耐食性に優れている。特に、1,2,3−ベンゾトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールは、非磁性層44のCuやCuAuとの反応性が良く,優れた耐食性を示すことから、防錆剤膜50として好適である。
【0069】
また、この防錆剤膜50の膜厚は、1〜500Åの範囲とすることが好ましい。この防錆剤膜50の膜厚が1Åよりも薄くなると、耐食性を維持することが困難となってしまう。一方、この防錆剤膜50の膜厚が500Åよりも厚くなると、GMRヘッド20と磁気テープ3との間のスペーシングとなり、このGMRヘッド20の出力感度が低下してしまう。したがって、この防錆剤膜50の膜厚を1〜500Åの範囲に規定することで、優れた耐食性を示し且つ高い磁気抵抗変化率を維持することができる。また、この防錆剤膜50の膜厚は、2〜200Åの範囲であることがより好ましく、さらに、この防錆剤膜50の膜厚を5〜100Åの範囲に規定すれば、GMR素子27の腐食等の発生を防止すると共に、このGMR素子27の良好な短波長記録再生特性を得ること可能である。
【0070】
なお、ここでは、上述したスピンバルブ膜40を構成する非磁性層44のCuAuとの反応性が良く、海水雰囲気下での塩素イオンに対する耐食性に優れた防錆剤膜50として、例えば下記化1に示す1,2,3−ベンゾトリアゾールを塗布により形成した。
【0071】
【化1】
Figure 2004110893
【0072】
以上のように、本発明を適用したGMRヘッド20では、磁気テープ3と摺接される媒体摺接面20aに保護膜を形成できない場合でも、この媒体摺接面20に形成された防錆剤膜50aによって、大気中や海水雰囲気中、高温高湿下における優れた耐食性を得ることが可能である。したがって、このGMRヘッド20では、GMR素子27に腐食等が発生するのを防ぐことが可能であり、磁気テープ3に対する適切な再生動作を行うことが可能である。
【0073】
次に、図6に示すように、本発明を適用した磁気記録媒体60について説明する。
【0074】
この磁気記録媒体60は、非磁性支持体上に金属磁性材膜を斜方に蒸着させてなる、いわゆる蒸着テープである。この蒸着テープは、保磁力、残留磁化、角形比等に優れ、短波長での電磁変換特性に優れるばかりでなく、磁性層の厚みを極めて薄くできるため、記録減磁や再生時の厚み損失が小さいこと、磁性層中に非磁性材である結合剤を混入する必要がないため、磁性材料の充填密度を高め、大きな磁化を得ることができる等、数々の利点を有している。したがって、上述した磁気テープ装置1では、このような磁気記録媒体60をテープカセット2の磁気テープ3に用いることで、電磁変換特性を向上させ、より大きな出力を得ることが可能となっている。
【0075】
具体的に、この磁気記録媒体60は、テープ状の非磁性支持体61上に、金属磁性薄膜からなる磁性層62と、この磁性層62を保護する保護層63とが順に積層された構造を有している。
【0076】
非磁性支持体61としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフイン類、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、アラミド樹脂、ポリカーボネート等のプラスチック等が挙げられる。非磁性支持体は、単層構造であっても多層構造であってもよい。また、例えば、非磁性支持体の表面には、コロナ放電処理等の表面処理が施されていてもよいし、易接着層等の有機物層が下塗層として形成されていてもよい。
【0077】
磁性層62は、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD(Chemical Vaper Deposition)法、イオンプレーティング法等、従来公知の手法を用いて金属磁性薄膜を被着させて形成される。中でも、金属磁性薄膜としては、真空蒸着法により成膜されたものが好ましい。金属磁性薄膜の厚さはラインスピードを変化されることにより制御することが可能であり、残留磁化量は蒸着中の酸素導入量を変化させることにより制御することが可能である。例えば、15〜40nmといった膜厚の金属磁性薄膜を確実に成膜することができる。また、磁性層62の金属磁性薄膜は、例えば、Cr下地層上に成膜されてもよい。下地層としては、Crの他に、CrTi、CrMo、CrV等が使用される。また、磁性層62は、単層構造であっても多層構造であってもよい。
【0078】
ここで、磁気記録媒体60では、残留磁化量Mrと膜厚tとの積Mr・tが、4mA〜13mAの範囲とされている。磁気記録媒体60のMr・tが13mAよりも大きすぎると、GMRヘッド20が飽和して、MR抵抗変化が線形な領域を外れ、再生波形が歪んでしまう。また、Mr・tが4mAよりも小さすぎると、再生出力が小さくなり良好なSN比(信号/ノイズ比)を得ることが出来なくなってしまう。従って、Mr・tを、4mA〜13mAの範囲に規定することで、再生波形の歪みがなく、再生出力が大きく良好なSN比を有するものとなる。
【0079】
これらMrとtについては、蒸着時の酸素導入量と非磁性支持体の送りスピードなどの条件によって制御することが可能である。すなわち、蒸着時の酸素導入量を少なくすれば、Mrは大きくなり、酸素導入量を多くすれば、Mrは小さくなる。また、蒸着時の非磁性支持体61の送りスピードを遅くすればtは厚くなり、送りスピードを遅くすればtは薄くなる。また、磁性層62の形成後の表面酸化処理によってもMrを調整することができる。
【0080】
そして、このときの残留磁化量Mrは、160kA/m〜360kA/mの範囲であることが好ましい。Mrが360kA/mよりも大きすぎると、磁性粒子の分離が出来ず、磁気的相互作用によりノイズが増大してしまう。また、Mrが160kA/mよりも小さすぎると、Co粒子の酸化が進行し、充分な再生出力を得ることが出来ない。従って、Mrを160kA/m〜360kA/mの範囲に規定することで、ノイズを減少させ、充分な再生出力を付与することができる。そして、Mrは200kA/m〜340kA/mの範囲であることがより好ましい。
【0081】
また、この磁気記録媒体60において、表面電気抵抗は、1×10Ω/sq.〜1×10Ω/sq.の範囲であることが好ましい。表面電気抵抗が1×10Ω/sq.よりも大きすぎると、磁気テープ3の走行中などにテープ表面に大きな電荷が帯電し、上述したGMRヘッド20と接触した際にESD破壊(静電破壊)の原因となってしまう。また、表面電気抵抗が1×10Ω/sq.よりも小さすぎると、媒体表面に電荷が流れやすくなり、上述したGMRヘッド20と接触したときにヘッドに電流が急激に流れ、ESD破壊の原因となってしまう。従って、表面電気抵抗を1×10Ω/sq.〜1×10Ω/sq.の範囲に規定することで、金属磁性薄膜表面の帯電又は電流の流れを抑えて、上述したGMRヘッド20の静電破壊を防止することができる。
【0082】
そして、金属磁性薄膜の厚みtは、15nm〜40nmの範囲であることが好ましい。tを上記のように規定することで、磁気記録媒体1のMr・t、Mr、表面電気抵抗を上記範囲に調整することが可能となる。
【0083】
さらに、磁気記録媒体60において、面内方向での保磁力Hcは、100kA/m〜160kA/mの範囲であることが好ましい。保磁力が100kA/mよりも小さいと、低ノイズ化、高SN比を実現することができない。また、保磁力が160kA/mを超えると、充分な記録が出来なくなり、再生出力が低下してしまう。従って、面内方向での保磁力を100kA/m〜160kA/mの範囲に規定することで、低ノイズ化、高SN比を実現し、高い再生出力を有するものとなる。
【0084】
以上のように、この磁気記録媒体60では、残留磁化量Mrと膜厚tとの積Mr・tが、4mA〜13mAの範囲に規定されているので、再生波形の歪みがなく、再生出力が大きく良好なSN比を有するものとなる。また、この磁気記録媒体60では、Mrが160kA/m〜360kA/mの範囲に規定されているので、ノイズを減少させ、充分な再生出力を有するものとなる。また、この磁気記録媒体60では、金属磁性薄膜の表面電気抵抗が1×103Ω/sq.〜1×107Ω/sq.の範囲に規定されていることで、金属磁性薄膜表面の帯電又は電流の流れを抑えて、上述したGMRヘッド20の静電破壊を防止することができる。したがって、この磁気記録媒体60では、ノイズが抑えられ、高い再生出力及び良好なSN比を有すると共に、上述したGMRヘッド20で再生した場合のヘッドの飽和及び静電気破壊を防止することが可能である。
【0085】
保護層63は、通常の金属磁性薄膜用の保護膜として使用されるものであれば、如何なる材料であってもよく、例えばダイヤモンドライクカーボン(DLC)や、CrO、Al、BN、Co酸化物、MgO、SiO、Si、SiN、SiC、SiN−SiO、ZrO、TiO、TiC等が挙げられる。また、これらの単層膜であってもよいし、多層膜あるいは複合膜であってもよい。なお、上述した表面電気抵抗は、例えば、この金属磁性薄膜上に形成されるダイヤモンドライクカーボン(DLC)保護膜の厚みなどを制御することによって調整することも可能である。
【0086】
ところで、この磁気記録媒体60には、磁性層62が形成された側の主面を被覆するトップコート層64として、上述したGMRヘッド20の媒体摺接面20aに形成された防錆剤膜50と同一材料からなる防錆剤膜50aが形成されている。
【0087】
このトップコート層64を形成する防錆剤膜50aは、上述したGMRヘッド20の媒体摺接面20aに防錆剤膜50を転写するために、磁気記録媒体60のGMRヘッド20が摺接される側の主面に所定の膜厚で形成されている。
【0088】
したがって、この磁気記録媒体60では、上述したGMRヘッド20が摺接されることによって、このGMRヘッド20の媒体摺接面20aに防錆剤膜50aを転写し、転写された防錆剤膜50aによってGMR素子27に腐食等が発生するのを防ぐことが可能である。
【0089】
また、この磁気記録媒体60には、磁性層62が形成された主面とは反対側の主面を被覆するバックコート層65として、上述したGMRヘッド20の媒体摺接面20aに形成された防錆剤膜50と同一材料からなる防錆剤膜50bが所定の膜厚で形成されている。
【0090】
このバックコート層65は、上述した供給リール4の巻回されることによって、このバックコート層65と対向するトップコート層65に防錆剤膜50bを転写する。したがって、このバックコート層65を形成する防錆剤膜50bは、磁気記録媒体60にGMRヘッド20が摺接されることによって、最終的にGMRヘッド20の媒体摺接面20aに転写される。
【0091】
なお、これら防錆剤膜50a,50bの膜厚は、上述したGMRヘッド20の媒体摺接面20aに形成された防錆剤膜50と同様に、1〜500Åの範囲とすることが好ましく、より好ましくは、2〜200Åの範囲であり、さらに好ましくは、5〜100Åの範囲である。
【0092】
以上のように、本発明を適用した磁気記録媒体60では、GMRヘッド20が摺接された際に、このGMRヘッド20の媒体摺接面20aに防錆剤膜50a,50bを直接又は間接的に転写することから、上述したGMRヘッド20の媒体摺接面20aに防錆剤膜50を形成していない場合でも、転写された防錆剤膜50a,50bによってGMR素子27に腐食等が発生するのを防ぐことが可能である。また、GMRヘッド20の媒体摺接面20aに形成された防錆剤膜50が摩耗により減少した場合でも、防錆剤膜50a,50bを直接又は間接的に転写することによって、防錆剤膜50の膜厚を所定の厚みに維持することが可能である。したがって、上述した磁気テープ装置1に装填されるテープカセット2の磁気テープ3として特に好適なものとなっている。
【0093】
なお、本発明を適用した磁気記録媒体60は、上述した構成に限定されるものではなく、必要に応じて磁性層62上に保護層63が形成しない構成としてもよい。この場合、磁性層62上に防錆剤膜50aが直接被覆されることになり、この防錆剤膜50aによって磁性層62の酸化や腐食等の発生を防ぐことも可能である。また、本発明を適用した磁気記録媒体60は、その両面に防錆剤膜50a,50bが形成された構成に限らず、磁性層62が形成された側の主面のみに防錆剤膜50aを形成したものや、磁性層62が形成された側の主面とは反対側の主面のみに防錆剤膜50bを形成したものであってもよい。
【0094】
以上のように、上述した磁気テープ装置1では、本発明を適用したGMRヘッド20と磁気記録媒体60とを組み合わせることで、これまでにない高密度記録再生システムを構築することが可能である。そして、この磁気テープ装置1では、ヘリカルスキャン方式により磁気記録媒体60に対してGMRヘッド20を摺接しながら磁気信号の検出を行った際でも、このGMRヘッド20の媒体摺接面20aに腐食等が発生することを防止することが可能である。
【0095】
次に、本発明の効果を実証すべく行った評価結果について説明する。
【0096】
先ず、本発明のように、上記防錆剤膜を媒体摺接面に形成したGMRヘッドと、従来のように、上記防錆剤膜を媒体摺接面に形成しなかったGMRヘッドとを作製し、磁気テープ装置において磁気テープを走行させずに、これらGMRヘッドを放置した場合のヘッドの耐食性について調べた。
【0097】
ここでは、ヘッド1として、下層層となるTa膜と、磁化自由層となるNiFe膜及びCoNiFe膜と、非磁性層となるCu膜と、磁化固定層となるNiFe膜と、反強磁性層となるPtMn膜と、保護層となるTa膜とが順次積層されてなるスピンバルブ膜を備えるGMRヘッドを作製すると共に、ヘッド2として、下層層となるTa膜と、磁化自由層となるNiFe膜及びCoNiFe膜と、非磁性層となるCuAu膜と、磁化固定層となるNiFe膜と、反強磁性層となるPtMn膜と、保護層となるTa膜とが順次積層されてなるスピンバルブ膜を備えるGMRヘッドと作製した。
【0098】
そして、それぞれのヘッド1,2について、媒体摺接面に防錆剤膜を形成しなかった場合、媒体摺接面に1,2,3−ベンゾトリアゾールからなる防錆剤膜を形成した場合、3−アミノー1,2,4−トリアゾールからなる防錆剤膜を形成した場合の腐食発生の有無についての評価を行った。
【0099】
以下、これらをまとめた評価結果を表1に示す。なお、表1において、二重マルは、本腐食試験において腐食の発生がなく優れた耐食性が確認された場合を示し、マルは、本腐食試験において腐食の発生が確認されなかった場合を示し、バツは、本腐食試験において腐食が発生が確認された場合を示す。
【0100】
【表1】
Figure 2004110893
【0101】
表1の評価結果から、ヘッド1及びヘッド2では、共に防錆剤膜を形成しなかった場合に腐食が発生することがわかる。これに対して、ヘッド1及びヘッド2の媒体摺接面に防錆剤膜を形成した場合には、腐食の発生がなく、特に1,2,3−ベンゾトリアゾール又は3−アミノー1,2,4−トリアゾールからなる防錆剤膜を形成した場合に、優れた耐食性を示すことがわかる。
【0102】
次に、本発明のように、防錆剤膜を媒体摺接面に形成したGMRヘッドと、従来のように、防錆剤膜を媒体摺接面に形成しなかったGMRヘッドとを作製すると共に、本発明のように、防錆剤膜を表面に形成した磁気テープと、従来のように、防錆剤膜を表面に形成しなかった磁気テープとを作製し、磁気テープ装置においてGMRヘッドを磁気テープに摺接させた際に、これらGMRヘッドと磁気テープとの組合せによる腐食発生の有無についての評価を行った。
【0103】
なお、ここでは、ヘッドとして、上述したヘッド1を用い、防錆剤膜として、1,2,3−ベンゾトリアゾールを用い、磁気テープには、磁性層が形成された側の主面のみ防錆剤膜を塗布により形成した。
【0104】
以下、これらをまとめた評価結果を表2に示す。なお、表2において、二重マルは、本腐食試験において腐食の発生がなく優れた耐食性が確認された場合を示し、マルは、本腐食試験において腐食の発生が確認されなかった場合を示し、バツは、本腐食試験において腐食が発生が確認された場合を示す。
【0105】
【表2】
Figure 2004110893
【0106】
表2の評価結果から、従来のように防錆剤膜を媒体摺接面に形成しなかったGMRヘッドを、従来のように防錆剤膜を表面に形成しなかった磁気テープに摺接させた場合には、腐食が発生することがわかる。これに対して、本発明のように防錆剤膜を媒体摺接面に形成したGMRヘッドを、従来のように防錆剤膜を表面に形成しなかった磁気テープに摺接させた場合、並びに、従来のように防錆剤膜を媒体摺接面に形成しなかったGMRヘッドを、本発明のように防錆剤膜を表面に形成した磁気テープに摺接させた場合には、腐食の発生がなく、特に、本発明のように防錆剤膜を媒体摺接面に形成したGMRヘッドを、本発明のように防錆剤膜を表面に形成した磁気テープに摺接させた場合には、優れた耐食性を示すことがわかる。
【0107】
次に、従来のように、防錆剤膜を表面に形成しなかった磁気テープと、本発明のように、磁性層が形成された側の主面のみ防錆剤膜を形成した磁気テープと、磁性層が形成された側の主面とは反対側の主面のみ防錆剤膜を形成した磁気テープと、両面に防錆剤膜を形成した磁気テープとを作製し、これら磁気テープに防錆剤膜が媒体摺接面に形成されていないGMRヘッドを摺接させた際の腐食発生の有無についての評価を行った。
【0108】
なお、ここでは、ヘッドとして、上述したヘッド1を用い、防錆剤膜として、1,2,3−ベンゾトリアゾールを用いた。
【0109】
以下、これらをまとめた評価結果を表3に示す。なお、表3において、二重マルは、本腐食試験において腐食の発生がなく優れた耐食性が確認された場合を示し、マルは、本腐食試験において腐食の発生が確認されなかった場合を示し、バツは、本腐食試験において腐食が発生が確認された場合を示す。
【0110】
【表3】
Figure 2004110893
【0111】
表3の評価結果から、従来のように、防錆剤膜を表面に形成しなかった磁気テープにGMRヘッドを摺接させた場合には、腐食が発生することがわかる。これに対して、本発明のように、磁性層が形成された側の主面のみ防錆剤膜を形成した磁気テープにGMRヘッドを摺接させた場合、並びに磁性層が形成された側の主面とは反対側の主面のみ防錆剤膜を形成した磁気テープにGMRヘッドを摺接させた場合には、腐食の発生がなく、特に、両面に防錆剤膜を形成した磁気テープにGMRヘッドを摺接させた場合には、優れた耐食性を示すことがわかる。
【0112】
次に、従来のように、磁性層が形成された側の主面に防錆剤膜を形成しなかった磁気テープと、本発明のように、磁性層が形成された側の主面に防錆剤膜を形成した磁気テープとを作製し、これら磁気テープの腐食発生の有無についての評価を行った。
【0113】
なお、ここでは、作製された磁気テープの残留磁化量Mrは285mA/mであり、金属磁性薄膜の膜厚tは35nmであり、それらの積Mr・tは、10mAであり、保持力Hcは、120kA/mであった。また、防錆剤膜として、1,2,3−ベンゾトリアゾールを用いた。
【0114】
以下、これらをまとめた評価結果を表4に示す。なお、表4において、マルは、本腐食試験において腐食の発生が確認されなかった場合を示し、バツは、本腐食試験において腐食が発生が確認された場合を示す。
【0115】
【表4】
Figure 2004110893
【0116】
表4の評価結果から、従来のように、磁性層が形成された側の主面に防錆剤膜を形成しなかった磁気テープでは、腐食が発生することがわかる。これに対して、本発明のように、磁性層が形成された側の主面に防錆剤膜を形成した磁気テープでは、腐食の発生がなく、優れた耐食性を示すことがわかる。
【0117】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッドによれば、磁気抵抗効果素子の媒体摺接面にトリアゾール又はトリアゾール誘電体を含有する防錆剤膜が形成されていることから、この磁気抵抗効果素子の媒体摺接面に腐食等が発生することを防止し、磁気録媒体に対する適切な再生動作を行うことが可能である。
【0118】
また、本発明に係る磁気テープシステムによれば、磁気テープに磁気抵抗効果型磁気ヘッドが摺接することによって、トリアゾール又はトリアゾール誘電体を含有する防錆剤膜が磁気抵抗効果素子の媒体摺接面に転写されることから、この磁気記録媒体から転写された防錆剤膜によって媒体摺接面を被覆し、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの磁気抵抗効果素子に腐食等が発生することを防ぐことが可能である。したがって、そのような磁気抵抗効果型磁気ヘッドと磁気テープとを組み合わせることで、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの腐食等の発生を防ぎつつ、磁気テープの更なる高記録密度化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気テープ装置の概略を示す平面図である。
【図2】ドラムヘッドの構成を示す斜視図である。
【図3】本発明を適用したGMRヘッドの構成を示す斜視図である。
【図4】上記GMRヘッドを媒体摺接面から見た端面図である。
【図5】上記GMRヘッドを構成するスピンバルブ膜として、(a)は、ボトム型のスピンバルブ膜の構成を示す断面図であり、(b)は、トップ型のスピンバルブ膜の構成を示す断面図であり、(c)は、デュアル型のスピンバルブ膜の構成を示す断面図である。
【図6】本発明を適用した磁気記録媒体の概略を示す断面図である。
【符号の説明】
1 磁気テープ装置、2 テープカセット、3 磁気テープ、4 供給リール、5 巻取リール、6 装置本体、7a〜7f ガイドローラ、8 ピンチローラ、9 キャップスタン、10 キャップスタンモータ、11a,11b 記録ヘッド、12a,12b 再生ヘッド、13 ヘッドドラム、14 回転ドラム、15 固定ドラム、16 駆動モータ、20 GMRヘッド、20a 媒体摺接面、21 第1のコア部材、22 保護膜、23 第2のコア部材、24,25 磁気シールド層、26 ギャップ層、27 GMR素子、28 永久磁石膜、29 低抵抗化膜、30 導体部、31 外部接続用端子、40 スピンバルブ膜、42 反強磁性層、43 磁化固定層、44 非磁性層、45 磁化自由層、50,50a,50b 防錆剤膜、60 磁気記録媒体、61 非磁性支持体、62 磁性層、63 保護層、64 トップコート層、65 バックコート層

Claims (5)

  1. 磁気記録媒体と摺接しながら磁気信号の検出を行う感磁素子として磁気抵抗効果素子を備えた磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、
    上記磁気抵抗効果素子の媒体摺接面に、トリアゾール又はトリアゾール誘電体を含有する防錆剤膜が形成されていることを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  2. 回転ドラムに搭載されてヘリカルスキャン方式によりテープ状の磁気記録媒体と摺接しながら磁気信号の検出を行うことを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  3. 磁気テープと、
    上記磁気テープを走行させるテープ走行手段と、
    上記テープ走行手段により走行される磁気テープと摺接しながら磁気信号の検出を行う感磁素子として磁気抵抗効果素子を有する磁気抵抗効果型磁気ヘッドとを備え、
    上記磁気テープの上記磁気抵抗効果型磁気ヘッドが摺接される側の主面及び/又は当該主面とは反対側の主面に、トリアゾール又はトリアゾール誘電体を含有する防錆剤膜が形成されており、上記磁気テープに上記磁気抵抗効果型磁気ヘッドが摺接されることによって、上記防錆剤膜が上記磁気抵抗効果素子の媒体摺接面に転写されることを特徴とする磁気テープシステム。
  4. 上記磁気テープは、少なくとも非磁性支持体上に金属磁性薄膜が形成されてなり、当該金属磁性薄膜の表面電気抵抗が1×10Ω/sq.〜1×10Ω/sq.の範囲にあり、当該金属磁性薄膜の残留磁化量Mrと膜厚tとの積Mr・tが、4mA〜13mAの範囲にあり、当該金属磁性薄膜の残留磁化量Mrが、160kA/m〜360kA/mの範囲にあることを特徴とする請求項3記載の磁気テープシステム。
  5. 上記磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、回転ドラムに搭載されてヘリカルスキャン方式により上記磁気テープと摺接しながら磁気信号の検出を行うことを特徴とする請求項3記載の磁気テープシステム。
JP2002269045A 2002-09-13 2002-09-13 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び磁気テープシステム Withdrawn JP2004110893A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002269045A JP2004110893A (ja) 2002-09-13 2002-09-13 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び磁気テープシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002269045A JP2004110893A (ja) 2002-09-13 2002-09-13 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び磁気テープシステム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004110893A true JP2004110893A (ja) 2004-04-08

Family

ID=32267096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002269045A Withdrawn JP2004110893A (ja) 2002-09-13 2002-09-13 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び磁気テープシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004110893A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6947264B2 (en) Self-pinned in-stack bias structure for magnetoresistive read heads
US6822838B2 (en) Dual magnetic tunnel junction sensor with a longitudinal bias stack
US20030235016A1 (en) Stabilization structures for CPP sensor
US20050174702A1 (en) Self-pinned double tunnel junction head
US20040075956A1 (en) Magnetoresistive head
US6989974B2 (en) Magnetic recording/reproducing apparatus using a GMR head
US6876527B2 (en) Magnetoresistive sensor with antiparallel coupled lead/sensor overlap region
US7079344B2 (en) Magnetic recording disk drive with data written and read as cross-track magnetizations
US7483244B2 (en) Helical scan tape system with particular distance between MR element and shield layers
JP2004178732A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び記録再生装置
US7375932B2 (en) Disk drive read head for reading cross-track magnetizations
JP2004110893A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び磁気テープシステム
JP2004185734A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び記録再生装置
JP4265415B2 (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びこれを具備する磁気記録再生装置
JP2004185651A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び記録再生装置
JP2004185657A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び記録再生装置
US7394619B2 (en) Disk drive write head for writing cross-track magnetizations
JP2004185661A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び記録再生装置
JP2004178776A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び記録再生装置
JP2004241018A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び記録再生装置
JP2004288345A (ja) 磁気記録再生装置
JP4265416B2 (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びこれを具備する磁気記録再生装置
US20050282039A1 (en) Recording and reproducing apparatus having magnetic recording medium possessing a specific range of surface resistivity for GMR head
JP2004110894A (ja) 磁気テープ装置
JP2004362708A (ja) 磁気記録再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060110