JP2001236618A - 再生ヘッド装置 - Google Patents

再生ヘッド装置

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JP2001236618A
JP2001236618A JP2000050519A JP2000050519A JP2001236618A JP 2001236618 A JP2001236618 A JP 2001236618A JP 2000050519 A JP2000050519 A JP 2000050519A JP 2000050519 A JP2000050519 A JP 2000050519A JP 2001236618 A JP2001236618 A JP 2001236618A
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JP2000050519A
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Hitoshi Katakura
等 片倉
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Sony Corp
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Publication date
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TAノイズを防止して磁気記録媒体を確実に
再生する。 【解決手段】 支持部材に取り付けられ、感磁素子とし
て磁気抵抗効果素子を有し、上記磁気抵抗効果素子の一
端面を磁気記録媒体と対向させて当該磁気記録媒体から
の信号磁界を検出する磁気ヘッドと、上記磁気ヘッドの
磁気抵抗効果素子の一端面と上記磁気記録媒体との接触
圧を調節する接触圧制御手段とを備えることを特徴とす
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感磁素子として磁
気抵抗効果素子を有する磁気ヘッドを備える再生ヘッド
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、情報記録の分野において、各
種情報信号を磁気記録媒体上に磁化方向として記録し、
記録された磁化を検出することにより情報信号を再生す
るといった磁気記録再生方式が知られている。この磁気
記録再生方式では、磁気ヘッドにより磁気記録媒体上に
信号を磁化として書き込むとともに、磁気ヘッドにより
磁気記録媒体から発生する磁界を検出して信号を再生す
る。
【0003】このような磁気記録再生方式に使用される
磁気ヘッドとしては、感磁素子として異方性磁気抵抗効
果素子を有する磁気ヘッド(以下、MRヘッドと称す
る。)が高密度記録に対応したものとして知られてい
る。
【0004】このMRヘッドは、異方性磁気抵抗効果素
子(以下、AMR素子と称する。)の一端面を磁気記録
媒体と対向させるように配設し、当該AMR素子に所定
のセンス電流を供給するように形成された一対の電極を
有している。AMR素子は、印加された外部磁界に従っ
て所定の方向に磁化され、この磁化方向とセンス電流の
流れる方向とのなす角度に応じて当該センス電流に対す
る抵抗値を変化させる。MRヘッドでは、AMR素子に
対して一定のセンス電流を供給することによって、外部
磁界に起因して変化したMR素子の抵抗値を電圧変化と
して検出する。これにより、MRヘッドは、磁気記録媒
体上に磁化方向として記録された信号を再生することが
できる。
【0005】また、MRヘッドとしては、感磁素子とし
て巨大磁気抵抗効果素子(以下GMRヘッド)の一端面
を磁気記録媒体と対向させるように配設し、当該GMR
素子に所定のセンス電流を供給するように形成された一
対の電極を有しているものもある。このGMR素子は、
いわゆるスピンバルブ素子と呼ばれるものであり、外部
磁界に対して磁化方向を変化させない磁化固定膜と、外
部磁界に対して磁化方向を変化させる磁化自由膜とが非
磁性導電膜を介して積層されてなる。GMR素子は、外
部磁界が印加されると、磁化自由膜の磁化方向が変化し
て磁化固定膜の磁化方向に対して所定の角度を示すこと
となる。GMR素子は、センス電流に対する抵抗値を、
磁化自由膜の磁化方向と磁化固定膜の磁化方向とのなす
角度に応じて変化させる。したがって、MRヘッドで
は、GMR素子に対して一定のセンス電流を供給するこ
とによって、外部磁界に起因して変化したGMR素子の
抵抗変化を電圧変化として検出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、AMR素子
やGMR素子(以下、単にMR素子と称する。)を用い
たMRヘッドでは、サーマルアペリティノイズ(以下、
「TAノイズ」と称する)と呼ばれる特有のノイズが発
生することが問題視されている。このTAノイズとは、
MR素子が局部的に約100度以上となった場合にセン
ス電流に対する抵抗を変化させ、磁気記録媒体から印加
される磁界による抵抗変化に影響を及ぼすことにより発
生するノイズである。MR素子では、TAノイズが生じ
たときの抵抗変化が磁気記録媒体からの磁界に起因する
抵抗変化の倍程度になる場合もある。この場合、MRヘ
ッドは、磁気記録媒体上に書き込まれた信号を再生する
ことができないといった問題点がある。
【0007】特に、回転ドラムの周面に沿ってテープ状
の磁気記録媒体を走行させた状態で記録再生を行う、い
わゆるヘリカルスキャン方式において、MRヘッドを回
転ドラムの周面に配設した場合には、磁気記録媒体とM
Rヘッドとの間に摺動熱が発生する。この場合、MRヘ
ッドは、磁気記録媒体との摺動熱に起因してTAノイズ
が顕著に発生してしまうこととなり、磁気記録媒体の再
生が困難となってしまう。
【0008】そこで、本発明は、上述した従来の実情に
鑑みて案出されたものであり、TAノイズを防止して磁
気記録媒体を確実に再生することのできる再生ヘッド装
置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成した
本発明に係る再生ヘッド装置は、支持部材に取り付けら
れ、感磁素子として磁気抵抗効果素子を有し、上記磁気
抵抗効果素子の一端面を磁気記録媒体と対向させて当該
磁気記録媒体からの信号磁界を検出する磁気ヘッドと、
上記磁気ヘッドの磁気抵抗効果素子の一端面と上記磁気
記録媒体との接触圧を調節する接触圧制御手段とを備え
ることを特徴とするものである。
【0010】以上のように構成された本発明に係る再生
ヘッド装置は、接触圧制御手段により磁気記録媒体と磁
気抵抗効果素子との間の接触圧を低減することができ
る。また、この再生ヘッド装置では、磁気抵抗効果素子
が磁気記録媒体からの磁界を確実に検出可能となるよう
に、接触圧制御手段により磁気ヘッドの位置を調節する
ことができる。これにより、再生ヘッド装置では、磁気
記録媒体と磁気抵抗効果素子との間の接触圧を低減した
状態で、磁気ヘッドにより信号の再生を行うことができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る再生ヘッド装
置の好適な実施の形態について図面を参照して詳細に説
明する。
【0012】本発明を適用した再生ヘッド装置は、回転
ドラムを用いて記録再生を行うヘリカルスキャン方式の
磁気記録再生装置であり、回転ドラムに搭載された再生
用磁気ヘッドとして、磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以
下、MRヘッドと称する。)を使用する。特に、本例で
は、MRヘッドの他に記録用の磁気ヘッドとしてインダ
クティブ型磁気ヘッドを搭載してなる再生ヘッド装置に
関して説明する。
【0013】この再生ヘッド装置の一構成例を図1乃至
図3に示す。図1は位置制御装置1を有するを回転ドラ
ム装置3の概略を示す斜視図であり、図2は回転ドラム
装置3を含む磁気テープ送り機構10の概略を示す平面
図であり、図3は位置制御装置1を有する回転ドラム装
置3の断面図である。
【0014】図1に示すように、回転ドラム装置3は、
円筒状の固定ドラム4と、円筒状の回転ドラム5と、回
転ドラム5を回転駆動するモータ6と、回転ドラム5に
搭載された一対のインダクティブ型磁気ヘッド7a,7
bと、回転ドラム5に搭載された一対のMRヘッド8
a,8bとを備える。
【0015】上記固定ドラム4は、回転することなく保
持されるドラムである。この固定ドラム4の側面には、
磁気テープMの走行方向に沿ってリードガイド部9が形
成されている。後述するように、記録再生時に磁気テー
プMは、このリードガイド部9に沿って走行する。そし
て、この固定ドラム4と中心軸が一致するように、回転
ドラム5が配されている。
【0016】回転ドラム5は、磁気テープMに対する記
録再生時に、モータ6によって所定の回転速度で回転駆
動されるドラムである。この回転ドラム5は、固定ドラ
ム4と略同径の円筒状に形成されてなり、固定ドラム4
と中心軸が一致するように配されている。そして、この
回転ドラム5の固定ドラム4に対向する側には、一対の
インダクティブ型磁気ヘッド7a,7b及び一対のMR
ヘッド8a,8bが搭載されている。
【0017】インダクティブ型磁気ヘッド7a,7b
は、一対の磁気コアが磁気ギャップを介して接合される
とともに、磁気コアにコイルが巻装されてなる記録用磁
気ヘッドであり、磁気テープMに対して信号を記録する
際に使用される。そして、これらのインダクティブ型磁
気ヘッド7a,7bは、回転ドラム5の中心に対して互
いに成す角度が180°となり、それらの磁気ギャップ
部分が回転ドラム5の外周から突き出すように、回転ド
ラム5に搭載されている。なお、これらのインダクティ
ブ型磁気ヘッド7a,7bは、磁気テープMに対してア
ジマス記録を行うように、アジマス角が互いに逆となる
ように設定されている。
【0018】一方、MRヘッド8a,8bは、磁気テー
プMからの信号を検出する感磁素子としてMR素子を備
えた再生用磁気ヘッドであり、磁気テープMから信号を
再生する際に使用される。そして、これらのMRヘッド
8a,8bは、回転ドラム5の中心に対して互いに成す
角度が180°となり、磁気ギャップ部分が回転ドラム
の外周から突き出すように、回転ドラム5に搭載されて
いる。なお、これらのMRヘッド8a,8bは、磁気テ
ープMに対してアジマス記録された信号を再生できるよ
うに、アジマス角が互いに逆となるように設定されてい
る。
【0019】そして、磁気記録再生装置は、このような
回転ドラム装置3に磁気テープMを摺動させて、磁気テ
ープMに対する信号の記録や、磁気テープMからの信号
の再生を行う。
【0020】すなわち、記録再生時に磁気テープMは、
図2に示すように、供給リール11からガイドローラ1
2,13を経て、回転ドラム装置3に巻き付くように送
られ、この回転ドラム装置3で記録再生がなされる。そ
して、回転ドラム装置3で記録再生がなされた磁気テー
プMは、ガイドローラ14,15、キャプスタン16、
ガイドローラ17を経て、巻き取りロール18へと送ら
れる。すなわち、磁気テープMは、キャプスタンモータ
19により回転駆動されるキャプスタン16によって所
定の張力及び速度にて送られ、ガイドローラ17を経て
巻き取りロール18に巻き取られる。
【0021】このとき、回転ドラム5は、図1中の矢印
Aに示すように、モータ6によって回転駆動される。一
方、磁気テープMは、固定ドラム4のリードガイド部9
に沿って、固定ドラム4及び回転ドラム5に対して斜め
に摺動するように送られる。すなわち、磁気テープM
は、テープ走行方向に沿って、図1中矢印Bに示すよう
にテープ入口側から固定ドラム4及び回転ドラム5に摺
接するようにリードガイド部9に沿って送られ、その
後、図1中矢印Cに示すようにテープ出口側へと送られ
る。
【0022】次に、上記回転ドラム装置3の内部構造に
ついて、図3を参照して説明する。
【0023】図3に示すように、MRヘッド8a,8b
の突出し量を制御するための位置制御装置1が配設され
ている。位置制御装置1は、先端部にMRヘッド8a,
8bを取り付ける支持部材1aと、支持部材1aを挟み
込むように配設されたリニアコイル1bとから構成され
ている。リニアコイル1bは、図示しないサーボ回路に
より制御され、図3中矢印Dに示すように支持部材1a
を外方或いは内方に位置調節することができる。支持部
材1aは、リニアコイル1bと対向する部分が、例え
ば、フェライト等の磁性材料からなり、リニアコイル1
bから発生する磁界により移動自在に取り付けられてい
る。
【0024】また、固定ドラム4及び回転ドラム5の中
心には、回転軸21が挿通されている。なお、固定ドラ
ム4、回転ドラム5及び回転軸21は導電材料からな
り、これらは電気的に導通しており、固定ドラム4が接
地されている。
【0025】そして、固定ドラム4のスリーブの内側に
は、2つの軸受け22,23が設けられており、これに
より、固定ドラム4に対して回転軸21が回転可能に支
持されている。すなわち、回転軸21は、軸受け22,
23により、固定ドラム4に対して回転可能に支持され
ている。一方、回転ドラム5には、その内周部にフラン
ジ24が形成されており、このフランジ24が回転軸2
1の上端部に固定されている。これにより、回転ドラム
5は、回転軸21の回転に伴って回転するようになされ
ている。
【0026】また、回転ドラム装置3の内部には、固定
ドラム4と回転ドラム5との間で信号の伝送を行うため
に、非接触型の信号伝送装置であるロータリトランス2
5が配されている。このロータリトランス25は、固定
ドラム4に取り付けられたステータコア26と、回転ド
ラム5に取り付けられたロータコア27とを有してい
る。
【0027】ステータコア26及びロータコア27は、
フェライト等のような磁性材料が、回転軸21を中心と
する円環状に形成されてなる。また、ステータコア26
には、一対のインダクティブ型磁気ヘッド7a,7bに
対応した一対の信号伝送用リング26a,26bと、一
対のMRヘッド8a,8bに対応した信号伝送用リング
26cと、一対のMRヘッド8a,8bの駆動に必要な
電力を供給するための電力伝送用リング26dとが、同
心円状に配置されている。同様に、ロータコア27に
も、一対のインダクティブ型磁気ヘッド7a,7bに対
応した一対の信号伝送用リング27a,27bと、一対
のMRヘッド8a,8bに対応した信号伝送用リング2
7cと、一対のMRヘッド8a,8bの駆動に必要な電
力を供給するための電力伝送用リング27dとが、同心
円状に配置されている。
【0028】これらのリング26a,26b,26c,
26d,27a,27b,27c,27dは、回転軸2
1を中心として円環状に巻回されたコイルからなり、ス
テータコア26の各リング26a,26b,26c,2
6dと、ロータコア27の各リング27a,27b,2
7c,27dとがそれぞれ対向するように配されてい
る。そして、このロータリトランス25は、ステータコ
ア26の各リング26a,26b,26c,26dと、
ロータコア27の各リング27a,27b,27c,2
7dとの間で、非接触にて信号や電力の伝送を行うよう
になっている。
【0029】また、回転ドラム装置3には、回転ドラム
5を回転駆動させるモータ6が取り付けられている。こ
のモータ6は、回転部分であるロータ28と、固定部分
であるステータ29とを有している。ロータ28は、回
転軸21の下端部に取り付けられており、駆動用マグネ
ット30を備えている。一方、ステータ29は、固定ド
ラム4の下端部に取り付けられており、駆動用コイル3
1を備えている。そして、駆動用コイル31に電流を供
給することにより、ロータ28が回転駆動される。これ
により、ロータ28に取り付けられている回転軸21が
回転し、それに伴って、回転軸21に固定されている回
転ドラム5が回転駆動されることとなる。
【0030】つぎに、以上のような回転ドラム装置3に
よる記録再生について、この回転ドラム装置3並びにそ
の周辺回路についての回路構成の概略を示す図4を参照
して説明する。
【0031】上記回転ドラム装置3を用いて磁気テープ
Mに信号を記録する際は、先ず、モータ6の駆動用コイ
ル31に電流が供給され、これにより、回転ドラム5が
回転駆動される。そして、回転ドラム5が回転している
状態にて、図4に示すように、外部回路40からの記録
信号が記録用アンプ41に供給される。
【0032】記録用アンプ41は、外部回路40からの
記録信号を増幅し、一方のインダクティブ型磁気ヘッド
7aによって信号を記録するタイミングの時、当該イン
ダクティブ型磁気ヘッド7aに対応したステータコア2
6の信号伝送用リング26aに記録信号を供給し、ま
た、他方のインダクティブ型磁気ヘッド7bによって信
号を記録するタイミングの時、当該インダクティブ型磁
気ヘッド7bに対応したステータコア26の信号伝送用
リング26bに記録信号を供給する。
【0033】ここで、一対のインダクティブ型磁気ヘッ
ド7a,7bは、上述したように、回転ドラム5の中心
に対して互いに成す角度が180°となるように配され
ているので、これらのインダクティブ型磁気ヘッド7
a,7bは、180°の位相差を持って交互に記録する
こととなる。すなわち、記録用アンプ41は、一方のイ
ンダクティブ型磁気ヘッド7aに記録信号を供給するタ
イミングと、他方のインダクティブ型磁気ヘッド7bに
記録信号を供給するタイミングとを、180°の位相差
を持って交互に切り換える。
【0034】そして、一方のインダクティブ型磁気ヘッ
ド7aに対応したステータコア26の信号伝送用リング
26aに供給された記録信号は、非接触にてロータコア
27の信号伝送用リング27aに伝送される。そして、
ロータコア27の信号伝送用リング27aに伝送された
記録信号は、インダクティブ型磁気ヘッド7aに供給さ
れ、当該インダクティブ型磁気ヘッド7aにより、磁気
テープMに対して信号の記録がなされる。
【0035】同様に、他方のインダクティブ型磁気ヘッ
ド7bに対応したステータコア26の信号伝送用リング
26bに供給された記録信号は、非接触にてロータコア
27の信号伝送用リング27bに伝送される。そして、
ロータコア27の信号伝送用リング27bに伝送された
記録信号は、インダクティブ型磁気ヘッド7bに供給さ
れ、当該インダクティブ型磁気ヘッド7bにより、磁気
テープMに対して信号の記録がなされる。
【0036】また、上記回転ドラム装置3を用いて磁気
テープMからの信号を再生する際は、先ず、モータ6の
駆動用コイル31に電流が供給され、これにより、回転
ドラム5が回転駆動される。そして、回転ドラム5が回
転している状態にて、図5に示すように、オシレータ4
2から高周波の電流がパワードライブ43に供給され
る。
【0037】オシレータ42からの高周波の電流は、パ
ワードライブ43によって所定の交流電流に変換された
上で、ステータコア26の電力伝送用リング26dに供
給される。そして、ステータコア26の電力伝送用リン
グ26dに供給された交流電流は、非接触にてロータコ
ア27の電力伝送用リング27dに伝送される。そし
て、ロータコア27の電力伝送用リング27dに伝送さ
れた交流電流は、整流器44により整流されて直流電流
とされレギュレータ45に供給され、当該直流電流はレ
ギュレータ45により所定の電圧に設定される。
【0038】そして、レギュレータ45によって所定の
電圧に設定された電流は、一対のMRヘッド8a,8b
にセンス電流として供給される。なお、一対のMRヘッ
ド8a,8bには、当該MRヘッド8a,8bからの信
号を検出する再生用アンプ46が接続されており、レギ
ュレータ45からの電流は、この再生用アンプ46にも
供給される。
【0039】ここで、MRヘッド8a,8bは、外部磁
界の大きさによって抵抗値が変化するMR素子を備えて
いる。そして、MRヘッド8a,8bは、磁気テープM
からの信号磁界により、MR素子の抵抗値が変化し、こ
れにより、センス電流に電圧変化が現れるようになされ
ている。
【0040】そして、再生用アンプ46は、この電圧変
化を検出し、当該電圧変化に応じた信号を再生信号とし
て出力する。なお、再生用アンプ46は、一方のMRヘ
ッド8aによって信号を再生するタイミングの時、当該
MRヘッド8aによって検出した再生信号を出力し、ま
た、他方のMRヘッド8bによって信号を再生するタイ
ミングの時、当該MRヘッド8bによって検出した再生
信号を出力する。
【0041】ここで、一対のMRヘッド8a,8bは、
上述したように、回転ドラム5の中心に対して互いに成
す角度が180°となるように配されているので、これ
らのMRヘッド8a,8bは、180°の位相差を持っ
て交互に再生することとなる。すなわち、再生用アンプ
46は、一方のMRヘッド8aからの再生信号を出力す
るタイミングと、他方のMRヘッド8bからの再生信号
を出力するタイミングとを、180°の位相差を持って
交互に切り換える。
【0042】そして、再生用アンプ46からの再生信号
は、ロータコア27の信号伝送用リング27cに供給さ
れ、この再生信号は、非接触にてステータコア26の信
号伝送用リング26cに伝送される。ステータコア26
の信号伝送用リング26cに伝送された再生信号は、再
生用アンプ47によって増幅された上で、補正回路48
に供給される。そして、再生信号は、補正回路48によ
り所定の補正処理が施された後、外部回路40へと出力
される。
【0043】なお、図4に示したような回路構成とした
場合、一対のインダクティブ型磁気ヘッド7a,7b、
一対のMRヘッド8a,8b、整流器44、レギュレー
タ45及び再生用アンプ46は、回転ドラム5に搭載さ
れ、回転ドラム5と共に回転する。一方、記録用アンプ
41、オシレータ42、パワードライブ43、再生用ア
ンプ47及び補正回路48については、回転ドラム装置
3の固定部分に配するか、或いは、回転ドラム装置3と
は別に構成された外部回路とする。
【0044】つぎに、上記回転ドラム5に搭載されるM
Rヘッド8a,8bについて、図5を参照して詳細に説
明する。なお、MRヘッド8a及びMRヘッド8bは、
アジマス角が互いに逆となるように設定されている他
は、同一の構成を有している。そこで、以下の説明で
は、これらのMRヘッド8a,8bをまとめてMRヘッ
ド8と称する。
【0045】MRヘッド8は、回転ドラム5に搭載さ
れ、ヘリカルスキャン方式によって磁気テープMからの
信号を、磁気抵抗効果を利用して検出する再生専用の磁
気ヘッドである。一般に、MRヘッドは、電磁誘導を利
用して記録再生を行うインダクティブ型磁気ヘッドより
も感度が高く再生出力が大きいので、高密度記録に適し
ている。したがって、再生用磁気ヘッドとしてMRヘッ
ド8を用いることで、より高密度記録化を図ることがで
きる。
【0046】そして、このMRヘッド8は、図5に示す
ように、Ni−Zn多結晶フェライト等のような軟磁性
材料からなる一対の磁気シールド51,52と、絶縁体
53を介して一対の磁気シールド51,52によって挟
持された略矩形状のMR素子部54とを備える。なお、
MR素子部54の両端からは、一対の端子が導出されて
おり、これらの端子を介して、MR素子部54にセンス
電流を供給できるようになされている。
【0047】MR素子部54は、磁気抵抗効果を有する
MR素子と、SAL(Soft Adjacent Layer)膜と、M
R素子とSAL膜との間に配された絶縁体膜とが積層さ
れてなる。MR素子は、異方性磁気抵抗効果(AMR)
により、外部磁界の大きさによって抵抗値が変化するN
i−Fe等のような軟磁性材料からなる。SAL膜は、
いわゆるSALバイアス方式により、MR素子にバイア
ス磁界を印加するためのものであり、パーマロイ等のよ
うに低保磁力で高透磁率の磁性材料からなる。絶縁体膜
は、MR素子とSAL膜との間を絶縁し、電気的な分流
損を防ぐためのものであり、Ta等のような絶縁材料か
らなる。
【0048】このMR素子部54は、略矩形状に形成さ
れてなり、一側面が磁気テープ摺動面55に露呈するよ
うに、一対の磁気シールド51,52によって絶縁体5
3を介して挟持されている。詳細には、このMR素子部
54は、短軸方向が磁気テープ摺動面55に対して略垂
直となり、長軸方向が磁気テープ摺動方向に対して略直
交するように、一対の磁気シールド51,52によって
絶縁体53を介して挟持されている。
【0049】このMRヘッド8の磁気テープ摺動面55
は、当該磁気テープ摺動面55にMR素子部54の一側
面が露呈するように、磁気テープMの摺動方向に沿って
円筒研磨されているとともに、磁気テープMの摺動方向
に対して直交する方向に沿って円筒研磨されている。こ
れにより、このMRヘッド8は、MR素子部54或いは
その近傍部分が最も突出するようになされている。この
ように、MR素子部54或いはその近傍部分が最も突出
するようにすることにより、MR素子部54の磁気テー
プMに対する当たり特性を良好なものとすることができ
る。
【0050】そして、以上のようなMRヘッド8を用い
て磁気テープMからの信号を再生する際は、図6に示す
ように、磁気テープMをMR素子部54に摺動させる。
なお、図6中の矢印は、磁気テープMが磁化されている
様子を模式的に示している。
【0051】そして、このように磁気テープMをMR素
子部54に摺動させた状態で、MR素子部54の両端に
接続された端子54a,54bを介して、MR素子部5
4にセンス電流を供給し、当該センス電流の電圧変化を
検出する。具体的には、MR素子部54の一端に接続さ
れた端子54aから、所定の電圧Vcを印加するととも
に、MR素子部54の他端に接続された端子54bを、
回転ドラム5に接続しておく。ここで、回転ドラム5は
回転軸21を介して固定ドラム4に電気的に導通してお
り、また、固定ドラム4は接地されている。したがっ
て、MR素子部54に接続された一方の端子54bは、
回転ドラム5、回転軸21及び固定ドラム4を介して接
地されている。
【0052】そして、磁気テープMを摺動させた状態で
MR素子部54にセンス電流を供給すると、磁気テープ
Mからの磁界に応じて、MR素子部54に形成されたM
R素子の抵抗値が変化し、その結果、センス電流に電圧
変化が生じる。そこで、このセンス電流の電圧変化を検
出することにより、磁気テープMからの信号磁界が検出
され、磁気テープMに記録されている信号が再生され
る。
【0053】なお、用いるMRヘッド8において、MR
素子部54に形成されるMR素子は、磁気抵抗効果を示
す素子であれば良く、例えば、複数の薄膜を積層するこ
とにより、より大きな磁気抵抗効果を得られるようにし
たスピンバルブ素子等の、いわゆる巨大磁気抵抗効果素
子(GMR素子)も使用可能である。また、MR素子に
バイアス磁界を印加する手法は、SALバイアス方式で
なくてもよく、例えば、永久磁石バイアス方式、シャン
ト電流バイアス方式、自己バイアス方式、交換バイアス
方式、バーバーポール方式、分割素子方式、サーボバイ
アス方式等、種々の手法が適用可能である。なお、巨大
磁気抵抗効果並びに各種バイアス方式については、例え
ば、丸善株式会社発行の「磁気抵抗ヘッド−基礎と応用
林和彦訳」に詳細に記載されている。
【0054】特に、この再生ヘッド装置では、MRヘッ
ド8a,8bと磁気テープMとの接触圧を低減しながら
も、磁気テープMからの信号磁界を確実に検出できるよ
うに、当該MRヘッド8a,8bの突出し量を位置制御
装置1により調節している。位置制御装置では、サーボ
回路から供給された駆動信号に基づいてリニアモータ1
bを駆動し、このリニアモータ1bから発生する磁界に
より支持部材1aを所定の位置に移動させる。これによ
り、MRヘッド8a,8bは、磁気テープMに対して所
望の接触圧となる。
【0055】具体的には、再生ヘッドでは、位置制御装
置1によりMRヘッド8a,8bを磁気テープMに対し
て離間する方向に移動させ、MRヘッド8a,8bと磁
気テープMとの接触圧を低く抑えている。したがって、
この再生ヘッド装置においては、MRヘッド8a,8b
のMR素子部54が磁気テープMとの摺動により加熱さ
れることを防止できる。MRヘッド8a,8bでは、M
R素子部54の温度が上昇すると、MR素子部54の抵
抗値が変化してしまい、その結果、サーマルアスペリテ
ィーノイズ(以下、TAノイズと称する。)が発生して
しまう。しかしながら、上述したMRヘッド8a,8b
では、MR素子部54の加熱を確実に防止できるため、
TAノイズを抑えることができ、SN比を向上させるこ
とができる。
【0056】また、この場合、MRヘッド8a,8bと
磁気テープMとの接触圧を低く抑えるように当該MRヘ
ッド8a,8bを磁気テープMから離間させる方向に位
置決めしているが、これはTAノイズを低減する一方
で、磁気テープMから生ずる信号磁界の検出感度を劣化
させることにもなる。しかしながら、この再生ヘッド装
置では、磁気テープMにおける信号磁界の検出感度に起
因する再生出力の低下よりも、TAノイズの低減効果の
方が顕著であるため、結果として、SN比を大幅に向上
させることができるのである。
【0057】具体的に、図7に示すフローに従った実験
によって、MRヘッド8a,8bの突出し量を変化させ
たときのTAノイズ及びSN比を測定した。なお、MR
ヘッド8a,8bの突出し量と記録波長0.25μmに
おける出力との関係を図8に示す。この図8から、MR
ヘッド8a,8bの突出し量を小とすると出力が低下す
ることがわかる。
【0058】この実験において、記録信号は、メタルイ
ンギャップ型の磁気ヘッドを用いて8−10変換コード
をNRZIにより変調して記録した。また、SN比の計
算には部分応答法(パーシャルレスポンス法)のクラス
1を用いた。
【0059】この実験では、先ず、ソニーテクトロニク
ス社製のデータ発生器(商品名DG2020)を用いて
作成したデータ列を記録し、Lecroy社製のデジタ
ルオシロスコープ(商品名DMA120)により再生信
号を取り込んだ。このとき、磁気テープの走行速度は
6.66m/分とし、ナイキスト周波数は25MHzで
ある。サンプリングは10倍のオーバーサンプリングを
行った。その後、再生信号をソフトウェアーチャンネル
シュミレーションにより処理し、ダイヤグラムを作成し
てSN比を求めた。測定ビット数は、16000ビット
である。400ビット毎にSN比を測定し、ヒストグラ
ムを作成し、中央値をSN比として採用した。再生信号
をPR1チャンネルに等化するため、記録再生系の伝達
関数をダイパルス応答からFFT処理を行い求めた。ダ
イパルス応答は非線形ビットシフト計測と同一方法を用
いて求めた(D.Palmer,P.Ziperovich,R.Wood,and T,How
ellIEEE Trans.Magn.,vol23,pp2377-2379,Sept,198
7)。
【0060】この実験で使用したヘッドアンプは、共同
電子システム社製、商品名RW−BOXであり、再生ア
ンプの遮断周波数は130MHzである。また、この実
験では、オシロスコープに取り込まれたデータをPR1
チャンネルに等化した後、最適等化を行うため、22タ
ップのFIRフィルタを用いて適応等化を行った。タッ
プの更新アルゴリズムには最小2乗法を用いた。SN比
の計算は、シグナルにVp−p/4、ノイズには、それ
ぞれの信号レベルにおける分散の平均を用いた。結果を
表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】この表1において、出力1は記録波長0.
25μmにおける最大出力からの減衰量を示し、出力2
は記録波長0.33μmにおける最大出力からの減衰量
を示している。表1から判るように、出力1が1.0d
B低下する程度にMRヘッド8a,8bを突き出した場
合には、出力1の低下率と比較してTAノイズの低下率
が大きいため、結果として、SN比が1.0dB向上す
ることとなる。また、出力1が4.0dB低下する程度
に突き出した場合には、SN比が最も向上していること
がわかる。さらに、出力1が4.0dBより大きく低下
する程度に突き出した場合には、TAノイズの低減率が
より顕著となるが、出力1の低減率も大きくなってしま
うため、SN比を向上させる効果が低減してくることが
わかる。このことから、出力1を1〜6dB低下させる
程度にMRヘッド8a,8bを突き出すことによって、
TAノイズを低減して、SN比を向上させることができ
ることがわかる。
【0063】次に、3次元表面粗さをの異なる複数の磁
気テープMを用いて、上述した実験を行った。磁気テー
プMとしては、3次元表面粗さが5.0nm(試料
A)、4.6nm(試料B)、4.0nm(試料C)及
び3.0nm(試料D)である4種類を使用した。この
実験では、試料A、試料B、試料C及び試料Dについ
て、最もSN比が向上するときの、出力1及び出力2の
減衰量を求めた。最も向上したときのSN比、出力1の
減衰量及び出力2の減衰量を、表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】この表2に示すように、各試料とも減衰量
が4〜5dBのときに、SN比が最も向上していること
がわかる。このとき、磁気テープの3次元表面粗さによ
らず、優れたSN比を示すこともわかる。このことか
ら、上述した再生ヘッド装置では、3次元表面粗さが2
〜5nmの範囲である磁気テープMに対して、SN比を
大幅に向上させることができる。
【0066】一方、この再生ヘッド装置では、図5に示
したように、磁気テープ摺動面55にMR素子部54の
一側面が露出してなるものであったが、MR素子部54
の一側面が一対のシールド51,52により形成される
磁気テープ摺動面55から3〜5nmの範囲で下方に形
成されていることが好ましい。この場合、MR素子部5
4は、磁気テープMに対して3〜5nm離間した状態で
再生することになる。この場合、MR素子部54は、磁
気テープMに対して直接摺動しないため、再生に際して
加熱され難くなる。このため、MR素子部54を磁気テ
ープ摺動面55から3〜5nmの範囲で下方に位置させ
ることによって、TAノイズをより効果的に抑制するこ
とができる。
【0067】また、再生ヘッド装置では、ポリエチレン
テレフタレート等の非磁性支持体上に下層非磁性層及び
上層磁性層が順次積層されてなり、上層磁性層にカーボ
ンブラックを添加してなる磁気テープを使用することが
好ましい。上層磁性層にカーボンブラックを添加するこ
とによって、磁気テープの表面の摩擦低減効果を奏する
ことができる。このように、再生ヘッド装置は、上層磁
性層にカーボンブラックを添加してなる磁気テープを使
用することによって、MRヘッド8a,8bの加熱をよ
り防止して、TAノイズをより低減してSN比をより向
上させることができる。
【0068】このとき、カーボンブラックの粒子サイズ
は0.01〜0.5μmであることが好ましい。カーボ
ンブラックの粒子サイズが0.01μm未満である場合
には、磁気テープM表面の摩擦を低減できない虞があ
る。また、カーボンブラックの粒子サイズが0.5μm
を超える場合には、磁気テープMの表面性を劣化させて
しまい電磁変換特性が劣化する虞がある。また、カーボ
ンブラックは、上層磁性層に含有される磁性粉末100
重量部に対して0.1〜20重量部の範囲で添加される
ことが好ましい。カーボンブラックの添加量が磁性粉末
100重量部に対して0.1重量部未満である場合に
は、磁気テープM表面の摩擦を低減できない虞がある。
また、カーボンブラックの添加量が磁性粉末100重量
部に対して20重量部を超える場合には、非磁性である
カーボンブラックが上層磁性層中に占める割合が多くな
りすぎ、出力の低下を招く虞がある。
【0069】ところで、本発明は、上述したような位置
制御装置1を備える再生ヘッド装置に限定されるもので
はなく、例えば、磁気テープ走行路の途中に、磁気テー
プMとMRヘッド8a,8bとの接触圧を制御するため
の接触圧制御手段を備えるものであってもよい。すなわ
ち、本発明を適用した再生ヘッド装置の他の例として
は、図9に示すように、供給リール11から巻き取りロ
ール18に向かって走行する磁気テープMの走行路の途
中に配設されたテンションローラ50を備え、走行する
磁気テープMの張力を調節するようなものであってもよ
い。すなわち、この再生ヘッド装置では、接触圧制御手
段としてテンションローラ50を備え、テンションロー
ラ50が図9中矢印Eで示すように、所定の方向に移動
することにより磁気テープMの張力を調節する。
【0070】この再生ヘッド装置においては、テンショ
ンローラ50により磁気テープMの張力が緩められるた
め、MRヘッド8a,8bと磁気テープMとの接触圧が
低い状態で再生することができる。これにより、MRヘ
ッド8a,8bは、磁気テープMとの摺動に起因する発
熱が防止される。したがって、この再生ヘッド装置にお
いても、MRヘッド8a,8bが加熱されることにより
発生するTAノイズが低減することとなる。
【0071】また、この再生ヘッド装置では、テンショ
ンローラ50により磁気テープMの張力を調節すること
により、MRヘッド8a,8bにより優れたSN比を達
成することができる。言い換えると、上述したように、
TAノイズを低減するためにテンションローラ50によ
り磁気テープMの張力を低減しているが、これはTAノ
イズを低減する一方で磁気テープMから生ずる信号磁界
の検出感度を劣化させることにもなる。しかしながら、
この再生ヘッド装置では、磁気テープMにおける信号磁
界の検出感度に起因する再生出力の低下よりも、TAノ
イズの低減効果の方が顕著であるため、結果として、S
N比を大幅に向上させることができるのである。
【0072】なお、この図9に示す再生ヘッド装置は、
予め設定された突出し量となるようにMRヘッド8a,
8bが配設されており、これらMRヘッド8a,8bの
突出し量を制御するための手段を備える必要がない。す
なわち、この図9に示す再生ヘッド装置は、回転ドラム
装置3内部に位置制御装置1を有さない以外は上述した
再生ヘッド装置と同様の構成となっている。
【0073】また、図9に示す再生ヘッド装置において
は、テンションローラ50により磁気テープMの張力を
調節してTAノイズを低減していたが、これに加えて、
回転ドラム装置3内部に位置制御装置を配設してMRヘ
ッド8a,8bの突出し量を調節してTAノイズを更に
低減させても良い。
【0074】なお、本発明は、これら図1及び図9に示
した再生ヘッド装置に限定されるものではなく、本発明
の主旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能である。例え
ば、本発明に係る再生ヘッド装置は、回転ヘッド装置を
用いず、固定ヘッド装置を用いたものであってもよい。
固定ヘッド装置を用いる場合には、複数のトラックを同
時に記録再生するため、いわゆるマルチトラックヘッド
を用いることが好ましい。また、本発明に係る再生ヘッ
ド装置は、一対のMRヘッドを有するものでなく、1〜
20個程度のMRヘッドを備えるものであってもよい。
さらに、回転ヘッド装置に対する磁気テープMの巻き付
け角は、例えば、30〜300度、好ましくは90〜2
70度の範囲の何れであっても良い。さらにまた、回転
ドラム装置の回転数に関しては、データの転送レートを
向上させる観点から、1000〜20000rpm、好
ましくは2000〜10000rpmであれば何れであ
っても良い。さらにまた、再生ヘッド装置では、磁気テ
ープMの両主面に対して信号の記録再生を行うものであ
ってもよい。このとき、磁気テープMの両主面に対して
は、片面づつ記録再生を行っても良いし、両面を同時に
記録再生しても良い。磁気テープMの両主面に対して同
時に記録再生を行う場合には、記憶容量とデータ転送レ
ートとを2倍に向上させることができる。この場合、両
主面の記録タイミングを同期させるため、両主面におい
て同期したサーボ信号等を、情報信号とともに或いは情
報信号とは別に記録する必要がある。
【0075】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る再生ヘッド装置は、接触圧制御手段により磁気記録
媒体と磁気抵抗効果素子との間の接触圧を低減すること
ができる。これにより、再生ヘッド装置では、磁気記録
媒体と磁気抵抗効果素子との間の接触圧を低減した状態
で、磁気ヘッドにより信号の再生を行うことができる。
したがって、本発明に係る再生ヘッド装置によれば、サ
ーマルアスペリティノイズを低減して、優れたSN比を
達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘリカルスキャン磁気記録システムの磁気記録
再生装置に搭載される回転ドラム装置の一構成例につい
て、その概略を示す斜視図である。
【図2】上記回転ドラム装置を含む磁気テープ送り機構
の一構成例について、その概略を示す平面図である。
【図3】上記回転ドラム装置の内部構造を示す断面図で
ある。
【図4】上記回転ドラム装置並びにその周辺回路につい
て、回路構成の概略を示す図である。
【図5】上記回転ドラムに搭載されるMR再生ヘッドの
一例について、一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図6】MR再生ヘッドを用いて磁気テープからの信号
を再生する様子を模式的に示す図である。
【図7】実験フローを示すフローチャートである。
【図8】MRヘッドの突出し量と出力との関係を示す特
性図である。
【図9】上記回転ドラム装置を含む磁気テープ送り機構
の他の構成例について、その概略を示す平面図である。
【符号の説明】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持部材に取り付けられ、感磁素子とし
    て磁気抵抗効果素子を有し、上記磁気抵抗効果素子の一
    端面を磁気記録媒体と対向させて当該磁気記録媒体から
    の信号磁界を検出する磁気ヘッドと、 上記磁気ヘッドの磁気抵抗効果素子の一端面と上記磁気
    記録媒体との接触圧を調節する接触圧制御手段とを備え
    ることを特徴とする再生ヘッド装置。
  2. 【請求項2】上記接触圧制御手段は、上記磁気抵抗効果
    素子の一端面を上記磁気記録媒体に対して近接又は離間
    する方向に位置制御を行うことを特徴とする請求項1記
    載の再生ヘッド装置。
  3. 【請求項3】 上記接触圧制御手段は、上記磁気ヘッド
    の支持部材を、上記磁気記録媒体に対して近接又は離間
    する方向に移動させる動力発生装置であることを特徴と
    する請求項1記載の再生ヘッド装置
  4. 【請求項4】 上記接触圧制御手段は、上記磁気記録媒
    体の張力を調節するテンションレギュレータであること
    を特徴とする請求項1記載の再生ヘッド装置。
  5. 【請求項5】 上記テョンレギュレータは、移動可能と
    された一対のガイドローラからなり、これら一対のガイ
    ドローラの位置を調節することによって、テープ状を呈
    する上記磁気記録媒体のテープ張力を制御することを特
    徴とする請求項4記載の再生ヘッド装置。
  6. 【請求項6】 上記磁気抵抗効果素子の一端面と上記磁
    気記録媒体との間隔を3nm〜50nmの範囲に設定し
    ていることを特徴とする請求項1記載の再生ヘッド装
    置。
  7. 【請求項7】 磁気記録媒体に対して磁化を印加して信
    号を記録できる記録ヘッドを備えることを特徴とする請
    求項1記載の再生ヘッド装置。
  8. 【請求項8】 上記磁気記録媒体は、非磁性支持体上
    に、非磁性粉末と結合剤とを有する非磁性塗料を塗布し
    てなる下層非磁性層と、磁性粉末と結合剤とを有する磁
    性塗料と塗布してなる上層磁性層とを備え、上記上層磁
    性層の厚みが1μm以下であるとともに、上記上層磁性
    層にカーボンブラックを0.1重量部〜220重量部含
    有するものであることを特徴とする請求項1記載の再生
    ヘッド装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004118904A (ja) * 2002-09-25 2004-04-15 Sony Corp 磁気記録媒体および記録再生装置

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