JP2001020096A - めっき装置 - Google Patents

めっき装置

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JP2001020096A
JP2001020096A JP11194921A JP19492199A JP2001020096A JP 2001020096 A JP2001020096 A JP 2001020096A JP 11194921 A JP11194921 A JP 11194921A JP 19492199 A JP19492199 A JP 19492199A JP 2001020096 A JP2001020096 A JP 2001020096A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェースダウン方式の噴流めっき装置であっ
て、しかもカソードピンへめっき膜が形成されることな
く、被めっき基板の裏面や側面の金属汚染がなく、めっ
き面に気泡を残さないことにより、品質のよいめっき膜
が形成できるめっき装置を提供する。 【解決手段】 被めっき基板21のめっきを施すめっき
面外周に当接するリング状のシール部材を有し、該被め
っき基板21のめっき面を露出させ、且つ該めっき面を
下に向けて保持する基板保持具22を具備し、めっき液
1の充満しためっき槽11内で基板保持具22に保持
された被めっき基板21の下方から該被めっき基板21
のめっき面に達するめっき液噴流を生成しながらめっき
を行うめっき装置において、基板保持具22の下端部に
被めっき基板21のめっき面に残留する気泡を該基板保
持具22の外側に逃がす通気孔を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被めっき基板のめっ
きを施すめっき装置に関し、特に半導体ウエハ等の表面
に配線用の微細な溝や穴等が形成された被めっき基板に
該溝や穴等を埋める金属めっきを施すのに好適なめっき
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体ウエハ等の表面に配線用の
微細な溝や穴が形成された被めっき基板の該溝や穴等を
埋めるために、銅めっき等の金属めっき装置を用い、金
属めっきで該溝や穴等を埋める手法が採用されている。
従来、この種のめっき装置として、フェースダウン方式
の噴流めっき装置がある。図1は該フェースダウン方式
の噴流めっき装置の構成を示す図である。
【0003】フェースダウン方式の噴流めっき装置10
0は、図1に示すように、めっき槽101を具備すると
共に、該めっき槽101の上部に半導体ウエハ等の被め
っき基板102をそのめっき面を下向きにして保持する
基板保持具103を具備し、めっき液貯留槽104内の
めっき液Q1をポンプ105により、フィルタ106及
びめっき液供給管107を通して、めっき槽101の底
部から噴出させ、被めっき基板102のめっき面に垂直
にめっき液の噴流を当てている。
【0004】めっき槽101をオーバーフローしためっ
き液Q1はめっき槽101の外側に配置されためっき液
受樋108で回収され、めっき液貯留槽104に戻るよ
うになっている。めっき電源109より、陽極電極11
0と陰極電極(被めっき基板102のめっき面)の間に
所定の電圧を印加することにより、該陽極電極110と
被めっき基板102のめっき面との間にめっき電流が流
れ、被めっき基板102のめっき面にめっき膜が形成さ
れる。
【0005】上記従来構成のフェースダウン方式の噴流
めっき装置100は、めっき槽101の上部に配置した
基板保持具103に支持ピンやカソードピンを設け、被
めっき基板102をそのめっき面を下に向けて保持し、
めっき槽101の上端と被めっき基板102の隙間から
めっき液Q1を流出させ、被めっき基板102にめっき
を施している。
【0006】しかし、被めっき基板102のめっき面に
給電するためのカソードピンはめっき液Q1に触れると
カソードピン部にもめっき金属が析出し、被めっき基板
を取り出す際にカソードピン近傍のめっき膜層を破壊す
る危険性がある。また、被めっき基板102が半導体ウ
エハであると、該半導体ウエハのめっき面に銅めっきを
電解めっきする場合、銅はシリコン中に拡散しやすいた
め、半導体ウエハのめっき面にバリヤ層としてTiN、
TaN等を成膜し、該バリヤ層又はその上に薄く成膜さ
れた銅層を陰極として電解めっきを行うが、半導体ウエ
ハの裏面や側面にはバリヤ層を形成していないため、こ
の部分に銅を含むめっき液が付着することを防止しなけ
ればならない。
【0007】このため、被めっき基板をめっき液に浸漬
させる浸漬めっきなどでは、被めっき基板102である
半導体ウエハを基板保持具103により保持し、半導体
ウエハの表面の外周部をシール部材でシールし、半導体
ウエハの外周部と裏面がめっき液で濡らされることがな
いようにし、基板保持具103と半導体ウエハとシール
部材で形成されためっき液に触れない空間において、カ
ソードピンと半導体ウエハ裏面に接触させている。
【0008】上記のような基板保持具103をフェース
ダウン方式の噴流めっき装置に使用する場合、基板保持
具103の周囲が被めっき基板102のめっき面より下
に出っ張るため、基板保持具103に保持された被めっ
き基板をめっき液面に接触させただけでは、半導体ウエ
ハ表面に空気層ができてしまい、正常なめっき膜を形成
できないという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の点に
鑑みてなされたもので、フェースダウン方式の噴流めっ
き装置であって、しかもカソードピンへめっき膜が形成
されることなく、被めっき基板の裏面や側面の金属汚染
がなく、めっき面に気泡を残さないことにより、品質の
よいめっき膜が形成できるめっき装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1に記載の発明は、被めっき基板のめっきを施す
めっき面外周に当接するリング状のシール部材を有し、
該被めっき基板のめっき面を露出させ、且つ該めっき面
を下に向けて保持する基板保持具を具備し、めっき液の
充満しためっき槽内で基板保持具に保持された被めっき
基板の下方から該被めっき基板のめっき面に達するめっ
き液噴流を生成しながらめっきを行うめっき装置におい
て、基板保持具の下端部に被めっき基板のめっき面に残
留する気泡を該基板保持具の外側に逃がす通気孔を設け
たことを特徴とする。
【0011】被めっき基板のめっき面に残る気泡を少な
くするために、基板保持具の外周部の被めっき基板より
下に位置する部分はできるだけ薄くすることが望ましい
が、被めっき基板とシール部材を密着させ、被めっき基
板とカソードピンを密着させるため、被めっき基板の裏
面から押え板により抑えつける必要があり、この押え付
け力を受けるために基板保持具の外周部の被めっき基板
のめっき面より下に位置する部分を数mm以下に減少さ
せることが難しい。このため、この部分に上記のように
通気孔を設けることにより、基板保持具の下部外周部と
被めっき基板のめっき面で囲まれた空間に残留する気泡
はこの通気孔を通って外部に抜ける。
【0012】但し、基板保持具の外周部の被めっき基板
のめっき面より下に位置する部分にはシール部材やカソ
ードピンがあるため、通気孔を被めっき基板のめっき面
と同じ高さに設けることはできない。従って、被めっき
基板のめっき面の残留気泡を完全に除くことができない
ので、基板保持具及びウエハを回転させることにより、
被めっき基板の中心から外部に向かう流れを強化し、こ
の流れによって被めっき基板のめっき面に残留する気泡
を流すことができる。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のめっき装置において、通気孔は基板保持具の被めっき
基板のめっき面より下に位置する部分の内周面から外周
面に貫通する孔であることを特徴とする。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
のめっき装置において、通気孔は基板保持具の被めっき
基板のめっき面より下に位置する部分の内周面からめっ
き槽内のめっき液より上に位置する部分の外周面又は内
周面に貫通する孔であることを特徴とする。
【0015】上記のように、通気孔を被めっき基板のめ
っき面より下に位置する部分の内周面からめっき液面よ
り上に位置する部分の外周面又は内周面に貫通する孔と
することにより、被めっき基板のめっき面に残留する気
泡は該通気孔を通って抜けやすくなる。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
のめっき装置において、通気孔は基板保持具の被めっき
基板のめっき面より下に位置する部分の内周面から下面
の外周部に貫通する孔であることを特徴とする。
【0017】上記のように、通気孔は基板保持具の被め
っき基板のめっき面より下に位置する部分の内周面から
下面の外周部に貫通する孔とすることにより、基板保持
具の下側の流速が大きく静圧が低い時、基板保持具の下
面外周部の内側との静圧差により被めっき基板のめっき
面に残留する気泡は該通気孔を通って抜ける。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態例を図
面に基づいて説明する。図2は本発明に係るめっき装置
の構成例を示す図である。本めっき装置10はめっき槽
11を具備する。該めっき槽11は略円筒形断面で、底
部は中央が低いテーパー状になっており、最も低い中央
点の周囲にめっき液Q1をめっき槽11の外部に流出さ
せるための流出孔12が設けられている。めっき槽11
の中央部にはめっき液Q1を上方に向けて噴出するめっ
き液噴出管13がめっき槽11の内部にまで突き出てい
る。
【0019】ポンプ15により、めっき液貯留槽14か
らフィルタ16を通ってめっき液噴出管13から噴射さ
れためっき液Q1は、めっき槽11の上縁部からオーバ
ーフローし、めっき槽11の外側に設けためっき液受樋
17で回収され、該めっき液受樋17からめっき液貯留
槽14に流入する。また、めっき液噴出管13から噴出
されためっき液Q1の一部は、流出孔12を通ってめっ
き槽11の外部に流出し、フィルタ又はセパレータ18
によってブラックフィルムの剥離片や陽極電極板19へ
の付着物、堆積物を除去した後、めっき液貯留槽14に
流入する。図2では流出孔12からめっき液貯留槽14
の間はめっき液Q1の重力によって流下させているが、
流出孔12からフィルタ又はセパレータ18の間にポン
プを設けてもよい。なお、20は流量調整バルブであ
る。
【0020】めっき槽11のめっき液Q1中の下部には
陽極電極板19を該めっき槽11の中心軸に直角に配設
する。この陽極電極板19には溶解性の電極板を用い、
銅めっきの場合には含リン銅を用いる。図2では陽極電
極板19は円板状で中央に開口が形成され、めっき液噴
出管13をその開口内部を通して配置し、該陽極電極板
19の周囲を流れるめっき液流れを該陽極電極板19の
下方にある流出孔12を通してめっき槽11の外部に流
しているが、図3に示すように、陽極電極板19に複数
の貫通孔を設け、該貫通孔を通っためっき液Q1を流出
孔12からめっき槽11の外部に流出させてもよい。な
お、図3のめっき装置ではめっき液噴出管13はめっき
槽11の下部外周部から、上部中央に向けてめっき液を
噴出させている。
【0021】また、図4に示すように、陽極電極板19
を貫通しためっき液を集合部から流出孔12を通してめ
っき槽11の外部に流出させることも可能である。陽極
電極板19は被めっき基板21のめっき面と略同じ程度
の大きさがあれば、被めっき基板21に対向した平面と
するが、陽極電極板19が被めっき基板21のめっき面
に比べて大幅に小さく、且つ被めっき基板21のめっき
面と陽極電極板19の間隔が小さい場合には、図3に示
すように球面状とすることがよい。
【0022】被めっき基板21が半導体ウエハである場
合において、被めっき基板21を保持する基板保持具2
2について図5及び図6に基づいて説明する。半導体ウ
エハの表面に銅を電解めっきする場合、銅は上記のよう
にシリコン中へ拡散しやすいため、半導体ウエハのめっ
き面にバリヤ層として、Ti、Ta、TiN、TaN等
の金属又はその化合物を成膜し、該バリヤ層又はその上
に薄く成膜された銅層を陰極として電解めっきを行う。
【0023】被めっき基板21のめっき面に給電するた
めのカソード電極ピン29はめっき液Q1に触れると該
カソード電極ピン29にもめっき金属が析出し、被めっ
き基板21を基板保持具22から取り出す際カソード電
極ピン29の近傍のめっき膜を破壊する危険性が高い。
そのため図5に示すように、被めっき基板21を基板保
持具22に保持させ、被めっき基板21の表面外周部に
めっき液Q1が浸入しないようにシール部材23でシー
ルし、カソード電極ピン29を基板保持具22と被めっ
き基板21とシール部材23で形成されためっき液Q1
に触れない空間において、被めっき基板21の表面に接
触させている。
【0024】基板保持具22は、内部に被めっき基板2
1を収容できる基板保持ケース24を具備している。該
基板保持ケース24は被めっき基板の径よりやや大きい
径の円筒状で、その下端面は被めっき基板21より若干
小さい径の開口が形成され、上端面は閉じられた構造で
ある。そして該基板保持ケース24の上面の中央に回転
軸25が取り付けられ、側面には被めっき基板21を出
し入れするためのスリット状の基板出入開口26が形成
されている。また、基板保持ケース24は絶縁材からな
り、その内部には被めっき基板21の径と略同じ径の円
板状の基板押え板27を具備している。
【0025】基板押え板27は絶縁材からなり、その上
面の中央には該基板押え板27を上下動させる上下動軸
28が取り付けられている。該上下動軸28は基板保持
ケース24の上面に取り付けた回転軸25の中央部を貫
通して上方に伸びている。基板保持ケース24の下面の
開口の周囲には、リング状のシール部材23が設けら
れ、該シール部材23は被めっき基板21の表面(下
面)に密着することにより、めっき液が基板保持ケース
24内に浸入し、被めっき基板21の裏面及び外周面に
めっき液が触れないようにしている。このシール部材2
3の外側で且つ基板保持ケース24の下面内側に複数又
はリング状のカソード電極ピン29が設けられ、該カソ
ード電極ピン29が被めっき基板21の表面外周部に当
接するようになっている。
【0026】被めっき基板21のめっき面の電位を均一
にするためには、カソード電極ピン29は被めっき基板
21の表面外周の全域に接触するようにピンを密に並べ
た形状又は被めっき基板21と線接触するようにリング
状板で構成し、内周部を被めっき基板21側に折り曲げ
弾性を持たせた構造とすることが好ましい。被めっき基
板21をそのめっき面を下にして、裏面をロボットハン
ド30で吸着保持して、基板保持ケース24のスリット
状の基板出入開口26を通して内部に移動された被めっ
き基板は上記シール部材23及びカソード電極ピン29
に当接する。
【0027】基板保持具22は回転軸25に支持され、
上下駆動機構(図示せず)により上部位置と下部位置の
間を上下動するようになっている。そして上部位置では
基板保持ケース24と内部に保持された被めっき基板2
1がめっき液に触れない位置まで上昇しており、この位
置でめっき済の被めっき基板21を取り出し、未処理の
被めっき基板21を基板保持ケース24の内部に搭載す
るようになっている。また、基板保持具22が下部位置
にある時は、被めっき基板21のめっき面はめっき液内
に浸漬される。
【0028】被めっき基板の取り出しは、基板保持具2
2をめっき液に触れない上記上部位置まで上昇させ、図
6に示すように、基板押え板27を上昇させた後、基板
保持ケース24の基板出入開口26からロボットハンド
30を挿入し、被めっき基板21の裏面を真空吸着して
持ち上げ、被めっき基板21を基板出入開口26のスリ
ット状部分26aを通過させて取り出す。この為、基板
出入開口26の中央部26bはロボットハンド30が通
過するように大きく開口している。
【0029】被めっき基板21を基板保持ケース24内
に挿入させ、保持させるには上記被めっき基板21の取
り出しと逆の動作で行う。この場合、基板保持ケース2
4内で被めっき基板21が所定の位置に配置されるよう
に、基板保持ケース24の下部内径は被めっき基板21
の外径と略同じで若干大きくしている。
【0030】めっき槽11の下方からめっき液を噴流さ
せながらめっきを行う噴流めっきでは、被めっき基板2
1のめっき面を下にして、被めっき基板21はめっき槽
11の上端より上に位置し、噴流によって盛り上がった
めっき液面にめっき面を接触させる方法が一般的であ
る。しかし、本発明の実施の形態例ではシール部材23
によって被めっき基板21のめっき面以外をめっき液Q
1に接触させない基板保持具22を用いているため、基
板保持具22と該基板保持具22に保持させた被めっき
基板21をめっき液Q1に浸漬させてめっきを行うこと
ができる。
【0031】これにより被めっき基板21のめっき面と
陽極電極板19との距離を自由に調整することができ
る。また、被めっき基板21を基板保持具22に保持さ
せたままめっき槽11の外部に移動し、被めっき基板2
1及び基板保持具22を水洗浄することも可能である。
【0032】めっき槽11内部のめっき液Q1の流れや
陽極電極板19と被めっき基板21のめっき面との間の
電界などは円周方向に必ずしも一様にならないため、め
っきの均一性を向上させるため、被めっき基板21をめ
っき槽11内で回転させることが有効である。このた
め、基板保持具22の基板保持ケース24に取り付けた
回転軸25を回転させる回転駆動機構(図示せず)を設
ける。この回転は、めっき時だけでなく、被めっき基板
21を基板保持具22に装着後、めっき液Q1に接触さ
せる際の気泡除去、電解めっき終了後に基板保持具22
及び被めっき基板21をめっき液面上に上昇させた後、
回転させることによりめっき液切りにも有効である。
【0033】回転に限らず、被めっき基板21のめっき
面とめっき液Q1の相対速度を増加する目的は、被めっ
き基板21のめっき面近傍の濃度拡散層を薄くすること
であり、薄くすることによりイオン供給量によりめっき
速度が制限されるいうことが防止され、全面均一なめっ
き被膜が形成され、更に電流密度が大きく高速めっきが
可能になる。
【0034】図2に示す構成のめっき装置では、被めっ
き基板21を回転させる為、基板保持具22の上方に延
びた回転軸25の上部をモータ等の回転駆動機構に連結
し、被めっき基板21を水平面内で回転できるようにし
ている。めっき中の回転は10〜300rpmの低速回
転であるが、めっき終了後基板保持具22及び被めっき
基板21がめっき液Q1に接触しない位置まで上昇させ
てめっき液切りを行うには500rpm以上の回転(望
ましくは1000rpm以上の回転)が必要になる。こ
のため、回転駆動機構にはこれに合った制御機構が必要
である。
【0035】また、図2に示す構成のめっき装置では、
上記回転以外に、基板保持具22の昇降のための保持具
上下駆動機構、基板押え板27の昇降のための押え板上
下駆動機構(いずれも図示せず)を設けた。押え板上下
駆動機構は下方向にはバネ力、上方向にはエアによって
駆動するエアシリンダで、回転駆動機構によって支えら
れた枠内に収容され、エア配管はモータ中央を貫通して
モータ上部でロータリージョイントにより外部に接続さ
れる。モータ及び押え板駆動機構は保持具上下駆動機構
によって支えられた枠内に収容され、保持具上下駆動機
構によって昇降される。
【0036】被めっき基板21を基板保持具22に装着
後、めっき槽11内のめっき液噴出管13からのめっき
液Q1の噴射を開始し、基板保持具22を50〜300
rpmで回転させながら、中央の盛り上がっためっき液
面に被めっき基板21が接触するまで基板保持具22を
降下させ、めっき液面中央が被めっき基板21に接触し
た状態から更にゆっくり基板保持具22を降下させる。
こうすることにより、被めっき基板21の下面にめっき
液Q1が充填され、被めっき基板21と基板保持具22
の基板保持ケース24の下部との空間から空気が排出さ
れる。
【0037】この空気の排出を効率よく行うため、図7
に示すように、基板保持ケース24の下部で被めっき基
板21を押えている外周部の被めっき基板21の下面よ
り下に位置する部分の内側から外側に貫通する通気孔3
1を複数設けている。これにより、被めっき基板をめっ
き槽11に入れた時、基板保持具22の基板保持ケース
24の下端外周部と被めっき基板21によって形成され
た凹部にできる空気溜りの高さが、被めっき基板21の
下面から通気孔31の開口上端までの高さに低減され、
基板保持具22がめっきを行う所定の位置に設置された
後であっても、基板保持具22の回転によって被めっき
基板21と基板保持ケース24の下部とによって形成さ
れた空間から空気を容易に排出することができる。
【0038】図8は被めっき基板21と基板保持ケース
24の下部との空間から空気を排出する上記通気孔31
の他の配置例を示す図である。図示するように、通気孔
31は基板保持ケース24の被めっき基板21の下面よ
り下に位置する部分の内側から被めっき基板21より上
に位置する部分の外側に貫通している。この通気孔31
が外側に開口する位置は、めっきを行う時のめっき槽1
1内のめっき液面より上の位置となるようにする。この
ように、通気孔31がめっき液面より上の基板保持ケー
ス24の外側で開口することにより、被めっき基板21
と基板保持ケース24の下部とによって形成された空間
から空気を容易に排出することができる。なお、上記通
気孔31の開口はめっき液面より上であれば、基板保持
ケース24の上面又は内面に開口してもよい。
【0039】図9は被めっき基板21と基板保持ケース
24の下部との空間から空気を排出する上記通気孔31
の他の配置例を示す図である。図示するように、通気孔
31は基板保持ケース24の被めっき基板21の下面よ
り下に位置する部分の内側から下面の外周部に貫通して
いる。通気孔31を上記のように配置することにより、
図10に示す構成のめっき装置のように、基板保持具2
2の外周部の直下に、被めっき基板21のめっき面より
大きな仕切板32が設けられた場合は、基板保持具22
の外周部の下側でめっき液Q1の流速が上昇し、静圧が
低下するから、この静圧の低下を利用して、被めっき基
板21の下面に捕えられた空気を外部に排出させること
ができる。
【0040】めっきを行う際は、めっき電源33から配
線34、カソード電極ピン29を通して、陽極電極板1
9と被めっき基板21の間に所定の電圧を印加して行
う。
【0041】なお、上記本発明の実施の形態例では、被
めっき基板21に半導体ウエハを用いる例を説明した
が、本発明のめっき装置でめっきの対象とする被めっき
基板21は半導体ウエハに限定されるものではなく、表
面に微細な溝や穴等が形成された基板の該溝や穴等を埋
める金属めっきを施すのに広く利用できることは当然で
あり、表面に微細な溝や穴等が形成されていない基板の
表面めっきにも利用できる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、各請求項に記載の
発明によれば、被めっき基板のめっき面以外にめっき液
が触れないように、シール部材でシールし、下方からめ
っき面に達するめっき液噴流を生成しながらめっきを行
うめっき装置において、基板保持具の下端部に被めっき
基板のめっき面に残留する気泡を基板保持具の外側に逃
がす通気孔を設けたので、カソードピンにめっき膜が形
成されることなく、被めっき基板の裏面や側面の金属汚
染がなく、めっき面に気泡が残らないことにより、めっ
き膜の均一性に優れ、シミの無い、高品質のめっきがで
きるめっき装置を提供できるという優れた効果が得られ
る。
【0043】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
に記載のめっき装置において、通気孔は基板保持具の被
めっき基板のめっき面より下に位置する部分の内周面か
らめっき槽内のめっき液より上に位置する部分の外周面
又は内周面に貫通する孔とするので、上記効果に加え被
めっき基板のめっき面に残留する気泡は該通気孔を通っ
て抜けやすくなる。
【0044】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
に記載のめっき装置において、通気孔は基板保持具の被
めっき基板のめっき面より下に位置する部分の内周面か
ら下面の外周部に貫通する孔とするので、上記効果に加
え基板保持具の下側の流速が大きく静圧が低い時、基板
保持具の下面外周部の内側との静圧差により被めっき基
板のめっき面に残留する気泡は該通気孔を通って抜け
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のフェースダウン方式の噴流めっき装置の
構成を示す図である。
【図2】本発明に係るめっき装置の構成例を示す図であ
る。
【図3】本発明に係るめっき装置の構成例を示す図であ
る。
【図4】本発明に係るめっき装置の構成例を示す図であ
る。
【図5】本発明に係るめっき装置の基板保持具の構成を
示す図である。
【図6】本発明に係るめっき装置の基板保持具の動作を
説明するための図である。
【図7】本発明に係るめっき装置の基板保持具下部の通
気孔の配置例を示す図である。
【図8】本発明に係るめっき装置の基板保持具下部の通
気孔の配置例を示す図である。
【図9】本発明に係るめっき装置の基板保持具下部の通
気孔の配置例を示す図である。
【図10】本発明に係るめっき装置の構成例を示す図で
ある。
【符号の説明】
10 めっき装置 11 めっき槽 12 流出孔 13 めっき液噴出管 14 めっき液貯留槽 15 ポンプ 16 フィルタ 17 めっき液受樋 18 フィルタ又はセパレータ 19 陽極電極板 20 流量調整バルブ 21 被めっき基板 22 基板保持具 23 シール部材 24 基板保持ケース 25 回転軸 26 基板出入開口 27 基板押え板 28 上下動軸 29 カソード電極ピン 30 ロボットハンド 31 通気孔 32 仕切板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千代 敏 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 富岡 賢哉 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 津田 勝巳 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 粂川 正行 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 4K024 AA09 AB01 BA11 BB12 CA15 CB02 CB04 CB06 CB13 CB26 GA16 4M104 BB04 BB14 BB17 BB30 BB32 DD52 FF17 FF18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被めっき基板のめっきを施すめっき面外
    周に当接するリング状のシール部材を有し、該被めっき
    基板のめっき面を露出させ、且つ該めっき面を下に向け
    て保持する基板保持具を具備し、 めっき液の充満しためっき槽内で前記基板保持具に保持
    された被めっき基板の下方から該被めっき基板のめっき
    面に達するめっき液噴流を生成しながらめっきを行うめ
    っき装置において、 前記基板保持具の下端部に被めっき基板のめっき面に残
    留する気泡を該基板保持具の外側に逃がす通気孔を設け
    たことを特徴とするめっき装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のめっき装置において、 前記通気孔は前記基板保持具の被めっき基板のめっき面
    より下に位置する部分の内周面から外周面に貫通する孔
    であることを特徴とするめっき装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のめっき装置において、 前記通気孔は前記基板保持具の被めっき基板のめっき面
    より下に位置する部分の内周面から前記めっき槽内のめ
    っき液より上に位置する部分の外周面又は内周面に貫通
    する孔であることを特徴とするめっき装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のめっき装置において、 前記通気孔は前記基板保持具の被めっき基板のめっき面
    より下に位置する部分の内周面から下面の外周部に貫通
    する孔であることを特徴とするめっき装置。
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