JP2001019891A - カーボンペースト - Google Patents
カーボンペーストInfo
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Abstract
られる高導電性の印刷皮膜を形成するために用いられる
カーボンペーストに関し、皮膜表面の平滑性がよくて高
導電性の印刷皮膜を形成できるものを提供する。 【解決手段】 導電粒子径の小さい所定の高温で熱処理
された高導電性のカーボンブラックと熱処理されていな
いカーボンブラックとを重量比50:50〜80:20
で配合した導電粉を所定の樹脂中に混練分散させてカー
ボンペーストを達成したため、これにより形成された印
刷皮膜は、シート抵抗が低くて表面平滑性の優れたもの
にできる。
Description
抗皮膜またはエンコーダ、配線回路の導電皮膜等の高導
電性の印刷皮膜を形成するために用いられるカーボンペ
ーストに関するものである。
化が進むにつれて、可変抵抗器およびエンコーダ等の電
子部品においても高性能で安価なものが要望されるよう
になっており、安価に製作できるカーボンペーストを用
いて形成される印刷皮膜についてもその特性向上を要求
されるようになっている。
コール系、エーテル系等の所定の有機溶剤で溶解したフ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、また
はポリイミド樹脂等の合成樹脂バインダに、鱗片状グラ
ファイトとカーボンブラックとの混合導電粉を混練分散
しているものが一般的であった。
ァイトは、カーボンブラックよりも導電粒子径が大きい
ものであり、通常は、導電粉の粒子間に発生する接触抵
抗成分を少なくするように、上記導電粒子径の大きい鱗
片状グラファイトを配合し導電粉どうしの接触ポイント
数を少なくすることによって、導電性が高い、つまり低
抵抗の印刷皮膜を形成できるカーボンペーストを得るよ
うにするものであった。
て紙フェノール積層板、ガラスエポキシ積層板、セラミ
ック基板、樹脂フィルムまたは樹脂成形体等の基板上
に、スクリーン印刷等の厚膜形成法で所定パターンに印
刷し、これを加熱・硬化させることによって所望の導電
性の高い印刷皮膜を形成するものであった。
のカーボンペーストにより得られる導電性の高い印刷皮
膜は、導電粉として配合された導電粒子径の大きい鱗片
状グラファイトがその表面にも分散されて存在している
ために、表面平滑性に劣るものとなり、その表面上に可
動接点を弾接摺動させると、印刷皮膜の表面の凹凸によ
って可動接点と印刷皮膜との接触状態が不安定となりノ
イズが発生することがあるという課題があった。
る鱗片状グラファイトの導電粒子径を小さくするか、ま
たは一般的に導電粒子径の小さいカーボンブラックを多
く配合する等の方法を用いると、印刷皮膜の表面平滑性
は改善できるが導電性が悪くなってしまい、この構成に
おいては導電性が良い。つまり低抵抗の印刷皮膜を形成
することができるカーボンペーストを得ることは難しか
った。
ンブラック便覧<第三版>(平成7年4月15日発行)に
は、所定の高温でカーボンブラックを熱処理することに
よりカーボンブラック自身の導電性を向上させることが
できる旨は記載されているが、その活用方法については
これからの研究課題となっていた。
であり、所定の高温で熱処理されたカーボンブラックを
用い、皮膜表面の平滑性がよくて高導電性の印刷皮膜を
形成できるカーボンペーストを提供することを目的とす
るものである。
に本発明のカーボンペーストは、所定の高温で熱処理さ
れたカーボンブラックと熱処理されていないカーボンブ
ラックとを重量比50:50〜80:20で配合した導
電粉を所定の樹脂中に混練分散させるようにするもので
ある。
粉として導電粒子径が小さいカーボンブラックのみを用
いたものとすることができ、しかもその中に高導電性の
ものを所定量で配合したものであるために、皮膜表面の
平滑性がよくて高導電性の印刷皮膜を形成できるカーボ
ンペーストを得ることができる。
は、所定の高温で熱処理されたカーボンブラックと熱処
理されていないカーボンブラックとの重量比が50:5
0〜80:20で配合された導電粉を、樹脂中に混練分
散したカーボンペーストとしたものであり、導電粉とし
て導電粒子径が小さい二種類のカーボンブラックのみを
用い、しかもその中の一種類が高導電性のものであるた
めに、導電粒子径の大きい鱗片状グラファイトが配合さ
れた従来のカーボンペーストで得られる印刷皮膜と同等
以上の高い導電性を有すると共に、かつ表面平滑性に優
れた印刷皮膜を形成することができるカーボンペースト
を得ることができ、その印刷皮膜の表面上を可動接点で
弾接摺動させる場合において、ノイズ発生を容易に低減
させることができるという作用を有する。
発明において、カーボンブラックの導電粒子径が100
nm以下であるものであり、カーボンブラックの導電粒
子径を小さいものに特定しているために、このカーボン
ペーストにより形成された印刷皮膜は、さらに表面平滑
性に優れたものにでき、その印刷皮膜の表面上を可動接
点で弾接摺動させる場合において、ノイズ発生をさらに
容易に低減させることができるものを得られるという作
用を有する。
ボンペーストについて説明する。
トを得るために、合成樹脂バインダとして所定の有機溶
剤で溶解したフェノール樹脂を用い、これに導電粉とし
て所定の高温で熱処理されたカーボンブラックと熱処理
されていないカーボンブラックを重量比40:60〜9
0:10で配合したもの、および熱処理されたカーボン
ブラックを単独で配合したものを混練して実施例のカー
ボンペーストを数種類製作した。
ボンブラックの熱処理条件としては、1200℃の高温
で1時間処理されたものを用いている。
ペーストを、紙フェノール積層板の上面の両側部に形成
された電極間にスクリーン印刷して、遠赤外併用熱風循
環炉にて200℃で10分間加熱硬化させて印刷皮膜を
形成し、そのシート抵抗及び表面粗度を測定した。
その特性の測定結果を(表1)に示す。
10点平均粗さである。
熱処理されていないカーボンブラックを所定量で配合し
た混合導電粉を用いた従来のカーボンペーストも数種
類、さらに熱処理されていないカーボンブラックのみを
配合したカーボンペーストを製作して、同様に印刷皮膜
を形成し、その特性を調べた結果についても(表1)に
示す。
による比較例1及び2の導電粒子径が10000nmの
鱗片状グラファイトを所定量配合したカーボンペースト
で形成した印刷皮膜では、従来の技術にも説明したよう
に、導電粉どうしの接触ポイント数が少なくなることに
起因して、シート抵抗が25及び22Ω/Sqと低くな
るが、表面粗度は10.9及び11.4μmと粗いもの
となることが判る。
5000nmの鱗片状グラファイトを所定量配合したカ
ーボンペーストで形成した印刷皮膜については、比較例
1及び2に比べて、シート抵抗が35及び30Ω/Sq
と少し高くなると共に、その表面粗度は多少の良化が見
られたが、まだ7.6及び7.8μmという粗いものと
なっているものであった。
ボンブラックを単独で配合しているカーボンペーストで
形成した印刷皮膜では、導電粉として鱗片状グラファイ
トよりも導電粒子径の小さいカーボンブラックのみを混
練しているために、表面粗度が3.8μmと小さなもの
となったが、シート抵抗は116Ω/Sqと高くなると
いう結果が得られた。
通常の導電性のカーボンブラックのみを使用しているた
めに、導電粉どうしの接触ポイント数が増えてその間の
接触抵抗成分が増えたためにシート抵抗が上昇したと考
えられるものである。
配合せず熱処理されたカーボンブラックを単独で配合し
ている実施例1のカーボンペーストによるものの場合に
ついても、表面粗度は4.2μmと小さなものとなった
が、シート抵抗が98Ω/Sqと高くなる結果が得られ
た。
と、カーボンブラックの表面官能基の離脱及び残留重縮
合炭化水素が少なくなることによりカーボンブラック自
身の導電性は向上するが、この官能基の離脱により、こ
のカーボンブラックはフェノール樹脂とのなじみが悪く
なって樹脂中に均一に分散し難くなり、結果として導電
路が十分形成されなかったためであると推測される。
処理されたカーボンブラックと熱処理されていないカー
ボンブラックを重量比50:50及び80:20で配合
してカーボンペーストをそれぞれ製作し、これにより印
刷形成した印刷皮膜の特性を測定した。
Sqと、従来の鱗片状グラファイトと熱処理されていな
いカーボンブラックを配合したカーボンペーストによる
印刷皮膜と同等以上に低くできて、さらに表面粗度につ
いては3.6及び4.1μmという滑らかなものが得ら
れることが判った。
より形成された印刷皮膜のシート抵抗が実施例1による
ものよりも低下した要因は、樹脂となじみのよい熱処理
されていないカーボンブラックが樹脂中に均一に分散
し、それに伴って導電性の高い熱処理されたカーボンブ
ラックも樹脂中に均一に分散するために、複数の導電路
が印刷皮膜内に均一に形成されたためであると推測でき
るものである。
カーボンブラックと熱処理されていないカーボンブラッ
クの導電粒子径を変えて同様に評価したところ、シート
抵抗はその導電粒子径に関係なくほぼ同じ値が得られる
が、導電粒子径を大きくするにつれてその表面粗度は大
きくなり、その導電粒子径が100nmを越えると、鱗
片状グラファイトを配合したものとほぼ同じレベルにま
で劣化していくことが判った。
クと熱処理しないカーボンブラックの配合比率を変えて
実施例6〜8のカーボンペーストを製作して、上記同様
に特性を測定してみた。
ていないカーボンブラックの配合量が60wt%、また
は、実施例7のように熱処理されたカーボンブラックの
配合量が90wt%としたものについては、共にシート
抵抗が上がっていく傾向が得られた。
の中間的な配合比で形成されたカーボンペーストであ
り、この特性は、(表1)にも示すように、シート抵抗
が21Ω/Sq、表面粗度が3.9μmとなり、最も良
好な印刷皮膜が得られるものであることが判った。
ンペーストによって得られた印刷皮膜は、表面粗度はカ
ーボンブラックの導電粒子径に依存し、シート抵抗は熱
処理されたカーボンブラックと熱処理されていないカー
ボンブラックの配合比で決定されることが判り、本発明
の実施例における熱処理されたカーボンブラックと熱処
理されていないカーボンブラックの配合比を変化させた
場合のシート抵抗の変化を図1に示す。
ーボンブラックと熱処理されていないカーボンブラック
の配合において重量比50:50〜80:20の範囲に
おいてシート抵抗を低くでき、その表面粗度についても
3.6〜4.1μmと小さくできる最適な配合比である
という結果が得られた。
した印刷皮膜の表面に可動接点等を弾接させてノイズ発
生を確認すると、この印刷皮膜は上記のごとく表面平滑
性に優れシート抵抗が低いものであるために、ノイズ発
生が少なく高導電性のものにできることが確認できた。
レベルに応じて適宜選択すればよいことは言うまでもな
いが、導電性の高い印刷皮膜を形成する場合は、上記比
率とすることが最適であることは勿論である。
ストは、樹脂中に混練する導電粉として所定の高温で熱
処理されたカーボンブラックと熱処理されていないカー
ボンブラックを所定比率で配合したものを用いているた
めに、表面平滑性がよくて、シート抵抗の低い高導電性
の印刷皮膜を印刷形成することができ、この印刷皮膜に
おいては、可動接点等をその表面に弾接摺動させた場合
に、ノイズの発生を低減させることも可能となるという
効果も奏するものである。
ストを用いて形成された印刷皮膜のシート抵抗の特性図
Claims (2)
- 【請求項1】 所定の高温で熱処理されたカーボンブラ
ックと熱処理されていないカーボンブラックとの重量比
が50:50〜80:20で配合された導電粉を、樹脂
中に混練分散したカーボンペースト。 - 【請求項2】 カーボンブラックの導電粒子径が100
nm以下である請求項1記載のカーボンペースト。
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Cited By (1)
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- 1999-07-07 JP JP19277099A patent/JP3972523B2/ja not_active Expired - Fee Related
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