JP2001018551A - 感熱孔版原紙及びその製造方法 - Google Patents

感熱孔版原紙及びその製造方法

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JP2001018551A
JP2001018551A JP19272299A JP19272299A JP2001018551A JP 2001018551 A JP2001018551 A JP 2001018551A JP 19272299 A JP19272299 A JP 19272299A JP 19272299 A JP19272299 A JP 19272299A JP 2001018551 A JP2001018551 A JP 2001018551A
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heat
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thermoplastic film
porous support
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Kengo Sugaya
健五 菅谷
Nobuhiro Katsuno
宣広 勝野
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Riso Kagaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感熱孔版原紙のフィルム面の平滑性を高くす
ることにより、サーマルヘッドとの密着性が良く、高画
質が得られる感熱孔版原紙を提供する。 【構成】 熱可塑性フィルムと多孔性支持体とを接着剤
で積層してなる感熱孔版原紙において、フィルム面の平
滑性を示す光沢度が30%以上で、接着面積率が0.1〜5%
の範囲であることを特徴とする感熱孔版原紙。該原紙
(16)は、多孔性支持体(15)を0.1〜5kgfの搬送
張力下に直径0.1〜1.5m、温度15〜90℃の鏡面ロール
(1)上に密着させて搬送するとともに、片方の面に0.
05〜1.0g/m2の光硬化性接着剤(6)が塗布された厚さ
2μ以下の熱可塑性フィルム(14)を一定の搬送張力
下に搬送し、鏡面ロール上にて両者を接着剤を介して密
着させて一体に移動させるとともに光照射によって接着
剤を硬化させて得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱孔版原紙及び
その製造方法に関するものである。さらに詳しくは、本
発明は、表面が平滑で、画像性に優れた高感度感熱孔版
原紙、及び、生産性、品質の安定性に優れたその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】赤外線、サーマルヘッド等の手段を用い
て原紙を穿孔製版し、これらを印刷用の版として使用す
る印刷方式は、孔版印刷として知られ、簡便な印刷方式
として広く普及している。これらの中でも、サーマルヘ
ッドを使用した穿孔方式は、デジタル製版と呼ばれ、地
汚れの発生が少ないこと、文字や図形のデジタル処理が
可能なこと、簡便なことなどの理由により、現在では穿
孔方式の主流となっている。また近年、小さな文字から
写真のハーフトーンにまで対応した解像度の高い、高品
質印刷への要求が高まり、製版装置においてはサーマル
ヘッドの微小化、高精細化等の対応がなされている。さ
らに、製版装置においては、微細化、高精細化されたサ
ーマルヘッドの長寿命化をはかるため、低エネルギー製
版化が進められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】感熱孔版原紙も、この
低エネルギー化製版に対応しながら、さらに前記したサ
ーマルヘッドの微小化、高精細化に対応した高感度化の
検討がなされている。熱可塑性フィルムと多孔性支持体
を積層した構成を持つ感熱孔版原紙を高感度化する方法
としては、厚さが薄く(例えば2μ以下)、しかも融点
が低く、熱収縮率の高い高感度熱可塑性フィルムを使用
することが考えられる。このような高感度熱可塑性フィ
ルムを備えた感熱孔版原紙は、高精細なサーマルヘッド
や低エネルギーのサーマルヘッドを用いて容易に穿孔さ
れる。しかしながら、これらの高感度熱可塑性フィルム
は、多孔性支持体の表面にラミネートされると、該支持
体の凹凸に沿ってフィルム面に凹凸が発生し、製版時に
サーマルヘッドとの密着性が悪くなり、密着不良のため
に穿孔さなかった部分は、印刷画像に白斑点となって現
れ、所謂「白抜け」を生じさせる欠点があった。
【0004】従来一般的に行われているラミネート方法
は、図3に示されるように、フィルムロール3から引き
出された熱可塑性フィルム14にテンションコントロー
ルロール5によって一定の張力を与えながら搬送する一
方で、多孔性支持体ロール4から多孔性支持体15を引
き出し、上記と同様にテンションコントロールロール5
´で一定の張力を与えながら搬送する。そして、熱可塑
性フィルム14の片面に接着剤6をコーティングロール
8により塗布後、ニップロール11で熱可塑性フィルム
14と多孔性支持体15を加圧圧着し、その後、テンシ
ョンコントロールロール5″によって張力を与えながら
原紙巻き取りロール7によって巻き取られるまでの搬送
経路中で加熱乾燥手段または光照射手段2によって接着
剤4を硬化させて感熱孔版原紙を得ていた。したがっ
て、ニップロール11による加圧圧着時に、接着面積が
増加するとともに、多孔性支持体の凹凸が熱可塑性フィ
ルムに転写されてフィルムの平滑性が損なわれてしまう
という問題があった。また、加圧圧着後は、フィルム1
4と支持体15とが全く拘束されないフリーな状態で、
加熱手段または光照射手段2を備えた炉内を通過させら
れるため、炉内の熱の影響で接着剤の粘性が低下して接
着点が剥がれ、所謂デラミ現象が発生するという問題も
あった。
【0005】これらの問題を解決するために種々の方法
が提案されている。感熱孔版原紙の表面平滑性を高める
ために、例えば、特公平3−52354号公報は、図4に示さ
れるように、フィルムロール3から引き出された熱可塑
性フィルム14にコーティングロール8で接着剤6を塗
布した後、接着剤6が塗布された面を外方に向けた状態
で該フィルム14を鏡面ロール1に密着させて搬送する
一方で、支持体ロール4から引き出された多孔性支持体
15を鏡面ロール1上にてフィルム14に密着させると
ともに、熱風乾燥機12で接着剤6を乾燥させてラミネ
ートした後、冷却ロール13によって冷却して原紙巻き
取りロール7に巻き取る方法が提案されている。
【0006】この方法では平滑性の高い感熱孔版原紙を
製造することができるが、接着剤6として溶剤型接着
剤、特に有機溶剤溶解型の接着剤を用い、加熱乾燥によ
って硬化させているために、以下に述べる種々の問題点
がある。すなわち、接着剤の塗布量が1.0g/m2よりも多
くなると、フィルム面に接着剤の液溜まりを生じること
があり、製版時、液溜まりの箇所で穿孔不良が発生す
る。また、接着剤を乾燥・硬化させるために90℃よりも
高温、場合によって120℃以上の高温で加熱する必要が
あり、フィルム14が高感度熱可塑性フィルムである場
合は、容易にアニーリングされて、長期間感熱孔版原紙
をロール巻にして保存した場合、平滑度が悪化したり、
ひどい場合にはラミネート直後にフィルムの収縮によっ
て平滑性が大きく損なわれるという問題も生じる。さら
に、有機溶剤型接着剤を用いた場合、有機溶剤の揮散に
よって作業環境が悪化したり、生産ラインの休止中に接
着剤の有機溶剤が揮散して粘度変化を起こしやすい等、
作業環境、生産環境、生産性の面でも問題もあった。
【0007】また、感熱孔版原紙の表面平滑性を高める
ために、特開平7−61159号公報は、図5に示されるよう
に、支持体ロール4から引き出された多孔性支持体15
の片面にコーティングロール8で接着剤6を塗布し、該
支持体15の接着剤塗布面をフィルムロール3の熱可塑
性フィルム面に直接圧着して積層し、該積層体を原紙巻
き取りロール7に巻き取るまでの搬送経路中で熱風乾燥
機12で接着剤6を乾燥硬化させる方法を提案してい
る。しかしながら、この方法は、図3の方法と同様に、
圧着後の接着剤の乾燥硬化工程では、積層されたフィル
ムと支持体とを拘束する力がないフリーな状態で搬送さ
れるため、デラミ現象を発生しやすいという問題点があ
る。また、多孔性支持体と熱可塑性フィルムとの圧着力
が弱く、圧着距離又は時間も短いので、わずかな点でし
か接着せず、接着面積率が少なくなり、その結果、熱可
塑性フィルムと多孔性支持体が剥がれやすく、特に、多
数枚印刷時、多孔性支持体の伸びにより熱可塑性フィル
ムと多孔性支持体が剥れ易く、耐刷性にも問題がある。
【0008】一方、特開平10−193826号公報は、感熱孔
版原紙のフィルム表面の光沢度が30%以上であり、穿
孔性、すなわち画像性に優れた感熱孔版原紙を開示して
いる。しかしながら、この原紙は、多孔性支持体と熱可
塑性フィルムとを熱接着した後、共延伸して製造するこ
とを要旨とするものであり、熱可塑性フィルムと多孔性
支持体とを接着剤で積層してなる感熱孔版原紙について
は取り扱っていない。
【0009】以上のように、製版の高速化やサーマルヘ
ッドの高精細化に伴い、より高感度の熱可塑性フィルム
を感熱孔版原紙に用いることが必要とされる一方で、従
来の製造方法では、多孔性支持体の凹凸に影響されてフ
ィルムの平滑性が低下し、穿孔不良による白抜けが発生
して画像性が低下させたり、接着剤の塗布量を少なくす
ればデラミ現象が発生し、高感度の熱可塑性フィルムを
用いた孔版原紙の製造方法としては適していないことが
わかった。
【0010】本発明は、これらの問題点を解決し、フィ
ルム表面の光沢度が高く、サーマルヘッドとの密着性が
良く、高画質が得られ、品質の安定性、生産性に優れ
た、感熱孔版原紙及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
の下に種々検討した結果、熱可塑性フィルムと多孔性支
持体とを接着剤で積層してなる感熱孔版原紙において、
フィルム面の平滑性を示す光沢度が30%以上で、接着面
積率が0.1〜5%の範囲である感熱孔版原紙を提供するこ
とに成功し、これによって上記問題点を解消できること
を見出し、本発明を完成した。
【0012】本発明の感熱孔版原紙は、例えば、多孔性
支持体を一定の搬送張力下に鏡面ロール上に密着させて
搬送するとともに、片方の面に一定量の光硬化性接着剤
が塗布された熱可塑性フィルムを一定の搬送張力下に搬
送し、前記鏡面ロール上に密着された前記多孔性支持体
の外面に前記熱可塑性フィルムを前記接着剤を介して密
着させて一体に移動させ、該鏡面ロール上にて前記接着
剤を光照射によって硬化させることを特徴とする感熱孔
版原紙の製造方法によって製造することができる。
【0013】この製造方法では、片方の面に光硬化性樹
脂からなる接着剤を一定量塗布した熱可塑性フィルム
を、あらかじめ鏡面ロール上に密着保持された多孔性支
持体上に密着させて一体で移動せしめ、その間に鏡面ロ
ール上で光照射するので、鏡面ロール上で熱可塑性フィ
ルムと多孔性支持体の平滑面が保持されている間に貼り
合わせと同時に硬化を完了させることができる。かくし
て、平滑性の高い感熱孔版原紙を製造することが可能と
なり、接着面積率が0.1〜5%で光沢度が30%以上の感熱
孔版原紙を製造できる。接着面積率が0.1%よりも小さ
いと、フィルムと支持体との接着力が十分でなくなり、
多枚数印刷したときに熱可塑性フィルムが剥がれてしま
い、所謂デラミ現象が発生しやすくなり、耐刷性に問題
を生じる。接着面積率が5%を越えると、多孔性支持体
の繊維間に接着剤の液溜まりが生じ、印刷物の白抜けの
原因となり、また、多孔性支持体繊維表面の凹凸が熱可
塑性フィルムに転写される割合が多くなり光沢度を低下
させる。本発明の製造方法では、一般に、接着剤の塗布
量を0.05〜1.0g/m2とし、熱可塑性フィルムと多孔性支
持体の搬送張力を0.1〜5kgfにコントロールすることが
望ましく、かかる条件において本発明の感熱孔版原紙を
最も良好に製造することができる。
【0014】以下、本発明の製造方法について、図1を
参照しつつ詳しく説明する。フィルムロール3から引き
出された熱可塑性フィルム14を、テンションコントロ
ールロール5を介して一定の張力下で搬送し、コーティ
ングロール8に送り、片方の面に一定量の接着剤6を塗
布する。一方、支持体ロール4から引き出された多孔性
支持体15を同じくテンションコントロールロール5′
を介して一定の張力下で搬送し、鏡面ロール1の外周面
上に密着するように移動させる。この鏡面ロール1上に
配置した多孔性支持体15の外面、すなわち、鏡面ロー
ル1と反対側の面に、前記接着剤6を塗布した面を向け
て熱可塑性フィルム14を密着させるように重ね合わ
せ、多孔性支持体15とフィルム14の張力に起因する
弱い力のみで圧着させながら、両者を同じ周速で移動さ
せる。この時、鏡面ロール1の直上から光照射装置2で
光を照射し、熱可塑性フィルム14と多孔性支持体15
とが鏡面ロール1の表面上で上記張力下に平滑性が維持
されたされた状態で移動する間に接着剤を硬化させる。
かくして、接着面積率がコントロールされ、平滑性に優
れた感熱孔版原紙を高速で生産することができる。かく
して積層された感熱孔版原紙16は、巻き取り張力を調
整するためのテンションコントロールロール5″を介し
て原紙巻き取りロール7に巻取られる。
【0015】図2は、図1の製造方法の変形例を示し、
同様の符号で示された要素は図1と同様の要素を表わ
す。図2の製造方法は、鏡面ロール1に加え、その搬送
方向下流側で隣り合わせに配置された別の鏡面ロール
1′を備えている点で、図1の製造方法と相違する。図
2の製造方法では、図1と同様に鏡面ロール1で積層さ
れた感熱孔版原紙を、更に鏡面ロール1と逆方向に回転
している鏡面ロール1′に熱可塑性フィルム14側を密
着させるとともに、多孔性支持体15の側から光照射装
置2′によって光を照射して、接着剤6の硬化を促進さ
せている。かくして、図2の製造方法では、原紙の両面
からエネルギーチャージを行うことにより接着剤の硬化
を行うので、生産速度を速めること容易である。なお、
同様にして、更に追加の鏡面ロールを設けて生産速度を
速めることも可能である。
【0016】本発明に用いる鏡面ロールは、直径が0.1m
〜1.5mの範囲で、表面がクロムメッキ、ニッケルメッキ
などの通常の手法で鏡面仕上げされたものが好ましい。
さらに好ましくは、直径は0.1m〜1.0mの範囲が良い。
鏡面ロールの直径が0.1mよりも小さいと、接着剤の硬化
時間が十分にとれないので、実用上許容できる生産速度
で生産することが困難となるばかりでなく、感熱孔版原
紙に鏡面ロールの曲率が転写されてカールの大きな製品
になる。一方、鏡面ロールの直径が1.5mを越えると、生
産性には問題ないが、設備が大型化したり、コストが高
くなるので実用上好ましくない。また、原紙の製造時、
鏡面ロールは、15〜90℃の範囲で一定温度に保持するこ
とが好ましく、30〜60℃の範囲に保持することがより好
ましい。鏡面ロールの温度が15℃よりも低いと、接着剤
の硬化速度が低下して実用上許容できる生産速度を確保
することが難しくなる。一方、鏡面ロールの温度が90℃
よりも高いと、熱可塑性フィルムにアニーリング現象を
生じさせて感熱性を低下させたり、ひどい場合には熱可
塑性フィルムに収縮などの問題が発生する。鏡面ロール
の温度を一定に保つ方法としては、鏡面ロール内部に水
や油などの温調用媒体を通過させるパイプを通したり、
鏡面ロールの一部に冷風を吹きかけたり、別の冷却ロー
ルを接触させる等の方法が挙げられる。
【0017】本発明において、熱可塑性フィルムは、製
版時の加熱により穿孔及び収縮するものであればよく、
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエステルフ
ィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデン
フィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム等が挙げられ
る。これらの中で、本発明に用いる熱可塑性フィルムと
しては、薄膜化した時の強度に優れる点で、ポリエステ
ルフィルムが望ましい。また、感熱孔版印刷の分野で近
年主流となりつつある低エネルギー製版に対応するた
め、厚さが2μm以下で、80℃における加熱面積収縮率が
1%以上の高感度熱可塑性樹脂フィルムが好ましい。
【0018】本発明において、多孔性支持体は、熱可塑
性フィルムを支持し印刷時にインキを通過させる構造を
持つものであればよく、例えば、木材パルプ、麻、みつ
また、こうぞのような天然繊維、及びレーヨン、ビニロ
ン、ナイロン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファ
イト、アクリロニトリルなどのような化学繊維を、単独
又は混合して湿式又は乾式でシート状にしたものが挙げ
られる。坪量及び厚さについては特に限定されるもので
はないが、インキ消費量、強度及び取扱性の点から、坪
量は5〜20g/m2程度が適当である。
【0019】本発明において、接着剤としては、高速生
産可能であるという点と、硬化時の温度が低く、熱可塑
性フィルムに熱ダメージを与えず、無溶剤且つ1液性で
粘度変化が少ないという点から、光硬化性接着剤が用い
られる。なお、本発明において、光硬化性の用語は広義
に解され、赤外線、可視光線、紫外線、電子線等により
硬化するものを包含する。また、これらの接着剤には、
必要に応じて、帯電防止剤、滑剤、レベリング剤等の各
種添加剤を添加しても良い。
【0020】光硬化性接着剤は、主にモノマー、オリゴ
マー、光重合開始剤からなり、モノマーとオリゴマーと
の使用割合は、モノマーが好ましくは20〜100w/w%、よ
り好ましくは20〜95w/w%、さらに好ましくは50〜95w/w
%であり、オリゴマーが好ましくは0〜80w/w%、より好
ましくは5〜80w/w%、さらに好ましくは5〜50w/w%であ
る。また、さらに必要に応じ高分子ポリマー、添加剤等
も配合することができる。オリゴマー配合比は一般的に
50wt%を越えると接着剤の粘度が高くなりすぎて塗布作
業が困難になる。逆に20wt%以下になると硬化速度が遅
くなったり、接着強度が低下する。
【0021】モノマーとしては、分子中に1個の(メ
タ)アクリロイル基を有する単官能アクリル系モノマー
や、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有す
る多官能アクリル系モノマーを挙げることができる。単
官能アクリル系モノマーとしては、例えば脂肪族環、芳
香族環、複素環などの環構造を有するアクリル系モノマ
ー、水酸基を有する脂肪族系アクリレート等を挙げるこ
とができる。脂肪族環、芳香族環、複素環などの環構造
を有するアクリル系モノマーとしては、例えばトリシク
ロデカン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル
(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレ
ート、アダマンチル(メタ)アクリレート、フェニル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モ
ルホリンアクリレート、フェニルグリシジル(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。また、これらのアルキレン
オキサイド変性物も使用できる。特に、アルキレンオキ
サイドの炭素数が2〜3の変性物が好ましく、例えば、ジ
シクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、
フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。また、水酸基を有する脂肪族系アクリレートとし
ては、例えば炭素数が2〜9の脂肪族基に水酸基の結合し
たアクリレートが好ましく、さらに好ましくは炭素数が
2〜4の脂肪族基に水酸基の結合したアクリレート化合物
である。この脂肪族系アクリレートにはフェノキシ基の
ような置換基が結合していても良い。水酸基を有する脂
肪族系アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0022】これらの単官能アクリル系モノマーのう
ち、粘度、耐湿熱性、接着性を保持するために特に好ま
しいものとしては、例えばフェニルオキシエチル(メ
タ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレ
ート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒド
ロフルフリル(メタ)アクリレート、モルホリンアクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリ
レート等が挙げられる。多官能アクリル系モノマーとし
ては、2官能アクリル系モノマーと3官能以上のアクリル
系モノマーに分類される。2官能アクリル系モノマーと
しては、例えば炭素数が4〜9の脂肪族ジオールのアクリ
レート化合物、アルキレンオキサイド型アクリル系モノ
マー、環構造を有するアクリル系モノマーが挙げられ
る。
【0023】炭素数が4〜9の脂肪族ジオールのアクリレ
ート化合物としては、例えばネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。この脂肪族ジオール
のアクリレート化合物は脂肪族エステルやアルキレンオ
キサイドによって変性されても良い。脂肪族エステル変
性アクリレート化合物としては、例えばネオペンチルグ
リコールヒドロキシピバリン酸ジ(メタ)アクリレー
ト、カプロラクトン変性ネオペンチルグリコールヒドロ
キシピバリン酸ジ(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。また、アルキレンオキサイド変性アクリレート化合
物としては、例えばジエチレンオキサイド変性ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレン
オキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレンオキサイド変性1,6−ヘキサンジ
オール(メタ)アクリレート、ジプロピレンオキサイド
変性1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート等が
あげられる。
【0024】アルキレンオキサイド型アクリル系モノマ
ーとしては、例えばネオペンチルグリコール変性トリメ
チロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。環
構造を有するアクリル系モノマーとしては、例えばトリ
シクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ジ
シクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0025】3官能以上のアクリル系モノマーとして
は、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、炭素数2〜5の脂肪族変性ジペンタエリスリトールペ
ンタ(メタ)アクリレート、炭素数2〜5の脂肪族変性ジ
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カ
プロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチ
ル]イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス
[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、ジ
トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等
が挙げられる。
【0026】これらの多官能アクリル系モノマーのう
ち、粘度、耐湿熱性、接着性を保持するために特に好ま
しいものとしては、2官能アクリル系モノマーでは、例
えばネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート等の炭素
数が4〜9の脂肪族ジオールのアクリレート化合物、ネオ
ペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸ジ(メタ)ア
クリレート、カプロラクトン変性ネオペンチルグリコー
ルヒドロキシピバリン酸ジ(メタ)アクリレート等の脂
肪族エステル変性脂肪族ジオールアクリレートが挙げら
れ、3官能以上のアクリル系モノマーでは、例えばジペ
ンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ
ス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、
カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチ
ル]イソシアヌレートが挙げられる。
【0027】これらのモノマーの使用量は、通常、接着
剤組成物全量に対し、好ましくは5〜90重量%程度であ
る。なお、これらのモノマーは1種又は2種以上を任意の
割合で混合して使用しても構わないが、粘度の関係か
ら、単官能アクリル系モノマーまたは2官能アクリル系
モノマーを使用することが好ましく、3官能以上のアク
リル系モノマーは必要に応じて使用するとよい。上記の
ごとく、接着剤に、より高い接着強度や耐久性(劣化防
止)が要求される場合にはオリゴマーを併用することが
できる。本発明で使用することができるオリゴマーとし
ては、モノマーに溶解するものが好ましく、また分子中
に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するものが好
ましい。このようなオリゴマーとしては、例えばエポキ
シ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリ
レート、ウレタンアクリレートが挙げられる。
【0028】エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキ
シ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応によって得られ
る。エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型
エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビ
スフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹
脂が挙げられる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂とし
ては、例えば油化シェルエポキシ社製エピコート(商品
名、以下同じ)828、エピコート1001、エピコート1004
等があげられ、ビスフェノールF型エポキシ樹脂として
は、例えば油化シェルエポキシ社製エピコート4001P、
エピコート4002P、エピコート4003P等が挙げられる。ま
た、ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば油化シ
ェルエポキシ社製エピコート152、エピコート154等が挙
げられる。
【0029】ポリエステル(メタ)アクリレートはポリ
エステルポリオールと(メタ)アクリル酸との反応によ
って得られる。ポリエステルポリオールは、多価アルコ
ールと多塩基酸との反応によって得られる。多価アルコ
ールとしては、例えばネオペンチルグリコール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサジ
オール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、トリシクロデカンジメチロール、ビス−[ヒドロキ
シメチル]−シクロヘキサン等が挙げられる。多塩基酸
としては、例えばコハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロ無
水フタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン
酸、テトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
【0030】ウレタン(メタ)アクリレートはポリオー
ルと有機ポリイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アク
リレート化合物との三者の反応によって得られるもの
や、ポリオールを使用せずに有機ポリイソシアネートと
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との二者の反応
によって得られるもの挙げられる。ポリオールとしては
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ール等のポリエーテルポリオール、前記多価アルコール
と前記多塩基酸との反応によって得られるポリエステル
ポリオール、前記多価アルコールと前記多塩基酸とε−
カプロラクトンとの反応によって得られるカプロラクト
ンポリオール、及びポリカーボネートポリオール(例え
ば、1,6−ヘキサンジオールとジフェニルカーボネート
との反応によって得られるポリカーボネートポリオール
等)等が挙げられる。有機ポリイソシアネートとして
は、例えば、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キ
シレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−
ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネー
ト等が挙げられる。三者の反応によって得られるもの
や、二者の反応によって得られるものをそれぞれ単独で
使用しても良く、また両者を併用しても良い。これらの
オリゴマーのうち、粘度、耐湿熱性、接着性を保持する
ために特に好ましいものとしては、例えばエポキシ(メ
タ)アクリレートとウレタン(メタ)アクリレートが挙
げられる。これらのオリゴマーは1種で使用しても、2種
以上を任意の割合で混合して使用しても構わない。
【0031】光重合開始剤としては2−ベンジル−2−ジ
メチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタ
ンノン−1、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサント
ン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロ
ピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ビ
ス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメ
チルペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメ
チルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビ
ス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォ
スフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ
−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタンノン−1等
の化合物が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で
用いても2種類以上を混合して用いても良い。さらに、
4−ジエチルアミノエチルベンゾエート、2−ジメチル
アミノエチルベンゾエート、ジメチルアミノアセトフェ
ノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチ
ルアミノ安息香酸イソアミル等のアミン類光重合開始助
剤と混合して用いても良い。光重合開始助剤の使用量
は、通常、接着剤組成物全量に対し、好ましくは0〜15
重量%、さらに好ましくは0〜10重量%程度である。
【0032】鏡面ロール上方に配置され、前記光硬化性
接着剤を硬化させる硬化装置としては、公知の光照射装
置がそのまま使用でき、例えば、加圧もしくは高圧水銀
灯、メタルハイドランプ、キセノンランプ、無電極放電
ランプもしくはカーボンアーク灯や、電子線硬化の場合
にはコックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変
圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、エレクトロカーテン
型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速機
等を用いることができる。
【0033】本発明の感熱孔版原紙、すなわち、熱可塑
性フィルムと多孔性支持体との接着面積率が0.1〜5%で
あって、該フィルム面の平滑性の指標である光沢度が30
%以上である感熱孔版原紙は、平滑な鏡面ロール上で熱
可塑性フィルムと多孔性支持体を密着させて同時に接着
剤を硬化させることは勿論、接着剤の塗布量、熱可塑性
フィルムと多孔性支持体との圧着力(すなわち鏡面ロー
ル径と熱可塑性フィルムと多孔性支持体の張力)、熱可
塑性フィルムと多孔性支持体の搬送速度(接着剤の硬化
速度に等しい)、鏡面ロール温度等を、使用するフィル
ムや支持体の種類に応じて、適宜選択することによって
製造することができる。
【0034】感熱孔版原紙のフィルム面の光沢度を30%
以上にするためには、接着剤の塗布量を0.05〜1.0g/m2
の範囲でコントロールすることが望ましい。塗布量が0.
05g/m 2よりも少ないと、多孔性支持体繊維と熱可塑性フ
ィルムとの接着点に十分な接着剤が存在しなくなってし
まい、結果としてデラミ現象が発生する。逆に塗布量が
1.0g/m2よりも多いと、接着面積率が増加して光沢度が
低下したり、多孔性支持体の繊維間に存在する熱可塑性
フィルム面に接着剤の液溜まりが発生するために、製版
時に熱可塑性フィルムの穿孔不発を引き起こし、印刷時
に白抜け現象が発生する。
【0035】また、接着面積率を適正な範囲に保持し、
デラミ、皺の発生がなく、カールの少ない製品を作るた
めには、熱可塑性フィルムと多孔性支持体との搬送張力
を0.1〜5kgfの範囲にすることが望ましい。0.1kgfより
も低いと、熱可塑性フィルムと多孔性支持体との圧着力
が不十分となり、接着点の数が極端に少なくなったり、
接着しない部分が発生する。逆に、5kgfよりも高いと、
接着面積率が5%を越え易くなり、多孔性支持体繊維表
面の凹凸が熱可塑性フィルムに転写される割合が多くな
り、光沢度が低下し、穿孔不発ができやすくなったり、
カールが大きくなる。
【0036】本発明の光硬化性接着剤は、マルチロール
コーティング法、ブレードコーティング法、グラビアコ
ーティング法、ナイフコーティング法、リバースロール
コーティング法、スプレーコーティング法、オフセット
グラビアコーティング法、キスコーティング法などの手
段で塗工できる。
【0037】本発明の感熱孔版原紙は、上記のような優
れた製版特性を有するが、サーマルヘッドやその他の手
段で熱可塑性樹脂フィルムを加熱して謄写孔を形成する
際に、条件によっては、サーマルヘッドが原紙の熱可塑
性樹脂フィルムに融着して原紙を破損させたり、また、
ポジ原稿フィルムと重ね合わせ露光により謄写孔を形成
する場合にはポジ原稿フィルムが原紙に融着する恐れが
生じる。このような問題を解決するためには、原紙の熱
可塑性樹脂フィルム層上に融着防止層を形成することが
好ましい。このような融着防止層を形成する材料として
は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロ
トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等
のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミ
ン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニル
アセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリオキ
シエチレンテレフタレート、ポリエチレンオキサイド樹
脂等が使用でき、さらに形成される融着防止層の滑り性
等を向上させる目的で界面活性剤、例えば、ステアリン
酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイン酸等のリチウ
ム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、ア
ルミニウム等の金属塩等の脂肪酸金属塩、リン酸エステ
ル型界面活性剤、ポリオキシエチレン型界面活性剤、モ
ノ、ジアルキルリン酸エステル、トリ(ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル)リン酸エステル等の界面活性剤
を加えても良い。また、特公平4−73395号公報に示され
るように紫外線硬化性シリコーン樹脂からなる融着防止
剤を用いても良い。この場合、光硬化性接着剤の硬化と
融着防止剤の硬化とを鏡面ロール上で同時に行うことが
できるので好都合である。融着防止剤の塗布量は、多す
ぎると感熱性が低下し、穿孔の形成が不十分になるの
で、薄い層を形成するような量とすることが好ましく、
例えば、約0.001〜0.5g/m2が望ましい。
【0038】
【実施例】以下、本発明について実施例を参照しつつさ
らに詳述する。なお、実施例における各種評価試験は以
下の方法で行った。
【0039】(1)光沢度:JIS Z 8741(鏡面光沢度試
験方法)(方法5)に準拠して測定した。水平で平坦な
テーブルの上に白色中性紙(理想用紙/薄口(商品
名)、理想科学工業株式会社製)を1枚敷き、その上に
感熱孔版原紙のフィルム面を上にして置いて光沢計(MI
NOLTA製、GM-268)により測定した。入射角は20度で行
った。測定はA3版原稿の幅方法に5ヵ所行い、その平均
値を求め、小数点以下は四捨五入した。
【0040】(2)接着面積率:感熱孔版原紙のフィル
ム面を倍率100倍の光学顕微鏡で観察し、接着部分の面
積率を画像処理により算出して求めた。
【0041】(3)穿孔不発率:600dpiのサーマルヘッ
ドを搭載した孔版印刷機(理想科学工業株式会社製、リ
ソグラフ(登録商標)GR377)を用い、ノーマル製版条
件で全ベタ模様を製版し、得られた感熱孔版原紙のフィ
ルム面側を倍率50倍の実体顕微鏡で写真撮影した。穿孔
不発率は、サーマルヘッドで加熱された総数2400個のド
ット中に発生した不発穿孔数の割合として求めた。
【0042】(4)耐刷性:孔版印刷機(理想科学工業
株式会社製、リソグラフ(登録商標)GR377)にて、
印刷スピード150枚/分で印刷し、3000枚でフィルムに
皺、剥がれ、フィルム切れの何れも発生しなかったもの
「○」、300枚以内でフィルムに皺、剥がれ、フィルム
切れの何れかが発生したものを「×」とした。
【0043】(5)画像性:孔版印刷機(理想科学工業
株式会社製、リソグラフ(登録商標)GR377)にて、
印刷スピード150枚/分で印刷し、100枚目の印刷物につ
いて白抜けの程度を目視で観察し、以下の基準で評価し
た: ○:良い ×:悪い △:良いと悪いの間。
【0044】(6)カール特性(原紙平坦性):感熱孔
版原紙をラミネート時の搬送方法と正方形の対角線の一
つが平行になるように100×100mmの面積でカットし、水
平な台の上に5分間放置後、最もまくれ上がった一辺の
高さが10mm以下のものを「○」、10mmより高いものを
「×」とした。
【0045】(7)デラミ現象:ラミネート後の感熱孔
版原紙を目視で観察し、多孔性支持体と熱可塑性フィル
ムの間に剥がれた部分が全く観察されなかったものを
「○」、わずかでも観察されたものを「×」とした。
【0046】(8)皺:ラミネート後の感熱孔版原紙を
目視で観察し、ちりめん状の皺が全く観察されなかった
ものを「○」、わずかでも観察されたものを「×」とし
た。
【0047】実施例1〜7及び比較例1〜6 熱可塑性フィルムとして、80℃における加熱面積収縮率
が2%、幅240mm、厚さ1.8μmの高感度ポリエステルフィ
ルムを用いた。多孔性支持体として、ポリエステル繊維
30wt%と和紙繊維70wt%とを含有する混合繊維からなる
幅240mm、坪量12g/m2のものを用いた。接着剤として、
表1に示す接着剤を用いた。図1及び図2の装置の場
合、接着剤の乾燥・硬化手段として、120℃の熱風乾燥
機、又は80W/cmのメタルハライドランプからなる紫外線
照射装置を用いた。該紫外線照射装置は、メタルハライ
ドランプの周りに鏡面ロールを取り巻くように配置され
た反射鏡を備えていた。該乾燥・硬化手段は、鏡面ロー
ルから10cm離して配置した。図3の装置の場合は、同様
の紫外線照射装置を、ラミネートされた原紙から10c
m離して配置した。さらに、融着防止剤として、25℃に
おける粘度が100cstのシリコーンオイル0.05 g/m2を後
加工で塗布した。
【0048】そして、表2に示される条件下で感熱孔版
原紙を製造した。その結果を、表3に示す。
【0049】
【表1】
【表2】
【表3】 実施例1及び2と比較例4との対比から、本発明の製造
方法によれば、従来よりも各種特性に優れた原紙を製造
できることが示された。また、実施例1及び2と比較例
1との対比から、光硬化性接着剤を使用した場合、溶剤
型の接着剤を使用した場合よりも、各種特性に優れた原
紙が得られることが示された。また、実施例3及び4と
比較例5及び6との対比から、0.05kgfよりも大きく、7
kgfよりも小さい搬送張力下で搬送することが好ましい
ことが示された。さらに、実施例1及び2と比較例2と
の対比から、接着剤の塗布量は、2.0g/m2よりも少ない
ことが好ましいことが示された。さらに、実施例1及び
2と比較例3との対比から、鏡面ロールの温度は、12
0℃よりも低いことが好ましいことが示された。
【0050】なお、本発明の製造条件は、使用するフィ
ルム等の種類によって異なるものであり、最終的には、
表3に準じて、光沢度が30%以上と接着面積率が0.1
〜5%の条件を充足する製造条件を設定すれば、各種特
性に優れた原紙が得られる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性フィルムと多
孔性支持体とを接着剤で積層してなる感熱孔版原紙にお
いて、フィルム面の平滑性を示す光沢度が30%以上で、
接着面積率が0.1〜5%の感熱孔版原紙が提供される。し
たがって、600dpiなどの高精細サーマルヘッドで穿孔し
た場合も、感熱孔版原紙のフィルム面の平滑性の低さに
よる穿孔不良や、多孔性支持体繊維間の接着剤の液溜ま
りにより熱可塑性フィルム面に発生するる穿孔不良が少
ないばかりか、多孔性支持体と熱可塑性フィルムの接着
強度が高く、耐刷性に優れた感熱孔版原紙を得ることが
できる。
【0052】本発明の感熱孔版原紙は、片方の面に光硬
化性接着剤を塗布した熱可塑性フィルムを、あらかじめ
鏡面ロール上に密着保持された多孔性支持体の外面上に
密着させて一体で移動せしめ、その間に鏡面ロール上で
の光照射により接着剤を硬化させ貼り合わせを行うこと
で製造することができる。この光硬化性接着剤は、無溶
剤1液タイプの光硬化性樹脂からなるため、作業環境を
悪化せず、短時間に高速で生産でき、しかも生産ライン
の休止中にも接着剤の粘度変化がないので優れた生産性
を確保できるばかりか、鏡面ロール上で多孔性支持体と
熱可塑性フィルムとの重ね合わせと接着を同時に行うこ
とができ、多孔性支持体と熱可塑性フィルムのパスライ
ンを短縮できるので生産設備を小型化できる。また、多
孔性支持体と熱可塑性フィルムのパスラインが短く、搬
送張力を低くできるためパス切れや皺の発生が少なく、
搬送作業性に優れ、しかもカールの少ない安定した品質
の感熱孔版原紙を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱孔版原紙の製造方法の具体例を示
す工程説明図。
【図2】本発明の感熱孔版原紙の製造方法の別の具体例
を示す工程説明図。
【図3】従来の感熱孔版原紙の製造方法を示す工程説明
図。
【図4】特公平3−52354号に示される感熱孔版原紙製造
方法の工程説明図。
【図5】特開平7−61159号に示される感熱孔版原紙製造
方法の工程説明図。
【符号の説明】
1、1´…鏡面ロール 2…光照射装置 3…フィルムロール 4…支持体ロール 5、5´、5″…テンションコントロールロール 6…接着剤 7…原紙巻き取りロール 8…コーティングロール 14…熱可塑性フィルム 15…多孔性支持体 16…感熱孔版原紙
フロントページの続き Fターム(参考) 2H114 AB23 AB24 AB28 BA02 DA43 DA47 DA48 DA49 DA56 DA61 DA73 EA01 EA03 EA06 FA10 FA14 GA11 GA34

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性フィルムと多孔性支持体とを接
    着剤で積層してなる感熱孔版原紙において、フィルム面
    の平滑性を示す光沢度が30%以上で、接着面積率が0.1
    〜5%の範囲であることを特徴とする感熱孔版原紙。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性フィルムの厚さは2μ以下
    である請求項1記載の感熱孔版原紙。
  3. 【請求項3】 熱可塑性フィルムと多孔性支持体とを接
    着剤で積層してなる感熱孔版原紙の製造方法において、
    多孔性支持体を一定の搬送張力下に鏡面ロール上に密着
    させて搬送するとともに、片方の面に一定量の光硬化性
    接着剤が塗布された熱可塑性フィルムを一定の搬送張力
    下に搬送し、前記鏡面ロール上に密着された前記多孔性
    支持体の外面に前記熱可塑性フィルムを前記接着剤を介
    して密着させて一体に移動させ、該鏡面ロール上にて前
    記接着剤を光照射によって硬化させることを特徴とする
    感熱孔版原紙の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性フィルムと前記多孔性支持
    体は、0.1〜5kgfの搬送張力下に搬送されることを特徴
    とする請求項3記載の感熱孔版原紙の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記接着剤の塗布量は、0.05〜1.0g/m2
    であることを特徴とする請求項3記載の感熱孔版原紙の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記鏡面ロールの直径が0.1〜1.5mであ
    ることを特徴とする請求項3記載の感熱孔版原紙の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記鏡面ロールは、15〜90℃の温度に保
    持されている請求項3記載の感熱孔版原紙の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記熱可塑性フィルムの厚さは2μ以下
    である請求項3記載の感熱孔版原紙の製造方法。
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