JP2783567B2 - 感熱謄写版原紙 - Google Patents

感熱謄写版原紙

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JP2783567B2
JP2783567B2 JP50538388A JP50538388A JP2783567B2 JP 2783567 B2 JP2783567 B2 JP 2783567B2 JP 50538388 A JP50538388 A JP 50538388A JP 50538388 A JP50538388 A JP 50538388A JP 2783567 B2 JP2783567 B2 JP 2783567B2
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誠 松尾
良平 滝口
雅之 安藤
充 土屋
誠司 武
和枝 五十嵐
健一 武田
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は感熱謄写版原紙とその製造方法に関し、更に
詳しくは高性能な感熱謄写版原紙とその経済的な製造方
法の提供を目的とする。
背景技術 従来、簡単な印刷方式として謄写印刷が広く行われて
いる。この方式では紙等の適当な支持体表面に熱可塑性
フィルム層を積層したものを感熱謄写版原紙として使用
する。この原紙にサーマルヘッド等の加熱印字手段を用
いて印字を行なうことにより、その熱可塑性フィルム層
を加熱溶融して印字情報に応じた穿孔パターンを形成す
る。謄写印刷に際しては、このようにして印字の行なわ
れた原紙のフィルム層側と紙等の被印刷材とを重ね合わ
せて、支持体側から印刷インキを供給することにより被
印刷材への印刷が行われる。
上記従来の感熱謄写版方式で使用する感熱謄写版原紙
は、一般に紙等の多孔性支持体の表面に数μm程度の薄
い熱可塑性フィルム層を接着剤等で積層することにより
形成されるものであるが、次の如き問題がある。
(1)接着層も熱による穿孔を可能ならしめるために熱
可塑性が要求されるため、熱硬化性接着剤等の強力な接
着剤を使用することができず、そのため十分な接着力が
得られない、また、同様な理由で印刷時には印刷インキ
中の溶剤成分等により接着力が低下し、このためサーマ
ルヘッド等により熱可塑性フィルム層が剥離して印刷不
良が生じるという問題がある。すなわち、従来の感熱謄
写版原紙は、耐刷力の点で満足のいくものではないとい
う問題がある。
(2)接着剤としては通常熱可塑性樹脂の有機溶剤溶液
やエマルジョンが使用されるため、乾燥工程や熟成工程
を必要とし、工程上繁雑となり、しかもコスト高とな
る。また、乾燥・熟成工程において必要とされる熱は、
熱可塑性フィルムの変形を生じさせ、安定した原紙の製
造を困難なものとしている。さらに、溶剤型、エマルジ
ョン系接着剤は、多孔性支持体への含浸により、多孔性
支持体の空隙が閉塞されるため、画質ないし画像濃度が
劣るという欠点を有する。
(3)支持体としては紙等の多孔質体が使用される結
果、両者を充分に接着されるためには接着圧をある程度
高めることが必要である。しかし、支持体とフィルム層
の接着圧が高くなると、多孔質支持体の表面凹凸形状
が、薄い熱可塑性フィルム層の表面に転送され、印刷時
にその凹凸形状に起因して印刷画像に不均一が生じると
いう問題がある。
本発明の目的は上述の如き欠点を解決し、優れた感熱
謄写版原紙を経済的に提供することである。
発明の開示 上記本発明の目的は以下の本発明によって達成され
る。すなわち、本発明は、支持体の一方の面に接着層を
介して熱可塑性フィルム層を積層してなる感熱謄写版用
の原紙であって、上記接着層が電離放射線硬化性接着剤
からなることを特徴としている。
このように、本発明においては、感熱謄写版原紙の多
孔質支持体と熱可塑性フィルム層とを接着させる接着剤
として、電離放射硬化性接着剤を使用することにより、
支持体と熱可塑性フィルム層とを十分に接着させ、印刷
時に優れた耐刷力を発揮する。
電離放射線硬化性接着剤は無溶剤型であるため、多孔
性支持体への含浸が少なく優れた画質、画像濃度が得ら
れる。しかも、電離放射線硬化は低温硬化が可能であ
り、熱可塑性フィルムの変形等を起こすことなく、原紙
を安定して製造することができる。
また、使用する接着剤の接着力が大であるため両者を
高い圧力で接着させる必要が無く、支持体の表面凹凸形
状が熱可塑性フィルム層側に転写されるという欠点がな
い。従ってシャープな画像の印刷物を与えることができ
る。
さらにまた、本発明の感熱謄写版原紙においては、電
離放射線硬化性接着剤を使用することによって接着層の
乾燥や熟成は不要となり、接着工数は数秒間以内で完了
するので、製造工程を連続化することができ、しかも高
品質の感熱謄写版原紙を経済的に提供できる点ですぐれ
ている。
図面の簡単な説明 第1図および第2図、各々、本発明の感熱謄写版原紙
の構成を示す断面図であり、第3図および第4図は、本
発明の感熱謄写版原紙の製造工程を示す断面図である。
発明を実施するための最良の形態 次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更に詳しく説
明する。
第1図および第2図は、本発明の感熱謄写版原紙の断
面を図解的に示す図であり、第3図および第4図は本発
明の感熱謄写版原紙の製造方法を図解的に示す図であ
る。
図示の如く、本発明の第一の発明の感熱謄写版原紙
は、多孔質支持体1と熱可塑性フィルム層3とが電離放
射線硬化性接着剤2により接着されていることを特徴と
し、第二の発明の感熱謄写版原紙はその熱可塑性フィル
ム層3の表面に更にスティッキング防止層4を形成した
ことを特徴とし、更に第3の発明は、使用する電離放射
線硬化性接着剤2を熱可塑性フィルム層3に先ず塗布し
(第3図)、次いで多孔質支持体1を積層し、その後に
電離放射線(矢印)によって硬化性接着剤2を硬化させ
る(第4図)ことを特徴とする。
多孔質支持体 本発明で使用する多孔質支持体1とは、印刷時に使用
する印刷インキが、通過できるように多孔体であること
が必要である。例えば、各種の紙、特に和紙の如く目の
粗い紙や、レーヨン、ビニロン、ポリエステル、アクリ
ロニトリル等の化学繊維(合成繊維)からなる合成紙や
化学繊維と天然繊維との混抄紙等、従来の感熱謄写版原
紙の支持体として使用されるものはいずれも本発明にお
いて使用することができる。特に限定されないが、例え
ば、坪量8乃至12g/m2程度の紙、合成紙、混抄維等が有
利に使用され得る。
また、従来、感熱謄写版原紙に用いられる多孔質支持
体としては、天然繊維が多く用いられているが、天然繊
維は、一般に耐刷性に劣るため、この支持体に予めビス
コース加工を施すことによって耐刷性を向上させる方法
が提案されている(たとえば、特開昭62−92892号公
報、同62−156992号公報。)しかしながら本発明者らの
研究によれば、天然繊維からなる多孔質支持体にビスコ
ース加工を施したものは、画像濃度が低下するという新
たな問題を生じさせ、しかもビスコース加工部分の収縮
の問題や、製造コストの増大をもたらすという欠点があ
る。本発明者らは、上記の点に留意しつつ実験を重ねた
結果、以下の事実を見出した。
(イ)ビスコース加工やサイズ処理を施さない場合であ
っても、支持体となる材料の湿潤引張り強度を200g/15m
m以上、さらに好ましくは300g/15mm以上にすることによ
って、上記のような付随的な欠点を生じさせることな
く、耐刷性ならびに画像特性にすぐれた感熱謄写版原紙
を得ることができる。このように、湿潤引張り強度を高
めることによって、耐刷力、特に紙の伸びによる画像の
変形を効果的に抑制することができるのである。
(ロ)ビスコース加工を施す場合にあっては、支持体材
料として天然繊維と合成繊維との混抄紙を用いることに
よって、支持体の湿潤引張り強度を200/15mm以上さらに
好ましくは300g/15mm以上に向上させることができ、こ
れにより上記(イ)と同様の効果を得ることができる。
このような混抄紙を用いれば、天然繊維のみを用いる場
合に比べてコストの低減化を図ることができる。また同
時に、ビスコース加工を施したとしても、天然繊維のみ
を用いた場合と異なり、紙の収縮を極力減少させること
ができ、画像濃度の低下を防止することができる点です
ぐれている。さらにまた、上記のような混抄紙は、湿潤
引張り強度が大きく、ビスコース加工時のセルロース濃
度を低下させることが可能(たとえば20%以下)である
ので、この点においても画像濃度を増加させ、またコス
トの低減化を図ることができる。
本発明において、上述した「湿潤引張り強度」とは、
幅15mm、長さ250mmに切断した紙を20℃の水に10分間浸
漬した後、吸取紙で過剰の水を除き、試験片の水分の変
化がおきないうちに、引張り強さ試験を行って得られた
破断強度を意味する。引張り強さ試験は、試験の始めの
両つかみ端を180mmとして、引張り速度50mm/minで行っ
た。
熱可塑性フィルム 上記支持体1の表面に積層する熱可塑性フィルム層3
自体としては、従来技術の感熱謄写版原紙に使用されて
いるもの、例えば、ポリ塩化ビニル系フィルム、塩化ビ
ニル−塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリエステルフ
ィルム、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィル
ム、ポリスチレンフィルム等がいずれにも使用でき、特
に限定されるものではない。
これらの熱可塑性フィルム層3は、サーマルヘッド等
の加熱手段によって容易に穿孔が形成される様に、その
厚みは20μm以下、好ましくは10μm以下、更に好まし
くは1〜5μmの厚みである。
ところで、本発明においては、上述したもののうち、
フィルム層3の材料としては、厚さ1〜10μmのポリエ
ステルフィルムが好ましく用いられる。特に好ましいポ
リエステルフィルムの一つとしてPETフィルムがあげら
れ、熱収縮率が150℃及び15min.で3乃至30%及び/又
は融解熱量が5乃至10cal/gであり、且つ融点が270℃以
下であるものである。以下、上記の様なPETフィルムを
用いることが好ましい理由について説明する。
最近では印刷物の画質向上の為、サーマルヘッドによ
る製版方式が主流となっており、且つその1つのドット
当りの大きさも微細化される傾向にある。その為に1ド
ット当りの熱量も小さくなる傾向にあり、謄写版原紙に
対して更に高感度化が要求されている。また、熱可塑性
フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルムを用いた原紙は、PETフィルムが2軸延伸の為
に結晶性が高く熱的にも安定であるので、製版された原
紙の孔は小さく印刷物の解像性には優れるが濃度につい
ては十分でない。さらにまた、上記のポリ塩化ビニルフ
ィルムやポリオレフィンフィルムは数μmの薄いフィル
ムにすることが一般に困難であり、また、耐熱性にも欠
ける為濃度及び解像性が共に満足できるものではない。
本発明においては、特に熱可塑性フィルムとして、熱
収縮率が150℃及び15min.で3乃至30%及び/またはそ
の融解熱量が5乃至10cal/gであり、且つ融点が270℃以
下のPETフィルムを用いることにより、濃度及び解像性
に優れた印字が実現される。
このようなPETフィルムは、厚み1乃至10μm、好ま
しくは1乃至4.5μmの物であり、また、好ましくはそ
の熱収縮率が150℃及び15min.で3乃至30%、更に好ま
しくは5乃至20%であるものであり、また、好ましくは
その融解熱量が5乃至10cal/g、更に好ましくは6乃至9
cal/gであり、且つ融点が270℃以下であるものである。
PETフィルムの厚みが1μm未満であると、フィルム
自体の強度が不足し、また、弾性率が大きくなり過ぎラ
ミネート加工や印刷時の作業に耐えられなくなり、一
方、厚みが10μmを越えると穿孔時にその融解に大きな
エネルギーを要し、且つ孔が小さくなり印刷時の文字の
濃度が低下する。
製版時の穿孔によって形成される孔の好ましい面積と
しては、サーマルヘッドの面積の40乃至80%、更に好ま
しくは、50乃至70%である。通常印刷時において、印刷
物の1個の点の大きさは上記孔の大きさよりも30乃至50
%大きくなる。従って、孔の大きさがサーマルヘッドの
大きさの80%を越えると印刷物の個々の点が連続化して
解像性が著しく低下する。また、40%未満であると個々
の点が小さ過ぎて鮮明な画像が得られない。
また、熱収縮率が30%を越えるとサマールヘッドで穿
孔後の孔面積が大きくなり過ぎ、サーマルヘッドの大き
さを越えて隣接する孔が連続化し解像性が低下する。一
方、3%未満であると穿孔の孔の面積が小さ過ぎ鮮明な
印刷ができなくなる。
また、融解熱量が10cal/gを越えるとPETフィルムは結
晶性が高く、融解穿孔に多量のエネルギーが必要とな
る。
接着層 上記多孔質支持体1と熱可塑性フィルム3との接着に
使用する接着剤が主として本発明を特徴づけるものであ
り、本発明では電離放射線硬化性接着剤2を使用する。
従来公知の電離放射線硬化性接着剤は主としてその構
造中にラジカル重合性の二重結合を有するポリマー、例
えば、比較的低分子量のポリエステル、ポリエテール、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の(メ
タ)アクリレートとラジカル重合性のモノマーや多官能
モノマー等を含有するものであって、更に必要に応じて
光重合開始剤を含有し電子線や紫外線によって重合架橋
するものであり、これらの従来の電離放射線硬化性接着
剤はいずれも本発明で使用することができる。
しかしながら、本発明で特に好ましいものは、電離放
射線硬化後においても、尚、加熱溶融性を保持する接着
層を形成し得るものである。このような接着層は、比較
的低架橋性の電離放射線硬化性接着剤から形成できる。
好ましくは使用できる電離放射線硬化性接着剤は、被膜
形成成分の主成分として、その分子中に二重結合の存在
を必ずしも必要としない、比較的低分子量、例えば、分
子量が約400乃至数万程度のポリエステル樹脂、ポリ酢
酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、
塩素化ポリプロピレン、ポリアクリル酸エステル、テル
ペン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、SBR、ABS、ポ
リビニルエーテル、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂
を主成分とするものである。これらの熱可塑性樹脂は従
来感熱接着剤としても知られており、本発明ではこれら
の感熱接着層が好ましく使用される。
更に、上記成分に加えて、形成される接着層の加熱溶
融性を向上させるために、比較的低融点のワックス系の
ポリマー、オリゴマー、例えば、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、パラフィン、脂肪族ポ
リエステル、パラブレックス、ポリエチレンセバケー
ト、ポリエチレンアジペート等を添加してもよく、これ
らのワックス類は上記熱可塑性樹脂に代えて使用するこ
ともできる。
本発明では上記熱可塑性樹脂及び/又はワックス類単
独では、接着層の形成時に塗工性が劣り、且つ接着層の
接着力が不足するため、ビニル系モノマー、例えば、
(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミ
ド、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル
類、ビニル異節環化合物、N−ビニル化合物、スチレ
ン、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等の
単官能モノマーを併用し、塗工性を向上させることが好
ましい。更に上記単官能モノマーに加えて、例えばジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(β−(メタ)
アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート等の2官能
以上のモノマーを用いてもよいが、これらの多官能モノ
マーを多量に使用すると接着層が高架橋性となって、接
着層の熱穿孔性が低下するので多量に使用するべきでは
ない。小量、例えば、全モノマー中の10重量%以下、好
ましくは5重量%以下の量で使用すれば、接着層の熱穿
孔性を妨げることなく優れた接着力及び耐刷力を達成す
ることができる。
更に本発明においては、上記接着剤中にメルカプタン
化合物の様な公知の連鎖移動剤を少量添加して、接着剤
層の硬化時の高分子量化又は架橋をコントロールして硬
化後の接着剤層に良好な熱穿孔性を与えることもでき
る。
本発明で好ましくは使用する上記電離放射線硬化性接
着剤の組成は、常温ではある程度の接着性(粘着性)を
有する非流動体であり、昇温下、例えば、60乃至100℃
程度の温度で500乃至2,000cps程度の粘度の流動性液体
となる組成であるのが好ましく、例えば、上記熱可塑性
樹脂及び/又はワックス類100重量部に対してモノマー
約1乃至30重量部の組成が好ましい。
上述したように、本発明の電離放射線硬化性接着剤と
しては、(イ)熱可塑性樹脂と、(ロ)モノマーおよび
/または低融点ワックスとを含有する組成物からなるこ
とが好ましい。また、本発明の好ましい態様において
は、上記電離放射線硬化性接着剤としては、分子量1000
〜30000程度の熱可塑性樹脂と、単官能(メタ)アクリ
レートモノマーと融点40〜150℃の低融点ワックスから
なるものが好ましい。
通常、熱可塑性樹脂は溶剤に希釈しなければ塗布する
ことはできない。そのため、ラミネート加工が困難で
ある、多孔質支持体に含有してしまってインキ透過孔
を塞いでしまう、加工速度が遅い、溶剤による大気
汚染の問題がある、開孔時(すなわち熱可塑性フィル
ム層に穿孔パターンを形成する時)の接着力が低下す
る、などの問題がある。
また、一方では、湿式硬化型ポリウレタンからなる接
着剤も知られているが、この場合は、硬化に時間がか
かる、ポットライフが短い、ヒートモードによる開
孔が困難である、塗工粘度が高く薄膜コーティングが
困難である、などの問題がある。
本発明においては、上記のように、電離放射線硬化性
接着剤として、(イ)熱可塑性樹脂と、(ロ)モノマー
および/または低融点ワックスとを含有する組成物を用
いることによって、上記の問題点を解決することがで
き、加工速度が大きく、ラミネートが容易で、耐刷性、
熱による開孔性にもすぐれた接着剤が提供される。
この場合の熱可塑性樹脂としては、前述のように、ポ
リエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、エポキ
シ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポ
リスチレン等のポリマーを用いることができる。これら
の分子中には2重結合が1分子中に2個以上含むことは
画像上好ましくない。また、分子量は、約1000〜数万と
いった比較的低分子量のものが、加工上、画像特性上好
ましい。また、加熱溶融性の向上、ラミネート加工の容
易化を目的として、比較的低融点、たとえば40〜150℃
の融点を有するワックスを添加することができる。
上記の熱可塑性樹脂の内でも、、ポリエステルやポリ
ウレタンが好ましく用いられ、特に常温で固体であって
結晶性を持たないものが特に望ましい。さらにポリウレ
タンの場合は、凝集力が高く、加工適正上分子量は400
〜1万程度のものが好ましい。このような低分子量ポリ
ウレタンは、加熱時の流動性にすぐれるが、常温時の凝
集力にもすぐれている。
一方、モノマーとしては、単官能アクリレートモノマ
ー、たとえば、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)
アクリルアミドを用いることができる。これらのモノマ
ーに2官能モノマーを加えることによって耐刷性を向上
させることができるが、これを加えすぎると反って画像
特性が低下するので注意すべきである。このようなポリ
ウレタン樹脂は、通常のイソシアネート、TDI、MDI、IP
OIなどと各種ジオール、1,4ブタンジオール、ポリエス
テルジオール、ポリエーテルジオールを用いて合成され
得る。端末には多くとも1つのアクリロイル基を、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、N−ヒドロキシメチル
アクリルアミド等によって導入してもよい。
上記の態様に関する作用効果をまとめると以下の通り
である。
(1)低分子量でかつ常温で固体の熱可塑性樹脂を用い
ることによって、高温時の流動性が発現し、穿孔性にす
ぐれたものが得られる。また、塗工時の粘度が低くな
り、この点、加工しやすくなるという利点がある。この
ためには上記のようなポリウレタン樹脂が最も好まし
い。
(2)低融点ワックスの場合は、加熱時の流動性を向上
させ、穿孔性が良くなり、本発明の謄写版製造時におけ
る、前記熱可塑性フィルムと多孔質支持体との密着性が
良好なものとなる。
(3)単官能モノマーは、加工時の粘度を調節し、加工
適正を付与するばかりか、多孔質支持体に適度に含浸す
るので、印字時の穿孔性を損なうことなく接着性を付与
するのに好適である。
(4)従来のように溶剤を使用する必要がないので、大
気汚染の問題はなく、また、多孔質支持体への含浸もす
くなくすることができるので、多孔質支持体中の気孔を
必要以上に閉塞してしまうこともない。
(5)電離放射線硬化型であるため、生産速度は極めて
速く、また、低温度下での硬化が可能である。このた
め、従来の接着剤と用いた場合に比べて、熱によって生
ずる問題(たとえば、カールの発生)を解消することが
できる。
(6)電離放射線硬化型であるため、接着層において適
度な架橋を生じさせることができる。そのため、接着層
の存在によって印字時の穿孔性を害することもなく、耐
刷性にすぐれた感熱謄写版原紙を提供することができ
る。
多孔質支持体と熱可塑性フィルムとの接着 本発明の感熱謄写版原紙は、上記の電離放射線硬化性
接着剤によって前記の熱可塑性フィルム層3を支持体1
に接着することによって得られる。
上記の電離放射線硬化性接着剤は支持体1側に塗布す
るよりも熱可塑性フィルム層3に塗布するのが好まし
い。加熱によって適度の流動性を与えられた電離放射線
硬化性接着剤を多孔質の支持体1側に塗布すると、電離
放射線硬化性接着剤が支持体1中に浸み込み、良好な接
着性がえられないためである。
塗布方法自体は、ブレートコーティング方法、グラビ
アコーティング方法、ナイフコーティング方法、リバー
スロールコーティング方法、スプレーコーティング方
法、オフセットグラビアコーティング方法、キスコーテ
ィング方法等いずれの方法でもよく、特に限定されな
い。
塗布量はあまりに多すぎると製版時の熱穿孔性が低下
し、また少なすぎると接着力に問題が生じるので、例え
ば、約0.5乃至5μm程度の厚みが好適である。
勿論、上記の塗工は、接着剤が十分な塗布特性を有す
る温度、例えば50乃至100℃程度の昇温下で行なうのが
好ましい。
上記の電離放射線硬化性接着剤の塗工後、冷却によっ
て接着層が非流動性となるが、該接着層はモノマーの存
在によってある程度の接着剤または粘着性を保持してお
り、この状態で両者をラミネートする。
ラミネートしながら或いはラミネート後に熱可塑性フ
ィルム層3側または支持体1側から電離放射線を照射し
て接着層を硬化させることにより、本発明の第一の態様
の感熱謄写版原紙が得られる。
使用する電離放射線としては電子線及び紫外線が好ま
しく使用されるが、紫外線を使用する場合には、上記接
着剤中に光重合開始剤を配合することが必要である。
電子線を使用する場合には、前記積層物にいずれの面
から電子線を照射してもよく、また、紫外線を使用する
場合には、支持体1及び熱可塑性フィルム3の少なくと
も一方が透明であることが必要で、透明側から照射す
る。
放射線照射には従来技術がそのまま使用でき、例え
ば、電子線硬化の場合にはコックロフトワルトン型、ハ
ンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線
型、エレクトロカーテン型、ダイナミトロン型、高周波
型等の各種電子線加速器から放出される50乃至1,000Ke
V、好ましくは100乃至300KeVのエネルギーを有する電子
線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、
高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンア
ーク、メタルハライドランプ等の光源から発する紫外線
等が利用される。
いずれの照射方法も本発明に有用であるが、接着層の
硬化速度、接着層の接着性その他の理由で電子線照射が
好ましい。
スティッキング防止層 サーマルヘッドなどの加熱印字手段により、熱可塑性
フィルム層3を加熱して謄写孔を形成する際に、条件に
よってはサーマルヘッドが熱可塑性フィルム層3に粘着
して熱可塑性フィルム層3を破壊したり、また、ポジ原
稿フィルムを介して露光により謄写孔を形成する場合に
はポジ原稿フィルムが粘着する恐れが生じる。
スティッキング防止層は、上記欠点を解消するもので
あり、第2図示の如く、熱可塑性フィルム層3上にステ
ィッキング防止層4を形成する。このスティッキング防
止層4は、加熱溶融性であるとともに非粘着性であるこ
とが必要である。このような加熱溶融性樹脂としては、
例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリ
フルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフ
ッ素樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアセ
タール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリオキシエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンオキサイド樹脂等
が使用でき、更に形成されるスティッキング防止層4の
滑り性等を向上させる目的で界面活性剤、例えば、ステ
アリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オイレン酸等の
リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウ
ム、アルミニウム等の金属塩等の脂肪酸金属塩、リン酸
エステル型界面活性剤、ポリオキシエチレン型の界面活
性剤、モノ、ジアルキルリン酸エステル、トリ(ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル)リン酸エステル等の界
面活性剤を上記樹脂100重量部当り約10乃至200重量部の
割合で加えてスティッキング防止層4を形成するのが好
ましい。
上記樹脂(及び界面活性剤)からなるスティッキング
防止層4は、これらの材料を有機溶剤または水中に溶解
もしくは分散させて塗工液を作り、これを任意の方法で
熱可塑性フィルム層3の面に塗布して形成すればよい。
スティッキング防止層4の厚みは、あまりに厚すぎると
感熱性が低下し、穿孔の形成が不十分になるので薄い方
が好ましく、例えば、約0.1乃至10μm程度の厚みが好
ましい。このスティッキング防止層4の形成する時期は
特に限定されず、前記第一の発明の感熱謄写版原紙を形
成後でもよいし、形成中でもよいし、また、熱可塑性フ
ィルムの原反に形成してもよい。
本発明における上記スティッキング防止層としては、
加熱溶融性で、40℃よりも高い融点を有する材料からな
ることが好ましい。
上述した態様の他に、本発明におけるスティッキング
防止層としては、下記のような態様のものが特に好まし
く用いられ得る。
(1)スティッキング防止層が、シリコーン樹脂の変性
物からなるもの、シリコーン変性樹脂は、スティッキン
グ防止効果とともに、滑性、走行性、搬送性を向上させ
る上においてすぐれた効果を有している (2)ステッキング防止層が、シリコーン樹脂にウレタ
ン結合、エステル結合、エーテル結合またはアミド結合
を導入して変性した樹脂からなるもの。
(3)スティッキング防止層が、シリコーン樹脂をポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリエーテルもしくはエ
ポキシ樹脂で変性した樹脂からなる、好ましくは結晶性
ポリマーからなるもの。
このような変性樹脂は、PETフィルムとの密着性なら
びに溶解性を向上させるとともに、サーマルヘッドにお
いて発生しやすいヘッドかすを減少させる上ですぐれた
作用効果を有している。また、ヘッドかすを減少させる
ためには、塗布量を0.1〜0.01g/m2に制限することが効
果的である。
(4)スティッキング防止層が、さらに帯電防止性を有
しているもの。
(5)スティッキング防止層上に帯電防止層が形成され
ている。
帯電防止性の付与 通常、感熱謄写版原紙は、その熱可塑性フィルム層が
帯電し易く、印刷時に印刷用紙が製版した原紙に貼り付
き、スムースな印刷が行われないという問題が生じてる
場合がある。
前述したスティッキング防止層は、ある程度の帯電防
止効果を有するが、更に優れた帯電防止性が要求される
場合には、一般に帯電防止効果があるとされている界面
活性剤、例えば、アニオン性のカルボン酸塩、スルホン
酸塩、リン酸誘導体、カチオン性のアルキルアミン、ア
ミドアミン、第4級アンモニウム塩、非イオン性の多価
アルコール、多価アルコールエステル、高級アルコー
ル、アルコールフェノール、脂肪酸、アミド、アミ等の
酸化エチレン付加体、両イオン性のカルボン酸系(グア
ンジン塩、ベタイン塩、イミダゾリン型、アミド型、ジ
アミン型等)等のうちで、常温(20℃)で固体のもの
を、前記非融着性のスティッキング防止層100重量部に
対し、200重量部以下の割合で混合することができる。2
00重量部を越えると、保存安定および塗膜性ガスが失わ
れて好ましくない。
上記界面活性剤を主成分とするステッキング防止層4
は、これらの材料を有機溶剤または水中に溶解又は分散
させて塗工液を作り、これを任意の方法で熱可塑性フィ
ルム層3の面に塗布して形成すればよい。
また、優れた帯電防止性を原紙に与えるためには、ス
ティッキング防止層4の上に更に帯電防止層を形成する
ことも可能である。帯電防止層は、前記帯電防止効果を
有する界面活性剤を主成分として形成する。また、その
層の耐久性向上の為にはスティッキング防止層で述べた
様な熱可塑性樹脂あるいは、シリコーン樹脂の変性物を
バインダーを100重量部として、帯電防止剤200重量部以
下の割合で混合して用いることができる。このような帯
電防止層の厚さは0.01μm乃至5μmの範囲が好まし
く、0.10μm未満の厚さであると帯電防止性能が殆ど無
くなり、一方、5μmを超える厚さとなるとスティッキ
ング防止層と同様に製版感度が低下する。最も好ましく
は0.05乃至1μmの範囲である。
以下、実施例、比較例および使用例を挙げて本発明を
更に具体的に説明する。尚、文中、部または%とあるの
は特に断りのない限り重量基準である。
実施例A−1乃至A−4 ジプロピレングリコール(1mol)、TDI(2mol)、1
−ブタノール(1.05mol)および2−プロパノール(1.0
5mol)から合成されたポリウレタン樹脂 7.25部 アクリル酸エステルモノマー(アロニックスM5700、
東亞合成製) 27.5部 上記成分を85乃至90℃で溶融混合し、85℃で粘度700c
psの電離放射線硬化性接着剤を調製した。この電離放射
線硬化接着剤は25℃では非流動性となり、ある程度の粘
着性を有している。
上記の電離放射線硬化性接着剤を80乃至90℃で、ダイ
レクト法による後期第1表に記載の各物性のPETフィル
ムの表面に1.0g/m2の割合で塗布し、冷却したラミネー
ターを用いててその塗布面に多孔質薄葉紙(PV039、ク
ランプトン社製、10.8g/m2)をラミネートし、しかる後
5Mradの電子線を照射して本発明の感熱謄写版原紙を得
た。
尚、上記で用いたPETフィルムの反対の面には予め熱
可塑性樹脂(バイロン200、東洋紡製)と界面活性剤
(ガファックRL−210)との重量比33:67混合物からなる
厚み0.1μmのステッキング防止層が形成されている。
実施例A−5 実施例A−1における電離放射線硬化性接着剤に代え
て次の組成の電離放射線硬化性接着剤を使用し、他は実
施例A−1と同様にして本発明の感熱謄写版原紙を得
た。
1,3−ブタンジオール(1mol)、TDI(2mol)、イソプ
ロパール(1.05mol)、1−ブタノール(1.05mol)から
合成されたポリウレタン樹脂 72.5部 アロニックスM−5700 27.5部 粘度 800cps(85℃) 実施例A−6 実施例A−1における電離放射線硬化接着剤に代えて
次の組成の電離放射線硬化性接着剤を使用し、他は実施
例A−1と同様にして本発明の感熱謄写版原紙を得た。
ポリプロピレングリコール(分子量200)(1mol)、T
DI(2mol)、イソプロパノール(1.8mol)、2−ヒドロ
キシルアクリレート(0.25mol)から合成したポリウレ
タン樹脂 80重量部 アロニックスM−5600 20重量部 比較例A−1乃至A−3 接着剤としてはポリ酢酸ビニルエマルジョン系接着剤
を用い、塗布量2.0g/m2にて多孔質薄葉紙とラミネート
したことを除き実施例と同様にして比較例の感熱謄写版
原紙を得た。
比較例A−4 接着剤としては熱硬化型ウレタン系接着剤を用い、塗
布量2.0g/m2にて多孔質薄葉紙とラミネートしたことを
除き実施例と同様にして比較例の感熱謄写版原紙を得
た。
尚、熱収縮率は150℃及び15min.の条件で、200mm×20
0mmの試験片について行い、MD及びTDの平均値で表し
た。
使用例 下記の条件で実施例及び比較例の原紙を穿孔し、この
原稿を用いて謄写印刷を行い下記第2表の結果を得た。
印 字:走行速度3msec./line、熱量0.16mJ 印刷機:リコープリポートSS870 印刷速度3速
尚、評価は下記方法によった。
濃 度:マクベス濃度計 Optical Density(O.D.) 解像性:電子写真学界テストチャートの10線/mmを印刷
した時の評価 ○=線の区別が容易にできる。
△=線のところどころで切れたりくっついたりし
ているが、区別は可能。
×=線の区別ができない。
耐刷力:ステッキングが表われない印刷枚数 孔面積:サーマルヘッド1ドットの面積を100%とし
た時の製版原紙の孔面積 総合評価:上記評価項目を総合 ○=全体的に満足 △=一部不満 ×=全体的に不満 実施例B−1 ポリエステル樹脂(ポリエスタ−TP−219、日本合成
化学製) 46.7部 アクリル酸エステルモノマー(アロニックスM5700、
東亞合成製) 23.3部 脂肪族ポリエステルオリゴマー(ニッポラン4056、日
本ポリウレタン製) 30.0部 を85乃至90℃で溶融混合し、85℃で粘度1,250cpsの電離
放射線硬化性接着剤を調整した。この電離放射線硬化性
接着剤は25℃では非流動性となり、ある程度の粘着性を
有している。
上記の電離放射線硬化性接着剤を85乃至90℃で、ダイ
レクト法により2μmの厚みのポリエチレンテレフタレ
ートフィルムの表面に1.5g/m2の割合で塗布し、冷却し
たラミネーターを用いてその塗布面にステンシルペーパ
ーK(日本紙業製、10.5g/m2)をラミネートし、しかる
後5Mradの電子線を照射して本発明の感熱謄写版原紙を
得た。
上記の感熱謄写版原紙の熱可塑性フィルム層の面に白
黒のポジ画像フィルムを重ねてフラッシュ光を照射して
製版した後、謄写印刷機にかけたところ、十分な耐刷力
と解像度の印刷物が得られた。
実施例B−2乃至B4及び比較例B−1 実施例B−1における電離放射線硬化性接着剤に代え
て次の組成の電離放射線硬化性接着剤を使用して、実施
例B−1と同様にして本発明及び比較例の感熱謄写版原
紙を得た。
実施例B−2 ポリエスタ−TP219 40部 アロニックスM5700 20部 ニッポラン4056 30部 ジエチレングリコールジメタクリレート 1部 粘度 800cps(85℃) 実施例B−3 ポリエスタ−TP219 50部 アロニックスM5700 50部 β−メルカプトプロピオン酸 0.005部 粘度 900cps(85℃) 実施例B−4 ポリエスタ−TP219 40部 アロニックスM5700 20部 脂肪族ポリエステルオリゴマー(ニッポランN4009、
日本ポリウレタン製) 30部 エチレングリコールジアクリレート 0.5部 粘度 900cps(85℃) 比較例B−1 ポリエスターTP219 50.0部 アロニックスM5700 33.3部 2官能ウレタンアクリレート(ダイヤビームUK6034、
三菱レイヨン製) 16.7部 粘度 900cps(85℃) 上記実施例及び比較例の感熱謄写版原紙を用いて実施
例B−1と同様にして製版及び印刷を行なったところ、
実施例B−2乃至B−4の場合には実施例B−1と同様
に優れた結果が得られたが、比較例B−1の場合は、接
着層が高度に架橋しているため、その加熱溶融性が不足
し、印刷物は字がかすれ、また、濃度も低かった。
実施例B−5 実施例B−1で得られた本発明の感熱謄写版原紙の熱
可塑性フィルム層に下記の組成液から厚み0.1乃至0.2g/
m2の粘着防止層を形成して本発明のスティッキング防止
層を有する感熱謄写版原紙を得た。
ポリビニルブチラール(エスレックBX−1、積水化学
製) 50部 界面活性剤(プライサーフ208、第一工業薬品製) 50部 トルエン 450部 メチルエチルケトン 450部 上記感熱謄写版原紙を用いてリコープリポートSS870
にて製版及び印刷を行なったところ、サーマルヘッドの
粘着による故障は全く生ぜず、良好な印刷物が優れた耐
刷力で得られた。
実施例B−6 実施例B−2で得られた本発明の感熱謄写版原紙の熱
可塑性フィルム層に下記の組成液から厚み0.1乃至0.2g/
m2のスティッキング防止層を形成して本発明のスティッ
キング防止層を有する感熱謄写版原紙を得た。
アクリル酸エステル(スミペックB−MHO、住友化学
製) 50部 界面活性剤(エレクトロストリッパーAC、花王製) 50部 トルエン 450部 メチルエチルケトン 450部 上記感熱謄写版原紙を用いてリコープリポートSS870
にて製版及び印刷を行なったところ、サーマルヘッドの
粘着による故障は全く生ぜず、良好な印刷物か優れた耐
刷力で得られた。
実施例B−7 実施例B−3で得られた本発明の感熱謄写版原紙の熱
可塑性フィルム層に下記の組成液から厚み0.1乃至0.2g/
m2のスティッキング防止層を形成して本発明のスティッ
キング防止層を有する感熱謄写版原紙を得た。
アクリル酸エステル(スミペックB−MHO、住友化学
製) 50部 界面活性剤(エルマゲン108、花王製) 50部 トルエン 450部 メチルエチルケトン 450部 上記感熱謄写版原紙を用いてリコープリポートSS870
にて製版及び印刷を行なったところ、サーマルヘッドの
粘着による故障は全く生せず、良好な印刷物が優れた耐
刷力で得られた。
実施例D−1乃至D−3 実施例B−5におけるスティッキング防止層に代え
て、上記の組成からなるスティッキング防止層を使用し
て実施例B−5と同様にして本発明の感熱謄写版原紙を
製造した。
実施例D−1 ポリエチレングリコール(6000(和光純薬工業製)) 2mol シリコン系ジオール(X−22−160AS(信越化学工業
製)) 1mol 4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポ
リウレタン工業製) 2mol 上記配合比で、ジブチルチンシラウリレートを触媒と
して、メチルエチルケトン中において60℃で反応させた
後、1.25wt%に希釈してスティキング防止剤とした。こ
れをミヤバー10番で熱可塑性フィルム上に塗布乾燥し
た。
実施例D−2 ポリエステルジオール(プラクセルH−1P、ダイセル
化学工業(株)) 1.3mol シリコン系ジオール(X−22−160AS(信越化学工業
(株)) 1.0mol 4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポ
リウレタン工業(株)) 1.15mol 実施例D−1と同様にした。
実施例D−3 実施例D−2に帯電防止剤としてアンステックC−20
0Xを100部に対し20部加えてスティッキング防止剤とし
同様にして製造した。
参考例D−1乃至D−3 スティッキング防止層の機能を比較する目的で、下記
に示すスティッキング防止層を有するものを製造し、そ
の特性を調べた。
参考例1 (スティッキング防止層を形成せず) 参考例2 スティッキング防止層 リン酸エステル系界面活性剤(プライサーフA208S、
第一工業製薬製、融点7℃) 1部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部 (乾燥時塗布厚0.1μm) 参考例3 ガファックRL−210 1部 バロイン2000 5部 トルエン 240部 メチルエチルケトン 240部 (乾燥時塗布厚0.1μm) 産業上の利用可能性 本発明の感熱謄写版原紙は、サーマルヘッドなどの加
熱印字手段を用いた印字穿孔方式を用いる製版方法に使
用するための感熱謄写版用の原紙として広く適用するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 和枝 東京都新宿区弁天町147 (72)発明者 武田 健一 千葉県流山市江戸川台東1―29 (56)参考文献 特開 昭63−233890(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41N 1/24

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔質支持体の一方の面に接着層を介して
    熱可塑性フィルムを積層してなる感熱謄写版用の原紙で
    あって、前記接着層が電子線硬化性接着剤からなること
    を特徴とする、感熱謄写版原紙。
  2. 【請求項2】前記電子線硬化性接着剤が、加熱溶融性で
    ある、請求の範囲第1項の感熱謄写版原紙。
  3. 【請求項3】前記電子線硬化性接着剤が、(イ)熱可塑
    性樹脂と、(ロ)モノマーおよび/または低融点ワック
    ス、とを含有する組成物からなる、請求の範囲第1項の
    感熱謄写版原紙。
  4. 【請求項4】前記電子線硬化性接着剤が、分子量1000〜
    30000の熱可塑性樹脂と、融点40〜150℃の低融点ワック
    スを含む、請求の範囲第1項の感熱謄写版原紙。
  5. 【請求項5】前記熱可塑性樹脂が、分子量400〜10000の
    ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、エポ
    キシ樹脂、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリアク
    リル酸エステル、およびポリスチレンからなる群から選
    ばれる、請求の範囲第3項の感熱謄写版原紙。
  6. 【請求項6】前記熱可塑性樹脂が、軟化点40〜300℃の
    非晶性樹脂からなる、請求の範囲第3項の感熱謄写版原
    紙。
  7. 【請求項7】前記電子線硬化性接着剤が、常温で非流動
    性であって、かつ、昇温条件下で流動性を示す、請求の
    範囲第1項の感熱謄写版原紙。
  8. 【請求項8】熱可塑性フィルムの表面に電子線硬化性接
    着剤を塗布し、この塗布面に多孔質支持体を積層し、し
    かるのちに電子線を照射して前記熱可塑性フィルム層と
    多孔質支持体とを接着一体化して得られた、請求の範囲
    第1項の感熱謄写版原紙。
  9. 【請求項9】接着剤の塗布を昇温条件下で行い、多孔質
    支持体の積層をそれよりも低温条件下で行うことによっ
    て得られた、請求の範囲第8項の感熱謄写版原紙。
  10. 【請求項10】前記熱可塑性フィルムが、厚さ1〜10μ
    mのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる、請
    求の範囲第1項の感熱謄写版原紙。
  11. 【請求項11】前記熱可塑性フィルムの熱収縮率が、15
    0℃および15min.の条件で、3〜30%ある、請求の範囲
    第1項の感熱謄写版原紙。
  12. 【請求項12】前記熱可塑性フィルムの融解熱量が、5
    〜10cal/gであり、かつ、ゆうてんが270℃以下である、
    請求の範囲第1項の感熱謄写版原紙。
  13. 【請求項13】前記多孔質支持体が、200g/15mm以上の
    湿潤引張り強度を有する多孔質材料からなる、請求の範
    囲第は1項の感熱謄写版原紙。
  14. 【請求項14】前記多孔質支持体が、天然繊維からな
    る、請求の範囲第13項の感熱謄写版原紙。
  15. 【請求項15】前記多孔質支持体が、天然繊維と合成繊
    維の混抄紙からなる、請求の範囲第13項の感熱謄写版原
    紙。
  16. 【請求項16】前記熱可塑性フィルムの表面(すなわち
    多孔質支持体が形成されていない方の表面)に、スティ
    ッキング防止層が形成されている、請求の範囲第1項の
    感熱謄写版原紙。
  17. 【請求項17】前記ステッキング防止層が、加熱溶融性
    で、40℃以上の融点を有する熱可塑性樹脂からなる、請
    求の範囲第16項の感熱謄写版原紙。
  18. 【請求項18】前記ステッキング防止層が、シリコーン
    樹脂の変性物からなる、請求の範囲第16項の感熱謄写版
    原紙。
  19. 【請求項19】前記ステッキング防止層が、シリコーン
    樹脂にウレタン結合、エステル結合、エーテル結合また
    はアミド結合を導入して変性した樹脂からなる、請求の
    範囲第16項の感熱謄写版原紙。
  20. 【請求項20】前記スティッキング防止層が、シリコー
    ン樹脂をポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテ
    ルもしくはエポシキ樹脂で変性した樹脂からなる、請求
    の範囲第16項の感熱謄写版原紙。
  21. 【請求項21】前記スティッキング防止層が、帯電防止
    性を有している。請求の範囲第16項の感熱放射版原紙。
  22. 【請求項22】前記スティッキング防止層上に帯電防止
    層が形成されている、請求の範囲第16項の感熱謄写版原
    紙。
  23. 【請求項23】前記多孔質支持体、熱可塑性フィルム、
    および接着層の少なくとも1つが、帯電防止性を有して
    いる、請求の範囲第1項の感熱謄写版原紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6267499A (ja) * 1985-09-20 1987-03-27 株式会社日立製作所 炉壁洗浄装置

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