JPH05212984A - 感熱謄写版原紙用接着剤、感熱謄写版原紙及びその製造方法 - Google Patents

感熱謄写版原紙用接着剤、感熱謄写版原紙及びその製造方法

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JPH05212984A
JPH05212984A JP4770792A JP4770792A JPH05212984A JP H05212984 A JPH05212984 A JP H05212984A JP 4770792 A JP4770792 A JP 4770792A JP 4770792 A JP4770792 A JP 4770792A JP H05212984 A JPH05212984 A JP H05212984A
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JP
Japan
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adhesive
base paper
heat
polyurethane resin
porous support
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JP4770792A
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Mitsuru Tsuchiya
充 土屋
Koichi Shirai
孝一 白井
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた性能の感熱謄写版原紙を経済的に提供
すること。 【構成】 ポリウレタン樹脂及び/又は放射線硬化性ポ
リウレタン樹脂と、少なくとも1個の水酸基を有する
(メタ)アクリレートモノマーとを主成分とすることを
特徴とする感熱謄写版原紙用接着剤、該接着剤を使用す
ることを特徴とする感熱謄写版原紙及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱謄写版原紙用接着
剤、感熱謄写版原紙及びその製造方法に関し、更に詳し
くは高性能な感熱謄写版原紙とその経済的な製造方法の
提供を目的とする。
【0002】
【従来の技術】従来、簡便な印刷方式として謄写印刷方
式が広く行われており、この方式では紙等の適当な多孔
質支持体表面に熱可塑性樹脂フイルムを積層したものを
感熱謄写版原紙として使用し、サーマルヘッド、フラッ
シュ露光、通電加熱、レーザー等の発熱素子により印字
して、その熱可塑性樹脂フイルムを加熱溶融して画像状
の穿孔を形成し、多孔質支持体側から印刷インキを通し
て紙等の被印刷材に印刷を行うものである。上記従来の
感熱謄写方式で使用する感熱謄写版原紙は、一般に紙等
の多孔質支持体の表面に数μm程度の薄い熱可塑性樹脂
フイルムを接着剤により積層して形成されるものであ
り、この接着剤としては、 (1)溶剤系(又は水系)接着剤(例えば、特公昭47
−1188号及び同47−1187号公報等参照)。 (2)上記溶剤型接着剤の欠点を解決する無溶剤型の硬
化性接着剤(特開昭61−286131号、同58−1
53697号、同62−181374及び同63−23
3890号公報等参照)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】上記溶剤系接着
剤の場合には、大量の溶剤を使用する為、その回収がコ
スト高であり、作業環境の維持が困難であり、製品とし
ても耐溶剤性が劣り、使用するインキが限定されるとい
う問題がある。又、水系接着剤の場合には、乾燥に要す
る熱量が膨大であり、更に乾燥時の熱によって熱可塑性
樹脂フイルムの収縮や多孔質支持体の寸法変化が発生
し、カールや皺が発生するという問題がある。又、熱硬
化型接着剤の場合には、硬化に要する熱量が膨大であ
り、更に製造時に熱可塑性樹脂フイルムの収縮や多孔質
支持体の寸法変化が発生し、カールや皺が発生するとい
う問題がある。又、室温硬化型又は湿気硬化型接着剤の
場合には、硬化速度が遅く、製造に極めて長時間を要
し、生産性に劣るという問題がある。更に放射線硬化型
接着剤の場合には、多孔質支持体としてセルロースを主
体とした繊維を使用した場合には、多孔質支持体との接
着性が不十分であり、層間剥離の問題が発生する。この
問題は接着剤を多量に使用して、多孔質支持体中に接着
剤を含浸させれば発生しないが、この場合には接着剤の
塗布量が多くなり、穿孔性が低下し、解像性の高い画像
が得られないと云う問題がある。従って、本発明の目的
は上述の如き欠点を解決し、優れた性能の感熱謄写版原
紙を経済的に提供することである。
【0004】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、ポリウレタン樹
脂及び/又は放射線硬化性ポリウレタン樹脂と、少なく
とも1個の水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマ
ーとを主成分とすることを特徴とする感熱謄写版原紙用
接着剤、該接着剤を使用することを特徴とする感熱謄写
版原紙及びその製造方法である。
【0005】
【作用】ポリウレタン樹脂及び/又は放射線硬化性ポリ
ウレタン樹脂と、少なくとも1個の水酸基を有する(メ
タ)アクリレートモノマーとを主成分とする接着剤は、
その水酸基の存在によって、使用量が少なくてもセルロ
ース系繊維を主体とする多孔性支持体に対する接着性が
良好であり、層間剥離の問題が発生しない。又、上記接
着剤は、粘度の温度依存性が著しい。従って、接着剤の
塗工時には或程度温度を上げることにより粘度は急激に
低下し優れた薄膜塗工が可能となる。この接着剤を多孔
質支持体に薄膜塗工すると、接着剤の温度が低下する
が、この温度低下によって、接着剤の粘度が急激に上が
り、従って多孔質支持体中への含浸量が著しく抑制さ
れ、解像度及び画質に優れた製品とすることが出来る。
又、実質上溶剤の使用は不要であるので、溶剤回収の問
題はなく、硬化手段として放射線(電子線)を採用する
ことにより瞬時硬化が可能であるので、優れた接着性及
び耐刷力を有する製品が極めて生産性良く提供される。
【0006】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明の接着剤は、ポリウ
レタン樹脂及び/又は放射線硬化性ポリウレタン樹脂と
少なくとも1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート
モノマーとを主成分とすることを特徴としている。上記
接着剤で使用するポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネ
ートとポリオールとから得られるもので、ポリウレタン
系樹脂にビニル基や(メタ)アクリロイル基を導入した
場合には放射線硬化性接着剤となる。これらのポリウレ
タン樹脂は、ウレタン結合(−NHCOO−)の存在に
よってセルロース系繊維に対して親和性が高く、更にこ
れらのポリウレタン樹脂に少なくとも1個の水酸基を有
する(メタ)アクリレートモノマーを混合すると、セル
ロース系繊維に対する接着性が更に向上する。又、同様
な理由で粘度の温度依存性が著しい組成物となる。
【0007】この様なポリウレタン樹脂としては種々の
グレードのものが市場から入手出来、いずれも本発明で
使用することが出来るが、特に本発明において好適なも
のは、ポリイソシアネートとポリオールと単官能アルコ
ールとを反応させて得られるものである。使用するポリ
イソシアネートとしては、例えば、トルイジンジイソシ
アネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート等が挙げら
れ、ポリオールとしては、1,4−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、モノ(又はジ、トリ、テト
ラ)エチレングリコール、モノ(又はジ、トリ、テト
ラ)プロピレングリコール、1,6−ヘキサメチレンジ
オール等が挙げられ、アルコールとしては、メチルアル
コール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、
i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−
ブチルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ等が挙げられる。
【0008】上記成分からなるポリウレタン樹脂は、当
量比でイソシアネート/ポリオール+アルコール=0.
8〜1.1程度の比率で反応させ、ポリオール/アルコ
ールとの当量比は1/9〜1程度の比率が好適である。
アルコールの使用量が少なすぎると得られるポリウレタ
ン樹脂の分子量が高くなりずぎ、粘度の温度依存性が低
下し、一方、アルコールの使用量が多すぎると、ポリウ
レタン樹脂の分子量が低くなりすぎ、接着性が低下する
ので好ましくない。従って本発明で使用するポリウレタ
ン樹脂の分子量は500〜1,500程度の範囲が好ま
しい。又、これらのポリオール及び単官能アルコール中
に1個以上の(メタ)アクリレート基を導入することに
よって、放射線硬化性ポリウレタン樹脂とすることが出
来る。
【0009】又、本発明で使用する少なくとも1個の水
酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、
一般に市販されているものでよく、例えば、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェ
ノキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルオキシ
エチルモノサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシ
エチルモノフタレート等が挙げられるが、本発明では、
エチレングルコール、ジエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−又は
1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、グリセリン等の多価アルコールをエピクロルヒドリ
ン等と反応させて得られるエポキシ樹脂に(メタ)アク
リル酸を2モル以上反応させて得られる、少なくとも2
個の水酸基と少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基
を有するエポキシアクリレート等の多官能モノマーを使
用することによって、得られる接着剤のセルロース系繊
維に対する接着性を更に向上させることが出来る。又、
粘度を低下させる目的で、低分子量の他のビニルモノマ
ーやアクリルモノマー等を適当量併用することが出来
る。
【0010】前記ポリウレタン樹脂と上記(メタ)アク
リレートモノマーとの混合比は、混合物の粘度が85℃
で300cps以下で、且つ50℃で1,200cps 以
上である様に配合するのが、多孔質支持体に対する塗工
性及び含浸防止性の面で好ましい。具体的な配合比は、
使用するポリウレタン樹脂の分子量や(メタ)アクリレ
ートモノマーの種類等によって変化するが、ポリウレタ
ン樹脂/(メタ)アクリレートモノマー=50〜90/
50〜10の重量比が好ましい。又、塗工性の調整の為
に、メチルエチルケトンや酢酸エチル等の揮発性溶剤
を、少量であれば、例えば、固形分(ポリウレタン樹脂
+(メタ)アクリレートモノマー)が60重量%未満に
ならない範囲で配合してもよく、この場合には、該接着
剤の熱可塑性樹脂フイルムに対する塗工性が向上し、フ
イルムの変形や皺を発生することなく、フイルム面に接
着剤を良好に薄く塗工することが出来る。勿論、接着剤
が少量の溶剤を含む場合には、該接着剤の硬化前に溶剤
を蒸発させることが好ましい。
【0011】本発明の感熱謄写版原紙で使用する多孔質
支持体とは、印刷時に使用する印刷インキが、通過出来
る様に多孔質であること必要であり、例えば、各種の
紙、特に和紙の如く目の粗い紙やレーヨン、ビニロン、
ポリエステル、アクリロニトリル、ポリアミド等の化学
繊維からなる合成紙やメッシュシート、化学繊維とマニ
ラ麻、コクゾ、ミツマタ等の天然繊維との混抄紙等、従
来の感熱謄写版原紙の多孔質支持体として使用されるも
のはいずれも本発明において使用することが出来、特に
限定されないが、例えば、坪量8〜12g/m2 程度の
セルロース系繊維を主体とする天然繊維紙や混抄維等が
有利に使用される。
【0012】上記多孔質支持体の表面に積層する熱可塑
性樹脂フイルム自体も従来技術の感熱謄写版原紙に使用
されているもの、例えば、ポリ塩化ビニルフイルム、塩
化ビニル−塩化ビニリデン共重合フイルム、ポリエステ
ルフイルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィンフイルム、ポリスチレンフイルム等がいずれも
使用することが出来、これらの熱可塑性樹脂フイルム
は、サーマルヘッド等の加熱手段によって容易に穿孔が
形成される様に、その厚みは20μm以下、好ましくは
10μm以下、最適には1〜5μmの厚みである。
【0013】本発明の感熱謄写版原紙は、上記の接着剤
によって前記の熱可塑性樹脂フイルムと多孔質支持体と
を接着してなることを主たる特徴とするが、上記の接着
剤が有機溶剤を含まない場合には、多孔質支持体側に塗
布するのが好ましく、一方、少量の溶剤を含む場合に
は、熱可塑性樹脂フイルム側にも良好に塗工することが
出来る。従来は、加熱によって適度の流動性を与えられ
た電子線硬化性接着剤を多孔質支持体側に塗布すると、
電子線硬化性接着剤が多孔質支持体中に浸み込み、良好
な品質の製品が得られないが、本発明で使用する接着剤
は、前記説明の様に粘度の温度依存性が著しい為、接着
剤の塗工時には或程度温度を上げることにより、優れた
薄膜塗工が可能である。一方、この接着剤を多孔質支持
体に薄膜塗工すると、接着剤の温度が低下するが、この
温度低下によって、接着剤の粘度が急激に上がり、従っ
て多孔質支持体中への含浸量が著しく抑制される。
【0014】塗布方法は、マルチロールコーティング方
法が好ましいが、ブレードコーティング方法、グラビア
コーティング方法、ナイフコーティング方法、リバース
ロールコーティング方法、スプレーコーティング方法、
オフセットグラビアコーティング方法、キスコーティン
グ方法等でもよく、特に限定されない。塗布量はあまり
に多すぎると製版時の熱穿孔性が低下し、又、少なすぎ
ると接着力に問題が生じるので、例えば、約0.1〜5
μm程度の厚みが好適である。上記の塗工は、接着剤が
無溶剤であるときは、接着剤が十分な塗布特性を有する
温度、例えば、80〜90℃程度の昇温下で行うのが好
ましいが、接着剤が少量の溶剤を含む場合には常温でも
塗工することが出来る。上記の接着剤の塗工後、冷却に
よって接着剤層が難流動性となるが、該接着剤層はモノ
マーの存在によってある程度の接着性又は粘着性を保持
しており、この状態で支持体とフイルムとの両者をラミ
ネートする。ラミネートしながら或いはラミネート後に
熱可塑性樹脂フイルム側又は多孔質支持体側から電子線
等の放射線を照射して接着剤層を硬化させることによ
り、両者は強固に接着し、本発明の感熱謄写版原紙が得
られる。
【0015】電子線は積層物のいずれの面から照射して
もよく、照射装置としては従来技術がそのまま使用する
ことが出来、例えば、電子線硬化の場合にはコックロフ
トワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア
変圧器型、直線型、エレクトロカーテン型、ダイナミト
ロン型、高周波型等の各種電子線加速機から放出される
50〜1,000KeV 、好ましくは100〜300KeV
のエネルギーを有する電子線等が使用され、照射線量は
1〜5Mrad程度の線量が好ましい。以上の如き本発明の
感熱謄写版原紙は、優れた製版特性を有するが、サーマ
ルヘッドや他の方法でその熱可塑性樹脂フイルムを加熱
して謄写孔を形成する際に、条件によってはサーマルヘ
ッドが熱可塑性樹脂フイルムに粘着して熱可塑性樹脂フ
イルムを破壊したり、又、ポジ原稿フイルムを介して露
光により謄写孔を形成する場合にはポジ原稿フイルムが
粘着する恐れが生じる。
【0016】この様な問題を解決する為には、その熱可
塑性樹脂フイルム上に粘着防止層を形成することが好ま
しい。この粘着防止層は、加熱溶融性であると共に非粘
着性であることが必要である。この様な加熱溶融性樹脂
としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリ
デン等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、
メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ
ビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リオキシエチレンテレフタレート、ポリエチレンオキサ
イド樹脂等が使用することが出来、更に形成される粘着
防止層の滑り性等を向上させる目的で界面活性剤、例え
ば、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイ
ン酸等のリチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウ
ム、バリウム、アルミニウム等の金属塩等の脂肪酸金属
塩、リン酸エステル型界面活性剤、ポリオキシエチレン
型の界面活性剤、モノ、ジアルキルリン酸エステル、ト
リ(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)リン酸エス
テル等の界面活性剤又はシリコーン系オイル等を上記樹
脂100重量部当り約10〜200重量部の割合で加え
て粘着防止層を形成するのが好ましい。
【0017】上記樹脂(及び界面活性剤)からなる粘着
防止層は、これらの材料を有機溶剤又は水中に溶解又は
分散させて塗工液を作り、これを任意の方法で熱可塑性
樹脂フイルム層の面に塗布して形成すればよい。粘着防
止層の厚みは、あまりに厚すぎると感熱性が低下し、穿
孔の形成が不十分になるので薄い方が好ましく、例え
ば、約0.1〜10μm程度の厚みが好ましい。この粘
着防止層の形成する時期は特に限定されず、発明の感熱
謄写版原紙を形成後でもよいし、形成中でもよいし、
又、熱可塑性樹脂フイルムの原反に形成してもよい。
【0018】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に
断りのない限り重量基準である。 実施例1 ポリウレタン樹脂70部とアクリル酸エステルモノマー
(アロニックス M5700 、東亜合成製)30部を混合し
て、85℃で粘度350cps 、50℃で粘度3,000
cps の電子線硬化性接着剤を調製した。上記ポリウレタ
ン樹脂は下記配合でジ−n−ブチル錫ジラウリレートを
触媒として合成したものである。 トリレンジイソシアネート 3モル 1,3−ブタンジオール 0.8モル 1,4−ブタンジオール 0.2モル n−ブタノール 1.5モル i−イソプロピルアルコール 1.8モル メチルセロソルブ 0.5モル t−ブタノール 0.2モル 上記の電子線硬化性接着剤を90℃で、マルチロールコ
ーティングにより、マニラ麻/ポリエステル混抄紙に、
1.0g/m2 の割合で塗布し、その面に1.8μmの
厚みのポリエチレンテレフタレートフイルムを圧着後、
電子線を3Mrad照射してラミネートした。更にポリエス
テルフイルム面にシリコンオイル/ポリエステル樹脂混
合物からなる熱融着防止剤を固形分で0.5g/m2
割合で塗工し、本発明の感熱謄写版原紙を得た。
【0019】実施例2 実施例1における電子線硬化性接着剤に代えて、次の組
成の電子線硬化性接着剤を使用して、実施例1と同様に
して本発明の感熱謄写版原紙を得た。 ポリウレタン樹脂 70部 エポキシアクリレートモノマー(1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエ ーテルジアクリレート、カヤラットR167、日本化薬製) 40部 (85℃で粘度250cps 、50℃で粘度1,500cps ) 上記ポリウレタン樹脂は下記配合でジ−n−ブチル錫ジ
ラウリレートを触媒として合成したものである。 トリレンジイソシアネート 2モル 2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA) 0.8モル 1,3−ブタンジオール 0.8モル n−ブタノール 0.8モル i−イソプロピルアルコール 0.8モル
【0020】実施例3 次の組成の電子線硬化性接着剤を実施例1と同じポリエ
ステルフイルムに乾燥時2g/m2 になる様に塗布及び
乾燥後、マニラ麻/ポリエステル混抄紙にラミネート
し、しかる後電子線を照射して硬化させ本発明の感熱謄
写版原紙を得た。 ポリウレタン樹脂(ウレタンアクリレート、紫光UV−4200B、日本合 成製) 60部 アクリル酸エステルモノマー(ペンタエリスリトールトリアクリレート、カ ヤラッドPET−30、日本化薬製) 40部 (85℃における粘度200cps、50℃における粘度1,400cps)
【0021】比較例1 ポリエステル樹脂(バイロン200 、東洋紡製)をメチル
エチルケトンに固形分10%で溶解した接着剤塗料を作
成し、以下実施例1と同様にして比較例の感熱謄写版原
紙を得た。 比較例2 実施例2中のエポキシアクリレートの代わりに水酸基を
有さないアクリル酸エステルモノマー(トリメチロール
プロパントリアクリレート、カヤラッドTMPTA、日
本化薬製)を用い、以下実施例1と同様にして比較例の
感熱謄写版原紙を得た。 使用例 上記本発明及び比較例の感熱謄写版原紙を用いてリコー
プリポートSS950にて製版及び印刷を行ったとこ
ろ、下記表1の結果が得られた。
【表1】
【0022】
【効果】以上の如き本発明によれば、ポリウレタン樹脂
及び/又は放射線硬化性ポリウレタン樹脂と少なくとも
1個の水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーと
を主成分とする接着剤は、その水酸基の存在によって、
使用量が少なくてもセルロース系繊維を主体とする多孔
性支持体に対する接着性が良好であり、層間剥離の問題
が発生しない。又、上記接着剤は、粘度の温度依存性が
著しい。従って、接着剤の塗工時には或程度温度を上げ
ることにより粘度は急激に低下し優れた薄膜塗工が可能
となる。この接着剤を多孔質支持体に薄膜塗工すると、
接着剤の温度が低下するが、この温度低下によって、接
着剤の粘度が急激に上がり、従って多孔質支持体中への
含浸量が著しく抑制され、解像度及び画質に優れた製品
とすることが出来る。又、実質上溶剤の使用は不要であ
るので、溶剤回収の問題はなく、硬化手段として放射線
(電子線)を採用することにより瞬時硬化が可能である
ので、優れた接着性及び耐刷力を有する製品が極めて生
産性良く提供される。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン樹脂及び/又は放射線硬化
    性ポリウレタン樹脂と、少なくとも1個の水酸基を有す
    る(メタ)アクリレートモノマーとを主成分とすること
    を特徴とする感熱謄写版原紙用接着剤。
  2. 【請求項2】 (メタ)アルリレートモノマーが少なく
    とも2個の水酸基と少なくとも2個の(メタ)アクリロ
    イル基を有する請求項1に記載の感熱謄写版原紙用接着
    剤。
  3. 【請求項3】 接着剤の粘度が85℃で300cps以
    下で、且つ50℃で1,200cps 以上である請求項1
    に記載の感熱謄写版原紙用接着剤。
  4. 【請求項4】 多孔質支持体の一方の面に接着剤層を介
    して熱可塑性樹脂フイルムを積層してなる感熱謄写版原
    紙において、上記接着剤層が請求項1に記載の接着剤で
    あることを特徴とする感熱謄写版原紙。
  5. 【請求項5】 多孔質支持体がセルロース系繊維を主体
    としてなる請求項4に記載の感熱謄写版原紙。
  6. 【請求項6】 多孔質支持体又は熱可塑性樹脂フイルム
    の一方の表面に、請求項1に記載の接着剤を塗布して、
    その面に熱可塑性樹脂フイルム又は多孔質支持体を積層
    し、しかる後に放射線を照射して両者を接着させること
    を特徴とする感熱謄写版原紙の製造方法。
  7. 【請求項7】 多孔質支持体がセルロース系繊維を主体
    としてなる請求項6に記載の感熱謄写版原紙の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010214635A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Shikiso Ota Ohtas:Kk サーマルヘッド感熱性スクリーン印刷用孔版原紙及び該孔版原紙を用いた製版方法
JP2017087666A (ja) * 2015-11-16 2017-05-25 王子ホールディングス株式会社 積層体及び積層体の製造方法

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