JPH05246170A - 感熱謄写版原紙用薄葉支持体、感熱謄写版原紙及びその製造方法 - Google Patents

感熱謄写版原紙用薄葉支持体、感熱謄写版原紙及びその製造方法

Info

Publication number
JPH05246170A
JPH05246170A JP8316492A JP8316492A JPH05246170A JP H05246170 A JPH05246170 A JP H05246170A JP 8316492 A JP8316492 A JP 8316492A JP 8316492 A JP8316492 A JP 8316492A JP H05246170 A JPH05246170 A JP H05246170A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fibers
heat
adhesive
base paper
paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8316492A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuru Tsuchiya
充 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP8316492A priority Critical patent/JPH05246170A/ja
Publication of JPH05246170A publication Critical patent/JPH05246170A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷時に白抜けが発生せず、印刷機内での搬
送性に優れ且つ優れた画像を与える感熱謄写版原紙を経
済的に提供すること。 【構成】 天然繊維同士、或は天然繊維と合成繊維との
混抄紙において、天然繊維のうちパルプ繊維が全繊維の
5〜90重量%を占め、且つパルプ繊維が一方の面側に
偏在していることを特徴とする感熱謄写版原紙用薄葉支
持体、該薄葉支持体を使用した感熱謄写版原紙及びその
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱謄写版原紙用薄葉支
持体、感熱謄写版原紙及びその製造方法に関し、更に詳
しくは高性能な感熱謄写版原紙とその経済的な製造方法
の提供を目的とする。
【0002】
【従来の技術】従来、簡便な印刷方式として謄写印刷方
式が広く行われており、この方式では紙等の適当な多孔
質支持体表面に熱可塑性樹脂フイルム層を積層したもの
を感熱謄写版原紙として使用し、サーマルヘッド等によ
り印字して、その熱可塑性樹脂フイルム層を加熱溶融し
て画像状の穿孔を形成し、多孔質支持体側から印刷イン
キを通して紙等の被印刷材に印刷を行うものである。上
記従来の感熱謄写方式で使用する感熱謄写版原紙は、一
般に紙等の多孔質支持体の表面に数μm程度の薄い熱可
塑性樹脂フイルム層を接着剤により積層して形成されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】上記で使用する
多孔質支持体としては、和紙の如き天然繊維からなる紙
類、合成繊維からなる不織布、天然繊維と合成繊維との
混抄紙等が使用されている。しかしながら、和紙の如き
パルプ紙の場合には、安価であり且つ腰が強く、印刷機
内での搬送性に優れているが、和紙を構成しているパル
プ繊維の径が太い為、穿孔部に該繊維が存在すると、フ
イルムの穿孔を妨げる為、印字画像に繊維目に従った白
抜け部が発生するという問題がある。一方、合成繊維か
らなる支持体の場合には、繊維の太さを微細化すること
が容易であり、極細繊維も使用することが出来、この場
合には上記の白抜けの問題は解消される(特開平2−6
7197号公報参照)が、高価であり且つ腰が弱く印刷
機内での搬送性に大きな問題がある。上記問題を解決す
る方法として和紙と合成繊維紙とを積層する方法があ
り、この場合には上記の問題が解決されるが、工程的に
非常に高価となり、工業的には採用困難である。更に、
天然繊維と合成繊維を混合した混抄紙も使用されている
が、この場合には繊維径の大なる天然繊維がランダムに
存在する為に、天然繊維による白抜けの問題は十分には
解決されない(特開昭61−254396号公報参
照)。従って、本発明の目的は上述の如き欠点を解決
し、印刷時に白抜けが発生せず、印刷機内での搬送性に
優れ且つ優れた画像を与える感熱謄写版原紙を経済的に
提供することである。
【0004】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、天然繊維同士、
或は天然繊維と合成繊維との混抄紙或は不織布からなる
感熱謄写版原紙用薄葉支持体において、天然繊維のうち
パルプ繊維が全繊維の5〜90重量%を占め、且つパル
プ繊維が一方の面側に偏在していることを特徴とする感
熱謄写版原紙用薄葉支持体、該薄葉支持体を使用した感
熱謄写版原紙及びその製造方法である。
【0005】
【作用】天然繊維同士、或は天然繊維と合成繊維との混
抄紙或は不織布であって、天然繊維のうちパルプ繊維が
全繊維の5〜90重量%を占め、且つパルプ繊維が一方
の面側に偏在している薄葉支持体を、謄写版原紙の多孔
性支持体として使用することによって、印刷時に白抜け
が発生せず、印刷機内での搬送性に優れ且つ優れた画像
を与える感熱謄写版原紙を経済的に提供することが出来
る。
【0006】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明の薄葉支持体は、天
然繊維同士、或は天然繊維と合成繊維との混抄紙或は不
織布であって、天然繊維のうちパルプ繊維が全繊維の5
〜90重量%を占め、且つパルプ繊維が一方の面側に偏
在していることを特徴としている。天然繊維としては、
例えば、パルプ繊維、マニラ麻、コクゾ、ミツマタ等の
天然繊維が挙げられ、一方、合成繊維としては、例え
ば、レーヨン、ビニロン、アクリル、ポリエステル、ア
クリロニトリル、ポリアミド、ポリオレフィン、ガラス
等の合成繊維が挙げられる。
【0007】本発明の薄葉支持体は、上記の繊維からな
る薄葉支持体において、パルプ繊維が5〜90重量%を
占めることが必要であり、上記範囲を越えると、パルプ
繊維の太さによる画像の白抜けが発生し易く、一方、上
記範囲未満であると、腰が弱く搬送性が不満足となる。
更に本発明の薄葉支持体は、上記パルプ繊維が、形成さ
れる薄葉支持体の一方の側に偏在しており、他方の側に
はパルプ繊維よりも細い繊維、好ましくは3デニール以
下の繊維が偏在していることが必要である。この様な構
成とすることによって、図1に図解的に示す様にパルプ
繊維1が偏在している側の反対側に接着剤層2を介して
熱可塑性合成樹脂フイルム3を積層することによって、
径の太いパルプ繊維間を通過したインキは、インキ通過
孔4において反対側の径の細い繊維5の部分を通過して
紙に印刷されるので、印字に太いパルプ繊維による筋状
の白抜け部分が発生することがない。この様な機構で印
刷される為、径の細い繊維は3デニール以下の繊維であ
ることが好ましく、3デニールを越える繊維では筋状の
白抜けを防止することが困難である。この様な極細繊維
は天然繊維でもよいが、繊維径を自由に調整することが
出来る合成繊維が好ましい。一方、パルプ繊維は剛性が
高い為、形成される謄写版原紙は十分な腰を有し、印刷
機内での搬送性に優れている。
【0008】以上の如き本発明の薄葉支持体が、混抄薄
葉紙である場合には、通常の湿式抄紙方法を用い、パル
プ主体の繊維からなるスラリーと、細い繊維を主体とす
るスラリーとを別々に調製し、これらを多層になる様に
抄込む方法によって容易に調製することが出来る。又、
薄葉支持体が混抄不織布である場合にも通常の方法を用
いることが出来、この場合にも多層になる様にパルプを
主体とする繊維層と細い繊維を主体となる層とを別々に
形成することによって得られる。即ち、予め形成してお
いたパルプ繊維を主体とする混抄薄葉紙の上に、乾式で
細い繊維を主体とする層を形成する。或はそのは逆の方
法も同様に可能可能である。以上の様にして得られる混
抄薄葉紙或は不織布は、インク透過性、強度、剛性等を
考慮して坪量5〜20g/m程度、厚み10〜100
μm程度が好ましい。又、パルプ繊維が偏在するという
ことは、理想的には層が分離している状態或は連続的に
傾斜している場合といずれでもよいが、本発明において
『偏在』するとは偏在面の表面から10μmの深さまで
の層中にパルプ繊維が重量で50〜100%存在してい
ることを意味している。存在量が70〜100%であれ
ば、本発明で期待される効果が著しく好ましい。又、薄
葉紙或は不織布からの繊維の脱離或は支持体剛度の向上
を目的として外添法によるサイズ処理を施すことも好ま
しい。
【0009】本発明の感熱謄写版原紙の構成に使用する
接着剤は、従来公知のいずれの接着剤でもよいが、特に
好ましい接着剤は、ポリウレタン樹脂及び/又は放射線
硬化性ポリウレタン樹脂と少なくとも1個の水酸基を有
する(メタ)アクリレートモノマーとを主成分とする接
着剤である。上記接着剤で使用するポリウレタン樹脂
は、ポリイソシアネートとポリオールとから得られるも
ので、ポリウレタン系樹脂にビニル基や(メタ)アクリ
ロイル基を導入した場合には放射線硬化性接着剤とな
る。これらのポリウレタン樹脂は、ウレタン結合(−N
HCOO−)の存在によってパルプ繊維に対して親和性
が高く、更にこれらのポリウレタン樹脂に少なくとも1
個の水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーを混
合すると、パルプ繊維に対する接着性が更に向上する。
又、同様な理由で粘度の温度依存性が著しい組成物とな
る。
【0010】この様なポリウレタン樹脂としては種々の
グレードのものが市場から入手出来、いずれも本発明で
使用することが出来るが、特に本発明において好適なも
のは、ポリイソシアネートとポリオールと単官能アルコ
ールとを反応させて得られるものである。使用するポリ
イソシアネートとしては、例えば、トルイジンジイソシ
アネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート等が挙げら
れ、ポリオールとしては、1,4−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、モノ(又はジ、トリ、テト
ラ)エチレングリコール、モノ(又はジ、トリ、テト
ラ)プロピレングリコール、1,6−ヘキサメチレンジ
オール等が挙げられ、アルコールとしては、メチルアル
コール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、
i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−
ブチルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ等が挙げられる。
【0011】上記成分からなるポリウレタン樹脂は、当
量比でイソシアネート/ポリオール+アルコール=0.
8〜1.1程度の比率で反応させ、ポリオール/アルコ
ールとの当量比は1/9〜1程度の比率が好適である。
アルコールの使用量が少なすぎると得られるポリウレタ
ン樹脂の分子量が高くなりずぎ、粘度の温度依存性が低
下し、一方、アルコールの使用量が多すぎると、ポリウ
レタン樹脂の分子量が低くなりすぎ、接着性が低下する
ので好ましくない。従って本発明で使用するポリウレタ
ン樹脂の分子量は500〜1,500程度の範囲が好ま
しい。
【0012】又、本発明で使用する少なくとも1個の水
酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、
一般に市販されているものでよく、例えば、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェ
ノキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルオキシ
エチルモノサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシ
エチルモノフタレート等が挙げられるが、本発明では、
エチレングルコール、ジエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−又は
1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、グリセリン等の多価アルコーリをエピクロルヒドリ
ン等と反応させて得られるエポキシ樹脂に(メタ)アク
リル酸を2モル以上反応させて得られる、少なくとも2
個の水酸基と少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基
を有するエポキシアクリレート等の多官能モノマーを使
用することによって、得られる接着剤のパルプ繊維に対
する接着性を更に向上させることが出来る。又、粘度を
低下させる目的で、低分子量の他のビニルモノマーやア
クリルモノマー等を適当量併用することが出来る。
【0013】前記ポリウレタン樹脂と上記(メタ)アク
リレートモノマーとの混合比は、混合物の粘度が85℃
で400cps 以下で、且つ70℃で1,200cps 以上
である様に配合するのが、多孔質支持体に対する塗工性
及び含浸防止性の面で好ましい。具体的な配合比は、使
用するポリウレタン樹脂の分子量や(メタ)アクリレー
トモノマーの種類等によって変化するが、ポリウレタン
樹脂/(メタ)アクリレートモノマー=40〜90/6
0〜10の重量比が好ましい。又、塗工性の調整の為
に、メチルエチルケトンや酢酸エチル等の揮発性溶剤
を、少量であれば、例えば、固形分(ポリウレタン樹脂
+(メタ)アクリレートモノマー)が60重量%未満に
ならない範囲で配合してもよく、この場合には、該接着
剤の熱可塑性樹脂フイルムに対する塗工性が向上し、フ
イルムの変形や皺を発生することなく、フイルム面に接
着剤を良好に薄く塗工することが出来る。勿論、接着剤
が少量の溶剤を含む場合には、該接着剤の硬化前に溶剤
を蒸発させることが好ましい。
【0014】上記多孔質支持体の表面に積層する熱可塑
性樹脂フイルム自体も従来技術の感熱謄写版原紙に使用
されているもの、例えば、ポリ塩化ビニルフイルム、塩
化ビニル−塩化ビニリデン共重合フイルム、ポリエステ
ルフイルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィンフイルム、ポリスチレンフイルム等がいずれも
使用出来、これらの熱可塑性樹脂フイルムは、サーマル
ヘッド等の加熱手段によって容易に穿孔が形成される様
に、その厚みは20μm以下、好ましくは10μm以
下、最適には1〜5μmの厚みである。
【0015】本発明の感熱謄写版原紙は、上記の接着剤
によって前記の熱可塑性樹脂フイルムと本発明の薄葉支
持体とを接着してなることを主たる特徴とするが、上記
の接着剤が有機溶剤を含まない場合には、薄葉支持体側
に塗布するのが好ましく、一方、少量の溶剤を含む場合
には、熱可塑性樹脂フイルム側にも良好の塗工すること
が出来る。従来は、加熱によって適度の流動性を与えら
れた電子線硬化性接着剤を多孔質支持体側に塗布する
と、電子線硬化性接着剤が多孔質支持体中に浸み込み、
良好な品質の製品が得られないが、本発明で使用する接
着剤は、前記説明の様に粘度の温度依存性が著しい為、
接着剤の塗工時には或程度温度を上げることにより、優
れた薄膜塗工が可能である。一方、この接着剤を多孔質
支持体に薄膜塗工すると、接着剤の温度が低下するが、
この温度低下によって、接着剤の粘度が急激に上がり、
従って多孔質支持体中への含浸量が著しく抑制される。
【0016】塗布方法は、マルチロールコーティング方
法が好ましいが、ブレードコーティング方法、グラビア
コーティング方法、ナイフコーティング方法、リバース
ロールコーティング方法、スプレーコーティング方法、
オフセットグラビアコーティング方法、キスコーティン
グ方法等でもよく、特に限定されない。塗布量はあまり
に多すぎると製版時の熱穿孔性が低下し、又、少なすぎ
ると接着力に問題が生じるので、例えば、約0.2〜5
μm程度の厚みが好適である。上記の塗工は、接着剤が
無溶剤であるときは、接着剤が十分な塗布特性を有する
温度、例えば、80〜90℃程度の昇温下で行うのが好
ましいが、接着剤が少量の溶剤を含む場合には常温でも
塗工することが出来る。上記の接着剤の塗工後、冷却に
よって接着剤層が非流動性となるが、該接着剤層はモノ
マーの存在によってある程度の接着性又は粘着性を保持
しており、この状態で支持体とフイルムとの両者をラミ
ネートする。ラミネートしながら或いはラミネート後に
熱可塑性樹脂フイルム側又は多孔質支持体側から電子線
等の放射線を照射して接着剤層を硬化させることによ
り、両者は強固に接着し、本発明の感熱謄写版原紙が得
られる。
【0017】電子線は積層物のいずれの面から照射して
もよく、照射装置としては従来技術がそのまま使用出
来、例えば、電子線硬化の場合にはコックロフトワルト
ン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器
型、直線型、エレクトロカーテン型、ダイナミトロン
型、高周波型等の各種電子線加速機から放出される50
〜1,000KeV 、好ましくは100〜300KeV のエ
ネルギーを有する電子線等が使用され、照射線量は1〜
5Mrad程度の線量が好ましい。以上の如き本発明の感熱
謄写版原紙は、優れた製版特性を有するが、サーマルヘ
ッドや他の方法でその熱可塑性樹脂フイルム層を加熱し
て謄写孔を形成する際に、条件によってはサーマルヘッ
ドが熱可塑性樹脂フイルム層に粘着して熱可塑性樹脂フ
イルム層を破壊したり、又、ポジ原稿フイルムを介して
露光により謄写孔を形成する場合にはポジ原稿フイルム
が粘着する恐れが生じる。
【0018】この様な問題を解決する為には、その熱可
塑性樹脂フイルム層上に粘着防止層を形成することが好
ましい。この粘着防止層は、加熱溶融性であると共に非
粘着性であることが必要である。この様な加熱溶融性樹
脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニ
リデン等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、
ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリオキシエチレンテレフタレート、ポリエチレン
オキサイド樹脂等が使用出来、更に形成される粘着防止
層の滑り性等を向上させる目的で界面活性剤、例えば、
ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイン酸
等のリチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バ
リウム、アルミニウム等の金属塩等の脂肪酸金属塩、リ
ン酸エステル型界面活性剤、ポリオキシエチレン型の界
面活性剤、モノ、ジアルキルリン酸エステル、トリ(ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル)リン酸エステル等
の界面活性剤を上記樹脂100重量部当り約10〜20
0重量部の割合で加えて粘着防止層を形成するのが好ま
しい。
【0019】上記樹脂(及び界面活性剤)からなる粘着
防止層は、これらの材料を有機溶剤又は水中に溶解又は
分散させて塗工液を作り、これを任意の方法で熱可塑性
樹脂フイルム層の面に塗布して形成すればよい。粘着防
止層の厚みは、あまりに厚すぎると感熱性が低下し、穿
孔の形成が不十分になるので薄い方が好ましく、例え
ば、約0.1〜10μm程度の厚みが好ましい。この粘
着防止層の形成する時期は特に限定されず、発明の感熱
謄写版原紙を形成後でもよいし、形成中でもよいし、
又、熱可塑性樹脂フイルムの原反に形成してもよい。
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に
断りのない限り重量基準である。
【0020】実施例1 繊度5デニールのパルプ繊維(A)からなるスラリー
と、0.5デニールのポリエチレンテレフタレート繊維
(B)からなるスラリーとを夫々調製し、円網抄紙機に
よってスラリー(A)と(B)と多層に抄造した。この
薄葉紙の坪量は10g/mであり、(A)と(B)と
の混抄の比率は85%と15%であった。 実施例2 実施例1のスラリー(B)の代わりに繊度2デニールの
マニラ麻50%及び0.5デニールのポリエチレンテレ
フタレート繊維50%(B)を用い、(A)と(B)と
の混抄比率を70%と30%とした以外は実施例1と同
様に抄造し、本発明の混抄薄葉紙を得た。 実施例3 繊度4デニールのパルプ繊維からなる10g/mの薄
葉紙上に、メルトブロー法によって、0.2デニールの
ポリプロピレン繊維を2g/mの割合で積層して本発
明の混抄薄葉紙を得た。 実施例4 ポリウレタン樹脂80部とアクリル酸エステルモノマー
(アロニックス M5700 、東亜合成製)20部を混合し
て、85℃で粘度750cps 、70℃で粘度1,500
cps の電子線硬化性接着剤を調製した。上記ポリウレタ
ン樹脂は下記配合でジ−n−ブチル錫ジラウリレートを
触媒として合成したものである。 トリレンジイソシアネート 3モル 1,3−ブタンジオール 0.8モル 1,4−ブタンジオール 0.2モル n−ブタノール 1.5モル i−イソプロピルアルコール 1.8モル メチルセロソルブ 0.5モル t−ブタノール 0.2モル 上記の電子線硬化性接着剤を80℃で、マルチロールコ
ーティングにより、実施例1の薄葉支持体のパルプ繊維
側の反対面に、0.5g/m2 の割合で塗布し、その面
に1.8μmの厚みのポリエチレンテレフタレートフイ
ルムを圧着後、電子線を3Mrad照射してラミネートし
た。更にポリエステルフイルム面にシリコンオイル/ポ
リエステル樹脂混合物からなる熱融着防止剤を固形分で
0.2g/m2 の割合で塗工し、本発明の感熱謄写版原
紙を得た。
【0022】実施例5 実施例4における電子線硬化性接着剤に代えて、次の組
成の電子線硬化性接着剤を実施例2の薄葉支持体のパル
プ繊維側の反対面に塗工し、他は実施例4と同様にして
本発明の感熱謄写版原紙を得た。 ポリウレタン樹脂 70部 アクリル酸エステルモノマー(アロニックス M5700 、東亜合成製)25部 アクリル酸エステルモノマー(アロニックス M5600 、東亜合成製) 5部 を混合して、85℃で粘度950cps 、70℃で粘度
2,000cps の電子線硬化性接着剤を調製した。上記
ポリウレタン樹脂は下記配合でジ−n−ブチル錫ジラウ
リレートを触媒として合成したものである。 トリレンジイソシアネート 2モル 1,3−ブタンジオール 0.8モル n−ブタノール 1.2モル i−イソプロピルアルコール 1.2モル
【0023】実施例6 次の組成の電子線硬化性接着剤を実施例4と同じポリエ
ステルフイルムに乾燥時2g/m2 になる様に塗布及び
乾燥後、実施例3の薄葉支持体のパルプ繊維側の反対面
に接着し、しかる後電子線を照射して硬化させ本発明の
感熱謄写版原紙を得た。 ポリウレタン樹脂 72部 アクリル酸エステルモノマー(アロニックス M5700 、東亜合成製) 8部 メチルエチルケトン 20部 上記ポリウレタン樹脂は下記配合でジ−n−ブチル錫ジ
ラウリレートを触媒として合成したものである。 トリレンジイソシアネート 2モル 1,3−ブタンジオール 1モル i−イソプロピルアルコール 2モル
【0024】比較例1 ポリエステル樹脂(バイロン200 、東洋紡製)をメチル
エチルケトンに固形分10%で溶解した接着剤塗料を作
成し、これを和紙に塗工し、以下実施例1と同様にして
比較例の感熱謄写版原紙を得た。 使用例 上記本発明及び比較例の感熱謄写版原紙を用いてリコー
プリポートSS950にて製版及び印刷を行ったとこ
ろ、下記表1の結果が得られた。
【表1】
【0025】
【効果】以上の如き本発明によれば、天然繊維、或は天
然繊維と合成繊維との混抄紙或は不織布であって、天然
繊維のうちパルプ繊維が全繊維の5〜90重量%を占
め、且つパルプ繊維が一方の面側に偏在している薄葉支
持体を謄写版原紙の多孔性支持体として使用することに
よって、印刷時に白抜けが発生せず、印刷機内での搬送
性に優れ且つ優れた画像を与える感熱謄写版原紙を経済
的に提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄葉支持体及び感熱謄写版原紙の断面
を図解的に説明する図。
【符号の説明】
1:パルプ繊維 2:接着剤層 3:可塑性合成樹脂フイルム 4:インキ通過孔 5:径の細い繊維

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然繊維同士、或は天然繊維と合成繊維
    との混抄紙或は不織布からなる感熱謄写版原紙用薄葉支
    持体において、天然繊維のうちパルプ繊維が全繊維の5
    〜90重量%を占め、且つパルプ繊維が一方の面側に偏
    在していることを特徴とする感熱謄写版原紙用薄葉支持
    体。
  2. 【請求項2】 パルプ繊維が偏在している側の反対の面
    には3デニール以下の繊維が偏在している請求項1に記
    載の感熱謄写版原紙用薄葉支持体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の薄葉支持体のパルプ繊
    維が偏在している面の反対側の面に接着剤層を介して熱
    可塑性樹脂フイルム層を積層してなることを特徴とする
    感熱謄写版原紙。
  4. 【請求項4】 接着剤が、ポリウレタン樹脂及び/又は
    放射線硬化性ポリウレタン樹脂と、少なくとも1個の水
    酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーとを主成分
    とする請求項3に記載の感熱謄写版原紙。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の薄葉支持体のパルプ繊
    維が偏在している面の反対側の面に、接着剤を塗布して
    その面に熱可塑性樹脂フイルムを積層してなることを特
    徴とする感熱謄写版原紙の製造方法。
  6. 【請求項6】 接着剤が、ポリウレタン樹脂及び/又は
    放射線硬化性ポリウレタン樹脂と、少なくとも1個の水
    酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーとを主成分
    とする請求項5に記載の感熱謄写版原紙の製造方法。
JP8316492A 1992-03-05 1992-03-05 感熱謄写版原紙用薄葉支持体、感熱謄写版原紙及びその製造方法 Pending JPH05246170A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8316492A JPH05246170A (ja) 1992-03-05 1992-03-05 感熱謄写版原紙用薄葉支持体、感熱謄写版原紙及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8316492A JPH05246170A (ja) 1992-03-05 1992-03-05 感熱謄写版原紙用薄葉支持体、感熱謄写版原紙及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05246170A true JPH05246170A (ja) 1993-09-24

Family

ID=13794623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8316492A Pending JPH05246170A (ja) 1992-03-05 1992-03-05 感熱謄写版原紙用薄葉支持体、感熱謄写版原紙及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05246170A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001090481A1 (fr) * 2000-05-22 2001-11-29 Ricoh Company, Ltd. Papier multicouche pelable en au moins deux feuilles minces

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001090481A1 (fr) * 2000-05-22 2001-11-29 Ricoh Company, Ltd. Papier multicouche pelable en au moins deux feuilles minces
EP1243697A1 (en) * 2000-05-22 2002-09-25 Ricoh Company, Ltd. Multi-layer paper peelable into at least two thin sheets
US6977111B2 (en) 2000-05-22 2005-12-20 Ricoh Company, Ltd. Multi-layer paper peelable into at least two thin sheets
EP1243697A4 (en) * 2000-05-22 2009-11-11 Ricoh Kk MULTILAYER PAPER PELABLE IN AT LEAST TWO THIN SHEETS
JP5240697B2 (ja) * 2000-05-22 2013-07-17 株式会社リコー 多層紙、薄葉シートの製造方法及び薄葉シート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4473613A (en) Decorative laminate
JPH03193393A (ja) 感熱謄写版原紙
EP0331748B1 (en) Heat-sensitive mimeotype stencil paper
JP3739085B2 (ja) 感熱孔版印刷原紙用薄葉紙、孔版原紙及びその製造方法
JPH05246170A (ja) 感熱謄写版原紙用薄葉支持体、感熱謄写版原紙及びその製造方法
EP0747238B1 (en) Stencil sheet roll and a method for preparing the same
JP2002001748A (ja) 化粧ボードの製造方法
JPH04232789A (ja) 感熱謄写版原紙
EP1066979A2 (en) High-sensitive stencil sheet and method for producing the same
US5037696A (en) Substrate for heat-sensitive recording material
JPH0353993A (ja) 感熱謄写版原紙及びその製造方法
JPH05212984A (ja) 感熱謄写版原紙用接着剤、感熱謄写版原紙及びその製造方法
JP2000211092A (ja) 化粧材
JPH1181186A (ja) 寸法安定性の優れた紙
US20030070753A1 (en) Heat-sensitive stencil sheet and method of making the same
JPH05309968A (ja) 感熱謄写版原紙及びその製造方法
JP3171500B2 (ja) 昇華型熱転写用受像媒体
JPH0478589A (ja) 感熱謄写版原紙
JP4024630B2 (ja) 感熱孔版印刷用原紙及びその製造方法
JPH1177944A (ja) 耐摩耗性を有する化粧材
JPH0478591A (ja) 感熱謄写版原紙及びその製造方法
JPH05254269A (ja) 感熱性孔版印刷用原紙およびその製造方法
JP2004001295A (ja) 感熱孔版印刷用マスターの製造方法、その製造装置および感熱孔版印刷用マスター
JPH0483689A (ja) 感熱謄写版原紙
JPH04131288A (ja) 感熱謄写版原紙