JP2001011872A - コンクリート構造物面修景工法及びその装置 - Google Patents

コンクリート構造物面修景工法及びその装置

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JP2001011872A
JP2001011872A JP11219081A JP21908199A JP2001011872A JP 2001011872 A JP2001011872 A JP 2001011872A JP 11219081 A JP11219081 A JP 11219081A JP 21908199 A JP21908199 A JP 21908199A JP 2001011872 A JP2001011872 A JP 2001011872A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、コンクリート構造物面修景工法及
びその装置に関するもので、コンクリート構造物面を自
然の植栽工と親しみやすい壁面の設置によっ無味乾燥な
人工的法面の緑化効果と修景効果が高められるようにし
た。 【構成】 法面(1)にアーチ型頂部材(2)と左右側
辺部材(3)・(3)と底辺部材(4)に分割した型枠
部材を連結してアーチ型枠(A)を成形し、且つそのア
ーチ型枠内部を閉塞部材(6)を介して塞ぐと共に、ア
ーチ型枠(A)を残してコンクリート材料を吹付けるこ
とによって成形された吹付層(7)に頂部にアーチを有
する頂部(20)、左右側辺部(30)・(30)、底
辺部(40)を有する縦長形に凹んだ擁壁凹部(B)を
形成し、且つウォールプランタ(8)を前記のコンクリ
ート擁壁凹部にはめ込むと共に底辺部(40)の上に載
置し、アンカー(9)で固定した構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明はコンクリート構造物面
修景工法及びその装置に関するもので、コンクリート構
造物面を自然の植栽工と親しみやすい壁面の設置によっ
無味乾燥な人工的法面の緑化効果と修景効果が高められ
るようにしたことを目的とする。
【0002】
【従来の技術】 一般に道路建設、急傾斜地、土地造成
等における法面を保護するためにコンクリートで擁壁し
たものは周知である。上記のコンクリート擁壁は堅固で
あるが、人工構造により無味乾燥であるため景観に乏し
い。また、コンクリート構造物は、表面が荒々しく、特
に人家の密集する地区、観光地等にあって、自然環境の
高まりと共に敬遠され、安らぎを与える自然の緑の趣向
が求められている。そこで最近では、コンクリート擁壁
面に草本類を植栽して自然の景観を得ようとすることが
行われている。例えば本願の出願人においても、実公昭
55−36594号(実用新案登録第1378470
号)において、人工材料よるコンクリート吹付け法面に
ポケット部を設けて客土袋を植栽孔を残して埋設し、そ
の植栽孔に丈の低い樹木を植えることによって緑化でき
る工法を提供した。またその後、実公平4−2194号
(実用新案登録第1937099号)において、植栽用
容器の背面をコンクリート法面等に設置するように配置
し、前記容器に掛け回した棒状の抱持部材と底部の取付
具とで法面に打ち込んだアンカーで装着固定するプラン
ター装置を提供した。そして、これらによって、特に人
工造成地の景観及び環境の保護に寄与している。
【0003】ところが、上記考案のうち、前者の登録実
用新案においては、既設のコンクリート法面等に設置す
る場合は、客土袋を設置する部位の法面をはつって除去
する必要があるが、前記のはつる作業は大仕事であって
常に行えるとは限らない。また後者の登録実用新案にあ
っては、植栽容器をコンクリート法面等に設置する場
合、アンカー等で設置固定する作業が非常にしづらく、
またその作業にも危険が伴っていた。
【0004】そこで、本願出願には、さらに特願平6−
321310号(特開平8−151647号、特許第2
890101号)において、「既設の擁壁にアーチ型枠
によって縦長形に凹んだ擁壁面を形成し、且つ下辺部に
横桟金具を取付けたコンクリート層を成形し、前記のコ
ンクリート擁壁にボックス型の一側面を開放し、且つそ
のボックス外表面を擁壁に合わせた形状にしたウォール
プランタを前記横桟金具の上に載置すると共に、孔付き
固定金具・アンカーで固定し、当該ウォールプランタ内
面に沿って通気性と排水性を有する安全マットを敷き込
むと共に、植栽工を行うための客土を充填した既設コン
クリート構造物面修景装置」の発明を提供した。
【0005】これによって、アーチ型枠によって凹んだ
擁壁面の内側底部に設けた横桟棚具によってウォールプ
ランタを安定して支受することができる。また、そのウ
ォールプランタは、工場での製作に適する二次製品であ
るため、強度が大きく品質が均一であると共に、一側面
が開放されているため、そのボックスの一側面の肉厚分
が省略され、その肉厚分だけ植栽スペースが広いため、
多彩な植栽が可能であり、しかも擁壁面に合わせた外表
面形状にすることにより、人工的とはいえ擁壁面との統
一も図れ、周辺環境に調和した植栽で安らぎを与えるこ
とができる、等の効果が得られた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 ところが、上記の特
許発明にあっては、既設のコンクリート法面等に設置す
る場合には好適であるが、法面の新規工事のように条件
によっては、吹付面の厚さが既設のコンクリート面の厚
さの3〜4倍程もある場合は、型枠の高さもそれに見合
う高さにしなければならない。そのため、型枠全体の重
量も3〜4倍も増大することになり、法面の高所作業に
は非能率的であると共に危険が伴っていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】 そこで、本発明は、発
明の目的を達成し、且つ従来技術の課題を解決するため
に提供するものである。本発明の第1は、コンクリート
構造物面修景工法において、分割式の型枠部材を連結し
て成形したアーチ型枠を法面の左右方向及び上下方向に
連続して設置し、そのアーチ型枠の内部を型枠閉塞部材
で閉塞し、そのアーチ型枠を残してコンクリート材料を
吹き付けて所定の厚さの吹付層を成形し、当該吹付層が
硬化した後に前記のアーチ型枠を脱枠し、頂部にアーチ
部を有する縦長形に凹んで形成された擁壁凹部にウォー
ルプランタを載置し、且つそのウォールプランタをアン
カーを用いて法面又は擁壁凹部側に取付けて設置し、前
記ウォールプランタの内面に沿って通気性と排水性を有
するマットを敷き込み、次いで客土を入れた後、低花木
の植栽工を行うものである。
【0008】本発明の第2はコンクリート構造物面修景
装置において、アーチ型頂部材と左右側辺部と底辺部材
に分割した型枠部材を連結してアーチ型枠を成形し、当
該アーチ型枠を法面に設置し、且つその型枠内部を閉塞
部材を介して塞ぐと共に、アーチ型枠を残してコンクリ
ート材料を吹付けることによって成形された吹付層にア
ーチ形を成す頂部、左右側辺部、底辺部を有する縦長形
に凹んだ擁壁凹部を形成し、且つウォールプランタを前
記のコンクリート擁壁凹部にはめ込むと共に底辺部の上
に載置し、アンカーで固定したものである。
【0009】本発明の第3は第2の発明に係るコンクリ
ート構造物面修景装置において、アーチ型枠を構成する
型枠部材のうち、アーチ型頂部材を金属パネルとし、左
右側辺辺部材及び底辺部材を厚紙またはプラスチック若
しくは木製等の非金属材料を用いたものである。
【0010】
【実施例】 以下、本発明の実施例を図面を以て説明す
る。図において、1は法面である。この法面には、地山
のほかコンクリートブロック積みやもたれ擁壁等傾斜を
もったもの全てを含むものと解されるが、図2及び図4
・図5にあっては地山を示す。符号Aはアーチ型枠であ
り、所定の半径Rで逆U字状に形成したのアーチ型頂部
材2と、左右側辺部材3・3と、底辺部材4に分割した
各型枠材を、その接合縁部材2・3.4をボルト
・ナット5で脱着できるように連結してある。そして、
前記の型枠部材のうち、アーチ型頂部材2を金属製パネ
ルで作製し、且つ左右の側辺部材3・3と底辺部材4を
木製プレート又は段ボール若しくはプラスチックプレー
ト等で作製する。図1及び図2において、前記アーチ型
枠Aの厚さDは、図3及び図5のコンクリート吹付層の
厚さD′に相当するものとし、図示例にあっては30〜
40cm程度に設定してある。
【0011】6はアーチ型枠Aの平面を覆う板状又はシ
ート状の覆蔽部材、7はアーチ型枠Aの内側を残して法
面にコンクリート材料を所定の厚さで吹付けて形成する
コンクリート層である。8はボックス型の一側面8
開放したウォールプランタであり、プレキャストコンク
リート材料で製作するのを可とする。なお、そのウォー
ルプランタの外表面は、擁壁が石積み又はブロック積み
擁壁等所望の表面に加工してある。9は前記のウォール
プランタ8を法面側に取付け固定するためのアンカー、
10はウォールプランタ8の内面に沿って敷き込むため
の通気性と排水性を有する安全マット、11はウォール
プランタ内に入れた客土、12はウォールプランタ内に
施す植栽工であり、つる植物又は苗木等の低花木を植栽
する。13は植栽した低花木の根元に敷き詰めるマルチ
バークを示す。14はウォールプランタ8に取り付けた
アンカー用ブラケットを示す。
【0012】図中Bはコンクリート層7からアーチ型枠
Aを脱枠した跡に形成された擁壁凹部、20はその擁壁
凹部の頂部、30は擁壁凹部の左右側辺部、40は擁壁
凹部の底辺部である。また、21は左右側辺部材3・3
の途中に設けた管状の受け具であり、間隔保持用の横桟
21の鉤形端部21を挿入掛止してある。23は左右
側辺部材3・3の適宜個所に設けたアーチ型枠2を法面
1に仮止めするための止め金具を示す。
【0013】
【具体的な施工例】上記の実施例に基づく具体的な施工
例を説明する。まず、分割式の型枠部材2・2・3・4
を、その接合縁部2・3・4をボルト・ナット5
で連結してアーチ型枠Aを組み立てる。そして、組み立
てたアーチ型枠Aを法面1に沿って適宜の間隔を保持し
て横列と縦列に配列設置する。このとき、必要に応じて
アーチ型枠Aを止め金具23にアンカーを打ち込んで法
面に仮止めし、且つ横桟22を左右側辺部材3・3の受
け具21に挿入掛止して当該側辺部材の横幅の間隔Wを
保持しておく。
【0014】次に、覆蔽部材6をアーチ型枠Aの平面に
被せ、この状態で、アーチ型枠Aの内側を残して法面1
にコンクリート材料を所定の厚さD′(アーチ型枠の厚
さDに相当する)で吹付けてコンクリート層7を形成す
る。そして、吹付けたコンクリート層7が硬化した後
に、覆蔽部材6を取り去り、次いで仮止め金具23のア
ンカーを抜き、間隔保持用の横桟21を受け具22から
取外して前記のアーチ型枠Aをコンクリート層7から除
去する。この場合、組み立てたアーチ型枠Aのままでは
脱枠できない場合は、型枠部材2・3・4の接合縁部2
・3・4を連結しているボルト・ナット5を外し
て分離して除去する。アーチ型枠Aを脱枠した跡にアー
チ型の擁壁凹部Bが形成される。
【0015】続いて、ウォールプランタ8を擁壁凹部B
にはめ込むと共に底辺部40に載置すると共にアンカー
9を法面1に打ち込んで当該プランタを法面側に固定す
る。前記ウォールプランタ8の内面に沿って通気性と排
水性を有する安全マット10を敷き込み、次いで客土1
1を入れた後、つる植物又は苗木等の低花木の植栽工1
2を行う。植栽後苗木の根元に、乾燥防止、雑草の抑制
を行うためのマルチバーク13を敷き詰める。この状態
でコンクリート層7に当たる雨水は、当該コンクリート
層の表面を伝ってアーチ型枠Aを脱枠したコンクリート
層の縁辺70に到達すると、その縁辺からコンクリート
層7の擁壁凹部Bに落ち込み、さらにその凹んだ状態の
法面を伝ってウォールプランタ8内に集水される。
【0016】
【発明の効果】本発明は上記の構造であるから、修景を
必要とする法面に容易に取付けることができ、無味乾燥
なコンクリート構造物を自然の植栽の緑で緑化すること
ができると共に、その法面とアーチ型枠を横列及び縦列
に多数配置してコンクリート材料を吹付けすることによ
り、アーチ型の擁壁凹部が形成され、これにウォールプ
ランタをはめ込み設置することにより、その多数のアー
チ曲線によってその美的景観が一層向上する。また、ア
ーチ型枠を構成する型枠部材は、複雑なアーチ曲面を有
する頂部材だけを金属にするほかは、左右側辺部材及び
底辺部材を木製又は段ボール等の非金属の材料を用いる
ことにより、コンクリート層を厚くするために型枠部材
の厚さがあっても全体重量の軽量化が図れ、作業及び運
搬等に便利である。そして、そのウォールプランタは、
工場での製作に適する二次製品であるため、強度が大き
く品質が均一である。且つ、ウォールプランタは、一側
面が開放されているため、そのボックスを形成するため
の一側面の肉厚分が省略され、その肉厚分だけ植栽スペ
ースが広いため、多彩な植栽が可能であり、しかも擁壁
面に合わせた外表面形状にすることにより、人工的とは
いえ擁壁面との統一も図れ、周辺環境に調和した植栽で
安らぎを与えることができる。さらに、安全マットの設
置で乾燥に強い構造となり、夏季には温度上昇を抑制
し、且つ冬季には保温効果が保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明に係るアーチ型枠の斜視図である。
【図2】 アーチ型枠を法面に設置した状態の縦断側面
図である。
【図3】 アーチ型擁壁凹部にウォールプランタをはめ
込み設置した状態の斜視図である。
【図4】 法面に多数のアーチ型擁壁凹部を形成し、こ
れにウォールプランタをはめ込み設置した状態の正面図
である。
【図5】 擁壁凹部にはめ込み設置したウォールプラン
タに植栽した状態の拡大縦断面図である。
【符号の説明】
A アーチ型型枠 B 擁壁凹部 1 法面 2 アーチ頂部材 3 左右側辺部材 4 底辺部材 5 ボルト・ナット 6 閉塞部材 7 コンクリート吹付層 8 ウォールプランタ 9 アンカー 10 安全マット 11 客土袋 12 植栽工 13 マルチバーク 14 ブラケット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分割式の型枠部材を連結して成形したアー
    チ型枠を法面の左右方向及び上下方向に連続して設置
    し、そのアーチ型枠の内部を型枠閉塞部材で閉塞し、そ
    のアーチ型枠を残してコンクリート材料を吹き付けて所
    定の厚さの吹付層を成形し、当該吹付層が硬化した後に
    前記のアーチ型枠を脱枠し、頂部にアーチ部を有する縦
    長形に凹んで形成された擁壁凹部にウォールプランタを
    載置し、且つそのウォールプランタをアンカーを用いて
    法面又は擁壁凹部側に取付けて設置し、前記ウォールプ
    ランタの内面に沿って通気性と排水性を有するマットを
    敷き込み、次いで客土を入れた後、低花木の植栽工を行
    うことを特徴とするコンクリート構造物面修景工法。
  2. 【請求項2】アーチ型頂部材(2)と左右側辺部(3)
    ・(3)と底辺部材(4)に分割した型枠部材を連結し
    てアーチ型枠(A)を成形し、当該アーチ型枠を法面
    (1)に設置し、且つその型枠内部を閉塞部材(6)を
    介して塞ぐと共に、アーチ型枠(A)を残してコンクリ
    ート材料を吹付けることによって成形された吹付層
    (7)に頂部にアーチを有する頂部(20)、左右側辺
    部(30)・(30)、底辺部(40)を有する縦長形
    に凹んだアーチ型の擁壁凹部(B)を形成し、且つウォ
    ールプランタ(8)を前記のコンクリート擁壁凹部には
    め込むと共に底辺部(40)の上に載置し、アンカー
    (9)で固定したことを特徴とするコンクリート構造物
    面修景装置。
  3. 【請求項3】アーチ型枠(A)を構成する型枠部材のう
    ち、アーチ型頂部材(2)を金属パネルとし、左右側辺
    辺部材(3)・(3)及び底辺部材(4)を厚紙または
    プラスチック若しくは木製等の非金属材料を用いた請求
    項2記載のコンクリート構造物面修景装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005106135A1 (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Toeishokou Kabushiki Kaisha 擁壁用ブロック
CN108487266A (zh) * 2018-06-01 2018-09-04 宁夏力丰农机制造有限公司 一种路堑拱形骨架梁模板

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