JP2001011662A - ステンレス鋼用マイクロエッチング剤およびそれを用いる表面粗化法 - Google Patents

ステンレス鋼用マイクロエッチング剤およびそれを用いる表面粗化法

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JP2001011662A JP11180392A JP18039299A JP2001011662A JP 2001011662 A JP2001011662 A JP 2001011662A JP 11180392 A JP11180392 A JP 11180392A JP 18039299 A JP18039299 A JP 18039299A JP 2001011662 A JP2001011662 A JP 2001011662A
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chloride
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Daisaku Akiyama
大作 秋山
Tomoshi Saito
知志 斉藤
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MEC Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステンレス鋼の表面を均一な凹凸形状に粗化
することのできるマイクロエッチング剤および表面粗化
法を提供する。 【解決手段】 硫酸15〜70%(重量%、以下同
様)、塩素イオン源を塩素イオンとして0.3〜9.5
%、第二銅イオン源を第二銅イオンとして少なくとも
0.01%およびチオール系化合物0.0001〜1%
を含有するする水溶液からなるステンレス鋼用マイクロ
エッチング剤、ならびに前記水溶液を用いるステンレス
鋼の表面粗化法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼の表
面を粗化することのできるマイクロエッチング剤および
表面粗化法に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼は、建材、厨房機器、電気
機器、工業計器等の材料として多くの用途に使用されて
いるが、塗料や樹脂フィルムを被覆して使用する場合が
ある。この場合、塗料や樹脂フィルムとの接着性を向上
させるために、ステンレス鋼の表面が粗化される。ま
た、例えば特開昭61−250200号公報に記載され
ているように、複写機のスリーブの現像液保持性を高め
るためにもステンレス鋼の粗化が行われている。また、
例えば特開平3−26245号公報に記載されているよ
うに、光の反射を少なくするためにも表面が粗化され
る。前記粗化法としては、ショットブラスト、液体ホー
ニング等の機械的研磨、硫酸、硝フッ酸、塩化第二鉄等
の水溶液による化学エッチング、さらには酸性水溶液中
での電解エッチング等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記粗化法の中では、
化学エッチングが処理設備が簡単であるので好ましい
が、従来の化学エッチングでは、エッチング深さにばら
つきが生じやすく、一様な粗化面を形成するのが困難で
あった。したがって本発明は、上記従来の技術の欠点を
克服し、ステンレス鋼の表面を均一な凹凸形状に粗化す
ることのできるマイクロエッチング剤および表面粗化法
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、下記の構成により上記従来の技術の欠点を克服
するに至った。即ち、本発明は、硫酸15〜70%(重
量%、以下同様)、塩素イオン源を塩素イオンとして
0.3〜9.5%、第二銅イオン源を第二銅イオンとし
て少なくとも0.01%およびチオール系化合物0.0
001〜1%を含有するする水溶液からなるステンレス
鋼用マイクロエッチング剤、ならびに前記水溶液を用い
るステンレス鋼の表面粗化法に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のステンレス鋼用
マイクロエッチング剤および表面粗化法について詳細に
説明する。本発明における硫酸濃度は15〜70%、好
ましくは25〜50%である。前記濃度が15%未満で
はエッチング速度が遅すぎて粗化するために長時間が必
要になる。また、70%を超えてもエッチング速度が遅
くなるほか、均一な凹凸形状が得られなくなる。
【0006】本発明に用いる塩素イオン源としては、例
えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウ
ム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅等があ
げられる。前記塩化物のうちでは、塩化カリウム、塩化
ナトリウムおよび塩化アンモニウムが溶解度および価格
の点から好ましい。前記塩素イオン源は、塩素イオン濃
度が0.3〜9.5%になるように含有するのが好まし
く、さらに3〜7%が好ましい。前記濃度が0.3%未
満では凹凸形状がゆるやかに(浅く)なり、9.5%を
こえると一様な凹凸が得られず、局部的に大きな(深
い)凹凸ができるようになる。
【0007】本発明に用いる第二銅イオン源としては、
例えば塩化第二銅、硝酸第二銅、硫酸第二銅、酢酸第二
銅、水酸化第二銅等があげられる。前記第二銅塩のうち
では、塩化第二銅および硫酸第二銅が、他のイオン種が
混入しないという点から好ましい。なお、塩化第二銅
は、前記塩素イオン源としても作用する。前記第二銅イ
オン源は、第二銅イオン濃度が少なくとも0.01%、
好ましくは0.02%〜6%になるように含有させるの
が好ましい。前記濃度が0.01%未満ではエッチング
速度が遅すぎて粗化するために長時間が必要になる。な
お、第二銅イオンは6%を超えて過剰に配合しても特に
悪影響を及ぼさず、不経済となるだけである。したがっ
て本発明のマイクロエッチング剤中の第二銅イオン濃度
に特に上限はない。
【0008】本発明に用いるチオール化合物としては、
例えばチオぎ酸、チオ酢酸、チオプロピオン酸等のチオ
ール酸類、チオグリコール酸、チオジグリコール酸、チ
オ乳酸、チオリンゴ酸等のチオカルボン酸類、チオサリ
チル酸、チオフマル酸等の芳香族チオカルボン酸類等が
あげれる。前記チオール化合物の濃度は0.0001〜
1%、好ましくは0.1〜0.5%である。前記濃度が
0.0001%未満では凹凸が浅く、比較的滑らかな形
状になり、1%を超えても効果に変化はなく不経済であ
り、また臭気等の作業環境の悪化を招くようになる。
【0009】本発明のマイクロエッチング剤には、エッ
チング後のステンレス鋼表面の色むら、部分的な酸化等
を抑制するために、さらに界面活性剤、水溶性溶剤等を
配合してもよい。
【0010】本発明に用いる水としては、イオン交換水
が好ましい。
【0011】本発明のマイクロエッチング剤の使用方法
に特に限定はないが、例えばステンレス鋼にマイクロエ
ッチング剤をスプレーする方法、マイクロエッチング剤
中にステンレス鋼を浸漬する方法などがあげられる。
【0012】本発明のマイクロエッチング剤を使用する
場合、ステンレス鋼表面から0.2〜5μm、さらには
0.3〜3μmの深さまでエッチングするのが好まし
い。なお、このエッチング量は、エッチング前後でのス
テンレス鋼の重量変化と、ステンレス鋼の表面積および
密度から算出した値である。また、マイクロエッチング
剤の温度は通常20〜50℃が好ましく、エッチング時
間は通常20〜120秒、エッチング速度は通常0.1
〜2.5μm/分である。
【0013】
【実施例】実施例1〜4および比較例1〜4 厚さ20μmのステンレス箔(SUS304)を、表1
に示す組成のマイクロエッチング剤中、30℃、60秒
の浸漬しながら揺動させた。処理後のステンレス箔の表
面形状を電子顕微鏡にて3500倍で観察した。結果を
表1に示す。また、貫通ピンホール(他よりも深くエッ
チングされた箇所)の有無を、金属顕微鏡にて背面から
光を照らしながら観察した。結果を表1にしめす。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】従来の化学エッチングでは、エッチング
深さにばらつきが生じやすく、一様な粗化面を形成する
のが困難であったが、本発明のステンレス鋼用マイクロ
エッチング剤を用いてエッチングすることにより、ステ
ンレス鋼の表面を均一な凹凸形状に粗化することができ
るようになった。
【0016】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1および2で得られたステンレス箔の表
面形状を示す断面の模式図である。
【図2】実施例3および4で得られたステンレス箔の表
面形状を示す断面の模式図である。
【図3】比較例1および2で得られたステンレス箔の表
面形状を示す断面の模式図である。
【図4】比較例3および4で得られたステンレス箔の表
面形状を示す断面の模式図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸15〜70重量%、塩素イオン源を
    塩素イオンとして0.3〜9.5重量%、第二銅イオン
    源を第二銅イオンとして少なくとも0.01重量%およ
    びチオール系化合物0.0001〜1重量%を含有する
    水溶液からなるステンレス鋼用マイクロエッチング剤。
  2. 【請求項2】 硫酸15〜70重量%、塩素イオン源を
    塩素イオンとして0.3〜9.5重量%、第二銅イオン
    源を第二銅イオンとして少なくとも0.01重量%およ
    びチオール系化合物0.0001〜1重量%を含有する
    水溶液でエッチングすることを特徴とするステンレス鋼
    の表面粗化法。
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