JP2001040490A - 鉄−ニッケル合金用マイクロエッチング剤およびそれを用いる表面粗化法 - Google Patents

鉄−ニッケル合金用マイクロエッチング剤およびそれを用いる表面粗化法

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JP2001040490A
JP2001040490A JP11212391A JP21239199A JP2001040490A JP 2001040490 A JP2001040490 A JP 2001040490A JP 11212391 A JP11212391 A JP 11212391A JP 21239199 A JP21239199 A JP 21239199A JP 2001040490 A JP2001040490 A JP 2001040490A
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inorganic acid
chlorine ions
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Daisaku Akiyama
大作 秋山
Tomoshi Saito
知志 斉藤
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MEC Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄−ニッケル合金の表面を微細な凹凸形状に
粗化することのできるマイクロエッチング剤および表面
粗化法を提供する。 【解決手段】 酸化剤0.5〜20%(重量%、以下同
様)、無機酸2〜40%および塩素イオン0.001〜
2.0%を含有する水溶液からなる鉄−ニッケル合金用
マイクロエッチング剤、ならびに前記水溶液を用いる鉄
−ニッケル合金の表面粗化法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、42アロイ(Fe
−42Ni)等の鉄−ニッケル合金の表面を微細な凹凸
のある形状に粗化することのできるマイクロエッチング
剤および表面粗化法に関する。本発明のマイクロエッチ
ング剤は、例えば半導体装置のリードフレーム表面処理
等に有用である。
【0002】
【従来の技術】鉄−ニッケル合金と樹脂との接着性を向
上させるために、従来からスクラブ研磨やバフ研磨によ
り表面を粗化することが行われている。しかしながら、
このような物理的研磨法では、樹脂との接着性に優れた
微細な凹凸を得ることは困難である。また、塩化第二鉄
と塩酸からなる水溶液で表面をマイクロエッチングして
粗化することも検討されているが、このようなマイクロ
エッチング剤では浅く滑らかな凹凸しか得られず、樹脂
との接着性が不充分である。例えば、鉄−ニッケル合金
のエッチング剤として、特開昭63−79983号公報
には、第二鉄塩、ポリアミン、有機硫黄化合物、有機キ
レート化合物および無機酸(塩酸、硫酸または硝酸)を
含有する水溶液が記載されている。しかしながら、この
水溶液でニッケルをマイクロエッチングすると、前記公
報にも記載されているように、平滑で光沢のある表面に
なり、樹脂との接着性はかえって低下してしまう。
【0003】また、特公平1−28831号公報には、
塩化第二鉄、硫酸および塩酸を含有する水溶液が、鉄−
ニッケル合金の表面を平滑で光沢のある表面にすると記
載されている。さらに特公平2−54431号公報に
は、実施例はないが、硝酸第二鉄、硝酸、尿素、界面活
性剤および塩素イオンを含有する水溶液が、鉄−ニッケ
ル合金の表面を平滑で光沢のある表面にすると記載され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、鉄−ニッ
ケル合金の表面を、樹脂と接着した場合にアンカー効果
が充分に発現されるような微細な凹凸のある形状に粗化
することのできるマイクロエッチング剤は未だ得られて
いない。本発明は、従来の技術の欠点を克服し、鉄−ニ
ッケル合金の表面を、樹脂と接着した場合にアンカー効
果が充分に発現されるような微細な凹凸のある形状に粗
化することのできるマイクロエッチング剤および表面粗
化法を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記マイ
クロエッチング剤を得るべく鋭意検討を重ねた結果、酸
化剤0.5〜20%(重量%、以下同様)、無機酸2〜
40%および塩素イオン0.001〜2.0%を含有す
る水溶液が、特公平2−54431号公報等の記載とは
逆に鉄−ニッケル合金表面を粗化しうることを見出し
た。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明における酸化剤は、鉄およびニッケルを酸
化し、エッチング速度および金属許容溶解量を増加させ
る。前記酸化剤としては、例えば硝酸第二鉄、硫酸第二
鉄、塩化第二鉄、ペルオキソ化合物等があげられる。前
記酸化剤のうちでは、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄等の第二
鉄を含有する塩が、安定性がよく、好ましい。塩化第二
鉄を使用する場合は、塩素イオン濃度が2.0%をこえ
ないように配合される。
【0007】前記酸化剤の濃度は、酸化剤の種類、エッ
チング速度や表面粗化能力に応じて調製されるが、通常
0.5〜20%、好ましくは3〜10%である。前記濃
度が0.5%未満ではエッチング速度および許容金属溶
解量を増加させる効果が不充分であり、20%をこえる
とエッチング速度が速くなりすぎてエッチング量の制御
が困難になり、微細な凹凸が得にくくなる。
【0008】本発明における無機酸は、酸化した鉄およ
びニッケルを溶解する作用を有する。前記無機酸として
は、例えば硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、スルファミン
酸、ホウ酸、ホウフッ酸等があげられる。前記無機酸の
うちでは、硫酸や硝酸が廃液処理の容易さ、コスト等の
点から好ましい。塩酸を使用する場合は、塩素イオン濃
度が2.0%をこえないように配合される。
【0009】前記無機酸の濃度は、無機酸の種類、エッ
チング速度や銅溶解許容量に応じて調製されるが、通常
2〜40%、好ましくは10〜30%である。前記濃度
が2%未満ではエッチング速度が遅くなりすぎて所望の
凹凸形状を得るための処理時間が長くなり、またエッチ
ング剤の許容金属溶解量が少なくなる。前記濃度が40
%をこえるとエッチング速度が速くなりすぎてエッチン
グ量の制御が困難になり、微細な凹凸が得にくくなる。
【0010】本発明においては、表面形状を調整するた
めに塩素イオンが添加される。塩素イオン源に特に限定
はないが、例えば塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、
塩酸等の塩化物や、アニリン塩酸塩、エチルアミン塩酸
塩等の塩酸塩があげられる。塩素イオンの濃度は0.0
01〜2.0%、好ましくは0.01〜0.5%であ
る。前記濃度が低くなると粗化表面の凹凸の凹部の割合
が小さくなり(凹部が狭くなり)、濃度が高くなると平
滑な形状にエッチングされるようになる。
【0011】前記酸化剤として硝酸第二鉄を使用した
り、酸として硝酸を使用する場合、エッチングの反応に
伴って発生するチッ素酸化物を分解または再酸化してエ
ッチング剤の酸化力を安定化するために、チッ素酸化物
分解剤を添加するのが好ましい。このチッ素酸化物分解
剤を添加することにより、エッチング形状が安定し、一
定の微細な凹凸をつくりだすことができる。前記チッ素
酸化物分解剤としては、例えば尿素、チオ尿素、スルフ
ァミン酸、それらの誘導体等があげられる。また、硝酸
第二鉄の他の酸化剤もチッ素酸化物を分解する作用があ
る。
【0012】前記チッ素酸化物分解剤の濃度は、少なく
とも0.1%であるのが好ましい。なお、本発明のマイ
クロエッチング剤を連続使用する場合は、チッ素酸化物
分解剤の濃度は0.2〜10%が好ましい。前記濃度が
0.2%未満ではチッ素酸化物分解剤を頻繁に補給しな
ければならず、また10%をこえるとチッ素酸化物分解
剤の種類によっては液温低下時にそれらが析出する場合
がある。
【0013】本発明のマイクロエッチング剤には、さら
に微細な凹凸を一様に、かつ安定に形成させる作用のあ
る界面活性剤を添加してもよい。前記界面活性剤として
は、例えばポリエチレングリコール等のノニオン系界面
活性剤があげられる。
【0014】本発明のマイクロエッチング剤は、前記の
各成分を水に溶解させることにより容易に調整すること
ができる。前記水としては、イオン交換水が好ましい。
【0015】本発明のマイクロエッチング剤の使用方法
に特に限定はないが、例えば鉄−ニッケル合金にマイク
ロエッチング剤をスプレーする方法、マイクロエッチン
グ剤中に鉄−ニッケルを浸漬する方法などがあげられ
る。酸化剤として硝酸第二鉄、硫酸第二鉄等を用いる場
合は、ニッケルとの反応によって生じた第一鉄イオンが
空気酸化によって第二鉄イオンに戻され、エッチング能
力を回復させることができるスプレー法が好ましい。し
たがって、浸漬法の場合は、空気を吹き込むためのバブ
リング等を行うことが好ましい。
【0016】本発明のマイクロエッチング剤を使用する
場合、深い凹凸形状を得るためにはエッチング量(鉄−
ニッケル合金のエッチング前後の重量変化と表面積、密
度から算出したエッチング深さ、以下同様)は0.5〜
5.0μm、さらには1.5〜3.0μmであるのが好
ましい。また、マイクロエッチング剤の温度は通常20
〜50℃が好ましく、エッチング時間は通常20〜12
0秒、エッチング速度は通常1.0〜5.0μm/分で
ある。
【0017】
【実施例】実施例1〜6 表1に示す組成のマイクロエッチング剤を調製した。次
に、厚さ60μmの42アロイ箔を、40℃、90秒間
の条件でマイクロエッチング剤中にて浸漬揺動させ、表
面をエッチングした。エッチング量はいずれも3μmで
あった。表面を3500倍の電子顕微鏡により観察した
ところ、微細な深い凹凸が一様に形成されていた。得ら
れた42アロイ箔を、厚さ0.15mmの多層配線板用
プリプレグ(三菱瓦斯化学(株)製のGEPL−17
0)を介して基材に積層プレスした後、JIS C 6
481(1990)に準じて42アロイ箔の引き剥がし
強さを測定した。その結果を表1に示す。
【0018】比較例1〜3 表1に示す組成のマイクロエッチング剤を調製し、実施
例1と同様にして42アロイ箔の表面をエッチングし
た。エッチング量はいずれも3μmであった。表面を3
500倍の電子顕微鏡により観察したところ、凹凸が一
様に形成されていたが、実施例に比べ深さがかなり浅い
凹凸であった。次に実施例1と同様に引き剥がし強さを
測定した。その結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】実施例および比較例の結果から、本発明の
マイクロエッチング剤でエッチングされた42アロイ箔
は、表面に深い凹凸が形成され、樹脂との接着性に優れ
ているのに対し、比較例では、凹凸が浅く、樹脂との接
着性が不充分であることがわかる。
【発明の効果】本発明のマイクロエッチング剤は、鉄−
ニッケル合金の表面を、深い凹凸のある粗化表面にする
ことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化剤0.5〜20重量%、無機酸2〜
    40重量%および塩素イオン0.001〜2.0重量%
    を含有する水溶液からなる鉄−ニッケル合金用マイクロ
    エッチング剤。
  2. 【請求項2】 鉄−ニッケル合金を、酸化剤0.5〜2
    0重量%、無機酸2〜40重量%および塩素イオン0.
    001〜2.0重量%を含有するする水溶液でエッチン
    グすることを特徴とする鉄−ニッケル合金の表面粗化
    法。
JP11212391A 1999-07-27 1999-07-27 鉄−ニッケル合金用マイクロエッチング剤およびそれを用いる表面粗化法 Pending JP2001040490A (ja)

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Effective date: 20060425