JP3038111B2 - アルミニウム系金属の酸性洗浄水溶液及び洗浄方法 - Google Patents

アルミニウム系金属の酸性洗浄水溶液及び洗浄方法

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    • C23GCLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
    • C23G1/00Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム系金属の酸
性洗浄水溶液及び洗浄方法、特に成形加工によりアルミ
ニウム表面に付着した潤滑油及びアルミニウム粉末等を
満足に除去できる洗浄水溶液及びその洗浄方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム表面を有する製品、例えば
アルミニウム系金属、すなわちアルミニウムまたはアル
ミニウム合金からなる飲料用アルミニウム容器は、通
常、ドローイング・アンド・アイアニングという成形操
作(以下、DI加工という)によって製造される。この
成形操作時には金属表面に潤滑油が適用され、また得ら
れた容器には特にその内壁にアルミニウム粉末(スマッ
ト)が付着している。この種の容器は、一般にその後例
えば化成処理または塗装によってその表面が保護され
る。従って、この化成処理等の前に、上記潤滑油または
スマットを金属表面から除去し、清浄化しておく必要が
ある。
【0003】この表面清浄化には、一般に金属表面を適
度にエッチングして洗浄する酸性洗浄剤が用いられてい
る。従来、このような酸性洗浄剤として、クロム酸系や
フッ化水素酸系の洗浄剤が多く用いられていた。特に、
フッ化水素酸系の洗浄剤は、低温酸性洗浄(〜50℃)
が可能である点で優れている。しかしながら、上記クロ
ム酸やフッ化水素酸は有害な物質であり、廃水規制が厳
しいため、近年では、クロムフリー・フッ素フリーの低
温酸性洗浄技術の確立が望まれている。
【0004】このようなクロムフリー・フッ素フリーの
酸性洗浄技術が、特公平3−50838号公報(USP
4,728,456対応)の「アルミニウム表面洗浄
剤」及び特公平3−65436号公報(USP4,85
1,148対応)の「アルミニウム表面洗浄剤の管理方
法」、特開平5−9765号公報(WO 93 013
32−A1対応)の「アルミニウム用酸性洗浄液及び洗
浄方法」に提案されている。
【0005】まず、特公平3−50838号公報の「ア
ルミニウム表面洗浄剤」及び特公平3−65436号公
報の「アルミニウム表面洗浄剤の管理方法」には、フッ
素イオンを含有しないか又は少量含有し、硫酸及び/又
は硝酸で調整されたpH2以下の酸性洗浄剤にエッチン
グを促進するものとしてフッ素イオンの代わりに第2鉄
イオンが含まれている洗浄剤と、洗浄浴の酸化還元電位
を管理して浴中の第2鉄イオン濃度の管理を行う管理方
法とが開示されている。
【0006】また、特開平5−9765号公報の「アル
ミニウム用酸性洗浄液及び洗浄方法」には、硫酸及び/
又は硝酸とエッチングを促進するものとしてフッ素イオ
ンの代わりの第2鉄イオンとを含み、更に第2鉄イオン
(Fe3+)が第1鉄イオン(Fe2+)になる標準酸化還
元電位(+0.77±0.09V)付近に変色電位を有
する(すなわち、ある電位を境に有色から無色に変色す
る)ジフェニルアミンの酸化型イオン、ジフェニルベン
ジジンの酸化型イオン及びジフェニルアミンスルホン酸
の酸化型イオンを含有し、変色点を管理することにより
浴中の第2鉄イオン濃度を管理する洗浄方法が開示され
ている。
【0007】更に、特公昭47−39461号公報(U
SP3,607,484対応)の「アルミニウム及びそ
の合金の腐食液」には、硫酸水溶液にアルミニウムより
イオン化傾向の小さい金属(Cu、Fe、Ni、Co、
Sn、Znなどのイオン)と、Cl以外のハロゲンイオ
ン(F、Br、I)、PO4 3-、ピロリン酸イオン、メ
タリン酸イオン等の少なくとも一種以上を7グラムイオ
ン/l以下と添加してなる腐食液が開示されている。
【0008】また、特公昭47−39823号公報の
「アルミニウム及びその合金の腐蝕液」には、Cl-
- ,Br- ,I- 、リン酸イオン、ピロリン酸イオ
ン、メタリン酸イオン等の少なくとも1種を0.1〜
7.0グラムイオン/lを添加してなる腐食液が開示さ
れている。
【0009】通常、酸性洗浄液中でのアルミニウムのエ
ッチング反応は、アルミニウムがアルミニウムイオン
(Al3+)となるアノード反応と、洗浄液中のH+ が還
元されて1/2H2 となるカソード反応とからなる。そ
こで、酸性洗浄液中の第2鉄(Fe3+)を添加すると、
このFe3+がFe2+に還元するカソード反応が前記H+
の還元と同時に起こるため、アルミニウムのエッチング
反応が促進される。
【0010】更に、酸化剤により、洗浄浴の酸化還元電
位を管理して浴中の第2鉄イオン濃度を管理することに
よって、アルミニウムのエッチング反応が進行するにつ
れて増大するFe2+濃度を抑制し、かつこのFe2+をF
3+に酸化させることができる。
【0011】しかしながら、一般に、酸化剤は、界面活
性剤を酸化分解することが知られている。従って、脱脂
性を向上させるために界面活性剤を含有する酸性洗浄水
溶液に酸化剤を添加すると、酸化分解物が洗浄浴中に蓄
積し、アルミニウム表面の脱脂性が低下するという問題
があった。一方、脱脂性を維持するためには、過剰の酸
化剤を添加するとランニングコストが増大するという問
題があった。
【0012】そこで、特開平4−52289号公報(W
O 91 19830−A1対応)には、リン酸、硫酸
または硝酸から選ばれる鉱酸と、多価金属イオンと、界
面活性剤と、洗浄中に還元された多価金属イオンを酸化
する酸化剤とを含み、更にこの酸化剤による界面活性剤
の分解反応を抑制するためのC2 〜C10グリコールが
0.05〜5g/l含有された「アルミニウム用酸性洗
浄液」が提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
公平3−50838号公報及び特公平3−65436号
公報に開示された酸性洗浄剤では、フッ素イオン含有酸
性洗浄剤の酸性洗浄と同等の性能を得るために、フッ素
イオン含有酸性洗浄剤による酸性洗浄の温度(〜50
℃)より高温(70〜80℃)で処理しなければなら
ず、経済性に劣るという問題があった。更に、Fe3+
オンを多く含有しているため鉄イオンに起因する沈澱物
が発生するという問題点があった。また、上記特開平5
−9765号公報の場合も、同様に高温で酸性洗浄を行
う必要があり経済性に劣る。
【0014】一方、特公昭47−39461号公報及び
特公昭47−39823号公報に開示された腐食液は、
写真用凸版材を形成するために、アルミウニム合金を電
析によりエッチング(腐食)させることを主目的にする
ものである。更に、特公昭47−39461号公報によ
る銅イオンを共存させた場合、エッチング処理上では酸
化還元電位が1.08V以上となるので、Cl以外のハ
ロゲンイオンとしてBrイオンを用いた場合は、2Br
- →Br2 +2eという反応が起こり、有害な臭素ガス
が発生してしまい、専用の処理設備を設ける必要があり
経済性の点で劣る。加えて、これら腐食液中には、実施
例を見てもその目的のために臭素イオンとして56g/
l以上含有されており、本発明とはエッチングの目的を
異にするものである。
【0015】また、上記特開平4−52289号公報に
開示されている酸性洗浄水溶液は、酸化剤による界面活
性剤の分解反応を抑制するためのC2 〜C10グリコール
が、酸性洗浄水溶液中に0.05〜5g/l(すなわち
50〜5000ppm)含有するため、グリコール化合
物だけではエッチング促進効果がなく、多量に添加すれ
ば、有効成分を増やし、廃水処理の負荷が高くなるとい
う問題があった。
【0016】本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、有害なフッ素及びクロムイ
オンを含有せず、高温時はもとより、低温酸性洗浄をも
可能にするアルミニウム系金属の酸性洗浄水溶液及びそ
の洗浄方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、無機酸から選
ばれる少なくとも1種を0.5〜25g/lと、臭素イ
オンを0.002〜5g/lと、酸化型金属イオンを
0.05〜4g/lと、を含有するアルミニウム系金属
の酸性洗浄水溶液を提供する。
【0018】また、上記アルミニウム系金属の酸性洗浄
水溶液において、更に、界面活性剤を0.1〜10g/
l添加するアルミニウム系金属の酸性洗浄水溶液を提供
する。
【0019】更に、上記アルミニウム系金属の酸性洗浄
水溶液のいずれか1種の酸性洗浄水溶液において、更
に、酸化剤を添加することを特徴とするアルミニウム系
金属の酸性洗浄水溶液を提供する。
【0020】また、アルミニウム系金属表面を洗浄する
洗浄方法において、上記のいずれかか1種のアルミニウ
ム系金属の酸性洗浄水溶液の酸化還元電位が、銀−塩化
銀電極電位基準で0.5〜0.8Vであることを特徴と
するアルミニウム系金属の洗浄方法を提供する。
【0021】更に、アルミニウム系金属表面を洗浄する
洗浄方法において、上記のいずれかか1種のアルミニウ
ム系金属の酸性洗浄水溶液を用い、「酸化型金属イオン
と酸化剤」または「酸化剤」を酸性洗浄水溶液中に補給
し、該水溶液の酸化還元電位が銀−塩化銀電極電位基準
で0.5〜0.8Vになるように、該水溶液中の酸化型
金属イオン濃度を維持管理することを特徴とするアルミ
ニウム系金属の酸性洗浄方法を提供する。
【0022】本発明のアルミニウム系金属の酸性洗浄水
溶液中に臭素イオンを含有させることにより、以下の2
つの特徴を有する。第1の特徴は、エッチング促進剤と
して、第2の特徴は、界面活性剤の酸化分解反応抑制剤
として機能することである。
【0023】なお、上記酸性洗浄水溶液は、アルミニウ
ム系金属の素材を洗浄する洗浄浴として用いられるが、
上記酸性洗浄水溶液の濃厚水溶液を適量の水によって使
用範囲内の濃度に希釈することによって得られる。以
下、洗浄浴を基に説明する。
【0024】まず、無機酸としては、硫酸、硝酸、リン
酸が挙げられる。
【0025】また一般に、アルミニウムは、表面に安定
な酸化膜を形成しやすい。従来添加されていたフッ素イ
オンは、酸性浴中におけるアルミニウムのアノード・カ
ソード両分極を減少させ、腐食電流密度を大きくするこ
とによって低温でも充分なエッチング効果を得てきた。
そこで、本発明の第1の特徴は、フッ素イオンを用いな
くとも、アノード分極を減少させるいわゆる「アノード
復極剤」と、カソード分極を減少させるいわゆる「カソ
ード復極剤」とを併用することにより、高温はもとよ
り、低温(35〜60℃)でもアルミニウム系金属を洗
浄可能にすることであり、特定の「アノード復極剤」
が、臭素イオン(Br- )であり、エッチング促進剤と
して機能する。「カソード復極剤」のみでは、低温(3
5〜60℃)酸性洗浄において、アルミニウムのエッチ
ング効果が充分に得られないからである。
【0026】臭素イオン(Br- )は、「カソード復極
剤」と併用した場合、アルミニウム表面の孔食(ピッ
ト)の発生が全く認めらず、適度なエッチング効果が得
られる。一方、塩素イオン(Cl- )を「カソード復極
剤」と併用した場合、エッチング促進効果はフッ素イオ
ンに次いで高いが、ピットが多発生してしまうという問
題があった。また、ヨウ素イオン(I- )を「カソード
復極剤」と併用した場合、エッチング促進効果が認めら
ず、洗浄性が劣る。更に、アルミ缶の製造ラインにおい
ては、ステンレス製のコンベア上にアルミ缶を載せて洗
浄工程を行うことから、ステンレスとの接触時において
もピットを発生させることなく均一にエッチングする必
要がある。この点でも、臭素イオンは優れている。
【0027】臭素イオンの供給源としては、47%HB
r水溶液、臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化アルミ
ニウム、臭化鉄等が挙げられる。
【0028】「カソード復極剤」としては一般に酸化型
金属イオンが用いられる。酸化型金属イオンとしては、
第2鉄イオン(Fe3+)、メタバナジン酸イオン(VO
3 -)、第2セリウムイオン(Ce4+)等が挙げられ
る。上記の「アノード復極剤」の臭素イオン(Br-
は、強力な酸化剤と共存させると、2Br- →Br2
2eという反応が起こり、有害な臭素ガス(Br2 )を
発生する。そのときの酸化還元平衡電位は1.08Vで
あるため、1.08Vよりも低い酸化還元平衡電位を有
する酸化型金属イオン、すなわち第2鉄イオン(F
3+)、メタバナジン酸イオン(VO3 - )が好適であ
る。なお、上記第2鉄イオン等と臭素イオンを共存させ
ても、臭素ガスの遊離は認められなかった。
【0029】第2鉄イオンの供給源は、硫酸第2鉄、硝
酸第2鉄、過塩素酸第2鉄等の水溶性第2鉄塩が挙げら
れる。また、メタバナジン酸イオンの供給源は、メタバ
ナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸カリウム、メタバ
ナジン酸アンモニウム等が挙げられる。第2セリウムイ
オンの供給源は、硫酸セリウムアンモニウム等が挙げら
れる。
【0030】界面活性剤としては、ノニオン系、カチオ
ン系、アニオン系、両性イオン系のいずれの種類の界面
活性剤でも従来どおり使用できる。その中で、特にノニ
オン系、例えばエトキシ化アルキルフェノール系、炭酸
水素誘導体、アビエチン酸誘導体、第1級エトキシ化ア
ルコール、変性ポリエトキシ化アルコール等が好まし
い。
【0031】また、通常、洗浄を行うと、時間の経過と
共に酸化型金属イオンとして第2鉄イオンを用いた場合
には、Fe3++e→Fe2+により第1鉄イオンに変化
し、酸化還元電位が低下して(洗浄浴の老化ともい
う)、アルミニウム表面のエッチング促進効果がなくな
る。なお、第2鉄イオンの他の酸化金属イオンについて
も同様に経時的に洗浄浴が老化する。そこで、ORPを
コントロールする酸化剤を随時添加して又は当初からO
RPをコントロールする酸化剤を酸性洗浄水溶液に添加
して第1鉄イオンを第2鉄イオンに酸化してもよい。こ
のときのORPコントロール用の酸化剤としては、過酸
化水素(H2 2 )、過硫酸塩(例えば、NaS2 8
2-)、オゾン(O3 )、セリウム化合物(例えば、硫酸
セリウムアンモニウム:(NH4 4 Ce(S
4 4 )、亜硝酸塩(例えばNaNO2 ,KNO2
等が挙げられる。なお、このような酸化剤については、
特公平3−65436号公報に開示されている。一方、
酸化型金属イオンとしてメタバナジン酸イオンを用いる
場合には、メタバナジン酸塩を随時補給すればよい。ま
た、ORPとは、酸化還元電位(oxidation-reduction
potential )のことである。
【0032】また、ORPコントロールの際に、上記酸
化剤と上述した酸化型金属イオンとを組み合わせて酸性
洗浄水溶液に添加するのも有効である。
【0033】本発明の第2の特徴は、酸性洗浄水溶液中
において、上記酸化型金属イオン及び酸化剤による界面
活性剤の酸化分解反応を抑制する添加剤が、臭素イオン
(Br- )であることである。
【0034】塩素イオン(Cl- )を添加剤として用い
ても、酸化分解反応を抑制することができるが、臭素イ
オン(Br- )に比べて効果が劣る。また、上述したよ
うに、塩素イオン(Cl- )は、アルミニウム表面の孔
食(ピット)が多発生してしまうという問題がある。こ
のため、塩素イオン(Cl- )は、界面活性剤の酸化分
解反応を抑制する添加剤としては、不適当である。
【0035】また、本発明の無機酸から選ばれる少なく
とも1種は、洗浄水溶液中に0.5〜25g/l含有さ
れている。好ましくは含有量10〜20g/lである。
洗浄水浴液中の無機酸の含有量が0.5g/l未満の場
合は、アルミニウム表面のエッチング速度が極端に低下
し、洗浄浴としての有効性が発揮できない。一方、含有
量が25g/lを越えると、エッチングに対してそれ以
上の効果が認められず不経済となる。
【0036】酸化型金属イオンは、酸性洗浄水溶液中に
0.05〜4g/l含有されていることが好ましく、
0.2〜2g/l含有されていることがより好ましい。
なお、浴温が低温域(35〜60℃)の場合は0.5〜
4g/l含有されていることが好ましい。一方、浴温が
高温域(60〜80℃)の場合は0.05〜4g/l含
有されていることが好ましい。酸化型金属イオンの含有
量が0.05g/l未満の場合は、エッチング量が不足
して脱スマット性が低下する。一方、含有量が4g/l
を越える場合には、洗浄性に差が認められず不経済とな
る。
【0037】界面活性剤は、酸性洗浄水溶液中に0.1
〜10g/l含有されていることが好ましく、0.5〜
2g/l含有されていることがより好ましい。界面活性
剤の含有量が0.1g/l未満の場合は、洗浄性、特に
脱脂性が低下する。一方、含有量が10g/lを越える
場合には、洗浄性に差が認められず不経済となる。
【0038】臭素イオンは、酸性洗浄水溶液中に0.0
02〜5g/l含有される。ただし、本発明の第2の特
徴である臭素イオンが界面活性剤の酸化分解反応の抑制
剤として機能する場合は、酸性洗浄水溶液中に0.00
2〜0.1g/l含有されていることが好ましい。臭素
イオンの含有量が0.002g/l未満の場合は、界面
活性剤の酸化分解反応の抑制効果が低下する傾向があ
り、0.1g/lを越えても、界面活性剤の酸化分解反
応の抑制には、これ以上の効果が待ちえない。
【0039】界面活性剤の酸化分解反応は、高温になる
程促進されるため、低温域(35〜60℃)では0.0
02〜0.03g/l、高温域(60〜80℃)では
0.03〜0.1g/l含有されていることがより好ま
しい。
【0040】一方、本発明の第1の特徴である臭素イオ
ンがエッチング促進剤として機能する場合は、酸性洗浄
水溶液中に低温域(35〜60℃)では、0.5〜5g
/l、高温域(60〜80℃)では0.05〜0.5g
/l含有されていることが好ましく、浴温が低温域(3
5〜60℃)、高温域(60〜80℃)ともに、0.1
〜2.5g/l含有されていることがより好ましい。
【0041】なお、低温域において、臭素イオンの含有
量が0.5g/l未満の場合はエッチング量が不足し、
脱スマット性が低下する。一方、高温域においては臭素
イオン含有量が0.5g/l未満であってもエッチング
量が極端に不足することはないが、臭素イオンの含有量
が増加するに従って、Fe3+の含有量を下げることが可
能となり、この場合は鉄イオンに由来する沈澱生成を抑
制することにつながる。含有量が5g/lを越える場合
には、エッチング量が過剰となるため、処理浴の老化が
早まり、また外観が不均一となると同時に、設備の腐食
が進むこととなる。
【0042】酸性洗浄浴は、0.5〜0.8V(vs.
Ag−AgCl)の酸化還元電位(ORP)に管理する
ことが好ましい。また、0.55〜0.7V(vs.A
g−AgCl)の酸化還元電位に管理することがより好
ましい。酸性洗浄浴の酸化還元電位が0.8V(vs.
Ag−AgCl)を越えると、上述したように有害な臭
素ガスが発生してしまう。一方、酸化還元電位が0.5
V(vs.Ag−AgCl)未満の場合は、エッチング
量が不足して脱スマット性が低下する。なお、Ag−A
gClは、銀−塩化銀電極の略記である。
【0043】しかしながら、洗浄を行うと、時間の経過
と共に酸化型金属イオンである第2鉄イオンは、Fe3+
+e→Fe2+により第1鉄イオンに変化し、いずれは酸
化還元電位が低下して(洗浄浴の老化ともいう)、アル
ミニウム表面のエッチング促進効果がなくなる。
【0044】一方、上記酸化還元電位(ORP)に管理
するために、新たに第2鉄イオン(Fe3+)を補給して
いくと、第1鉄イオン(Fe2+)が酸性洗浄浴中に蓄積
され、その結果、酸性洗浄浴が泥状化し、また第1鉄イ
オン由来の沈殿物が生成して処理作業性が劣化する。更
に、酸性洗浄浴から持ち出されたアルミ缶等の被処理物
は、次工程に鉄イオンを持ち込むため、次工程において
沈殿物が発生したり、または化成処理に悪影響を及ぼす
おそれがある。
【0045】そこで、ORPコントロールのために、上
述の「酸化型金属イオンと酸化剤」または「酸化剤」を
補給し、上記範囲内にORPを維持管理すれば、上述の
問題は解消される。
【0046】本発明のアルミニウム表面の酸性洗浄方法
は、スプレー法または浸漬法のいずれを用いてもよい。
また、酸性洗浄を実施するにあたり、処理温度は35〜
80℃が好ましい。より具体的には、臭素イオンをエッ
チング促進剤として用いる場合には、臭素イオン(Br
- )の濃度によって適用する温度を変えることがより好
ましい。Br- が0.05〜0.5g/lでは、60〜
80℃、0.5〜5g/lでは、35〜60℃がそれぞ
れより好ましい温度である。すなわち、低温域(35〜
60℃)においては低温度によるエッチング不足を臭素
イオンにより補い、高温域(60〜80℃)においては
酸化型金属イオン(例えば、第2鉄イオン及び/又はメ
タバナジン酸イオン)の含有量の低減によってバランス
が保たれる。ここで、処理温度が、80℃を越えると、
過剰エッチングとなり処理浴の老化が早まり、35℃未
満の場合はエッチング量が不足し、脱スマット性が低下
する。
【0047】酸性洗浄処理時間は、30〜300秒が好
ましい。処理時間が300秒を越えると過剰エッチング
となり処理浴の老化が早まり、30秒未満の場合はエッ
チング量が不足し、脱スマット性が低下する。より好ま
しくは、45〜120秒である。
【0048】本発明の酸性洗浄剤によって清浄化された
アルミニウム表面は、常法に従って水洗後、例えばリン
酸塩化成処理を行ってもよい。
【0049】
【作用】本発明によれば、次に示す反応式を促進するこ
とができる。
【0050】
【数1】 すなわち、アルミニウム表面のエッチング反応は、上記
の反応式のように起こる。従って、アノード反応を促進
する「アノード復極剤」として臭素イオンを、カソード
反応を促進する「カソード復極剤」として「酸化型金属
イオン」を併用することにより、アルミニウム表面のエ
ッチングは促進される。
【0051】また、洗浄浴の酸化還元電位を0.5〜
0.8V(vs.Ag−AgCl)に管理することによ
り、臭素ガスを発生させることなく上記反応を促進する
ことができる。
【0052】更に、「酸化型金属イオンと酸化剤」また
は「酸化剤」として、酸化型金属イオンを第2鉄イオン
等、ORPコントロールの酸化剤を過酸化水素等とし、
洗浄浴中に随時添加することによって、洗浄浴を泥状化
させることなく、洗浄浴の酸化還元電位を0.5〜0.
8V(vs.Ag−AgCl)に管理することができ
る。
【0053】また、「アノード復極剤」として臭素イオ
ンを用いることとしたので、塩素イオンを用いた場合の
ように、洗浄後にアルミニウム表面にピットが発生する
ことがない。臭素イオンは、塩素イオンに比べイオン半
径が大きいので、アルミニウム酸化膜を透過しにくいか
らである。
【0054】また、酸化型金属イオン及び酸化剤による
界面活性剤の酸化分解反応が、微量の臭素イオンによっ
て抑制されるため、酸化分解物が洗浄浴中に蓄積され、
アルミニウム表面の脱脂性が低下することがない。これ
により、アルミニウム表面の満足な洗浄化が達成でき
る。
【0055】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明する。
【0056】実施例1〜22及び比較例1〜8 (1)被処理物:3004合金のアルミニウム板をDI
加工して得られた、潤滑油とスマットの付着したフタな
し容器。
【0057】(2)洗浄水溶液:75%硫酸、20%F
2 (SO4 3 水溶液、67.5%硝酸に、臭素イオ
ンの供給源として47%HBr水溶液又は95%NaB
rをVO3 - イオンの供給源として95%NaVO3
添加して調製した。なお、各々の添加量は、表1〜表4
に示した実施例及び比較例に記載された添加量である。
また、表1及び表3に示す実施例には、炭化水素誘導体
(1g/l)及びアビエチン酸誘導体(1g/l)の界
面活性剤を添加した。一方、表2及び表4に示す実施例
には、上記界面活性剤は添加されていない。
【0058】(3)処理条件:上記容器を各洗浄水溶液
でもって、表に示す所定の温度で60秒間スプレー処理
し、次いで15秒間水道水、続いて5秒間脱イオン水で
スプレー水洗し、95℃で乾燥させた。
【0059】(4)洗浄性評価:以下の項目について試
験した。その結果を表1〜表4に示す。
【0060】(a)外観:乾燥後の容器内の白さを目視
判定する。脱脂及び脱スマットが完全で十分にエッチン
グされた白い外観を有する場合に良とし、白化の程度に
応じて以下の5段階評価する。
【0061】◎ : 全面白色 ○ : 部分的に薄く灰色 △ : 全体に薄く灰色 × : 部分的に灰色 ××:全面灰色 (b)水ぬれ性:スプレー水洗直後の容器を3回振って
水切りし、容器を上向きに静置し30秒後の容器外表面
の水ぬれ面積(%)を測定する。
【0062】(c)脱スマット性:乾燥後の容器内面に
透明粘着テープを密着し、次にこれを剥離して白色台紙
上に貼り付け、テープ張り付け面の白さを他の台紙部分
と比較する。完全にスマットが除去されて汚染のない場
合を良とし、汚染の程度に応じて以下の5段階で評価す
る。
【0063】5 : 汚染なし 4 : 痕跡程度の汚染 3 : 僅微な汚染 2 : 中等な汚染 1 : 多大な汚染 以下に、評価結果を示す。なお、酸性洗浄浴のベース
は、75%硫酸10g/l、67.5%硝酸1g/lに
よって調製した。また、表中の「ORP」は、浴中の酸
化還元電位(銀−塩化銀電極電位基準、vs.Ag−A
gCl)を示す。
【0064】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】 これらの結果から、本発明のアルミニウム系金属の酸性
洗浄水溶液によれば、低温でかつフッ素イオンを用いる
ことなく良好な洗浄が得られる。
【0065】実施例23〜40及び比較例9〜14 (1)被処理物と処理量 アルミニウム板をDI加工した直径6.6cm、内容量
350mlの缶を500缶を処理した。
【0066】(2)処理工程 以下の順で連続して実施した。
【0067】予備洗浄(40℃±2℃、20秒、スプレ
ー圧1.0kg/cm2 ) 本洗浄 (50℃±2℃、1分、スプレー圧3.0kg
/cm2 ) 水 洗 (25〜35℃、30秒、スプレー圧0.5k
g/cm2 ) 純水洗 (20〜30℃、20秒、スプレー圧0.5k
g/cm2 ) 乾 燥 (210±10℃、2分、熱風) (3)本洗浄水溶液 以下の組成の処理浴(20リットル)を建浴、使用し
た。
【0068】臭素イオン 1.0g/l 第2鉄イオン 1.0g/l 硫酸イオン 12.5g/l 硝酸イオン 1.5g/l ノニオン系界面活性剤 2.0g/l(実施例1と同
一) (4)予備洗浄用水溶液 上記本洗浄水溶液の約10重量%濃度のものを使用し
た。なお、硫酸、臭素イオン、界面活性剤は、消費量に
応じて適宜補給した。
【0069】(5)処理結果 本洗浄の処理浴20リットルでもって、上述した被処理
物500缶の洗浄後のORP及び第2鉄イオンの減少量
を測定した。また、酸化剤添加後の処理浴のORPを測
定し、更にその処理浴で洗浄した缶の外観を観察し、建
浴時の缶の外観と同様に梨地様の白っぽい状態を呈し、
スマット付着、付着残留油分の認められないものを異常
なしとした。なお、洗浄性評価評は上記同様である。
【0070】
【表5】
【表6】 表5及び表6に示すように、建浴直後の処理浴(実施例
23)は、ORP値が高く、処理後の外観も良好であ
る。しかし、500缶処理後の処理浴(比較例9)は、
第2鉄イオン濃度が減少し、ORP値も低下するために
処理後の外観も不良となった。そこで、この処理浴にO
RPコントロール用の酸化剤を添加し、処理浴中に蓄積
した第1鉄イオンを第2鉄イオンに酸化させ、ORP値
をもとの状態に戻すことにより再び良好な処理外観が得
られるようになった。
【0071】実施例24〜28、39、40は、ORP
コントロール用の酸化剤として、過酸化水素を添加した
結果である。いずれもORP値が上昇し、処理外観も良
好となった。しかし、添加する過酸化水素の量が少ない
と、比較例10のように、ORP値が十分に上昇せず処
理外観も悪化する。
【0072】実施例29〜38は、ORPコントロール
用の酸化剤として、先述したように、過酸化水素の他に
メタバナジン酸イオン、亜硝酸イオン、過硫酸イオン、
第2セリウムイオン等を用いた。なお、実施例34、3
7のように、ORPコントロール用の酸化剤を多量に添
加すると、ORP値が上限値(0.8V)に近づき、臭
素ガス発生の危険性が生じてくる。また、若干過剰エッ
チングによるアルミニウム表面のピッティングが発生す
るため、処理外観が若干他の実施例に比べ悪化する。こ
れらの結果から、洗浄浴のORP値は、0.5〜0.8
V(vs.Ag−AgCl)の範囲、より好ましくは
0.55〜0.7V(vs.Ag−AgCl)で管理す
ることが必要である。
【0073】また、比較例12より低温で処理した比較
例14は、処理が不十分であるために、処理外観が不良
である。
【0074】実施例41〜55及び比較例15〜23 (1)被処理物:3004合金のアルミニウム板をDI
加工して得られた、潤滑油とスマットの付着したフタな
し容器。
【0075】(2)洗浄剤:後記「(4)酸化効率評
価」に用いた酸性洗浄水溶液であって、過酸化水素によ
って洗浄水溶液中の第1鉄イオンを第2鉄イオンに酸化
した後の酸性洗浄水溶液を用いた。
【0076】(3)処理条件:上記容器を各洗浄剤でも
って、40〜50℃で60秒間スプレー処理し、次いで
15秒間水道水、続いて5秒間脱イオン水でスプレー水
洗し、95℃で乾燥させた。
【0077】(4)酸化効率評価: 下記の表7、表8及び表9に示した実施例及び比較例に
記載されて添加量で構成された酸性洗浄水溶液を、70
℃に加熱し攪拌しながら過酸化水素を滴下した。全ての
第1鉄イオン(Fe2+)を第2鉄イオン(Fe3+)に酸
化する際に、理論的に必要な過酸化水素の量をa、実施
に要した量をbとして、下式により酸化効率を算出し
た。
【0078】酸化効率=(a/b)×100(%) ◎ : 80〜100(%) ○ : 60〜80(%) ○〜△: 40〜60(%) △ : 20〜40(%) × : 0〜20(%) (5)洗浄性評価: 以下の項目について試験した。その結果を表7、表8及
び表9に示す。なお、外観、水ぬれ性及び脱スマット
は、上述の実施例1〜22及び比較例1〜8の評価に用
いた評価基準に準拠する。
【0079】以下に、評価結果を示す。なお、表中の
「ORP」は、浴中の酸化還元電位(銀−塩化銀電極電
位基準、vs.Ag−AgCl)を示す。
【0080】
【表7】
【表8】
【表9】 実施例56〜58には、ORP値による性能変化が示さ
れている。実施例41に準拠して、H2 2 を添加し
て、上表の組成の水溶液のORP値が各々0.60、
0.50、0.45V(vs.Ag−AgCl)とし、
性能を評価した。結果を表10に表す。
【0081】
【表10】 これらの結果から、本発明のアルミニウム系金属の酸性
洗浄水溶液によれば、フッ素イオンを用いることなく良
好な洗浄が得られる。
【0082】また、本発明の好ましい態様として、以下
の態様を挙げることができる。
【0083】1.無機酸が硫酸及び硝酸の混合無機酸で
あって、その混合重量比が硫酸/硝酸=30/1〜30
/4である混合無機酸である洗浄水溶液及び洗浄方法。
【0084】2.無機酸が酸性洗浄液中に10〜25g
/lである洗浄水溶液及び洗浄方法。
【0085】3.エッチング促進を主目的とする場合に
は、臭素イオンの含有量が酸性洗浄液中に0.1〜2.
5g/lである洗浄水溶液及び洗浄方法。
【0086】4.エッチング促進を主目的とする場合に
は、臭素イオンの含有量は、処理温度が60〜80℃に
て処理を行う際に0.05〜0.5g/lであり、処理
温度が35〜60℃にて処理を行う際に0.5〜5g/
lである洗浄水溶液及び洗浄方法。
【0087】5.界面活性剤酸化分解反応抑制を主目的
とする場合には、臭素イオンの含有量が酸性洗浄液中に
0.01〜0.08g/lである洗浄水溶液及び洗浄方
法。 6.界面活性剤酸化分解反応抑制を主目的とする場合に
は、臭素イオンの含有量は、処理温度が60〜80℃に
て処理を行う際に0.03〜0.1g/lであり、処理
温度が35〜60℃にて処理を行う際に0.002〜
0.03g/lである洗浄水溶液及び洗浄方法。
【0088】7.臭素イオンの供給源がHBr水溶液、
臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化アルミニウム、臭
化鉄の少なくとも1種である洗浄水溶液及び洗浄方法。
【0089】8.酸化型金属イオンの含有量が酸性洗浄
液中に0.2〜2g/lである洗浄水溶液及び洗浄方
法。
【0090】9.酸化型金属イオンの含有量は、処理温
度が60〜80℃にて処理を行う際に0.05〜4g/
lであり、処理温度が35〜60℃にて処理を行う際に
0.5〜4g/lである洗浄水溶液及び洗浄方法。
【0091】10.酸化型金属イオンの供給源が第2鉄
イオン(Fe3+)、メタバナジン酸イオン(VO3-)、
第2セリウムイオン(Ce4+)の少なくとも1種である
洗浄水溶液及び洗浄方法。
【0092】11.酸化型金属イオンの供給源が第2鉄
イオン(Fe3+)、メタバナジン酸イオン(VO3-)の
少なくとも1種である洗浄水溶液及び洗浄方法。
【0093】12.第2鉄イオンの供給源が硫酸第2
鉄、硝酸第2鉄、過塩素酸第2鉄の水溶性第2鉄塩の少
なくとも1種である洗浄水溶液及び洗浄方法。
【0094】13.メタバナジン酸イオンの供給源がメ
タバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸カリウム、メ
タバナジン酸アンモニウムの水溶性メタバナジン酸塩の
少なくとも1種である洗浄水溶液及び洗浄方法。
【0095】14.界面活性剤の含有量が酸性洗浄液中
に0.5〜2g/lである洗浄水溶液及び洗浄方法。
【0096】15.界面活性剤がノニオン系界面活性剤
である洗浄水溶液及び洗浄方法。
【0097】16.酸化剤が過酸化水素水、過硫酸塩、
オゾン、亜硝酸塩の少なくとも1種である洗浄水溶液及
び洗浄方法。
【0098】17.洗浄水溶液のORP値が0.5〜
0.8V(銀−塩化銀電極電位基準)の範囲となる量の
酸化剤を添加する洗浄水溶液及び洗浄方法。
【0099】18.無機酸から選ばれる少なくとも1種
を10〜25g/lと、臭素イオンをエッチング促進を
主目的とする場合には、0.1〜2.5g/l、界面活
性剤酸化分解反応抑制を主目的とする場合には0.01
〜0.08g/lと、酸化型金属イオンを0.2〜2g
/lと、ノニオン系界面活性剤を0.5〜2g/lと、
を含有する洗浄水溶液及び洗浄方法。
【0100】19.洗浄水溶液のORP値が0.55〜
0.7V(銀−塩化銀電極電位基準)である洗浄水溶液
及び洗浄方法。
【0101】20.酸性洗浄水溶液のpHが0.6〜
2.0であるアルミニウム系金属の酸性洗浄方法。
【0102】21.処理温度が35〜80℃であるアル
ミニウム系金属の酸性洗浄方法。
【0103】22.アルミニウム系金属の酸性洗浄後、
リン酸塩処理を行うアルミニウム系金属の酸性洗浄方
法。
【0104】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るアルミニウ
ム系金属の酸性洗浄水溶液及びその洗浄方法によれば、
公害や作業環境を汚染する有害なクロムイオン及びフッ
素イオンを含有せず、アルミニウム表面に付着した潤滑
油及びスマットを除去し、かつ酸化剤・界面活性剤の消
費を抑制することができ、化成処理や塗装作業を順調に
処理できるように清浄化させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神村 雅之 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日 本ペイント株式会社東京事業所内 (72)発明者 池田 哲 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日 本ペイント株式会社東京事業所内 (72)発明者 島田 みゆき 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本 ペイント株式会社寝屋川事業所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23G 1/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機酸から選ばれる少なくとも1種を
    0.5〜25g/lと、 臭素イオンを0.002〜5g/lと、 酸化型金属イオンを0.05〜4g/lと、 を含有することを特徴とするアルミニウム系金属の酸性
    洗浄水溶液。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアルミニウム系金属の酸
    性洗浄水溶液において、 更に、界面活性剤を0.1〜10g/l添加することを
    特徴とするアルミニウム系金属の酸性洗浄水溶液。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のアルミニウム系金
    属の酸性洗浄水溶液において、 更に、酸化剤を添加することを特徴とするアルミニウム
    系金属の酸性洗浄水溶液。
  4. 【請求項4】 アルミニウム系金属表面を洗浄する洗浄
    方法において、 無機酸から選ばれる少なくとも1種を0.5〜25g/
    lと、臭素イオンを0.002〜5g/lと、酸化型金
    属イオンを0.05〜4g/lと、脱脂要求に応じて界
    面活性剤を0.1〜10g/l及び/又は酸化剤を含有
    するアルミニウム系金属の酸性洗浄水溶液の酸化還元電
    位が、銀−塩化銀電極電位基準で0.5〜0.8Vであ
    ることを特徴とするアルミニウム系金属の洗浄方法。
  5. 【請求項5】 アルミニウム系金属表面を洗浄する洗浄
    方法において、 無機酸から選ばれる少なくとも1種を0.5〜25g/
    lと、臭素イオンを0.002〜5g/lと、酸化型金
    属イオンを0.05〜4g/lと、脱脂要求に応じて界
    面活性剤を0.1〜10g/l及び/又は酸化剤を含有
    するアルミニウム系金属の酸性洗浄水溶液を用い、「酸
    化型金属イオンと酸化剤」または「酸化剤」を酸性洗浄
    水溶液中に補給し、該水溶液の酸化還元電位が銀−塩化
    銀電極電位基準で0.5〜0.8Vになるように、該水
    溶液中の酸化型金属イオン濃度を維持管理することを特
    徴とするアルミニウム系金属の酸性洗浄方法。
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