JP2001003264A - 電磁波遮蔽三次元構造体及びその製造方法 - Google Patents

電磁波遮蔽三次元構造体及びその製造方法

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JP2001003264A
JP2001003264A JP11173614A JP17361499A JP2001003264A JP 2001003264 A JP2001003264 A JP 2001003264A JP 11173614 A JP11173614 A JP 11173614A JP 17361499 A JP17361499 A JP 17361499A JP 2001003264 A JP2001003264 A JP 2001003264A
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wave shielding
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Eiichi Koyama
栄一 小山
Toshimitsu Noshi
利光 熨斗
Yoshio Tsumura
美男 津村
Yoshiharu Nishino
善春 西野
Shuichi Shimazu
秀一 島津
Kazuhiro Ueda
和宏 上田
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Original Assignee
Suminoe Textile Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストであって、優れた電磁波遮蔽性能を
有し、かつ構造設計の自由度が大きく複雑な形状の構造
体となし得ると共に、優れた弾力性、伸縮性及び復元性
を具備し得る電磁波遮蔽三次元構造体及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 連続孔を有する三次元立体構造の編織物
の構成糸の少なくとも一部に金属を付着せしめた構造体
1とする。あるいは、構成糸の少なくとも一部に導電性
繊維を用いて連続孔を有する三次元立体構造の編織物を
編織する。前記金属付着は湿式法により行うのが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電磁波遮蔽機能
を有する三次元構造体及びその製造方法に関するもので
あり、例えば電磁波遮蔽ガスケットとして、あるいは構
造体内部等に難燃材、吸音材等の機能材料が付与され
て、電磁波遮蔽建材等として好適に用いられる電磁波遮
蔽三次元構造体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば電磁波遮蔽ガスケット(シ
ールドガスケット)として用いられる三次元構造体とし
ては、ポリウレタンの発泡成形体を芯材にしてその外表
面を、金属被覆繊維からなる織物地で被覆したもの、あ
るいは金属被覆繊維で構成された不織布等が公知であ
る。
【0003】前者の構造体は芯材としてポリウレタンの
発泡成形体を用いているから柔らかく適度なクッション
性を有し、また後者のものも不織布であるので適度なク
ッション性を有するという特徴を具えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電磁波遮蔽ガスケットにおいては次のような問題が
あった。即ち、前者の構造体では、芯材であるポリウレ
タンの発泡成形体に織物地を被覆一体化するという工程
が非常に煩雑であり、そのため製造コストが高くなると
いう問題があった。更に、複雑な形状のものは構成し難
く、このように設計の自由度が小さいため、必然的に適
用用途が限定され、汎用性に乏しいものであった。
【0005】また、後者の不織布では、その形状はほぼ
平板状に限定されるという問題、更には平面方向の伸縮
性に乏しいために複雑な曲面を有する部位には適用し難
いという問題があった。
【0006】また、両者ともその構造上、低圧縮応力が
要求されるノート型パーソナルコンピューターや各種携
帯情報端末の電磁波遮蔽ガスケットとして用いることが
できるものの、高圧縮応力が要求される部位、例えば電
波暗室のドアの電磁波遮蔽ガスケットとしては、復元性
及び耐久性の面から到底使用することができない。
【0007】更に、上記従来の電磁波遮蔽ガスケットは
電磁波を遮蔽する機能を有するものであって、電磁波を
吸収する機能を具備するものではない。そのため、内部
で発生する電磁波を乱反射して誤作動を引き起こすとい
う問題もあった。例えば、前記ノート型パーソナルコン
ピューターに従来の電磁波遮蔽ガスケットを用いた場
合、コンピューター機器内部から発生する電磁波はこの
電磁波遮蔽ガスケットにより遮蔽されて電磁波の外部へ
の漏洩は防止されるものの、この遮蔽された電磁波は電
磁波遮蔽ガスケットに吸収されないので機器内部で乱反
射してパーソナルコンピューター自体の誤作動を引き起
こすことがある。
【0008】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、低コストであって、優れた電磁波
遮蔽性能を有し、かつ構造設計の自由度が大きく複雑な
形状の構造体となし得ると共に、優れた弾力性、伸縮性
及び復元性を具備し得て、高圧縮応力が要求される用途
にも使用することのできる電磁波遮蔽三次元構造体及び
その製造方法を提供することを第1の目的とする。
【0009】更に、電磁波吸収機能をも具備することに
よって、例えば内部誤作動等をも効果的に防止できる電
磁波遮蔽三次元構造体及びその製造方法を提供すること
を第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は鋭意研究の結果、連続孔を有する三次元
立体構造の編織物の少なくとも一部に金属を付着せしめ
た構成とすれば、あるいは連続孔を有する三次元立体構
造の編織物の構成糸の少なくとも一部を導電性繊維で構
成すれば、優れた電磁波遮蔽性能が得られることはもち
ろん、上記の諸問題を解決できることを見出すに至り、
この発明を完成した。
【0011】即ち、この発明に係る電磁波遮蔽三次元構
造体は、連続孔を有する三次元立体構造の編織物の構成
糸の少なくとも一部に金属が付着されてなることを特徴
とするものである。
【0012】また、この発明の別の電磁波遮蔽三次元構
造体は、連続孔を有する三次元立体構造の編織物の構成
糸の少なくとも一部が導電性繊維で構成されていること
を特徴とするものである。
【0013】上記いずれの発明も、電磁波遮蔽構造体の
構造原型として編織物を利用するものであるから、得ら
れる構造体において開口部の大きさや連結柱の間隔等の
構造を厳密に制御することができる。また、この構造原
型である連続孔を有する三次元立体構造の編織物は、設
計の自由度が極めて大きく、従って複雑な立体形状や様
々な大きさの構造体を得ることができ、従ってその適用
用途が幅広いものとなり、極めて汎用性に優れたものと
なる。更に、構造原型として連続孔を有する三次元立体
構造の編織物を用いるので、弾力性、伸縮性及び復元性
に優れたものが得られ、従って前記従来品では使用困難
であった高圧縮応力が要求される用途にも使用すること
ができる。また、前者の発明は構造原型である立体構造
の編織物の構成糸に金属を付着せしめるだけで製造でき
るから、低コストとなし得る。また、後者の発明は、構
成糸の少なくとも一部に導電性繊維を用いるだけである
から、同様に低コストとなし得る。
【0014】上記前者の発明においては、構成糸表面に
金属皮膜が形成されているのが、優れた電磁波遮蔽性能
が確保され得る点で、好ましい。
【0015】上記三次元立体構造の編織物は、所定間隔
を隔てて配置された上下2層の開口部を複数有する編織
地組織間に、連結糸が掛けわたすようにして編み付けら
れたものからなるのが好ましい。このような編織物は例
えばダブルラッセル編機等の編織機によって製作できる
ことから、極めて厳密に構造制御された電磁波遮蔽三次
元構造体を得ることができる。また、編織機を用いるこ
とができるので、生産性に優れており、より低コストと
なし得る。
【0016】上記前者の発明において、上下2層の編織
地組織及び連結糸のいずれにも金属が付着されているの
が好ましい。三次元構造体における上下中間部における
連結糸にも金属が付着されていることで、構造体内部に
おいて電磁波の複雑な反射と吸収が生じて、一層優れた
電磁波遮蔽性能が得られると共に、新たに電磁波吸収機
能をも有するものとなる。該電磁波吸収機能によって例
えば機器の内部誤作動を防止することが可能となる。こ
れと同様の理由から、前記後者の発明において、上下2
層の編織地組織及び連結糸のいずれの構成糸について
も、その少なくとも一部が導電性繊維で構成されている
のが好ましい。
【0017】また、上下2層の編織地組織間に、開口部
を複数有しかつ金属が付着された編織地組織が1層ない
し複数層配置されている場合には、このような開口部の
ある金属部分を有する中間層(組織)の存在により、電
磁波遮蔽性能が一層向上される。
【0018】更に、三次元立体構造の編織物における下
記算出式で規定される充填係数Pが下記範囲にあるのが
望ましい。充填係数Pをこのような範囲とすることによ
って、より一層優れた電磁波遮蔽性能が確保される。
【0019】0.001≦P≦0.5 充填係数P=(t×N×D)/(9000×102 ×ρ
×T) (t:上下2層の編織地組織間の内寸距離(cm)、
N:連結糸の本数(本/cm2 )、D:連結糸の径から
算出した平均デニール、ρ:連結糸の平均比重(g/c
3 )、T:編織物の単位体積(cm3 )) 三次元立体構造の編織物の内部に又は表面に、電磁波吸
収材、難燃材、吸音材等の機能材料の少なくとも1種が
付与されている場合には、電磁波遮蔽性能以外の他の機
能を併有せしめることができる。また、立体構造の編織
物の内部に付与する(例えば充填する)場合には、その
内部空間を有効利用しつつ他の付加機能を付与させるこ
とができるので、より少ない占有体積で多機能を付与で
きる利点がある。
【0020】また、この発明に係る電磁波遮蔽三次元構
造体の製造方法は、連続孔を有する三次元立体構造の編
織物に、湿式法による金属化処理を施し、該編織物の構
成糸に金属を付着せしめることを特徴とするものであ
る。この製造方法により得られる電磁波遮蔽三次元構造
体は、上記発明の電磁波遮蔽三次元構造体であるから、
上述したのと同様の効果を奏する。また、この製造方法
は、湿式法による金属化処理を施すことによって構成糸
に金属を付着せしめるものであるから、該付着を均一に
行うことができると共に、三次元構造体の内部部分にも
付着せしめることができ、かつその付着安定性に優れた
ものを製造することができる。また、湿式法を用いるか
ら構造原型である編織物に熱的影響、変化を与えること
もなく、ひいては弾力性、伸縮性及び復元性に一層優れ
たものを製造できる。
【0021】上記湿式法としては無電解メッキ法を用い
るのが、金属の編織物への付着性をより向上し得る点
で、好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】この発明に係る電磁波遮蔽三次元
構造体の一実施形態を図面に基づいて説明する。この電
磁波遮蔽三次元構造体(1)は、図1に示すように、所
定間隔を隔てて配置された、表面が金属皮膜で被覆され
た糸からなる上層体(2)と下層体(3)の間に、同じ
く表面が金属皮膜で被覆された糸からなる多数の連結柱
(4)…が配置されてその両端をそれぞれ上層体
(2)、下層体(3)に連結されてなるものである。上
層体(2)は多数の開口部(2a)…を有し、かつ下層
体(3)も多数の開口部(3a)…を有するものとなさ
れており、これらが連結柱(4)…間の多数の空隙部と
連通状態となっていることによって、電磁波遮蔽三次元
構造体(1)全体として連続孔を有するものとなされて
いる。
【0023】この三次元構造体(1)は、構成糸表面が
金属皮膜で覆われているので、優れた電磁波遮蔽性能が
発揮される。しかも、同程度の開口を有する電磁波遮蔽
不織布等と比較すると、複雑な立体構造を有することか
ら、即ち金属が付着された上下2層の層体(2)(3)
間に、同じく金属が付着された連結柱(4)…が多数掛
け渡された構造を有するから、一層優れた電磁波遮蔽性
能が得られる。上下2層(2)(3)の中間部に複雑な
立体構造を有すること、及びその中間部の連結柱(4)
…の表面にも金属が付着されていること、この両者の作
用が相俟って一層優れた電磁波遮蔽性能が得られると考
えられる。このことは、本発明の電磁波遮蔽三次元構造
体(1)が、単に2枚の導電体層を接触状態に重ね合わ
せた構成のものと比較しても、その電磁波遮蔽性能が顕
著に向上するものであることからも裏づけられる。特に
中間部における金属付着された連結柱(4)…の存在に
よって、構造体(1)内部において電磁波の複雑な反射
と吸収が生じることによる効果が大きいと考えられる。
更に、このように中間部の連結柱(4)…の表面にも金
属が付着された構成とすることによって、電磁波吸収機
能も発現するものとなり、従って電子機器等の内部誤作
動をも効果的に防止することができるという優れた利点
もある。
【0024】なお、上記実施形態においては、構成糸表
面が金属皮膜で覆われているが、特にこのような形態で
ある必要はなく、例えば構成糸表面に点在的に金属が付
着された構成であっても良い。ただ、より優れた電磁波
遮蔽性能を得る点で、構成糸表面が金属皮膜で覆われて
いるのが望ましい。
【0025】また、連結柱(4)…には必ずしも金属が
付着されている必要はないが、上述のような優れた効果
を享受できることから、連結柱(4)…にも金属が付着
された構成を採用するのが望ましい。
【0026】また、上記実施形態においては、構造体
(1)の構成糸として表面が金属皮膜で被覆された糸を
用いているが、特にこのような形態に限定されるもので
はなく、例えば構成糸自体を導電性繊維で構成するもの
としても良いし、あるいは複数の導電性繊維の撚り糸で
構成するものとしても良いし、あるいはまた図5に示す
ように導電性繊維(41)と他の繊維(非導電性の合成
繊維等)(42)とを組み合わせてなる糸で構成しても
良く、要は、連続孔を有する三次元立体構造の編織物の
少なくとも一部に金属等の導電体を有する構成であれば
良い。
【0027】この発明の電磁波遮蔽三次元構造体(1)
は、例えば次のようにして製作することができる。即
ち、連続孔を有する三次元立体構造の編織物に、金属化
処理を施し、該編織物の構成糸に金属を付着せしめるこ
とによって製造することができる。
【0028】上記金属化処理としては、例えば乾式法、
湿式法等が挙げられるが、特にこれらの方法に限定され
るものではない。前記乾式法としては、例えば真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、金属
溶射法等が挙げられ、前記湿式法としては、例えば無電
解メッキ法、塗料を塗布する方法等が挙げられる。
【0029】これらの中でも、湿式法を用いるのが好ま
しく、この場合には金属付着を均一に行うことができる
と共に、三次元構造体の内部部分にも付着せしめること
ができるし、また金属の編織物構成糸に対する付着性を
向上させることができ、その付着安定性に優れたものと
できる。更に、湿式法を用いれば構造原型である編織物
に対して特に熱的負荷をかけることもないので、該金属
化処理によってその編織物本来の特性を阻害してしまう
ことを防止でき、ひいては弾力性、伸縮性及び復元性に
一層優れたものを製造できる。特に好ましいのは無電解
メッキ法であり、これによって金属の編織物への付着性
を一層向上させることができる。
【0030】なお、一般に製編織した編織物(20)は
表面に油分等が残存している場合が多く、このままの状
態で金属化処理を行うと金属の付着を十分になし得ない
ことがあるため、金属化処理前に脱脂液等に浸漬するこ
とにより油分等を除去しておくのが望ましい。このよう
な脱脂液としては、油分等を溶解等して除去し得るもの
であれば特に限定されず、例えばドデシル硫酸ナトリウ
ム、n−ヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙
げられる。
【0031】あるいは上記製造方法以外によるものとし
て、三次元立体構造の編織物を編織する工程において、
その構成糸の少なくとも一部に導電性繊維を用いて製造
する方法が挙げられる。すなわち、三次元立体構造の編
織物を編織する段階において、その構成糸の少なくとも
一部を導電性繊維でもって構成する方法が挙げられる。
【0032】上記導電性繊維としては、導電性を有する
繊維であれば特に限定されず、例えばそれ自体が導電体
である繊維、合成繊維の外周面を金属等の導電体で被覆
した繊維等が挙げられる。もちろん、これら導電性繊維
と他の繊維(非導電性の合成繊維等)とを組み合わせて
用いても良いことは言うまでもない。前記それ自体が導
電体である繊維としては、例えば銅、銀、ステンレス、
ニッケル等の金属繊維、あるいは炭素繊維などが挙げら
れる。また前記合成繊維の外周面を導電体で被覆した繊
維としては、例えばポリエステル原糸を銅−ニッケルで
無電解メッキ処理した繊維などが挙げられる。
【0033】この発明において、三次元立体構造の編織
物としては、連続孔を有するものであれば特に限定され
ず、例えばベルベット織機、ダブルラッセル編機、ダブ
ルジャージィ編機、モケット編機、絡み織機等の編織機
を用いて製編織して製作することができる。このような
編織物としては、例えば図6、7に示すような構造を有
する三次元立体構造の編織物(20)が好適である。
【0034】上記三次元立体構造の編織物(20)は、
所定間隔を隔てて配置された上下2層の編織地組織(2
1)(22)間に、連結糸(23)が掛けわたすように
して編み付けられたものである。そして、この実施形態
では上下2層の組織(21)(22)として編地組織が
採用されている。この編織地組織(21)(22)はそ
れぞれ複数の開口部(21a)…(22a)…を有して
おり、これらが連結糸(23)…間の多数の空隙部と連
通状態となっていることによって、三次元立体構造の編
織物(20)全体として連続孔を有するものとなされて
いる。この編織物(20)は、ダブルラッセル編機を用
いて製編されたものである。
【0035】編織地組織(21)(22)及び連結糸
(23)…を構成する素材としては、特に限定されるも
のではなく、例えばポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリアクリロニトリル等の合成繊維や再生繊
維、あるいはウール、絹等の天然繊維等が挙げられる。
上記素材のいずれかを単独で用いても良いし、これらの
いくつかを併用しても良い。無電解メッキ法による金属
化処理を施す場合には、エッチングによる表面粗化の容
易なものが好ましく、この観点から特にポリエステル、
ポリアミドが好適である。
【0036】また、編織地組織(21)(22)及び連
結糸(23)…を構成する糸の形状としては、特に限定
されず、例えば丸断面糸でも異形断面糸等でも良く、更
にはモノフィラメント糸、マルチフィラメント糸、スパ
ン糸、捲縮加工糸、流体交絡糸等であっても良く、もち
ろんこれらを混用しても良く、このように種々の形態を
採用することができる。具体的には、電磁波遮蔽三次元
構造体(1)として要求される特性、機能との関係で種
々の設計が行われるものである。例えば、連結糸(2
3)を構成する糸の少なくとも一部に10〜1000デ
ニールのモノフィラメント糸を用いるものとすれば、適
度なクッション性の付与が容易になる。
【0037】上記三次元立体構造の編織物(20)にお
ける下記算出式で規定される充填係数Pは下記範囲に設
定するのが望ましい。充填係数Pをこのような範囲とす
ることによって、より一層優れた電磁波遮蔽性能を確保
できるからである。
【0038】0.001≦P≦0.5 充填係数P=(t×N×D)/(9000×102 ×ρ
×T) (t:上下2層の編織地組織間の内寸距離(cm)、
N:連結糸の本数(本/cm2 )、D:連結糸の径から
算出した平均デニール、ρ:連結糸の平均比重(g/c
3 )、T:編織物の単位体積(cm3 )) なお、T(編織物の単位体積)は、単位面積1cm2
上下2層の編織地組織間の外寸距離t2 (cm)を乗じ
た値である。即ち、 T(cm3 )=1(cm)×1(cm)×t2 (cm)
【0039】中でも、前記充填係数Pは0.003以上
0.1以下の範囲に設定するのがより望ましい。
【0040】更に、編織地組織(21)(22)の組織
形態としては、複数の開口部を有する編織地であれば特
に限定されるものではなく、例えば亀甲編地、マーキゼ
ット編地(図8参照)、メッシュ編地、ダブルトリコッ
ト編地、平織地、朱子織地等が挙げられる。本実施形態
においては亀甲編地形態が採用されている。
【0041】前記上層の編織地組織(21)と下層の編
織地組織(22)とで組織形態や開口部の大きさ等は同
一としても良いし、異なるものとしても良く、いずれで
あっても良い。
【0042】また、連結糸(23)の上下組織(21)
(22)間における配置形態としては、特に限定される
ものではなく、例えば連結糸(23)の配置間隔は適宜
に設定すれば良く、好ましくは前記充填係数Pが規定範
囲となるように適宜に設定すれば良い。また、連結糸
(23)は、編織物(20)の断面視において、上下2
層の編織地組織(21)(22)に対して垂直方向に掛
けわたす態様で配置されていても良いし、あるいは斜交
配置、たすき掛け状配置、ジグザグ状配置、菱形形状配
置、ハニカム状配置等いずれであっても良い。もちろ
ん、これらを任意に組み合わせた配置構成であっても良
い。また、連結糸(23)の配列を、部分的に歯抜け状
に欠落させたような構成とすることもできる。
【0043】この発明の電磁波遮蔽三次元構造体(1)
は、上記のような構成に係る連続孔を有する三次元立体
構造の編織物(20)を、三次元構造体(1)の構造の
原型として利用するものであるから、得られる電磁波遮
蔽三次元構造体(1)の三次元立体構造は基本的に原型
である編織物(20)の立体構造を反映したものとな
る。即ち、製造される電磁波遮蔽三次元構造体(1)の
構造は、出発構造体である三次元立体構造の編織物(2
0)の立体構造を所望の構造に設定することによって制
御することができる。ここで、連続孔を有する三次元立
体構造の編織物(20)としては、設計の自由度が極め
て大きいものであり、従って製造する電磁波遮蔽三次元
構造体(1)においても様々な形状や大きさのものを、
更には立体的に複雑な構造のものでも容易に製造するこ
とができる利点がある。また、編織物(20)において
開口部の大きさや連結糸の間隔等は厳密に制御すること
が可能である、即ち厳密な構造制御を行うことができる
ので、得られる電磁波遮蔽三次元構造体(1)としても
厳密に構造制御されたものとなる。即ち、所望の場合に
は、所定の大きさに均一に制御された開口部を有する構
造体(1)を得ることができるものである。
【0044】なお、上記実施形態においては、編織物に
おける編織地組織は上下2層となされているが、これら
両編織地組織間に、更に1ないし複数の編織地組織(開
口部を有する)を配置する構成としても良い。即ち、電
磁波遮蔽三次元構造体(1)は、例えば図4に示すよう
に、上下両層体(2)(3)間に1ないし複数の、表面
が金属皮膜で被覆された糸からなる開口部を有する中間
層体(7)が配置されて、各層体がそれぞれ表面が金属
皮膜で被覆された糸からなる連結柱(4)…によって連
結された構成であっても良い。
【0045】この発明に係る電磁波遮蔽三次元構造体
(1)は、低コストで、かつ優れた電磁波遮蔽性能を有
することから、パーソナルコンピューターや各種携帯情
報端末(携帯電話等)の電磁波遮蔽ガスケット等として
好適に用いられる。更に、弾力性、伸縮性及び復元性に
も優れているから、電波暗室のドアの電磁波遮蔽ガスケ
ット等の高圧縮応力が要求される用途にも使用すること
ができる。また、この電磁波遮蔽三次元構造体(1)
は、金型等による熱変形加工等により、複雑な形状にも
することが可能であり、従って複雑な形状を有する部位
にも使用することができる利点があり、特に無電解メッ
キ法によって製造された構造体(1)において特に容易
である。
【0046】また、上記三次元立体構造の編織物(2
0)の構成糸の少なくとも一部に金属繊維またはアラミ
ド繊維を用いて構成された電磁波遮蔽三次元構造体
(1)や、更にこれらに無電解メッキ法により金属化処
理が施されてなる電磁波遮蔽三次元構造体(1)は、優
れた耐熱性を有することから、自動車部品等の耐熱性を
要求される部位の電磁波遮蔽ガスケットとして好適であ
る。
【0047】この発明に係る電磁波遮蔽三次元構造体
(1)は、このままの形態で用いることもできるが、連
続孔を有する構成であるがゆえにその内部には連通空間
を有するものであるので、この内部空間内に、電磁波吸
収材、難燃材、吸音材等の機能材料を付与した(例えば
内部空間内に充填した)構成とすることもできる。この
場合には、三次元構造体(1)の内部空間を有効利用し
つつ他の付加機能を具備させることができるので、より
少ない占有体積で多機能を付与できる利点がある。もち
ろん、他の機能を付加せしめるにあたって、三次元構造
体(1)の表面側に前記機能材料を付与した構成として
も良いが、表面側に配置させる分、その占有体積が増大
するので、好ましくない。
【0048】三次元構造体(1)の内部空間内に機能材
料を付与した構成を採用する場合において、その機能材
料としてはゴムや発泡体等の可撓性を有するものを用い
るのが、該三次元構造体(1)が本来有する優れた力学
的特性を損なうことを防止できる点で、望ましい。この
ような可撓性を有する機能材料としては、難燃材として
例えば塩化ビニル樹脂、シリコーンゴム、また吸音材と
して例えばロックウール、軟質ポリウレタンフォーム、
また電磁波吸収材として例えばカーボン含有ウレタンフ
ォーム、フェライトゴムなどが挙げられる。
【0049】なお、この発明の電磁波遮蔽三次元構造体
の用途は、上記例示のものに特に限定されるものではな
い。また、この発明の電磁波遮蔽三次元構造体は、上記
例示の製造方法によって製造されるものに特に限定され
るものではない。
【0050】
【実施例】次に、この発明の具体的実施例について説明
する。
【0051】<実施例1>ダブルラッセル編機(22ゲ
ージ/インチ、釜間3mm)を用い、パイル糸(連結
糸)として30デニールのポリエステルモノフィラメン
ト糸を用い、編地組織の構成糸として150デニール4
8フィラメントのポリエステルフィラメント糸を用い
て、図9に示す編み組織図にもとづいて三次元立体構造
の編織物A(厚さ2mm)を編成した。この編織物は、
上下2層の編地組織共にダブルトリコット編地組織であ
る。なお、連結糸の密度は、ウエール方向に33本/イ
ンチであり、コース方向に67本/インチであった。
【0052】次に、編織物の表面に付着している油分等
を除去すべく、アルカリ洗浄液(奥野製薬製の商品名
「エースクリーンA−220」の50g/L水溶液)中
に上記編織物を浸漬した(55℃で5分間)。水洗後、
更に水酸化ナトリウム水溶液(100g/L)中に該編
織物を浸漬して(55℃で5分間)、表面粗化処理を行
った。水洗後、更に表面調節剤液(奥野製薬製の商品名
「コンディライザーFR」を100mL/Lに希釈した
もの)中に該編織物を浸漬(40℃で5分間)した。
【0053】更に、水洗後の編織物を、錫−パラジウム
コロイド溶液(奥野製薬製の商品名「キャタリストC」
を60mL/Lに希釈し、更に35%塩酸150mL/
Lを用いてpH調整したもの)中に浸漬(室温で5分
間)し、錫−パラジウムコロイドを構成糸に付着させ
た。水洗後、更に98%硫酸の50mL/L希釈水溶液
中に浸漬(室温で4分間)することによって、錫を除去
して、パラジウム付着三次元構造体を得た。
【0054】水洗後、硫酸銅水溶液(奥野製薬製の商品
名「OPCカッパーT」を114mL/Lに希釈したも
の)114mLと、水酸化ナトリウム水溶液(350g
/L)14mLと、37%ホルマリン液10mLとを混
合して得られる混合溶液中に、前記パラジウム付着三次
元構造体を浸漬(40℃で5分間)して、構成糸表面に
更に銅を析出させた。
【0055】水洗後、パラジウム水溶液(奥野製薬製の
商品名「TMPアクチベーター」を30mL/Lに希釈
したもの)に浸漬(室温で1分間)して、構成糸表面に
更にパラジウムを析出させた。
【0056】水洗後、硫酸ニッケルと次亜リン酸ナトリ
ウムとアンモニアの混合水溶液(奥野製薬製の商品名
「TMP化学ニッケルHR−T」を300mL/Lに希
釈したもの)に浸漬(40℃で1分間)して、構成糸表
面に更にニッケル皮膜を付着せしめた。このニッケル皮
膜を形成したのは、電磁波遮蔽性能に大きく寄与する金
属銅を防錆目的で被覆するためである。更に水洗するこ
とによって、電磁波遮蔽三次元構造体を得た。なお、こ
の電磁波遮蔽三次元構造体における充填係数Pは0.0
13であった。
【0057】<比較例1>実施例1の三次元立体構造の
編織物A(厚さ2mm)に代えて、これと同程度の密度
で構成されたポリエステル不織布(目付180g/
2 、厚さ2mm)を用いた以外は、実施例1と同様に
して無電解メッキ処理を行って、構造体を得た。
【0058】<実施例2>実施例1の三次元立体構造の
編織物A(厚さ2mm)に代えて、下記構成に係る編織
物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして無電解メッ
キ処理を行って、電磁波遮蔽三次元構造体を得た。な
お、この構造体における充填係数Pは0.019であっ
た。
【0059】ダブルラッセル編機(16ゲージ/イン
チ、釜間7mm)を用い、パイル糸(連結糸)として3
00デニールのポリエステルモノフィラメント糸を用
い、編地組織の構成糸として250デニール48フィラ
メントのポリエステルフィラメント糸を用いて、図10
に示す編み組織図にもとづいて三次元立体構造の編織物
B(厚さ5mm)を編成した。この編織物Bは、上層の
編地組織がメッシュ編地組織であり、下層の編地組織が
ダブルトリコット編地組織である。なお、連結糸の密度
は、ウエール方向に15本/インチであり、コース方向
に20本/インチであった。
【0060】<比較例2>実施例2の三次元立体構造の
編織物B(厚さ5mm)と同程度の密度で構成された平
織物(厚さ0.5mm)に実施例2と同様にして無電解
メッキ処理を行った。このメッキ処理後の平織物を、厚
さ4mmの軟質ウレタンフォームに巻き付けると共に、
ウレタン系接着剤を用いて接着一体化して、電磁波遮蔽
構造体(厚さ5mm)を得た。
【0061】<実施例3>実施例1の三次元立体構造の
編織物A(厚さ2mm)に代えて、下記構成に係る編織
物Cを用いた以外は、実施例1と同様にして無電解メッ
キ処理を行って、電磁波遮蔽三次元構造体を得た。な
お、この構造体における充填係数Pは0.016であっ
た。
【0062】ダブルラッセル編機(9ゲージ/インチ、
釜間15mm)を用い、パイル糸(連結糸)として60
0デニールのポリエステルモノフィラメント糸を用い、
上層の編地組織の構成糸として1300デニール96フ
ィラメント糸を用い、下層の編地組織の構成糸として5
00デニール70フィラメント糸を用いて、図11に示
す編み組織図にもとづいて三次元立体構造の編織物C
(厚さ11mm)を編成した。この編織物Cは、上下2
層の編地組織共にダブルトリコット編地組織である。な
お、連結糸の密度は、ウエール方向に10本/インチで
あり、コース方向に12本/インチであった。
【0063】<比較例3>実施例3の三次元立体構造の
編織物C(厚さ11mm)と同程度の密度で構成された
平織物(厚さ0.5mm)に実施例3と同様にして無電
解メッキ処理を行った。このメッキ処理後の平織物を、
厚さ10mmの軟質ウレタンフォームに巻き付けると共
に、ウレタン系接着剤を用いて接着一体化して、電磁波
遮蔽構造体(厚さ11mm)を得た。
【0064】<実施例4>ダブルラッセル編機(16ゲ
ージ/インチ、釜間7mm)を用い、パイル糸(連結
糸)として300デニールの金属銅のモノフィラメント
糸を用い、編地組織の構成糸として導電性繊維からなる
糸(250デニール48フィラメントのポリエステルフ
ィラメント原糸を無電解処理により銅−ニッケルメッキ
したもの)を用いて、図10に示す編み組織図にもとづ
いて三次元立体構造の編織物D(厚さ5mm)を編成し
て、電磁波遮蔽三次元構造体を得た。この編織物Dは、
上層の編地組織がメッシュ編地組織であり、下層の編地
組織がダブルトリコット編地組織である。なお、この構
造体における充填係数Pは0.003であった。
【0065】<実施例5>実施例1の電磁波遮蔽三次元
構造体の内部空間内に、ロックウール(吸音材)を水溶
性エマルジョン(エポキシ樹脂系)に分散させたものを
充填せしめた後、水分を除去して構造体を得た。
【0066】上記のようにして得られた各電磁波遮蔽三
次元構造体に対して、下記試験法に基づき評価を行っ
た。
【0067】<電磁波遮蔽性能試験法>KEC法(社団
法人関西電子工業振興センター)に準拠して、電磁波遮
蔽性を評価した。
【0068】<復元性試験法>予め各電磁波遮蔽三次元
構造体の初期厚さ(H1 )を測定した後、各構造体に2
0kg/m2 の荷重をかけ、この状態で60日間室温で
放置した。荷重を除去して24時間経過した後に、再び
試料の厚さ(H2 )を測定し、下記算出式により厚さ減
少率を求めた。この厚さ減少率が小さい程、復元性に優
れた構造体である。
【0069】厚さ減少率(%)=100×(H1
2 )/H1
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】表から明らかなように、実施例1の電磁波
遮蔽三次元構造体は、比較例1の構造体と比較していず
れの電界域、磁界域においても電磁波遮蔽性能に優れて
いた。また、実施例2の電磁波遮蔽三次元構造体も、比
較例2の構造体と比較していずれの電界域、磁界域にお
いても電磁波遮蔽性能に優れていた。実施例3と比較例
3との対比において同様のことが言える。また、実施例
4、実施例5についても同様に優れた電磁波遮蔽性能が
得られることを確認した。
【0074】更に、実施例1〜5の電磁波遮蔽三次元構
造体は、いずれも比較例のものと比較して格段に優れた
復元性を有することを確認し得た。
【0075】
【発明の効果】連続孔を有する三次元立体構造の編織物
の構成糸の少なくとも一部に金属が付着されてなる第1
発明、同構造の編織物の構成糸の少なくとも一部が導電
性繊維で構成されてなる第2発明、いずれの発明も、金
属等の導電体を有する構成であるから良好な電磁波遮蔽
性能が得られる。また、その構造の原型として連続孔を
有する三次元立体編織物を利用するから、例えば開口部
の大きさや連結柱の間隔等の構造を厳密に制御すること
ができる。また、前記三次元立体構造の編織物は、設計
の自由度が極めて大きいから、複雑な立体形状や様々な
大きさの三次元構造体を得ることができ、従ってその適
用用途は幅広く、極めて汎用性に優れている。更に、構
造原型として連続孔を有する三次元立体編織物を用いる
ので、弾力性、伸縮性及び復元性に優れており、従って
高圧縮応力が要求される用途にも使用できる。また、煩
雑な工程を必要とせず容易に製作できるので、低コスト
である。
【0076】構成糸表面に金属皮膜が形成されている場
合には、電磁波遮蔽性能をより向上させることができ
る。
【0077】また、三次元立体構造の編織物が、所定間
隔を隔てて配置された上下2層の開口部を複数有する編
織地組織間に、連結糸が掛けわたすようにして編み付け
られたものからなる場合には、この編織物を編織機によ
って製作できるので、極めて厳密に構造制御された構造
体を得ることができると共に、より低コストとなし得
る。
【0078】第1発明において上下2層の編織地組織及
び連結糸のいずれにも金属が付着されている場合、また
第2発明において上下2層の編織地組織及び連結糸のい
ずれの構成糸についてもその少なくとも一部が導電性繊
維で構成されている場合には、三次元構造体における上
下中間部における連結糸にも金属または導電性繊維を有
するので、構造体内部において電磁波の複雑な反射と吸
収が生じて、一層優れた電磁波遮蔽性能が得られると共
に、新たに電磁波を吸収する機能をも有するものとな
る。このような電磁波吸収機能によって例えば機器の内
部誤作動等をも防止することができる。
【0079】上下2層の編織地組織間に、開口部を複数
有しかつ金属が付着された編織地組織が1層ないし複数
層配置されている場合には、このような開口部のある金
属部分を有する中間層の存在により電磁波遮蔽性能をよ
り一層向上させることができる。
【0080】更に、三次元立体構造の編織物における充
填係数Pが前記特定範囲にある場合には、更に一層優れ
た電磁波遮蔽性能を確保できる。
【0081】三次元構造体の内部に又は表面に、電磁波
吸収材、難燃材、吸音材等の機能材料の少なくとも1種
が付与されている場合には、1つの構造体において他の
機能をも具備せしめることができる。
【0082】また、この発明の製造方法は、湿式法によ
る金属化処理を施すことによって構成糸に金属を付着せ
しめるものであるから、付着を均一に行えると共に、構
造体の内部にも付着させることができる。また、湿式法
であるから、構造原型である編織物に熱的変化を与える
ことがなく、従って弾力性、伸縮性及び復元性に一層優
れたものを製造できる。
【0083】上記湿式法が無電解メッキ法である場合に
は、編織物に対する金属の付着性をより向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る電磁波遮蔽三次元
構造体を示す要部斜視図である。
【図2】同じく断面図である。
【図3】上記電磁波遮蔽三次元構造体の上層体を示す平
面図である。
【図4】別の実施形態に係る電磁波遮蔽三次元構造体を
示す断面図である。
【図5】更に別の実施形態に係る電磁波遮蔽三次元構造
体の上層体の一部を拡大して示す平面図である。
【図6】編織物を示す断面図である。
【図7】上記編織物の上層の組織の平面図である。
【図8】編織物の上下層組織の他の形態を示す平面図で
ある。
【図9】実施例1で用いた編織物の編み組織図である。
【図10】実施例2で用いた編織物の編み組織図であ
る。
【図11】実施例3で用いた編織物の編み組織図であ
る。
【符号の説明】
1…電磁波遮蔽三次元構造体 2…上層体 2a…開口部 3…下層体 3a…開口部 4…連結柱 20…三次元編織物 21…上層の編織地組織 21a…開口部 22…下層の編織地組織 22a…開口部 23…連結糸 41…導電性繊維
フロントページの続き (72)発明者 西野 善春 奈良市南永井町甲231−16 (72)発明者 島津 秀一 大阪府羽曳野市はびきの2−7−17−510 (72)発明者 上田 和宏 大阪府柏原市太平寺2−7−43−102 Fターム(参考) 4L002 AA07 AB02 BB01 DA00 EA00 FA06 4L031 AB32 AB33 BA05 BA11 BA16 BA37 BA38 CA01 CB12 DA00 5E321 BB23 BB41 BB44 GG05 GG11 GH05 5J020 BD01 CA05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続孔を有する三次元立体構造の編織物
    の構成糸の少なくとも一部に金属が付着されてなること
    を特徴とする電磁波遮蔽三次元構造体。
  2. 【請求項2】 前記構成糸表面に金属皮膜が形成されて
    いる請求項1に記載の電磁波遮蔽三次元構造体。
  3. 【請求項3】 前記三次元立体構造の編織物が、所定間
    隔を隔てて配置された上下2層の開口部を複数有する編
    織地組織間に、連結糸が掛けわたすようにして編み付け
    られたものからなる請求項1または2に記載の電磁波遮
    蔽三次元構造体。
  4. 【請求項4】 前記上下2層の編織地組織及び連結糸の
    いずれにも金属が付着されている請求項3に記載の電磁
    波遮蔽三次元構造体。
  5. 【請求項5】 連続孔を有する三次元立体構造の編織物
    の構成糸の少なくとも一部が導電性繊維で構成されてい
    ることを特徴とする電磁波遮蔽三次元構造体。
  6. 【請求項6】 前記三次元立体構造の編織物が、所定間
    隔を隔てて配置された上下2層の開口部を複数有する編
    織地組織間に、連結糸が掛けわたすようにして編み付け
    られたものからなる請求項5に記載の電磁波遮蔽三次元
    構造体。
  7. 【請求項7】 前記上下2層の編織地組織及び連結糸の
    いずれの構成糸についても、その少なくとも一部が導電
    性繊維で構成されている請求項6に記載の電磁波遮蔽三
    次元構造体。
  8. 【請求項8】 前記上下2層の編織地組織間に、開口部
    を複数有しかつ金属が付着された編織地組織が1層ない
    し複数層配置されている請求項3、4、6、7のいずれ
    か1項に記載の電磁波遮蔽三次元構造体。
  9. 【請求項9】 前記三次元立体構造の編織物における下
    記算出式で規定される充填係数Pが下記範囲にある請求
    項3、4、6、7のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽三
    次元構造体。 0.001≦P≦0.5 充填係数P=(t×N×D)/(9000×102 ×ρ
    ×T) (t:上下2層の編織地組織間の内寸距離(cm)、
    N:連結糸の本数(本/cm2 )、D:連結糸の径から
    算出した平均デニール、ρ:連結糸の平均比重(g/c
    3 )、T:編織物の単位体積(cm3 ))
  10. 【請求項10】 前記三次元構造体の内部に又は表面
    に、電磁波吸収材、難燃材、吸音材等の機能材料の少な
    くとも1種が付与されている請求項1〜9のいずれか1
    項に記載の電磁波遮蔽三次元構造体。
  11. 【請求項11】 連続孔を有する三次元立体構造の編織
    物に、湿式法による金属化処理を施し、該編織物の構成
    糸に金属を付着せしめることを特徴とする電磁波遮蔽三
    次元構造体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記湿式法が無電解メッキ法である請
    求項11に記載の電磁波遮蔽三次元構造体の製造方法。
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