JP2003110278A - 電波吸収体、電波吸収シートならびにそれらの製造方法 - Google Patents

電波吸収体、電波吸収シートならびにそれらの製造方法

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JP2003110278A
JP2003110278A JP2001305647A JP2001305647A JP2003110278A JP 2003110278 A JP2003110278 A JP 2003110278A JP 2001305647 A JP2001305647 A JP 2001305647A JP 2001305647 A JP2001305647 A JP 2001305647A JP 2003110278 A JP2003110278 A JP 2003110278A
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radio wave
wave absorber
sheet
fibers
electromagnetic wave
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JP2001305647A
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Hiroshi Kurihara
弘 栗原
Hiroshige Yanagawa
太成 柳川
Kozo Hayashi
宏三 林
Kyoichi Fujimoto
恭一 藤本
Hideki Kishino
英樹 岸野
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Tokiwa Electric Co Ltd
TDK Corp
Original Assignee
Tokiwa Electric Co Ltd
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた電波吸収特性を有し、且つ厚さの小さ
い電波吸収体を実現する。 【解決手段】 電波吸収体10は、磁性損失体よりなる
薄板状の構成部材12と、この構成部材12に囲まれて
形成され、電波の到来方向に貫通する複数の開口部13
とを有し、全体形状が板状に形成された構造体11を備
えている。電波吸収体10は、更に、一方の面が構造体
11の電波到来側とは反対側の面に隣接するように配置
された板状の電波吸収体部21と、この電波吸収体部2
1の他方の面に隣接するように配置された電波反射体2
2とを備えている。構造体11の構成部材12は、繊維
によって形成された網状体と、この網状体によって担持
されたフェライト粒子とを含み、全体がシート状に形成
された電波吸収シートによって構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波暗室等に使用
される電波吸収体、この電波吸収体の製造に使用される
電波吸収シート、ならびにこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子機器から発生する電磁波
ノイズを正確に測定する等の電磁的適合性(Electro-Ma
gnetic Compatibility;EMC)試験用の施設として電
波暗室が用いられている。電波暗室は、壁面や天井面に
おける電磁波(電波とも言う。)の反射を防ぐために、
四方の壁面および天井面に電波吸収体を貼り詰めた構造
になっている。この電波暗室では、室内にターンテーブ
ルが設けられ、このターンテーブル上に設置された電子
機器から発生する放射ノイズの測定等が行われるように
なっている。
【0003】電波暗室に使用される電波吸収体として
は、金属よりなる電波反射体と、板状(タイル状)のフ
ェライト焼結体よりなりなる電波吸収体であるフェライ
トタイルと、ウェッジ形状またはピラミッド形状の誘電
損失体とを、この順に積層した構造のものが主流になっ
ている。
【0004】また、放射ノイズを測定する電子機器の大
きさ等に応じて電子機器と測定装置との距離が異なるた
め、電波暗室には、大きさの異なるもの、すなわち10
m法電波暗室、3m法電波暗室等がある。
【0005】電子機器製品の放射ノイズに関する規制
は、外部に強い電磁波を出さないことを強く要求してい
る。このため、信頼性の高い放射ノイズ測定を行うため
には、測定精度、安定性および再現性に優れた高性能な
電波暗室が必要となる。
【0006】一方、電波暗室施設を建設するにあたり、
建設場所の制約や建設コストを考えると、電波吸収体の
形状はできる限り小さいことが望まれる。ただし、放射
ノイズ測定の場合では、確保する金属床面の面積や測定
アンテナの大きさ等から測定に必要な領域が決まるた
め、電波暗室内においてその領域を確保しながら、電波
暗室の内壁に貼り詰められる電波吸収体の厚さを小さく
する努力が必要となる。
【0007】このように、電波暗室では、優れた電波吸
収特性を有し、且つ厚さの小さい電波吸収体が望まれて
いる。
【0008】ここで、図7および図8に、従来より10
m法電波暗室および3m法電波暗室に使用されている電
波吸収体の外観の例を示す。これらの図に示した電波吸
収体は、いずれも、金属よりなる電波反射体101とフ
ェライトタイル102と誘電損失体103とを、この順
に積層した構造になっている。図7に示した電波吸収体
では誘電損失体103がウェッジ形状をなし、図8に示
した電波吸収体では誘電損失体103がピラミッド形状
をなしている。実用化されている電波吸収体の厚さは、
10m法電波暗室用では100〜200cm程度であ
り、3m法電波暗室用では40〜60cm程度である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図7や図8に示したよ
うなフェライトと誘電損失体とを組み合わせた電波吸収
体では、30〜300MHzのVHF帯と300MHz
以上のUHF帯以上の領域の双方において、バランス良
く電波吸収特性を得るためには、誘電損失体にある程度
の厚さが必要になる。そのため、電波吸収体における誘
電損失体の厚さの下限は、10m法電波暗室用では10
0cm程度であり、3m法電波暗室用では30cm程度
である。このように、従来は、優れた電波吸収特性を有
し、且つ厚さの小さい電波吸収体を実現することが困難
であった。
【0010】最近では、誘電損失体の代わりに、フェラ
イト粉末をポリプロピレン等の樹脂に混合し、中空ピラ
ミッド形に成形した複合磁性損失体を用いた電波吸収体
も知られている。しかしながら、この電波吸収体は、放
射ノイズ測定における下限周波数である30MHz付近
での電波吸収特性が劣るため、要求される特性の厳しい
電波暗室には適用できない。このため、電波吸収体の厚
さを大きくすることが考えられる。しかしながら、電波
吸収体の厚さを大きくすると、電波暗室内の有効空間を
広く取ろうとした場合には電波暗室の大きさを広げる必
要があり、これは建設場所の制約や建設コストの増加に
つながるという問題点がある。また、単純に樹脂にフェ
ライト粉末を混合した複合磁性損失体では、磁性損失を
大きくするために、フェライト粉末の割合を大きくした
り磁性損失体の厚さを大きくする必要があり、その結
果、製造コストが増加するという問題点がある。
【0011】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的は、優れた電波吸収特性を有し、
且つ厚さの小さい電波吸収体およびその製造方法を提供
することにある。
【0012】また、本発明の第2の目的は、優れた電波
吸収特性を有し、且つ厚さの小さい電波吸収体を製造す
ることを可能にする電波吸収シートおよびその製造方法
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の電波吸収体は、
磁性損失体よりなる薄板状の構成部材と、この構成部材
に囲まれて形成され、電波の到来方向に貫通する複数の
開口部とを有し、全体形状が板状に形成された構造体を
備えたものである。
【0014】本発明の電波吸収体では、構造体の構成部
材における磁性損失を利用して電波を吸収する。
【0015】本発明の電波吸収体は、更に、一方の面が
構造体の電波到来側とは反対側の面に隣接するように配
置された板状の電波吸収体部と、電波吸収体部の他方の
面に隣接するように配置された電波反射体とを備えてい
てもよい。この場合、電波吸収体部はフェライト焼結体
よりなるものであってもよい。
【0016】また、本発明の電波吸収体において、構成
部材は、コルゲート状、ハニカム状あるいは格子状に配
置されていてもよい。
【0017】また、本発明の電波吸収体において、構成
部材はフェライトを含んでいてもよい。
【0018】また、本発明の電波吸収体において、構成
部材は、繊維によって形成された網状体と、この網状体
によって担持されたフェライト粒子とを含み、全体がシ
ート状に形成された電波吸収シートによって構成されて
いてもよい。この場合、電波吸収シートにおける網状体
は、長繊維と分枝状繊維とによって形成されていてもよ
い。また、電波吸収シートは、更に、凝集してフェライ
ト粒子を網状体に捕捉させるためのカチオン高分子およ
びアニオン高分子を含んでいてもよい。また、電波吸収
シートは、更に、繊維同士を結合させるための結合材を
含んでいてもよい。
【0019】本発明の電波吸収体の製造方法は、磁性損
失体よりなる薄板状の構成部材と、この構成部材に囲ま
れて形成され、電波の到来方向に貫通する複数の開口部
とを有し、全体形状が板状に形成された構造体を備えた
電波吸収体を製造する方法であって、繊維によって形成
された網状体と、この網状体によって担持されたフェラ
イト粒子とを含み、全体がシート状に形成された電波吸
収シートを製造する工程と、この電波吸収シートを構成
部材として用いて構造体を作製する工程とを備えたもの
である。
【0020】本発明の電波吸収体の製造方法において、
電波吸収シートを製造する工程は、網状体を形成するた
めの長繊維および分枝状繊維と、これらの繊維同士を結
合させるための結合材と、フェライト粒子と、凝集して
フェライト粒子を網状体に捕捉させるためのカチオン高
分子およびアニオン高分子と、水とを混合してスラリー
を作製する工程と、スラリーをシート状に延伸すると共
に乾燥および固化させて電波吸収シートを作製する工程
とを含んでいてもよい。この場合、スラリーを作製する
工程は、長繊維、分枝状繊維、結合材、フェライト粒子
およびカチオン高分子を混合して混合物を作製し、次
に、混合物にアニオン高分子および水を混合してスラリ
ーを作製してもよい。また、スラリーにおける水の割合
は25重量%以下であってもよい。また、スラリーにお
ける結合材の割合は15重量%以下であってもよい。
【0021】本発明の電波吸収シートは、繊維によって
形成された網状体と、この網状体によって担持されたフ
ェライト粒子とを含み、全体がシート状に形成されてい
るものである。
【0022】本発明の電波吸収シートは、シート状の磁
性損失体となる。従って、この電波吸収シートを用い
て、本発明の電波吸収体の構造体を形成することが可能
である。
【0023】本発明の電波吸収シートにおいて、網状体
は、長繊維と分枝状繊維とによって形成されていてもよ
い。
【0024】また、本発明の電波吸収シートは、更に、
凝集してフェライト粒子を網状体に捕捉させるためのカ
チオン高分子およびアニオン高分子を含んでいてもよ
い。
【0025】また、本発明の電波吸収シートは、更に、
繊維同士を結合させるための結合材を含んでいてもよ
い。
【0026】本発明の電波吸収シートの製造方法は、繊
維によって形成された網状体と、この網状体によって担
持されたフェライト粒子とを含み、全体がシート状に形
成された電波吸収シートを製造する方法であって、網状
体を形成するための長繊維および分枝状繊維と、これら
の繊維同士を結合させるための結合材と、フェライト粒
子と、凝集してフェライト粒子を網状体に捕捉させるた
めのカチオン高分子およびアニオン高分子と、水とを混
合してスラリーを作製する工程と、スラリーをシート状
に延伸すると共に乾燥および固化させて電波吸収シート
を作製する工程とを備えたものである。
【0027】本発明の電波吸収シートの製造方法におい
て、スラリーを作製する工程は、長繊維、分枝状繊維、
結合材、フェライト粒子およびカチオン高分子を混合し
て混合物を作製し、次に、混合物にアニオン高分子およ
び水を混合してスラリーを作製してもよい。
【0028】また、本発明の電波吸収シートの製造方法
において、スラリーにおける水の割合は25重量%以下
であってもよい。
【0029】また、本発明の電波吸収シートの製造方法
において、スラリーにおける結合材の割合は15重量%
以下であってもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実
施の形態に係る電波吸収体の構成の一例を示す斜視図、
図2は本実施の形態に係る電波吸収体の構成の他の例を
示す斜視図である。
【0031】図1に示したように、本実施の形態に係る
電波吸収体10は、磁性損失体よりなる薄板状の構成部
材12と、この構成部材12に囲まれて形成され、電波
の到来方向に貫通する複数の開口部13とを有し、全体
形状が板状に形成された構造体11を備えている。
【0032】図2に示したように、本実施の形態に係る
電波吸収体10は、更に、一方の面が構造体11の電波
到来側(図2における前側)とは反対側の面に隣接する
ように配置された板状の電波吸収体部21と、この電波
吸収体部21の他方の面に隣接するように配置された電
波反射体22とを備えていてもよい。電波吸収体部21
は、板状のフェライト焼結体よりなる電波吸収体、いわ
ゆるフェライトタイルであってもよい。このフェライト
タイルは、フェライトの磁気共鳴損失を利用して、電磁
波エネルギを熱エネルギに変換して電波を吸収する。電
波反射体22は金属板であってもよい。
【0033】図1および図2に示した例では、構造体1
1の構成部材12は、開口部13の断面形状が三角形と
なるようにコルゲート状(波形)に配置されている。し
かし、構造体11の構成部材12の配置は、図1および
図2に示した例に限らない。図3ないし図5は、それぞ
れ本実施の形態に係る電波吸収体の構成の更に他の例を
示す斜視図である。図3に示した例における電波吸収体
10では、構造体11の構成部材12は、開口部13の
外周部が平面部分と曲面部分とを含むようにコルゲート
状に配置されている。図4に示した例における電波吸収
体10では、構造体11の構成部材12は、開口部13
の断面形状が六角形となるようにハニカム状に配置され
ている。図5に示した例における電波吸収体10では、
構造体11の構成部材12は、開口部13の断面形状が
四角形となるように格子状に配置されている。
【0034】図3ないし図5に示した電波吸収体10
は、いずれも図2に示した電波吸収体10と同様に電波
吸収体部21と電波反射体22とを備えているが、電波
吸収体部21と電波反射体22を除いたものであっても
よい。
【0035】本実施の形態において、構造体11の構成
部材12は、フェライトを含んでいてもよい。構成部材
12に含まれるフェライトは、Ni−Zn系フェライト
またはMn−Mg−Zn系フェライトが好ましい。
【0036】また、構造体11の構成部材12は、繊維
によって形成された網状体と、この網状体によって担持
されたフェライト粒子とを含み、全体がシート状に形成
された電波吸収シートによって構成されていてもよい。
この電波吸収シートは、シート状の磁性損失体となる。
【0037】この場合には、本実施の形態に係る電波吸
収体10の製造方法は、電波吸収シートを製造する工程
と、この電波吸収シートを構成部材12として用いて構
造体11を作製する工程とを含む。図1および図2に示
したような構造体11は、例えば、平面形状の電波吸収
シートとジクザク形状の電波吸収シートとを交互に配置
することによって作製することができる。図3に示した
ような構造体11は、例えば、平面形状の電波吸収シー
トと曲面からなる波形状の電波吸収シートとを交互に配
置することによって作製することができる。図4に示し
たような構造体11は、例えば、隣り合う電波吸収シー
ト同士を、所定の間隔で配列された複数の直線に沿って
部分的に接着しながら複数枚の電波吸収シートを積層
し、これにより得られた積層体を厚さ方向に展張するこ
とによって作製することができる。図5に示したような
構造体11は、例えば、それぞれ複数の切り込みを有す
る複数枚の電波吸収シートを格子状に組み立てることに
よって作製することができる。
【0038】前述のように、電波吸収シートは、繊維に
よって形成された網状体と、この網状体によって担持さ
れたフェライト粒子とを含んでいる。網状体は、例え
ば、長繊維と分枝状繊維とによって形成されている。電
波吸収シートは、更に、凝集してフェライト粒子を網状
体に捕捉させるためのカチオン高分子およびアニオン高
分子を含んでいてもよい。電波吸収シートは、更に、繊
維同士を結合させるための結合材を含んでいてもよい。
電波吸収シートは、更に、無機高分子を含んでいてもよ
い。
【0039】次に、本実施の形態に係る電波吸収シート
の製造方法について説明する。この電波吸収シートの製
造方法は、網状体を形成するための長繊維および分枝状
繊維と、これらの繊維同士を結合させるための結合材
と、フェライト粒子と、無機高分子と、凝集してフェラ
イト粒子を網状体に捕捉させるためのカチオン高分子お
よびアニオン高分子と、水とを混合してスラリーを作製
する工程と、このスラリーをシート状に延伸すると共に
乾燥および固化させて電波吸収シートを作製する工程と
を備えている。
【0040】長繊維は、網状体の基本構造を構築するた
めのものである。長繊維の長さは例えば5.0〜10.
0mmが好ましい。長繊維は、有機材料で形成されてい
てもよいし、無機材料で形成されていてもよい。長繊維
としては、ビニロン繊維、アクリル繊維、ポリエステル
繊維、セルロース繊維、ロックウール繊維、ガラス繊維
およびカーボン繊維のうちの少なくとも1種類を用いて
もよい。
【0041】分枝状繊維は、フェライト粒子を捕捉する
ことでフェライト粒子の自己凝集を防ぎ、且つ長繊維と
結合することでフェライト粒子を長繊維に捕捉させるた
めのものである。分枝状繊維の長さは例えば1〜5μm
である。分枝状繊維としては、アラミド繊維およびセル
ロース繊維のうちの少なくとも1種類を用いてもよい。
また、フェライト粒子の直径は例えば2〜500μmで
ある。
【0042】結合材としては、例えば、カオリン、セピ
オライト、ブルサイト等を用いることができる。無機高
分子としては、例えばアルミナゾルを用いることができ
る。
【0043】カチオン高分子としては、例えばエポキシ
樹脂を用いることができる。アニオン高分子としては、
例えばアクリル樹脂を用いることができる。
【0044】本実施の形態において、スラリーを作製す
る工程は、長繊維、分枝状繊維、結合材、フェライト粒
子、無機高分子およびカチオン高分子を混合して混合物
を作製し、次に、この物にアニオン高分子および水を混
合してスラリーを作製するのが好ましい。
【0045】上記混合物を作製する工程では、長繊維、
分枝状繊維、結合材、フェライト粒子、無機高分子およ
びカチオン高分子を、例えばミキサーを用いて分散させ
ながら混合するのが好ましい。これにより、長繊維、分
枝状繊維、フェライト粒子および無機高分子の各表面に
カチオン高分子がコーティングされる。
【0046】上記混合物にアニオン高分子および水を混
合すると、カチオン高分子とアニオン高分子が凝集し
て、フェライト粒子や無機高分子と共に長繊維または分
枝状繊維に捕捉される。上記混合物にアニオン高分子お
よび水を混合してスラリーを作製する際には、カチオン
高分子とアニオン高分子が繊維の表面から離れて凝集す
ることを防止するために、例えばミキサーを用いてスラ
リーの構成物質を適度に分散させるのが好ましい。
【0047】上記スラリーにおける水の割合は、25重
量%以下が好ましく、特に20〜24重量%が好まし
い。また、上記スラリーにおける結合材の割合は、15
重量%以下が好ましく、特に5〜10重量%が好まし
い。
【0048】次に、本実施の形態に係る電波吸収体10
の設計方法について説明する。多層型電波吸収体の第1
層と第2層との境界における負荷インピーダンスZ
1 *(*は複素数であることを表す。)は、単層型電波吸
収体の規格化入力インピーダンスと同様に、次の式
(1)で与えられる。
【0049】Z1 *=Zc1 *tanh(γ1 *1) …(1)
【0050】次に、第(n−1)層の前面における負荷
インピーダンスZn-1 *が分れば、第n層の負荷インピー
ダンスZn *は次の式(2)で求められる。
【0051】 Zn *=Zcn *{Zn-1 *+Zcn *tanh(γn *n)}/{Zcn *+Zn-1 *tanh(γn *n)} …(2)
【0052】従って、多層型電波吸収体の反射係数は次
の式(3)で求められる。
【0053】 |Γ*|=|(Zn *−1)/(Zn *+1)| …(3)
【0054】Zcn *はn層の規格化固有インピーダンス
であり、Zcn *=√(μrn */εrn *)で表される。γn *
はn層の伝搬定数であり、γn *=j(2π/λ0)√
(μrn *・εrn *)で表される。dnはn層の厚さであ
る。λ0は入射電波の真空中での波長である。μrn *、ε
rn *は、それぞれn層の複素比透磁率、複素比誘電率で
あり、それぞれ、μrn *=μrn’−jμrn”、εrn *=ε
rn’−jεrn”で表される。
【0055】図2に示した電波吸収体10では、電波吸
収部21が第1層であり、構造体11が第2層である。
構造体11の複素比透磁率および複素比誘電率は、構造
体11の構成部材12を構成する材料や、構成部材12
の厚さや、構成部材12の配置等に依存する。これらの
設計によって、構造体11のみからなる電波吸収体1
0、あるいは構造体11に電波吸収部21および電波反
射体22を付加した構成の電波吸収体10の設計が可能
である。
【0056】次に、本実施の形態に係る電波吸収体10
の実施例について説明する。本実施例では、電波吸収シ
ートを用いて、図1に示した構造体11を作製した。作
製した構造体11の寸法は、縦A=20cm、横B=2
0cm、厚さD=10cmである。電波吸収シートにお
いて、フェライトとしてはMn−Mg−Zn系フェライ
トを用いた。電波吸収シートとしては、電波吸収シート
中のフェライトの割合がそれぞれ47重量%、65重量
%、75重量%、88重量%となる4種類を作製した。
そして、この4種類の電波吸収シートを用いて、4種類
の構造体11を作製した。また、この4種類の構造体1
1に、それぞれ電波吸収部21および電波反射体22を
付加して、4種類の実施例の電波吸収体10を作製し
た。
【0057】また、実施例の電波吸収体10との比較の
ために、電波吸収部21および電波反射体22のみから
なる比較例の電波吸収体も作製した。
【0058】上記の4種類の実施例の電波吸収体10と
比較例の電波吸収体について、10〜1000MHzの
周波数範囲で、電波吸収性能(電波の反射減衰量)を測
定した結果を図6に示す。図6において、“47wt
%”、“65wt%”、“75wt%”、“88wt
%”という文字を付した各線は、それぞれ、フェライト
の割合がそれぞれ47重量%、65重量%、75重量
%、88重量%となる電波吸収シートを用いて作製した
4種類の実施例の電波吸収体10の特性を表している。
また、図6において、“比較例”という文字を付した線
は、比較例の電波吸収体の特性を表している。図6から
分かるように、比較例の電波吸収体では、15dB以上
の反射減衰量が得られる周波数範囲は、約35MHzか
ら550MHzである。これに対し、4種類の実施例の
電波吸収体10のいずれも、約35MHzから1000
MHzの周波数範囲で15dB以上の反射減衰量が得ら
れている。また、比較例の電波吸収体では、20dB以
上の反射減衰量が得られる周波数範囲は、約60MHz
から400MHzである。これに対し、電波吸収シート
中のフェライトの割合を75重量%以上とした実施例の
電波吸収体10では、約70MHzから700MHzの
周波数範囲で20dB以上の反射減衰量が得られてい
る。
【0059】以上説明したように、本実施の形態に係る
電波吸収体10は、磁性損失体よりなる薄板状の構成部
材12と、この構成部材12に囲まれて形成された複数
の開口部13とを有し、全体形状が板状に形成された構
造体11を備えている。この電波吸収体10では、構造
体11の構成部材12における磁性損失を利用して電波
を吸収する。この電波吸収体10では、構造体11の全
体形状が板状になっているので、ウェッジ形状やピラミ
ッド形状の誘電損失体を有する従来の電波吸収体に比べ
て、厚さを大幅に縮小することができる。従って、本実
施の形態によれば、優れた電波吸収特性を有し、且つ厚
さの小さい電波吸収体10を実現することができる。ま
た、本実施の形態に係る電波吸収体10を電波暗室に用
いた場合には、電波暗室内において大きな有効空間を確
保することができる。本実施の形態に係る電波吸収体1
0は、特に、小型電波暗室や、3m法電波暗室や、イミ
ュニティ試験のための床面等に利用することができる。
【0060】また、本実施の形態において、構造体11
の構成部材12(電波吸収シート)におけるフェライト
以外の材料を主に無機材料とすれば、耐燃焼性に優れ、
且つ経時変化が極めて小さい電波吸収体10を実現する
ことができる。
【0061】また、本実施の形態に係る電波吸収体10
の製造方法では、繊維によって形成された網状体と、こ
の網状体によって担持されたフェライト粒子とを含み、
全体がシート状に形成された電波吸収シートを製造し、
この電波吸収シートを構成部材12として用いて構造体
11を作製する。この製造方法によれば、構造体11を
容易に作製することができる。
【0062】また、本実施の形態に係る電波吸収体10
の製造方法において、電波吸収シートを製造する工程
は、網状体を形成するための長繊維および分枝状繊維
と、これらの繊維同士を結合させるための結合材と、フ
ェライト粒子と、凝集してフェライト粒子を網状体に捕
捉させるためのカチオン高分子およびアニオン高分子
と、水とを混合してスラリーを作製する工程と、このス
ラリーをシート状に延伸すると共に乾燥および固化させ
て電波吸収シートを作製する工程とを含んでいてもよ
い。この場合には、電波吸収シートを製造する過程で材
料が脱落することを防止できると共に、シート内におけ
る材料の均一性のよい電波吸収シートを製造することが
できる。従って、この場合には、高品位の電波吸収シー
トを製造することができ、その結果、高品位の構造体1
1を製造することができる。
【0063】また、本実施の形態に係る電波吸収シート
は、繊維によって形成された網状体と、この網状体によ
って担持されたフェライト粒子とを含み、全体がシート
状に形成されている。この電波吸収シートは、シート状
の磁性損失体となる。従って、この電波吸収シートによ
れば、本実施の形態に係る電波吸収体10の構造体11
を容易に作製することが可能になる。
【0064】また、本実施の形態に係る電波吸収シート
の製造方法は、網状体を形成するための長繊維および分
枝状繊維と、これらの繊維同士を結合させるための結合
材と、フェライト粒子と、凝集してフェライト粒子を網
状体に捕捉させるためのカチオン高分子およびアニオン
高分子と、水とを混合してスラリーを作製する工程と、
このスラリーをシート状に延伸すると共に乾燥および固
化させて電波吸収シートを作製する工程とを含んでい
る。この製造方法によれば、電波吸収シートを製造する
過程で材料が脱落することを防止できると共に、シート
内における材料の均一性のよい電波吸収シートを製造す
ることができる。従って、この製造方法によれば、高品
位の電波吸収シートを製造することができる。
【0065】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れず、種々の変更が可能である。例えば、本発明の電波
吸収シートは、実施の形態で説明した製造方法以外の方
法で製造してもよい。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし9
のいずれかに記載の電波吸収体は、磁性損失体よりなる
薄板状の構成部材と、この構成部材に囲まれて形成さ
れ、電波の到来方向に貫通する複数の開口部とを有し、
全体形状が板状に形成された構造体を備えている。本発
明の電波吸収体では、構造体の構成部材における磁性損
失を利用して電波を吸収する。また、本発明の電波吸収
体では、構造体の全体形状が板状になっているので、ウ
ェッジ形状やピラミッド形状の誘電損失体を有する従来
の電波吸収体に比べて、厚さを大幅に縮小することがで
きる。従って、本発明によれば、優れた電波吸収特性を
有し、且つ厚さの小さい電波吸収体を実現することがで
きるという効果を奏する。
【0067】また、請求項6ないし9のいずれかに記載
の電波吸収体では、構成部材は、繊維によって形成され
た網状体と、この網状体によって担持されたフェライト
粒子とを含み、全体がシート状に形成された電波吸収シ
ートによって構成されている。従って、本発明によれ
ば、電波吸収体の構造体を容易に作製することが可能に
なるという効果を奏する。
【0068】また、請求項10ないし14のいずれかに
記載の電波吸収体の製造方法では、繊維によって形成さ
れた網状体と、この網状体によって担持されたフェライ
ト粒子とを含み、全体がシート状に形成された電波吸収
シートを製造し、この電波吸収シートを構成部材として
用いて構造体を作製する。従って、本発明によれば、電
波吸収体の構造体を容易に作製することができるという
効果を奏する。
【0069】また、請求項11ないし14のいずれかに
記載の電波吸収体の製造方法では、電波吸収シートを製
造する工程は、網状体を形成するための長繊維および分
枝状繊維と、これらの繊維同士を結合させるための結合
材と、フェライト粒子と、凝集してフェライト粒子を網
状体に捕捉させるためのカチオン高分子およびアニオン
高分子と、水とを混合してスラリーを作製する工程と、
このスラリーをシート状に延伸すると共に乾燥および固
化させて電波吸収シートを作製する工程とを含んでい
る。本発明によれば、電波吸収シートを製造する過程で
材料が脱落することを防止できると共に、シート内にお
ける材料の均一性のよい電波吸収シートを製造すること
ができるので、高品位の電波吸収シートを製造すること
ができる。従って、本発明によれば、高品位の構造体を
製造することができる。
【0070】また、請求項15ないし18のいずれかに
記載の電波吸収シートは、繊維によって形成された網状
体と、この網状体によって担持されたフェライト粒子と
を含み、全体がシート状に形成されている。この電波吸
収シートは、シート状の磁性損失体となる。従って、本
発明の電波吸収シートによれば、本発明の電波吸収体の
構造体を容易に作製することが可能になるという効果を
奏する。
【0071】また、請求項19ないし22のいずれかに
記載の電波吸収シートの製造方法は、網状体を形成する
ための長繊維および分枝状繊維と、これらの繊維同士を
結合させるための結合材と、フェライト粒子と、凝集し
てフェライト粒子を網状体に捕捉させるためのカチオン
高分子およびアニオン高分子と、水とを混合してスラリ
ーを作製する工程と、このスラリーをシート状に延伸す
ると共に乾燥および固化させて電波吸収シートを作製す
る工程とを含んでいる。本発明によれば、電波吸収シー
トを製造する過程で材料が脱落することを防止できると
共に、シート内における材料の均一性のよい電波吸収シ
ートを製造することができる。従って、本発明によれ
ば、高品位の電波吸収シートを製造することができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電波吸収体の構成
の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る電波吸収体の構成
の他の例を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る電波吸収体の構成
の更に他の例を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る電波吸収体の構成
の更に他の例を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る電波吸収体の構成
の更に他の例を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施の形態における実施例の電波吸
収体および比較例の電波吸収体の電波吸収特性を示す特
性図である。
【図7】従来の電波吸収体の外観の一例を示す斜視図で
ある。
【図8】従来の電波吸収体の外観の他の例を示す斜視図
である。
【符号の説明】
10…電波吸収体、11…構造体、12…構成部材、1
3…開口部、21…電波吸収体部、22…電波反射体。
フロントページの続き (72)発明者 柳川 太成 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 林 宏三 岐阜県名務原市金属団地65番地 株式会社 常盤電機内 (72)発明者 藤本 恭一 岐阜県名務原市金属団地65番地 株式会社 常盤電機内 (72)発明者 岸野 英樹 岐阜県名務原市金属団地65番地 株式会社 常盤電機内 Fターム(参考) 5E321 AA42 BB01 BB33 BB34 BB41 BB51 BB60 GG11

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性損失体よりなる薄板状の構成部材
    と、この構成部材に囲まれて形成され、電波の到来方向
    に貫通する複数の開口部とを有し、全体形状が板状に形
    成された構造体を備えたことを特徴とする電波吸収体。
  2. 【請求項2】 更に、一方の面が前記構造体の電波到来
    側とは反対側の面に隣接するように配置された板状の電
    波吸収体部と、前記電波吸収体部の他方の面に隣接する
    ように配置された電波反射体とを備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の電波吸収体。
  3. 【請求項3】 前記電波吸収体部はフェライト焼結体よ
    りなることを特徴とする請求項2記載の電波吸収体。
  4. 【請求項4】 前記構成部材は、コルゲート状、ハニカ
    ム状あるいは格子状に配置されていることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載の電波吸収体。
  5. 【請求項5】 前記構成部材はフェライトを含むことを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電波吸
    収体。
  6. 【請求項6】 前記構成部材は、繊維によって形成され
    た網状体と、この網状体によって担持されたフェライト
    粒子とを含み、全体がシート状に形成された電波吸収シ
    ートによって構成されていることを特徴とする請求項5
    記載の電波吸収体。
  7. 【請求項7】 前記電波吸収シートにおける前記網状体
    は、長繊維と分枝状繊維とによって形成されていること
    を特徴とする請求項6記載の電波吸収体。
  8. 【請求項8】 前記電波吸収シートは、更に、凝集して
    前記フェライト粒子を網状体に捕捉させるためのカチオ
    ン高分子およびアニオン高分子を含むことを特徴とする
    請求項6または7記載の電波吸収体。
  9. 【請求項9】 前記電波吸収シートは、更に、繊維同士
    を結合させるための結合材を含むことを特徴とする請求
    項6ないし8のいずれかに記載の電波吸収体。
  10. 【請求項10】 磁性損失体よりなる薄板状の構成部材
    と、この構成部材に囲まれて形成され、電波の到来方向
    に貫通する複数の開口部とを有し、全体形状が板状に形
    成された構造体を備えた電波吸収体を製造する方法であ
    って、 繊維によって形成された網状体と、この網状体によって
    担持されたフェライト粒子とを含み、全体がシート状に
    形成された電波吸収シートを製造する工程と、 前記電波吸収シートを前記構成部材として用いて前記構
    造体を作製する工程とを備えたことを特徴とする電波吸
    収体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記電波吸収シートを製造する工程
    は、 前記網状体を形成するための長繊維および分枝状繊維
    と、これらの繊維同士を結合させるための結合材と、フ
    ェライト粒子と、凝集して前記フェライト粒子を網状体
    に捕捉させるためのカチオン高分子およびアニオン高分
    子と、水とを混合してスラリーを作製する工程と、 前記スラリーをシート状に延伸すると共に乾燥および固
    化させて電波吸収シートを作製する工程とを含むことを
    特徴とする請求項10記載の電波吸収体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記スラリーを作製する工程は、前記
    長繊維、分枝状繊維、結合材、フェライト粒子およびカ
    チオン高分子を混合して混合物を作製し、次に、前記混
    合物に前記アニオン高分子および水を混合して前記スラ
    リーを作製することを特徴とする請求項11記載の電波
    吸収体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記スラリーにおける前記水の割合は
    25重量%以下であることを特徴とする請求項11また
    は12記載の電波吸収体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記スラリーにおける前記結合材の割
    合は15重量%以下であることを特徴とする請求項11
    ないし13のいずれかに記載の電波吸収体の製造方法。
  15. 【請求項15】 繊維によって形成された網状体と、こ
    の網状体によって担持されたフェライト粒子とを含み、
    全体がシート状に形成されていることを特徴とする電波
    吸収シート。
  16. 【請求項16】 前記網状体は、長繊維と分枝状繊維と
    によって形成されていることを特徴とする請求項15記
    載の電波吸収シート。
  17. 【請求項17】 更に、凝集して前記フェライト粒子を
    網状体に捕捉させるためのカチオン高分子およびアニオ
    ン高分子を含むことを特徴とする請求項15または16
    記載の電波吸収シート。
  18. 【請求項18】 更に、繊維同士を結合させるための結
    合材を含むことを特徴とする請求項15ないし18のい
    ずれかに記載の電波吸収シート。
  19. 【請求項19】 繊維によって形成された網状体と、こ
    の網状体によって担持されたフェライト粒子とを含み、
    全体がシート状に形成された電波吸収シートを製造する
    方法であって、 前記網状体を形成するための長繊維および分枝状繊維
    と、これらの繊維同士を結合させるための結合材と、フ
    ェライト粒子と、凝集して前記フェライト粒子を網状体
    に捕捉させるためのカチオン高分子およびアニオン高分
    子と、水とを混合してスラリーを作製する工程と、 前記スラリーをシート状に延伸すると共に乾燥および固
    化させて電波吸収シートを作製する工程とを備えたこと
    を特徴とする電波吸収シートの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記スラリーを作製する工程は、前記
    長繊維、分枝状繊維、結合材、フェライト粒子およびカ
    チオン高分子を混合して混合物を作製し、次に、前記混
    合物に前記アニオン高分子および水を混合して前記スラ
    リーを作製することを特徴とする請求項19記載の電波
    吸収シートの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記スラリーにおける前記水の割合は
    25重量%以下であることを特徴とする請求項19また
    は20記載の電波吸収シートの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記スラリーにおける前記結合材の割
    合は15重量%以下であることを特徴とする請求項19
    ないし21のいずれかに記載の電波吸収シートの製造方
    法。
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