JPH09186484A - 広帯域電波吸収体 - Google Patents

広帯域電波吸収体

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JPH09186484A
JPH09186484A JP7354302A JP35430295A JPH09186484A JP H09186484 A JPH09186484 A JP H09186484A JP 7354302 A JP7354302 A JP 7354302A JP 35430295 A JP35430295 A JP 35430295A JP H09186484 A JPH09186484 A JP H09186484A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子機器に利用される周波数の高周波数化の
要求に応えると同時に、物理的な高さが低く、より経済
的に広帯域な電波吸収特性を有する電波吸収体を提供す
る。 【解決手段】 反射板上に、単位吸収体を間隔pで繰り
返して配置した構造を有し、該単位吸収体が、厚みd、
長さL、幅tmの磁性体板を十字形に交差させた形状の
第1層と、該第1層の上に設けられた、半径が反射板方
向から電波到来方向に向かって階段状に順次減少する磁
性体円柱を積層してなる多段層とからなり、かつ、前記
多段層内の磁性体円柱の最大半径をrmaxとするとき、 L=p 2rmax≦p tm<p なる関係を満足し、さらに、単位吸収体における多段層
のうち少なくとも1つ以上の層を構成する磁性体円柱
が、隣合う単位吸収体の磁性体円柱と機械的に接触して
いないことを特徴とする広帯域電波吸収体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広帯域電波吸収体
に関し、詳しくは、電子機器の不要放射試験、妨害電磁
波耐性試験、アンテナ特性試験などに広く利用される電
波暗室の壁材や、ビルや橋などの建築物や構造物からの
電波反射によるTVや航行レーダヘの障害防止などのた
めの電波吸収壁材として用いられる広帯域電波吸収体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、広帯域電波吸収体として最も良く
知られているものに、損失誘電体によって構成されるピ
ラミッド形電波吸収体と称される四角錐状ものがある。
このタイプの電波吸収体は吸収要素として抵抗損失を利
用したもので、電波反射板である金属板上に四角錐状の
電波吸収部材を設けた構成となっている。この四角錐状
の電波吸収部材は、例えば多孔質プラスチックに微小カ
ーボン粒を含浸させたもの、或いは発泡ポリウレタン粒
に抵抗体であるカーボン微粒子を装荷したものを、適当
な方法でピラミッド状に固めて構成され、金属板上にそ
の断面積が該金属板に向かって順次増加するように設け
られる。このような構成では、電波吸収部材の断面積が
金属板に向かって順次増加しているため、電波吸収部材
のインピーダンスが空間から金属反射板方向に向かって
順次低くなり、空間インピーダンスとの整合が行われ
る。
【0003】上記のタイプの電波吸収体は非常に広帯域
の電波吸収特性を示すが、一般にその高さは吸収しよう
とする電波の最低周波数の2分の1波長程度となり、例
えば30MHzの周波数の電波から吸収しようとする
と、電波吸収体の高さは5m程度となってしまう。この
ような電波吸収体を例えば電波暗室の吸収壁として用い
た場合、測定空間が狭くなる等のスペース上の問題、あ
るいは壁面、天井への取付作業が容易でない等の施工上
の問題がある。さらに、基材がプラスチックであるの
で、吸収した電波による発熱のため、発火、燃焼の危険
やガスの発生等の問題があり、また電波吸収体自体の吸
水性のために、機械的あるいは電気的特性の劣化等や、
これらの特性の経年変化、あるいは損傷等の問題があ
る。しかし、このタイプの電波吸収体は、物理的な高さ
の低くできるマイクロ波帯の電波吸収体としては、その
吸収特性がよいところから、引き続き利用されている。
【0004】これに対し、磁性損失を利用することによ
り、電波吸収体の高さの問題を解決する技術が提案され
ている。例えば、磁性損失を与える磁性体として、焼結
フェライト磁性体を用いて構成された電波吸収体があ
る。この電波吸収体は5〜8mm程度の低い高さで、例
えば30MHzという低周波数の電波から吸収できると
いう優れた特性を持っている。しかし、この電波吸収体
では、使用できる周波数帯域は30〜300MHzと帯
域が狭いという問題点があった。
【0005】一方、例えばTV電波のビルによる反射障
害防止のために、ビルの壁面の全面にフェライトタイル
を貼り付けることが行われている。また、フェライトタ
イルを建物の壁面に磁界方向には連続するが電界方向に
は間隔をあけて配置することにより、上記全面配置の場
合に比べフェライトタイルの使用枚数を減らし、経済的
にVHF帯のTV電波障害を防止することも行われてい
る。しかし、これらの場合も電波吸収体の電波吸収帯域
幅は狭く、VHF帯からUHF帯までの周波数にわたっ
てTV電波を吸収するほどの帯域幅ではない。また、こ
のタイプの電波吸収体は単一偏波であるため、利用がT
V電波障害対策などに限られており、電波暗室等には、
このように偏波依存性を持つ電波吸収体は不適当である
ので利用できない。
【0006】さらに、単層フェライトタイルの狭帯域を
改善する技術として、フェライトタイルに先に述ベた損
失誘電体を積層した電波吸収体、ないしは2枚のフェラ
イトタイルを適当な空隙を介して積層した電波吸収体が
提案されている。ところが、前者に対しては積層吸収体
自体の高さが依然として高いという不具合の他に、電気
的にも機械的にも異なる2種類の材料を必要とし、かつ
構造が複雑になるという欠点がある。また、後者にあっ
ては、その組み合わせ機構に機械的に弱い薄い材料が要
求されるなどの欠点がある。そのため、これらの電波吸
収体はほとんど実用になっていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】今後、電子機器に利用
される周波数は、より高い周波数に亘るようになり、従
って電波暗室の壁材として要求される性能につき、その
上限周波数は必然的に高くならざるを得ないと思われ
る。本発明は、この要求に応えると同時に、物理的な高
さが低く、より経済的に広帯域な電波吸収特性を有する
電波吸収体を提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、反射板上に、
磁性体からなるそれぞれ電気定数の大幅に異なる第1層
と第2層以降の複数層を、反射板に垂直な方向に連続し
て積み重ねてなる多層電波吸収体に係るものである。詳
しくは、反射板に最も近い第1層を磁性体板を十字型に
交差させるか、ないしはタイル状の磁性体とし、第1層
の上に順次重ねる第2層以降の層は、その断面が円形で
ある磁性体柱をもって構成する。さらに、第2層以降の
層を構成する各々の磁性体円柱の半径は第2層から電波
到来方向に向かい順次階段状に小さくなるように構成す
る。かくして得られた多層磁性体を、当該電波吸収体を
構成する「単位吸収体」とし、この単位吸収体を、反射
板上に一定間隔で配置することにより、所要面積の本発
明による広帯域電波吸収体が構成される。
【0009】さらに、上記単位吸収体の配置に際し、隣
合う第2層以降の積層磁性体円柱間は、少なくとも一つ
以上の層の磁性体円柱において、その側壁が高さ方向の
何処においても、隣合う同一層の磁性体円柱と互いに接
触しない形に配置する。すなわち、この接触していない
部分の磁性体円柱は、直線偏波に対し、その電界方向及
び磁界方向に対しても機械的に不連続な構造を有してい
る。好ましい例としては、隣合う単位吸収体の第1層間
は互いに密着して反射板上に配列をし、第2層以降の層
は、磁性体円柱の半径を単位吸収体の配置間隔の2分の
1より小さくし、互いに隙間をあける。このようにする
と、その部分の吸収層は、単位吸収体内に占める半径で
決まる磁性体部と空隙部との関係により、その電気的性
格が決まり、その層の透磁率及び誘電率は、単位吸収体
内に空隙がなく磁性体が充填されている場合の各定数に
比べ、いずれの値も低下し、材料と円柱の半径の設定に
より、各吸収層に要求される最適な数値のものが容易に
得られ、広帯域電波吸収体を構成することができる。
【0010】このように、本発明によれば、上記目的を
達成するため、反射板上に、単位吸収体を間隔pで繰り
返して配置した構造を有し、該単位吸収体が、厚みd、
長さL、幅tmの磁性体板を十字形に交差させた形状の
第1層と、該第1層の上に設けられた、半径が反射板方
向から電波到来方向に向かって階段状に順次減少する磁
性体円柱を積層してなる多段層とからなり、かつ、前記
多段層内の磁性体円柱の最大半径をrmaxとするとき、 L=p 2rmax≦p tm<p なる関係を満足し、さらに、単位吸収体における多段層
のうち少なくとも1つ以上の層を構成する磁性体円柱
が、隣合う単位吸収体の磁性体円柱と機械的に接触して
いないことを特徴とする広帯域電波吸収体が提供され
る。また、本発明によれば、反射板上に、単位吸収体を
間隔pで繰り返して配置した構造を有し、該単位吸収体
が、厚みd、長さL、幅tmの磁性体板を十字形に交差
させた形状の第1層と、該第1層の上に設けられた、半
径r、高さhの磁性体円柱からなる第2層とからなり、
さらに、 L=p 2r<p tm<p なる関係を満足することを特徴とする広帯域電波吸収体
が提供される。また、本発明によれば、反射板上に、単
位吸収体を間隔pで繰り返して配置した構造を有し、該
単位吸収体が、厚みd、長さ及び幅がLのタイル状磁性
体からなる第1層と、該第1層の上に設けられた、半径
が反射板方向から電波到来方向に向かって階段状に順次
減少する磁性体円柱を積層してなる多段層とからなり、
かつ、前記多段層内の磁性体円柱の最大半径をrmax
するとき、 L=p 2rmax≦p d≦p なる関係を満足し、さらに、単位吸収体における多段層
のうち少なくとも1つ以上の層を構成する磁性体円柱
が、隣合う単位吸収体の磁性体円柱と機械的に接触して
いないことを特徴とする広帯域電波吸収体が提供され
る。また、本発明によれば、反射板上に、単位吸収体を
間隔pで繰り返して配置した構造を有し、該単位吸収体
が、厚みd、長さ及び幅がLのタイル状磁性体からなる
第1層と、該第1層の上に設けられた、半径r、高さh
の磁性体円柱からなる第2層とからなり、さらに、 L=p 2r<p d≦p d≦h なる関係を満足することを特徴とする広帯域電波吸収体
が提供される。また、本発明によれば、上記構成におい
て、第1層の実効透磁率が1000〜3000で、第2
層以降の層の実効透磁率が1.01〜10で、かつ、前
記磁性体板及び磁性体円柱がそれぞれ焼結フェライトで
形成されていることを特徴とする広帯域電波吸収体が提
供される。また、本発明によれば、上記構成において、
少なくとも一つ以上の層が焼結フェライト粉体と高分子
化合物との混合物で形成されていることを特徴とする広
帯域電波吸収体が提供される。さらに、本発明によれ
ば、上記構成において、電波吸収体の前面に損失誘電体
を付加してなる広帯域電波吸収体が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の広帯域電波吸収体は、反
射板上に、吸収すべき入射電波の磁界方向と電界方向に
対し、磁性体が連続している第1層と、同じく入射電波
の磁界方向と電界方向に対して、規則的に円柱による磁
性体部と円柱の無い空隙部との繰り返し構造を有する第
2層以降の層との組み合わせにより構成されている。
【0012】一般に磁性体の比透磁率μr、比誘電率εr
は μrr1-jμr2 εrr1-jεr2 (1) の複素数で表わすことができ、かつ、周波数分散特性を
持っている。ここに、μr1は比透磁率μrの実数分、μ
r2は虚数分を示し、εr1は比誘電率εrの実数分、εr2
は虚数分を示している。
【0013】例えば、電波吸収体の構成材料としてよく
使用されるNiZn系焼結フェライトの材料自体の比透
磁率は、材質により異なり、1KHz程度の低い周波数
で、(1)式のμr1の値はμr1=10〜2500程度の
値が得られ、μr2の値もμr1が大きければ大きいのが一
般的であるが、いずれにしても、どちらの値も周波数に
よって変化する。また、NiZn系焼結フェライトの材
料の比誘電率のうちεr1の値は材料により、約12から
15となるが、周波数に対してほぼ一定とみなしてよ
く、εr2の値は非常に小さいのが普通である。
【0014】今後の説明で、単に、比透磁率、比誘電率
という表現は、それぞれ(1)式の実数部、すなわち、
μr1、εr1を表現し、特に断りがない限り、周波数1K
Hzの場合の値である。また、関心のある層に、空隙
(ここでは空気)と磁性体の両方が存在する場合、その
層の持つ比透磁率と比誘電率は、それと電気的に等価な
均一媒質で占められている層とみなして、以後この層の
比透磁率と比誘電率を「実効比透磁率」と「実効比誘電
率」と呼ぶことにする。
【0015】この実効透磁率と実効誘電率が、磁性体と
空隙の関係により、どうなるかを調べてみたところ、空
隙を設けることにより、実効比透磁率と実効比誘電率
は、磁性体間に空隙がなく連続している場合に比べ小さ
くなるだけでなく、その周波数特性も大きく変化するこ
とを確認した。このことを図15を用いて説明する。
【0016】図15では、点線で囲まれた面積内は、半
径rのフェライト円柱と空間の共存範囲を示しており、
この共存範囲が磁界方向に2個だけ連続している場合
を、電波の進行方向からみた正面図として描いている。
この共存範囲が波長に比べ十分磁界方向に長く連続して
間隔pで配置されているものとし、その磁性体材料の比
透磁率が2500で、間隔pが20mmで、rが10.
0mmの場合(同図A)と、磁性体円柱の半径rが3.
0mmで他の条件を同じにした場合(同図B)の層の実
効比透磁率の周波数分散をそれぞれ図16に曲線(A)
と曲線(B)で示す。つまり、磁性体円柱間に隙間がな
い(s=0mm)場合とs=14mmの隙間がある場合
で、その間のsの変化に対しては、その比透磁率の周波
数分散は、図16の曲線(A)から曲線(B)の範囲で
変化することを意味している。
【0017】このように、空隙があることにより、実効
比透磁率は、μr1、μr2共にその最大値が小さくなるだ
けでなく、空隙があることによって、特にμr2の値が最
大になる周波数が高い方に大きく移動し、空隙がない場
合に比べ分散特性の全く違ったものとなっていることが
解る。本発明では、このような実効比透磁率の周波数分
散の変動と、実効比誘電率の低下を有効に利用する。
【0018】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、以下に述べる実施例の特性は、すべ
て、図17に示すようなトリプレート線路を用い、TE
M波による測定で評価したものである。また、各実施例
の電波吸収体の構造を示す図1、図4、図7において、
Fは焼結フェライト、Mは反射板を示す。また、図2、
図5、図8、図10は関連する実施例を構成する単位構
造に相当する「単位吸収体」を示している。従って、本
発明の電波吸収体は、この単位吸収体を互いに第1層が
接触した状態で、所要面積となるよう、反射板上に同一
平面上に並べて配置することにより構成される。また、
各図の単位吸収体において、hは吸収体の電波入射方向
に測った全体の高さ、tmは第1層の磁性体の幅、Lは
単位吸収体の一辺の長さ、dは第1層の厚みであり、h
2,・・・h8は第2層以降の層の各磁性体円柱の高さ、
2,・・・r8は第2層以降の層に配置される各磁性体
円柱の半径、pは隣合う単位吸収体の間隔、s2,・・・
8は第2層以降の層の隣合う単位吸収体間の同一磁性
体円柱の間隔で、各図とも共通である。
【0019】実施例1 本発明による電波吸収体の一実施例の構造を図1に示
す。図において、反射板Mに近い第1層は、磁性体板を
同一面上で十字型に交差させた形状に構成し、その上に
設けられる第2層と第3層は断面が円形の磁性体柱を2
段積み重ねることによって構成する。従って、本実施例
は全体として3層からなる多層電波吸収体で、その3層
目の磁性体円柱の半径は2層目の磁性体円柱の半径に比
べ小さく、磁性体円柱の高さは3層目の方が2層目に比
べて高くなっている。本実施例の電波吸収体を構成する
ための構造単位となる第1層、第2層、第3層を一緒に
した積層磁性体を単位吸収体として、その詳細構造を図
2に示す。なお、図2において、(a)は斜視図、
(b)は正面図、(c)は側面図である。従って、図1
の構造は、反射板M上に図2に示す単位吸収体を、第1
層の厚みの部分が、隣合う単位吸収体間で互いに接触す
る状態で所要数量配列したものである。
【0020】本実施例で使用した磁性材料Fは、すべて
の層でNiZn系焼結フェライトの同一材料であり、そ
の比透磁率は2500、比誘電率は15である。単位吸
収体間の間隔pは20mmに設定し、第1層の磁性体板
の厚みdは8.0mm、幅tmは15mm、長さLは2
0mmである。第2層の磁性体円柱の高さh2は10m
m、半径r2は8.7mmであり、この第2層は、第1
層の上に接した状態で積層されている。また、第3層の
磁性体円柱の高さh3は11mm、半径r3は6mmで、
この第3層は、第2層の上に接した状態で積層されてい
る。従って、隣合う単位吸収体間では、第2層の磁性体
円柱相互間ではs2=2.6mmの隙間があいており、第
3層の磁性体円柱相互間ではs3=8.0mmの隙間があ
いていることになる。
【0021】本実施例の構造の場合、第1層の実効比透
磁率は約1880、実効比誘電率は約12であり、第2
層の実効比透磁率は約4.1、実効比誘電率は3.2で
あり、第3層の実効比透磁率は約1.6、実効比誘電率
は1.6である。
【0022】かく構成された本発明の電波吸収体の吸収
特性は、図1で上から、すなわち、第3層の表面から反
射板M方向に垂直入射した電磁波に対し、図3に示すよ
うに、反射減衰量20dB以上を30−6200MHz
の範囲でカバーしている。
【0023】実施例2 本発明による他の実施例の電波吸収体の構造を図4に示
す。本実施例は実施例1と同じく3層からなる電波吸収
体の例であるが、反射板Mに近い第1層を、タイル状の
フェライト磁性体にしている。第2層及び第3層は、半
径の異なる磁性体円柱で、実施例1と同じにしている。
本実施例の電波吸収体を構成するための構造単位となる
第1層、第2層及び第3層を一緒にした積層磁性体によ
る単位吸収体の詳細構造を図5に示す。なお、図5にお
いて、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は側面
図である。すなわち、図4の構造は、反射板M上に図5
に示す単位吸収体を、第1層の厚みの部分が隣り合う単
位吸収体間で互いに接触する状態で所要数量配列したも
のである。
【0024】本実施例で使用した磁性材料Fは、すベて
の層でNiZn系焼結フェライトの同一材料であり、そ
の比透磁率は2500、比誘電率は15である。第1層
のタイル状磁性体板の厚みdは6.0mm、長さLは2
0mm、幅tmはタイル状であるからtm=L、すなわ
ち、20mmに設定している。第2層の磁性体円柱の高
さh2は9mmとし、この第2層は、第1層の上に接し
た状態で積層されている。また、第3層の磁性体円柱の
高さh3は11mmで、この第3層は、第2層の上に接
した状態で積層されている。さらに、第2層の磁性体円
柱の半径r2は8.6mm、第3層の磁性体円柱の半径
3は6mmで、単位吸収体の間隔pは20mmに設定
している。従って、隣合う単位吸収体間では、第2層の
磁性体円柱相互間はs2=2.8mmの隙間があいてお
り、第3層の磁性体円柱相互間はs3=8.0mmの隙間
があいていることになる。
【0025】本実施例の構造の場合、第1層はタイル状
であるためその比透磁率は材料自体と同じ約2500、
比誘電率は約15である。また、第2層の実効比透磁率
は約3.8、実効比誘電率は3.0であり、第3層の実
効比透磁率は約1.6、実効比誘電率は1.6である。
【0026】かく構成された本発明の電波吸収体の吸収
特性は、図4で上から、すなわち、第3層の表面から反
射板M方向に垂直入射した電磁波に対し、図6に示すよ
うに、反射減衰量20dB以上を30−6600MHz
の範囲でカバーしている。
【0027】実施例3 本発明のさらに他の実施例の電波吸収体の構造を図7に
示す。本実施例は2層からなる電波吸収体の場合であ
り、第1層は磁性体板を交差させた十字型の磁性体、そ
して第2層は磁性体円柱であり、第1層の上に積み重ね
られている。第1層と第2層を構成する単位吸収体とな
る積層磁性体柱の構造を図8に示す。なお、図8におい
て、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は側面図
である。すなわち、図7の構造は、反射板M上に図8で
示される単位吸収体の積層磁性体を、第1層の厚みの部
分が隣り合う単位吸収体間で互いに接触する状態で所要
数量を同一平面上に配列したものである。
【0028】本実施例で使用した磁性材料Fは第1層も
第2層も同一のNiZn系焼結フェライトであり、その
比透磁率は2500、比透磁率は15である。単位吸収
体の間隔pは20mmに設定し、第1層の磁性体板の厚
みdは8.0mm、幅tmは15mm、長さLは20m
mである。第2層目の磁性体円柱の高さh2は12m
m、半径r2は8.5mmである。従って、隣合う単位
吸収体間では、第2層の磁性体円柱相互間はs2=3.0
mmの隙間があいていることになる。
【0029】本実施例の構造の場合、第1層の実効比透
磁率は約1880、実効比誘電率は約12であり、第2
層の実効比透磁率は約3.6、実効比誘電率は2.9で
ある。
【0030】かく構成された本発明の電波吸収体の吸収
特性は、図9に示すように、反射減衰量20dB以上を
30−2900MHzの範囲でカバーしている。
【0031】実施例4 本発明のさらに他の実施例は8層からなる電波吸収体の
例であり、第2層以降の層は、その半径がそれぞれ異な
る磁性体円柱を積層した多段層に形成され、第2層以降
の層を構成する磁性体円柱の半径は金属板Mから電波到
来方向に向かって順次階段状に小さくなっている。反射
板Mに近い第1層は、タイル状のフェライト磁性体で形
成されている。本実施例の電波吸収体を構成するための
構造単位となる第1層から第8層までを積層した積層磁
性体による単位吸収体の詳細構造を図10に示す。図1
0において、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)
は側面図である。すなわち、本実施例の電波吸収体を構
成するには、反射板M上に図10に示す単位吸収体を、
第1層の厚み部分が、隣合う単位吸収体間で互いに接触
する状態で所要数量配列すれば良い。
【0032】本実施例で使用した磁性材料Fは、これま
での他の実施例と同じく、すベての層でNiZn系焼結
フェライトの同一材料であり、その比透磁率は250
0、比誘電率は15である。第1層のタイル状磁性体板
の厚みdは6mm、長さLは20mm、幅tmは20m
mである。従って、隣合う第1層間はタイル状であるた
め当然互いに接触しているが、第1層の上に接して積み
上げられた第2層から第8層までは、隣合う層の同一層
の磁性体円柱は互いに離れており、吸収体全体の高さh
が49mmである。さらに、第2層以降の磁性体円柱の
半径は、r2の9.1mmから、r8の3.0mmまで順
次小さくなって行き、各磁性体円柱の高さはh2が7m
mから、h8が3mmまで各層において実験で得られた
好ましい値に定めている。単位吸収体の間隔pは20m
mとした。従って、隣合う単位吸収体間では、第2層以
降の同一層の磁性体円柱相互間はs2=1.8mm、第8
層の磁性円柱相互間はs8=14.0mmと、磁性体円柱
半径が小さくなるに従い隙間が次第に大きく開いて行く
ようになっている。なお、本実施例の各部の寸法を表1
に示す。
【0033】
【表1】
【0034】本実施例の構造の場合、第1層はタイル状
であるためその比透磁率は材料自体と同じ約2500、
比誘電率は約15である。また、第2層の実効比透磁率
は約5.3、実効比誘電率は3.8であり、第8層の実
効比透磁率は約1.1、実効比誘電率は1.1である。
なお、各層の実効比透磁率及び実効比誘電率をそれぞれ
表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】かく構成された本発明の電波吸収体の吸収
特性は、図10で上から、すなわち、第8層の表面から
反射板M方向に垂直入射した電磁波に対し、図11に示
すように、反射減衰量20dB以上を30MHz−30
GHzの範囲でカバーしている。
【0037】以上実施例1、2、3、4はいずれもその
構成材料は焼結フェライトを使用したものである。これ
らの場合、その第1層はフェライト板を十字型に交差し
た場合であれ、フェライトタイル(tm=Lの場合に相当
する)の場合であれ、その実効比透磁率を1000以上
に設定している。また、第2層以降の実効比透磁率は1
0以下に設定されている。このように電波吸収体を焼結
フェライトのみで構成した場合は、第2層以降の実効比
透磁率を第1層に比べ約100分の1以下にすることに
より、低い周波数から動作可能な広帯域電波吸収体を構
成することができる。
【0038】実施例5 図12は本発明によるさらに他の電波吸収体の構造を側
断面で示す。本発明によれば、図に示すように、前方
(入射波方向)に、損失誘電体LDを付加して、さらに
広帯域な電波吸収体に発展させることができる。図12
において、Aの部分は実施例3に示したものと同じ電波
吸収体である。また、損失誘電体LDは、カーボン粉体
を、発泡ポリウレタンに体積1リットル当たり0.5g
の割合で一様に含浸して製作した。この損失誘電体LD
の比誘電率は約1.2である。これをAの表面から、電
波入射方向にAの表面積と同一面積で300mmの長さ
の角柱状の部材として付加した。
【0039】かく構成された本発明の電波吸収体の特性
は、図13に示すように、反射減衰量20dB以上の範
囲が、実施例3では30−2900MHzであったのに
対し、30MHz−5GHzに広がっている。
【0040】実施例6 前記各実施例においては、磁性材料として用いたもの
は、すベての層でNiZn系焼結フェライトの同一磁性
材料であったが、本発明に利用できる磁性材料はこれに
限ったものではない。例えば、フェライトの粉体をクロ
ロプレンゴムないしはポリオレフィンなどのプラスチッ
クに分散した、通称ゴムフェライトを用いても良い。
【0041】一つの例として、粒径が5−50ミクロン
のMnZn系焼結フェライトの粉体を、重量比で、クロ
ロプレンゴム1に対しフェライト粉体10の割合で分散
させた場合、比透磁率μr1が約10、比誘電率εr1が1
1の磁性材料を得ることができる。このゴムフェライト
を実施例3、すなわち、図7、図8に示す構造にするこ
とにより、マイクロ波帯用の電波吸収体に構成すること
ができる。具体的には、その単位吸収体の間隔pを20
mmに設定し、第1層の磁性体板の厚みdを5mm、幅
mを20mm、長さLを20mmに設定する。従って
第1層はタイル状になる。また、その上の第2層目の磁
性体円柱の高さh2を15mm、磁性体円柱の半径r2
7.6mmに設定する。かく構成された電波吸収体は、
隣合う単位吸収体間では、第2層の磁性体円柱相互間は
2=4.8mmの隙間があいていることになる。この構
造の場合、前記のゴムフェライトを使用し、かつ第1層
がタイル状であるため、第1層の実効比透磁率は約1
0、実効比誘電率は約11である。また、第2層の実効
比透磁率は約2.25、実効比誘電率は2.1である。
【0042】このようなゴムフェライトによる本発明の
電波吸収体の吸収特性は、図14に示すように、反射減
衰量20dB以上を1000−5300MHzの範囲で
カバーするマイクロ波帯用の広帯域な特性を示す。
【0043】また、実施例5のような多層の構成にあっ
ては、例えば、第1層と第2層は焼結フェライトで構成
し、実効比透磁率が比較的小さくて良い第2層以降の層
をこのようなゴムフェライトを用いて構成することもで
きる。
【0044】また、本発明の電波吸収体において、第1
層の磁性体板を十字型にする場合、上記図2の(b)あ
るいは図8(b)に示すような形の他、図18に示すよ
うなX型、ないしはタイル状の磁性体板の四隅を円弧状
に欠削した糸巻き型の形状に変形したものとしてもよ
い。本発明における十字型とはこのような変形形状をも
包含する。
【0045】さらに、第2層以降の層に、空隙をもたせ
る方法としては、実施例で述ベたように、断面が円形の
磁性体柱が最も合理的であるが、例えば図19(a)、
(b)、(c)に2層型の場合の断面を示すように、
4、6、8角形の様な多角形を採用しても、電界方向、
磁界方向にも空隙を有するから、効果に変わりがないこ
とはその動作原理から明らかである。ただし、垂直、水
平両偏波に対し同一吸収特性を与えるためには、電界、
磁界両方向に対し同一面積の空隙を持つことが好まし
い。
【0046】
【発明の効果】以上、本発明では、2層形又はそれ以上
の多層形の構成の電波吸収体において、少なくとも第1
層は磁性体板の長さを単位吸収体の配列間隔と等しくし
て、互いに隣合う単位吸収体どうしを密着させ、それよ
り電波入射面に近い層の磁性体円柱の半径を、単位吸収
体の配列間隔の2分の1より小さくし、規則的な空隙部
と磁性体部の繰り返し構造にし、それぞれの層の実効比
誘電率と実効比透磁率を、それぞれの層を構成する磁性
体円柱の半径をコントロールすることにより、要求され
る値に設定し、その結果、全体として広帯域な多層電波
吸収体ができることを示した。
【0047】また、第1層がフェライトタイル型であっ
ても、その上に、同様の方法で、電気定数の異なる層を
積み重ねることにより広帯域な電波吸収体が得られるこ
とも示した。これは既設のフェライトタイル形の吸収体
を改善する場合にも有効である。
【0048】このように、入射面に近い層間を互いに接
触しない構造とした電波吸収体としては、抵抗膜を用い
たピラミッド型のものが従来から見られるが、周知のよ
うに抵抗膜を用いるものにあっては、その高さとして、
使用する最低周波数の略2分の1波長もの寸法を必要と
するものであった。また磁性体を用いたものにあって
は、磁性体が、電界方向にだけ不連続なものが従来例と
して存在するが、その帯域幅は小さいものであった。し
かしながら、本発明は、磁性体柱を用いるので、これら
の問題も解消し、高さが低く、従来の磁性体による電波
吸収体に比べ著しく広帯域な電波吸収体が得られる。
【0049】さらに、本発明によれば、電波吸収体の表
面から入射波方向に、損失誘電体LDを付加して、さら
に広帯域な電波吸収体にできることも示した。
【0050】また、上述の実施例では、電波吸収体を構
成するための単位吸収体を示したが、もちろん、本発明
の電波吸収体の経済的な製造に当たっては、この単位吸
収体を、多数連結したものを製作し、さらにそれを連結
して所要面積の吸収壁を構成するができる。
【0051】また、本発明の電波吸収体の構造は、各層
を同一磁性材料のフェライトを用いて構成するのが経済
的に望ましい。なぜなら、この場合、フェライト仮焼粉
の成型時に、各層を一体に同時成型が可能であり、各層
毎に種類の異なる材料を用いて製造する場合に比ベ、大
幅にコストを低減できるからである。
【0052】また、フェライト磁性体はそれ自身硬いセ
ラミックであるから、抵抗膜ないしはカーボン粉体によ
る吸収体のように、抵抗体を保持するための保持材料な
いしは保持機構を必要としない。従って、電波暗室内に
おける電子機器の電磁波に対する耐電磁性試験のよう
に、壁材の吸収体に高電力が吸収される場合にあって、
吸収体が高温になり、従来見られたような熱による変
形、特性の劣化、燃えることによる火災や有害ガスの発
生等の障害もない。
【0053】さらに、本発明の電波吸収体は、空隙部を
有するから、空気と光が空隙部分に進入ないしは通過す
る特長がある。特に、第1層として磁性体板を十字型や
その変形の形にしたものを用いる場合は、光や空気が吸
収壁の表面から反射板まで通過する。従って、電波暗室
用壁材として、このような特長を持つ本発明の電波吸収
体を使用する場合、反射板として金属ネット等の通気性
を持つ材料を利用することにより、電波暗室内の空調ダ
クト口や照明器具等を反射板の背後に配置できるため、
これらを室内に取り付けた場合に起きる好ましくない乱
反射を防ぐと共に、空調や照明を有効にできる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電波吸収体の一実施例の斜視図。
【図2】図1に示す本発明の電波吸収体の単位吸収体の
構造を説明する図。
【図3】図1に示す本発明の電波吸収体の吸収特性を示
す図。
【図4】本発明の3層形電波吸収体の実施例の斜視図。
【図5】図4に示す本発明の電波吸収体の構造単位であ
る単位吸収体を示す図。
【図6】図4に示す本発明の電波吸収体の吸収特性を示
す図。
【図7】本発明の2層形電波吸収体の実施例の斜視図。
【図8】図7に示す本発明の電波吸収体の単位吸収体の
構造を説明する図。
【図9】図7に示す本発明の電波吸収体の吸収特性を示
す図。
【図10】本発明の8層形電波吸収体の実施例を構成す
る単位吸収体を示す図。
【図11】図10に示す単位吸収体で構成した本発明の
電波吸収体の吸収特性を示す図。
【図12】本発明の電波吸収体に損失誘電体を付加した
実施例の断面構造図。
【図13】図12に示す電波吸収体の吸収特性を示す
図。
【図14】磁性体材料がゴムフェライトの場合の本発明
の吸収特性例を示す図。
【図15】断面が円形のフェライト柱が磁界方向に隙間
がある場合を説明する図。
【図16】フェライト円柱の比透磁率の周波数分散の例
を示す図。
【図17】実施例の電波吸収体の吸収特性を測定するた
めのトリプレート線路の構造を示す図。
【図18】第1層の十字型磁性体からの変形例を示す
図。
【図19】断面が円形の磁性体柱からの変形例を示す
図。
【符号の説明】
A 本発明の電波吸収体 d 第1層の磁性体の厚み E 電界 F フェライト磁性体 f 周波数 H 磁界 h 電波吸収体全体の反射板からの高さ h2,・・・h8 第2層以降の各層の磁性体柱の高さ L 第1層の磁性体板の長さ R/L 反射減衰量(dB) M 反射板 p 単位吸収体の配置間隔、磁性体柱の配置間隔 s2,・・・s8 第2層以降の層の隣合う単位吸収体間
の同一磁性体円柱間の隙間 r2,・・・r8 第2層以降の多段磁性体円柱の各柱の
半径 tm 第1層の磁性体の幅 εr 比誘電率 μr 比透磁率
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 広帯域電波吸収体
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広帯域電波吸収体
に関し、詳しくは、電子機器の不要放射試験、妨害電磁
波耐性試験、アンテナ特性試験などに広く利用される電
波暗室の壁材や、ビルや橋などの建築物や構造物からの
電波反射によるTVや航行レーダへの障害防止などのた
めの電波吸収壁材として用いられる広帯域電波吸収体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、広帯域電波吸収体として最も良く
知られているものに、損失誘電体によって構成されるピ
ラミッド形電波吸収体と称される四角錐状ものがある。
このタイプの電波吸収体は吸収要素として抵抗損失を利
用したもので、電波反射板である金属板上に四角錐状の
電波吸収部材を設けた構成となっている。この四角錐状
の電波吸収部材は、例えば多孔質プラスチックに微小カ
ーボン粒を含浸させたもの、或いは発泡ポリウレタン粒
に抵抗体であるカーボン微粒子を装荷したものを、適当
な方法でピラミッド状に固めて構成され、金属板上にそ
の断面積が該金属板に向かって順次増加するように設け
られる。このような構成では、電波吸収部材の断面積が
金属板に向かって順次増加しているため、電波吸収部材
のインピーダンスが空間から金属反射板方向に向かって
順次低くなり、空間インピーダンスとの整合が行われ
る。
【0003】上記のタイプの電波吸収体は非常に広帯域
の電波吸収特性を示すが、一般にその高さは吸収しよう
とする電波の最低周波数の2分の1波長程度となり、例
えば30MHzの周波数の電波から吸収しようとする
と、電波吸収体の高さは5m程度となってしまう。この
ような電波吸収体を例えば電波暗室の吸収壁として用い
た場合、測定空間が狭くなる等のスペース上の問題、あ
るいは壁面、天井への取付作業が容易でない等の施工上
の問題がある。さらに、基材がプラスチックであるの
で、吸収した電波による発熱のため、発火、燃焼の危険
やガスの発生等の問題があり、また電波吸収体自体の吸
水性のために、機械的あるいは電気的特性の劣化等や、
これらの特性の経年変化、あるいは損傷等の問題があ
る。しかし、このタイプの電波吸収体は、物理的な高さ
の低くできるマイクロ波帯の電波吸収体としては、その
吸収特性がよいところから、引き続き利用されている。
【0004】これに対し、磁性損失を利用することによ
り、電波吸収体の高さの問題を解決する技術が提案され
ている。例えば、磁性損失を与える磁性体として、焼結
フェライト磁性体を用いて構成された電波吸収体があ
る。この電波吸収体は5〜8mm程度の低い高さで、例
えば30MHzという低周波数の電波から吸収できると
いう優れた特性を持っている。しかし、この電波吸収体
では、使用できる周波数帯域は30〜300MHzと帯
域が狭いという問題点があった。
【0005】一方、例えばTV電波のビルによる反射障
害防止のために、ビルの壁面の全面にフェライトタイル
を貼り付けることが行われている。また、フェライトタ
イルを建物の壁面に磁界方向には連続するが電界方向に
は間隔をあけて配置することにより、上記全面配置の場
合に比べフェライトタイルの使用枚数を減らし、経済的
にVHF帯のTV電波障害を防止することも行われてい
る。しかし、これらの場合も電波吸収体の電波吸収帯域
幅は狭く、VHF帯からUHF帯までの周波数にわたっ
てTV電波を吸収するほどの帯域幅ではない。また、こ
のタイプの電波吸収体は単一偏波であるため、利用がT
V電波障害対策などに限られており、電波暗室等には、
このように偏波依存性を持つ電波吸収体は不適当である
ので利用できない。
【0006】さらに、単層フェライトタイルの狭帯域を
改善する技術として、フェライトタイルに先に述べた損
失誘電体を積層した電波吸収体、ないしは2枚のフェラ
イトタイルを適当な空隙を介して積層した電波吸収体が
提案されている。ところが、前者に対しては積層吸収体
自体の高さが依然として高いという不具合の他に、電気
的にも機械的にも異なる2種類の材料を必要とし、かつ
構造が複雑になるという欠点がある。また、後者にあっ
ては、その組み合わせ機構に機械的に弱い薄い材料が要
求されるなどの欠点がある。そのため、これらの電波吸
収体はほとんど実用になっていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】今後、電子機器に利用
される周波数は、より高い周波数に亘るようになり、従
って電波暗室の壁材として要求される性能につき、その
上限周波数は必然的に高くならざるを得ないと思われ
る。本発明は、この要求に応えると同時に、物理的な高
さが低く、より経済的に広帯域な電波吸収特性を有する
電波吸収体を提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、反射板上に、
磁性体からなるそれぞれ電気定数の大幅に異なる第1層
と第2層以降の複数層を、反射板に垂直な方向に連続し
て積み重ねてなる多層電波吸収体に係るものである。詳
しくは、反射板に最も近い第1層を磁性体板を十字型に
交差させるか、ないしはタイル状の磁性体とし、第1層
の上に順次重ねる第2層以降の層は、その断面が円形で
ある磁性体柱をもって構成する。さらに、第2層以降の
層を構成する各々の磁性体円柱の半径は第2層から電波
到来方向に向かい順次階段状に小さくなるように構成す
る。かくして得られた多層磁性体を、当該電波吸収体を
構成する「単位吸収体」とし、この単位吸収体を、反射
板上に一定間隔で配置することにより、所要面積の本発
明による広帯域電波吸収体が構成される。
【0009】さらに、上記単位吸収体の配置に際し、隣
合う第2層以降の積層磁性体円柱間は、少なくとも一つ
以上の層の磁性体円柱において、その側壁が高さ方向の
何処においても、隣合う同一層の磁性体円柱と互いに接
触しない形に配置する。すなわち、この接触していない
部分の磁性体円柱は、直線偏波に対し、その電界方向及
び磁界方向に対しても機械的に不連続な構造を有してい
る。好ましい例としては、隣合う単位吸収体の第1層間
は互いに密着して反射板上に配列をし、第2層以降の層
は、磁性体円柱の半径を単位吸収体の配置間隔の2分の
1より小さくし、互いに隙間をあける。このようにする
と、その部分の吸収層は、単位吸収体内に占める半径で
決まる磁性体部と空隙部との関係により、その電気的性
格が決まり、その層の透磁率及び誘電率は、単位吸収体
内に空隙がなく磁性体が充填されている場合の各定数に
比べ、いずれの値も低下し、材料と円柱の半径の設定に
より、各吸収層に要求される最適な数値のものが容易に
得られ、広帯域電波吸収体を構成することができる。
【0010】このように、本発明によれば、上記目的を
達成するため、反射板上に、単位吸収体を間隔pで繰り
返して配置した構造を有し、該単位吸収体が、厚みd、
長さL、幅tの磁性体板を十字形に交差させた形状の
第1層と、該第1層の上に設けられた、半径が反射板方
向から電波到来方向に向かって階段状に順次減少する磁
性体円柱を積層してなる多段層とからなり、かつ、前記
多段層内の磁性体円柱の最大半径をrmaxとすると
き、 L=p 2rmax≦p t<p なる関係を満足し、さらに、単位吸収体における多段層
のうち少なくとも1つ以上の層を構成する磁性体円柱
が、隣合う単位吸収体の磁性体円柱と機械的に接触して
いないことを特徴とする広帯域電波吸収体が提供され
る。また、本発明によれば、反射板上に、単位吸収体を
間隔pで繰り返して配置した構造を有し、該単位吸収体
が、厚みd、長さL、幅tの磁性体板を十字形に交差
させた形状の第1層と、該第1層の上に設けられた、半
径r、高さhの磁性体円柱からなる第2層とからなり、
さらに、 L=p 2r<p t<p なる関係を満足することを特徴とする広帯域電波吸収体
が提供される。また、本発明によれば、反射板上に、単
位吸収体を間隔pで繰り返して配置した構造を有し、該
単位吸収体が、厚みd、長さ及び幅がLのタイル状磁性
体からなる第1層と、該第1層の上に設けられた、半径
が反射板方向から電波到来方向に向かって階段状に順次
減少する磁性体円柱を積層してなる多段層とからなり、
かつ、前記多段層内の磁性体円柱の最大半径をrmax
とするとき、 L=p 2rmax≦p d≦p なる関係を満足し、さらに、単位吸収体における多段層
のうち少なくとも1つ以上の層を構成する磁性体円柱
が、隣合う単位吸収体の磁性体円柱と機械的に接触して
いないことを特徴とする広帯域電波吸収体が提供され
る。また、本発明によれば、反射板上に、単位吸収体を
間隔pで繰り返して配置した構造を有し、該単位吸収体
が、厚みd、長さ及び幅がLのタイル状磁性体からなる
第1層と、該第1層の上に設けられた、半径r、高さh
の磁性体円柱からなる第2層とからなり、さらに、 L=p 2r<p d≦p d≦h なる関係を満足することを特徴とする広帯域電波吸収体
が提供される。また、本発明によれば、上記構成におい
て、第1層の実効透磁率が1000〜3000で、第2
層以降の層の実効透磁率が1.01〜10で、かつ、前
記磁性体板及び磁性体円柱がそれぞれ焼結フェライトで
形成されていることを特徴とする広帯域電波吸収体が提
供される。また、本発明によれば、上記構成において、
少なくとも一つ以上の層が焼結フェライト粉体と高分子
化合物との混合物で形成されていることを特徴とする広
帯域電波吸収体が提供される。また、本発明によれば、
上記構成において、電波吸収体の前面に損失誘電体を付
加してなる広帯域電波吸収体が提供される。さらに、本
発明によれば、反射板上に、単位吸収体を間隔pで繰り
返して配置した構造を有し、該単位吸収体が、厚みd、
長さL、幅tの磁性体板を十字形に交差させてなり、
かつ、それらの間に L=p ≦p d≦t なる関係を満足することを特徴とする広帯域電波吸収体
が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の広帯域電波吸収体は、反
射板上に、吸収すべき入射電波の磁界方向と電界方向に
対し、磁性体が連続している第1層と、同じく入射電波
の磁界方向と電界方向に対して、規則的に円柱による磁
性体部と円柱の無い空隙部との繰り返し構造を有する第
2層以降の層との組み合わせにより構成されている。
【0012】一般に磁性体の比透磁率μ、比誘電率ε
は μ=μr1−jμr2 ε=εr1−jεr2 (1) の複素数で表わすことができ、かつ、周波数分散特性を
持っている。ここに、μr1は比透磁率μの実数分、
μr2は虚数分を示し、εr1は比誘電率εの実数
分、εr2は虚数分を示している。
【0013】例えば、電波吸収体の構成材料としてよく
使用されるNiZn系焼結フェライトの材料自体の比透
磁率は、材質により異なり、1KHz程度の低い周波数
で、(1)式のμr1の値はμr1=10〜2500程
度の値が得られ、μr2の値もμr1が大きければ大き
いのが一般的であるが、いずれにしても、どちらの値も
周波数によって変化する。また、NiZn系焼結フェラ
イトの材料の比誘電率のうちεr1の値は材料により、
約12から15となるが、周波数に対してほぼ一定とみ
なしてよく、εr2の値は非常に小さいのが普通であ
る。
【0014】今後の説明で、単に、比透磁率、比誘電率
という表現は、それぞれ(1)式の実数部、すなわち、
μr1、εr1を表現し、特に断りがない限り、周波数
1KHzの場合の値である。また、関心のある層に、空
隙(ここでは空気)と磁性体の両方が存在する場合、そ
の層の持つ比透磁率と比誘電率は、それと電気的に等価
な均一媒質で占められている層とみなして、以後この層
の比透磁率と比誘電率を「実効比透磁率」と「実効比誘
電率」と呼ぶことにする。
【0015】この実効透磁率と実効誘電率が、磁性体と
空隙の関係により、どうなるかを調べてみたところ、空
隙を設けることにより、実効比透磁率と実効比誘電率
は、磁性体間に空隙がなく連続している場合に比べ小さ
くなるだけでなく、その周波数特性も大きく変化するこ
とを確認した。このことを図15を用いて説明する。
【0016】図15では、点線で囲まれた面積内は、半
径rのフェライト円柱と空間の共存範囲を示しており、
この共存範囲が磁界方向に2個だけ連続している場合
を、電波の進行方向からみた正面図として描いている。
この共存範囲が波長に比べ十分磁界方向に長く連続して
間隔pで配置されているものとし、その磁性体材料の比
透磁率が2500で、間隔pが20mmで、rが10.
0mmの場合(同図A)と、磁性体円柱の半径rが3.
0mmで他の条件を同じにした場合(同図B)の層の実
効比透磁率の周波数分散をそれぞれ図16に曲線(A)
と曲線(B)で示す。つまり、磁性体円柱間に隙間がな
い(s=0mm)場合とs=14mmの隙間がある場合
で、その間のsの変化に対しては、その比透磁率の周波
数分散は、図16の曲線(A)から曲線(B)の範囲で
変化することを意味している。
【0017】このように、空隙があることにより、実効
比透磁率は、μr1、μr2共にその最大値が小さくな
るだけでなく、空隙があることによって、特にμr2
値が最大になる周波数が高い方に大きく移動し、空隙が
ない場合に比べ分散特性の全く違ったものとなっている
ことが解る。本発明では、このような実効比透磁率の周
波数分散の変動と、実効比誘電率の低下を有効に利用す
る。
【0018】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、以下に述べる実施例の特性は、すべ
て、図17に示すようなトリプレート線路を用い、TE
M波による測定で評価したものである。また、各実施例
の電波吸収体の構造を示す図1、図4、図7において、
Fは焼結フェライト、Mは反射板を示す。また、図2、
図5、図8、図10は関連する実施例を構成する単位構
造に相当する「単位吸収体」を示している。従って、本
発明の電波吸収体は、この単位吸収体を互いに第1層が
接触した状態で、所要面積となるよう、反射板上に同一
平面上に並べて配置することにより構成される。また、
各図の単位吸収体において、hは吸収体の電波入射方向
に測った全体の高さ、tは第1層の磁性体の幅、Lは
単位吸収体の一辺の長さ、dは第1層の厚みであり、h
,・・・hは第2層以降の層の各磁性体円柱の高
さ、r,・・・rは第2層以降の層に配置される各
磁性体円柱の半径、pは隣合う単位吸収体の間隔、
,・・・sは第2層以降の層の隣合う単位吸収体
間の同一磁性体円柱の間隔で、各図とも共通である。
【0019】実施例1 本発明による電波吸収体の一実施例の構造を図1に示
す。図において、反射板Mに近い第1層は、磁性体板を
同一面上で十字型に交差させた形状に構成し、その上に
設けられる第2層と第3層は断面が円形の磁性体柱を2
段積み重ねることによって構成する。従って、本実施例
は全体として3層からなる多層電波吸収体で、その3層
目の磁性体円柱の半径は2層目の磁性体円柱の半径に比
べ小さく、磁性体円柱の高さは3層目の方が2層目に比
べて高くなっている。本実施例の電波吸収体を構成する
ための構造単位となる第1層、第2層、第3層を一緒に
した積層磁性体を単位吸収体として、その詳細構造を図
2に示す。なお、図2において、(a)は斜視図、
(b)は正面図、(c)は側面図である。従って、図1
の構造は、反射板M上に図2に示す単位吸収体を、第1
層の厚みの部分が、隣合う単位吸収体間で互いに接触す
る状態で所要数量配列したものである。
【0020】本実施例で使用した磁性材料Fは、すべて
の層でNiZn系焼結フェライトの同一材料であり、そ
の比透磁率は2500、比誘電率は15である。単位吸
収体間の間隔pは20mmに設定し、第1層の磁性体板
の厚みdは8.0mm、幅tは15mm、長さLは2
0mmである。第2層の磁性体円柱の高さhは10m
m、半径rは8.7mmであり、この第2層は、第1
層の上に接した状態で積層されている。また、第3層の
磁性体円柱の高さhは11mm、半径rは6mm
で、この第3層は、第2層の上に接した状態で積層され
ている。従って、隣合う単位吸収体間では、第2層の磁
性体円柱相互間ではs=2.6mmの隙間があいてお
り、第3層の磁性体円柱相互間ではs=8.0mmの
隙間があいていることになる。
【0021】本実施例の構造の場合、第1層の実効比透
磁率は約1880、実効比誘電率は約12であり、第2
層の実効比透磁率は約4.1、実効比誘電率は3.2で
あり、第3層の実効比透磁率は約1.6、実効比誘電率
は1.6である。
【0022】かく構成された本発明の電波吸収体の吸収
特性は、図1で上から、すなわち、第3層の表面から反
射板M方向に垂直入射した電磁波に対し、図3に示すよ
うに、反射減衰量20dB以上を30−6200MHz
の範囲でカバーしている。
【0023】実施例2 本発明による他の実施例の電波吸収体の構造を図4に示
す。本実施例は実施例1と同じく3層からなる電波吸収
体の例であるが、反射板Mに近い第1層を、タイル状の
フェライト磁性体にしている。第2層及び第3層は、半
径の異なる磁性体円柱で、実施例1と同じにしている。
本実施例の電波吸収体を構成するための構造単位となる
第1層、第2層及び第3層を一緒にした積層磁性体によ
る単位吸収体の詳細構造を図5に示す。なお、図5にお
いて、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は側面
図である。すなわち、図4の構造は、反射板M上に図5
に示す単位吸収体を、第1層の厚みの部分が隣り合う単
位吸収体間で互いに接触する状態で所要数量配列したも
のである。
【0024】本実施例で使用した磁性材料Fは、すべて
の層でNiZn系焼結フェライトの同一材料であり、そ
の比透磁率は2500、比誘電率は15である。第1層
のタイル状磁性体板の厚みdは6.0mm、長さLは2
0mm、幅tはタイル状であるからt=L、すなわ
ち、20mmに設定している。第2層の磁性体円柱の高
さhは9mmとし、この第2層は、第1層の上に接し
た状態で積層されている。また、第3層の磁性体円柱の
高さhは11mmで、この第3層は、第2層の上に接
した状態で積層されている。さらに、第2層の磁性体円
柱の半径rは8.6mm、第3層の磁性体円柱の半径
は6mmで、単位吸収体の間隔pは20mmに設定
している。従って、隣合う単位吸収体間では、第2層の
磁性体円柱相互間はs=2.8mmの隙間があいてお
り、第3層の磁性体円柱相互間はs=8.0mmの隙
間があいていることになる。
【0025】本実施例の構造の場合、第1層はタイル状
であるためその比透磁率は材料自体と同じ約2500、
比誘電率は約15である。また、第2層の実効比透磁率
は約3.8、実効比誘電率は3.0であり、第3層の実
効比透磁率は約1.6、実効比誘電率は1.6である。
【0026】かく構成された本発明の電波吸収体の吸収
特性は、図4で上から、すなわち、第3層の表面から反
射板M方向に垂直入射した電磁波に対し、図6に示すよ
うに、反射減衰量20dB以上を30−6600MHz
の範囲でカバーしている。
【0027】実施例3 本発明のさらに他の実施例の電波吸収体の構造を図7に
示す。本実施例は2層からなる電波吸収体の場合であ
り、第1層は磁性体板を交差させた十字型の磁性体、そ
して第2層は磁性体円柱であり、第1層の上に積み重ね
られている。第1層と第2層を構成する単位吸収体とな
る積層磁性体柱の構造を図8に示す。なお、図8におい
て、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は側面図
である。すなわち、図7の構造は、反射板M上に図8で
示される単位吸収体の積層磁性体を、第1層の厚みの部
分が隣り合う単位吸収体間で互いに接触する状態で所要
数量を同一平面上に配列したものである。
【0028】本実施例で使用した磁性材料Fは第1層も
第2層も同一のNiZn系焼結フェライトであり、その
比透磁率は2500、比透磁率は15である。単位吸収
体の間隔pは20mmに設定し、第1層の磁性体板の厚
みdは8.0mm、幅tは15mm、長さLは20m
mである。第2層目の磁性体円柱の高さhは12m
m、半径rは8.5mmである。従って、隣合う単位
吸収体間では、第2層の磁性体円柱相互間はs=3.
0mmの隙間があいていることになる。
【0029】本実施例の構造の場合、第1層の実効比透
磁率は約1880、実効比誘電率は約12であり、第2
層の実効比透磁率は約3.6、実効比誘電率は2.9で
ある。
【0030】かく構成された本発明の電波吸収体の吸収
特性は、図9に示すように、反射減衰量20dB以上を
30−2900MHzの範囲でカバーしている。
【0031】実施例4 本発明のさらに他の実施例は8層からなる電波吸収体の
例であり、第2層以降の層は、その半径がそれぞれ異な
る磁性体円柱を積層した多段層に形成され、第2層以降
の層を構成する磁性体円柱の半径は金属板Mから電波到
来方向に向かって順次階段状に小さくなっている。反射
板Mに近い第1層は、タイル状のフェライト磁性体で形
成されている。本実施例の電波吸収体を構成するための
構造単位となる第1層から第8層までを積層した積層磁
性体による単位吸収体の詳細構造を図10に示す。図1
0において、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)
は側面図である。すなわち、本実施例の電波吸収体を構
成するには、反射板M上に図10に示す単位吸収体を、
第1層の厚み部分が、隣合う単位吸収体間で互いに接触
する状態で所要数量配列すれば良い。
【0032】本実施例で使用した磁性材料Fは、これま
での他の実施例と同じく、すべての層でNiZn系焼結
フェライトの同一材料であり、その比透磁率は250
0、比誘電率は15である。第1層のタイル状磁性体板
の厚みdは6mm、長さLは20mm、幅tは20m
mである。従って、隣合う第1層間はタイル状であるた
め当然互いに接触しているが、第1層の上に接して積み
上げられた第2層から第8層までは、隣合う層の同一層
の磁性体円柱は互いに離れており、吸収体全体の高さh
が49mmである。さらに、第2層以降の磁性体円柱の
半径は、rの9.1mmから、rの3.0mmまで
順次小さくなって行き、各磁性体円柱の高さはhが7
mmから、hが3mmまで各層において実験で得られ
た好ましい値に定めている。単位吸収体の間隔pは20
mmとした。従って、隣合う単位吸収体間では、第2層
以降の同一層の磁性体円柱相互間はs=1.8mm、
第8層の磁性円柱相互間はs=14.0mmと、磁性
体円柱半径が小さくなるに従い隙間が次第に大きく開い
て行くようになっている。なお、本実施例の各部の寸法
を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】本実施例の構造の場合、第1層はタイル状
であるためその比透磁率は材料自体と同じ約2500、
比誘電率は約15である。また、第2層の実効比透磁率
は約5.3、実効比誘電率は3.8であり、第8層の実
効比透磁率は約1.1、実効比誘電率は1.1である。
なお、各層の実効比透磁率及び実効比誘電率をそれぞれ
表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】かく構成された本発明の電波吸収体の吸収
特性は、図10で上から、すなわち、第8層の表面から
反射板M方向に垂直入射した電磁波に対し、図11に示
すように、反射減衰量20dB以上を30MHz−30
GHzの範囲でカバーしている。
【0037】以上実施例1、2、3、4はいずれもその
構成材料は焼結フェライトを使用したものである。これ
らの場合、その第1層はフェライト板を十字型に交差し
た場合であれ、フェライトタイル(t=Lの場合に相
当する)の場合であれ、その実効比透磁率を1000以
上に設定している。また、第2層以降の実効比透磁率は
10以下に設定されている。このように電波吸収体を焼
結フェライトのみで構成した場合は、第2層以降の実効
比透磁率を第1層に比べ約100分の1以下にすること
により、低い周波数から動作可能な広帯域電波吸収体を
構成することができる。
【0038】実施例5 図12は本発明によるさらに他の電波吸収体の構造を側
断面で示す。本発明によれば、図に示すように、前方
(入射波方向)に、損失誘電体LDを付加して、さらに
広帯域な電波吸収体に発展させることができる。図12
において、Aの部分は実施例3に示したものと同じ電波
吸収体である。また、損失誘電体LDは、カーボン粉体
を、発泡ポリウレタンに体積1リットル当たり0.5g
の割合で一様に含浸して製作した。この損失誘電体LD
の比誘電率は約1.2である。これをAの表面から、電
波入射方向にAの表面積と同一面積で300mmの長さ
の角柱状の部材として付加した。
【0039】かく構成された本発明の電波吸収体の特性
は、図13に示すように、反射減衰量20dB以上の範
囲が、実施例3では30−2900MHzであったのに
対し、30MHz−5GHzに広がっている。
【0040】実施例6 前記各実施例においては、磁性材料として用いたもの
は、すべての層でNiZn系焼結フェライトの同一磁性
材料であったが、本発明に利用できる磁性材料はこれに
限ったものではない。例えば、フェライトの粉体をクロ
ロプレンゴムないしはポリオレフィンなどのプラスチッ
クに分散した、通称ゴムフェライトを用いても良い。
【0041】一つの例として、粒径が5−50ミクロン
のMnZn系焼結フェライトの粉体を、重量比で、クロ
ロプレンゴム1に対しフェライト粉体10の割合で分散
させた場合、比透磁率μr1が約10、比誘電率εr1
が11の磁性材料を得ることができる。このゴムフェラ
イトを実施例3、すなわち、図7、図8に示す構造にす
ることにより、マイクロ波帯用の電波吸収体に構成する
ことができる。具体的には、その単位吸収体の間隔pを
20mmに設定し、第1層の磁性体板の厚みdを5m
m、幅tを20mm、長さLを20mmに設定する。
従って第1層はタイル状になる。また、その上の第2層
目の磁性体円柱の高さhを15mm、磁性体円柱の半
径rを7.6mmに設定する。かく構成された電波吸
収体は、隣合う単位吸収体間では、第2層の磁性体円柱
相互間はs=4.8mmの隙間があいていることにな
る。この構造の場合、前記のゴムフェライトを使用し、
かつ第1層がタイル状であるため、第1層の実効比透磁
率は約10、実効比誘電率は約11である。また、第2
層の実効比透磁率は約2.25、実効比誘電率は2.1
である。
【0042】このようなゴムフェライトによる本発明の
電波吸収体の吸収特性は、図14に示すように、反射減
衰量20dB以上を1000−5300MHzの範囲で
カバーするマイクロ波帯用の広帯域な特性を示す。
【0043】また、実施例5のような多層の構成にあっ
ては、例えば、第1層と第2層は焼結フェライトで構成
し、実効比透磁率が比較的小さくて良い第2層以降の層
をこのようなゴムフェライトを用いて構成することもで
きる。
【0044】また、本発明の電波吸収体において、第1
層の磁性体板を十字型にする場合、上記図2の(b)あ
るいは図8(b)に示すような形の他、図18に示すよ
うなX型、ないしはタイル状の磁性体板の四隅を円弧状
に欠削した糸巻き型の形状に変形したものとしてもよ
い。本発明における十字型とはこのような変形形状をも
包含する。
【0045】さらに、第2層以降の層に、空隙をもたせ
る方法としては、実施例で述べたように、断面が円形の
磁性体柱が最も合理的であるが、例えば図19(a)、
(b)、(c)に2層型の場合の断面を示すように、
4、6、8角形の様な多角形を採用しても、電界方向、
磁界方向にも空隙を有するから、効果に変わりがないこ
とはその動作原理から明らかである。ただし、垂直、水
平両偏波に対し同一吸収特性を与えるためには、電界、
磁界両方向に対し同一面積の空隙を持つことが好まし
い。
【0046】
【発明の効果】以上、本発明では、2層形又はそれ以上
の多層形の構成の電波吸収体において、少なくとも第1
層は磁性体板の長さを単位吸収体の配列間隔と等しくし
て、互いに隣合う単位吸収体どうしを密着させ、それよ
り電波入射面に近い層の磁性体円柱の半径を、単位吸収
体の配列間隔の2分の1より小さくし、規則的な空隙部
と磁性体部の繰り返し構造にし、それぞれの層の実効比
誘電率と実効比透磁率を、それぞれの層を構成する磁性
体円柱の半径をコントロールすることにより、要求され
る値に設定し、その結果、全体として広帯域な多層電波
吸収体ができることを示した。
【0047】また、第1層がフェライトタイル型であっ
ても、その上に、同様の方法で、電気定数の異なる層を
積み重ねることにより広帯域な電波吸収体が得られるこ
とも示した。これは既設のフェライトタイル形の吸収体
を改善する場合にも有効である。
【0048】このように、入射面に近い層間を互いに接
触しない構造とした電波吸収体としては、抵抗膜を用い
たピラミッド型のものが従来から見られるが、周知のよ
うに抵抗膜を用いるものにあっては、その高さとして、
使用する最低周波数の略2分の1波長もの寸法を必要と
するものであった。また磁性体を用いたものにあって
は、磁性体が、電界方向にだけ不連続なものが従来例と
して存在するが、その帯域幅は小さいものであった。し
かしながら、本発明は、磁性体柱を用いるので、これら
の問題も解消し、高さが低く、従来の磁性体による電波
吸収体に比べ著しく広帯域な電波吸収体が得られる。
【0049】さらに、本発明によれば、電波吸収体の表
面から入射波方向に、損失誘電体LDを付加して、さら
に広帯域な電波吸収体にできることも示した。
【0050】また、上述の実施例では、電波吸収体を構
成するための単位吸収体を示したが、もちろん、本発明
の電波吸収体の経済的な製造に当たっては、この単位吸
収体を、多数連結したものを製作し、さらにそれを連結
して所要面積の吸収壁を構成するができる。
【0051】また、本発明の電波吸収体の構造は、各層
を同一磁性材料のフェライトを用いて構成するのが経済
的に望ましい。なぜなら、この場合、フェライト仮焼粉
の成型時に、各層を一体に同時成型が可能であり、各層
毎に種類の異なる材料を用いて製造する場合に比べ、大
幅にコストを低減できるからである。
【0052】また、フェライト磁性体はそれ自身硬いセ
ラミックであるから、抵抗膜ないしはカーボン粉体によ
る吸収体のように、抵抗体を保持するための保持材料な
いしは保持機構を必要としない。従って、電波暗室内に
おける電子機器の電磁波に対する耐電磁性試験のよう
に、壁材の吸収体に高電力が吸収される場合にあって、
吸収体が高温になり、従来見られたような熱による変
形、特性の劣化、燃えることによる火災や有害ガスの発
生等の障害もない。
【0053】さらに、本発明の電波吸収体は、空隙部を
有するから、空気と光が空隙部分に進入ないしは通過す
る特長がある。特に、第1層として磁性体板を十字型や
その変形の形にしたものを用いる場合は、光や空気が吸
収壁の表面から反射板まで通過する。従って、電波暗室
用壁材として、このような特長を持つ本発明の電波吸収
体を使用する場合、反射板として金属ネット等の通気性
を持つ材料を利用することにより、電波暗室内の空調ダ
クト口や照明器具等を反射板の背後に配置できるため、
これらを室内に取り付けた場合に起きる好ましくない乱
反射を防ぐと共に、空調や照明を有効にできる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電波吸収体の一実施例の斜視図。
【図2】図1に示す本発明の電波吸収体の単位吸収体の
構造を説明する図。
【図3】図1に示す本発明の電波吸収体の吸収特性を示
す図。
【図4】本発明の3層形電波吸収体の実施例の斜視図。
【図5】図4に示す本発明の電波吸収体の構造単位であ
る単位吸収体を示す図。
【図6】図4に示す本発明の電波吸収体の吸収特性を示
す図。
【図7】本発明の2層形電波吸収体の実施例の斜視図。
【図8】図7に示す本発明の電波吸収体の単位吸収体の
構造を説明する図。
【図9】図7に示す本発明の電波吸収体の吸収特性を示
す図。
【図10】本発明の8層形電波吸収体の実施例を構成す
る単位吸収体を示す図。
【図11】図10に示す単位吸収体で構成した本発明の
電波吸収体の吸収特性を示す図。
【図12】本発明の電波吸収体に損失誘電体を付加した
実施例の断面構造図。
【図13】図12に示す電波吸収体の吸収特性を示す
図。
【図14】磁性体材料がゴムフェライトの場合の本発明
の吸収特性例を示す図。
【図15】断面が円形のフェライト柱が磁界方向に隙間
がある場合を説明する図。
【図16】フェライト円柱の比透磁率の周波数分散の例
を示す図。
【図17】実施例の電波吸収体の吸収特性を測定するた
めのトリプレート線路の構造を示す図。
【図18】第1層の十字型磁性体からの変形例を示す
図。
【図19】断面が円形の磁性体柱からの変形例を示す
図。
【符号の説明】 A 本発明の電波吸収体 d 第1層の磁性体の厚み E 電界 F フェライト磁性体 f 周波数 H 磁界 h 電波吸収体全体の反射板からの高さ h,・・・h 第2層以降の各層の磁性体柱の高さ L 第1層の磁性体板の長さ R/L 反射減衰量(dB) M 反射板 p 単位吸収体の配置間隔、磁性体柱の配置間隔 s,・・・s 第2層以降の層の隣合う単位吸収体
間の同一磁性体円柱間の隙間 r,・・・r 第2層以降の多段磁性体円柱の各柱
の半径 t 第1層の磁性体の幅 ε 比誘電率 μ 比透磁率

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射板上に、単位吸収体を間隔pで繰り
    返して配置した構造を有し、 該単位吸収体が、厚みd、長さL、幅tmの磁性体板を
    十字形に交差させた形状の第1層と、該第1層の上に設
    けられた、半径が反射板方向から電波到来方向に向かっ
    て階段状に順次減少する磁性体円柱を積層してなる多段
    層とからなり、 かつ、前記多段層内の磁性体円柱の最大半径をrmax
    するとき、 L=p 2rmax≦p tm<p なる関係を満足し、 さらに、単位吸収体における多段層のうち少なくとも1
    つ以上の層を構成する磁性体円柱が、隣合う単位吸収体
    の磁性体円柱と機械的に接触していないことを特徴とす
    る広帯域電波吸収体。
  2. 【請求項2】 反射板上に、単位吸収体を間隔pで繰り
    返して配置した構造を有し、 該単位吸収体が、厚みd、長さL、幅tmの磁性体板を
    十字形に交差させた形状の第1層と、該第1層の上に設
    けられた、半径r、高さhの磁性体円柱からなる第2層
    とからなり、 さらに、 L=p 2r<p tm<p なる関係を満足することを特徴とする広帯域電波吸収
    体。
  3. 【請求項3】 反射板上に、単位吸収体を間隔pで繰り
    返して配置した構造を有し、 該単位吸収体が、厚みd、長さ及び幅がLのタイル状磁
    性体からなる第1層と、該第1層の上に設けられた、半
    径が反射板方向から電波到来方向に向かって階段状に順
    次減少する磁性体円柱を積層してなる多段層とからな
    り、 かつ、前記多段層内の磁性体円柱の最大半径をrmax
    するとき、 L=p 2rmax≦p d≦p なる関係を満足し、 さらに、単位吸収体における多段層のうち少なくとも1
    つ以上の層を構成する磁性体円柱が、隣合う単位吸収体
    の磁性体円柱と機械的に接触していないことを特徴とす
    る広帯域電波吸収体。
  4. 【請求項4】 反射板上に、単位吸収体を間隔pで繰り
    返して配置した構造を有し、 該単位吸収体が、厚みd、長さ及び幅がLのタイル状磁
    性体からなる第1層と、該第1層の上に設けられた、半
    径r、高さhの磁性体円柱からなる第2層とからなり、 さらに、 L=p 2r<p d≦p d≦h なる関係を満足することを特徴とする広帯域電波吸収
    体。
  5. 【請求項5】 第1層の実効透磁率が1000〜300
    0で、第2層以降の層の実効透磁率が1.01〜10
    で、かつ、前記磁性体板及び磁性体円柱がそれぞれ焼結
    フェライトで形成されていることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか一項に記載の広帯域電波吸収体。
  6. 【請求項6】 少なくとも一つ以上の層が焼結フェライ
    ト粉体と高分子化合物との混合物で形成されていること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の広帯
    域電波吸収体。
  7. 【請求項7】 電波吸収体の前面に損失誘電体を付加し
    てなる請求項1〜6のいずれか一項に記載の広帯域電波
    吸収体。
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