JPH11220283A - 導電性材料 - Google Patents

導電性材料

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JPH11220283A
JPH11220283A JP1842698A JP1842698A JPH11220283A JP H11220283 A JPH11220283 A JP H11220283A JP 1842698 A JP1842698 A JP 1842698A JP 1842698 A JP1842698 A JP 1842698A JP H11220283 A JPH11220283 A JP H11220283A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩耗耐久性に優れた信頼性の高い電磁波シー
ルド用ガスケット材料として適する導電性材料を提供す
る。 【解決手段】 合成樹脂多孔体シートの両面に有機繊維
構造シートを積層一体化してなる複合体シートを金属化
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性材料に関
し、特に電子機器より漏洩する電磁波を遮断する電磁波
シールド用ガスケット材料として適する摩耗耐久性に優
れた導電性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年パソコン、テレビゲーム、携帯電話
などのいわゆるエレクトロニクス機器が広く利用される
ようになり一般の家庭生活の中にも普及してきた。そし
てこの様な機器が工業用から一般の用途に拡大するにつ
れて、 これらの機器から漏れる電磁波が他のエレクトロ
ニクス機器に誤動作を起こさせたり、通信機器に電波障
害を起こさせるなどの問題が多発しマスコミにも大きく
取り上げられるようになってたきた。この様な社会環境
の中でエレクトロニクス工業関連分野においては該機器
から漏洩する電磁波による種々の障害を防止すべく卓越
した遮蔽効果を発揮する電磁波シールド材料が求められ
ている。一般にエレクトロニクスを利用した機器から発
生する電磁波で特に問題とされているのは機器のハウジ
ングを構成する各パーツの継ぎ目や該ハウジングに取り
付けられている開閉用扉などの隙間から漏洩する電磁波
であり、この様な漏洩する電磁波を遮蔽する目的で種々
の形態を有するガスケットが提案されている。この様な
遮蔽材料として、特開昭60−88500号に三次元網
状骨格構造を有するプラスチック発泡体の骨格表面に金
属被膜を形成し、さらに導電性ゴム及び/またはプラス
チック被膜を形成してなる電波シールド用ガスケットが
報告されている。しかし、該ガスケットを所望の大きさ
に切断、打ち抜きする時、また粘着材の付与など二次加
工する際、さらにガスケットとして導電性筐体に接着、
装着し使用する際の摩擦等により、該表面が摩耗、脱落
する等損傷し易く、性能の低下、形状の変化、また脱落
した金属粉が使用機器に悪影響を及ぼす恐れがある等信
頼性に欠けるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な現状
に鑑みてなされたものであり、従来の電磁波シールドガ
スケット材料に比較し、摩耗耐久性に優れた信頼性の高
いガスケット材料を与える、導電性材料の提供を目的と
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は合成樹脂多孔体
シートの両面に有機繊維構造シートが積層一体化されて
いると共に実質上全体が金属化されていることを特徴と
する電磁波シールド用ガスケット材料として適する導電
性材料である。本発明の導電性材料を構成する有機繊維
構造シートは少なくともその一方が伸縮性を有するもの
であることが好ましく、特に編物が好ましい。
【0005】本発明に使用する合成樹脂多孔体シートと
しては、柔軟で、好ましくはセル膜を実質上有しない、
圧縮復元性に富む、連続気泡より成る三次元構造のフォ
ームシートが好ましい。これらの特性を持つフォームの
例としては、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフ
ォーム、ポリ塩化ビニルフォーム、ポリウレタンフォー
ム、ポリイミドフォーム、ポリブタジェンフォーム等が
あり、特に好ましいのはポリウレタンフォームである。
この様なフォームは軽質、半硬質、硬質、更に気泡の密
度により種類も多いが特にフォームの内部にまで均一に
金属メッキするには気泡密度があまり高くない方がよ
い。最終用途の機能を考慮にいれ最適気泡密度を選択す
ることが望ましく、好ましいセル密度は20〜100個
/吋程度である。合成樹脂多孔体シートの厚さは、用途
などによるが通常0.5〜5mm程度である。
【0006】本発明の導電性材料はこれらの合成樹脂多
孔体シートの両面に有機繊維構造シートが積層一体化さ
れていると共に実質上全体が金属化されていることを特
徴としている。
【0007】本発明に使用する繊維構造シートとして
は、織物、編物、不織布などの繊維布帛が挙げられ、連
続加工のしやすさ、製品とした場合の取り扱いの面から
伸縮性を有するものが好ましい。伸縮性を有する繊維構
造シートとしては、編物、織物、不織布の何れでもよ
く、シートの構造、糸の性質、糸の構造のどの作用で伸
縮性が発現するものでもよい。シートの構造としては編
物が好ましく、特に伸縮性のある天竺編み、ゴム編み、
パール編み、又それらの組み合わせからなる緯編による
編地が好ましい。またストレッチ性素材を用いて繊維構
造シートを形成してもよい。ストレッチ性素材としては
ポリウレタン系、ポリエステル系の弾性糸、例えばポリ
ブチレンテレフタレート繊維等に仮撚加工法等により伸
縮性を付与した伸縮加工糸、またこれら弾性糸の加工
糸、更にストレッチ性を有するポリマーと一般ポリマー
を同時紡糸した伸縮性複合繊維等を用いることができ
る。
【0008】これらを構成する繊維としては有機繊維、
すなわち合成繊維、半合成繊維、再生繊維などの化学繊
維、及び食物繊維、動物繊維などの天然繊維を用いるこ
とができるが、特に強度の点からポリアミド繊維、ポリ
エステル繊維及びアクリル繊維などの合成繊維が好まし
い。これらの繊維構造シートに対して付与される金属の
定着を確実にするためには、予め該繊維構造シートの表
面に付着している糊剤、油剤、ゴミなどの不純物を精練
処理により完全に除去することが好ましい。
【0009】繊維構造シートと合成樹脂多孔体シートの
複合体を得る方法としては、これらシートの何れかの表
面に接着剤を塗布した後他方のシートを積層して接着さ
せる方法や、該多孔体シートの表面の一部を熱溶融させ
た後直ちに該繊維構造シートを積層して接着させる等の
方法が挙げられるが、得られる複合体を金属メッキ処理
した場合、繊維構造シートと合成樹脂多孔体シート間の
接着部分の導電性を十分確保するためには後者の熱溶融
による接着方法が好ましい。融着は合成樹脂多孔体シー
トの表面部をガスによる炎で直接溶融させた後繊維布帛
シートの表面と積層して接着させ複合体とすることによ
って行うことができる。この場合該多孔体シートの炎に
よる溶融は表面より0.3〜1mm程度であることが好
ましい。0.3mm以下では十分な接着強度が得られず
1mm以上では製造コストのアップにつながる。
【0010】本発明の導電性材料は実質上全体が金属化
されていることを要するが、ここで実質上全体が金属化
されているとは上記の複合体シートを構成する合成樹脂
多孔体シートの表面だけでなくその内部即ち気泡壁も実
質上金属化されていると共に有機繊維構造シートも表面
だけでなくその内部即ち各組織の表面も実質上金属化さ
れていることを意味すると共に合成樹脂多孔体は多孔体
としての特性を維持しまた有機繊維構造体も外部から多
孔体に連通する通気性を維持するように金属化される。
このような金属化は適宜の段階で導電性金属をメッキ処
理することによって行うことができる。より具体的に
は、通常のメッキ処理に当たって行われる触媒の付与や
活性化などの前処理を行った後、Ag、Ni、Cu、A
u、Cu+Ni等の所望の金属を無電解メッキ処理及び
/又は電気メッキ処理を施すことにより達成される。な
お付与された金属メッキ被膜の厚さは0.01〜3μm
が好ましい。
【0011】本発明の導電性材料は、最も典型的には、
上記のように合成樹脂多孔体シートの両面に繊維構造シ
ートを積層一体化して複合体シートを製造した後上記し
た金属化処理を施すことによって製造されるが、予め金
属化した合成樹脂多孔体シートの両面に予め金属化した
有機繊維構造シートを積層、接着させて製造しても良い
が、両シートを熱溶融によって接着させた後金属化する
方法がより好ましい。このようにして製造した導電性材
料は有機繊維構造シートの内部、合成樹脂多孔体シート
の内部のみならず、該シートの溶融層部分の内部も金属
メッキされて、有機繊維構造シートと合成樹脂多孔体シ
ート間の接着部分の導電性が良好となる。
【0012】
【実施例】次に実施例によって本発明を例証する。実施
例で用いた測定方法は次の通りである。 1.厚み(mm) JIS L−1096に準じて測定した。 測定器 ……… 定圧厚さ測定器 TYPE PF−1
1(ラフロック社製) 2.電気抵抗(Ω) 体積抵抗値:巾1.5cm、長さ10cmの試料片2点
を100cm2 の銅板2枚の間に挟み、50%圧縮した
ときの銅板間の抵抗値を測定する。 表面抵抗値:120mm×100mm(タテ方向、ヨコ
方向それぞれ1サンプルずつ)の試料片の両端を電極で
100mmになるように挟み、電極間の抵抗値を測定す
る。 3.シールド性(dB) 120mm×120mmサンプルを用いて、KEC法に
よってシールド性を測定した。すなわちシールドボック
スの中の送信用と受信用のアンテナの間に取り付け試料
片を設置し、受信した電界の強度を測定し、試験片の非
存在時の強度との比から減衰率(dB)を求める。
【0013】
【数1】
【0014】4.引張強度(kg/吋) 巾1吋、長さ30cmの試料片を挟み間隔10cm、引
っ張り速度30cm/分で引っ張り試験器にて測定し、
試験片が破壊された時点を終点とした。 5.摩耗性 サンプルを荷重500g、ストローク100回の条件で
学振摩耗機にて摩耗させ、サンプル中央部の摩耗状態を
評価した。 ○ ……… 中央部は完全に残っている状態 △ ……… 中央部は一部摩耗し削れている状態 × ……… 中央部材は完全に摩耗し削れている状態
【0015】〔実施例1〕ポリエステル長繊維(単糸デ
ニール2.0d)からなるスパンボンド不織布(目付け
30g/m2 、厚み240μm)を、厚み1.5mm、
セル密度45個/吋のポリエーテル系ポリウレタンフォ
ームシート(エバーライトSF:ブリヂストン社製)の
両面に熱融着して、厚み1.4mmの三層構造の複合体
シートを得た。この複合体シートを精練などの前処理に
て洗浄後、塩化パラジウム0.3g/L、塩化第一スズ
30g/L、36%塩酸300ml/Lを含む40℃水
溶液に2分間浸漬後、水洗した。続いて酸濃度0.1N
のホウ弗化水素酸に30℃で5分間浸漬後、水洗した。
次に、硫酸銅7.5g/L、37%ホルマリン30ml
/L、ロッシェル塩85g/Lからなる無電解銅メッキ
液に30℃で5分間浸漬後、水洗した。続いてスルファ
ミン酸ニッケル300g/L、ホウ酸30g/L、塩化
ニッケル15g/L、pH3.7の電気ニッケルメッキ
液に35℃、10分間、電流密度5A/dm2 で浸漬し
ニッケルを積層させ、水洗した。繊維及びフォームのセ
ル表面が均一にメッキされた厚み1.4mmの三層構造
複合体を得た。得られた複合体を上記評価法に従い評価
を行った。
【0016】〔実施例2〕ポリエステル長繊維(単糸デ
ニール2.0d)からなるスパンボンド不織布(目付け
30g/m2 、厚み240μm)を、厚み1.5mm、
セル密度45個/吋のポリエーテル系ポリウレタンフォ
ームシート(エバーライトSF:ブリヂストン社製)の
片面に熱融着した。次に、ポリエステル繊維天竺編物
(50d/24f、密度65/45、目付け54g/m
2 、厚み0.47mm)を該ポリウレタンフォームのも
う一方の面に熱融着して、厚み1.4mmの三層構造の
複合体シートを得た。この複合体シートを実施例1同様
に前処理、メッキし、繊維及びフォームのセル表面が均
一にメッキされた厚み1.4mmの三層構造複合体を得
た。得られた複合体を上記評価法に従い評価を行った。
【0017】〔実施例3〕ポリエステル長繊維(単糸デ
ニール2.0d)からなるスパンボンド不織布(目付け
30g/m2 、厚み240μm)を、厚み3.3mm、
セル密度45個/吋のポリエーテル系ポリウレタンフォ
ームシート(エバーライトSF:ブリヂストン社製)の
片面に熱融着した。次に、ポリエステル繊維天竺編物
(50d/24f、密度65/45、目付け54g/m
2 、厚み0.47mm)を該ポリウレタンフォームのも
う一方の面に熱融着して、厚み3.3mmの三層構造の
複合体シートを得た。この複合体シートを実施例1同様
に前処理、メッキし、繊維及びフォームのセル表面が均
一にメッキされた厚み3.3mmの三層構造複合体を得
た。得られた複合体を上記評価法に従い評価を行った。
【0018】〔実施例4〕ポリエステル繊維天竺編物
(50d/24f、密度65/45、目付け54g/m
2 、厚み0.47mm)を厚み1.5mm、セル密度4
5個/吋のポリエーテル系ポリウレタンフォームシート
(エバーライトSF:ブリヂストン社製)の両面に熱融
着し、厚み1.4mmの三層構造の複合体シートを得
た。この複合体シートを実施例1同様に前処理、メッキ
し、繊維及びフォームのセル表面が均一にメッキされた
厚み1.4mmの三層構造複合体を得た。得られた複合
体を上記評価法に従い評価を行った。
【0019】〔実施例5〕ポリエステル長繊維(単糸デ
ニール2.0d)からなるスパンボンド不織布(目付け
30g/m2 、厚み240μm)を、厚み1.5mm、
セル密度45個/吋のポリエーテル系ポリウレタンフォ
ームシート(エバーライトSF:ブリヂストン社製)の
片面に熱融着した。次に、ポリエステル長繊維トリコッ
ト編物(30d/12f、密度30/44、厚み250
mm)を該ポリウレタンフォームのもう一方の面に熱融
着して、厚み1.4mmの三層構造の複合体シートを得
た。この複合体シートを実施例1同様に前処理、メッキ
し、繊維及びフォームのセル表面が均一にメッキされた
厚み1.4mmの三層構造複合体を得た。得られた複合
体を上記評価法に従い評価を行った。
【0020】〔比較例1〕厚み1.5mm、セル密度4
5個/吋のポリウレタンフォームシート(エバーライト
SF:ブリヂストン社製)を十分に洗浄した後、塩化パ
ラジウム0.3g/L、塩化第一スズ30g/L、36
%塩酸300ml/Lを含む40℃の水溶液に2分間浸
漬後、水洗した。続いて、酸濃度0.1Nのホウ弗化水
素酸に30℃で5分間浸漬後、水洗した。次に、硫酸銅
7.5g/L、37%ホルマリン30ml/L、ロッシ
ェル塩85g/Lからなる無電解銅メッキ液に30℃で
5分間浸漬後、水洗した。続いてスルファミン酸ニッケ
ル300g/L、ホウ酸30g/L、塩化ニッケル15
g/L、pH3.7の電気ニッケルメッキ液に35℃、
10分間、電流密度5A/dm2 で浸漬しニッケルを積
層させ、水洗し、ウレタン表面をメッキした。得られた
厚み1.4mmの導電性材料を上記評価法に従い評価を
行った。
【0021】〔比較例2〕厚み1.5mm、セル密度4
5個/吋のポリウレタンフォームシート(エバーライト
SF:ブリヂストン社製)を十分に洗浄した後、比較例
1同様にしてウレタン表面をメッキした。メッキ後、導
電性シリコンゴム分散液に含浸し、クリアランス1.0
mmのロールに通して、余分な分散液を絞り出した。次
に、80〜100℃に保持された乾燥室中で15分間乾
燥後、150℃で5分間加熱して、導電性材料を得た。
得られた厚み1.4mmの導電性材料を上記評価法に従
い評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明の導電性材料は合成樹脂多孔体シ
ートの両面に繊維構造シートを積層したことで摩耗耐久
性に優れており、また長さ方向に対しての引っ張り強度
にも優れるため、細巾にカッティングする加工が容易で
あり、カッティング後の製品の強度も充分に保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成樹脂多孔体シートの両面に有機繊維構造シ
ートを積層一体化した複合体シートの断面図である。
【符号の説明】
1 合成樹脂多孔体シート 2 有機繊維構造シート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂多孔体シートの両面に有機繊維
    構造シートが積層一体化されていると共に実質上全体が
    金属化されていることを特徴とする導電性材料。
  2. 【請求項2】 有機繊維構造シートの少なくとも一方が
    伸縮性を有する繊維構造シートである請求項1記載の導
    電性材料。
  3. 【請求項3】 伸縮性を有する繊維構造シートが編物で
    ある成形体2記載の導電性材料。
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