JP2001002809A - 結晶性樹脂シート及びその製造方法 - Google Patents
結晶性樹脂シート及びその製造方法Info
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- JP2001002809A JP2001002809A JP11169624A JP16962499A JP2001002809A JP 2001002809 A JP2001002809 A JP 2001002809A JP 11169624 A JP11169624 A JP 11169624A JP 16962499 A JP16962499 A JP 16962499A JP 2001002809 A JP2001002809 A JP 2001002809A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 優れた滑り性と機械的物性を有し、且つ、軽
量で製膜性も良好な結晶性樹脂シート及びその製造方法
を提供することを課題とする。 【解決手段】 粘度平均分子量が100万以上である超
高分子量の結晶性樹脂が製膜されて成る結晶性樹脂シー
トであって、該結晶性樹脂シートは、表面及び内部に気
孔率が5〜30体積%となる微多孔構造を有し、且つ、
表面の静摩擦係数が0.15以下であることを特徴とす
る結晶性樹脂シート、及び、結晶性樹脂100重量部に
対し、常温常圧下で気体状のガス3〜50重量部を高温
高圧下で収着させた後、該ガス収着結晶性樹脂を金型内
で膜状に賦形し、次いで、降温時の結晶化ピーク温度よ
り20〜50℃高い温度で圧力の開放を行うことを特徴
とする結晶性樹脂シートの製造方法、並びに、上記製造
方法で得られた結晶性樹脂シートを少なくとも一方向に
延伸することを特徴とする結晶性樹脂シートの製造方
法。
量で製膜性も良好な結晶性樹脂シート及びその製造方法
を提供することを課題とする。 【解決手段】 粘度平均分子量が100万以上である超
高分子量の結晶性樹脂が製膜されて成る結晶性樹脂シー
トであって、該結晶性樹脂シートは、表面及び内部に気
孔率が5〜30体積%となる微多孔構造を有し、且つ、
表面の静摩擦係数が0.15以下であることを特徴とす
る結晶性樹脂シート、及び、結晶性樹脂100重量部に
対し、常温常圧下で気体状のガス3〜50重量部を高温
高圧下で収着させた後、該ガス収着結晶性樹脂を金型内
で膜状に賦形し、次いで、降温時の結晶化ピーク温度よ
り20〜50℃高い温度で圧力の開放を行うことを特徴
とする結晶性樹脂シートの製造方法、並びに、上記製造
方法で得られた結晶性樹脂シートを少なくとも一方向に
延伸することを特徴とする結晶性樹脂シートの製造方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に滑り性に優れ
る結晶性樹脂シート及びその製造方法に関する。
る結晶性樹脂シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粘度平均分子量が100万以上の超高分
子量の例えばポリエチレンのような結晶性樹脂から成る
結晶性樹脂シートもしくは結晶性樹脂フィルム(以下、
単に「結晶性樹脂シート」と記す)は従来公知であり、
このような結晶性樹脂シートは、超高分子量の結晶性樹
脂を用いているので、優れた滑り性や機械的物性を発揮
する。
子量の例えばポリエチレンのような結晶性樹脂から成る
結晶性樹脂シートもしくは結晶性樹脂フィルム(以下、
単に「結晶性樹脂シート」と記す)は従来公知であり、
このような結晶性樹脂シートは、超高分子量の結晶性樹
脂を用いているので、優れた滑り性や機械的物性を発揮
する。
【0003】このような結晶性樹脂シートとして、例え
ば、特開平6−91747号公報では、「帯電防止剤、
柔軟化剤、滑剤、隠蔽剤の少なくとも1種を含有する超
高分子量ポリエチレンから成り、且つ、特定の厚み及び
特定の表面粗さを有する超高分子量ポリエチレン製スリ
ップシート及びその製造方法」が開示されている。
ば、特開平6−91747号公報では、「帯電防止剤、
柔軟化剤、滑剤、隠蔽剤の少なくとも1種を含有する超
高分子量ポリエチレンから成り、且つ、特定の厚み及び
特定の表面粗さを有する超高分子量ポリエチレン製スリ
ップシート及びその製造方法」が開示されている。
【0004】しかし、上記開示にある結晶性樹脂シート
は、超高分子量ポリエチレンに対し帯電防止剤等の低分
子量の添加剤が添加されているので、超高分子量の結晶
性樹脂が本来有する例えば優れた引張強度のような優れ
た機械的物性が低下するという問題点がある。又、その
製造にあたっては、超高分子量ポリエチレンと帯電防止
剤等の添加剤とを不活性ガス雰囲気下で予め混合した
後、即ち、原料をバッチ方式で予め混合した後、押出成
形し、延伸する工程を経るため、生産性が十分に上がら
ないという問題点もある。
は、超高分子量ポリエチレンに対し帯電防止剤等の低分
子量の添加剤が添加されているので、超高分子量の結晶
性樹脂が本来有する例えば優れた引張強度のような優れ
た機械的物性が低下するという問題点がある。又、その
製造にあたっては、超高分子量ポリエチレンと帯電防止
剤等の添加剤とを不活性ガス雰囲気下で予め混合した
後、即ち、原料をバッチ方式で予め混合した後、押出成
形し、延伸する工程を経るため、生産性が十分に上がら
ないという問題点もある。
【0005】又、超高分子量の結晶性樹脂は溶融粘度が
高いので、膜厚の薄いシートを得ようとすると、製膜時
に破れが生じ易く、製膜が困難であるという一般的な問
題点もある。
高いので、膜厚の薄いシートを得ようとすると、製膜時
に破れが生じ易く、製膜が困難であるという一般的な問
題点もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、優れた滑り性と機械的物性を有
し、且つ、軽量で製膜性も良好な結晶性樹脂シート及び
その製造方法を提供することを課題とする。
問題点を解決するため、優れた滑り性と機械的物性を有
し、且つ、軽量で製膜性も良好な結晶性樹脂シート及び
その製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
(以下、「第1発明」と記す)による結晶性樹脂シート
は、粘度平均分子量が100万以上である超高分子量の
結晶性樹脂が製膜されて成る結晶性樹脂シートであっ
て、該結晶性樹脂シートは、表面及び内部に気孔率が5
〜30体積%となる微多孔構造を有し、且つ、表面の静
摩擦係数が0.15以下であることを特徴とする。
(以下、「第1発明」と記す)による結晶性樹脂シート
は、粘度平均分子量が100万以上である超高分子量の
結晶性樹脂が製膜されて成る結晶性樹脂シートであっ
て、該結晶性樹脂シートは、表面及び内部に気孔率が5
〜30体積%となる微多孔構造を有し、且つ、表面の静
摩擦係数が0.15以下であることを特徴とする。
【0008】又、請求項2に記載の発明(以下、「第2
発明」と記す)による結晶性樹脂シートの製造方法は、
結晶性樹脂100重量部に対し、常温常圧下で気体状の
ガス3〜50重量部を高温高圧下で収着させた後、該ガ
ス収着結晶性樹脂を金型内で膜状に賦形し、次いで、降
温時の結晶化ピーク温度より20〜50℃高い温度で圧
力の開放を行うことを特徴とする。
発明」と記す)による結晶性樹脂シートの製造方法は、
結晶性樹脂100重量部に対し、常温常圧下で気体状の
ガス3〜50重量部を高温高圧下で収着させた後、該ガ
ス収着結晶性樹脂を金型内で膜状に賦形し、次いで、降
温時の結晶化ピーク温度より20〜50℃高い温度で圧
力の開放を行うことを特徴とする。
【0009】さらに、請求項3に記載の発明(以下、
「第3発明」と記す)による結晶性樹脂シートの製造方
法は、上記第2発明による製造方法で得られた結晶性樹
脂シートを少なくとも一方向に延伸することを特徴とす
る。
「第3発明」と記す)による結晶性樹脂シートの製造方
法は、上記第2発明による製造方法で得られた結晶性樹
脂シートを少なくとも一方向に延伸することを特徴とす
る。
【0010】第1発明〜第3発明で用いられる結晶性樹
脂としては、結晶構造を有する樹脂であれば如何なる樹
脂であっても良く、特に限定されるものではないが、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン樹脂、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド6
6、ポリアミドMXD等のポリアミド樹脂、ポリテトラ
フルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、液晶ポリエス
テル等のポリエステル樹脂、ポリオキシメチレン、ポリ
フェニレンスルフィド等が挙げられ、好適に用いられ
る。
脂としては、結晶構造を有する樹脂であれば如何なる樹
脂であっても良く、特に限定されるものではないが、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン樹脂、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド6
6、ポリアミドMXD等のポリアミド樹脂、ポリテトラ
フルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、液晶ポリエス
テル等のポリエステル樹脂、ポリオキシメチレン、ポリ
フェニレンスルフィド等が挙げられ、好適に用いられ
る。
【0011】上記結晶性樹脂は、単独で用いられても良
いし、2種類以上が併用されても良い。
いし、2種類以上が併用されても良い。
【0012】第1発明においては、上記結晶性樹脂は粘
度平均分子量が100万以上の超高分子量樹脂であるこ
とが必要である。
度平均分子量が100万以上の超高分子量樹脂であるこ
とが必要である。
【0013】第1発明において、上記結晶性樹脂の粘度
平均分子量が100万未満であると、得られる樹脂シー
トの滑り性や機械的物性、耐摩耗性、耐久性等が不十分
となることがある。
平均分子量が100万未満であると、得られる樹脂シー
トの滑り性や機械的物性、耐摩耗性、耐久性等が不十分
となることがある。
【0014】又、第2発明及び第3発明においては、第
1発明の場合と同様の理由により、上記結晶性樹脂は粘
度平均分子量が100万以上の超高分子量樹脂であるこ
とが好ましい。
1発明の場合と同様の理由により、上記結晶性樹脂は粘
度平均分子量が100万以上の超高分子量樹脂であるこ
とが好ましい。
【0015】第1発明〜第3発明で用いられる結晶性樹
脂中には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に
応じて、上記結晶性樹脂以外の合成樹脂、天然樹脂、充
填剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、滑剤、帯電防止
剤、艶消し剤、隠蔽剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、顔料、染料
等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加されてい
ても良い。
脂中には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に
応じて、上記結晶性樹脂以外の合成樹脂、天然樹脂、充
填剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、滑剤、帯電防止
剤、艶消し剤、隠蔽剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、顔料、染料
等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加されてい
ても良い。
【0016】第1発明による樹脂シートは上記結晶性樹
脂が製膜されて成り、その表面及び内部に微多孔構造を
有し、且つ、その気孔率が5〜30体積%であることが
必要である。
脂が製膜されて成り、その表面及び内部に微多孔構造を
有し、且つ、その気孔率が5〜30体積%であることが
必要である。
【0017】樹脂シートの表面及び内部に、特に表面に
微多孔構造を付与することにより、樹脂シート表面の静
摩擦係数を低く抑えることが可能となり、従って樹脂シ
ートは優れた滑り性を発揮する。
微多孔構造を付与することにより、樹脂シート表面の静
摩擦係数を低く抑えることが可能となり、従って樹脂シ
ートは優れた滑り性を発揮する。
【0018】樹脂シート表面に付与される微多孔の形状
は、特に限定されるものではなく、溝状、孔状、点状、
等方状、異方状等のいずれの形状であっても良く、微多
孔の分布も、特に限定されるものではなく、規則的であ
っても良いし、不規則的であっても良い。
は、特に限定されるものではなく、溝状、孔状、点状、
等方状、異方状等のいずれの形状であっても良く、微多
孔の分布も、特に限定されるものではなく、規則的であ
っても良いし、不規則的であっても良い。
【0019】又、微多孔の深さは、特に限定されるもの
ではないが、1〜100μmであることが好ましく、よ
り好ましくは1〜50μmである。
ではないが、1〜100μmであることが好ましく、よ
り好ましくは1〜50μmである。
【0020】微多孔の深さが1μm未満であると、樹脂
シート表面の静摩擦係数が十分に低くならず、従って滑
り性が不十分となることがあり、逆に微多孔の深さが1
00μmを超えると、樹脂シートの外観や触感が悪くな
ることがある。
シート表面の静摩擦係数が十分に低くならず、従って滑
り性が不十分となることがあり、逆に微多孔の深さが1
00μmを超えると、樹脂シートの外観や触感が悪くな
ることがある。
【0021】さらに、微多孔の凹部や凸部のような各部
分の巾も、特に限定されるものではないが、上記と同様
の理由により、1〜100μmであることが好ましく、
より好ましくは1〜50μmである。
分の巾も、特に限定されるものではないが、上記と同様
の理由により、1〜100μmであることが好ましく、
より好ましくは1〜50μmである。
【0022】上記結晶性樹脂シート表面に形成された微
多孔構造が接触物体との接触面積を減少させるため、表
面の摩擦係数が低減され、滑り性に優れる結晶性樹脂シ
ートとなる。
多孔構造が接触物体との接触面積を減少させるため、表
面の摩擦係数が低減され、滑り性に優れる結晶性樹脂シ
ートとなる。
【0023】又、上記微多孔構造は結晶性樹脂シート表
面に機械的に付与されたものではないので、表面の凹凸
の角は丸みを帯びており、表面の摩擦係数がより低減さ
れ、滑り性により優れる結晶性樹脂シートとなる。
面に機械的に付与されたものではないので、表面の凹凸
の角は丸みを帯びており、表面の摩擦係数がより低減さ
れ、滑り性により優れる結晶性樹脂シートとなる。
【0024】第1発明において、表面及び内部に微多孔
構造を有する上記樹脂シートの気孔率が5体積%未満で
あると、滑り性が十分に向上しなかったり、柔軟性や軽
量性が不十分となることがあり、逆に上記気孔率が30
重量%を超えると、例えば引張強度のような機械的物性
が不十分となることがある。
構造を有する上記樹脂シートの気孔率が5体積%未満で
あると、滑り性が十分に向上しなかったり、柔軟性や軽
量性が不十分となることがあり、逆に上記気孔率が30
重量%を超えると、例えば引張強度のような機械的物性
が不十分となることがある。
【0025】第1発明による樹脂シートは、その表面の
静摩擦係数が0.15以下であることが必要であり、好
ましくは0.12未満である。
静摩擦係数が0.15以下であることが必要であり、好
ましくは0.12未満である。
【0026】上記静摩擦係数とは、JIS K−712
5「プラスチックフィルム及びシートの摩擦係数試験方
法」に準拠して、滑り片の荷重を1000gとし、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルムを摩擦の相
手材料として測定した静摩擦係数である。
5「プラスチックフィルム及びシートの摩擦係数試験方
法」に準拠して、滑り片の荷重を1000gとし、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルムを摩擦の相
手材料として測定した静摩擦係数である。
【0027】第1発明において、樹脂シート表面の上記
静摩擦係数が0.15を超えると、滑り性が不十分とな
ることがある。
静摩擦係数が0.15を超えると、滑り性が不十分とな
ることがある。
【0028】又、第1発明による結晶性樹脂シートの膜
厚は、特に限定されるものではないが、10〜5000
μmであることが好ましく、より好ましくは10〜10
00μmである。
厚は、特に限定されるものではないが、10〜5000
μmであることが好ましく、より好ましくは10〜10
00μmである。
【0029】上記結晶性樹脂シートの膜厚が10μm未
満であると、機械的物性が不十分となることがあり、
又、製膜性や生産性も低下することがある。逆に結晶性
樹脂シートの膜厚が5000μmを超えると、柔軟性や
軽量性が不十分となることがある。
満であると、機械的物性が不十分となることがあり、
又、製膜性や生産性も低下することがある。逆に結晶性
樹脂シートの膜厚が5000μmを超えると、柔軟性や
軽量性が不十分となることがある。
【0030】次に、第2発明による結晶性樹脂シートの
製造方法は、前記結晶性樹脂100重量部に対し、常温
常圧下で気体状のガス3〜50重量部を高温高圧下で収
着させた後、該ガス収着結晶性樹脂を金型内で膜状に賦
形し、次いで、降温時の結晶化ピーク温度より20〜5
0℃高い温度で圧力の開放を行うことを特徴とする。
製造方法は、前記結晶性樹脂100重量部に対し、常温
常圧下で気体状のガス3〜50重量部を高温高圧下で収
着させた後、該ガス収着結晶性樹脂を金型内で膜状に賦
形し、次いで、降温時の結晶化ピーク温度より20〜5
0℃高い温度で圧力の開放を行うことを特徴とする。
【0031】第2発明で用いられる常温常圧下で気体状
のガス(以下、単に「ガス」と記す)は、常温常圧下で
気体状態となり得る有機物質もしくは無機物質であっ
て、前記結晶性樹脂に対する高温高圧下での収着性が良
好で、結晶性樹脂を劣化させないものであれば如何なる
物質であっても良く、特に限定されるものではない。上
記ガスは常温常圧下で気体状態であるため、使用後は結
晶性樹脂から容易に除去することが出来る。
のガス(以下、単に「ガス」と記す)は、常温常圧下で
気体状態となり得る有機物質もしくは無機物質であっ
て、前記結晶性樹脂に対する高温高圧下での収着性が良
好で、結晶性樹脂を劣化させないものであれば如何なる
物質であっても良く、特に限定されるものではない。上
記ガスは常温常圧下で気体状態であるため、使用後は結
晶性樹脂から容易に除去することが出来る。
【0032】上記ガスのなかでも火災や爆発等の危険性
が無く、環境や人体に対し影響を及ぼすことが少なく、
且つ、回収が不要なガスが好適に用いられる。
が無く、環境や人体に対し影響を及ぼすことが少なく、
且つ、回収が不要なガスが好適に用いられる。
【0033】上記ガスの具体例としては、特に限定され
るものではないが、例えば、二酸化炭素、窒素、アルゴ
ン、ネオン、ヘリウム、酸素等の無機ガスや、フロンガ
ス、低分子量の炭化水素等の有機ガス等が挙げられ、好
適に用いられるが、なかでも結晶性樹脂に対する溶解度
が高く、且つ、火災や爆発等の危険性が無く安全な二酸
化炭素がより好適に用いられる。
るものではないが、例えば、二酸化炭素、窒素、アルゴ
ン、ネオン、ヘリウム、酸素等の無機ガスや、フロンガ
ス、低分子量の炭化水素等の有機ガス等が挙げられ、好
適に用いられるが、なかでも結晶性樹脂に対する溶解度
が高く、且つ、火災や爆発等の危険性が無く安全な二酸
化炭素がより好適に用いられる。
【0034】上記ガスは、単独で用いられても良いし、
2種類以上が併用されても良い。
2種類以上が併用されても良い。
【0035】結晶性樹脂に上記ガスを収着させる方法や
装置は、特に限定されるものではないが、例えば、ライ
ン式の連続混練機内にガスを導入して収着させる方法
が、生産性や得られる結晶性樹脂シートの品質安定性の
点からより好ましい。上記ライン式の連続混練機として
は、特に限定されるものではないが、例えば、1軸もし
くは2軸以上の押出機が生産効率を考慮すると最も好ま
しく用いられる。
装置は、特に限定されるものではないが、例えば、ライ
ン式の連続混練機内にガスを導入して収着させる方法
が、生産性や得られる結晶性樹脂シートの品質安定性の
点からより好ましい。上記ライン式の連続混練機として
は、特に限定されるものではないが、例えば、1軸もし
くは2軸以上の押出機が生産効率を考慮すると最も好ま
しく用いられる。
【0036】ガスの供給は、ガスボンベから直接供給し
ても良いし、加圧ポンプ等を用いて、より高圧にした状
態で供給しても良い。又、結晶性樹脂にガスを収着させ
る容器や機器等は、ガスが大気中に漏洩するのを抑制す
るために、シールされた状態で密閉されていることが好
ましい。
ても良いし、加圧ポンプ等を用いて、より高圧にした状
態で供給しても良い。又、結晶性樹脂にガスを収着させ
る容器や機器等は、ガスが大気中に漏洩するのを抑制す
るために、シールされた状態で密閉されていることが好
ましい。
【0037】第2発明の製造方法においては、前記結晶
性樹脂100重量部に対し、上記ガス3〜50重量部を
高温高圧下で収着させることが必要であり、好ましくは
5〜20重量部である。
性樹脂100重量部に対し、上記ガス3〜50重量部を
高温高圧下で収着させることが必要であり、好ましくは
5〜20重量部である。
【0038】結晶性樹脂100重量部に対するガスの収
着量が3重量部未満であると、得られる結晶性樹脂シー
トの気孔率が低くなり過ぎて、優れた滑り性を得られな
いことがあり、逆に結晶性樹脂100重量部に対するガ
スの収着量が50重量部を超えると、得られる結晶性樹
脂シートの気孔率が高くなり過ぎたり、粗大な気孔とな
って、機械的物性が不十分となることがあり、又、設備
も大がかりとなる。
着量が3重量部未満であると、得られる結晶性樹脂シー
トの気孔率が低くなり過ぎて、優れた滑り性を得られな
いことがあり、逆に結晶性樹脂100重量部に対するガ
スの収着量が50重量部を超えると、得られる結晶性樹
脂シートの気孔率が高くなり過ぎたり、粗大な気孔とな
って、機械的物性が不十分となることがあり、又、設備
も大がかりとなる。
【0039】第2発明の製造方法においては、結晶性樹
脂に対するガスの収着は、高温高圧下で行われる必要が
ある。
脂に対するガスの収着は、高温高圧下で行われる必要が
ある。
【0040】ガス収着時の温度は、結晶性樹脂の溶融粘
度を低下させてガスの収着をより容易にし得る程度の高
温であることが好ましく、より好ましくは結晶性樹脂の
融点以上の温度である。但し、結晶性樹脂中に非結晶性
樹脂が添加されている場合には、非結晶性樹脂の熱分解
温度以下の温度とすることが好ましい。
度を低下させてガスの収着をより容易にし得る程度の高
温であることが好ましく、より好ましくは結晶性樹脂の
融点以上の温度である。但し、結晶性樹脂中に非結晶性
樹脂が添加されている場合には、非結晶性樹脂の熱分解
温度以下の温度とすることが好ましい。
【0041】導入するガスの圧力は、ガスを収着させる
容器や機器内における結晶性樹脂の圧力より大きいこと
が好ましく、より好ましくはガスの圧力が結晶性樹脂の
圧力の2〜50倍である。
容器や機器内における結晶性樹脂の圧力より大きいこと
が好ましく、より好ましくはガスの圧力が結晶性樹脂の
圧力の2〜50倍である。
【0042】又、上記ガス収着時の圧力は、(ガスの臨
界圧力−3MPa)〜(ガスの臨界圧力+100MP
a)であることが好ましく、より好ましくは(ガスの臨
界圧力+3MPa)〜(ガスの臨界圧力+50MPa)
である。ガス収着時の圧力をこのような範囲に設定する
ことにより、所定の特性を備えた結晶性樹脂シートを得
ることが出来る。
界圧力−3MPa)〜(ガスの臨界圧力+100MP
a)であることが好ましく、より好ましくは(ガスの臨
界圧力+3MPa)〜(ガスの臨界圧力+50MPa)
である。ガス収着時の圧力をこのような範囲に設定する
ことにより、所定の特性を備えた結晶性樹脂シートを得
ることが出来る。
【0043】ガス収着時の圧力が(ガスの臨界圧力−3
MPa)未満であると、結晶性樹脂に対するガスの収着
量が少なくなって、得られる結晶性樹脂シートの気孔率
が低くなり過ぎて、優れた滑り性を得られないことがあ
り、逆にガス収着時の圧力が(ガスの臨界圧力+100
MPa)を超えると、圧力が高過ぎて、設備が大がかり
になるので好ましくない。
MPa)未満であると、結晶性樹脂に対するガスの収着
量が少なくなって、得られる結晶性樹脂シートの気孔率
が低くなり過ぎて、優れた滑り性を得られないことがあ
り、逆にガス収着時の圧力が(ガスの臨界圧力+100
MPa)を超えると、圧力が高過ぎて、設備が大がかり
になるので好ましくない。
【0044】さらに、結晶性樹脂に対しガスをより均一
に収着させるためには、上記ガス収着時のガスは超臨界
状態にあることが好ましい。ここで言う超臨界状態と
は、臨界温度以上及び臨界圧力以上の状態にあることを
意味し、例えば、ガスが二酸化炭素の場合、臨界温度は
30.9℃、臨界圧力は7.4MPaであり、又、ガス
が窒素の場合、臨界温度は−146.9℃、臨界圧力は
3.4MPaである。
に収着させるためには、上記ガス収着時のガスは超臨界
状態にあることが好ましい。ここで言う超臨界状態と
は、臨界温度以上及び臨界圧力以上の状態にあることを
意味し、例えば、ガスが二酸化炭素の場合、臨界温度は
30.9℃、臨界圧力は7.4MPaであり、又、ガス
が窒素の場合、臨界温度は−146.9℃、臨界圧力は
3.4MPaである。
【0045】第2発明の製造方法においては、このよう
にして得られたガス収着結晶性樹脂を金型内で膜状に賦
形することが必要である。
にして得られたガス収着結晶性樹脂を金型内で膜状に賦
形することが必要である。
【0046】金型の形状としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、シート状に賦形するためのTダ
イ、又、押出機内でスクリューにより結晶性樹脂へガス
を収着させる場合には、スクリューに円錐状のマンドレ
ルを装着した円筒状にシート賦形するための金型等が挙
げられ、いずれも好適に用いられる。尚、円筒状にシー
ト賦形された場合は、必要に応じて、切り開く等の後処
理を行うことによりシート状とすれば良い。
ではないが、例えば、シート状に賦形するためのTダ
イ、又、押出機内でスクリューにより結晶性樹脂へガス
を収着させる場合には、スクリューに円錐状のマンドレ
ルを装着した円筒状にシート賦形するための金型等が挙
げられ、いずれも好適に用いられる。尚、円筒状にシー
ト賦形された場合は、必要に応じて、切り開く等の後処
理を行うことによりシート状とすれば良い。
【0047】第2発明において、結晶性樹脂シートの膜
厚は、特に限定されるものではないが、安定的に製膜出
来ることから10〜5000μmであることが好まし
い。
厚は、特に限定されるものではないが、安定的に製膜出
来ることから10〜5000μmであることが好まし
い。
【0048】第2発明の製造方法によれば、結晶性樹脂
100重量部に対しガス3〜50重量部が収着されてい
るので、結晶性樹脂は可塑化されている。従って、製膜
時の賦形性が向上しており、膜厚の厚いシートは勿論の
こと、膜厚の薄いシートも容易に得ることが出来る。
100重量部に対しガス3〜50重量部が収着されてい
るので、結晶性樹脂は可塑化されている。従って、製膜
時の賦形性が向上しており、膜厚の厚いシートは勿論の
こと、膜厚の薄いシートも容易に得ることが出来る。
【0049】第2発明の製造方法においては、上記の如
くガス収着結晶性樹脂を金型内で膜状に賦形した後、降
温時の結晶化ピーク温度より20〜50℃高い温度で圧
力の開放を行う。
くガス収着結晶性樹脂を金型内で膜状に賦形した後、降
温時の結晶化ピーク温度より20〜50℃高い温度で圧
力の開放を行う。
【0050】このような条件下で圧力の開放を行うこと
により、表面及び内部に適正な気孔率の微多孔構造を有
する結晶性樹脂シートを得ることが出来る。
により、表面及び内部に適正な気孔率の微多孔構造を有
する結晶性樹脂シートを得ることが出来る。
【0051】上記圧力の開放は、前記金型から結晶性樹
脂を常圧下に開放することによって実施される。
脂を常圧下に開放することによって実施される。
【0052】第2発明においては、上記圧力の開放を降
温時の結晶化ピーク温度より20〜50℃高い温度で行
うことが必要であり、好ましくは降温時の結晶化ピーク
温度より30〜50℃高い温度である。尚、ここで言う
温度とは、金型から押し出された時点での結晶性樹脂の
表面温度を意味する。
温時の結晶化ピーク温度より20〜50℃高い温度で行
うことが必要であり、好ましくは降温時の結晶化ピーク
温度より30〜50℃高い温度である。尚、ここで言う
温度とは、金型から押し出された時点での結晶性樹脂の
表面温度を意味する。
【0053】又、ここで言う上記降温時の結晶化ピーク
温度とは、示差熱走査型熱量計により常圧下で測定した
結晶性樹脂の結晶化のピーク温度を意味する。
温度とは、示差熱走査型熱量計により常圧下で測定した
結晶性樹脂の結晶化のピーク温度を意味する。
【0054】圧力の開放を降温時の結晶化ピーク温度よ
り20℃未満の高さの温度で行うと、結晶性樹脂の溶融
粘度が高過ぎるため、ガスが結晶性樹脂を十分に押し広
げることが出来ず、例えば、粗大な独立気泡の発泡体と
なったり、或いは、殆ど発泡しないシートとなり、適正
な気孔率の微多孔構造を有する結晶性樹脂シートを得る
のが困難となることがある。
り20℃未満の高さの温度で行うと、結晶性樹脂の溶融
粘度が高過ぎるため、ガスが結晶性樹脂を十分に押し広
げることが出来ず、例えば、粗大な独立気泡の発泡体と
なったり、或いは、殆ど発泡しないシートとなり、適正
な気孔率の微多孔構造を有する結晶性樹脂シートを得る
のが困難となることがある。
【0055】逆に、圧力の開放を降温時の結晶化ピーク
温度より50℃を超える高さの温度で行うと、結晶性樹
脂の溶融粘度が低過ぎるため、適正な気孔率の微多孔構
造とならなかったり、金型内の圧力により、結晶性樹脂
やガスが噴出する可能性が生じることがある。
温度より50℃を超える高さの温度で行うと、結晶性樹
脂の溶融粘度が低過ぎるため、適正な気孔率の微多孔構
造とならなかったり、金型内の圧力により、結晶性樹脂
やガスが噴出する可能性が生じることがある。
【0056】第2発明においては、圧力開放時の結晶性
樹脂の表面温度が上記温度範囲内にあれば良く、金型の
温度や外気温は、特に限定されるものではなく、任意の
温度であって良い。
樹脂の表面温度が上記温度範囲内にあれば良く、金型の
温度や外気温は、特に限定されるものではなく、任意の
温度であって良い。
【0057】第2発明の製造方法によれば、上記温度範
囲内で圧力を開放するので、結晶性樹脂に収着されてい
るガスが流動し、結晶性樹脂を押し広げながら空気中に
抜け出る。従って、表面及び内部にガスの流路となった
微多孔構造が形成された結晶性樹脂シートを容易に得る
ことが出来る。
囲内で圧力を開放するので、結晶性樹脂に収着されてい
るガスが流動し、結晶性樹脂を押し広げながら空気中に
抜け出る。従って、表面及び内部にガスの流路となった
微多孔構造が形成された結晶性樹脂シートを容易に得る
ことが出来る。
【0058】上記結晶性樹脂シート表面に形成された微
多孔構造が接触物体との接触面積を減少させるため、表
面の摩擦係数が低減され、滑り性に優れる結晶性樹脂シ
ートとなる。
多孔構造が接触物体との接触面積を減少させるため、表
面の摩擦係数が低減され、滑り性に優れる結晶性樹脂シ
ートとなる。
【0059】又、上記微多孔構造は結晶性樹脂シート表
面に機械的に付与されたものではないので、表面の凹凸
の角は丸みを帯びており、表面の摩擦係数がより低減さ
れ、滑り性により優れる結晶性樹脂シートとなる。
面に機械的に付与されたものではないので、表面の凹凸
の角は丸みを帯びており、表面の摩擦係数がより低減さ
れ、滑り性により優れる結晶性樹脂シートとなる。
【0060】従って、第2発明の製造方法による結晶性
樹脂シートは、滑剤のような摩擦低減剤を添加すること
なく、優れた滑り性を発揮するが、勿論、滑剤のような
摩擦低減剤を添加すれば、その滑り性は一段と向上す
る。又、上記結晶性樹脂シートは、表面及び内部に微多
孔構造が形成されているので、容易に延伸することが出
来る。
樹脂シートは、滑剤のような摩擦低減剤を添加すること
なく、優れた滑り性を発揮するが、勿論、滑剤のような
摩擦低減剤を添加すれば、その滑り性は一段と向上す
る。又、上記結晶性樹脂シートは、表面及び内部に微多
孔構造が形成されているので、容易に延伸することが出
来る。
【0061】次に、第3発明による結晶性樹脂シートの
製造方法は、上述した第2発明の製造方法で得られた結
晶性樹脂シートを少なくとも一方向に延伸することが必
要である。
製造方法は、上述した第2発明の製造方法で得られた結
晶性樹脂シートを少なくとも一方向に延伸することが必
要である。
【0062】第2発明で得られた結晶性樹脂シートに上
記延伸を施すことにより、結晶性樹脂シートの機械的物
性が一段と向上する。
記延伸を施すことにより、結晶性樹脂シートの機械的物
性が一段と向上する。
【0063】上記延伸の方法は、特に限定されるもので
はなく、例えば、ロール延伸法、テンター延伸法等によ
り、1軸もしくは2軸以上の複数軸に延伸すれば良い。
又、延伸は乾式で行っても良いし、湿式で行っても良
い。
はなく、例えば、ロール延伸法、テンター延伸法等によ
り、1軸もしくは2軸以上の複数軸に延伸すれば良い。
又、延伸は乾式で行っても良いし、湿式で行っても良
い。
【0064】この場合、延伸温度は結晶性樹脂の融点以
下の温度であることが好ましい。結晶性樹脂の融点以上
の温度で延伸を行うと、結晶性樹脂シートの表面及び内
部に形成された微多孔構造が損なわれて、滑り性や外
観、触感等が低下することがあり、又、延伸時に結晶性
樹脂シートが破断し易くなることがある。但し、極端に
低い温度で延伸を行うと、所望の延伸倍率を得られない
ことがあるので、結晶性樹脂の融点以下の適正な温度で
延伸を行うことが好ましい。尚、ここで言う上記結晶性
樹脂の融点とは、示差熱走査型熱量計により常圧下で測
定した結晶性樹脂の溶融時のピーク温度を意味する。
下の温度であることが好ましい。結晶性樹脂の融点以上
の温度で延伸を行うと、結晶性樹脂シートの表面及び内
部に形成された微多孔構造が損なわれて、滑り性や外
観、触感等が低下することがあり、又、延伸時に結晶性
樹脂シートが破断し易くなることがある。但し、極端に
低い温度で延伸を行うと、所望の延伸倍率を得られない
ことがあるので、結晶性樹脂の融点以下の適正な温度で
延伸を行うことが好ましい。尚、ここで言う上記結晶性
樹脂の融点とは、示差熱走査型熱量計により常圧下で測
定した結晶性樹脂の溶融時のピーク温度を意味する。
【0065】上記延伸を施す時期は、特に限定されるも
のではなく、第2発明の製造方法で得られた直後の結晶
性樹脂シートに延伸を施しても良いし、一定期間放置さ
れた後の結晶性樹脂シートに延伸を施しても良く、任意
である。
のではなく、第2発明の製造方法で得られた直後の結晶
性樹脂シートに延伸を施しても良いし、一定期間放置さ
れた後の結晶性樹脂シートに延伸を施しても良く、任意
である。
【0066】
【作用】第1発明による結晶性樹脂シートは、特定値以
上の粘度平均分子量を有する超高分子量の結晶性樹脂が
製膜されて成るので、優れた滑り性や機械的物性、耐摩
耗性、耐薬品性、耐久性等の諸性能をバランス良く発揮
する。
上の粘度平均分子量を有する超高分子量の結晶性樹脂が
製膜されて成るので、優れた滑り性や機械的物性、耐摩
耗性、耐薬品性、耐久性等の諸性能をバランス良く発揮
する。
【0067】又、上記結晶性樹脂シートは、表面及び内
部に特定の気孔率となる微多孔構造が形成されており、
且つ、表面の静摩擦係数が特定値以下とされているの
で、極めて優れた滑り性を発揮すると共に、外観や触感
にも優れている。
部に特定の気孔率となる微多孔構造が形成されており、
且つ、表面の静摩擦係数が特定値以下とされているの
で、極めて優れた滑り性を発揮すると共に、外観や触感
にも優れている。
【0068】さらに、上記結晶性樹脂シートは、表面及
び内部に特定の気孔率となる微多孔構造が形成されてい
るので、軽量で製膜性も良好であり、薄膜化が可能であ
ると共に、材料費を低減出来る。又、微多孔構造により
応力が分散されるので、製膜性のみならず、例えば延伸
処理のような後処理も容易である。
び内部に特定の気孔率となる微多孔構造が形成されてい
るので、軽量で製膜性も良好であり、薄膜化が可能であ
ると共に、材料費を低減出来る。又、微多孔構造により
応力が分散されるので、製膜性のみならず、例えば延伸
処理のような後処理も容易である。
【0069】第2発明の製造方法は、結晶性樹脂の特定
量に対し常温常圧下で気体状のガスの特定量を高温高圧
下で収着させているので、結晶性樹脂は可塑化されてお
り、製膜性が良好である。従って、通常では製膜困難な
超高分子量の結晶性樹脂の製膜も容易であり、薄膜化も
可能である。
量に対し常温常圧下で気体状のガスの特定量を高温高圧
下で収着させているので、結晶性樹脂は可塑化されてお
り、製膜性が良好である。従って、通常では製膜困難な
超高分子量の結晶性樹脂の製膜も容易であり、薄膜化も
可能である。
【0070】又、上記製造方法は、膜状に賦形した後、
特定の温度範囲で圧力を開放するので、結晶性樹脂シー
トの表面及び内部に容易に微多孔構造を形成させること
が可能であり、得られる結晶性樹脂シートは、滑り性や
機械的物性等に優れる高性能のものとなる。
特定の温度範囲で圧力を開放するので、結晶性樹脂シー
トの表面及び内部に容易に微多孔構造を形成させること
が可能であり、得られる結晶性樹脂シートは、滑り性や
機械的物性等に優れる高性能のものとなる。
【0071】第3発明の製造方法は、上記第2発明の製
造方法で得られた結晶性樹脂シートに延伸処理を施すの
で、得られる結晶性樹脂シートは一段と優れた機械的物
性を発揮する。
造方法で得られた結晶性樹脂シートに延伸処理を施すの
で、得られる結晶性樹脂シートは一段と優れた機械的物
性を発揮する。
【0072】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて詳しく説明する。図1は本発明による結晶
性樹脂シートの製造方法で用いられる製造装置の一例を
模式的に示す断面図である。又、図2は本発明による結
晶性樹脂シートの製造方法で用いられる製造装置の他の
例を模式的に示す断面図である。
面に基づいて詳しく説明する。図1は本発明による結晶
性樹脂シートの製造方法で用いられる製造装置の一例を
模式的に示す断面図である。又、図2は本発明による結
晶性樹脂シートの製造方法で用いられる製造装置の他の
例を模式的に示す断面図である。
【0073】図1及び図2に示す製造装置A、Bは、押
出機1及び金型2を備えている。押出機1は、シリンダ
ー11内にスクリュー12を有し、シリンダー11の一
端に原料ホッパー13が設けられ、シリンダー11の他
端に金型2が一体に設けられている。尚、スクリュー軸
は耐圧シール構造となっており、昇温によって樹脂原料
から揮散するガスを密閉することが出来るようになって
いる。
出機1及び金型2を備えている。押出機1は、シリンダ
ー11内にスクリュー12を有し、シリンダー11の一
端に原料ホッパー13が設けられ、シリンダー11の他
端に金型2が一体に設けられている。尚、スクリュー軸
は耐圧シール構造となっており、昇温によって樹脂原料
から揮散するガスを密閉することが出来るようになって
いる。
【0074】金型2は、押出機1から押し出されて来る
溶融樹脂原料を所望の形状に賦形しながら押し出すよう
になっている。
溶融樹脂原料を所望の形状に賦形しながら押し出すよう
になっている。
【0075】図1に示す製造装置Aの場合、原料ホッパ
ー13は耐圧式の密閉構造となっていて、開閉バルブ3
1、32を開放することによって、ガスボンベ3からガ
スが充填出来るようになっている。尚、ガスは原料ホッ
パー13に入る前に加圧ポンプ33によって加圧され
る。
ー13は耐圧式の密閉構造となっていて、開閉バルブ3
1、32を開放することによって、ガスボンベ3からガ
スが充填出来るようになっている。尚、ガスは原料ホッ
パー13に入る前に加圧ポンプ33によって加圧され
る。
【0076】図1に示す製造装置Aを用いて行う本発明
の結晶性樹脂シートの製造方法は、先ず、温度コントロ
ール装置によって押出機1及び金型2を所定の温度に昇
温する。又、原料ホッパー13にペレット状や粉末状の
結晶性樹脂を充填し、密閉状態とした後、開閉バルブ3
1、32を開放して、加圧ポンプ33によって加圧した
ガスを結晶性樹脂に収着させる。ガスが収着された結晶
性樹脂は、原料ホッパー13からシリンダー11内に供
給され、シリンダー11内のスクリュー12によって溶
融混練される。次いで、この溶融樹脂を金型2へ供給
し、金型2内で所定の形状に賦形した後、賦形物を冷却
し、その後、常圧下に押し出し、圧力を開放することに
よって行われる。
の結晶性樹脂シートの製造方法は、先ず、温度コントロ
ール装置によって押出機1及び金型2を所定の温度に昇
温する。又、原料ホッパー13にペレット状や粉末状の
結晶性樹脂を充填し、密閉状態とした後、開閉バルブ3
1、32を開放して、加圧ポンプ33によって加圧した
ガスを結晶性樹脂に収着させる。ガスが収着された結晶
性樹脂は、原料ホッパー13からシリンダー11内に供
給され、シリンダー11内のスクリュー12によって溶
融混練される。次いで、この溶融樹脂を金型2へ供給
し、金型2内で所定の形状に賦形した後、賦形物を冷却
し、その後、常圧下に押し出し、圧力を開放することに
よって行われる。
【0077】又、図2に示す製造装置Bの場合、原料ホ
ッパー13は耐圧式の密閉構造となっていない。従っ
て、製造装置Bを用いる場合、加圧ポンプ33によって
加圧したガスは、押出機1のシリンダー11に設けたガ
ス注入弁14によって導入し、結晶性樹脂に収着させ
る。尚、この場合、シリンダー11内のガスの漏洩を防
止するために、溶融樹脂によってガス注入弁14の手前
のシリンダー11内圧を一旦ガスの導入圧力よりも高く
してシールすることが必要である。上記の点を除けば、
製造装置Aを用いる場合と同様の方法で結晶性樹脂シー
トを製造することが出来る。
ッパー13は耐圧式の密閉構造となっていない。従っ
て、製造装置Bを用いる場合、加圧ポンプ33によって
加圧したガスは、押出機1のシリンダー11に設けたガ
ス注入弁14によって導入し、結晶性樹脂に収着させ
る。尚、この場合、シリンダー11内のガスの漏洩を防
止するために、溶融樹脂によってガス注入弁14の手前
のシリンダー11内圧を一旦ガスの導入圧力よりも高く
してシールすることが必要である。上記の点を除けば、
製造装置Aを用いる場合と同様の方法で結晶性樹脂シー
トを製造することが出来る。
【0078】
【実施例】本発明をさらに詳しく説明するため以下に実
施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。尚、図3は実施例で用いた製造装置を
示す模式図である。
施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。尚、図3は実施例で用いた製造装置を
示す模式図である。
【0079】(実施例)
【0080】(1)結晶性樹脂シートの製造 超高分子量ポリエチレン(商品名「HizexMILL
ION240M」、粘度平均分子量:230万、融点:
136℃、降温時の結晶化ピーク温度:118℃、密
度:0.935g/cc、三井化学社製)を、図3に示
す製造装置の原料ホッパーから単軸押出機(スクリュー
径:40mm、L/D:30)に供給した。次いで、常
温常圧下で気体状のガスとして二酸化炭素を用い、この
二酸化炭素をガス注入弁から押出機のシリンダー部に2
0MPaの圧力で導入した。超高分子量ポリエチレン1
00重量部に対する二酸化炭素の収着量は9重量部であ
った。上記収着量は、超高分子量ポリエチレン及び二酸
化炭素のそれぞれの供給量から算出した。又、この時、
押出機は、スクリュー駆動軸の高圧軸シール機構と耐圧
ホッパー構造とで二酸化炭素の高圧状態を保持した。さ
らに、押出機に供給された超高分子量ポリエチレンは、
押出機内部において、押出量2kg/時間、スクリュー
回転数30rpm、シリンダー設定温度230℃の条件
で十分に溶融混練した。
ION240M」、粘度平均分子量:230万、融点:
136℃、降温時の結晶化ピーク温度:118℃、密
度:0.935g/cc、三井化学社製)を、図3に示
す製造装置の原料ホッパーから単軸押出機(スクリュー
径:40mm、L/D:30)に供給した。次いで、常
温常圧下で気体状のガスとして二酸化炭素を用い、この
二酸化炭素をガス注入弁から押出機のシリンダー部に2
0MPaの圧力で導入した。超高分子量ポリエチレン1
00重量部に対する二酸化炭素の収着量は9重量部であ
った。上記収着量は、超高分子量ポリエチレン及び二酸
化炭素のそれぞれの供給量から算出した。又、この時、
押出機は、スクリュー駆動軸の高圧軸シール機構と耐圧
ホッパー構造とで二酸化炭素の高圧状態を保持した。さ
らに、押出機に供給された超高分子量ポリエチレンは、
押出機内部において、押出量2kg/時間、スクリュー
回転数30rpm、シリンダー設定温度230℃の条件
で十分に溶融混練した。
【0081】次に、溶融混練した超高分子量ポリエチレ
ンを金型設定温度145℃、金型内圧力28MPaの条
件で膜状に賦形した後、樹脂の表面温度が152℃の条
件で金型からパイプ状に押し出し、圧力を開放すると同
時に、二酸化炭素を空気中に開放して、表面及び内部に
微多孔構造が付与された膜厚450μmのパイプ状の成
形体を得た。次いで、このパイプ状の成形体を押出方向
で切り開き、表面及び内部に微多孔構造が付与された膜
厚450μmの結晶性樹脂シートを得た。尚、金型から
押し出された時点の樹脂の表面温度は、赤外放射温度計
(型式「IT2−80」、キーエンス社製)で測定した
温度である。
ンを金型設定温度145℃、金型内圧力28MPaの条
件で膜状に賦形した後、樹脂の表面温度が152℃の条
件で金型からパイプ状に押し出し、圧力を開放すると同
時に、二酸化炭素を空気中に開放して、表面及び内部に
微多孔構造が付与された膜厚450μmのパイプ状の成
形体を得た。次いで、このパイプ状の成形体を押出方向
で切り開き、表面及び内部に微多孔構造が付与された膜
厚450μmの結晶性樹脂シートを得た。尚、金型から
押し出された時点の樹脂の表面温度は、赤外放射温度計
(型式「IT2−80」、キーエンス社製)で測定した
温度である。
【0082】(2)評価 上記で得られた結晶性樹脂シートの特性(シート表面
の微多孔の有無、凹部及び凸部の巾、凹部の深さ、シ
ート内部の微多孔の有無、気孔率、静摩擦係数)を
以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりで
あった。
の微多孔の有無、凹部及び凸部の巾、凹部の深さ、シ
ート内部の微多孔の有無、気孔率、静摩擦係数)を
以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりで
あった。
【0083】シート表面の微多孔の有無:結晶性樹脂
シートの表面を目視で観察し、シート表面の微多孔の有
無を判定した。
シートの表面を目視で観察し、シート表面の微多孔の有
無を判定した。
【0084】凹凸部の巾、凹部の深さ及びシート内部
の微多孔の有無:結晶性樹脂シートの表面を走査型電子
顕微鏡(型式「JSM−5800LV」、日本電子社
製)で観察し、シート表面の凹部及び凸部の巾(μm)
を測定すると共に、シート内部の微多孔の有無を判定し
た。又、結晶性樹脂シートの表面をレーザー顕微鏡(型
式「LASERMICROSCOPE2LM31Z」、
レーザーテック社製)で観察し、凹部の深さ(μm)を
測定した。
の微多孔の有無:結晶性樹脂シートの表面を走査型電子
顕微鏡(型式「JSM−5800LV」、日本電子社
製)で観察し、シート表面の凹部及び凸部の巾(μm)
を測定すると共に、シート内部の微多孔の有無を判定し
た。又、結晶性樹脂シートの表面をレーザー顕微鏡(型
式「LASERMICROSCOPE2LM31Z」、
レーザーテック社製)で観察し、凹部の深さ(μm)を
測定した。
【0085】気孔率:結晶性樹脂シートの密度を測定
し、気孔率(体積%)を算出した。
し、気孔率(体積%)を算出した。
【0086】静摩擦係数:JIS K−7125に準
拠して、滑り片の荷重を1000gとし、PETフィル
ムを摩擦の相手材料として、試験速度100mm/分
で、結晶性樹脂シート表面の静摩擦係数を測定した。
拠して、滑り片の荷重を1000gとし、PETフィル
ムを摩擦の相手材料として、試験速度100mm/分
で、結晶性樹脂シート表面の静摩擦係数を測定した。
【0087】(比較例1)結晶性樹脂シートの製造にお
いて、金型から押し出された時点の樹脂の表面温度を1
00℃としたこと以外は実施例の場合と同様にして、膜
厚450μmの結晶性樹脂シートを得た。
いて、金型から押し出された時点の樹脂の表面温度を1
00℃としたこと以外は実施例の場合と同様にして、膜
厚450μmの結晶性樹脂シートを得た。
【0088】上記で得られた結晶性樹脂シートの特性を
実施例の場合と同様にして評価した。但し、の評価で
シート表面に微多孔が無かったので、以降の評価はの
みとし、及びの評価は行わなかった。
実施例の場合と同様にして評価した。但し、の評価で
シート表面に微多孔が無かったので、以降の評価はの
みとし、及びの評価は行わなかった。
【0089】(比較例2)結晶性樹脂シートの製造にお
いて、押出機のシリンダー部への二酸化炭素の導入圧力
を2MPaとして、超高分子量ポリエチレン100重量
部に対する二酸化炭素の収着量を2重量部としたこと以
外は実施例の場合と同様にして、膜厚450μmの結晶
性樹脂シートを得た。
いて、押出機のシリンダー部への二酸化炭素の導入圧力
を2MPaとして、超高分子量ポリエチレン100重量
部に対する二酸化炭素の収着量を2重量部としたこと以
外は実施例の場合と同様にして、膜厚450μmの結晶
性樹脂シートを得た。
【0090】上記で得られた結晶性樹脂シートの特性を
実施例の場合と同様にして評価した。但し、の評価で
シート表面に微多孔が無かったので、以降の評価はの
みとし、及びの評価は行わなかった。
実施例の場合と同様にして評価した。但し、の評価で
シート表面に微多孔が無かったので、以降の評価はの
みとし、及びの評価は行わなかった。
【0091】(比較例3)結晶性樹脂シートの製造にお
いて、金型設定温度を170℃としたこと以外は実施例
の場合と同様にして、結晶性樹脂シートを得ることを試
みた。しかし、成形中に、発泡した超高分子量ポリエチ
レン及び二酸化炭素が金型から噴出し、パイプ状の成形
体を得ることが出来なかった。従って、結晶性樹脂シー
トの特性評価は行えなかった。尚、この時、金型から押
し出された時点の樹脂の表面温度は170℃以上であっ
た。
いて、金型設定温度を170℃としたこと以外は実施例
の場合と同様にして、結晶性樹脂シートを得ることを試
みた。しかし、成形中に、発泡した超高分子量ポリエチ
レン及び二酸化炭素が金型から噴出し、パイプ状の成形
体を得ることが出来なかった。従って、結晶性樹脂シー
トの特性評価は行えなかった。尚、この時、金型から押
し出された時点の樹脂の表面温度は170℃以上であっ
た。
【0092】実施例及び比較例1〜3の主な製造条件、
及び、比較例1〜3の特性評価結果は表1に示すとおり
であった。
及び、比較例1〜3の特性評価結果は表1に示すとおり
であった。
【0093】
【表1】
【0094】表1から明らかなように、本発明の製造方
法で得られた実施例の結晶性樹脂シートは、表面及び内
部に所定の気孔率となる微多孔構造を有していた。従っ
て、表面の静摩擦係数が低かった。これは優れた滑り性
を有していることを示している。
法で得られた実施例の結晶性樹脂シートは、表面及び内
部に所定の気孔率となる微多孔構造を有していた。従っ
て、表面の静摩擦係数が低かった。これは優れた滑り性
を有していることを示している。
【0095】これに対し、金型から押し出された時点の
樹脂の表面温度が降温時の結晶化ピーク温度より20℃
未満(2℃)の高さの温度であった比較例1の結晶性樹
脂シート、及び、超高分子量ポリエチレン100重量部
に対する二酸化炭素の収着量が3重量部未満(2重量
部)であった比較例2の結晶性樹脂シートは、いずれも
シート表面に微多孔構造を有していなかった。従って、
表面の静摩擦係数が高かった。これは、滑り性が劣って
いることを示している。
樹脂の表面温度が降温時の結晶化ピーク温度より20℃
未満(2℃)の高さの温度であった比較例1の結晶性樹
脂シート、及び、超高分子量ポリエチレン100重量部
に対する二酸化炭素の収着量が3重量部未満(2重量
部)であった比較例2の結晶性樹脂シートは、いずれも
シート表面に微多孔構造を有していなかった。従って、
表面の静摩擦係数が高かった。これは、滑り性が劣って
いることを示している。
【0096】又、金型から押し出された時点の樹脂の表
面温度が降温時の結晶化ピーク温度より50℃を超える
(52℃以上)高さの温度であった比較例3の製造方法
では、発泡した超高分子量ポリエチレンや二酸化炭素が
金型から噴出し、製膜出来なかった。
面温度が降温時の結晶化ピーク温度より50℃を超える
(52℃以上)高さの温度であった比較例3の製造方法
では、発泡した超高分子量ポリエチレンや二酸化炭素が
金型から噴出し、製膜出来なかった。
【0097】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による結晶性
樹脂シートは、優れた滑り性と機械的物性とを兼備する
ので、例えば磁気記録媒体の走行部分に使用するスリッ
プシートのような特に優れた滑り性が要求される用途む
けのシートとして好適に用いられる。
樹脂シートは、優れた滑り性と機械的物性とを兼備する
ので、例えば磁気記録媒体の走行部分に使用するスリッ
プシートのような特に優れた滑り性が要求される用途む
けのシートとして好適に用いられる。
【0098】又、本発明の製造方法によれば、上記特性
を備えた結晶性樹脂シートを容易に得ることが出来る。
さらに、薄膜化が可能であるので、軽量で材料使用量が
少なく経済的にも有利な結晶性樹脂シートを容易に得る
ことも出来る。さらに、延伸処理を施すことにより、よ
り薄膜化が可能で、より機械的物性に優れる結晶性樹脂
シートを容易に得ることが出来る。
を備えた結晶性樹脂シートを容易に得ることが出来る。
さらに、薄膜化が可能であるので、軽量で材料使用量が
少なく経済的にも有利な結晶性樹脂シートを容易に得る
ことも出来る。さらに、延伸処理を施すことにより、よ
り薄膜化が可能で、より機械的物性に優れる結晶性樹脂
シートを容易に得ることが出来る。
【0099】
【図1】本発明による結晶性樹脂シートの製造方法で用
いられる製造装置の一例を模式的に示す断面図である。
いられる製造装置の一例を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明による結晶性樹脂シートの製造方法で用
いられる製造装置の他の例を模式的に示す断面図であ
る。
いられる製造装置の他の例を模式的に示す断面図であ
る。
【図3】本発明の実施例で用いた製造装置を示す模式図
である。
である。
【符号の説明】A 、B 製造装置 1 押出機 11 シリンダー 12 スクリュー 13 原料ホッパー 14 ガス注入弁 2 金型 3 ガスボンベ 31、32 開閉バルブ 33 加圧ポンプ
フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA17 AA24 AA38 AA50 AA57 AA60 AA68 AA87 AB01 BA32 BA33 BA35 BA53 BA67 BA72 CA02 CA22 CA23 CA24 CA29 CA30 CB52 CC02Z CC22X CC24X CC32Y CC34X CC34Y CC46 DA02 DA24 DA47 4F207 AA06 AG01 AG08 AG20 KA01 KA17 KF02 KL43 KL51 KL88 KL92 KW26 KW41 4F210 AA06 AG01 AG08 AG20 QC01 QG02 QK12
Claims (3)
- 【請求項1】 粘度平均分子量が100万以上である超
高分子量の結晶性樹脂が製膜されて成る結晶性樹脂シー
トであって、該結晶性樹脂シートは、表面及び内部に気
孔率が5〜30体積%となる微多孔構造を有し、且つ、
表面の静摩擦係数が0.15以下であることを特徴とす
る結晶性樹脂シート。 - 【請求項2】 結晶性樹脂100重量部に対し、常温常
圧下で気体状のガス3〜50重量部を高温高圧下で収着
させた後、該ガス収着結晶性樹脂を金型内で膜状に賦形
し、次いで、降温時の結晶化ピーク温度より20〜50
℃高い温度で圧力の開放を行うことを特徴とする結晶性
樹脂シートの製造方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載の製造方法で得られた結
晶性樹脂シートを少なくとも一方向に延伸することを特
徴とする結晶性樹脂シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11169624A JP2001002809A (ja) | 1999-06-16 | 1999-06-16 | 結晶性樹脂シート及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11169624A JP2001002809A (ja) | 1999-06-16 | 1999-06-16 | 結晶性樹脂シート及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001002809A true JP2001002809A (ja) | 2001-01-09 |
Family
ID=15889964
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11169624A Withdrawn JP2001002809A (ja) | 1999-06-16 | 1999-06-16 | 結晶性樹脂シート及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001002809A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006008942A (ja) * | 2004-06-29 | 2006-01-12 | Mitsubishi Chemicals Corp | 多孔性延伸樹脂フィルムおよびその製造方法 |
-
1999
- 1999-06-16 JP JP11169624A patent/JP2001002809A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006008942A (ja) * | 2004-06-29 | 2006-01-12 | Mitsubishi Chemicals Corp | 多孔性延伸樹脂フィルムおよびその製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060221 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20080709 |