JP2001105447A - 発泡成形体の製造方法 - Google Patents

発泡成形体の製造方法

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JP2001105447A
JP2001105447A JP28839099A JP28839099A JP2001105447A JP 2001105447 A JP2001105447 A JP 2001105447A JP 28839099 A JP28839099 A JP 28839099A JP 28839099 A JP28839099 A JP 28839099A JP 2001105447 A JP2001105447 A JP 2001105447A
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pressure
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Hideharu Yamada
英晴 山田
Koji Harada
浩次 原田
Hitoshi Kawachi
斉 河内
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C44/00Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles
    • B29C44/34Auxiliary operations
    • B29C44/58Moulds
    • B29C44/586Moulds with a cavity increasing in size during foaming

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性及び発泡倍率が共に比較的高く、断熱性
が高く、化学発泡剤残渣等が残存していないリサイクル
性の良好な発泡成形体を、高い生産性をもって製造し得
る、発泡成形体の製造方法の提供。 【解決手段】 不活性ガス(好ましくは炭酸ガス) が高
圧で浸透されてなる溶融熱可塑性樹脂(好ましくはP
P) を、金型6内に射出した後、前記樹脂が溶融してい
る状態で、金型を一部開いて、発泡させると共に冷却す
る、好ましくは発泡倍率8倍以上の、発泡成形体の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断熱性及び剛性が
良好でリサイクルの容易な熱可塑性樹脂発泡成形体を、
高い生産性をもって製造し得る発泡成形体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の発泡成形体を得る方法と
して、発泡性スチレンビーズに代表される、揮発性発泡
剤を含浸させた熱可塑性樹脂ビーズを用いる方法が古く
から知られている。しかし、発泡性スチレンビーズを発
泡成形するには、一般に、予め予備発泡させた後に1〜
2日放置し、その後成形型に導入し加熱発泡成形する如
く、2段法を必要とし、生産性に難点を有するものであ
った。また、例えば発泡ポリスチレン成形体は剛性や表
面硬度が小さいという問題があり、板状体の曲げ剛性又
は箱状体の圧縮剛性の改善が要請されていた。
【0003】一方、この様な成形体をリサイクル性の観
点からみれば、発泡ポリスチレン容器は剛性もしくは表
面硬度が小さいので損傷を受け易く、損傷部に汚れ等が
付着し易く非衛生的であるため、再利用のための処理が
しにくくリサイクル性に乏しいという問題があった。
【0004】他方、高圧縮剛性の熱可塑性樹脂発泡成形
体を得ることを目的として、例えば特開平8−1084
40号公報には、気泡構造の扁平化の工夫がされた樹脂
発泡板の製造方法が開示されている。すなわち、この公
報には、ポリオレフィン樹脂、化学発泡剤及び架橋剤か
らなる混合物を、対向する一対の互いに内面が平行であ
る成形型によって加圧・加熱し、次いで上記成形型間の
間隔を開いて、樹脂を加圧時の型の内面に垂直な方向に
のみ膨張させる方法によって、独立気泡を主とする特定
の気泡構造を有し、発泡倍率が5〜20倍のポリオレフ
ィン樹脂発泡板を製造出来る旨、記載されている。
【0005】しかし、内面が平行である成形型によって
加圧・加熱した後に成形型間の間隔を開く製造方法であ
るため、板形状の成形体しか得られないという問題があ
り、また、ガスを発生させた後は型の温度を降下させて
から除圧する方法を採用しているために、得られる発泡
成形体は発泡層のみからなるので、曲げ強度が弱いとい
う問題があった。
【0006】また、化学発泡剤(熱分解型発泡剤)を用
いているために、発泡成形体中に人体に毒性を有する場
合の多い、未分解の発泡剤及び分解残渣が残存する点に
も問題があるが、加えて、その量が一定ではないため粉
砕品の樹脂物性が不安定であり、更に発泡成形体は、添
加した架橋剤の反応によって3次元架橋構造の部分を有
する、非常に高粘度の樹脂に変性されているので、マテ
リアルリサイクルが困難であるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
発泡成形体に関する問題点に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、剛性(板状体においては曲げ剛性、箱
状体においては圧縮剛性)及び発泡倍率が共に比較的高
く、断熱性が高く、化学発泡剤残渣等が残存していない
リサイクル性の良好な発泡成形体を、高い生産性をもっ
て製造し得る、発泡成形体の製造方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、不活性ガスが高圧で浸透さ
れてなる溶融熱可塑性樹脂を、金型内に射出した後、前
記樹脂が溶融している状態で、金型を一部開いて、発泡
させると共に冷却する発泡成形体の製造方法を提供す
る。
【0009】又、請求項2記載の発明は、熱可塑性樹脂
がポリプロピレン系樹脂である請求項1に記載の発泡成
形体の製造方法を提供する。更に、請求項3記載の発明
は、発泡成形体が、底壁と相対向する二組の側壁とを備
えた箱状体である請求項1又は2に記載の発泡成形体の
製造方法を提供する。
【0010】本発明において、不活性ガスが高圧で浸透
されてなる溶融熱可塑性樹脂を形成する方法は、特に限
定されず、例えば、固体状態の樹脂に不活性ガスを高圧
下で溶解・浸透させてから該樹脂を溶融させる方法、溶
融状態の樹脂に不活性ガスを高圧下で溶解・浸透させる
方法が挙げられる。
【0011】上記熱可塑性樹脂は特に限定されるもので
はないが、好ましくは、発泡に適した溶融張力(具体的
には、200℃で0.069N=7g,以上)、伸張粘
度特性を有するものであって、例えば、ポリエチレン系
樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィイ系樹脂
の他、ポリスチレン系樹脂、アクリルニトリル-ブタジ
エン-スチレン(ABS)樹脂、塩化ビニル系樹脂など
が挙げられる。
【0012】これらの樹脂の内でも、ポリプロピレン系
樹脂は、リサイクル性や物性等の点で特に好ましい。こ
こでいうポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレンのホ
モポリマーに限られず、他の共重合性モノマーとのラン
ダムコポリマーやブロックコポリマー等の一般的なポリ
プロピレン、及び、メタロセンを触媒等として得られた
メタロセンポリプロピレン、またポリプロピレンに長鎖
分岐を持たせたもの、他成分をグラフト重合したものも
含み、これらは単独で使用されても良いし、2種以上併
用されても良い。
【0013】上記不活性ガスは、常温・常圧で気体であ
る不活性な無機物質であって、上記樹脂を劣化させない
ものであれば、特に限定されず使用できる。例えば、炭
酸ガス、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、酸素等が
挙げられる。これらは単独で使用されても良いし、2種
以上併用されても良い。この内 炭酸ガスは樹脂に対す
る含浸度が高く、樹脂の溶融粘度の低下が大きいため最
も好ましく用いられる。
【0014】上記不活性ガスが浸透されてなる溶融熱可
塑性樹脂を形成する方法の内、固体状態の樹脂にガスを
高圧下で溶解・浸透させる方法としては、例えば以下の
ような方法が挙げられる。 (1)予め高圧容器等でペレットまたはパウダー状態の
樹脂に不活性ガスを溶解・浸透させる方法、及び、
(2)成形装置のホッパーから固体輸送部に至る領域に
不活性ガスを供給し溶解・浸透させる方法。 (2)の場合は、混練装置からガスが揮散しないように
スクリュー駆動軸およびホッパーの耐圧シール構造を組
み入れることが好ましい。
【0015】また、溶融状態の樹脂に不活性ガスを高圧
下で溶解・浸透させる方法としては、例えば以下のよう
な方法が挙げられる。この場合、溶融状態の樹脂で圧力
シールを行うのが好ましい。 (1)射出機のシリンダ内で溶融状態になった溶融樹脂
に、ベントタイプスクリューを使用して、不活性ガス
を、シリンダの途中のベント部分から供給する方法等、
及び、(2)射出機のシリンダ内で溶融状態になった溶
融樹脂に、スクリューの後方に設けた流入口からスクリ
ュー内部に設けた供給路を経て先端部手前のスクリュー
内の不活性ガス供給口から供給する方法。
【0016】上記ガスの溶解・浸透時の圧力は、(ガス
の臨界圧力−3MPa )以上で(ガスの臨界圧力+10
0MPa)以下が好ましく、(ガスの臨界圧力+3MP
a )以上で(ガスの臨界圧力+60MPa)以下がより
好ましく、熱可塑性樹脂にガスを均一に溶解するため、
ガスが超臨界状態であるのが特に好ましい。なお、超臨
界状態とは、臨界温度、かつ臨界圧力以上の状態をい
う。たとえば、ガスが二酸化炭素の場合、臨界温度は3
0.9℃、臨界圧力は7.4MPa、窒素の場合臨界温
度は−146.9℃、臨界圧力は3.4MPaである。
【0017】すなわち、(ガスの臨界圧力−3MPa )
未満では、溶解・浸透量が少なく発泡倍率が低くなって
しまい、(ガスの臨界圧力+100MPa)を越えると
圧力が高すぎ、設備が大がかりなものとなってしまい、
好ましくない。また、ガスを熱可塑性樹脂に供給後、十
分な量のガスを溶解・浸透させるため、上記温度・圧力
は一定時間保たれることが好ましい。十分ガスが溶解・
浸透したならば、飽和する。但し、飽和は必ずしも達成
される必要はない。
【0018】熱可塑性樹脂へのガスの溶解・浸透量は、
樹脂の溶融粘度を必要量減少できる量であればよく、樹
脂の種類、ガスの種類によって適宣選択することがで
き、樹脂100重量部に対し3〜50重量部のガスを溶
解させることが望ましい。また、ガスの溶解は飽和状態
であることが最も好ましいが、この点は必ずしも達成さ
れる必要は無い。
【0019】不活性ガスを熱可塑性樹脂に浸透させるい
ずれの方法においても、不活性ガスの圧力、供給・注入
位置、樹脂温度等により樹脂へ浸透される割合が変わ
り、それに影響されて、発泡成形体の発泡形態、発泡倍
率等も変化し断熱効果が変わる。例えば、不活性ガスの
圧力が高ければ樹脂へ浸透される割合が高くなり、得ら
れる発泡成形体の発泡倍率が高くなる。
【0020】本発明においては、上記不活性ガスが浸透
された樹脂を、金型内に射出した後、前記樹脂が溶融し
ている状態で、金型を一部開いて、発泡させると共に冷
却することを必要とする。不活性ガス浸透樹脂を、例え
ば射出成形装置により可塑化軽量し、金型内に射出し充
填した後、前記樹脂が溶融している状態で、金型を一部
開くことにより、金型キャビテイ空間を拡大し急速に減
圧して気泡核を生成させ樹脂を発泡させると共に、金型
を停止させた状態で、所定時間、大気温度で又は必要に
より強制的に冷却する。
【0021】また、この様に樹脂が溶融している状態
で、金型を一部開いて発泡、冷却させるので、均質で微
細な気泡を有する内部発泡層を備えた、スキン層−内部
発泡層(断熱層) −スキン層の三層構造にて構成され
た、軽量で剛性のある発泡成形体を得ることが出来る。
不活性ガス浸透樹脂の金型内への射出充填後、金型を一
部開く迄の時間やキャビティ空間を拡大させる速度、金
型内の樹脂温度等の製造条件を制御することによって、
得られる発泡成形体のスキン層及び内部発泡層の厚み、
独立気泡・連続気泡等の気泡構造、発泡径等を調整する
ことが可能である。従って、強度が大きく、表面硬度の
高い製品も得ることが出来る。
【0022】発泡成形体の材質、形状、用途にもよる
が、スキン層の厚みは、0.4〜1.2mm、内部発泡
層の厚みは10〜30mmが好ましい。断熱性能を最大
限に引き出す内部発泡層の発泡径は、一般に10〜10
0μmの微細発泡形態であり、発泡倍率は好ましくは8
倍以上、より好ましくは10倍以上である。
【0023】その後、金型を十分に開いて発泡成形体を
取り出す。用いた不活性ガスは拡散により、空気と置換
されるため、得られる発泡成形体は原料として用いた熱
可塑性樹脂(単一原料) と空気のみの構成となり、リサ
イクルが容易となる。本発明の発泡成形体の製造方法
は、例えば、底壁と相対向する二組の側壁とを備えた箱
状体である発泡成形体の製造に好適に採用される。この
様な箱状体は、例えば、保冷・保温容器として好適に使
用され得る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態により本発明を
具体的に説明する。本発明はこれに限定されるものでな
い。 (実施例1)熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン(Mon
te11社製HMS−PP)を用いた。この熱可塑性樹脂を
図1に示す射出成形装置のホッパー9に投入し、開閉バ
ルブ8を解放して耐圧ホッパー2に給送した。その後、
開閉バルブ3、8、10を閉じ、圧力調整弁4で圧力を
5.5MPa に調整された炭酸ガスを開閉バルブ5を経
て、耐圧ホッパー2に導いた。次いで、耐圧ホッパー2
において、炭酸ガスを圧力5.5MPa 、温度40℃で
1時間保持し、炭酸ガスをポリプロピレンに浸透させ
た。
【0025】このとき、炭酸ガスの圧力は5.5〜6.
0MPa が望ましく、圧力が低過ぎると発泡しにくく、
高過ぎると発泡しやすくなりスキン層においても発泡し
てしまい、スワールマーク等の外観不良が発生する。
【0026】この炭酸ガスを浸透させたポリプロピレン
を耐圧ホッパー2からバルブ3を経て、射出成形装置の
内の190℃に設定された可塑化混練装置7のシリンダ
内に供給した。その後、可塑化混練装置7の計量部に溜
められた前記ポリプロピレンを、図2にその拡大図を示
す金型6に射出し充填した。
【0027】図2において、小くさび型ブロック11a
及び大くさび型ブロック11bは移動金型11を構成
し、大くさび型ブロック11bと、移動入れ子13a、
13b及び固定金型12とによって、初期厚みtが1.
5mmの金型キャビティ1が形成されている。前記ポリ
プロピレン樹脂の充填完了の3秒後に、油圧装置20よ
り油圧シリンダー21に油を供給し、移動金型11の小
くさび型ブロック11aを図の上方へ、移動入れ子13
aを上方へ、移動入れ子13bを下方へ移動させること
によって、大くさび型ブロック11bを左方に後退させ
て、図3に示す如く、金型キャビティ1の厚さ方向の拡
大を行い、金型内を減圧しつつ樹脂を発泡させた。金型
キヤビテイ1の拡大速度は10mm/秒とした。尚、図
3は、金型6の、樹脂の射出後に一部開いた状態の模式
的断面拡大図であり、図2と同じ部材から構成されてい
る図であるので、共通する部材の多くの符号を省略し
た。
【0028】この際、金型キャビティ厚さ方向の拡大速
度は0.5 〜15mm/秒が良く、速過ぎると金型面から樹脂
が離れてしまい、金型への転写が悪くなり外観不良が発
生する。また、遅すぎても金型を開いている内に樹脂が
固化してしまい、金型に追従できなくなって外観不良が
発生するか発泡の径が大きくなってしまい、得られる発
泡成形体の断熱効果が乏しいものになってしまう。
【0029】その後、金型を停止して金型内で発泡体を
120秒冷却し、金型6を開き、発泡成形体14を取り出
したところ、スキン層−内部発泡層−スキン層の3層構
成からなり、肉厚は25mm、表裏のスキン層は、各1
mmであった。また、内部発泡層の発泡倍率は16.7
倍であった。
【0030】得られた発泡成形体14の形状は図4に示
す通りの箱状体であった。すなわち、箱状体14は、底
壁と、相対向する側壁16、16と17、17からなる
2組の側壁とを備えたものであり、各側壁16、16及
び17、17の上端の内側寄りの四周には、スタック受
け部18を構成する立設部が設けられている。図示しな
い底部には、各側壁に沿って垂下したリブが設けられ、
複数の箱状体14・・をスタックした際に、スタック受
け部18の外周面にリブの内周面が軽く当接して安定に
スタックされる形状になされている。開口部19の概略
の寸法は、深さ240×幅270×長さ330mmであ
った。
【0031】上記金型の開割は、発泡成形体の厚み方向
のみに行ったので、取り出した発泡成形体14の、図3
における○印の位置に対応する部位の気泡構造は、図5
に示す如く厚み方向に長いものとなっていた。この発泡
成形体について、以下の方法で圧縮強度及び断熱性能を
評価し、圧縮強度を表1に、断熱性能の内、熱伝導率を
表2に、保冷性能を図6に示した。図6より、得られた
発泡成形体は保冷容器(保温容器)として好適に使用可
能なものであることが明らかである。
【0032】〔圧縮強度〕上記スタック受け部18を利
用して3段積みにした状態で、10mm/分で加圧し、
座屈したときの加重をn数を3として、測定した。 〔断熱性能〕 熱伝導率 JIS A 1412に準拠して測定した。 保冷性能 発泡成形体(箱状体)14を蓋と共に、20℃の雰囲気
の中で十分養生した後、35℃の雰囲気の中に置いて、
時間経過による温度変化を熱電対を用いて測定した。測
定位置は、側壁16の内面Aと開口部中央のBの2個所
とした。
【0033】(実施例2〜4)金型キャビテイ1の初期
厚みを、表2に記載の通りとした以外は実施例1と同様
にして、スキン層−内部発泡層−スキン層の3層構成か
らなり、肉厚25mmの発泡成形体(箱状体)を得た。
実施例1と同様にして測定した熱伝導率を表2に示し
た。
【0034】(比較例1)形状及び肉厚が実施例1と同
じで発泡倍率が30倍の、発泡ポリスチレン製の容器を
用意し、実施例1と同様に、圧縮強度及び断熱性能を評
価し、圧縮強度を表1に、断熱性能の内、熱伝導率を表
2に、保冷性能を図6に示した。尚、図6において、温
度の測定位置は、図4における発泡成形体14のA及び
Bに対応する発泡ポリスチレン製容器の位置を、便宜上
a及びbとして表示した。 *表1及び図6に示すように、実施例1で得た発泡成形
体は、比較例1における同じ肉厚の発泡ポリスチレン容
器と比較して、圧縮強度は4倍であり、保冷性能はほぼ
同等であった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【発明の効果】本発明の発泡成形体の製造方法は、上述
の通り構成されており、不活性ガスが高圧で浸透されて
なる溶融熱可塑性樹脂を、金型内に射出した後、前記樹
脂が溶融している状態で、金型を一部開いて、発泡させ
ると共に冷却するので、本発明によれば、均質で微細な
気泡を有する内部発泡層を備えた、スキン層−内部発泡
層−スキン層の三層構造にて構成された、剛性(板状体
においては曲げ剛性、箱状体においては圧縮剛性)及び
発泡倍率が共に比較的高く、軽量で断熱性が高く、化学
発泡剤残渣等が残存していないリサイクル性の良好な発
泡成形体が、高い生産性をもって、安価に提供し得る。
【0037】特に、化学発泡剤を使用する必要がないの
で、化学発泡剤の残渣が無く、架橋構造も取る必要がな
いので、マテリアルリサイクルを容易に行うことが出
来、食品用途にも適用可能な点で好都合である。熱可塑
性樹脂がポリプロピレン系樹脂である場合は、得られる
発泡成形体が、剛性が高いためキズなどが付き難く、汚
れの付着が少なく衛生的な製品となるのでリサイクル性
に特に優れており、住宅建材、自動車部品等へ更に好ま
しく適用される。また、本発明によれば、底壁と相対向
する二組の側壁とを備えた、3次元形状の、箱状体の発
泡成形体をも容易に製造可能である。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた成形機の概略図であ
る。
【図2】図1における金型の、樹脂を射出する前の模式
的断面拡大図である。
【図3】図1における金型の、樹脂の射出後に一部開い
た状態の模式的断面拡大図である。
【図4】実施例1で得られた発泡成形体の斜視図であ
る。
【図5】図3に示した金型キャビティ1に充填された樹
脂の、円内の発泡方向を説明するための模式的拡大図で
ある。
【図6】実施例1及び比較例1における発泡成形体の保
冷性能を示す図である。
【符号の説明】
1:金型キャビティ 2:耐圧ホッパー 3、5、8、10:開閉バルブ 4:圧力調整弁 6:金型 7:可塑化混練装置(シリンダー) 9:ホッパー 11:移動金型 11a:小くさび型ブロック 11b:大くさび型ブロック 12:固定金型 13a、13b:移動入れ子 14:発泡成形体 16、17:側壁 18:スタック受け部 19:開口部 20:油圧装置 21:油圧シリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:04 B29K 105:04 B29L 22:00 B29L 22:00 C08L 23:10 C08L 23:10 Fターム(参考) 4F074 AA24 BA31 BA32 CA22 CA23 CA25 CA26 CC03X CC04X CC05Y CC34X DA02 DA07 DA08 DA19 DA23 DA32 DA35 4F206 AA11 AG20 AH56 JA04 JF01 JF04 JM05 JN35 JN43

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活性ガスが高圧で浸透されてなる溶融
    熱可塑性樹脂を、金型内に射出した後、前記樹脂が溶融
    している状態で、金型を一部開いて、発泡させると共に
    冷却することを特徴とする発泡成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂がポリプロピレン系樹脂で
    あることを特徴とする請求項1に記載の発泡成形体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 発泡成形体が、底壁と相対向する二組の
    側壁とを備えた箱状体であることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の発泡成形体の製造方法。
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