JP2001002792A - ポリエステル、それから成るシ−ト状物、中空成形体及び延伸フイルム - Google Patents
ポリエステル、それから成るシ−ト状物、中空成形体及び延伸フイルムInfo
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Abstract
優れた成形品、特に大型中空成形品を得ることができる
ポリエステルおよびそれからなる成形体を提供する。 【解決手段】 主たる繰返し単位がエチレンテレフタレ
−トであるポリエステルであって、該ポリエステルを溶
融成形して得た成形体が下記(a)〜(c)の特性を示
すことを特徴とするポリエステル (a)熱機械分析(TMA)により測定した寸法変化率
が1.0%〜4.0% (b)ヘイズが10%以下 (c)昇温時結晶化温度が165℃以下
Description
じめとする中空成形容器、フィルム、シ−トなどの成形
体の素材として好適に用いられるポリエステルおよびそ
れから成る成形体に関するものであり、特に、透明性及
び耐熱寸法安定性に優れた大型中空成形体や透明性、滑
り性および成形後の寸法安定性に優れたシ−ト状物を与
える。また、本発明は,中空成形体を成形する際に熱処
理金型からの離型性が良好で、長時間連続成形性に優れ
たポリエステルに関するものである。
レ−トであるポリエステル(以下PETと略称すること
がある)は、その優れた透明性、機械的強度、耐熱性、
ガスバリア−性等の特性により、炭酸飲料、ジュ−ス、
ミネラルウォ−タ等の容器の素材として採用されてお
り、その普及はめざましいものがある。これらの用途に
おいて、ポリエステル製ボトルに高温で殺菌した飲料を
熱充填したり、また飲料を充填後高温で殺菌したりする
が、通常のポリエステル製ボトルでは、このような熱充
填処理時等に収縮、変形が起こり問題となる。ポリエス
テル製ボトルの耐熱性を向上させる方法として、ボトル
口栓部を熱処理して結晶化度を高めたり、また延伸した
ボトルを熱固定させたりする方法が提案されている。特
に口栓部の結晶化が不十分であったり、また結晶化度の
ばらつきが大きい場合にはキャップとの密封性が悪くな
り、内容物の漏れが生ずることがある。
ルウオ−タなどのように熱充填を必要とする飲料の場合
には、プリフォ−ムまたは成形されたボトルの口栓部を
熱処理して結晶化する方法(特開昭55−79237号
公報、特開昭58−110221号公報等に記載の方
法)が一般的である。このような方法、すなわち口栓
部、肩部を熱処理して耐熱性を向上させる方法は、結晶
化処理をする時間・温度が生産性に大きく影響し、低温
でかつ短時間で処理できる、結晶化速度が速いPETで
あることが好ましい。一方、胴部についてはボトル内容
物の色調を悪化させないように、成形時の熱処理を施し
ても透明であることが要求されており、口栓部と胴部で
は相反する特性が必要である。
め、例えば、特公昭59−6216号公報に見られる通
り、延伸ブロ−金型の温度を高温にして熱処理する方法
が採られる。しかし、このような方法によって同一金型
を用いて多数のボトル成形を続けると、長時間の運転に
伴って得られるボトルが白化して透明性が低下し、商品
価値のないボトルしか得られなくなる。これは金型表面
にPETに起因する付着物が付き、その結果金型汚れと
なり、この金型汚れがボトルの表面に転写するためであ
ることが分かった。 特に、近年では、ボトルの小型化
とともに成形速度が高速化されてきており、生産性の面
から口栓部の結晶化のための加熱時間短縮や金型汚れは
より大きな問題となってきている。
を真空成形して得た容器に食品を充填後同一素材からな
る蓋をし放置しておくと収縮が起こり蓋の開封性が悪く
なったり、また該容器を長期間放置しておくと収縮が起
こり蓋が出来なくなったりする。
案がなされている。金型汚れを防止する方法としては、
例えば、特開平10−114819号公報にはポリエス
テルを水処理する方法が開示されている。結晶化速度を
上げる方法としては、例えば、ポリエチレンテレフタレ
−トにカオリン、タルク等の無機核剤を添加する方法
(特開昭56−2342号公報、特開昭56−2183
2号公報)、モンタン酸ワックス塩等の有機核剤を添加
する方法(特開昭57−125246号公報、特開昭5
7−207639号公報)があるが、これらの方法は異
物やくもりの発生を伴い実用化には問題がある。また、
原料ポリエステルに、該ポリエステルから溶融成形して
得たポリエステル成形体を粉砕した処理ポリエステルを
添加する方法(特開平5−105807号公報)がある
が、この方法は溶融成形粉砕という余分な工程が必要で
あり、さらにこのような後工程でポリエステル以外の夾
雑物が混入する危険性があり、経済的および品質的に好
ましい方法ではない。また、耐熱性樹脂製ピ−スを口栓
部に挿入する方法(特開昭61−259946号公報、
特開平2−269638号公報)が提案されているが、
ボトルの生産性が悪く、また、リサイクル性にも問題が
ある。
よび特開平9−71639号公報にはポリエチレンを代
表とするポリオレフィン樹脂を添加することにより、結
晶化速度の高い透明な樹脂が得られることが開示さてい
る。しかし、これら方法でも、口栓部を結晶化させた場
合、ひずみが生じ、キャップをした場合に漏れるという
問題を完全に解決することはできなかった。さらには、
上記の水処理方法を組み合わせた場合に、特に1.5リ
ットル以上のボトル用のパリソンを成形するとパリソン
の肉厚が厚いため金型内での冷却速度が遅くなり、パリ
ソンのボトル胴部に当たる部分が結晶化し、得られたボ
トル胴部の透明性が低下するといった問題が発生した。
方法の有する問題点を解決し、透明性および耐熱寸法安
定性の優れた成形体、特に大型中空成形品を効率よく生
産することができ、また金型を汚すことの少ない長時間
連続成形性に優れたポリエステルおよびそれから成る成
形体を提供することを目的とする。
め、本願発明は、主たる繰返し単位がエチレンテレフタ
レ−トであるポリエステルであって、該ポリエステルを
溶融成形して得た成形体が下記(a)〜(c)の特性を
示すことを特徴とするポリエステルである。 (a)熱機械分析(TMA)により測定した寸法変化率
が1.0%〜4.0% (b)ヘイズが10%以下 (c)昇温時結晶化温度が165℃以下
は、溶融成形することにより容易に透明性および耐熱寸
法安定性の優れた成形体、特に1.5リットル以上の大
型中空成形品を得ることができ、該中空成形品の口栓部
結晶化速度が早く、従って生産性が高くまた金型を汚す
ことの少ない長時間連続成形性に優れたポリエステルを
得ることができる。また、滑り性および成形後の寸法安
定性に優れたシ−ト状物を得ることも出来る。
度が0.55〜0.90dl/g、共重合されたジエチ
レングリコ−ル含量が該ポリエステルを構成するグリコ
−ル成分の1.5〜5.0モル%であることができる。
1.37g/cm3以上であることができる。
が10ppm以下で環状3量体含量が0.5重量%以下
であることができる。
たはTi化合物を重縮合触媒として用いて得られたポリ
エステルであることができる。
分間溶融した時の環状3量体増加量が0.30重量%以
下であることができる。
から成るシ−ト状物、中空成形体および少なくとも1方
向に延伸された延伸フイルムであることができる。
施の形態を具体的に説明する。本発明の主たる繰り返し
単位がエチレンテレフタレ−トであるポリエステルは、
エチレンテレフタレ−ト単位を好ましくは85モル%以
上含む線状ポリエステルであり、より好ましくは90モ
ル%以上、さらに好ましくは95.0%以上含む線状ポ
リエステルである。
カルボン酸としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、ジフェニ−ル−4,4’−ジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカル
ボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オ
キシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、ア
ジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸等の脂肪
族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、シクロヘキサン
ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘
導体などが挙げられる。
リコ−ルとしては、ジエチレングリコ−ル、トリメチレ
ングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ネオペンチ
ルグリコ−ル等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジ
メタノ−ル等の脂環族グリコ−ル、ビスフェノ−ルA、
ビスフェノ−ルAのアルキレンオキサイド付加物等の芳
香族グリコ−ルなどが挙げられる。
物からなるその他の共重合成分としては、酸性分とし
て、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることが
でき、グリコ−ル成分としてグリセリン、ペンタエリス
リト−ルを挙げることができる。以上の共重合成分の使
用量は、ポリエステルが実質的に線状を維持する程度で
なければならない。また、単官能化合物、例えば安息香
酸、ナフトエ酸等を共重合させてもよい。
とエチレングリコ−ルおよび必要により上記共重合成分
を直接反応させて水を留去しエステル化した後、重縮合
触媒としてたとえばSb化合物、Ge化合物またはTi
化合物から選ばれた1種またはそれ以上の化合物を用い
て減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、またはテレ
フタル酸ジメチルとエチレングリコ−ルおよび必要によ
り上記共重合成分をエステル交換触媒の存在下で反応さ
せてメチルアルコ−ルを留去しエステル交換させた後、
重縮合触媒としてSb化合物、Ge化合物またはTi化
合物から選ばれた1種またはそれ以上の化合物を用いて
主として減圧下に重縮合を行うエステル交換法により製
造される。
三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、酒石酸アンチモ
ン、酒石酸アンチモンカリ、オキシ塩化アンチモン、ア
ンチモングリコレ−ト、五酸化アンチモン、トリフェニ
ルアンチモン等が挙げられる。本発明で使用されるGe
化合物としては、無定形二酸化ゲルマニウム、結晶性二
酸化ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムテ
トラエトキシド、ゲルマニウムテトラ−n−ブトキシ
ド、亜リン酸ゲルマニウム等が挙げられる。
テトラエチルチタネ−ト、テトライソプロピルチタネ−
ト、テトラ−n−プロピルチタネ−ト、テトラ−n−ブ
チルチタネ−ト等のテトラアルキルチタネ−トおよびそ
れらの部分加水分解物、蓚酸チタニル、蓚酸チタニルア
ンモニウム、蓚酸チタニルナトリウム、蓚酸チタニルカ
リウム、蓚酸チタニルカルシウム、蓚酸チタニルストロ
ンチウム等の蓚酸チタニル化合物、トリメリット酸チタ
ン、硫酸チタン、塩化チタン等が挙げられる。また、安
定剤として種々のP化合物を使用することができる。本
発明で使用されるP化合物としては、リン酸、亜リン
酸、ホスホン酸およびそれらの誘導体等が挙げられる。
具体例としてはリン酸、リン酸トリメチルエステル、リ
ン酸トリエチルエステル、リン酸トリブチルエステル、
リン酸トリフェニ−ルエステル、リン酸モノメチルエス
テル、リン酸ジメチルエステル、リン酸モノブチルエス
テル、リン酸ジブチルエステル、亜リン酸、亜リン酸ト
リメチルエステル、亜リン酸トリエチルエステル、亜リ
ン酸トリブチルエステル、メチルホスホン酸、メチルホ
スホン酸ジメチルエステル、エチルホスホン酸ジメチル
エステル、フェニ−ルホスホン酸ジメチルエステル、フ
ェニ−ルホスホン酸ジエチルエステル、フェニ−ルホス
ホン酸ジフェニ−ルエステル等であり、これらは単独で
使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
せ、アセトアルデヒド含量を低下させるために固相重合
を行ってもよい。
応、溶融重縮合反応および固相重合反応は、回分式反応
装置で行っても良いしまた連続式反応装置で行っても良
い。
位がエチレンテレフタレ−トであるポリエステルであっ
て、該ポリエステルを溶融成形して得た成形体を熱機械
分析(TMA)により測定した寸法変化率が1.0%〜
4.0%であり,ヘイズが10%以下、好ましくは寸法
変化率が1.2%〜4.0%、ヘイズが9%以下、さら
に好ましくは寸法変化率が1.3%〜4.0%、ヘイズ
が8%以下である。耐熱性ポリエステル中空成形容器を
製造する場合には、口栓部を均一に結晶化させて高温飲
料充填時に口栓部が変形、収縮しないようにするととも
に、延伸ブロ−後に容器胴部を熱処理結晶化して耐熱性
を向上させる。
性中空成形容器の透明性が低下し、特に1.5リッタ−
以上の大型中空成形容器で問題となる。また寸法変化率
が4.0%以上の場合は,中空成形容器口栓部を熱処理
する場合、加熱結晶化速度が遅く、一定の結晶化度を達
成するのに処理時間が長くなる。また、口栓部のひずみ
が大きくなり過ぎ、キャッピング不良が起こりやすくな
る。その結果、中空成形容器の生産性が悪くなり問題と
なる。またシ−トの真空成形の場合は成形後の収縮率が
大となり,蓋の開封性や蓋との嵌合性が悪くなり問題と
なる。
定する寸法変化率は、(株)マック・サイエンス社製の
熱機械分析(TMA)、タイプTMA4000Sを用い
て、後述する方法によって測定した。
エステルを溶融成形して得た成形体のヘイズが10%以
下で有り,10%を越える場合は,得られた成形体の透
明性が悪くなり、特に延伸成形体の場合には問題とな
る。
昇温時の結晶化温度(以下「Tc1」と称する)が16
5℃以下、好ましくは162℃以下、さらに好ましくは
160℃以下である。Tc1が165℃を越える場合
は、加熱結晶化速度が非常に遅くなり結晶化の改良効果
が期待できない。
な方法で製造することが出来る。すなわち、ポリエステ
ルにポリエチレンを1ppb〜50ppm含有させ、該
ポリエチレンの平均分散粒径を3μm以下、好ましくは
2μm以下、より好ましくは1.5μm以下に分散させ
ることによって製造することが出来る。ポリエチレンは
ポリエステルの結晶化の核剤として作用し、ポリエステ
ル成形品の加熱結晶化速度を高める効果があるが、ポリ
エステル成形品の結晶化速度をより一層高め、また均一
に結晶化さすためには、ポリエチレンを平均分散粒径が
3μm以下になるように分散させることが必要である。
すなわち、ポリエチレンを1ppb〜50ppm含有さ
せ、その平均分散粒径を3μm以下に分散させたポリエ
ステルを用いることによって、成形体の寸法変化率を
1.0〜4.0%でかつ成形体のヘイズを10%以下に
納めることが可能であり、さらに成形体のTc1が16
5℃以下で、Tc1ピ−クがシャ−プとなり、結晶化速
度が非常に早くて透明性に優れたポリエステルを得るこ
とができる。
粒径が3μm以下に分散する方法としては、例えば次の
ような方法が挙げられる。すなわち、ポリエチレンを溶
融重縮合前に添加し、次いで所定の極限粘度まで重縮合
後溶融状態で3μmの焼結金属フィルタ−で濾過する方
法、乾燥したポリエステルとポリエチレンを2軸押出機
により3μmの焼結金属フィルタ−を通過させて混練押
出しすることにより該混練組成物中のポリエチレンの分
散粒径を3μm以下とした高濃度のマスタ−バッチを作
り、これを溶融重縮合時に添加して重縮合する方法、あ
るいは前記マスタ−バッチを成形前にポリエステルにブ
レンドして成形する方法等がある。
は0.55〜0.90デシリットル/グラムであるのが
好ましく、0.58〜0.87デシリットル/グラムで
あるのがより好ましい。ポリエステルのチップの極限粘
度が0.55デシリットル/グラムより小さい場合は、
本発明のポリエステルを溶融成形して得られた成形品の
透明性、耐熱性、機械特性等が充分満足されないことが
ある。また、極限粘度が0.90デシリットル/グラム
より大きい場合は、成形時の発熱が激しくなり、このた
め成形品の着色が激しくなったり、またアセトアルデヒ
ド含量が多くなる傾向にあり、飲料用ボトル等食品用途
には適さなくなる。
チレングリコ−ル(DEG)含量が該ポリエステルを構
成するグリコ−ル成分の好ましくは1.0〜5.0モル
%の範囲であり、より好ましくは1.5〜4.8モル
%、更に好ましくは2.0〜4.5モル%である。1.
0モル%以下の場合は得られた中空成形体の透明性が非
常に悪くなり、また5.0モル%以上の場合は熱製安定
性が劣り、得られた中空成形体のAA含量が非常に高く
なり内容物のフレ−バ−性が悪くなる。
アルデヒド含量は好ましくは10ppm以下、より好ま
しくは8ppm以下、更に好ましくは5ppm以下であ
る。アセトアルデヒド含量が10ppm以上の場合は、
このポリエステル樹脂から成形された容器等の内容物の
風味や臭い等が悪くなる。
体を若干含んでもよいが、その含有量は好ましくは0.
5重量%以下、より好ましくは0.45重量%以下、さ
らに好ましくは0.40重量%以下である。本発明のポ
リエステルから耐熱性の中空成形品を成形する場合は加
熱金型内で熱処理を行うが、環状3量体の含有量が0.
5重量%以上含有する場合には、加熱金型表面へのオリ
ゴマ−付着が急激に増加し、得られた中空成形品の透明
性が非常に悪化する。
の温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量が好
ましくは0.30重量%以下、より好ましくは0.20
重量%以下、さらに好ましくは0.10重量%以下であ
る。環状3量体増加量が0.30重量%を超えるポリエ
ステルを用いて中空成形を行うと、環状3量体などのオ
リゴマ−類が金型内面や金型のガス排気口および排気管
に付着し、透明な中空成形容器を得ようとすると頻繁に
金型掃除をしなけらばならない。
状3量体の増加量が0.30重量%以下である本発明の
ポリエステルは、溶融重縮合後や固相重合後に得られた
ポリエステルの重縮合触媒を失活処理することにより製
造することができる。ポリエステルの重縮合触媒を失活
処理する方法としては、溶融重縮合後や固相重合後にポ
リエステルチップを水や水蒸気または水蒸気含有気体と
接触処理する方法が挙げられる。
やシャワ−でチップ上に水をかける方法等が挙げられ
る。処理時間としては5分〜2日間、好ましくは10分
〜1日間、さらに好ましくは30分〜10時間で、水の
温度としては20〜180℃、好ましくは40〜150
℃、さらに好ましくは50〜120℃である。
るが、これに限定するものではない。また処理方法は連
続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えない
が、工業的に行うためには連続方式の方が好ましい。
理する場合は、サイロタイプの処理槽が挙げられる。す
なわちバッチ方式でポリエステルのチップをサイロへ受
け入れ水処理を行う。あるいは回転筒型の処理槽にポリ
エステルのチップを受け入れ、回転させながら水処理を
行い水との接触をさらに効率的にすることもできる。ポ
リエステルのチップを連続方式で水処理する場合は、塔
型の処理槽に継続的又は間欠的にポリエステルのチップ
を上部より受け入れ、水処理させることができる。
気含有ガスとを接触させて処理する場合は、50〜15
0℃、好ましくは50〜110℃の温度の水蒸気または
水蒸気含有ガスあるいは水蒸気含有空気を好ましくは粒
状ポリエステル1kg当り、水蒸気として0.5g以上の
量で供給させるか、または存在させて粒状ポリエステル
と水蒸気とを接触させる。
接触は、通常10分間〜2日間、好ましくは20分間〜
10時間行われる。
蒸気含有ガスとの接触処理を工業的に行なう方法を例示
するが、これに限定されるものではない。また処理方法
は連続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えな
い。
気と接触処理をする場合は、サイロタイプの処理装置が
挙げられる。すなわちポリエステルのチップをサイロへ
受け入れ、バッチ方式で、水蒸気または水蒸気含有ガス
を供給し接触処理を行なう。あるいは回転筒型の接触処
理装置に粒状ポリエステルを受け入れ、回転させながら
接触処理を行ない接触をさらに効率的にすることもでき
る。
触処理する場合は塔型の処理装置に連続で粒状ポリエス
テルを上部より受け入れ、並流あるいは向流で水蒸気を
連続供給し水蒸気と接触処理させることができる。
して下記の様な方法が挙げられる。すなわち、重縮合後
チップ状に形成したポリエステルを、熱水処理槽中にお
いて処理槽から戻ってきた排水を含む処理水で温度40
〜120℃において処理する方法が挙げられる。また、
処理層からチップと共に排出した排水を処理層に戻さず
に同一の温度範囲において処理する方法も挙げられる。
さらに、重縮合後チップ状に形成したポリエステルを、
該処理槽中においてポリエステルの微粉の含有量が10
00ppm以下の処理水で処理する方法もある。なお、
ここで言う微粉とは、水処理層中にチップと共に共存す
る細かいポリエステルの粉である。
は粒状ポリエステルを必要に応じて振動篩機、シモンカ
−タ−などの水切り装置で水切りし、次の乾燥工程へ移
送する。
のチップの乾燥は通常用いられるポリエステルの乾燥処
理を用いることができる。連続的に乾燥する方法として
は、上部よりポリエステルのチップを供給し、下部より
乾燥ガスを通気するホッパ−型の通気乾燥機が通常使用
される。乾燥ガス量を減らし、効率的に乾燥する方法と
しては回転ディスク型加熱方式の連続乾燥機が用いら
れ、少量の乾燥ガスを通気しながら、回転ディスクや外
部ジャケットに加熱蒸気、加熱媒体などを供給しポリエ
ステルのチップを間接的に加熱乾燥することができる。
ルコ−ン型回転乾燥機が用いられ、真空下であるいは真
空下少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥することができ
る。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥し
てもよい。
いが、ポリエステルの加水分解や熱酸化分解による分子
量低下を防止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好まし
い。
処理を施すことによって、ポリエステルの固相重縮合速
度が減少するとともに、該ポリエステルを290℃の温
度に加熱溶融した後のオリゴマ−増加量を抑制すること
ができる。
−型、角型、または扁平な板状等の何れでもよく、その
大きさは、縦、横、高さがそれぞれ通常1.6〜3.5
mm、好ましくは1.8〜3.5mmの範囲である。例
えばシリンダ−型の場合は、長さは1.8〜3.5m
m、径は1.8〜3.5mm程度であるのが実用的であ
る。また、チップの重量は15〜30mg/個の範囲が
実用的である。
−をチップ化する工程、固相重合工程、水処理工程、溶
融重縮合ポリマ−チップや固相重合ポリマ−チップを輸
送する工程等において、本来造粒時に設定した大きさの
チップよりかなり小さな粒状体や粉等が発生する。ここ
では、このような微細な粒状体や粉等をファインと称す
る。本発明のポリエステルを製造する工程では純度の高
い原料や副材料を使用すると共に、溶融重縮合ポリマ−
の濾過、ポリエステルチップの冷却水の濾過、チップの
水処理に系外より導入する水の濾過、該チップの搬送等
に使用する気体の濾過等により使用ポリエステル以外の
異物や夾雑物が混入しないような対策を実施するので、
該ファインはポリエステル以外の異物や夾雑物を含まな
いようにすることが出来る。
は通常、0.55〜0.90、好ましくは0.57〜
0.88、さらに好ましくは0.58〜0.87であ
る。極限粘度が0.55より小さい場合は、得られた成
形品の透明性が悪くなる。好ましくはポリエステルのチ
ップの極限粘度と同一か、またはポリエステルのチップ
の極限粘度より0.03高い極限粘度の範囲であること
が好ましい。
ァインは、その粒径がJIS−Z8801による10.
5メッシュの標準篩を通過する大きさのファインであ
り、好ましくはJIS−Z8801による20メッシュ
の標準篩を通過する大きさの粒径のファインである。
の含有量を前記の範囲に調節する方法としては、篩分工
程を通していないファイン含有量の高いポリエステルの
チップと篩分工程及び空気流によるファイン除去工程を
通したファイン含有量の非常に少ないポリエステルチッ
プを適当な割合で混合する方法による他、ファイン除去
工程の篩の目開きを変更することにより調節することも
でき、また篩分速度を変更することによるなど任意の方
法を用いることができる。
ミド、不飽和脂肪酸モノアミド、飽和脂肪酸ビスアミ
ド、不飽和脂肪酸ビスアミド等を同時に併用することも
可能である。
リン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミ
ド、ベヘン酸アミド等が挙げられる。不飽和脂肪酸モノ
アミドの例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミ
ドリシノ−ル酸アミド等が挙げられる。飽和脂肪酸ビス
アミドの例としては、メチレンビスステアリン酸アミ
ド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウ
リン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチ
レンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリ
ン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド等が挙
げられる。また、不飽和脂肪酸ビスアミドの例として
は、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビ
スオレイン酸アミド等が挙げられる。好ましいアミド系
化合物は、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスア
ミド等である。このようなアミド化合物の配合量は、1
0ppb〜1×105ppmの範囲である。
酸の金属塩化合物、例えばナフテン酸、カプリル酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、メリシン酸、
オレイン酸、リノ−ル酸等の飽和及び不飽和脂肪酸のリ
チュウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム
塩、カルシウム塩、及びコバルト塩等を同時に併用する
ことも可能である。これらの化合物の配合量は、10p
pb〜300ppmの範囲である。
トレ−、2軸延伸フイルム等の包装材、金属缶被覆用フ
イルム等として好ましく用いることが出来る。また、本
発明のポリエステルは、多層成形体や多層フイルム等の
1構成層としても用いることが出来る。
公知の紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、核剤、安定剤、帯
電防止剤、顔料などの各種の添加剤を配合してもよい。
なお、本発明における、主な特性値の測定法を以下に説
明する。
(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求
めた。
[DEG含量」という) メタノ−ルにより分解し、ガスクロマトグラフィ−によ
りDEG量を定量し、全グリコ−ル成分に対する割合
(モル%)で表した。
含量」という) 試料/蒸留水=1g/2mlを窒素置換したガラスアン
プルに入れて上部を溶封し、160℃で2時間抽出処理
を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感度ガ
スクロマトグラフィ−で測定し濃度をppmで表示し
た。
ム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて希釈
する。これにメタノールを加えてポリマーを沈殿させた
後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムア
ミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテ
レフタレート単位から構成される環状3量体を定量し
た。
増加量(△CT) 乾燥したポリエステルチップ3gをガラス製試験管に入
れ、窒素雰囲気下で290℃のオイルバスに60分浸漬
させ溶融させる。溶融時の環状3量体増加量は、次式に
より求める。 溶融時の環状3量体増加量(重量%)=溶融後の環状3
量体含有量(重量%)−溶融前の環状3量体含有量(重
量%)
を用い、1000kgのサンプルを篩い分け、篩を通過
したファインの量を秤量し含量を求める。
密度 四塩化炭素/n−ヘプタン混合溶媒の密度勾配管で25
℃で測定する。
約4mm)より試料を切り取り、東洋製作所製ヘイズメ
−タ−で測定。
より8mm×10mmの大きさの試験片を切り出し、測定試
料とした。成形板には、成形加工時の流動に由来する分
子配向が存在するが、配向状態は成形板の部位によりま
ちまちである。そこで、偏光面を直交させた2枚の偏光
板の間に成形板を挟み込み、偏光板表面に垂直な方向か
ら可視光を照射した際の、成形板を透過する光の強度分
布を観察することによって配向状態を確認した。上記寸
法内に分子配向の不均一(配向度や配向方向のゆらぎな
ど)を含むことのない部位より試験片を切り出した。そ
の際にあらかじめ光学異方性の方位を確認し、切り出す
試験片の方位との関係を以下のようにする。光学異方性
の方位は、偏光顕微鏡と鋭敏色検板を用い、新高分子実
験学6 高分子の構造(2)(共立出版株式会社)に記
載の方法で決定した。
方向と、試験片の長軸が平行になるように切り出した。
試験片を切り出す際に導入される配向乱れや切断面の凹
凸は測定結果に著しく影響を与える。そこで、切断面の
凹凸や配向の乱れた部位をカッターを用いて削除し、平
坦な面を得た。また、試験片の密度や分子配向の度合い
も結果に影響を及ぼす。密度及び複屈折の値は、それぞ
れ1.3345〜1.3355g/cm3及び1.30
×10−4〜1.50×10−4でなければならない。密
度は、試験片採取部位の近傍よりサンプリングした樹脂
を試料として、水系密度勾配管を用いて測定した。複屈
折は、偏光顕微鏡(ニコン社製ECLIPSEE600 POL)
を用いて、ベレックコンペンセーター法で測定した。測
定値は試験片の中央部で得られた値を採用した。上記の
ように作製した試験片の昇降温過程の寸法変化を、マッ
ク・サイエンス社製の熱機械分析(TMA)、タイプTM
A4000Sで測定した。測定は、圧縮荷重モードで行
い、試験片の長軸に平行な方向の試料長の変化を観測し
た。0.2gの一定圧縮荷重、Ar雰囲気下で、室温か
ら210℃まで27℃/min.の速度で昇温し、210℃
で180秒間保持後、室温まで47℃/min.の速度で降
温させ、寸法変化を測定した。寸法変化率の算出は、下
記の式を用いた。 寸法変化率(%)=〔(室温での測定前試料長)−(室
温での測定後試料長)〕/(室温での測定前試料長)×
100
c1)セイコ−電子工業株式会社製の示差熱分析計(D
SC)、RDC−220で測定。下記(12)の成形板
の2mm厚みのプレ−トの中央部からの試料10mgを
使用。昇温速度20度C/分で昇温し、その途中におい
て観察される結晶化ピ−クの頂点温度を測定し、昇温時
結晶化温度(Tc1)とする。
昇 ボトル口栓部を自家製の赤外線ヒ−タ−によって60秒
間熱処理し、天面から試料を採取し密度を測定した。
型機により、シリンダー温度290℃において、10℃
に冷却した段付平板金型を用い成形する。この段付成形
板は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11m
mの厚みの約3cm×約5cm角のプレートを階段状に
備えたもので、1個の重量は約146gである。2mm
厚みのプレ−トは密度上昇速度測定およびTc1測定
に、3mm厚みのプレ−トは寸法変化率測定に、また5
mm厚みのプレ−トはヘイズ(霞度%)測定に使用す
る。
に溶解(約1%濃度)し、不溶分を0.2μmのメンブ
ランフィルタ−で濾過後、走査型電子顕微鏡にて写真を
とり、粒径を測定する。フィルタ−上のポリエチレン粒
子10個の平均値を求める。
製作所製M−100射出成型機により樹脂温度290℃
でプリフォ−ムを成形した。このプリフォ−ムの口栓部
を自家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化させた後、コ
−ポプラスト社製LB−01延伸ブロ−成型機を用いて
二軸延伸ブロ−成形し、引き続き約150℃に設定した
金型内で10秒間熱固定し、1500ccの中空成形容
器を得た。成形が定常状態になった中空成形容器の胴部
のヘイズを測定する。同様の条件で連続的に延伸ブロ−
成形し、目視で判断して容器の透明性が損なわれるまで
の成形回数で金型汚れを評価した。また、ヘイズ測定用
試料としては、5000回連続成形後の容器の胴部を供
した。
るが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
1エステル化反応器に、高純度テレフタル酸とエチルグ
リコ−ルとのスラリ−を連続的に供給し、撹拌下、約2
50℃、0.5kg/cm2Gで平均滞留時間3時間反
応を行った。この反応物を第2エステル化反応器に送付
し、撹拌下、約260℃、0.05kg/cm2Gで所
定の反応度まで反応を行った。また、結晶性二酸化ゲル
マニウムを水に加熱溶解し、これにエチレングリコ−ル
を添加加熱処理した触媒溶液、および燐酸のエチレング
リコ−ル溶液を別々にこの第2エステル化反応器に連続
的に供給した。このエステル化反応生成物を連続的に第
1重合反応器に供給し、撹拌下、約265℃、25to
rrで1時間、次いで第2重合反応器で撹拌下、約26
5℃、3torrで1時間、さらに最終重合反応器で撹
拌下、約275℃、0.5〜1torrで1時間重合さ
せた。最終重縮合反応器の後に設置した混合機で直鎖状
低密度ポリエチレン(MI=0.9g/10分、密度=
0.923g/cm3)を平均分散粒径2μm以下に分
散させた溶融PETマスタ−を表1の添加量になるよう
に混合し、引き続きチップ化した。得られたPETのI
Vは0.54、DEG含量は2.4モル%であった。な
お、ポリエチレンを微分散させたPETマスタ−(ポリ
エチレン、約100ppm)は、乾燥PETと該ポリエ
チレン粉末を2軸押出機で混練りし、3μmの焼結金属
フィルタ−を通過させた後ペレット化させて作り、ポリ
エチレンの平均分散径を測定し、2μm以下であること
を確認した。
下、約155℃で結晶化し、さらに窒素雰囲気下で約2
00℃に予熱後、連続固相重合反応器に送り窒素雰囲気
下で約205℃で固相重合した。固相重合後、篩分工程
およびファイン除去工程で連続的に処理し表1記載のP
ETを得た。得られたPETの極限粘度は0.74デシ
リットル/グラム、環状3量体の含量は0.38重量
%、密度は1.400g/cm3、AA含量は2.7p
pmであった。また、得られたPETの成形板の寸法変
化率は、2.3%、Tc1は153.7℃、成形板ヘイ
ズは3.8%、ポリエチレンの平均分散粒子径は2μm
であった。このPETについて二軸延伸成型ボトルによ
る評価を実施した。結果を表1に示す。
題のない値であり、5000本以上の連続延伸ブロー成
形を実施したが、金型汚れは認められず、またボトルの
透明性も良好であった。また、このボトルに85℃の温
湯を充填し、キャッピング機によりキャッピングをした
後ボトルを倒し放置後、ボトル口栓部の変形および内容
物の漏れを調べたが、問題はなかった。得られたボトル
の胴部ヘイズは1.0%と良好であった。また、金型汚
れまでの成形回数は12000回と問題がなかった。ボ
トルのAA含量は20.3ppmと問題のない値であっ
た。
する以外は実施例1と同様にしてPETを得た。表1に
示す通り寸法変化率は1.4%、Tc1は149.3
℃、成形板ヘイズは6.7%、ポリエチレンの平均分散
粒子径は2μmであった。ボトル口栓部の変形および内
容物の漏れ評価では、問題はなかった。ボトル胴部ヘ−
ズは1.5%と良好で、金型汚れまでの成形回数は10
000回と問題のない結果が得られた。
−ブチルチタネ−トを使用し、ポリエチレン添加量を変
更する以外は実施例1と同様にしてPETを得た。種々
の評価を実施したが、表1に示す通り実施例1と同様に
問題のない結果が得られた。
する以外は実施例1と同様にして重縮合し、ファイン除
去能力を強化してファイン含有量を0.1ppm以下の
PETを得た。このPETチップを熱水処理した。ポリ
エステルチップの水処理には、図1に示す装置を用い、
処理槽上部の原料チップ供給口(1)、処理槽の処理水
上限レベルに位置するオ−バ−フロ−排出口(2)、処
理槽下部のポリエステルチップと処理水の混合物の排出
口(3)、このオ−バ−フロ−排出口から排出された処
理水と、処理槽から排出された処理水と、処理槽下部の
排出項から排出された水切り装置(4)を経由した処理
水が、濾材が紙製の30μmの連続式フィルタ−である
微粉除去装置(5)を経由して再び水処理槽へ送られる
配管(6)、これらの微粉除去済み処理水の導入口
(7)、微粉除去済み処理水中のアセトアルデヒドを吸
着処理させる吸着塔(8)、及び新しいイオン交換水の
導入口(9)を備えた内容量約320リットルの塔型の
処理槽を使用した。
処理槽へ50kg/時間の速度で処理槽上部の供給口
(1)から連続投入し、微粉含有量が約130ppmの
処理水を用いて水処理時間4時間で処理槽下部の排出口
(3)からPETチップとして50kg/時間の速度で
処理水と共に連続的に抜き出した。得られたPETのフ
ァイン含有量は30ppmであった。なお、処理水中の
微粉量は、処理層の処理水排出口からJIS規格20メ
ッシュのフィルタ−を通過した処理水を1000cc採
取し、岩城硝子社製1G1ガラスフィルタ−で濾過後、
100℃で2時間乾燥し室温下で冷却後、重量を測定し
て算出する。種々の評価を実施したが、表1に示す通り
実施例1と同様に問題のない結果が得られた。
よび添加量を変更する以外は実施例1と同一の方法で、
ポリエチレン含量が0.1ppbおよびポリエチレンの
平均分散粒径が5μmのPETを得た。なお、PETマ
スタ−作成時のフィルタ−は5μmの焼結金属フィルタ
−を使用した。表1に示す通り得られたPETからの成
形板の寸法変化率は6.8%、Tc1は173.4℃、
成形板ヘイズは3.0%であった。またこのPETから
成形したボトルに85℃の温湯を充填し、キャッピング
機によりキャッピングをした後ボトルを倒し放置後、ボ
トル口栓部の変形および内容物の漏れを調べたが、ボト
ル口栓部の変形および内容物の漏れが認められた。ボト
ル胴部ヘ−ズは9.3%と悪く、また金型汚れまでの成
形回数は3000回と低かった。
よび添加量を変更し、固相重合後のファイン除去能力を
強化する以外は実施例1と同一の方法でPETを得た。
なお、PETマスタ−作成時のフィルタ−は10μmの
焼結金属フィルタ−を使用した。表1に示す通り得られ
たPETからの成形板の寸法変化率は5.1%、Tc1
は167.8℃、成形板ヘイズは13.5%であった。
またこのPETから成形したボトルに85℃の温湯を充
填し、キャッピング機によりキャッピングをした後ボト
ルを倒し放置後、ボトル口栓部の変形および内容物の漏
れを調べたが、ボトル口栓部の変形および内容物の漏れ
が認められた。ボトル胴部ヘ−ズは5.9%と悪く、ま
た金型汚れまでの成形回数は5000回と低かった。
よび添加量を変更する以外は実施例1と同様にしてPE
Tを得た。なお、PETマスタ−作成時のフィルタ−は
50μmの焼結金属フィルタ−を使用した。表1に示す
通り通り得られたPETからの成形板の寸法変化率は
0.5%、Tc1は138.0℃、成形板ヘイズは2
3.9%であった。またこのPETを成形したボトルに
85℃の温湯を充填し、キャッピング機によりキャッピ
ングをした後ボトルを倒し放置後、ボトル口栓部の変形
および内容物の漏れを調べたが、ボトル口栓部の変形お
よび内容物の漏れが認められた。ボトル胴部ヘ−ズは1
1.4%と悪かった。
のよい、耐熱性が優れた大型中空成形品を得ることがで
き、またシ−ト成形、ボトル成形等において金型汚れが
少なく、長時間連続成形性に優れ、多数の成形品を透明
性が優れた状態で容易に成形することができる。
一例の略図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 主たる繰返し単位がエチレンテレフタレ
−トであるポリエステルであって、該ポリエステルを溶
融成形して得た成形体が下記(a)〜(c)の特性を示
すことを特徴とするポリエステル (a)熱機械分析(TMA)により測定した寸法変化率
が1.0%〜4.0% (b)ヘイズが10%以下 (c)昇温時結晶化温度が165℃以下 - 【請求項2】 ポリエステルの極限粘度が0.55〜
0.90dl/g、共重合されたジエチレングリコ−ル
含量が該ポリエステルを構成するグリコ−ル成分の1.
0〜5.0モル%であることを特徴とする請求項1記載
のポリエステル。 - 【請求項3】 ポリエステルの密度が1.37g/cm
3以上であることを特徴とする請求項1または2に記載
のポリエステル。 - 【請求項4】 アセトアルデヒド含量が10ppm以下
で環状3量体含量が0.5重量%以下であることを特徴
とする請求項1、2、または3に記載のポリエステル。 - 【請求項5】 Ge化合物及び/又はTi化合物を重縮
合触媒として用いて得られたことを特徴とする請求項
1、2、3、または4記載のポリエステル。 - 【請求項6】 290℃の温度で60分間溶融した時の
環状3量体増加量が0.30重量%以下であることを特
徴とする請求項1、2、3、4、または5記載のポリエ
ステル。 - 【請求項7】 請求項1,2,3,4,5,または6記
載のポリエステルを押出成形して成ることを特徴とする
シ−ト状物。 - 【請求項8】 請求項1,2,3,4,5,または6記
載のポリエステルから成ることを特徴とする中空成形
体。 - 【請求項9】 請求項7記載のシ−ト状物を少なくとも
1方向に延伸して成ることを特徴とする延伸フイルム。
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