JP3436167B2 - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
ポリエステル樹脂組成物Info
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Description
じめとする中空成形容器、フィルム、シートなどの成形
体の素材として好適に用いられるポリエステル樹脂組成
物に関するものであり、特に、中空成形体成型時の熱処
理金型からの離型性が良好で、長時間連続成形性に優
れ、透明性及び耐熱寸法安定性の優れた中空成形体を与
えるポリエステル樹脂組成物に関するものである。
レートであるポリエステル(以下PET樹脂と略称する
ことがある)は、その優れた透明性、機械的強度、耐熱
性、ガスバリアー性等の特性により、炭酸飲料、ジュー
ス、ミネラルウォータ等の容器の素材として採用されて
おり、その普及はめざましいものがある。これらの用途
において、ポリエステル製ボトルに高温で殺菌した飲料
を熱充填したり、また飲料を充填後高温で殺菌したりす
るが、通常のポリエステル製ボトルでは、このような熱
充填処理時等に収縮、変形が起こり問題となる。ポリエ
ステル製ボトルの耐熱性を向上させる方法として、ボト
ル口栓部を熱処理して結晶化度を高めたり、また延伸し
たボトルを熱固定させたりする方法が提案されている。
特に口栓部の結晶化が不十分であったり、また結晶化度
のばらつきが大きい場合にはキャップとの密封性が悪く
なり、内容物の漏れが生ずることがある。
め、例えば、特公昭59−6216号公報に見られる通
り、延伸ブロー金型の温度を高温にして熱処理する方法
が採られる。しかし、このような方法によって同一金型
を用いて多数のボトル成形を続けると、長時間の運転に
伴って得られるボトルが白化して透明性が低下し、商品
価値のないボトルしか得られなくなる。これは金型表面
にPET樹脂に起因する付着物が付き、その結果金型汚
れとなり、この金型汚れがボトルの表面に転写するため
であることが分かった。特に、近年では、ボトルの小型
化とともに成形速度が高速化されてきており、生産性の
面から金型汚れはより大きな問題となってきている。
ルウオ−タなどのように熱充填を必要とする飲料の場合
には、プリフォームまたは成形されたボトルの口栓部を
熱処理して結晶化する方法(特開昭55−79237号
公報、特開昭58ー110221号公報等に記載の方
法)が一般的である。このような方法、すなわち口栓
部、肩部を熱処理して耐熱性を向上させる方法は、結晶
化処理をする時間・温度が生産性に大きく影響し、低温
でかつ短時間で処理できる、結晶化速度が速いPET樹
脂であることが好ましい。一方、胴部についてはボトル
内容物の色調を悪化させないように、成形時の熱処理を
施しても透明であることが要求されており、口栓部と胴
部では相反する特性が必要である。
するために種々の提案がなされている。例えば、ポリエ
チレンテレフタレートにカオリン、タルク等の無機核剤
を添加する方法(特開昭56−2342号公報、特開昭
56−21832号公報)、モンタン酸ワックス塩等の
有機核剤を添加する方法(特開昭57−125246号
公報、特開昭57−207639号公報)があるが、こ
れらの方法は異物やくもりの発生を伴い実用化には問題
がある。また、耐熱性樹脂製ピースを口栓部に挿入する
方法(特開昭61−259946号公報、特開平2−2
69638号公報)が提案されているが、ボトルの生産
性が悪く、また、リサイクル性にも問題がある。
ら、金型表面への付着物の主成分である環状3量体をあ
らかじめPET樹脂を固相重合しておいて減少させる方
法が行われているが、この方法では再溶融してパリソン
成形する際に環状3量体が再生するためその効果は不十
分である。また、特公平3−47830号公報では、ポ
リエステル樹脂を90〜110℃の水で処理して触媒の
活性を抑制し、パリソン成形時の環状3量体の生成を制
御する方法が開示されている。しかしながら、この方法
ではその処理のための特別の装置と処理時間か必要とな
り、製造工程が複雑化するという問題がある。また、上
記方法で金型汚れは一応低減されるもののまだ、不十分
であり、場合によっては充分な効果が得られないもので
あった。
成物の有する問題点を解決し、長時間連続成形性に優
れ、透明性、耐熱寸法安定性の優れた成形品、特に容器
等の中空成形品を得ることができるポリエステル樹脂組
成物を提供することを目的とする。
め、本発明のポリエステル樹脂組成物は、主たる繰り返
し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステルの
チップ(A)と該ポリエステルのチップ(A)と同一組
成のポリエステルのファイン(B)0.1〜300pp
mとからなり、かつ290℃の温度で60分間溶融した
ときの環状3量体増加量が0.30重量%以下であるポ
リエステル樹脂組成物(C)に、ポリオレフィン樹脂
(D)を0.1ppb〜1000ppm配合させたこと
を特徴とする。この場合において、ファイン(B)の含
有量が120ppm以下、さらには、50ppm以下、
さらには、35ppm以下であることができる。
樹脂組成物は、溶融成形することにより、容易に透明
性、耐熱寸法安定性の優れた成形品、特に容器等の中空
成形品を得ることができ、ポリエステル樹脂組成物の中
のポリエステルのファイン(B)の量およびポリオレフ
ィン樹脂(D)の量を調節することで、口栓部結晶化が
速やかに起こり、かつ、口栓部収縮率が適正な範囲とな
る結晶化速度の樹脂組成物を得ようとするものであり、
さらには、従来の水処理による触媒失活樹脂よりも金型
を汚すことの少ない長時間連続成形性に優れたポリエス
テル樹脂組成物を得ることができる。
が、1.37g/cm3以上、環状3量体の含有量が
0.35重量%以下であることができる。
度が、0.55〜0.90デシリットル/グラムである
ことができる。
物(C)が、重縮合後チップ状に形成したものを、処理
槽中において下記(a)及び(b)の条件を満たす処理
水で処理されたものであることができる。 (a)温度40〜120℃ (b)処理槽からの排水を含む処理水
組成物(C)が、重縮合後チップ状に形成したものを、
処理槽中において下記(c)の条件を満たす処理水で処
理されたものであることができる。
が1000ppm以下の処理水 この場合において、ポリオレフィン樹脂(D)が、ポリ
エチレン樹脂であることができる。
(D)が、ポリプロピレン樹脂であることができる。
組成物の実施の形態を具体的に説明する。本発明で用い
る、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであ
るポリエステルは、好ましくは、エチレンテレフタレー
ト単位を85モル%以上含む線状ポリエステル、さらに
好ましくはポリエチレンテレフタレートからなるポリエ
ステルである。
カルボン酸としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、ジフェニールー4,4’−ジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカル
ボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オ
キシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、ア
ジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸等の脂肪
族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、シクロヘキサン
ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘
導体などが挙げられる。
リコールとしては、ジエチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジ
メタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、
ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳
香族グリコールなどが挙げられる。
物からなるその他の共重合成分としては、酸性分とし
て、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることが
でき、グリコール成分としてグリセリン、ペンタエリス
リトールを挙げることができる。以上の共重合成分の使
量は、ポリエステル樹脂が実質的に線状を維持する程度
でなければならない。
造方法によって製造することができる。例えば、テレフ
タール酸とエチレングリコールおよび必要により上記共
重合成分を直接反応させて水を留去しエステル化した
後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、またはテ
レフタル酸ジメチルとエチレングリコールおよび必要に
より上記共重合成分を反応させてメチルアルコールを留
去しエステル交換させた後、減圧下に重縮合を行うエス
テル交換法により製造される。
せ、アセトアルデヒド含量を低下させるために固相重合
を行ってもよい。このような製造工程の中で、溶融重合
ポリマーをチップ化する工程、固相重合工程、溶融重合
ポリマーチップや固相重合ポリマーチップを輸送する工
程等において、本来造粒時に設定した大きさのチップよ
りかなり小さな粒状体や粉等が発生する。ここでは、こ
のような微細な粒状体や粉等をファインと称する。
性質を持っており、多量に存在する場合には、このよう
なポリエステルから成形した成形品、特にボトルの透明
性が非常に悪くなったり、ボトル口栓部結晶化時の収縮
が大きくなってキャップで密栓できなくなる。また、フ
ァイン量を一定値以上にすることで金型汚れを安定して
低減させることができる、との知見を得た。このような
点を種々検討した結果、本発明に到達したのである。
形成するポリエステルの極限粘度は0.55〜0.90
デシリットル/グラムであるのが好ましく、0.58〜
0.87デシリットル/グラムであるのがより好まし
い。ポリエステルのチップ(A)の極限粘度が0.55
デシリットル/グラムより小さい場合は、本発明のポリ
エステル樹脂組成物を溶融成形して得られた成形品の透
明性、耐熱性、機械特性等が充分満足されないことがあ
る。また、極限粘度が0.90デシリットル/グラムよ
り大きくなるに従って成形品のアセトアルデヒド含量が
多くなる傾向にあり、飲料用ボトルには使用するのは向
かなくなる。
リンダー型、角型、または扁平な板状等の何れでもよ
く、その大きさは、縦、横、高さがそれぞれ通常1.8
〜4mm、好ましくは2〜4mmの範囲である。例えば
シリンダー型の場合は、長さは2〜4mm、径は2〜4
mm程度であるのが実用的である。
ァイン(B)の極限粘度は通常、0.55〜0.90、
好ましくは0.57〜0.88、さらに好ましくは0.
58〜0.87である。極限粘度が0.55より小さい
場合は得られた成形品の透明性が悪くなり、口栓部の収
縮が大きくなりすぎる。また、好ましくはPETのチッ
プの極限粘度と同一か、またはPETのチップの極限粘
度より0.03高い極限粘度の範囲であることが好まし
い。なお、ポリエステルのチップ(A)と同一組成とは
ファイン(B)の共重合成分、及び該共重合成分含量
が、ポリエステルのチップ(A)と同一であることを意
味する。
のポリエステル樹脂組成物中での含有量は0.1〜30
0ppm、好ましくは0.2〜250ppmである。配
合量が0.1ppm未満の場合は、結晶化速度が非常に
おそくなり、中空成形容器の口栓部の結晶化が不十分と
なり、このため口栓部の収縮が不足し、キャッピング不
可能となったり、また耐熱性中空成形容器を成形する延
伸熱固定金型の汚れが激しく、透明な中空成形容器を得
ようとすると頻繁に金型掃除をしなければならない。ま
た300ppmを超える場合は、結晶化速度が早くな
り、中空成形容器の口栓部の結晶化が過大となり、この
ため口栓部の収縮が大きくなって口栓部のキャッピング
不良となり内容物の漏れが生じたり、また中空成形用予
備成形体が白化し、このため正常な延伸が不可能とな
る。
の含有量を前記の範囲に調節する方法としては、篩分工
程を通していないファイン含有量の高いPET樹脂のチ
ップと篩分工程及び空気流によるファイン除去工程を通
したファイン含有量の非常に少ないPET樹脂チップを
適当な割合で混合する方法による他、ファイン除去工程
の飾の目開きを変更することにより調節することもで
き、また篩分速度を変更することによるなど任意の方法
を用いることができる。
のファイン(B)の量を0.1〜300ppmにするに
は、次のような方法が実用的である。即ち、まず、水処
理の工程において、処理するための水の少なくとも一部
は処理槽から排出した水を再度処理槽に戻し返し繰り返
し使用されている水であることが好ましい。水を再使用
することにより、処理水中の微粉(E)量をコントロー
ルすることが可能で、ひいては樹脂組成物のファイン量
をコントロールすることが容易である。微粉(E)量が
0である水を水処理に用いると、樹脂に付着していたフ
ァインが水によって流され0.1ppmを下回ることが
ある。
m以下になるように調節しながら行うことが好ましい。
微粉量が1000ppmを越える水を用いるとポリエス
テル樹脂組成物のファイン量が300ppmを越えるこ
とがある。
及び空気流によるポリエステルのファイン除去工程を通
したポリエステル樹脂組成物を用いるか、このポリエス
テル樹脂組成物のファイン量が0.1ppmを下回ると
きは、この低ファインポリエステル樹脂組成物にファイ
ン除去工程を通していないファイン量の多いポリエステ
ル樹脂組成物を混合するか、または水処理工程での処理
水から集められたり、ファイン除去工程から回収された
ファインを添加することで調整することができる。
0℃の温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量
が0.30重量%以下、好ましくは0.20重量%以
下、さらに好ましくは0.10重量%以下のポリエステ
ル樹脂組成物(C)にポリオレフィン樹脂(D)を0.
1ppbから1000ppm配合することが必要であ
る。
るポリエステル樹脂組成物を用いて中空成形を行うと、
環状3量体などのオリゴマー類が金型内面や金型のガス
の排気口、排気管に付着し、透明な中空成形容器を得よ
うとすると頻繁に金型掃除をしなけらばならない。29
0℃の温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量
が0.30重量%以下である本発明のポリエステル樹脂
組成物(C)は、溶融重縮合後や固相重合後に得られた
ポリエステルの重縮合触媒を失活処理することにより製
造することができる。
方法としては、溶融重縮合後や固相重合後にポリエステ
ルチップを水や水蒸気または水蒸気含有気体と接触処理
する方法が挙げられる。
チップを水や水蒸気または水蒸気含有気体と接触処理す
る方法を次に述べる。
やシャワーでチップ上に水をかける方法等が挙げられ
る。処理時間としては5分〜2日間、好ましくは10分
〜1日間、さらに好ましくは30分〜10時間で、水の
温度としては20〜180℃、好ましくは40〜150
℃、さらに好ましくは50〜120℃である。
るが、これに限定するものではない。また処理方法は連
続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えない
が、工業的に行うためには連続方式の方が好ましい。
理する場合は、サイロタイプの処理槽が挙げられる。す
なわちバッチ方式でポリエステルのチップをサイロへ受
け入れ水処理を行う。あるいは回転筒型の処理槽にポリ
エステルのチップを受け入れ、回転させながら水処理を
行い水との接触をさらに効率的にすることもできる。
する場合は、塔型の処理槽に継続的又は間欠的にポリエ
ステルのチップを上部より受け入れ、水処理させること
ができる。この概念図を図1に示す。
気含有ガスとを接触させて処理する場合は、50〜15
0℃、好ましくは50〜110℃の温度の水蒸気または
水蒸気含有ガスあるいは水蒸気含有空気を好ましくは粒
状ポリエチレンテレフタレート1kg当り、水蒸気として
0.5g以上の量で供給させるか、または存在させて粒
状ポリエチレンテレフタレートと水蒸気とを接触させ
る。この、ポリエステルのチップと水蒸気との接触は、
通常10分間〜2日間、好ましくは20分間〜10時間
行われる。
水蒸気または水蒸気含有ガスとの接触処理を工業的に行
なう方法を例示するが、これに限定されるものではな
い。また処理方法は連続方式、バッチ方式のいずれであ
っても差し支えない。
気と接触処理をする場合は、サイロタイプの処理装置が
挙げられる。すなわちポリエステルのチップをサイロへ
受け入れ、バッチ方式で、水蒸気または水蒸気含有ガス
を供給し接触処理を行なう。あるいは回転筒型の接触処
理装置に粒状ポリエチレンテレフタレートを受け入れ、
回転させながら接触処理を行ない接触をさらに効率的に
することもできる。
触処理する場合は塔型の処理装置に連続で粒状ポリエチ
レンテレフタレートを上部より受け入れ、並流あるいは
向流で水蒸気を連続供給し水蒸気と接触処理させること
ができる。
は粒状ポリエチレンテレフタレートを必要に応じて振動
篩機、シモンカーターなどの水切り装置で水切りし、次
の乾燥工程へ移送する。水又は水蒸気と接触処理したポ
リエステルのチップの乾燥は通常用いられるポリエステ
ルの乾燥処理を用いることができる。連続的に乾燥する
方法としては、上部よりポリエステルのチップを供給
し、下部より乾燥ガスを通気するホッパー型の通気乾燥
機が通常使用される。乾燥ガス量を減らし、効率的に乾
燥する方法としては回転ディスク型加熱方式の連続乾燥
機が用いられ、少量の乾燥ガスを通気しながら、回転デ
ィスクや外部ジャケットに加熱蒸気、加熱媒体などを供
給しポリエステルのチップを間接的に加熱乾燥すること
ができる。
ルコーン型回転乾燥機が用いられ、真空下であるいは真
空下少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥することができ
る。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥し
てもよい。乾燥ガスとしては大気空気でも差し支えない
が、ポリエステルの加水分解や熱酸化分解による分子量
低下を防止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好まし
い。上記のようにポリエステルに水又は水蒸気処理を施
すことによって、該ポリエチレンテレフタレートを29
0℃の温度に加熱溶融した後のオリゴマー増加量を抑制
することができる。
物中にポリオレフィン樹脂(D)を0.1ppb〜10
00ppm含むことが必要である。そのポリオレフィン
樹脂(D)としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体樹脂、
ポリメチルペンテン樹脂、アイオノマー樹脂等が挙げら
れる。これらのポリオレフィン樹脂(D)はポリエステ
ルの結晶化促進効果があり、特に耐熱PETボトルの口
栓部の結晶化を促進させるために単独で用いられるが、
単独では金型汚れ防止には殆ど効果がないことが分かっ
ている。しかし、特定量のこれらのポリオレフィン樹脂
(D)と特定量のポリエステルのファイン(B)とが存
在することによって金型汚れに非常に効果があることが
分かった。
チレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレ
ン、中高密度ポリエチレン、公知のランダム共重合ポリ
エチレン、ブロック共重合ポリエチレン等が挙げられ
る。これらの共重合ポリエチレンの共重合成分として
は、プロピレン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ベン
テン、1−オクテン、1−デセン等のα−オレフィンが
挙げられる。
プロピレンホモポリマー、公知のランダム共重合ポリプ
ロピレンやブロック共重合ポリプロピレン等が挙げられ
る。これらの共重合ポリプロピレンの共重合成分として
は、エチレン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ベンテ
ン、1−オクテン、1−デセン等のα−オレフィンが挙
げられる。
樹脂組成物中での配合割合は0.1ppb〜1000p
pm、好ましくは0.5ppb〜100ppm、さらに
好ましくは1.0ppb〜10ppmである。配合量が
0.1ppb未満の場合は、結晶化速度が非常におそく
なり、中空容器の口栓部の結晶化が不十分となるため、
サイクルタイムを短くすると口栓部の収縮が不足し、キ
ャッピング不可能となったり、また、耐熱性中空成形容
器を成形する延伸熱固定金型の汚れが激しく、透明な中
空成形容器を得ようとすると頻繁に金型掃除をしなけれ
ばならない。また1000ppmを超える場合は、結晶
化速度が早くなり、中空成形容器の口栓部の結晶化が過
大となり、このため口栓部の収縮が大きくなって口栓部
のキャッピング不良となり内容物の漏れが生じたり、ま
た中空成形容器用予備成形体が白化し、このため正常な
延伸が不可能となる。
エステル樹脂組成物(C)中に添加する時期、添加方法
は特に限定されず、溶融成形前の任意の段階で行うこと
ができる。例えば、重縮合触媒の失活処理工程後から溶
融成形工程前までの任意の時点で添加する方法、高濃度
のマスターバッチを作りブレンドする方法、ポリエステ
ルにタンブラーブレンダー等の混合機で混合し押出機等
を用いて溶融混錬りする方法、ポリエステル樹脂組成物
(C)に流動状態下においてポリオレフィン樹脂(D)
製の設備部材を接触させる方法、等を例示することがで
きる。
は、環状3量体を含むが、その含有量は0.35重量%
以下、好ましくは0.33重量%以下、さらに好ましく
は0.30重量%以下である。本発明のポリエステルか
ら耐熱性の中空成形品を成形する場合は加熱金型内で熱
処理を行うが、環状3量体の含有量が0.35重量%以
上含有する場合には、加熱金型表面へのオリゴマー付着
が急激に増加し、得られた中空成形品の透明性が非常に
悪化する。上記のように、本発明のポリエステル樹脂組
成物は、これを溶融成形することにより、容易に透明
性、耐熱寸法安定性の優れた成形品、特に飲料用容器等
の延伸中空成形品を得ることができ、ポリエステル樹脂
組成物の中のポリエステルのファイン(B)の量および
ポリオレフィン樹脂(D)の量を調節することで、口栓
部結晶化が速やかに起こり、かつ、口栓部収縮率が適正
な範囲となる結晶化速度の樹脂組成物であり、さらに
は、従来の水処理による触媒失活樹脂よりも金型を汚す
ことの少ない長時間連続成形性に優れたポリエステル樹
脂組成物である。特に、1L以下の容量の小型耐熱中空
成形容器を高速度で生産するような場合に、好都合なポ
リエステル樹脂組成物である。
のホットパリソン法、またはコールドパリソン法等の方
法によって透明性な、耐熱性に優れた中空成形品を製造
することができる。また、フィルム、シートなどの成形
品や多層中空成形品を製造することも好ましい。
要に応じて公知の紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、核剤、
安定剤、帯電防止剤、顔料などの各種の添加剤を配合し
てもよい。なお、本発明における、主な特性値の測定法
を以下に説明する。
(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求
めた。
ム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて希釈
する。これにメタノールを加えてポリマーを沈殿させた
後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムア
ミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテ
レフタレート単位から構成される環状3量体を定量し
た。
増加量(△CT) 乾燥したポリエステルチップ3gをガラス製試験管に入
れ、窒素雰囲気下で290℃のオイルバスに60分浸漬
させ溶融させる。溶融時の環状3量体増加量は、次式に
より求める。 溶融時の環状3量体増加量(重量%)=溶融後の環状3
量体含有量(重量%)−溶融前の環状3量体含有量(重
量%)
を用い、1000kgのサンプルを篩い分け、篩を通過
したファインの量を秤量し含量を求める。
℃で測定する。
り取り、東洋製作所製ヘイズメーターで測定。
の口栓部の高さを測定して下式より求める。 口栓部収縮率(%)=(H1−H2)/H1×100 口栓部高さとは、口栓部天面から口栓部サポートリング
下端部までの距離とする。また、上式のH1とH2は H1:結晶化前の口栓部高さ(mm) H2:結晶化後の口栓部高さ(mm) とする。
物を脱湿空気を用いた乾燥機で乾燥し、各機製作所製M
−100射出成型機により樹脂温度290℃でプリフォ
ームを成形した。このプリフォームの口栓部を自家製の
口栓部結晶化装置で加熱結晶化させた後、コーポプラス
ト社製LB−01延伸ブロー成型機を用いて二軸延伸ブ
ロー成形し、引き続き約155℃に設定した金型内で1
0秒間熱固定し、500ccの中空成形容器を得た。同
様の条件で連続的に延伸ブロー成形し、目視で判断して
容器の透明性が損なわれるまでの成形回数で金型汚れを
評価した。また、ヘイズ測定用試料としては、5000
回連続成形後の容器の胴部を供した。
m) 処理槽の処理水中の排出口からJIS規格20メッシュ
のフィルターを通過した処理水を1000cc採取し、
岩城硝子社製1G1ガラスフィルターで濾過後、100
℃で2時間乾燥し室温下で冷却後、重量を測定して算出
する。
るが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
1エステル化反応器に、高純度テレフタル酸とエチルグ
リコールとのスラーを連続的に供給し、撹拌下、約25
0℃、380torrで平均滞留時間3時間反応を行っ
た。また、結晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解
し、これにエチレングリコールを添加加熱処理した触媒
溶液、および燐酸のエチレングリコール溶液を別々にこ
の第1エステル化反応器に連続的に供給した。この反応
物を第2エステル化反応器に送付し、撹拌下、約260
℃、38torrで所定の反応度まで反応を行った。こ
のエステル化反応生成物を連続的に第1重合反応器に送
り、撹拌下、約265℃、25torrで1時間、次い
で第2重合反応器で撹拌下、約265℃、3torrで
1時間、さらに第3重合反応器で撹拌下、約275℃、
0.5〜1torrで1時間重合させた。得られたPE
T樹脂のIVは0.53、DEG含量は2.6モル%で
あった。この樹脂をひきつづき窒素雰囲気下、約155
℃で結晶化し、さらに窒素雰囲気下で約200℃に予熱
後、連続固相重合反応器に送り窒素雰囲気下で約205
℃で固相重合した。固相重合後篩分工程およりファイン
除去工程で連続的に処理しファインを除去した。得られ
たPET樹脂の極限粘度は0.74デシリットル/グラ
ム、環状3量体の含量は0.31重量%、密度は1.4
00g/cm3であった。
す装置を用い、処理槽上部の原料チップ供給口(1)、
処理槽の処理水上限レベルに位置するオーバーフロー排
出口(2)、処理槽下部のポリエステルチップと処理水
の混合物の排出口(3)、このオーバーフロー排出口か
ら排出された処理水と、処理槽から排出された処理水
と、処理槽下部の排出項から排出された水切り装置
(4)を経由した処理水が、濾材が紙製の30μmの連
続式フィルターである微粉除去装置(5)を経由して再
び水処理槽へ送られる配管(6)、これらの微粉除去済
み処理水の導入口(7)、微粉除去済み処理水中のアセ
トアルデヒドを吸着処理させる吸着塔(8)、及び新し
いイオン交換水の導入口(9)を備えた内容量約320
リットルの塔型の処理槽を使用した。処理水温度95℃
にコントロールされた水処理槽へ50kg/時間の速度
で処理槽上部の供給口(1)から連続投入し、微粉含有
量が約130ppmの処理水を用いて水処理時間4時間
で処理槽下部の排出口(3)からPETチップとして5
0kg/時間の速度で処理水と共に連続的に抜き出し
た。得られたPET樹脂組成物のファイン含有量は35
ppm、溶融時の環状3量体増加量(△CT)は0.0
4重量%であった。このPET樹脂組成物に粉砕したポ
リエチレン(三菱化学製「UE320」)を約30pp
bドライブレンドしてPET樹脂組成物を得た。この組
成物について二軸延伸成型ボトルによる評価を実施し
た。結果を表1に示す。5000本以上の連続延伸ブロ
ー成形を実施したが、金型汚れは認められず、またボト
ルの透明性も良好であった。また、この容器に90℃の
温湯を充填し、キャッピング機によりキャッピングをし
た後ボトルを倒し放置後、口栓部の変形、及び内容物の
漏洩を調べたが、問題はなかった。得られたボトルの口
栓部の収縮率は4.6%、胴部ヘイズは1.5%と良好
であった。また、金型汚れまでの成形回数は15000
回と問題がなかった。
したPET樹脂を使用し、微粉量含有量の異なる処理水
を使用する以外は実施例1と同一の方法により同一の水
処理槽で水処理を行い、次いでドライブレンドするPE
の添加量を変更する以外は実施例1と同一の方法によっ
てPET樹脂組成物を製造した。表1に示す通り実施例
1と同様に問題のない結果が得られた。
リプロピレン(三菱化学社製FA3D)を使用する以外
は、実施例1と同様にしてPET組成物を得た。実施例
1と同様に問題のない結果が得られた。
樹脂を製造し、篩分工程およびファイン除去工程の能力
を上げてファイン含有量が0.05ppmのPET樹脂
組成物を得た。これを水処理せずに評価したところ、表
1に示す通り金型汚れはひどく得られたボトルの透明性
は非常に悪かった。
更する以外は、実施例3と同様にしてPET樹脂を得
た。このPETチップを篩分工程およびファイン除去工
程で処理速度および篩分工程の篩の目開きを変更して処
理し、比較例1よりファイン含有量の非常に多いPET
組成物を得た。表1に示す通り、不透明なボトルしか得
られなかった
ば、ポリエステルのファイン(B)が0.1〜300p
pm含まれ、290℃の温度で60分間溶融したときの
環状3量体増加量が0.30重量%以下であるポリエス
テル樹脂組成物にポリオレフィン樹脂(D)が0.1p
pb〜1000ppmの範囲で含まれていることにより
シート成形、ボトル成形等において金型汚れが少なくな
り、長時間、多数の成形品を透明性が優れた状態で容易
に成形することができる。そして、透明性のよい、耐熱
寸法安定性が優れ、口栓部の結晶化が適正である中空成
形品を得ることができる。これは、水処理により溶融成
形品のオリゴマ−含量増加量が極力おさえられると共
に、延伸時や熱固定時にポリエステルのファイン及びポ
リオレフィン樹脂が存在することにより成形品表面の結
晶化の程度が成形品内部の結晶化の程度より高くなり、
このため環状3量体等オリゴマーが表面に至らず表面近
くの内部にとじこめられるため金型汚れが少なくなるの
ではないかと推測される。
の概略図。
Claims (10)
- 【請求項1】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
レートであるポリエステルのチップ(A)と該ポリエス
テルのチップ(A)と同一組成のポリエステルのファイ
ン(B)0.1〜300ppmとからなり、かつ290
℃の温度で60分間溶融したときの環状3量体増加量が
0.30重量%以下であるポリエステル樹脂組成物
(C)に、ポリオレフィン樹脂(D)を0.1ppb〜
1000ppm配合させたことを特徴とするポリエステ
ル樹脂組成物。 - 【請求項2】 ファイン(B)の含有量が120ppm
以下であることを特徴とする請求項1記載のポリエステ
ル樹脂組成物。 - 【請求項3】 ファイン(B)の含有量が50ppm以
下であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル
樹脂組成物。 - 【請求項4】 ファイン(B)の含有量が35ppm以
下であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル
樹脂組成物。 - 【請求項5】 ポリエステルの密度が1.37g/cm
3以上であることを特徴とする請求項1、2、3または
4記載のポリエステル樹脂組成物。 - 【請求項6】 ポリエステルの極限粘度が0.55〜
0.90dl/g、環状3量体の含有量が0.35重量
%以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4ま
たは5記載のポリエステル樹脂組成物。 - 【請求項7】 ポリエステル樹脂組成物(C)が、重縮
合後チップ状に形成したものを、処理槽中において下記
(a)および(b)の条件を満たす処理水で処理された
ものであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5
または6記載のポリエステル樹脂組成物。 (a)温度40〜120℃ (b)処理槽からの排水を含む処理水 - 【請求項8】 ポリエステル樹脂組成物(C)が、重縮
合後チップ状に形成したものを、処理槽中において下記
(c)の条件を満たす処理水で処理されたものであるこ
とを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7
記載のポリエステル樹脂組成物。 (c)ポリエステルの微粉(E)の含有量が1000p
pm以下の処理水 - 【請求項9】 ポリオレフィン樹脂(D)が、ポリエチ
レン樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3、
4、5、6、7または8記載のポリエステル樹脂組成
物。 - 【請求項10】 ポリオレフィン樹脂(D)が、ポリプ
ロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1、2、
3、4、5、6、7または8記載のポリエステル樹脂組
成物。
Priority Applications (8)
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---|---|---|---|
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TW088114537A TW564251B (en) | 1998-08-27 | 1999-08-25 | Polyester resin and production method thereof |
EP99116606A EP0982367B1 (en) | 1998-08-27 | 1999-08-25 | Polyester resin and production method thereof |
DE69932006T DE69932006T8 (de) | 1998-08-27 | 1999-08-25 | Polyesterharz und Verfahren zu seiner Herstellung |
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ID=11868496
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3436167B2 (ja) |
-
1999
- 1999-01-22 JP JP1470199A patent/JP3436167B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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