JP2001002555A

JP2001002555A - 皮膚化粧料

Info

Publication number: JP2001002555A
Application number: JP11177904A
Authority: JP
Inventors: Koji Sakuta; 晃司作田
Original assignee: Shin Etsu Chemical Co Ltd
Current assignee: Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date: 1999-06-24
Filing date: 1999-06-24
Publication date: 2001-01-09
Also published as: EP1062942A3; US6503519B1; EP1062942B1; EP1062942A2; US20030031641A1

Abstract

(57)【要約】【課題】非水系及び水系のいずれの場合においても、増
粘剤に起因するべたつき感がない上使用感に優れたゲル
状制汗剤組成物や保存安定性に優れた非水系の均一ペー
スト状ビタミンＣ含有スキンケア組成物の様な皮膚化粧
料を提供すること。【解決手段】親水性のポリオキシエチレン基を含むと共
に架橋構造を有するシリコーン重合物、及びシリコーン
オイルとからなるペースト状シリコーン組成物を基材と
して含有してなる皮膚化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は３次元架橋構造を持
つシリコーン重合物とシリコーンオイルからなるペース
ト状組成物を配合した皮膚化粧料に関し、特に発汗抑制
活性を有するアルミニウム化合物を含有させてなる、べ
たつき感や油感がない上伸びが軽く清涼感に優れた特徴
を有する制汗剤組成物、及びビタミンＣを安定に、かつ
均一分散することのできるスキンケア用組成物に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】発汗を抑制する活性成分としてアルミニ
ウム化合物を配合した制汗剤が数多く使用されており、
制汗剤組成物の形態も、非水系あるいは水系の液状組成
物、固形状組成物、スプレー組成物等として用いられて
いる。非水系の液状組成物の場合には、上記活性成分を
油性成分に分散させて得られるが、油感がある上保存中
に活性成分が沈降するため、使用前に十分混合させるこ
とが必要となる。また皮膚へ塗布したときに、必要部位
から垂れやすいという欠点を有する。そこで、油感を減
らす目的でシリコーンオイルへ分散させた場合でも、保
存中の活性成分の沈降や塗布したときの垂れ易さは解消
されない。

【０００３】一方、非水系組成物にワックス成分を配合
してスティック状の固形状組成物とした場合には、ワッ
クス成分に起因するべたつき感が生じる。このべたつき
感は油成分としてシリコーンオイルを用いても解消され
にくい。またモンモリロナイト等の粘土鉱物を増粘剤と
し、クリーム状ないしゲル状組成物としても、増粘剤に
よるべたつき感を消すことができない。例えば、ジベン
ジリデンソルビトールをゲル化剤としプロピレングリコ
ールを分散媒としたスティック状組成物の場合でも、強
いべたつき感を生ずる。この系に感触向上剤としてシリ
コーンオイルを配合しようとしても、それを均一分散さ
せることはできない。

【０００４】これに対し、水系の液状組成物の場合に
は、活性成分を、水あるいは水／アルコール溶液へ分散
させて得られるが、均一に溶解することにより、保存中
に活性成分が沈降することはなくなる。しかしながら、
塗布したときの垂れやすさは解消されない。また、水系
組成物ではポリアクリル酸塩等を増粘剤としてクリーム
状ないしゲル状組成物とすることが出来るが、非水系の
場合と同様に、増粘剤によるべたつき感が残る。また乳
化剤を用いて水中油型あるいは油中水型のクリーム状組
成物としても、乳化剤による刺激性やべたつき感が生ず
る。

【０００５】一方、皮膚へ栄養を補給する目的で各種ビ
タミン類を配合した化粧料の場合には、水溶性のビタミ
ンＣを安定に、かつ均一に分散することが困難となる。
これはビタミンＣの水溶液は容易に酸化分解するため、
保存安定性に劣ることによる。そこで、水中油型あるい
は油中水型の乳化物とした場合でも保存安定性は解決さ
れない。従って、例えばアルコールを分散媒として非水
系の組成物とする場合があるが、これに感触向上剤とし
てシリコーンオイルを加えた組成物とした場合には、均
一な分散物を得ることは困難である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第１
の目的は非水系及び水系のいずれの場合においても、増
粘剤に起因するべたつき感がない上使用感に優れたゲル
状制汗剤組成物であって、特に乳化剤が不要である乳化
型制汗剤組成物等の皮膚化粧料を提供することにある。
本発明の第２の目的は、低級アルコール及びシリコーン
オイルを分散媒とし、保存安定性に優れた、非水系の均
一ペースト状ビタミンＣ含有スキンケア組成物の様な皮
膚化粧料を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、親水性のポリ
オキシエチレン基を含むと共に架橋構造を有するシリコ
ーン重合物とシリコーンオイルからなるペースト状シリ
コーン組成物を基材とすることにより、使用感に優れた
制汗剤組成物や、保存安定性に優れたビタミンＣ含有ス
キンケア組成物が得られることを見出し、本発明をなす
に至った。即ち、本発明は、親水性のポリオキシエチレ
ン基を含むと共に架橋構造を有するシリコーン重合物、
及びシリコーンオイルとからなるペースト状シリコーン
組成物を基材として含有してなる皮膚化粧料である。

【０００８】本発明におけるペースト状シリコーン組成
物は、一般式Ｒ^１ _ａＲ^２ _ｂＨ_ｃＳｉＯ（
_{４−ａ−ｂ−ｃ）／２}（１）で表されるポリオキシアル
キレン基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ン及び／又は一般式Ｒ^１ _ｊＨ_ｋＳｉＯ_（４−
_{ｊ−ｋ）／２}（２）で表されるオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンと、一般式Ｃ_ｍＨ_２ｍ−１Ｏ（Ｃ_２Ｈ_４
Ｏ）_ｐ（Ｃ_３Ｈ_６Ｏ）_ｑＣ_ｍＨ_２ｍ−１（Ａ）で表され
るポリオキシアルキレン及び／又は一般式Ｒ^１ _ｄＲ^３ _ｅ
ＳｉＯ_{（４−ｄ−} _ｅ）／２（Ｂ）で表されるオルガノポ
リシロキサンとの組み合わせのうち、一般式（１）及び
／又は一般式（Ａ）で表される成分を必須成分として付
加重合してなると共に、架橋構造を有するシリコーン重
合物をシリコーンオイル中に均一分散して得られる組成
物である。ここでＲ^１は炭素数１〜１８の一価アルキル
基若しくはアリール基、アラルキル基又はハロゲン化炭
化水素基であり、Ｒ^２は一般式−Ｃ_ｎＨ_２ｎＯ（Ｃ_２Ｈ
_４Ｏ）_ｆ（Ｃ_３Ｈ_６Ｏ）_ｇＲ^４で表される有機基であ
り、Ｒ^３は末端ビニル基を有する炭素数２〜１０の一価
炭化水素基であり、Ｒ^４は水素原子若しくは炭素数１〜
１０の飽和有機基又はＲ^５−ＣＯ−で表される基、Ｒ^５
は炭素数１〜５の飽和有機基であり、１．０≦ａ≦２．
５，０．００１≦ｂ≦１．０，０．００１≦ｃ≦１．
０，１．０≦ｄ≦３．０，０．００１≦ｅ≦１．５，
１．０≦ｊ≦３．０，０．００１≦ｋ≦１．５，ｆ及び
ｐは２〜２００の整数、ｇ及びｑは０〜２００の整数、
ｍ及びｎは２〜６である。具体的には特開平４−２７２
９３２号に開示されているシリコーン組成物、または、
上記一般式（１）及び／又は一般式（２）のオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンと、一般式（Ａ）のオルガ
ノポリシロキサン及び／又は一般式（Ｂ）のオルガノポ
リシロキサンとの組み合わせのうち、一般式（１）及び
／又は一般式（Ａ）で表される成分を必須成分とし、さ
らに２５℃における粘度が１００ｍｍ^２／ｓ以下の低粘
度シリコーン油及び／又は多価アルコールを加えて付加
重合してなると共に、架橋構造を有するシリコーン重合
物をシリコーンオイル中に均一分散して得られる、特開
平５−１４０３２０号に開示されているシリコーン組成
物である。本発明においては、このペースト状シリコー
ン組成物を基材とし（これをＡ成分とし）、以下に示す
（Ｂ）〜（Ｆ）成分と組み合わせることにより、制汗剤
組成物やスキンケア組成物等の皮膚化粧料を得ることが
できる。

【０００９】（Ｂ）成分の発汗抑制活性を有するアルミ
ニウム化合物は、アルミニウムクロロハイドレート、ア
ルミニウム−ジルコニウムクロロハイドレートであり、
具体的にはマイクロドライＵＦ、REACH101、同103、同3
01、同301溶液、同501、同501溶液、REHYDOL II、REACH
AZP 902、同908、同855、REACH AZZ 902、同855、REAC
H AZN 885、REZAL 36P、同36溶液、同36GP、同36G溶
液、同67P、同67溶液（REHEIS社商品名）が挙げられ
る。

【００１０】（Ｃ）成分の低級アルコールとしては、エ
タノール、２−プロパノール等の１価アルコール、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、トリプロピレングリコール、イソプロテレノー
ル、グリセリン等の多価アルコールが挙げられる。本発
明においては、水溶性のアルコール類が好ましく、特
に、エタノール、ジプロピレングリコールが好ましい。

【００１１】（Ｅ）成分のシリコーンオイルは、２５℃
における粘度が１００ｍｍ^２／ｓ以下であり、具体的に
は直鎖あるいは分岐状のジメチルシリコーン、メチルフ
ェニルシリコーン、或いはフッ素変性シリコーンであ
る。本発明においては、粘度が５０ｍｍ^２／ｓ以下のシ
リコーンオイルが好ましく、特に、沸点が２５０℃以下
の揮発性ジメチルシリコーンオイルが好ましい。

【００１２】（Ａ）成分のペースト状シリコーン組成物
を基材とし、このＡ成分と（Ｂ）成分の活性成分を主剤
とすることにより制汗剤組成物を得ることができる。こ
の制汗剤組成物は、非水系でクリーム状ないしゲル状を
呈するが、増粘剤成分が架橋したシリコーン重合物であ
るため、べたつき感がなく伸びの軽い組成物となる。非
水系の制汗剤組成物を得るには、（Ａ）成分１００重量
部に対して、（Ｂ）成分を５０〜５００重量部とするこ
とが好まし、特に５０〜３００重量部とすることが好ま
しい。（Ｂ）成分が５０重量部より少ないと制汗効果が
低く、５００重量部を越えると使用感が重くなる。

【００１３】外観が透明ゲル状の制汗剤組成物を得る場
合には、（Ａ）成分１００重量部に対して、（Ｂ）成分
が１００〜１,０００重量部、（Ｃ）成分が１００〜２,
０００重量部、（Ｄ）成分が５０〜３,０００重量部で
あることが好ましい。（Ｂ）成分が１００重量部より少
ないと制汗効果が低くなり、１,０００重量部を越える
と使用感が重くなるので、特に、（Ｂ）成分を１００〜
５００重量部使用することが好ましい。

【００１４】（Ｃ）成分が１００重量部より少ないと外
観の透明性が失われ、２,０００重量部を越えるとべた
つき感を生じるので、（Ｃ）成分の使用量は１００〜
１,０００重量部であることが特に好ましい。また、
（Ｄ）成分が５０重量部より少ないと清涼感が不足し、
３,０００重量部を越えると透明性が失われるので、特
に１００〜２,０００重量部であることが好ましい。

【００１５】一方、油中水型の乳化組成物を得るには、
（Ａ）成分１００重量部に対して、（Ｂ）成分を１００
〜２,０００重量部、（Ｄ）成分を５０〜５,０００重量
部とすることが好ましい。（Ｂ）成分が１００重量部よ
り少ないと制汗効果が低くなり、２,０００重量部を越
えると使用感が重くなるので、この場合の（Ｂ）成分の
使用量は１００〜１,０００重量部であることが好まし
い。

【００１６】（Ｄ）成分が５０重量部より少ないと清涼
感が不足し、５,０００重量部を越えると乳化物の安定
性が失われるので、（Ｄ）成分の使用量は１００〜３,
０００重量部であることが好ましい。これらの成分以外
に、通常の制汗剤に用いうる成分、具体的にはシリコー
ン油、エステル油、炭化水素油等の油剤、セチルアルコ
ール、ステアリルアルコール等の高級アルコール、香料
等を更に配合しても良い。

【００１７】ビタミンＣ含有スキンケア組成物を得る場
合には、（Ａ）成分１００重量部に対して、（Ｃ）成分
を１００〜１,０００重量部、（Ｅ）成分を１００〜１,
０００重量部、及びビタミンＣを０．５〜１００重量部
とすることが好ましい。（Ｃ）成分が１００重量部より
少ないとビタミンＣの相溶性が不足し、１,０００重量
部を越えると使用感が損なわれるので、（Ｃ）成分の使
用量は１００〜５００重量部であることが好ましい。ま
た、（Ｅ）成分が１００重量部より少ないと使用感が損
なわれ、１,０００重量部を越えると組成物がペースト
状を呈さなくなるので、（Ｅ）成分の使用量は好ましく
は１００〜５００重量部であることが好ましい。

【００１８】一方、ビタミンＣ成分が０．５重量部より
少ないとスキンケア効果が低く、１００重量部を越える
と均一な分散物を得ることが難しくなるので、その使用
量は、特に０．５〜５０重量部であることが好ましい。
これらの成分以外に、通常のスキンケア化粧料に用いう
る成分、具体的にはエステル油、炭化水素油等の油剤、
セチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アル
コール、香料、ビタミンＡ、Ｂ、Ｄ、Ｅ、Ｆ、Ｋ、Ｌ、
Ｔ、Ｕ等のビタミン類を更に配合しても良い。

【００１９】

【発明の効果】本発明の制汗剤組成物は、べたつき感や
油性感がない上伸びが軽く、清涼感に優れた使用感を得
ることが出来る。また、本発明のスキンケア組成物は、
使用感とビタミンＣの保存安定性に優れるので、本発明
の皮膚化粧料は、従来のものより改善された優れたもの
である。

【００２０】

【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、基材となるペースト状シリコーン組成物は、下記の
合成例１で得られたシリコーン重合体を用いて調製し
た。

【００２１】合成例１．反応器中に、平均組成式が下式で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン１０
０ｇ、エタノール１０３．０ｇ、及び、平均組成式がＣＨ_２＝ＣＨＣＨ_２Ｏ（Ｃ_２Ｈ_４Ｏ）_１０ＣＨ_２ＣＨ＝
ＣＨ_２で示されるポリオキシアルキレン２３．６ｇ並びに塩化
白金酸３重量％のエタノール溶液０．３ｇを仕込み、内
温を７０〜８０℃に維持して２時間撹拌した後、減圧下
で溶剤を除去し、シリコーン重合物を得た。

【００２２】ついで、このシリコーン重合物１００重量
部に、２５℃における粘度が６ｍｍ ^２／ｓであるジメチ
ルポリシロキサン３００重量部を混合した後、三本ロー
ルミルで混練し、ペースト状シリコーン組成物を得た
（シリコーン組成物１）。また上記のシリコーン重合物
にデカメチルシクロペンタシロキサン４００重量部を混
合した後、三本ロールミルで混練し、ペースト状シリコ
ーン組成物を得た（シリコーン組成物２）。

【００２３】実施例１〜３．非水系制汗剤組成物表１に示す組成の非水系制汗剤組成物を調製した。

【表１】以上のようにして得られたロールオンタイプの制汗剤
は、伸びが軽く、清涼感があってさっぱりとしており、
べたつき感や油性感がなく、さらに温度や経時による変
化もなく、使用性と安定性に優れるものであった。

【００２４】実施例４〜６．透明ゲル状制汗剤組成物表２に示す組成物の透明ゲル状制汗剤組成物を調製し
た。

【表２】以上のようにして得られた透明ゲル状の制汗剤は、伸び
が軽く、清涼感があってさっぱりとしており、べたつき
感や油性感がなく、さらに温度や経時による変化もな
く、使用性と安定性に優れるものであった。

【００２５】実施例７〜９．油中水型乳化制汗剤組成物表３に示す組成の油中水型乳化型制汗剤組成物を調製し
た。

【表３】以上のようにして得られた油中水型乳化制汗剤は、伸び
が軽く、清涼感があってさっぱりとしており、べたつき
感や油性感がなく、さらに温度や経時による変化もな
く、使用性と安定性に優れるものであった。

【００２６】実施例１０〜１２．ビタミンＣ含有スキンケア組成物表４に示す組成のビタミンＣ含有スキンケア組成物を調
製した。

【表４】以上のようにして得られたビタミンＣ含有スキンケア組
成物は、伸びが軽く、清涼感があってさっぱりとしてお
り、べたつき感や油性感がなく、さらに温度や経時によ
る変化もなく、使用性と安定性に優れるものであった。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 4C083 AB051 AB212 AB221 AB222 AC072 AC101 AC122 AC302 AC422 AD112 AD151 AD152 AD172 AD641 AD642 AD662 CC02 CC17 DD28 DD32 DD41 EE01 EE07

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】親水性のポリオキシエチレン基を含むと
共に架橋構造を有するシリコーン重合物、及び、シリコ
ーンオイルとからなるペースト状シリコーン組成物を、
基材として含有してなる皮膚化粧料。
【請求項２】請求項１に記載されたペースト状シリコ
ーン組成物１００重量部に対して、発汗抑制活性を有す
るアルミニウム化合物５０〜５００重量部を含有してな
る、非水系制汗皮膚化粧料。
【請求項３】（Ａ）請求項１に記載されたペースト状
シリコーン組成物１００重量部に対して、（Ｂ）発汗抑
制活性を有するアルミニウム化合物１００〜１,０００
重量部（Ｃ）低級アルコール１００〜２,０００重量部、及
び、（Ｄ）水５０〜３,０００重量部を含有する透明ゲ
ル状制汗皮膚化粧料。
【請求項４】（Ａ）請求項１に記載されたペースト状
シリコーン組成物１００重量部に対して、（Ｂ）発汗抑
制活性を有するアルミニウム化合物１００〜２,０００
重量部、及び、（Ｄ）水５０〜５，０００重量部を含有
する油中水型制汗皮膚化粧料。
【請求項５】（Ａ）請求項１に記載されたペースト状
シリコーン組成物１００重量部に対して、（Ｃ）低級ア
ルコール１００〜１,０００重量部（Ｅ）２５℃におけ
る粘度が１００ｍｍ^２／ｓ以下のシリコーンオイル１０
０〜１,０００重量部、及び、（Ｆ）ビタミンＣ０．５
〜１００重量部を含有する非水系皮膚化粧料。