JP2001001775A - 作業車のトランスミッション - Google Patents

作業車のトランスミッション

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JP2001001775A JP11175093A JP17509399A JP2001001775A JP 2001001775 A JP2001001775 A JP 2001001775A JP 11175093 A JP11175093 A JP 11175093A JP 17509399 A JP17509399 A JP 17509399A JP 2001001775 A JP2001001775 A JP 2001001775A
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hsts
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shaft
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俊明 岡西
Yasuo Seno
泰男 瀬野
Koji Kiyooka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行駆動用のHST及び旋回用のHSTを備
えた作業車のトランスミッションのコンパクト化及び製
造コスト低減を図るための、ミッションケース内の潤滑
油を循環させる経路のレイアウトを提供する。 【解決手段】差動的に相互結合された左右の車軸と、該
車軸への動力を無段変速する二つのHST25・28と
を有し、うち一のHST25を作動させたときに左右の
車軸を同方向に駆動して機体を直進させ、他のHST2
8を作動させたときに左右の車軸に相対回転差を与えて
機体を旋回させるように構成された作業車のトランスミ
ッションにおいて、上記二つのHSTはミッションケー
ス22を挟んで向かい合わせに取り付けられ、更に、二
つのうち一方のHSTのハウジング内に導入された油
を、パイプ部材79を経由して他方のHSTのハウジン
グ内に導入した後、他方のHSTのハウジングからミッ
ションケースへ排出されるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行駆動用のHS
T装置及び旋回駆動用のHST装置を備えた作業車のト
ランスミッションの技術に関する。詳細には、上記トラ
ンスミッションのコンパクト化及び製造コストの低減の
ためのレイアウトの技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、車速を変更する走行駆動用の
HST装置及びステアリングのための旋回駆動用のHS
T装置の二者を、ミッションケースの側壁に並置して、
コンパクトな構成とした作業車のトランスミッションの
技術は公知となっている。例えば、特開平10−544
51号の技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記技術は、コンパク
トにトランスミッションを構成できる点でかなり有用で
あったが、さらにコンパクトなトランスミッションを提
供するための技術が要望されていた。また、安価に製造
できるトランスミッションの技術も要望されていた。本
発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、トランス
ミッションの更なるコンパクト化及び製造コスト低減を
図るための、ミッションケース内の潤滑油を循環させる
経路のレイアウトを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。請求項1においては、差動的に相
互結合された左右の車軸と、該車軸への動力を無段変速
する二つのHSTとを有し、うち一のHSTを作動させ
たときに左右の車軸を同方向に駆動して機体を直進さ
せ、他のHSTを作動させたときに左右の車軸に相対回
転差を与えて機体を旋回させるように構成された作業車
のトランスミッションにおいて、上記二つのHSTはミ
ッションケースを挟んで向かい合わせに取り付けられ、
更に、二つのうち一方のHSTのハウジング内に導入さ
れた油を、パイプ部材を経由して他方のHSTのハウジ
ング内に導入した後、当該他方のHSTのハウジングか
らミッションケースへ排出するように構成したものであ
る。
【0005】請求項2においては、差動的に相互結合さ
れた左右の車軸と、該車軸への動力を無段変速する二つ
のHSTとを有し、うち一のHSTを作動させたときに
左右の車軸を同方向に駆動して機体を直進させ、他のH
STを作動させたときに左右の車軸に相対回転差を与え
て機体を旋回させるように構成された作業車のトランス
ミッションにおいて、上記二つのHSTはミッションケ
ースを挟んで向かい合わせに取り付けられ、二つのHS
Tのうち一方のHSTの入力軸により駆動されるチャー
ジポンプの吐出油を一方のHSTの油補給回路に供給す
るように構成し、該一方のHSTの油補給回路と他方の
HSTの油補給回路とをパイプ部材にて接続したもので
ある。
【0006】請求項3においては、差動的に相互結合さ
れた左右の車軸と、該車軸への動力を無段変速するため
の二つのHST、及び、作業機を駆動する刈取PTO軸
とを有し、うち一のHSTを作動させたときに左右の車
軸を同方向に駆動して機体を直進させ、他のHSTを作
動させたときに左右の車軸に相対回転差を与えて機体を
旋回させるように構成された作業車のトランスミッショ
ンにおいて、上記HSTのハウジング内の油をミッショ
ンケースへ戻す経路の途中から、刈取PTO軸の潤滑部
位を潤滑するための油を分岐させたものである。
【0007】請求項4においては、差動的に相互結合さ
れた左右の車軸と、該車軸への動力を無段変速するため
の二つのHSTとを有し、うち一のHSTを作動させた
ときに左右の車軸を同方向に駆動して機体を直進させ、
他のHSTを作動させたときに左右の車軸に相対回転差
を与えて機体を旋回させるように構成された作業車のト
ランスミッションにおいて、ミッションケース内の潤滑
油によって上記HSTを潤滑した後、ミッションケース
の側面に凸状に設けられた油溜めに導入させ、該油溜め
に設けられた戻し孔を介して再びミッションケースに戻
すように構成したものである。
【0008】請求項5においては、請求項4記載のトラ
ンスミッションにおいて、一方のHSTから車軸へ至る
伝動経路中に介在させた歯車変速装置の切替に連係して
変速操作を行うための機構を、上記油溜めに臨ませてあ
るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1は本発明の一実施例に係るコンバ
インの全体的な構成を示した側面図、図2は同じく平面
図、図3は同じく正面模式図である。
【0010】まず、図1・図2より、本発明のコンバイ
ンの全体構成について説明する。即ち、このコンバイン
は、トラックフレーム1の左右にクローラ式走行装置2
L・2Rを支持した構成であり、3は前記トラックフレ
ーム1に架設する機台、4はフィードチェーン5を左側
に張架し扱胴6及び処理胴7を内蔵している脱穀機であ
る脱穀部、8は刈刃9及び穀稈搬送機構10等を備える
刈取部、11は刈取フレーム12を介して刈取部8を昇
降させる油圧シリンダである。13は排藁チェーン14
の終端を臨ませる排藁処理部、15は揚穀筒16を介し
て脱穀部4からの穀粒を搬入する穀物タンク、17は前
記穀物タンク15の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、
18は丸型の操向ハンドル19を支架するハンドルポス
ト、68は主変速レバー、20は運転席であり、また、
21は、機体左右方向に沿う出力軸を有する原動機たる
エンジンであり、コンバインの前方より連続的に穀稈を
刈取って脱穀するように構成している。
【0011】また、このコンバインには二つの静油圧式
無段変速装置(以下「HST」)、即ち、第一無段変速
装置である走行系の走行駆動HST25、及び、第二無
段変速装置であるステアリング系のステアリングHST
28を具備しており、それぞれのHST25・28はエ
ンジン21より駆動力を得るよう構成されている。そし
て、エンジン21により駆動力を得た走行駆動HST2
5により、正逆の回転方向と回転数増減の制御が行われ
たのち、駆動力が走行系ドライブトレーンPを介して差
動機構33に伝達される。一方、エンジン21により駆
動力を得たステアリングHST28により、正逆の回転
方向と回転数増減の制御が行われた後、駆動力がステア
リング系ドライブトレーンS、正逆転付与機構Rを介し
て差動機構に伝達される。
【0012】以上の構成とすることにより、差動機構3
3に連動連結された左右のクローラ式走行装置2L・2
Rの駆動スプロケット34L・34Rに駆動力を常時伝
達することにより前後直進走行を可能としており、ま
た、左右駆動スプロケット34L・34Rに対する回転
数の相対的な増減制御により旋回を可能としているので
ある。以下において、この走行及び旋回の機構について
詳述する。
【0013】まず、トランスミッションの構成について
説明する。図4はトランスミッションの走行系及びステ
アリング系のドライブトレーンのスケルトン図である。
図5はトランスミッションの全体構成を示した正面一部
断面図、図6は同じく右側面図、図7は同じく左側面
図、図8は同じく平面図である。
【0014】即ち、このトランスミッションMは、図4
に示すように、前記クローラ式走行装置2L・2Rを駆
動するための走行系ドライブトレーンP、ステアリング
系ドライブトレーンS、正逆転付与機構R、差動機構3
3等をミッションケース22内に配置しており、該ミッ
ションケース22上部左右側面には、図5〜図8に示す
ように、上記二つのHST25・28を有する無段変速
部Hを設ける構成としている。上記トランスミッション
Mは左右のクローラ式走行装置2L・2Rの間の位置に
立設され、そのハウジングであるミッションケース22
は左右のケース半部22L・22Rを垂直な面にて接合
して構成され(図5等)、その内部には一定量の潤滑油
が充填され、内部に配置された上記の各機構を自然潤滑
することとしている。
【0015】更に、図5・図7・図8に示すように、ト
ランスミッションMの上部左方位置には、エンジンから
の動力をトランスミッションMに導入するための入力プ
ーリー26bが配置され、その前下方には、該エンジン
からの動力を作業機に伝達して駆動するための刈取出力
プーリー55bが配置される。
【0016】次に、上記無段変速部Hについて説明す
る。図9はトランスミッションの無段変速部近傍の構成
を示した正面断面拡大図である。
【0017】即ち、上記無段変速部Hは、図9に示すよ
うに、一組の走行油圧ポンプ23及び走行油圧モータ2
4からなる主変速機構である、走行駆動HST25と、
一組の旋回油圧ポンプ26及び旋回油圧モータ27から
なる旋回機構である、ステアリングHST28とからな
る。以下、この無段変速部Hについて説明する。
【0018】即ち、図5・図9に示すように、前記走行
用の走行駆動HST25は、ケース25a及びセンタセ
クション25bよりなるハウジングをミッションケース
22上部左側面に設け、該ハウジング内において、上か
ら、入力部である走行油圧ポンプ23、出力部である走
行油圧モータ24の順に並べて配設される構成としてい
る。そして、該走行油圧ポンプ23のポンプ軸23a及
び、該走行油圧モータ24のモータ軸24aの各々が互
いに平行となるよう機体左右方向に軸支され、走行油圧
ポンプ23及び走行油圧モータ24の二者が、センタセ
クション25bを介して流体的に結合される構成として
いる。
【0019】上記センタセクション25bは、上下方向
に配設された長方形平板(フラット)型のセンタセクシ
ョンとしており、該センタセクション25bの上部にポ
ンプ付設面が形成され、その中央に上記ポンプ軸23a
が水平方向に支持されて、図9に示すように該ポンプ軸
23aにシリンダブロック201を嵌合して上記付設面
上に回転摺動自在に配置している。該シリンダブロック
201内には図略の付勢バネを介して複数のピストンを
ポンプ軸23aに平行に往復動自在に嵌合して、アキシ
ャルピストンタイプの走行油圧ポンプ23を構成してお
り、更に該ピストンの頭部には可動斜板145を当接さ
せて、この可動斜板145を傾動操作することで、油圧
ポンプ23からの油の吐出量及び吐出方向を変更できる
ようにしている。
【0020】前記油圧ポンプ23からの圧油は、センタ
セクション25b内の油路を経由して、油圧モータ24
に送油される。この油圧モータ24の構成は、センタセ
クション25bのポンプ付設面より下方位置にモータ付
設面が構成され、該モータ付設面にシリンダブロック2
02が回転自在に支持され、該シリンダブロック202
には付勢バネを介して複数のピストンが往復動自在に嵌
合され、該ピストンの頭部は固定斜板170に接当され
ている。そして、シリンダブロック202の回転軸心上
にはモータ軸24aが相対回転不能に係止されて、固定
斜板型の走行油圧モータ24を構成している。
【0021】また、前記旋回用のステアリングHST2
8は、ケース28a及びセンタセクション28bよりな
るハウジングをミッションケース22上部右側面に設
け、該ハウジング内において、上から、入力部である旋
回油圧ポンプ26、出力部である旋回油圧モータ27の
順に並べて配設される構成としている。そして、該旋回
油圧ポンプ26のポンプ軸26a及び、該旋回油圧モー
タ27のモータ軸27aの各々が互いに平行となるよう
機体左右方向に軸支され、旋回油圧ポンプ26及び旋回
油圧モータ27の二者が、センタセクション28bを介
して流体的に結合される構成としている。
【0022】上記センタセクション28bは、長方形平
板(フラット)型のセンタセクションとしており、該セ
ンタセクション28bの上部にポンプ付設面が形成さ
れ、その中央に上記ポンプ軸26aが水平方向に支持さ
れて、図9に示すように該ポンプ軸26aにシリンダブ
ロック203を嵌合して上記付設面上に回転摺動自在に
配置している。該シリンダブロック203内には図略の
付勢バネを介して複数のピストンをポンプ軸26aに平
行に往復動自在に嵌合して、アキシャルピストンタイプ
の旋回油圧ポンプ26としており、更に該ピストンの頭
部には可動斜板146を当接させて、この可動斜板14
6を傾動操作することで、油圧ポンプ26からの油の吐
出量及び吐出方向を変更できるようにしている。
【0023】前記油圧ポンプ26からの圧油は、センタ
セクション28b内の油路を経由して、油圧モータ27
に送油される。この油圧モータ27の構成は、センタセ
クション28bのポンプ付設面より下方位置にモータ付
設面が構成され、該モータ付設面にシリンダブロック2
04が回転自在に支持され、該シリンダブロック204
には付勢バネを介して複数のピストンが往復動自在に嵌
合され、該ピストンの頭部は固定斜板171に接当され
ている。そして、シリンダブロック202の回転軸心上
にはモータ軸27aが相対回転不能に係止されて、固定
斜板型の旋回油圧モータ27を構成している。
【0024】尚、これら二つのHST25・28の取付
構成については、ミッションケース22上部において左
右幅を狭くした部分を凸状に形成し、該部分を挟んで両
HST25・28の略下半分(油圧モータ24・27の
周辺部分)のみを対向させて取り付けるようにしてい
る。この構成により、HST25・28を取り付けた状
態でもトランスミッションMの左右幅を可及的に小さく
できる。また、無段変速部HのHST25・28を容量
の異なるものに変更したい場合でも、ミッションケース
22に取り付けられるHST25・28を交換するのみ
で足り、ミッションケース22を新たに設計製造する必
要がないようにしている。
【0025】次に、両HST25・28のポンプ軸及び
モータ軸の構成を説明する。即ち、ステアリングHST
28の入力軸である、旋回油圧ポンプ26のポンプ軸2
6aは、ステアリングHST28のケース28aから左
側へ突出して、該突出部分に入力プーリー26bを固定
しており、エンジン21の出力軸21aに固設された出
力プーリー21bと、図3及び図4に示すベルト29を
介して連動連結されて、該ポンプ軸26aをエンジン動
力の入力軸と兼用としている。一方、走行駆動HST2
5の入力軸である、走行油圧ポンプ23のポンプ軸23
aは、走行駆動HST25のケース25aから右外側へ
突出して、該突出部分には上記HST25・28の作動
油の漏れ分を補償するチャージポンプCPを設けてい
る。
【0026】また、二つのHST25・28の各々のケ
ース25a・28aの同一側の側面には、走行油圧ポン
プ23に対するコントロールアーム23c、旋回油圧ポ
ンプ26に対するコントロールアーム26cがそれぞれ
枢設されており、該コントロールアーム23c、26c
の回動に連係して、走行油圧ポンプ23及び旋回油圧ポ
ンプ26の可動斜板145、146(図4・図9)がそ
れぞれ傾動し、走行油圧モータ24及び旋回油圧モータ
27の回転速度及び回転方向が制御される。
【0027】そして、上記両コントロールアーム23c
・26cには、その中立位置を弾性的に保持するための
デテント機構23d・26dが配設される。このデテン
ト機構について説明する。即ち、図5に示すように、両
HSTのケース25a・28aには回動アーム92・9
2がそれぞれ傾動自在に枢支され、その先端にはローラ
93・93がそれぞれ回転自在に軸支される。また、該
回動アーム92・92には付勢バネ94・94が弾装さ
れて、ローラ93・93を下方向へ付勢している。一
方、コントロールアーム23c・26cにはカムプレー
ト96・96が設けられてその上縁を上記ローラ93・
93が転動可能としており、該カムプレート96の上縁
には凹部96aが形設されて、コントロールアーム23
c・26cがそれぞれ中立位置にあるときに、上記凹部
96aに該ローラ93が位置するようにして、各HST
25・28の中立位置を保持するようにしている。
【0028】両HST25・28は、ミッションケース
22上部を挟んで左右対向して設けられており、両HS
T25・28のポンプ軸23a・26aは互いに軸線が
一致するよう配置され、両ポンプ軸23a・26aはそ
れぞれセンタセクション25b・28bを貫通して(図
9)、ミッションケース22中央部分で突き合わされ
て、両センタセクション25b・28b間位置にて両ポ
ンプ軸23a・26aの先端同士を継手95を介して相
対回転不能に連結する構成としている。この構成によ
り、入力プーリー26bからステアリングHST28の
ポンプ軸26aに入力されたエンジン21の動力は、継
手95を介して走行駆動HST25のポンプ軸にも伝達
され、両HST25・28が同一のエンジン動力を得て
駆動するようにしている。
【0029】また、図9に示すように、両HST25・
28のセンタセクション25b・28b間には、第一筒
部98と第二筒部99とを油密的に相互嵌合してなるケ
ースメンバが架設される。上記両ポンプ軸23a・26
a及び継手95は、上記のケースメンバにて覆われ、該
ケースメンバ内に潤滑油を封入しておくことで、両ポン
プ軸23a・26a及び継手95を潤滑することがで
き、両ポンプ軸23a・26aの相互連結状態が、長期
間にわたって良好に維持できる。
【0030】また、両HST25・28のモータ軸24
a・27aも互いに軸線が一致するよう配置されて、図
9に示すように両モータ軸24a・27aはそれぞれセ
ンタセクション25b・28bを貫通して、ミッション
ケース22内へ挿入される。そして、図9に示すよう
に、走行駆動HST25のモータ軸24a先端には、走
行系ドライブトレーンPへの動力を受け入れる入力ギア
42を配置する一方、ステアリングHST28のモータ
軸27a先端には、ステアリング系ドライブトレーンS
への動力を受け入れる入力ギア97を配置している。
【0031】次に、各ドライブトレーンの具体的な構成
について説明する。図10はトランスミッションの走行
系ドライブトレーンの構成を表した正面断面展開図、図
11はトランスミッションのステアリング系ドライブト
レーンの構成を表した正面断面展開図である。図12は
トランスミッションの各ドライブトレーンのギアの噛み
合いを示した側面断面図である。図13はPTO系ドラ
イブトレーンの構成を表した平面断面展開図である。
【0032】即ち、図9〜図11に示すように、上記両
モータ軸24a・27aと平行に一本のカウンター軸4
3が配置され、該カウンター軸43には二つの伝達ギア
43a・43bが相対回転自在に遊嵌配置され、伝達ギ
ア43aは上記入力ギア42に噛合され、伝達ギア43
bは上記入力ギア97に噛合される。ここで、二つの伝
達ギア43a・43bは、共通の軸(本実施例ではカウ
ンター軸43)に遊嵌配置されるようにしており、別々
の軸に伝達ギア43a・43bをそれぞれ設ける構成よ
りも、部品点数が削減され、製造コストの低減を図るこ
とができるようにしている。
【0033】この構成により、上記走行油圧モータ24
のモータ軸24aの動力は、入力ギア42から伝達ギア
43aへと伝達され、後述の副変速機構32を介して変
速されて、後述の差動機構33に伝達される(図10・
図12)。この入力ギア42・伝達ギア43a・副変速
機構32により、走行系ドライブトレーンPが構成され
る。一方、上記旋回油圧モータ27のモータ軸27aの
動力は、入力ギア97から伝達ギア43bへと伝達さ
れ、後述のクラッチ装置Cを経た後、正逆転付与機構R
を経由して該差動機構33に伝達される(図11・図1
2)。この入力ギア97・伝達ギア43b・クラッチ装
置C・正逆転付与機構Rにより、ステアリング系ドライ
ブトレーンSが構成される。
【0034】また、図12・図13に示すように、PT
Oアイドル軸70が上記カウンター軸43の前方(図1
2における右方、図13における上方)に平行に配置さ
れ、該PTOアイドル軸70上にはアイドルギア71が
遊転可能に設置され、該アイドルギア71は上記伝達ギ
ア43aに噛合される。更に、上記PTOアイドル軸7
0と平行でモータ軸24a・27aの前方に刈取PTO
軸55が回転自在に軸支され、該刈取PTO軸55上に
は伝動ギア72が遊嵌され、該伝動ギア72と該刈取P
TO軸55の間にはワンウェイクラッチ73が介設さ
れ、走行駆動HST25が機体前進方向へ駆動されると
きだけ係合して刈取PTO軸55を駆動できるようにし
ている。これらアイドルギア71、伝動ギア72等によ
り、PTO系ドライブトレーンOが構成される。そし
て、上記刈取PTO軸55は、ミッションケース22の
左側面より外方へ突出されて(図13)、この左側面に
取付固定した筒状のケース74に軸支されながら更に左
方へ延出されて、その端部には刈取出力プーリー55b
が設けられ、該刈取出力プーリー55bと、図3で示す
刈取入力ギアボックス120の刈取入力プーリー121
との間には、刈取伝動ベルト122が巻回されている
(図3・図13)。この構成により、走行油圧モータ2
4の出力回転は、伝達ギア43a→アイドルギア71→
刈取PTO軸55へと伝達されて刈取出力プーリー55
bから出力され、刈取入力ギアボックス120へ動力を
導入して上記刈取部8を駆動することとしている。
【0035】また、図13に示すように、上記筒状のケ
ース74の先端側には、ベルトガイド取付ステー74a
が突設され、該ベルトガイド取付ステー74aにはベル
トガイド76を設けて、ベルト122の折り返し部分を
覆って保護するようにしている。更に、ステアリングH
ST28のケース28aに補強ステー75の基端側を固
設し、先端側は上記筒状のケース74の先端部及びベル
トガイド76に取付固定され、該筒状のケース74を該
補強ステー75により支持して、倒れを防止するように
している。
【0036】上記構成により、刈取PTO軸を延出して
その先端に刈取出力プーリー55bを取り付けることに
より、他の部品(本実施例においては、ステアリングH
STのケース)と干渉しないように該刈取出力プーリー
を配置することができる。さらに、該刈取PTO軸は筒
状のケースにより支持されているので、撓み等の問題が
軽減され、更にケースに補強ステーを取り付けることに
より、ケースの倒れが防止される構成としている。そし
て、該筒状のケースにベルトガイドを取り付けることに
より、ベルトガイドの取付構成も簡素とすることができ
るのである。
【0037】次に、図10・図12、左右の車軸を差動
的に連結する上述の差動機構33の構成について説明す
る。
【0038】即ち、この差動機構33は左右の一対の遊
星歯車装置35L・35Rを有し、各遊星歯車装置35
L・35Rは、サンギア軸39に刻設されるサンギア3
6と、該サンギア36の外周で噛合する複数のプラネタ
リギア37・37・・・と、リングギア38L・38R
に一体構成されプラネタリギア37・37・・・に噛合
するインターナルギア58L・58Rと、サンギア軸3
9と同軸線上の車軸40L・40Rに固設されプラネタ
リギア37L・37Rを枢支するキャリア41L・41
Rから構成されている。該プラネタリギア37・37・
・・は車軸40L・40Rから放射状に均等配置されて
キャリア41L・41Rにそれぞれ回転自在に軸支さ
れ、サンギア36を挟んで左右のキャリア41L・41
Rを配置させるとともに、前記インターナルギア58L
・58Rは各プラネタリギア37・37・・・に噛合さ
れ、サンギア軸39と同軸線上に配置して、車軸40L
・40Rに回転自在に軸支させている。
【0039】そして、上記サンギア36は、左右の遊星
歯車装置35L・35Rに共通のサンギアとしており、
サンギア36は、共通のサンギア軸39に一体的に刻設
され、両サンギア36の中間部に係止したセンタギア4
6を介して、副変速機構32等からなる走行系ドライブ
トレーンPに連動連結される。
【0040】次に、上述の副変速機構32について説明
する。図14はクラッチフォークシャフトの構成を示し
た側面断面拡大図、図15はクラッチスライダの摺動操
作機構を示した後面断面展開図、図16は同じく側面断
面図である。
【0041】即ち、図10・図12に示すように、この
副変速機構32は歯車変速装置であり、走行駆動HST
25から車軸40L・40Rへ至る伝動経路である走行
系ドライブトレーンP中に介在させるものであって、上
記カウンター軸43と平行に副変速駆動軸53が配置さ
れ、該副変速駆動軸53の一端に入力用ギア44を固定
し、該副変速駆動軸53上には低速用ギア50、中速用
ギア51を固定し、高速用ギア52を遊嵌し、該高速用
ギア52と噛合可能なクラッチスライダ81を摺動可能
にスプライン嵌合している。また、前記副変速駆動軸5
3と平行に回転自在に横架した副変速従動軸45上に
は、ギア47・48を遊嵌し、その間にクラッチスライ
ダ80をギア47・48に択一的に係脱自在となるよう
該副変速従動軸45にスプライン嵌合し、更にギア56
及び出力ギア49を刻設している。そして、ギア47と
低速用ギア50、ギア48と中速用ギア51、ギア56
と高速用ギア52とをそれぞれ常時嵌合させている。
【0042】そして図14・図15に示す如く、これら
二つのクラッチスライダ80・81は、後述のクラッチ
スライダ61cともに、クラッチフォークシャフト82
に放射状に植設された三つのクラッチフォーク82fの
各々に係合され、該クラッチフォークシャフト82は軸
方向に摺動自在とされる。そして、操作部に配設された
副変速操作手段の切替に連動して該クラッチフォークシ
ャフト82を摺動することにより上記副変速機構32を
変速操作するための副変速操作部Gが、図10・図15
に示す如く設けられる。即ち、ミッションケース右側半
部22Rの外面に凹部が設けられ、該凹部を閉じるべく
蓋体87が凸状に被装されて内部に油溜めAを形成し、
図15・図16に示すように支軸84をクラッチフォー
クシャフト82に対して直交させるように配置して上記
蓋体87に回動自在に軸支する一方、上記油溜めA内に
クラッチフォークシャフト82の一端が突出され、上記
支軸84に基端を固設された操作アーム85の先端にク
ラッチフォークシャフト82の該突出部分が連結され、
支軸84は蓋体87の外部(ミッションケース22外)
に突出されて、該突出部分には外部アーム86の基端が
固設されている。また、クラッチフォークシャフト82
には変速位置決めのためのデテント機構Dが設けられて
いる。
【0043】従って、該副変速レバーが操作されること
で外部アーム86を介して支軸84が回動され、操作ア
ーム85に連結されたクラッチフォークシャフト82が
軸方向に摺動して、クラッチフォーク82fに係合され
たクラッチスライダ80・81が、図10〜図12に示
す各々の軸53、45上を同時に摺動して、クラッチス
ライダ80、81のいずれか一つがギア47、ギア4
8、高速用ギア52のいずれか一つと係合するように構
成され、これにより、副変速従動軸45に三段階の変速
回転が得られ、該回転が出力ギア49から出力されるの
である。
【0044】上記デテント機構Dは、前記凹部の内壁に
挿入固定されるカートリッジ88c内に大デテントボー
ル88aを配置して付勢バネ88dで付勢し、更に小デ
テントボール88bを大デテントボール88aに当接さ
せてカートリッジ88cの開口にその一部が突出するよ
うに配置する一方、上記クラッチフォークシャフト82
の一端には上記小デテントボール88bの突出部に係合
可能としたデテント溝82aを、(変速段数+中立位
置)の個数分だけ軸方向に沿って設ける構成としてい
る。従って、大デテントボール88aが付勢バネ88d
により付勢され、小デテントボール88bを係合方向に
常時押動しているので、小デテントボール88bがデテ
ント溝82aに係合することにより、副変速の摺動操作
の位置決めが可能な構成となっている。また、付勢バネ
は大デテントボール88aを介して間接的に小デテント
ボール88bを付勢しているので、小さい巻き径の付勢
バネを必要としない構成となっている。
【0045】次に、上記のような構成としたトランスミ
ッションMにおいて、駆動力の伝達の様子について説明
する。即ち、走行油圧モータ24のモータ軸24aの回
転出力が図10・図12に示すように入力ギア42→伝
達ギア43a→副変速機構32と伝達され、該副変速機
構32において変速したのち出力ギア49→カウンター
軸57上のカウンターギア54→センタギア46と伝達
されて、サンギア軸39を回転駆動させる。そして、該
駆動力をサンギア36から左右の遊星歯車装置35L・
35Rを介し車軸40L・40Rに伝達させることによ
り、左右の駆動スプロケット34L・34Rを同一方向
に回転駆動させ、クローラ式走行装置2L・2Rを駆動
させるのである。
【0046】一方、図11・図12に示すように、左右
の前記リングギア38L・38Rは、上記ステアリング
系ドライブトレーンSに連動連結されており、さらに、
旋回用のステアリングHST28の出力軸27aに固設
される入力ギア97がステアリング系ドライブトレーン
Sの入力部に連動連結されている。
【0047】そして、図11・図12に示すように、旋
回用のステアリングHST28の旋回油圧モータ27の
回転出力は、出力軸27aから入力ギア97→カウンタ
ー軸43上の伝達ギア43b→入力用の伝動ギア91と
伝達され、旋回入力軸90、クラッチ装置Cを介してク
ラッチ軸61へと伝達される。
【0048】以下に、上記クラッチ装置Cについて説明
する。即ち、図11に示すように、前記旋回入力軸90
には同歯数の駆動ギア90a・90bが固定され、ま
た、クラッチ軸61上には、該駆動ギア90a・90b
と常時噛合するクラッチギア61a・61bが遊嵌配置
されている。そして、両クラッチギア61a・61bの
間に、該クラッチギア61a・61bの各々に対して係
脱自在なクラッチスライダ61cを、クラッチ軸61と
相対回転不能で、かつ軸方向摺動自在に設けて、前記ク
ラッチ装置Cを構成している。このクラッチスライダ6
1cは前述のクラッチフォークシャフト82に連結さ
れ、副変速機構32が中立位置にあるときにはクラッチ
ギア61a・61bのいずれとも係合せず、副変速機構
32が一速から三速までの伝動状態にあるときのみ係合
して旋回入力軸90からの動力をクラッチ軸61に伝達
し、クラッチ軸61と一体的に設けられた出力ギア64
より、減速ギア63L・63Rへ出力するように構成さ
れている。
【0049】上記減速ギア63L・63Rは大径ギア・
小径ギアを一体的に構成した二連ギアとしており、それ
ぞれ減速軸63上に配置されて遊転可能に支持され、上
記出力ギア64に両ギア63L・63Rの大径ギアが噛
合される。そして、一の減速ギア63Rの小径ギアはリ
ングギア38Rに噛合される一方、他の減速ギア63L
の小径ギアは、アイドル軸62上の逆転ギア62aに噛
合され、該逆転ギア62aは上記差動機構33のリング
ギア38Lに噛合される。
【0050】この構成で、出力ギア64の回転は二つの
減速ギア63L・63Rに分岐されて伝達された後、一
の減速ギア63Rの回転は直接的に上記差動機構のリン
グギア38Rに伝達され、他の減速ギア63Rの回転は
上記逆転ギア62aにより正逆変換されて、上記差動機
構のリングギア38Lに伝達される。このようにして、
旋回油圧モータ27の回転出力が分岐されて、互いに逆
方向かつ等速とされて、左右のリングギア38L・38
Rへ伝達されるのである。これら逆転ギア62a、減速
ギア63L・63R等により、正逆転付与機構Rが構成
される。
【0051】ここで、図12に示すように、走行系ドラ
イブトレーンPはミッションケース22略後半部に略上
下方向に配設され、ステアリング系ドライブトレーンS
はミッションケース22略前半部において略上下方向に
配設される一方、上記出力ギア64の回転を逆転して差
動機構のリングギア38Rに伝達する逆転ギア62a
は、出力ギア64の回転を直接的に差動機構のリングギ
ア38Lに伝達する減速ギア63Rよりも、後方寄りの
位置に設けている。即ち、走行系の駆動伝達経路Pと、
ステアリング系の駆動伝達経路Sのうち正転側の伝達経
路とに挟まれた位置に、上記逆転ギアを設ける構成とし
ているのである。従って、二つの動力伝達経路の間のス
ペースに逆転ギア62aを納まり良く配置することがで
きるので、ミッションケースの幅(本実施例では、前後
方向の幅)が小さい、コンパクトなトランスミッション
を提供できるのである。
【0052】そして、このような構成で、走行油圧ポン
プ23の可動斜板145に対するコントロールアーム2
3cが、運転席近傍に配備した走行操作具である主変速
レバー68に図外のリンク機構を介して連動連係されて
おり、走行駆動HST25は該主変速レバー68の回動
操作により可動斜板145の傾斜角度が変更されて走行
油圧モータ24の正逆の回転方向と回転数増減及び回転
停止の制御を行う。また、旋回油圧ポンプ26の可動斜
板146に対するコントロールアーム26cが操向ハン
ドル19に図外のリンク機構を介して連動連係されてお
り、旋回用のステアリングHST28は該操向ハンドル
19の回動により可動斜板146の傾斜角度が変更され
て旋回油圧モータ27の正逆の回転方向と回転数増減及
び回転停止の制御を行うよう構成されている。
【0053】そして、操向ハンドル19を直進走行(中
立)位置におくと、旋回油圧ポンプ26が中立位置とな
り、旋回油圧モータ27の駆動が停止して左右のリング
ギア38L・38Rが静止固定された状態となり、該状
態で主変速レバー68にて走行油圧ポンプ23より圧油
を吐出させて走行油圧モータ24を駆動すると、その回
転はセンタギア46からサンギア36を介して左右の遊
星歯車装置35L・35Rのプラネタリギア37L・3
7Rに伝達され、キャリア41L・41R、車軸40L
・40Rを介し、左右の駆動スプロケット34L・34
Rが左右同回転方向の同一回転数で駆動されて、機体の
前進直進走行が行われる。また、主変速レバー68にて
走行油圧ポンプ23からの圧油吐出方向を反転させる
と、前記と逆方向の駆動力が伝達され、機体は後方へ直
進走行を行う。
【0054】そして、操向ハンドル19を右に切ると、
旋回油圧ポンプ26は作動状態となって圧油を吐出し、
該圧油を受けて旋回油圧モータ27が駆動される。該旋
回油圧モータ27から出力された動力は旋回入力軸90
からクラッチ装置Cを経て、同一回転数のまま二手に分
岐され、その一方は前記遊星歯車装置35Lのリングギ
ア38Lを正転させ、他方は遊星歯車装置35Rのリン
グギア38Rを逆転させる。正転するリングギア38L
の回転数はサンギア36によって正転している左キャリ
ア41Lの回転数に加算される一方、逆転するリングギ
ア38Rの回転数はサンギア36によって正転している
右キャリア41Rの回転数に減算される。これによって
両駆動スプロケット34L・34Rの駆動状態を維持し
つつ、左の駆動スプロケット34Lの回転数が右の駆動
スプロケット34Rのそれよりも高くなって、右方へ進
路が変更されるのである。
【0055】旋回油圧ポンプ26からの吐出油量は操向
ハンドル19の切れ角度が大きくなるに従って増加し、
これに応じて旋回油圧モータ27の回転数も無段に増加
するので、左右の駆動スプロケット34L・34Rに生
じる相対回転差は次第に大きくなり、より小さな旋回半
径で機体が旋回することとなる。また、操向ハンドル1
9を左に切ると、旋回油圧ポンプ26の圧油吐出方向が
反転して旋回油圧モータ27の回転方向が逆になり、こ
れによって最終的に、左キャリア41Lの回転数が減算
される一方、右キャリア41Rの回転数が加算されて、
右の駆動スプロケット34Rの回転数が左の駆動スプロ
ケット34Lのそれよりも高くなって左方へ進路が変更
されることとなる。
【0056】また、ステアリング系ドライブトレーンS
の経路に配置された旋回入力軸90には、直進性を良好
とするための中立ブレーキ機構Bが、図6に示す如く配
設されている。この中立ブレーキ機構Bは、旋回入力軸
90上に一体的に装着された摩擦板とミッションケース
22側に装着された摩擦板とが重合してなる摩擦ブレー
キ100、及び該摩擦ブレーキ100を押圧するピスト
ン101により構成される。該ピストン101は油圧駆
動とされ、電磁弁(図5・図7における180)により
圧油の供給が行われ、該電磁弁180は図示せぬコント
ローラに接続されて、操向ハンドル19が中立状態にあ
るときは該電磁弁180が開かれるように電気的に制御
されている。
【0057】このような構成において、オペレータが操
向ハンドル19を直進走行(中立)位置におくと、電磁
弁180は「開」となるようコントローラにより制御さ
れ、ピストン101が駆動されて摩擦ブレーキ100を
押圧して、制動作用が発生する。これにより、旋回油圧
ポンプ26の中立位置が正確に出ておらず、旋回油圧モ
ータ27が微動に回転しようとしても、旋回入力軸90
が制動されているので、左右のリングギア38L・38
Rの静止固定状態が維持され、直進性が良好に維持され
るのである。
【0058】続いて、図示せぬハンドブレーキを操作す
ることにより走行系ドライブトレーンPに制動力を付与
させる駐車ブレーキ機構Tについて、図10を用いて説
明する。即ち、まず、図外のハンドブレーキに連動連結
したブレーキアーム113を回動操作すると、カム軸1
10が該ブレーキアーム113に連動して回転する。そ
してカム軸110の回転によりプレッシャープレート1
11が回動するとともに右方向(図10における左方
向)への推力が発生して、副変速従動軸45上に一体的
に装着された摩擦板とミッションケース22側に装着さ
れた摩擦板とが重合してなる多板式摩擦ブレーキ112
を押圧する。この押圧力により、副変速従動軸45に抵
抗を与え、ブレーキ作用を発生させるよう構成している
のである。
【0059】次に、上記構成のトランスミッションMに
おけるオイルフローについて、主に図17を参照しなが
ら説明する。図17はトランスミッションの潤滑油の流
れを表した図である。
【0060】図5・図8・図12に示すように、ミッシ
ョンケース22の上面の機体前方寄りの位置に筒体19
1が立設され、該筒体191の上端にはブリーザ機構を
有するキャップ190が取り付けられている。従って、
筒体191を介してミッションケース22内の潤滑油の
油面より十分高い位置にキャップ190が設けられるの
で、ミッションケース22内に配設された各ドライブト
レーンを構成する歯車等が潤滑油を跳ね上げても、該キ
ャップ190の高さまでは届かないようにして、該キャ
ップ190から潤滑油が漏れ出ないようにしている。ま
た、本実施例のように、ミッションケース22の左右側
面にHST25・28を有する構成においては、キャッ
プ190の取付位置がHST25・28のケース25a
・28a等と干渉しないので、すっきりとした配置とす
ることができ、潤滑油の補給作業等も機体前方から楽に
行うことができる。
【0061】図5・図12に示すように、ミッションケ
ース22内に作動油のサクション油路105がミッショ
ンケース22の前壁内側に上下方向へ沿うようにして一
体的に形設され、その上端部に設けた室内にはストレー
ナ106が横架される。このストレーナ106は機体前
方側でクローラ式走行装置2L・2Rの上方に配置され
ており、ミッションケース22側方から室外へ抜差し可
能として点検や交換等のメンテナンスが容易にできるよ
うにしている。そして、サクション油路105内を吸い
上げられて上記ストレーナ106にて異物等を除去され
た潤滑油は、二手に分岐され、そのうち一方はチャージ
ポンプCPの吸入ポートに配管P1を介して導入され
(図5・図8)、該チャージポンプCPの吐出ポートか
ら配管P2を介して吐出された潤滑油は、ラインフィル
タF、配管P3、管継手J1を介して、走行駆動HST
25のセンタセクション25b上面から該センタセクシ
ョン25b内の油補給回路に導入される。また、配管P
0の末端で二分された他方は、図8に示す配管P9を介
して、エンジン21の出力軸21aに設けられる刈取部
昇降用ポンプSPの吸入ポートに導入され、該ポンプS
Pの吐出ポートから吐出された油は、上記刈取昇降用油
圧シリンダ11を作動させるための昇降バルブユニット
VUに、ポンプポート153を介して導入される。
【0062】昇降バルブユニットVUにて、刈取昇降用
油圧シリンダ11に作動油を供給する回路には、図17
に示すように、方向制御弁147、ロードチェック弁1
34、スローリターン弁135が配設され、刈取昇降用
油圧シリンダ11に対する作動油の供給と排出を制御
し、シリンダポート155を介して刈取昇降用油圧シリ
ンダ11に対する作動油を給排可能としている。また、
リリーフ弁148により刈取昇降用油圧シリンダ11の
作動油圧を規定している。そして、刈取昇降用油圧シリ
ンダ11側から排出された作動油は、タンクポート15
4から配管P8を介して、後述のワンウェイクラッチ潤
滑部Wへ導入される。
【0063】一方、走行駆動HST25のセンタセクシ
ョン25b内の作動油循環回路には油補給回路が接続し
て設けられ、該油補給回路の入口には、油の補給時にの
み開く一対のチェックバルブ130、HSTの中立範囲
を拡大するための絞り131が並列接続して配置され
る。また、ステアリングHST28のセンタセクション
28b内の作動油循環回路にも、同様に油補給回路が接
続して設けられ、該油補給回路の入口には、チェックバ
ルブ132、絞り133が並列接続して配置される。
【0064】そして、図9・図12に示すように、走行
駆動HST25とステアリングHST28におけるセン
タセクション25b、28bの向かい合った内面の間に
は直線状のパイプ部材78・79が上下二本平行に横架
してあり、上記管継手J1から油補給回路へ導入された
潤滑油は、走行駆動HST25の走行油圧ポンプ23・
モータ24からの油漏れによる作動油の減少を解消する
と同時に、図9に示す上記二本のパイプ部材のうち下側
のパイプ部材79を経由して、一旦、走行駆動HST2
5外へ出てからステアリングHST28のセンタセクシ
ョン28b内の油補給回路に導入される。これにより、
ステアリングHST28の旋回油圧ポンプ26・モータ
27からの油漏れによる作動油の減少を解消する。この
センタセクション28b内の油補給回路へ導入される油
は、ミッションケース22外の外気にさらされるパイプ
部材79を通過するときに冷却される。尚、冷却効率を
高くするには、パイプ部材79の外周面に多数のフィン
を設ける構成とすれば良い。
【0065】そして、両HST25・28のチャージ圧
(補給油圧)を規定する単一のチャージリリーフバルブ
143がステアリングHST28のセンタセクション2
8b内に設けられており、該バルブ143によりリリー
フされた油や旋回油圧ポンプ26・モータ27より漏れ
た油は、ステアリングHST28のケース28a内に導
入されて、走行油圧ポンプ26・モータ27の潤滑及び
冷却を行う。また、走行駆動HST25内の走行油圧ポ
ンプ23・モータ24より漏れた油は、走行駆動HST
25内のケース25a内に導かれて、走行駆動HST2
5の走行油圧ポンプ23・モータ24の潤滑及び冷却を
行う。
【0066】上記走行駆動HST25のケース25a内
部とステアリングHST28のケース28a内部は、図
9に示す上記二本のパイプ部材のうち上側のパイプ部材
78にて連通されており、両HST25・28の各々に
おいてケース25a・28a内にて規定量をオーバーフ
ローした潤滑油は、該上側のパイプ部材78を介して相
互にケース25a・28a内部に導入されて合流する。
【0067】上記ステアリングHST28のセンタセク
ション28b内の油補給回路の油は、管継手J2からセ
ンタセクション28bより外方へ導かれ、配管P4、及
び、上述の電磁弁(図5・図7における符号180)を
介して上記中立ブレーキ機構Bに導入され、上述のよう
に、該電磁弁180の操作により上記ピストン101を
押圧する作動油としての役割を果たし、中立ブレーキ機
構Bの制動を行う。
【0068】また、ステアリングHST28のケース2
8a内で合流した油が規定量以上に達すると、該ケース
28a上面に設けられた管継手J3(図5・図7〜図1
0)から、配管P5・管継手J4を介して、ワンウェイ
クラッチ潤滑部Wへ導入される。このワンウェイクラッ
チ潤滑部Wは、図6・図8・図13に示すように、ミッ
ションケース右側半部22Rの外面に設けた油導入ケー
ス77内に設けられるものであって、該油導入ケース7
7には、上記ステアリングHST28のケース28a内
から配管P5を介して潤滑油を導入する管継手J4と、
上述の刈取昇降用油圧シリンダ11を制御するバルブユ
ニットVUからの戻り油を配管P8を介して導入する管
継手J5が螺着され、両管継手J4・J5から導入され
る油がこのワンウェイクラッチ潤滑部W内にて合流され
る。そして、図13に示す如く、上記刈取PTO軸55
の一端面はワンウェイクラッチ潤滑部Wに臨ませてあ
り、該刈取PTO軸55内に形設された油路89を上記
ワンウェイクラッチ潤滑部Wに開放連通して、該潤滑部
W内に導入された油の一部は、該油路89を介して刈取
PTO軸55の潤滑部位たるワンウェイクラッチ73を
潤滑してミッションケース22内に戻される。
【0069】一方、上記油導入ケース77には上記二つ
の管継手J4・J5のほかに更にもう一つの管継手J6
が設けられており、上記油路89へ導入されない残りの
潤滑油は、図6に示す該管継手J6、配管P7を介し
て、図6及び図16に示す管継手J7から上記油溜めA
内へ導入され、上記の副変速操作機構Gの支軸84やデ
テント機構D等を潤滑した後、ミッションケース右側半
部22Rの凹部内に設けた戻し孔83(図6・図16)
を経由してミッションケース22内に戻される。
【0070】この構成とすることにより、ミッションケ
ース22から走行駆動HST25及びステアリングHS
T28(又は刈取部昇降バルブユニットVU)を経て、
各機構を潤滑したのち再びミッションケース22内に戻
される、潤滑油の流れが形成されるのである。
【0071】以上に本発明の実施例を説明したが、本発
明の技術的範囲は上記の実施例に限定されるものではな
く、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる
本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及
ぶものである。
【0072】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示すような効果を奏する。即ち、請求項1に示す
如く、差動的に相互結合された左右の車軸と、該車軸へ
の動力を無段変速する二つのHSTとを有し、うち一の
HSTを作動させたときに左右の車軸を同方向に駆動し
て機体を直進させ、他のHSTを作動させたときに左右
の車軸に相対回転差を与えて機体を旋回させるように構
成された作業車のトランスミッションにおいて、上記二
つのHSTはミッションケースを挟んで向かい合わせに
取り付けられ、更に、二つのうち一方のHSTのハウジ
ング内に導入された油を、パイプ部材を経由して他方の
HSTのハウジング内に導入した後、当該他方のHST
のハウジングからミッションケースへ排出するように構
成したので、二つのHSTをミッションケースを挟んで
取り付けることによりトランスミッション全体のコンパ
クト化を図ることが可能となり、更に、パイプ部材によ
る簡素な構成により、二つのうち一方のHSTを潤滑及
び冷却した油にて他方のHSTを潤滑及び冷却させるこ
とでき、二つのHSTを効率よく潤滑及び冷却させるこ
とができるのである。
【0073】請求項2に示す如く、差動的に相互結合さ
れた左右の車軸と、該車軸への動力を無段変速する二つ
のHSTとを有し、うち一のHSTを作動させたときに
左右の車軸を同方向に駆動して機体を直進させ、他のH
STを作動させたときに左右の車軸に相対回転差を与え
て機体を旋回させるように構成された作業車のトランス
ミッションにおいて、上記二つのHSTはミッションケ
ースを挟んで向かい合わせに取り付けられ、二つのHS
Tのうち一方のHSTの入力軸により駆動されるチャー
ジポンプの吐出油を一方のHSTの油補給回路に供給す
るように構成し、該一方のHSTの油補給回路と他方の
HSTの油補給回路とをパイプ部材にて接続したので、
二つのHSTをミッションケースを挟んで取り付けるこ
とによりトランスミッション全体のコンパクト化を図る
ことが可能となり、更に、一方のHSTの入力軸により
チャージポンプを駆動する構成であるから、チャージポ
ンプへの駆動力の伝達構成が簡略化されることとなる。
更には、チャージポンプの吐出油が一方のHSTの回路
に供給されると同時に、他方の回路へはパイプ部材を介
して供給されるので、チャージポンプの吐出ポートを二
つのHSTの上記回路のうち一の回路のみに接続すれ
ば、二つのHST両方の作動油の漏れ分を補償できる構
成となるので、チャージポンプを二つ設けてそれぞれの
HSTの回路に接続する構成や、一つのチャージポンプ
の吐出ポートから二つのHSTの回路に分岐して接続す
る構成に比して、チャージポンプの個数や、配管の本数
や長さが簡略化されて、トランスミッションのコンパク
ト化や製造コストの低減を図ることが可能となるのであ
る。
【0074】請求項3に示す如く、差動的に相互結合さ
れた左右の車軸と、該車軸への動力を無段変速するため
の二つのHST、及び、作業機を駆動する刈取PTO軸
とを有し、うち一のHSTを作動させたときに左右の車
軸を同方向に駆動して機体を直進させ、他のHSTを作
動させたときに左右の車軸に相対回転差を与えて機体を
旋回させるように構成された作業車のトランスミッショ
ンにおいて、上記HSTのハウジング内の油をミッショ
ンケースへ戻す経路の途中から、刈取PTO軸の潤滑部
位を潤滑するための油を分岐させたので、HSTのハウ
ジング内に導入されHSTを潤滑・冷却した後の戻り油
を、刈取PTO軸の該潤滑部位を潤滑する目的にも利用
することができ、そのための構成も該戻り油の経路を分
岐させるだけでよい簡略な構成であるので、油の循環経
路をすっきりしたレイアウトにて構成できるのである。
【0075】請求項4に示す如く、差動的に相互結合さ
れた左右の車軸と、該車軸への動力を無段変速するため
の二つのHSTとを有し、うち一のHSTを作動させた
ときに左右の車軸を同方向に駆動して機体を直進させ、
他のHSTを作動させたときに左右の車軸に相対回転差
を与えて機体を旋回させるように構成された作業車のト
ランスミッションにおいて、ミッションケース内の潤滑
油によって上記HSTを潤滑した後、ミッションケース
の側面に凸状に設けられた油溜めに導入させ、該油溜め
に設けられた戻し孔を介して再びミッションケースに戻
すように構成したので、潤滑油はミッションケースに戻
される前に油溜めに一旦溜められて、その後にミッショ
ンケースに戻される構成となり、ミッションケースに油
が急激に戻されることがなくなって、油の飛び散り等に
よる気泡の発生を防止できる。即ち、油溜めに溜める段
階を一旦経てから(ワンクッションをおいてから)ミッ
ションケースに静かに戻す構成とすることにより、油の
泡立ちが抑制されて、発生した気泡が潤滑油とともにH
ST等に吸い込まれてキャビテーションなどのトラブル
が発生するのを極力防止できるのである。
【0076】請求項5に示す如く、請求項4記載のトラ
ンスミッションにおいて、一方のHSTから車軸へ至る
伝動経路中に介在させた歯車変速装置の切替に連係して
変速操作を行うための機構を、上記油溜めに臨ませてあ
るので、請求項4に示す効果を奏する油溜めに、該変速
操作を行う機構を潤滑する役割をも持たせることが可能
となる。従って、一の油溜めを設けるだけで、潤滑油の
泡立ち防止及び変速操作を行う機構の潤滑、の二つの効
果を奏することとなって、結果的にトランスミッション
の構成の簡略化を図ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るコンバインの全体的な
構成を示した側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】同じく正面模式図。
【図4】トランスミッションの走行系及びステアリング
系のドライブトレーンのスケルトン図。
【図5】トランスミッションの全体構成を示した正面一
部断面図。
【図6】同じく右側面図。
【図7】同じく左側面図。
【図8】同じく平面図。
【図9】トランスミッションの無段変速部近傍の構成を
示した正面断面拡大図。
【図10】トランスミッションの走行系ドライブトレー
ンの構成を表した正面断面展開図。
【図11】トランスミッションのステアリング系ドライ
ブトレーンの構成を表した正面断面展開図。
【図12】トランスミッションの各ドライブトレーンの
ギアの噛み合いを示した側面断面図。
【図13】PTO系ドライブトレーンの構成を表した平
面断面展開図。
【図14】クラッチフォークシャフトの構成を示した側
面断面拡大図。
【図15】クラッチスライダの摺動操作機構を示した後
面断面展開図。
【図16】同じく側面断面図。
【図17】トランスミッションの潤滑油の流れを表した
図。
【符号の説明】
M トランスミッション A 油溜め G 変速操作部 CP チャージポンプ 22 ミッションケース 25 走行駆動HST 26a 走行駆動HSTの入力軸 28 ステアリングHST 32 副変速機構(歯車変速装置) 40L・40R 車軸 55 刈取PTO軸 73 ワンウェイクラッチ(刈取PTO軸の潤滑部位) 78 パイプ部材 79 パイプ部材 83 戻し孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清岡 晃司 兵庫県尼崎市猪名寺2丁目18番1号 株式 会社神崎高級工機製作所内 Fターム(参考) 3D042 AA06 AB12 BA02 BA12 BB05 BC02 BC03 3D052 AA16 AA17 AA19 BB08 DD01 DD03 DD04 EE01 FF01 GG03 JJ03 JJ10 JJ21 JJ22 JJ27 JJ31 JJ35

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 差動的に相互結合された左右の車軸と、
    該車軸への動力を無段変速する二つのHSTとを有し、
    うち一のHSTを作動させたときに左右の車軸を同方向
    に駆動して機体を直進させ、他のHSTを作動させたと
    きに左右の車軸に相対回転差を与えて機体を旋回させる
    ように構成された作業車のトランスミッションにおい
    て、上記二つのHSTはミッションケースを挟んで向か
    い合わせに取り付けられ、更に、二つのうち一方のHS
    Tのハウジング内に導入された油を、パイプ部材を経由
    して他方のHSTのハウジング内に導入した後、当該他
    方のHSTのハウジングからミッションケースへ排出す
    るように構成したことを特徴とする作業車のトランスミ
    ッション。
  2. 【請求項2】 差動的に相互結合された左右の車軸と、
    該車軸への動力を無段変速する二つのHSTとを有し、
    うち一のHSTを作動させたときに左右の車軸を同方向
    に駆動して機体を直進させ、他のHSTを作動させたと
    きに左右の車軸に相対回転差を与えて機体を旋回させる
    ように構成された作業車のトランスミッションにおい
    て、上記二つのHSTはミッションケースを挟んで向か
    い合わせに取り付けられ、二つのHSTのうち一方のH
    STの入力軸により駆動されるチャージポンプの吐出油
    を一方のHSTの油補給回路に供給するように構成し、
    該一方のHSTの油補給回路と他方のHSTの油補給回
    路とをパイプ部材にて接続したことを特徴とする作業車
    のトランスミッション。
  3. 【請求項3】 差動的に相互結合された左右の車軸と、
    該車軸への動力を無段変速するための二つのHST、及
    び、作業機を駆動する刈取PTO軸とを有し、うち一の
    HSTを作動させたときに左右の車軸を同方向に駆動し
    て機体を直進させ、他のHSTを作動させたときに左右
    の車軸に相対回転差を与えて機体を旋回させるように構
    成された作業車のトランスミッションにおいて、上記H
    STのハウジング内の油をミッションケースへ戻す経路
    の途中から、刈取PTO軸の潤滑部位を潤滑するための
    油を分岐させたことを特徴とする作業車のトランスミッ
    ション。
  4. 【請求項4】 差動的に相互結合された左右の車軸と、
    該車軸への動力を無段変速するための二つのHSTとを
    有し、うち一のHSTを作動させたときに左右の車軸を
    同方向に駆動して機体を直進させ、他のHSTを作動さ
    せたときに左右の車軸に相対回転差を与えて機体を旋回
    させるように構成された作業車のトランスミッションに
    おいて、ミッションケース内の潤滑油によって上記HS
    Tを潤滑した後、ミッションケースの側面に凸状に設け
    られた油溜めに導入させ、該油溜めに設けられた戻し孔
    を介して再びミッションケースに戻すように構成したこ
    とを特徴とする作業車のトランスミッション。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のトランスミッションにお
    いて、一方のHSTから車軸へ至る伝動経路中に介在さ
    せた歯車変速装置の切替に連係して変速操作を行うため
    の機構を、上記油溜めに臨ませてあることを特徴とする
    作業車のトランスミッション。
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KR20190114725A (ko) * 2018-03-29 2019-10-10 가부시끼 가이샤 구보다 작업기 및 수전 작업기

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