JP2001001767A - 車両用能動型騒音振動制御装置 - Google Patents

車両用能動型騒音振動制御装置

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JP2001001767A
JP2001001767A JP17551299A JP17551299A JP2001001767A JP 2001001767 A JP2001001767 A JP 2001001767A JP 17551299 A JP17551299 A JP 17551299A JP 17551299 A JP17551299 A JP 17551299A JP 2001001767 A JP2001001767 A JP 2001001767A
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JP
Japan
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vibration
shift position
control
engine
automatic transmission
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Application number
JP17551299A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Aihara
敏彦 相原
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動変速機のシフト位置が変更された直後の騒
音・振動低減制御をさらに向上したい。 【解決手段】ステップ201で読み込んだインヒビット
信号NPに基づき、ステップ202で、シフト位置がD
レンジ又はRレンジ等にあるか否かを判定し、その判定
が「NO」の場合にはステップ203に移行し、タイマ
TMをクリアし、次いでステップ204に移行し、収束
係数αを大きい方の値に設定する。一方、ステップ20
2の判定が「YES」の場合には、ステップ205に移
行し、タイマTMをカウントアップし、次いでステップ
206に移行し、タイマTMの計測時間が、所定時間T
未満であるか否かを判定し、その判定が「YES」の場
合には、ステップ207に移行して、収束係数αを小さ
い方の値に設定し、ステップ206の判定が「NO」の
場合には、ステップ204に移行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動変速機を備
えた車両に適用され、適応アルゴリズムに従ってフィル
タ係数が更新される適応ディジタルフィルタを用いて、
エンジンから発せられた騒音又は振動の低減制御を実行
するようになっている能動型騒音振動制御装置に関し、
特に、自動変速機のシフト位置が変更された直後の騒音
・振動低減制御のさらなる向上を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の技術としては、例えば特
開平6−72159号公報に開示された振動低減装置が
ある。即ち、上記公報に開示された振動低減装置にあっ
ては、パワーユニットから発せられる振動に基づく基準
信号を受け、車両の振動が低減するように駆動信号を生
成し出力する制御手段に、自動変速機のシフト状態に基
づいて駆動信号を補正する駆動信号補正手段を設けてい
て、例えば、適応演算に用いられる収束係数をシフト位
置に応じて変化させるようになっている。
【0003】そして、上記公報には、具体的な手法が多
数提案されており、例えば、駆動信号補正手段は、自動
変速機の変速段が低速段であるときほど収束係数を大き
くする、前進・後退時にはニュートラル時よりも収束係
数を小さくする、或いは、自動変速機の変速開始から変
速完了までは収束係数を小さくするとともに変速完了後
の所定期間は収束係数を大きくする、というように構成
されていた。これは、低速段ではエンジン回転数の変化
が急峻であるため、収束係数を大きくして制御の追従性
を高めた方が有利であるという判断に基づいている。ま
た、前進・後退時には、ニュートラル時に比べてエンジ
ンの姿勢が変化するため、収束係数を小さくして、制御
が発散に至ることを回避するのに有利だという考えに基
づいている。さらに、自動変速機の変速開始から変速完
了までの間は、一時的に振動状態が大きく変化するた
め、収束係数を小さくして一時的な振動状態変化に対し
て対応しにくい方が有利であり、また、変速完了後は振
動状態が安定するため、収束係数を大きくして追従性を
高めた方が有利であるという考えに基づいている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された従来の装置にあっては、意図した目的を
達成するために、自動変速機の状態に基づいて収束係数
等を適宜変化させるようにしてはいるものの、それらは
必ずしも最適な制御内容ではなかった。特に、自動変速
機の変速完了後は、過渡的なトルク入力により瞬間的で
あるが制御が不安定になるため、上記従来の技術のよう
に振動状態が安定しているからといって収束係数を大き
くして追従性を上げてしまうと、エンジン振動を充分に
打ち消せないまま制御振動のレベルが上がってしまい、
却って車体側振動を大きくしてしまう可能性があるとい
う解決すべき課題を有している。
【0005】その他、本出願人が先に提案した特開平5
−61483号公報に開示された能動型騒音制御装置の
ように、評価関数に含まれる駆動信号の自乗値に掛けら
れる係数(上記公報内では、努力係数と称している。)
を、制御の発散が進行するに従って、発散を抑制する方
向(フィルタ係数を小さくする方向)に変更するように
し、もって音響伝達関数が変化したような場合でも制御
の発散を有効に抑制して制御が本格的な発散に至ること
を回避することを図っている装置がある。かかる装置に
あっては、自動変速機のシフト位置が切り換わった結
果、エンジンの騒音状態が変化したような場合に、フィ
ルタ係数の最適値への収束が間に合わないために残留騒
音が大きくなり、その影響でフィルタ係数が増大して駆
動信号が過大になることがある。すると、フィルタ係数
が最適値に収束するまでの間、駆動信号のレベルが所定
のしきい値を越える可能性があり、それが短時間のうち
に解消しないと、抑制係数を発散抑制方向に変更させる
処理が実行される、ということになる。そして、抑制係
数が変更されてしまうと、そのままでは、発生する制御
音が小さくなる傾向となって、騒音低減効果が低下して
しまい、乗員等に不快感を与える可能性が高くなってし
まう、という解決すべき課題を有している。
【0006】本発明は、上記のような従来の技術が有す
る種々の未解決の課題に着目してなされたものであっ
て、自動変速機のシフト位置が変更された直後の騒音・
振動低減制御の向上が図られる車両用能動型騒音振動制
御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、自動変速機を備えた車両に
適用され、適応アルゴリズムに従ってフィルタ係数が更
新される適応ディジタルフィルタを用いて駆動信号を生
成し、その駆動信号によって制御音源又は制御振動源を
駆動させることにより、エンジンから発せられた騒音又
は振動と干渉する制御音又は制御振動を発生させるよう
になっており、前記フィルタ係数の更新式は、前記フィ
ルタ係数の収束速度に影響を与える収束係数を含んでい
る車両用能動型騒音振動制御装置において、前記自動変
速機のシフト位置が変更された場合には、その変更後所
定時間経過するまで、前記収束係数を通常時よりも小さ
くするようにした。
【0008】上記目的を達成するために、請求項2に係
る発明は、自動変速機を備えた車両に適用され、適応ア
ルゴリズムに従ってフィルタ係数が更新される適応ディ
ジタルフィルタを用いて駆動信号を生成し、その駆動信
号によって制御音源又は制御振動源を駆動させることに
より、エンジンから発せられた騒音又は振動と干渉する
制御音又は制御振動を発生させるようになっており、前
記駆動信号が過大であると判断された場合にはそれを抑
制するための抑制処理を実行するようになっている車両
用能動型騒音振動制御装置において、前記自動変速機の
シフト位置が変更された場合には、その変更後所定時間
経過するまで、前記駆動信号が過大であるか否かを判断
するためのしきい値を通常時よりも大きくするようにし
た。
【0009】また、請求項3に係る発明は、上記請求項
1又は請求項2に係る発明である車両用能動型騒音振動
制御装置における前記「自動変速機のシフト位置が変更
された場合」を、前記エンジンの駆動力が駆動輪に伝達
されないシフト位置から、前記エンジンの駆動力が駆動
輪に伝達されるシフト位置に変更された場合としたもの
である。
【0010】なお、一般的な自動変速機を備えた車両の
場合、「エンジンの駆動力が駆動輪に伝達されないシフ
ト位置」とは、パーキング位置(Pレンジ)、ニュート
ラル位置(Nレンジ)のことであり、「エンジンの駆動
力が駆動輪に伝達されるシフト位置」とは、後退位置
(Rレンジ)、ドライブ位置(Dレンジ)、2速位置等
のことである。
【0011】さらに、上記目的を達成するために、請求
項4に係る発明は、自動変速機を備えた車両に適用さ
れ、適応アルゴリズムに従ってフィルタ係数が更新され
る適応ディジタルフィルタを用いて駆動信号を生成し、
その駆動信号によって制御音源又は制御振動源を駆動さ
せることにより、エンジンから発せられた騒音又は振動
と干渉する制御音又は制御振動を発生させるようになっ
ており、前記フィルタ係数の更新式は、前記フィルタ係
数の収束速度に影響を与える収束係数を含んでいる車両
用能動型騒音振動制御装置において、前記自動変速機の
シフト位置が、前記エンジンの駆動力が駆動輪に伝達さ
れないシフト位置である場合には、前記収束係数を小さ
くし、前記自動変速機のシフト位置が、前記エンジンの
駆動力が駆動輪に伝達されないシフト位置から、前記エ
ンジンの駆動力が駆動輪に伝達されるシフト位置に変更
された場合には、その変更後であって制御が収束したこ
とが確認された後に、前記収束係数を大きくするように
した。
【0012】ここで、請求項1に係る発明にあっては、
自動変速機のシフト位置が変更されたことが確認される
と、収束係数が小さくなるから、過渡的なトルク入力に
より制御が不安定になっても、制御が発散する可能性を
低減できる。そして、その収束係数が小さい状態は、シ
フト位置の変更が完了しても直ぐには解除されず、シフ
ト位置の変更後所定時間経過するまでは維持される。こ
のため、その所定時間を、シフト位置変更後に過渡的な
トルク入力により不安定になった制御が安定状態に戻る
までに要する時間としておけば、制御が不安定であるに
も関わらず大きな収束係数が用いられるケースを少なく
する若しくは無くすることができる。
【0013】また、請求項2に係る発明にあっては、自
動変速機のシフト位置が変更されたことが確認される
と、駆動信号が過大であるか否かを判断するためのしき
い値が通常時よりも大きくなるから、過渡的なトルク入
力により増加した騒音又は振動に追従するように制御音
又は制御振動が大きくなっても、それを発散と判断する
ケースが減少する。そして、そのしきい値が大きい状態
は、シフト位置の変更が完了しても直ぐには解除され
ず、シフト位置の変更後所定時間経過するまでは維持さ
れる。このため、その所定時間を、シフト位置変更後に
過渡的なトルク入力により不安定になった制御が安定状
態に戻るまでに要する時間としておけば、発散を抑制す
るための例えば発散抑制係数を大きくするような処理
が、不必要に実行されるケースを少なくする若しくは無
くすることができる。
【0014】請求項3に係る発明にあっては、エンジン
の駆動力が駆動輪に伝達されないシフト位置(例えば、
Pレンジ、Nレンジ)から、エンジンの駆動力が駆動輪
に伝達されるシフト位置(例えば、Rレンジ、Dレンジ
等)に変更された場合に、請求項1又は請求項2に係る
発明の作用が発揮されるのであるが、かかる場合は、過
渡的なトルク入力が著しいから、請求項1又は請求項2
に係る発明の上記のような作用が発揮されれば、特に有
益である。
【0015】さらに、請求項4に係る発明にあっては、
エンジンの駆動力が駆動輪に伝達されないシフト位置
(例えば、Pレンジ、Nレンジ)である場合には、収束
係数が小さいから、その状態から、エンジンの駆動力が
駆動輪に伝達されるシフト位置(例えば、Rレンジ、D
レンジ等)に変更されたとしても、収束係数は小さいま
まであり、シフト位置を変更した後であって制御が収束
したことが確認された後に収束係数は大きくなる。従っ
て、上記のようにシフト位置が変更された結果、過渡的
なトルク入力が生じて制御が不安定になっても、制御が
発散する可能性を低減できる。
【0016】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、自動変速
機のシフト位置が変更された結果、過渡的なトルク入力
が生じて制御が不安定になっても、所定時間経過するま
での間は収束係数を小さくするようにしたため、制御が
発散する可能性を低減でき、それだけ良好な騒音・振動
低減処理を実行できるという効果がある。
【0017】また、請求項2に係る発明によれば、自動
変速機のシフト位置が変更された結果、過渡的なトルク
入力が生じて制御が不安定になっても、所定時間経過す
るまでの間は駆動信号が過大であるか否かを判断するた
めのしきい値を大きくするようにしたため、発散を誤検
出する可能性を低減でき、それだけ良好な騒音・振動低
減処理を実行できるという効果がある。
【0018】そして、請求項4に係る発明によれば、自
動変速機のシフト位置が変更された結果、過渡的なトル
ク入力が生じて制御が不安定になっても、制御が収束す
るまでの間は収束係数が小さい状態を維持するようにし
たため、制御が発散する可能性を低減でき、それだけ良
好な騒音・振動低減処理を実行できるという効果があ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図7は本発明の第1の実
施の形態を示す図であって、図1は本発明に係る車両用
能動型騒音振動制御装置の一形態である車両用能動型振
動制御装置を適用した車両の概略側面図である。
【0020】先ず、構成を説明すると、横置きに搭載し
たエンジン17が、車体前後方向の後方に配置された制
御振動源としての能動型エンジンマウント20を介し
て、サスペンションメンバ等から構成される車体18に
支持されている。なお、実際には、エンジン17及び車
体18間には、能動型エンジンマウント20の他にエン
ジン17及び車体18間の相対変位に応じた受動的な支
持力を発生する複数のエンジンマウントも介在してい
る。受動的なエンジンマウントとしては、例えばゴム状
の弾性体で荷重を支持する通常のエンジンマウントや、
ゴム状の弾性体内部に減衰力発生可能に流体を封入して
なる公知の流体封入式のマウントインシュレータ等が適
用できる。
【0021】図2は、エンジン17に固定したブラケッ
ト(図示せず)を介して連結する能動型エンジンマウン
ト20の上部構造を平面視で示すものであり、エンジン
側連結部材30から上方に向けて突出している2本の連
結ボルト30aを、上述したブラケットの挿通孔に下側
から挿通し、ナットを螺合することによりエンジン17
に上端部が固定される。また、符号60はリバウンド規
制部材であり、このリバウンド規制部材60は、2本の
連結ボルト30a間を結ぶ線に対して直交し、エンジン
側連結部材30の上方をアーチ状に延在しながら装置ケ
ース43に固定されており、エンジン側連結部材30の
上面に固定したゴム製の弾性体からなるリバウンドスト
ッパ31の上方に位置している。
【0022】図3は、図2の矢視断面図で示す能動型エ
ンジンマウント20の内部構造を示すものであり、図2
の2本の連結ボルト30a間を結ぶ線に沿うA−A矢視
断面を、図3の軸心(以下、マウント軸と称する)P1
を境界として右側に示し、図2の2本の連結ボルト30
a間を結ぶ線に対して直交する方向のB−B矢視断面
を、図3のマウント軸P1 を境界として右側に示してい
る。
【0023】この能動型エンジンマウント20は、装置
ケース43に外筒34、中間筒36、オリフィス構成部
材37、支持弾性体32等のマウント部品を内蔵し、こ
れらマウント部品の下部に、流体室84の隔壁の一部を
形成しながら弾性支持された可動部材78を流体室84
の容積が変化する方向に変位させる電磁アクチュエータ
52と、図示しない車体メンバの振動状況を検出する荷
重センサ64とを内蔵した装置であり、より具体的に説
明していくと、前述したエンジン側連結部材30は、下
端周縁部30gが丸みを付けて形成されていると共に、
マウント軸P1に沿う位置に第1孔30cが形成されて
いる。また、このエンジン連結部材30に下側から嵌入
されて上方を向いている連結ボルト30aは、その頭部
30dがエンジン側連結部材30の下面から突出してい
る。ここで、その頭部30dの外周縁部は、丸みが付け
られて形成されている。
【0024】また、エンジン側連結部材30の下面に
は、断面逆台形状の中空筒体30bが固定されている。
この中空筒体30bには、連結ボルト30aに近接する
位置に第2孔30eが形成されていると共に、マウント
軸P1 に沿う下面に第3孔30fが形成されている。な
お、この中空筒体30bの連結ボルト30aから離間し
ている位置には、孔を形成していない。
【0025】そして、前記エンジン側連結部材30の下
面側には、中空筒体30bの内部及びエンジン側連結部
材30の下部側を覆うように、ゴム製の支持弾性体32
が加硫接着により固定されている。すなわち、この支持
弾性体32は、エンジン側連結部材30側から下方に向
けて拡径した形状のゴム製の弾性体であって、内面に断
面山形状の空洞部32aを形成しているが、連結ボルト
30aから離れている部分の支持弾性体32の外周面
は、図3の左側に示すように、エンジン側連結部材30
の外周部を覆いながらリバウンドストッパ31に連続し
ている。一方、連結ボルト30aに近接している支持弾
性体32は、図3の右側に示すように、連結ボルト30
aの頭部30dの全域を覆う被覆部32bが形成されて
いると共に、頭部30dの下方位置の外周を、内側に大
きく凹んだ形状としている(以下、符号32cで示す凹
み外周部と称する)。そして、前述した空洞部32aを
形成しながら前記凹み外周部32cに対向している支持
弾性体32の内面も、内側に大きく膨らんだ形状として
いる(以下、符号32dで示す膨らみ内周部と称す
る)。そして、連結ボルト30aに近接している部分の
支持弾性体32の肉厚は、凹み外周部32cに対向して
膨らみ内周部32dを設けたことにより、連結ボルト3
0aから離れている部分の肉厚と略同一に設定してい
る。
【0026】そして、薄肉形状とした支持弾性体32の
下端部は、マウント軸P1 が中空筒体30bと同軸に振
動体支持方向を向く中間筒体36の内周面に加硫接着に
より結合している。中間筒体36は、同一外周径とした
上端筒部36a及び下端筒部36bの間に小径筒部36
cを連続して形成した部材であり、外周に環状凹部を設
けている。また、図示しないが、小径筒部36cには開
口部が形成されており、この開口部を介して中間筒体3
6の内側及び外側が連通している。
【0027】中間筒体36の外側には外筒34が嵌合し
ており、この外筒34は内周径を中間筒体36の上端筒
部36a及び下端筒部36bの外周径と同一寸法とし、
軸方向の長さを中間筒体36と同一寸法に設定した円筒
部材である。また、この外筒34には開口部34aが形
成されており、この開口部34aの開口縁部にゴム製の
薄膜弾性体からなるダイアフラム42の外周が結合して
開口部34aを閉塞しつつ、外筒34の内側に向けて膨
出している。
【0028】そして、上記構成の外筒34を、環状凹部
を囲むように中間筒体36に外嵌すると、外筒34及び
中間筒体36間の周方向に環状空間が画成され、その環
状空間にダイアフラム42が膨出した状態で配設され
る。そして、中間筒体36の内側に、筒状のオリフィス
構成部材37が嵌合している。このオリフィス構成部材
37は、中間筒体36の小径筒部36cより小径に形成
した最小径筒部37aを備え、その最小径筒部37aの
上下端部に径方向外方に向けて上部環状部37b及び下
部環状部37cが形成されており、これら最小径筒部3
7a、上部及び下部環状部37b、37cで囲んだ位置
と中間筒体36との間に環状空間が設けられている。ま
た、最小径筒部37aの一部に第2開口部37dが形成
されている。ここで、上部環状部37bは、支持弾性体
32の下方に位置しているが、図2の右側に示すよう
に、連結ボルト30aに近接している支持弾性体32の
下方に位置している上部環状部37b1 は肉厚を薄く形
成して凹みを設けており、支持弾性体32の膨らみ内周
部32dから離れた位置で対向している。
【0029】また、装置ケース43は、その上端部に上
端筒部36aの外周径より小径の円形開口部を有する上
端かしめ部43aが形成されていると共に、この上端か
しめ部43aと連続するケース本体の形状を、内周径が
外筒34の外周径と同一寸法で下端開口部まで連続する
円筒形状(下端開口部を図2の破線で示した形状)とし
た部材であり、全てのマウント部品の組み込みが完了し
た後に下端開口部を径方向内方に向けてかしめていくこ
とにより、図2の実線で示すかしめ部が形成される。
【0030】そして、支持弾性体32、中間筒体36、
オリフィス構成部材37及びダイアフラム42を一体化
した外筒34を装置ケース43の下端開口部から内部に
嵌め込んでいき、上端かしめ部43aの下面に外筒34
及び中間筒体36の上端部を当接させると、それらが装
置ケース43内の上部に配設される。この際、装置ケー
ス43の内周面とダイヤフラム42とで囲まれた部分に
空気室42cが画成されるが、この空気室42cを臨む
位置に空気孔43aが形成されており、この空気孔43
aを介して空気室42cと大気が連通している。
【0031】装置ケース43内の下部には円筒状のスペ
ーサ70が嵌め込まれており、このスペーサ70内の上
部に可動部材78が配置されていると共に、スペーサ7
0内の下部に電磁アクチュエータ52が配置されてい
る。前記スペーサ70は、円筒状の上部筒体70aと、
円筒状の下部筒体70bと、これら筒体の上下端部間に
加硫接着したゴム製の薄膜弾性体からなる略円筒状のダ
イアフラム70cとで構成されている。
【0032】前記電磁アクチュエータ52は、外観円筒
形のヨーク52aと、ヨーク52aの上端面側に配設し
た円環状の励磁コイル52bと、ヨーク52aの上面中
央部に磁極を上下方向に向けて固定した永久磁石52c
とで構成されている。また、前記ヨーク52aは、円環
状の第1ヨーク部材53aと、中央円筒部に永久磁石5
2cを固定した第2ヨーク部材53bとで構成されてい
る。
【0033】そして、上部及び下部筒体70a、70b
間のダイアフラム70cは、ヨーク52aの外周に形成
した凹部52dに向かって膨出している。また、ヨーク
52aの下面と、車体側連結ボルト60を備えた蓋部材
62との間には、振動低減制御に必要な残留振動を検出
するために、荷重センサ64が介装されている。荷重セ
ンサ64としては、圧電素子,磁歪素子,歪ゲージ等が
適用可能であり、このセンサの検出結果は、図1に示す
ように、残留振動信号eとしてコントローラ25に供給
されるようになっている。
【0034】一方、前記電磁アクチュエータ52の上方
には、シール部材固定用のシールリング72と、後述す
る板ばね82の外周部を下側から自由端支持する支持リ
ング74と、電磁アクチュエータ52の永久磁石52c
及び可動部材78間のギャップHを設定するギャップ保
持リング76とが配置されている。これらシールリング
72、支持リング74及びギャップ保持リング76の外
周径は、前述したスペーサ70の上部筒体70aの内周
径と同一寸法に設定されており、ヨーク52aから上方
に突出している上部筒体70a内にシールリング72、
支持リング74及びギャップ保持リング76の全てが内
嵌されている。そして、これらシールリング72、支持
リング74及びギャップ保持リング76の内側には、上
下方向に変位可能となるように可動部材78が配置され
ている。
【0035】この可動部材78は、外観円盤状の隔壁形
成部材78Aと、この隔壁形成部材78Aより大径円盤
状に形成した磁路形成部材78Bとで構成した部材であ
って、電磁アクチュエータ52に対して遠い方に位置す
る隔壁形成部材78Aの軸心にボルト孔80aを形成
し、電磁アクチュエータ52に近い磁路形成部材78B
を貫通した可動部材用ボルト80がボルト孔80aに螺
合することにより、隔壁形成部材78A及び磁路形成部
材78Bを一体に連結した構造となっている。
【0036】隔壁形成部材78A及び磁路形成部材78
B間には、リング状に連続したくびれ部79が画成され
ているが、このくびれ部79に可動部材78を弾性支持
するための板ばね82が収容されている。つまり、板ば
ね82は、中央部に孔部を形成した円盤形状の部材であ
り、この板ばね82の内周部を隔壁形成部材78Aの裏
面中央部の下側から自由端支持し、板ばね82の外周部
を支持リング74のばね支持部74aが下側から自由端
支持しており、これにより可動部材78が装置ケース4
3に板ばね82を介して弾性支持されている。
【0037】前記隔壁形成部材78Aは、流体室84に
面している隔壁部80cの肉厚を薄くし、隔壁部80c
の外周から上方に突出する環状のリブ80bを形成した
部材である。そして、隔壁形成部材78Aの上面と、支
持弾性体32の下面と、オリフィス構成部材37の内周
面とで流体室84が形成され、この流体室84内に流体
が封入される。
【0038】また、流体室84から板ばね82を収容し
ているくびれ部79側への流体の漏洩を防止するため、
隔壁形成部材78Aの外周とシールリング72の内周と
の間には、ゴム状弾性体からなるリング形状のシール部
材86が固定されており、このシール部材86の弾性変
形によって、シールリング72や装置ケース43に対す
る可動部材78の上下方向への相対変位を許容してい
る。
【0039】次に、本実施形態の能動型エンジンマウン
ト20の振動入力減衰作用について簡潔に説明する。本
実施形態の能動型エンジンマウント20は、支持弾性体
32の空洞部32aとオリフィス構成部材37の軸中央
空間とが連通し、オリフィス構成部材37の軸中央空間
及びオリフィス構成部材37と中間筒体36との間の環
状空間が、第2開口部37dを介して連通し、前記環状
空間及びダイアフラム42が膨出している空間が、中間
筒体36に形成した開口部を介して連通しており、これ
ら支持弾性体32の空洞部32aからダイアフラム42
が膨出している空間までの連通路内に、エチレングリコ
ール等の流体が封入されている。
【0040】そして、支持弾性体32の空洞部32aか
らオリフィス構成部材37と中間筒体36との間の環状
空間までの連通路を主流体室84とすると、中間筒体3
6に形成した開口部の近傍をオリフィスとし、この開口
部に対向しながらダイアフラム42に囲まれている領域
を副流体室とした流体共振系が形成されている。この流
体共振系の特性、即ち、オリフィス内の流体の質量と、
支持弾性体32の拡張方向ばね、ダイアフラム42の拡
張方向ばねで決まる特性は、車両停止中のアイドル振動
の発生時、つまり20〜30Hzでエンジンマウント20
A、20Bが加振された場合に高動ばね定数、高減衰力
を示すように調整されている。
【0041】一方、電磁アクチュエータ52の励磁コイ
ル52bは、コントローラ25から例えばハーネスを通
じて供給される電流である駆動信号yに応じて所定の電
磁力を発生するようになっている。コントローラ25
は、マイクロコンピュータ,必要なインタフェース回
路,A/D変換器,D/A変換器,アンプ、ROM,R
AM等の記憶媒体等を含んで構成され、エンジン17で
発生する振動を低減できる能動的な支持力が能動型エン
ジンマウント20に発生するように、能動型エンジンマ
ウント20に対する駆動信号yを生成し出力するように
なっている。
【0042】また、前述したように能動型エンジンマウ
ント20には荷重センサ64が内蔵されており、車体1
8の振動状況を荷重の形で検出して残留振動信号eとし
て出力し、その残留振動信号eが干渉後における振動を
表す信号として例えばハーネスを通じてコントローラ2
5に供給されている。ここで、エンジン17で発生する
アイドル振動やこもり音振動は、例えばレシプロ4気筒
エンジンの場合、エンジン回転2次成分のエンジン振動
が車体18に伝達されることが主な原因であるから、そ
のエンジン回転2次成分に同期して駆動信号yを生成し
出力すれば、車体側振動の低減が可能となる。そこで、
本実施の形態では、エンジン17のクランク軸の回転に
同期した(例えば、レシプロ4気筒エンジンの場合に
は、クランク軸が180度回転する度に一つの)インパ
ルス信号を生成し基準信号xとして出力するパルス信号
生成器19を設けていて、その基準信号xが、コントロ
ーラ25に供給されている。
【0043】そして、コントローラ25は、供給される
残留振動信号e及び基準信号xに基づき、適応アルゴリ
ズムの一つである同期式Filtered−X LMS
アルゴリズム(以下、SFXアルゴリズムと称す。)を
実行することにより、能動型エンジンマウント20に対
する駆動信号yを演算し、その駆動信号yを能動型エン
ジンマウント20に出力するようになっている。
【0044】具体的には、コントローラ25は、フィル
タ係数Wi (i=0,1,2,……,I−1:Iはタッ
プ数)可変の適応ディジタルフィルタWを有していて、
最新の基準信号xが入力された時点から所定のサンプリ
ング・クロックの間隔で、その適応ディジタルフィルタ
Wのフィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力す
る一方、基準信号x及び残留振動信号eに基づいて適応
ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を適宜更新す
る処理を実行するようになっている。
【0045】ただし、この実施の形態では、SFXアル
ゴリズムにおける評価関数として、下記の(1)式を用
いている。 Jm={e(n)}2 +β{y(n)}2 ……(1) つまり、LMSアルゴリズムにあっては、評価関数Jm
が小さくなる方向にフィルタ係数Wi が更新されるので
あるから、上記(1)式の右辺の内容からも明らかなよ
うに、フィルタ係数Wi は、残留振動信号eの自乗値が
小さくなると共に、駆動信号yの自乗値をβ倍した値が
小さくなるように、逐次更新されることになる。そし
て、βは発散抑制係数と称される係数であって、この発
散抑制係数βが大きくなる程、駆動信号yは小さくなる
傾向となる。つまり、発散抑制係数βには制御の発散を
抑制する作用がある。
【0046】そして、収束係数をαとし、上記(1)式
で表される評価関数Jmに基づいてフィルタ係数Wi
更新式を求めると、下記の(2)式のようになる。 Wi (n+1)=Wi (n)+2αRT e(n)−2βαy(n) ……(2) そこで、この(2)式中の「2α」を新たな収束係数α
とし、「2βα」を新たな発散抑制係数βとすれば、適
応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi の更新式は
下記の(3)式のようになる。
【0047】 Wi (n+1)=Wi (n)+αRT e(n)−βy(n) ……(3) ここで、(n),(n+1)が付く項は、サンプリング
時刻n,n+1,における値であることを表している。
また、更新用基準信号RT は、理論的には、基準信号x
を、能動型エンジンマウント20の電磁アクチュエータ
52及び荷重センサ64間の伝達関数Cをモデル化した
伝達関数フィルタC^でフィルタ処理をした値である
が、基準信号xの大きさは“1”であるから、伝達関数
フィルタC^のインパルス応答を基準信号xに同期して
次々と生成した場合のそれらインパルス応答波形のサン
プリング時刻nにおける和に一致する。
【0048】また、理論的には、基準信号xを適応ディ
ジタルフィルタWでフィルタ処理して駆動信号yを生成
するのであるが、基準信号xの大きさが“1”であるた
め、フィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力し
ても、フィルタ処理の結果を駆動信号yとしたのと同じ
結果になる。そして、コントローラ25は、上記のよう
な駆動信号yの出力処理及び適応ディジタルフィルタW
の各フィルタ係数Wi の更新処理を、基準信号xの最新
のインパルスが生成された時点を基準に開始される固定
サンプリング・クロックに同期して実行するようになっ
ている。ここで、基準信号xのインパルスの生成に伴っ
てクリアされ固定サンプリング・クロックに同期してイ
ンクリメントされるカウンタをi(=0、1、2、…、
L−1)、サンプリング・クロックの一周期内(サンプ
リング周期内)に実行されるフィルタ係数Wj の更新処
理を各フィルタ係数Wj に対して実行するために用いら
れるカウンタをj(=0、1、2、…、L−1)とする
と、上記(3)式に示した各フィルタ係数Wj の更新式
は、それらi,jの関係から、具体的には下記のように
なる。
【0049】 i=j; Wj (n+1)=Wj (n)+αR(0)e(n)−βy(n) ……(4) i−j<0; Wj (n+1)=Wj (n)+αR(L1+i−j)e(n) ……(5) i−j≧L1; Wj (n+1)=Wj (n)+αR(i−j−L1)e(n) ……(6) 0<i−j<L1; Wj (n+1)=Wj (n)+αR(i−j)e(n) ……(7) 但し、Lは、基準信号xの一周期(制御周期)内に駆動
信号yとして出力されるフィルタ係数Wj の個数(タッ
プ数)であり、基準信号xの周期Tx を固定サンプリン
グ・クロックの周期Tc で割った結果の小数点以下を切
り上げた値である。また、L1は、基準信号xの一周期
内に駆動信号yとして出力されるフィルタ係数Wj の実
際のタップ長の小数点以下まで考慮して求められる整数
タップ長であって、基準信号xの周期Tx を固定サンプ
リング・クロックの周期Tc で割った結果を小数点第一
位で四捨五入した値である。
【0050】つまり、コントローラ25内では、0〜
(L−1)の間で1ずつ増加するカウンタiのそれぞれ
に対して、カウンタjを0から(L−1)にまで1ずつ
増加させる毎に、上記(4)〜(7)のいずれかの更新
式に従ってフィルタ係数Wj が更新されるのである。そ
して、上記(4)〜(7)式を実行するためには、上述
したタップ数L及び整数タップ長L1を常に把握してお
かなければならないから、基準信号xの周期Tx の最新
の値を常に検出するようになっている。具体的には、基
準信号xの最新のインパルスとその一つ前のインパルス
との入力間隔を、クロックパルスをカウントする周期測
定用タイマによって常時計測し、これにより周期Tx
取得するようになっている。
【0051】また、コントローラ25は、周期測定用タ
イマの他に、サンプリング・クロックの周期が経過した
ことを認識するためのタイマ(サンプリング・クロック
測定用タイマ)を有していて、最新の基準信号xのイン
パルスが生成された時点から、サンプリング・クロック
の周期と同じ時間を繰り返し測定し、そのサンプリング
・クロックに同期して駆動信号yを出力するようになっ
ている。
【0052】そして、本実施の形態では、上記(4)〜
(7)式の収束係数として、大小二つの値を用意してお
り、所定条件に従って使い分けるようにしている。具体
的には、コントローラ25には、自動変速機28からイ
ンヒビット信号NPが供給されるようになっていて、コ
ントローラ25は、そのインヒビット信号NPに基づ
き、自動変速機28のシフト位置が、Nレンジ又はPレ
ンジにあるのか、或いは、Dレンジ又はRレンジにある
のか、を検出するようになっている。つまり、多くの車
両では、シフト位置がNレンジ又はPレンジにあるとき
以外にはエンジン17を始動させない制御を実行する上
で、自動変速機28がNレンジ又はPレンジあるときと
それ以外とを区別するために、図示しないインヒビタス
イッチによりインヒビット信号NPを生成するようにな
っているから、そのインヒビット信号NPをコントロー
ラ25に取り込めば、自動変速機28のシフト位置が、
エンジン17の駆動力が駆動輪に伝達されないシフト位
置(Nレンジ、Pレンジ)にあるのか、或いは、エンジ
ン17の駆動力が駆動輪に伝達されるシフト位置(Dレ
ンジ、Rレンジ等)にあるのかを、容易に判断すること
ができるのである。
【0053】上記のようにインヒビット信号NPに基づ
いてシフト位置が区別されることを利用して、コントロ
ーラ25内では、シフト位置がNレンジ又はPレンジに
あるときには、大きい方の収束係数αを用いる一方、シ
フト位置がNレンジ又はPレンジから、Dレンジ又はR
レンジに変更された時点でタイマTMをスタートさせ、
そのタイマTMによる計測を開始してからその計測時間
が所定時間Tに達するまでの間は、小さい方のαを用い
るようになっている。そして、タイマTMによる計測時
間が所定時間Tに達した後は、大きい方の収束係数αを
用いるようになっている。
【0054】所定時間Tは、自動変速機のシフト位置
を、Nレンジ又はPレンジから、Dレンジ又はRレンジ
に変更することにより生じる過渡的なトルク入力により
不安定になった制御が、安定状態に戻るのに充分な時間
であり、車種毎に実験やシミュレーションを行って適宜
決定することができる。さらに、コントローラ25は、
上記のような適応ディジタルフィルタWを用いた振動低
減処理、並びに、収束係数αの選択処理を実行する一方
で、制御が発散しているか否かを検出し、それが検出さ
れた場合には発散を抑制する発散検出抑制処理を実行す
るようになっている。発散検出処理は、本実施の形態で
は、駆動信号yの振幅に基づいて行われるようになって
いる。具体的には、駆動信号yの一周期内の振幅が予め
設定してある所定しきい値γを越えている状態が、所定
時間Dmax 以上継続した場合には、制御に発散が生じて
いると判定するようになっている。
【0055】そして、発散が生じていないと判定された
場合には、発散抑制係数βは現在値を維持したまま、上
記の振動低減処理を繰り返し実行する一方、発散が生じ
ていると判定された場合には、発散抑制係数βを現在の
値よりも大きな値に変更するようになっている。次に、
本実施の形態の動作を説明する。
【0056】イグニッションスイッチがオンとなって電
源が供給されるようになると、コントローラ25は、所
定の演算処理を実行し、電磁アクチュエータ52に駆動
信号yを出力し、能動型エンジンマウント20に振動を
低減し得る能動的な支持力を発生させるようになる。こ
れをコントローラ25内で実行される処理の概要を示す
フローチャートである図4に従って具体的に説明する。
【0057】即ち、電源が供給されると、コントローラ
25は所定の初期設定を行い、イグニッションスイッチ
がオンになった後に、運転者がエンジンキーをさらに回
すと、エンジン17が起動し、基準信号xがコントロー
ラ25に供給されるようになる。そして、基準信号xの
インパルスが確認されたら、基準信号xの立ち上がりが
検出されて基準信号xの信号周期TX が検出され、その
周期Tx と固定サンプリング・クロックの周期Tc とに
基づき、ステップ101においてタップ数L及び整数タ
ップ長L1が演算される。なお、図4の処理が開始され
てからステップ101の処理の実行回数が2以上の場合
には、後述するカウンタiの値に基づいてタップ数Lを
求め、また、そのカウンタiの値とサンプリング・クロ
ック測定用タイマの値とに基づいて整数タップ長L1を
求めることも可能である。
【0058】次いで、ステップ102に移行し、カウン
タiが零クリアされた後に、ステップ103に移行し、
サンプリング・クロック測定用タイマがクリア・スター
トされる。そして、ステップ104に移行し、適応ディ
ジタルフィルタWのi番目のフィルタ係数Wi が駆動信
号yとして出力される。次いで、ステップ105に移行
し、カウンタiが0か否かが判定され、この判定が「Y
ES」の場合には、制御周期(基準信号xの周期)が始
まった直後であると判断して、一制御周期が始まったこ
とに伴う初期処理を実行すべく、ステップ106に移行
し、伝達関数フィルタC^に基づき更新用基準信号RT
が演算される。なお、ステップ106では、基準信号x
の新たな一周期分の更新用基準信号R(更新用基準信号
T は、更新用基準信号Rの転置行列である。)がまと
めて演算される。
【0059】ステップ105の判定が「NO」の場合並
びにステップ106の処理を終えた場合には、ステップ
107に移行し、残留振動信号eが読み込まれる。そし
て、ステップ108に移行し、収束係数αを選択するた
めの処理が実行される。即ち、ステップ108の収束係
数選択処理が実行されると、図5に示すように、先ずス
テップ201において、インヒビット信号NPが読み込
まれる。
【0060】次いで、ステップ202に移行し、インヒ
ビット信号NPに基づき、シフト位置が、Dレンジ或い
はRレンジ等の前進・後進可能な位置にあるか否かが判
定され、その判定が「NO」の場合、つまり、シフト位
置がNレンジ又はPレンジにある場合には、ステップ2
03に移行する。ステップ203に移行したら、タイマ
TMをクリアし、次いでステップ204に移行し、収束
係数αを大きい方の値に設定し、これで今回の図5の処
理を終了して図4の処理に復帰する。
【0061】一方、ステップ202の判定が「YES」
の場合には、ステップ205に移行し、タイマTMをカ
ウントアップする。このタイマTMは、上述したように
ステップ203でクリアされるようになっているため、
シフト位置がNレンジ又はPレンジからDレンジ又はR
レンジに変更された時点からの時間を計測することにな
る。
【0062】そこで、ステップ206に移行し、タイマ
TMの計測時間が、所定時間T未満であるか否かを判定
し、その判定が「YES」の場合には、ステップ207
に移行して、収束係数αを小さい方の値に設定し、これ
で今回の図5の処理を終了して図4の処理に復帰する。
これに対し、ステップ206の判定が「NO」の場合に
は、ステップ204に移行してから、図4の処理に復帰
する。
【0063】このような図5の処理が実行される結果、
収束係数αは、シフト位置がNレンジ又はPレンジにあ
るときと、シフト位置がDレンジ又はRレンジに変更さ
れてから所定時間Tが経過した後とには、大きな値に設
定され、シフト位置がDレンジ又はRレンジに変更され
てから所定時間Tが経過するまでの間は、小さな値に設
定される。
【0064】図5の処理から図4の処理に復帰したら、
ステップ109に移行し、カウンタjが零クリアされ
る。そして、ステップ110に移行し、適応ディジタル
フィルタWのj番目のフィルタ係数Wj が上記(4)〜
(7)式に従って更新される。次いで、ステップ111
に移行し、基準信号xの次のインパルスが入力されてい
るか否かを判定し、ここで基準信号xが入力されていな
いと判定された場合には、適応ディジタルフィルタWの
次のフィルタ係数の更新又は駆動信号yの出力処理を実
行すべくステップ112に移行する一方、ステップ11
1で基準信号xの新たなインパルスが入力されたと判断
された場合には、ステップ101に戻って、上述した処
理を繰り返し実行する。
【0065】ステップ112では、全フィルタ係数Wj
に対する更新演算が完了しているか否か、つまりカウン
タjがタップ数L(正確には、カウンタjは0からスタ
ートするため、タップ数Lから1を減じた値)に達して
いるか否かが判定され、この判定が「NO」の場合に
は、ステップ112に移行し、カウンタjをインクリメ
ントした後に、ステップ110に戻って上述した処理を
繰り返し実行する。
【0066】しかし、ステップ112の判定が「YE
S」の場合には、適応ディジタルフィルタWのフィルタ
係数Wj のうち、駆動信号yとして必要な数のフィルタ
係数の更新処理が完了したと判断できるから、ステップ
114に移行してカウンタiをインクリメントする。次
いで、ステップ115に移行し、発散検出抑制処理を実
行する。本実施の形態における発散検出抑制処理の詳細
は、図6に示すようになっている。
【0067】即ち、発散検出抑制処理が実行されると、
ステップ211において、駆動信号yの大きさを表す評
価値Fを演算する。評価値Fは、例えば下記の(8)式
に従って演算される。 F=(Wmax +Wmin )/2 ……(8) なお、Wmax 、Wmin は、それぞれ適応ディジタルフィ
ルタWのフィルタ係数Wi の最大値及び最小値である。
従って、評価値Fは、適応ディジタルフィルタWの直流
成分に略相当する。
【0068】そして、ステップ212に移行し、評価値
Fが、制御の発散を検出可能な予め設定されている所定
のしきい値γを越えているか否かを判断し、越えていな
いと判断された場合には、ステップ216に移行して発
散タイマDをリセットした後に、図4の処理に復帰す
る。しかし、ステップ212の判定が「YES」の場合
には、評価値Fが過大であって制御が発散に至っている
可能性があると判断できるから、ステップ213に移行
し、評価値Fが過大である状態の連続時間を計測するた
めに、発散タイマDをカウントアップする。そして、ス
テップ214に移行し、発散タイマDの値が、予め設定
されている所定時間Dmax に達しているか否かを判定
し、越えていない場合には、今回の図6の処理を終了し
て図4の処理に復帰する。
【0069】これに対し、ステップ214において、発
散タイマDの値が所定時間Dmax に達していると判断さ
れた場合にはステップ215に移行し、発散抑制係数β
を増加させる。次いで、ステップ216に移行して発散
タイマDをリセットした後に、図4の処理に復帰する。
図5の処理から図4の処理に復帰したら、ステップ11
6に移行し、上記ステップ103でクリア・スタートさ
せたサンプリング・クロック測定用タイマの値が固定サ
ンプリング・クロックの周期TC に達するまで待機した
後、上記ステップ103に戻って上述した処理を繰り返
し実行する。
【0070】このような図4の処理を繰り返し実行する
結果、コントローラ25から能動型エンジンマウント2
0の電磁アクチュエータ52に対しては、基準信号xが
入力された時点から、固定サンプリング・クロックに同
期して、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi
が順番に駆動信号yとして供給される。この結果、励磁
コイル52bに駆動信号yに応じた磁力が発生するが、
磁路形成部材78Bには、すでに永久磁石52cによる
一定の磁力が付与されているから、その励磁コイル52
bによる磁力は永久磁石52cの磁力を強める又は弱め
るように作用すると考えることができる。このように、
永久磁石52cの磁力が強まったり弱まったりすると、
可動部材78が正逆両方向に変位し、可動部材78が変
位すれば、主流体室84の容積が変化し、その容積変化
によって支持弾性体32の拡張ばねが変形するから、こ
の能動型エンジンマウント20に正逆両方向の能動的な
支持力が発生するのである。
【0071】そして、駆動信号yとなる適応ディジタル
フィルタWの各フィルタ係数Wi は、SFXアルゴリズ
ムに従った上記(4)〜(7)式によって逐次更新され
るため、ある程度の時間が経過して適応ディジタルフィ
ルタWの各フィルタ係数Wiが最適値に収束した後は、
駆動信号yが能動型エンジンマウント20に供給される
ことによって、エンジン17から能動型エンジンマウン
ト20を介して車体18側に伝達されるアイドル振動や
こもり音振動が低減されるようになる。
【0072】しかも、本実施の形態では、図6の処理の
ステップ212〜214の処理で制御の発散が検出され
た場合には、発散抑制係数βが増加方向に更新されるか
ら、上記(4)式の右辺第3項は、発散抑制係数βの更
新前よりも大きくなる。すると、フィルタ係数Wi は、
更新演算される際に原点(=0)に近づく傾向が強くな
るから、制御の発散によって増大傾向にあったフィルタ
係数Wi が小さくなり、それに伴って駆動信号yが小さ
くなって、能動型エンジンマウント1で発生する制御振
動が小さくなる。そして、発散抑制係数βの増加方向へ
の更新は、ステップ214の判定が「YES」であって
且つ発散抑制係数βが最大値に達するまでは繰り返し行
われるから、発散が有効に抑制されるようになるまで、
その発散抑制係数βは増加することになる。
【0073】そして、本実施の形態では、図5に示す処
理を実行することにより、収束係数αを、通常は大きな
値とし、過渡的なトルク入力によって制御が不安定であ
る間だけ小さな値とするようにしているため、通常時の
制御の追従性(収束性)を損なうことなく、シフト位置
を変更した直後に却って車体側の振動が悪化する可能性
を低減することができる。
【0074】つまり、図7に示すように、時刻t1 まで
は制御がフィルタ係数Wi が最適値に収束していたため
残留振動信号eも充分小さな値に落ち着いていたにも関
わらず、時刻t1 においてシフト位置をNレンジからD
レンジに変更した結果、過渡的なトルク入力によって制
御が不安定になった場合、時刻t1 以降も収束係数αが
大きいままだと、エンジン振動を充分に打ち消せないま
ま駆動信号yが大きくなって却って残留振動信号eが大
きくなり(図7破線の変化参照)、振動低減制御を行う
ことによって却って乗員に不快感を与える可能性が高く
なる。
【0075】しかし、本実施の形態であれば、時刻t1
から所定時間Tが経過するまでの間は、収束係数αが小
さい値になるため、フィルタ係数Wi が大きく更新され
ず、誤って大きな駆動信号yが生成される可能性が低減
でき、図7に実線で示すように、残留振動信号eの増大
を抑制することができるのである。そして、時刻t1
ら所定時間Tを経過した時刻t2 に至った後は、収束係
数αは大きな値に戻されるから、収束性の高い制御に戻
る。
【0076】図8乃至図10は、本発明の第2の実施の
形態を示す図であって、図8は、上記第1の実施の形態
における図4と同様に振動低減処理の概要を示すフロー
チャートである。なお、上記第1の実施の形態と同様の
処理には、同じ符号を付し、その重複する説明は省略す
るとともに、その他の構成は上記第1の実施の形態と同
様であるためその図示及び説明は省略する。
【0077】即ち、本実施の形態では、振動低減処理に
おいてステップ107からステップ301に移行し、し
きい値γを選択する処理が実行されるようになってい
る。つまり、本実施の形態では、制御の発散を検出する
処理に用いられるしきい値γとして、大小二つの値を用
意しており、所定条件に従って使い分けるようにしてい
る。そして、しきい値γの使い分ける具体的な方策は、
上記第1の実施の形態における収束係数αを使い分ける
方策と、同様である。
【0078】つまり、ステップ301のしきい値γの選
択処理の具体的内容は、図9に示すようになっている
が、図5と略同様の内容であり、異なるのは、ステップ
204に代えてステップ310の処理が実行され、ステ
ップ207の処理に代えてステップ311の処理が実行
されるようになっている点である。そして、ステップ3
10では、しきい値γとして小さい方の値が設定され、
ステップ311では、しきい値γとして大きい方の値が
設定されるようになっている。
【0079】このような構成であると、しきい値γは、
通常は小さな値であるが、過渡的なトルク入力によって
制御が不安定である間だけは通常時よりも大きな値にな
るから、制御が発散していないにも関わらずそれを誤検
出する可能性を低減できるという利点がある。これを詳
述すると、図10に示すように、時刻t1 においてシフ
ト位置がNレンジ又はPレンジからDレンジ又はRレン
ジに変更されたために、制御が不安定になってフィルタ
係数Wi が大きく更新され、その影響で過大な駆動信号
yが生成されたとしても、時刻t1 から所定時間Tを経
過して時刻t2 に至るまでの間は、しきい値γが大きめ
の値になっているから、図6のステップ212及び21
4の判定が誤って「YES」となってステップ215の
処理が実行されてしまう可能性を低減できるのである。
そして、ステップ215の処理が誤って実行されなけれ
ば、フィルタ係数Wi の収束性が損なわれないから、時
刻t2 以降の振動低減処理の効果を低下させないで済
む。
【0080】図11は、本発明の第3の実施の形態を示
す図であって、上記第1の実施の形態における図5と同
様に収束係数αの選択処理の概要を示すフローチャート
である。なお、上記第1の実施の形態と同様の処理に
は、同じ符号を付し、その重複する説明は省略するとと
もに、その他の構成は上記第1の実施の形態と同様であ
るためその図示及び説明は省略する。
【0081】即ち、図11の処理が実行されると、ステ
ップ201、202の処理が実行され、ステップ202
の判定が「NO」の場合、つまり、シフト位置がNレン
ジ又はPレンジの場合には、ステップ401に移行し、
フラグFを“0”にセットした後に、ステップ402に
移行し、収束係数αを小さな値に設定する。一方、ステ
ップ202の判定が「YES」の場合には、ステップ4
03に移行し、ここでフラグFが“0”であるか否かを
判定する。フラグFは、上記のようにシフト位置がNレ
ンジ又はPレンジにあるときに“0”にセットされるフ
ラグであり、これが“1”にセットされるのは、後述の
ようにステップ202の判定が「YES」となった後
(つまり、シフト位置が、Nレンジ又はPレンジから、
Dレンジ又はRレンジに変更された後)であって、振動
低減制御が収束したと判断された後である。
【0082】従って、ステップ403でF=0と判定さ
れた場合は、シフト位置がDレンジ又はRレンジに変更
された後であって、未だに制御の収束が確認されていな
い場合である。そこで、ステップ404に移行し、残留
振動信号eの振幅E(一周期分の残留振動信号eの自乗
和であってもよい)を演算し、次いでステップ405に
移行し、その振幅Eがしきい値Ethよりも大きいか否か
を判定する。そして、ステップ405の判定が「YE
S」の場合には、未だ制御が収束していないと判断し、
ステップ402に移行する。
【0083】しかし、ステップ405の判定が「NO」
の場合には、制御が収束したと判断し、ステップ406
に移行して、フラグFを“1”にセットし、次いでステ
ップ407に移行して、収束係数αを大きい方の値に設
定する。このような構成であれば、シフト位置がNレン
ジ又はPレンジから、Dレンジ又はRレンジに変更され
たために、過渡的なトルク入力が生じた結果、制御が不
安定になったとしても、その不安定な制御が安定するま
では、収束係数αとして小さい方の値が使用されるか
ら、フィルタ係数Wi が大きく更新されず、誤って大き
な駆動信号yが生成される可能性が低減でき、上記第1
の実施の形態と同様に、残留振動信号eの増大を抑制す
ることができるのである。そして、制御の安定が確認さ
れた後には、収束係数αは大きな値に設定されるから、
収束性の高い制御が実行されるようになる。
【0084】なお、本実施の形態では、残留振動信号e
の振幅Eに基づいて制御が収束したか否かを判断するよ
うにしているが、これに限定されるものではなく、例え
ば、その振幅Eの変化を監視し、振幅Eの変化幅が充分
に小さくなった時点で制御が安定したと判断する構成で
あってもよい。また、上記各実施の形態においては、残
留振動を能動型エンジンマウント20に内蔵した荷重セ
ンサ64によって検出しているが、これに限定されるも
のではなく、例えば車室内の乗員足元位置にフロア振動
を検出する加速度センサを配設し、その加速度センサの
出力信号を残留振動信号eとしてもよい。
【0085】そして、上記各実施の形態においては、本
発明における車両用能動型騒音振動制御装置をエンジン
17から車体18に伝達される振動を低減する車両用能
動型振動制御装置に適用した場合について説明したが、
本発明の対象はこれに限定されるものではなく、例えば
騒音源としてのエンジン17から車室内に伝達される騒
音を低減する車両用能動型騒音制御装置であってもよ
い。かかる車両用能動型騒音制御装置とする場合には、
車室内に制御音を発生するための制御音源としてのラウ
ドスピーカと、車室内の残留騒音を検出するマイクロフ
ォンとを設け、上記実施の形態と同様の演算処理を実行
すれば、上記実施の形態と同様の作用効果を得ることが
できる。
【0086】さらに、上記各実施の形態では、駆動信号
yを生成するアルゴリズムとしてSFXアルゴリズムを
適用しているが、適用可能なアルゴリズムはこれに限定
されるものではなく、例えば、通常のLMSアルゴリズ
ム、Filtered−XLMSアルゴリズム等であっ
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における車両の概略側面図で
ある。
【図2】能動型エンジンマウントの一例を平面視で示し
た図である。
【図3】図2のA−A矢視断面及びB−B矢視断面図で
ある。
【図4】振動低減処理の概要を示すフローチャートであ
る。
【図5】収束係数の選択処理の概要を示すフローチャー
トである。
【図6】発散検出抑制処理の概要を示すフローチャート
である。
【図7】実施の形態の作用を説明する波形図である。
【図8】第2の実施の形態の振動低減処理の概要を示す
フローチャートである。
【図9】しきい値の選択処理の概要を示すフローチャー
トである。
【図10】第2の実施の形態における作用を説明する波
形図である。
【図11】第3の実施の形態における収束係数の選択処
理の概要を示すフローチャートである。
【符号の説明】
17 エンジン 18 車体 19 パルス信号生成器 20 能動型エンジンマウント(制御振動源) 25 コントローラ 52 電磁アクチュエータ 64 荷重センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D035 CA05 CA31 3J048 AA02 AB15 AD03 BE04 BE09 CB12 EA36 3J052 AA20 DB10 GC04 LA01 5H004 GA08 GA12 GB12 HA12 HA20 HB09 HB11 HB15 KA32 KA43 KA44 KA54 KB21 KC12 KC54 LB07 LB09 LB10 MA02 MA08 MA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機を備えた車両に適用され、適
    応アルゴリズムに従ってフィルタ係数が更新される適応
    ディジタルフィルタを用いて駆動信号を生成し、その駆
    動信号によって制御音源又は制御振動源を駆動させるこ
    とにより、エンジンから発せられた騒音又は振動と干渉
    する制御音又は制御振動を発生させるようになってお
    り、 前記フィルタ係数の更新式は、前記フィルタ係数の収束
    速度に影響を与える収束係数を含んでいる車両用能動型
    騒音振動制御装置において、 前記自動変速機のシフト位置が変更された場合には、そ
    の変更後所定時間経過するまで、前記収束係数を通常時
    よりも小さくするようになっていることを特徴とする車
    両用能動型騒音振動制御装置。
  2. 【請求項2】 自動変速機を備えた車両に適用され、適
    応アルゴリズムに従ってフィルタ係数が更新される適応
    ディジタルフィルタを用いて駆動信号を生成し、その駆
    動信号によって制御音源又は制御振動源を駆動させるこ
    とにより、エンジンから発せられた騒音又は振動と干渉
    する制御音又は制御振動を発生させるようになってお
    り、 前記駆動信号が過大であると判断された場合にはそれを
    抑制するための抑制処理を実行するようになっている車
    両用能動型騒音振動制御装置において、 前記自動変速機のシフト位置が変更された場合には、そ
    の変更後所定時間経過するまで、前記駆動信号が過大で
    あるか否かを判断するためのしきい値を通常時よりも大
    きくするようになっていることを特徴とする車両用能動
    型騒音振動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記自動変速機のシフト位置が変更され
    た場合とは、前記エンジンの駆動力が駆動輪に伝達され
    ないシフト位置から、前記エンジンの駆動力が駆動輪に
    伝達されるシフト位置に変更された場合である請求項1
    又は請求項2記載の車両用能動型騒音振動制御装置。
  4. 【請求項4】 自動変速機を備えた車両に適用され、適
    応アルゴリズムに従ってフィルタ係数が更新される適応
    ディジタルフィルタを用いて駆動信号を生成し、その駆
    動信号によって制御音源又は制御振動源を駆動させるこ
    とにより、エンジンから発せられた騒音又は振動と干渉
    する制御音又は制御振動を発生させるようになってお
    り、 前記フィルタ係数の更新式は、前記フィルタ係数の収束
    速度に影響を与える収束係数を含んでいる車両用能動型
    騒音振動制御装置において、 前記自動変速機のシフト位置が、前記エンジンの駆動力
    が駆動輪に伝達されないシフト位置である場合には、前
    記収束係数を小さくし、 前記自動変速機のシフト位置が、前記エンジンの駆動力
    が駆動輪に伝達されないシフト位置から、前記エンジン
    の駆動力が駆動輪に伝達されるシフト位置に変更された
    場合には、その変更後であって制御が収束したことが確
    認された後に、前記収束係数を大きくするようになって
    いることを特徴とする車両用能動型騒音振動制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018159116A1 (ja) * 2017-02-28 2018-09-07 株式会社デンソー 信号処理システム
JP2019100395A (ja) * 2017-11-30 2019-06-24 本田技研工業株式会社 防振装置及び防振方法
US20210356012A1 (en) * 2018-10-18 2021-11-18 Lord Corporation Automotive active vibration control using circular force generators

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