JP2000347672A - 能動型騒音振動制御装置 - Google Patents

能動型騒音振動制御装置

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JP2000347672A
JP2000347672A JP16125499A JP16125499A JP2000347672A JP 2000347672 A JP2000347672 A JP 2000347672A JP 16125499 A JP16125499 A JP 16125499A JP 16125499 A JP16125499 A JP 16125499A JP 2000347672 A JP2000347672 A JP 2000347672A
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vibration
signal
noise
control
residual
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Kazue Aoki
和重 青木
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】実際には制御の発散ではないのに抑制係数を抑
制作用が強くなる方向に変更してしまう可能性を低減し
たい。 【解決手段】ステップ202、203の処理で残留振動
信号eの各周期毎の振幅を求め、その振幅が低下傾向に
あるとステップ204で判定されたら、ステップ205
に移行して、発散タイマDをリセットする。これによ
り、ステップ212の処理で駆動信号yが過大であると
判定されても、ステップ214で発散タイマDが所定時
間Dmax に達するのを回避し、ステップ215の発散抑
制係数βを増加方向に更新する処理が実行されないよう
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、適応アルゴリズ
ムに従ってフィルタ係数が更新される適応ディジタルフ
ィルタを用いて騒音又は振動の低減制御を実行するよう
になっている能動型騒音振動制御装置に関し、特に、フ
ィルタ係数の更新式が、そのフィルタ係数の増大を抑制
する作用のある抑制係数(発散抑制係数)を含んでお
り、駆動信号が過大である状態が検出された場合には、
抑制係数を抑制作用が強くなる方向に変更するようにな
っている能動型騒音振動制御装置において、実際には制
御の発散ではないのに抑制係数を抑制作用が強くなる方
向に変更してしまう可能性を低減できるようにしたもの
である。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の技術としては、本出願人
が先に提案した特開平5−61483号公報に開示され
たものがある。即ち、かかる公報記載の従来技術は、L
MSアルゴリズム等の適応アルゴリズムを利用した能動
型騒音制御装置に関するものであり、より具体的には、
適応アルゴリズムにおける評価関数として、低減対象の
騒音及び制御音の干渉結果である残留騒音信号の自乗値
と、制御音を発するラウドスピーカへの駆動信号の自乗
値との和を用いた能動型騒音制御装置に関するものであ
る。
【0003】そして、上記公報に記載された従来の能動
型騒音制御装置にあっては、評価関数に含まれる駆動信
号の自乗値に掛けられる係数(上記公報内では、努力係
数と称している。)を、制御の発散が進行するに従っ
て、発散を抑制する方向(フィルタ係数を小さくする方
向)に変更するようになっており、これにより、音響伝
達関数が変化したような場合でも制御の発散を有効に抑
制できるから、制御が本格的な発散に至ることを回避で
きて、例えば車両に適用した場合には乗員等に不快感を
与えないで済む、というものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】確かに、上記公報に記
載された従来の能動型騒音制御装置であれば、上記のよ
うな発散抑制効果を得ることはできるが、発散を抑制す
る係数を発散抑制方向に変更すると、同時に騒音低減効
果も低下するという副作用がある。つまり、発散を抑制
する係数を発散抑制方向に変化させると、それだけフィ
ルタ係数が原点に戻り易くなるから、発生する制御音が
小さくなる傾向となって、騒音低減効果が低下してしま
うのである。
【0005】従って、抑制係数は、その変更が必要な場
合に限って変更するべき係数であるが、その抑制係数を
変更するか否かの判断を、駆動信号が過大である(例え
ば、駆動信号のレベルが所定のしきい値を越える状態
が、所定時間連続して確認された)か否かによってのみ
行う構成では、抑制係数を不必要に変更してしまう可能
性を充分に小さくできないという不具合がある。
【0006】例えば、車両に適用した能動型騒音制御装
置であって、エンジンを騒音源とすると、エンジン回転
数が比較的短時間のうちに変化したような場合に、フィ
ルタ係数の最適値への収束が間に合わないために残留騒
音が大きくなり、その影響でフィルタ係数が増大して駆
動信号が過大になることがある。すると、フィルタ係数
が最適値に収束するまでの間、駆動信号のレベルが所定
のしきい値を越える可能性があり、それが短時間のうち
に解消しないと、抑制係数を発散抑制方向に変更させる
処理が実行される、ということになる。そして、抑制係
数が変更されてしまうと、そのままでは、発生する制御
音が小さくなる傾向となって、騒音低減効果が低下して
しまい、乗員等に不快感を与える可能性が高くなってし
まうのである。
【0007】なお、このような問題点は、能動型騒音制
御装置に限られたものではなく、同様に適応アルゴリズ
ムを用いて振動低減制御を実行する能動型振動制御装置
にも当てはまるものである。本発明は、このような従来
の技術が有する未解決の課題に着目してなされたもので
あって、抑制係数を誤って変更してしまう可能性を低減
できる能動型騒音振動制御装置を提供することを目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、適応アルゴリズムに従って
フィルタ係数が更新される適応ディジタルフィルタを用
いて駆動信号を生成し、その駆動信号によって制御音源
又は制御振動源を駆動させることにより、騒音又は振動
と干渉する制御音又は制御振動を発生させるようになっ
ており、前記フィルタ係数の更新式は、前記適応ディジ
タルフィルタのフィルタ係数の増大を抑制する作用のあ
る抑制係数を含んでおり、前記駆動信号が過大である場
合には、前記抑制係数を前記作用が強くなる方向に変更
するようになっている能動型騒音振動制御装置におい
て、前記駆動信号が過大であっても、前記干渉後の騒音
又は振動のレベルが低下傾向にある場合には、前記抑制
係数の前記作用が強くなる方向への変更を停止するよう
にした。
【0009】上記目的を達成するために、請求項2に係
る発明は、騒音源又は振動源から発せられる騒音又は振
動と干渉する制御音又は制御振動を発生可能な制御音源
又は制御振動源と、前記騒音又は振動の発生状態を検出
し基準信号として出力する基準信号生成手段と、前記干
渉後の騒音又は振動を検出し残留騒音信号又は残留振動
信号として出力する残留騒音検出手段又は残留振動検出
手段と、前記基準信号及び前記残留騒音信号又は残留振
動信号に基づき適応アルゴリズムに従って前記干渉後の
騒音又は振動が低減するように前記制御音源又は制御振
動源を駆動する駆動信号を生成し出力する能動制御手段
と、を備え、前記能動制御手段は、フィルタ係数可変の
適応ディジタルフィルタと、この適応ディジタルフィル
タのフィルタ係数を前記適応アルゴリズムに基づいた更
新式に従って更新するフィルタ係数更新手段と、前記基
準信号及び前記適応ディジタルフィルタに基づいて前記
駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、を含み、前記
更新式は、前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数
の増大を抑制する作用のある抑制係数を含んでおり、前
記駆動信号が過大である場合には、前記抑制係数を前記
作用が強くなる方向に変更するようになっている能動型
騒音振動制御装置において、前記駆動信号が過大であっ
ても、前記残留騒音信号又は残留振動信号が低下傾向に
ある場合には、前記抑制係数の前記作用が強くなる方向
への変更を停止するようにした。
【0010】上記目的を達成するために、請求項3に係
る発明は、騒音源又は振動源から発せられる周期的な騒
音又は振動と干渉する制御音又は制御振動を発生可能な
制御音源又は制御振動源と、前記騒音又は振動の発生状
態を検出し基準信号として出力する基準信号生成手段
と、前記干渉後の騒音又は振動を検出し残留騒音信号又
は残留振動信号として出力する残留騒音検出手段又は残
留振動検出手段と、前記基準信号及び前記残留騒音信号
又は残留振動信号に基づき適応アルゴリズムに従って前
記干渉後の騒音又は振動が低減するように前記制御音源
又は制御振動源を駆動する駆動信号を生成し出力する能
動制御手段と、を備え、前記能動制御手段は、フィルタ
係数可変の適応ディジタルフィルタと、この適応ディジ
タルフィルタのフィルタ係数を前記適応アルゴリズムに
基づいた更新式に従って更新するフィルタ係数更新手段
と、前記基準信号及び前記適応ディジタルフィルタに基
づいて前記駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、を
含み、前記更新式は、前記適応ディジタルフィルタのフ
ィルタ係数の増大を抑制する作用のある抑制係数を含ん
でおり、前記駆動信号が過大である状態が所定時間連続
した場合には、前記抑制係数を前記作用が強くなる方向
に変更するようになっている能動型騒音振動制御装置に
おいて、前記残留騒音信号又は残留振動信号の基本周期
毎の振幅が低下傾向にある場合には、前記駆動信号が過
大である状態の時間計測をリセット又は停止するように
した。
【0011】ここで、請求項1に係る発明にあっては、
駆動信号が過大な状態になったとしても、制御音又は制
御振動と干渉した後の残留騒音又は残留振動が低下傾向
にない場合と、低下傾向にある場合とで、その後の対応
が異なっている。つまり、その残留騒音又は残留振動が
低下傾向になければ、過大な駆動信号を抑制するため
に、抑制係数は、その抑制作用が強くなる方向に変更さ
れる。これに対し、残留騒音又は残留振動が低下傾向に
あれば、抑制係数の抑制作用が強くなる方向への変更が
停止される。このように、抑制係数の変更が停止されれ
ば、駆動信号が不必要に抑制されるケースが少なくな
る。
【0012】請求項2に係る発明にあっても、請求項1
に係る発明と同様に、駆動信号が過大な状態になったと
しても、制御音又は制御振動と干渉した後の残留騒音又
は残留振動が低下傾向にあれば、抑制係数の抑制作用が
強くなる方向への変更が停止され、駆動信号が不必要に
抑制されるケースが少なくなる。そして、請求項3に係
る発明にあっては、駆動信号が過大な状態になったとし
ても、制御音又は制御振動と干渉した後の残留騒音又は
残留振動が低下傾向にあれば、駆動信号が過大である状
態の時間計測がリセット又は停止されるから、その状態
が所定時間連続したと判断されるに至らない。このた
め、駆動信号が不必要に抑制されるケースが少なくな
る。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、駆動信号が過大であっ
ても、干渉後の騒音又は振動のレベルが低下傾向にある
場合には抑制係数の抑制作用が強くなる方向への変更を
停止するようにしたため、駆動信号が不必要に抑制され
るケースを少なくでき、それだけ良好な騒音低減作用又
は振動低減作用が得られるという効果がある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図6は本発明の一実施の
形態を示す図であって、図1は本発明に係る能動型騒音
振動制御装置の一形態である能動型振動制御装置を適用
した車両の概略側面図である。
【0015】先ず、構成を説明すると、横置きに搭載し
たエンジン17が、車体前後方向の後方に配置した能動
型エンジンマウント20を介して、サスペンションメン
バ等から構成される車体18に支持されている。なお、
実際には、エンジン17及び車体18間には、能動型エ
ンジンマウント20の他にエンジン17及び車体18間
の相対変位に応じた受動的な支持力を発生する複数のエ
ンジンマウントも介在している。受動的なエンジンマウ
ントとしては、例えばゴム状の弾性体で荷重を支持する
通常のエンジンマウントや、ゴム状の弾性体内部に減衰
力発生可能に流体を封入してなる公知の流体封入式のマ
ウントインシュレータ等が適用できる。
【0016】図2は、エンジン17に固定したブラケッ
ト(図示せず)を介して連結する能動型エンジンマウン
ト20の上部構造を平面視で示すものであり、エンジン
側連結部材30から上方に向けて突出している2本の連
結ボルト30aを、上述したブラケットの挿通孔に下側
から挿通し、ナットを螺合することによりエンジン17
に上端部が固定される。また、符号60はリバウンド規
制部材であり、このリバウンド規制部材60は、2本の
連結ボルト30a間を結ぶ線に対して直交し、エンジン
側連結部材30の上方をアーチ状に延在しながら装置ケ
ース43に固定されており、エンジン側連結部材30の
上面に固定したゴム製の弾性体からなるリバウンドスト
ッパ31の上方に位置している。
【0017】図3は、図2の矢視断面図で示す能動型エ
ンジンマウント20の内部構造を示すものであり、図2
の2本の連結ボルト30a間を結ぶ線に沿うA−A矢視
断面を、図3の軸心(以下、マウント軸と称する)P1
を境界として右側に示し、図2の2本の連結ボルト30
a間を結ぶ線に対して直交する方向のB−B矢視断面
を、図3のマウント軸P1 を境界として右側に示してい
る。
【0018】この能動型エンジンマウント20は、装置
ケース43に外筒34、中間筒36、オリフィス構成部
材37、支持弾性体32等のマウント部品を内蔵し、こ
れらマウント部品の下部に、流体室84の隔壁の一部を
形成しながら弾性支持された可動部材78を流体室84
の容積が変化する方向に変位させる電磁アクチュエータ
52と、図示しない車体メンバの振動状況を検出する荷
重センサ64とを内蔵した装置であり、より具体的に説
明していくと、前述したエンジン側連結部材30は、下
端周縁部30gが丸みを付けて形成されていると共に、
マウント軸P1に沿う位置に第1孔30cが形成されて
いる。また、このエンジン連結部材30に下側から嵌入
されて上方を向いている連結ボルト30aは、その頭部
30dがエンジン側連結部材30の下面から突出してい
る。ここで、その頭部30dの外周縁部は、丸みが付け
られて形成されている。
【0019】また、エンジン側連結部材30の下面に
は、断面逆台形状の中空筒体30bが固定されている。
この中空筒体30bには、連結ボルト30aに近接する
位置に第2孔30eが形成されていると共に、マウント
軸P1 に沿う下面に第3孔30fが形成されている。な
お、この中空筒体30bの連結ボルト30aから離間し
ている位置には、孔を形成していない。
【0020】そして、前記エンジン側連結部材30の下
面側には、中空筒体30bの内部及びエンジン側連結部
材30の下部側を覆うように、ゴム製の支持弾性体32
が加硫接着により固定されている。すなわち、この支持
弾性体32は、エンジン側連結部材30側から下方に向
けて拡径した形状のゴム製の弾性体であって、内面に断
面山形状の空洞部32aを形成しているが、連結ボルト
30aから離れている部分の支持弾性体32の外周面
は、図3の左側に示すように、エンジン側連結部材30
の外周部を覆いながらリバウンドストッパ31に連続し
ている。一方、連結ボルト30aに近接している支持弾
性体32は、図3の右側に示すように、連結ボルト30
aの頭部30dの全域を覆う被覆部32bが形成されて
いると共に、頭部30dの下方位置の外周を、内側に大
きく凹んだ形状としている(以下、符号32cで示す凹
み外周部と称する)。そして、前述した空洞部32aを
形成しながら前記凹み外周部32cに対向している支持
弾性体32の内面も、内側に大きく膨らんだ形状として
いる(以下、符号32dで示す膨らみ内周部と称す
る)。そして、連結ボルト30aに近接している部分の
支持弾性体32の肉厚は、凹み外周部32cに対向して
膨らみ内周部32dを設けたことにより、連結ボルト3
0aから離れている部分の肉厚と略同一に設定してい
る。
【0021】そして、薄肉形状とした支持弾性体32の
下端部は、マウント軸P1 が中空筒体30bと同軸に振
動体支持方向を向く中間筒体36の内周面に加硫接着に
より結合している。中間筒体36は、同一外周径とした
上端筒部36a及び下端筒部36bの間に小径筒部36
cを連続して形成した部材であり、外周に環状凹部を設
けている。また、図示しないが、小径筒部36cには開
口部が形成されており、この開口部を介して中間筒体3
6の内側及び外側が連通している。
【0022】中間筒体36の外側には外筒34が嵌合し
ており、この外筒34は内周径を中間筒体36の上端筒
部36a及び下端筒部36bの外周径と同一寸法とし、
軸方向の長さを中間筒体36と同一寸法に設定した円筒
部材である。また、この外筒34には開口部34aが形
成されており、この開口部34aの開口縁部にゴム製の
薄膜弾性体からなるダイアフラム42の外周が結合して
開口部34aを閉塞しつつ、外筒34の内側に向けて膨
出している。
【0023】そして、上記構成の外筒34を、環状凹部
を囲むように中間筒体36に外嵌すると、外筒34及び
中間筒体36間の周方向に環状空間が画成され、その環
状空間にダイアフラム42が膨出した状態で配設され
る。そして、中間筒体36の内側に、筒状のオリフィス
構成部材37が嵌合している。このオリフィス構成部材
37は、中間筒体36の小径筒部36cより小径に形成
した最小径筒部37aを備え、その最小径筒部37aの
上下端部に径方向外方に向けて上部環状部37b及び下
部環状部37cが形成されており、これら最小径筒部3
7a、上部及び下部環状部37b、37cで囲んだ位置
と中間筒体36との間に環状空間が設けられている。ま
た、最小径筒部37aの一部に第2開口部37dが形成
されている。ここで、上部環状部37bは、支持弾性体
32の下方に位置しているが、図2の右側に示すよう
に、連結ボルト30aに近接している支持弾性体32の
下方に位置している上部環状部37b1 は肉厚を薄く形
成して凹みを設けており、支持弾性体32の膨らみ内周
部32dから離れた位置で対向している。
【0024】また、装置ケース43は、その上端部に上
端筒部36aの外周径より小径の円形開口部を有する上
端かしめ部43aが形成されていると共に、この上端か
しめ部43aと連続するケース本体の形状を、内周径が
外筒34の外周径と同一寸法で下端開口部まで連続する
円筒形状(下端開口部を図2の破線で示した形状)とし
た部材であり、全てのマウント部品の組み込みが完了し
た後に下端開口部を径方向内方に向けてかしめていくこ
とにより、図2の実線で示すかしめ部が形成される。
【0025】そして、支持弾性体32、中間筒体36、
オリフィス構成部材37及びダイアフラム42を一体化
した外筒34を装置ケース43の下端開口部から内部に
嵌め込んでいき、上端かしめ部43aの下面に外筒34
及び中間筒体36の上端部を当接させると、それらが装
置ケース43内の上部に配設される。この際、装置ケー
ス43の内周面とダイヤフラム42とで囲まれた部分に
空気室42cが画成されるが、この空気室42cを臨む
位置に空気孔43aが形成されており、この空気孔43
aを介して空気室42cと大気が連通している。
【0026】装置ケース43内の下部には円筒状のスペ
ーサ70が嵌め込まれており、このスペーサ70内の上
部に可動部材78が配置されていると共に、スペーサ7
0内の下部に電磁アクチュエータ52が配置されてい
る。前記スペーサ70は、円筒状の上部筒体70aと、
円筒状の下部筒体70bと、これら筒体の上下端部間に
加硫接着したゴム製の薄膜弾性体からなる略円筒状のダ
イアフラム70cとで構成されている。
【0027】前記電磁アクチュエータ52は、外観円筒
形のヨーク52aと、ヨーク52aの上端面側に配設し
た円環状の励磁コイル52bと、ヨーク52aの上面中
央部に磁極を上下方向に向けて固定した永久磁石52c
とで構成されている。また、前記ヨーク52aは、円環
状の第1ヨーク部材53aと、中央円筒部に永久磁石5
2cを固定した第2ヨーク部材53bとで構成されてい
る。
【0028】そして、上部及び下部筒体70a、70b
間のダイアフラム70cは、ヨーク52aの外周に形成
した凹部52dに向かって膨出している。また、ヨーク
52aの下面と、車体側連結ボルト60を備えた蓋部材
62との間には、振動低減制御に必要な残留振動を検出
するために、荷重センサ64が介装されている。荷重セ
ンサ64としては、圧電素子,磁歪素子,歪ゲージ等が
適用可能であり、このセンサの検出結果は、図1に示す
ように、残留振動信号eとしてコントローラ25に供給
されるようになっている。
【0029】一方、前記電磁アクチュエータ52の上方
には、シール部材固定用のシールリング72と、後述す
る板ばね82の外周部を下側から自由端支持する支持リ
ング74と、電磁アクチュエータ52の永久磁石52c
及び可動部材78間のギャップHを設定するギャップ保
持リング76とが配置されている。これらシールリング
72、支持リング74及びギャップ保持リング76の外
周径は、前述したスペーサ70の上部筒体70aの内周
径と同一寸法に設定されており、ヨーク52aから上方
に突出している上部筒体70a内にシールリング72、
支持リング74及びギャップ保持リング76の全てが内
嵌されている。そして、これらシールリング72、支持
リング74及びギャップ保持リング76の内側には、上
下方向に変位可能となるように可動部材78が配置され
ている。
【0030】この可動部材78は、外観円盤状の隔壁形
成部材78Aと、この隔壁形成部材78Aより大径円盤
状に形成した磁路形成部材78Bとで構成した部材であ
って、電磁アクチュエータ52に対して遠い方に位置す
る隔壁形成部材78Aの軸心にボルト孔80aを形成
し、電磁アクチュエータ52に近い磁路形成部材78B
を貫通した可動部材用ボルト80がボルト孔80aに螺
合することにより、隔壁形成部材78A及び磁路形成部
材78Bを一体に連結した構造となっている。
【0031】隔壁形成部材78A及び磁路形成部材78
B間には、リング状に連続したくびれ部79が画成され
ているが、このくびれ部79に可動部材78を弾性支持
するための板ばね82が収容されている。つまり、板ば
ね82は、中央部に孔部を形成した円盤形状の部材であ
り、この板ばね82の内周部を隔壁形成部材78Aの裏
面中央部の下側から自由端支持し、板ばね82の外周部
を支持リング74のばね支持部74aが下側から自由端
支持しており、これにより可動部材78が装置ケース4
3に板ばね82を介して弾性支持されている。
【0032】前記隔壁形成部材78Aは、流体室84に
面している隔壁部80cの肉厚を薄くし、隔壁部80c
の外周から上方に突出する環状のリブ80bを形成した
部材である。そして、隔壁形成部材78Aの上面と、支
持弾性体32の下面と、オリフィス構成部材37の内周
面とで流体室84が形成され、この流体室84内に流体
が封入される。
【0033】また、流体室84から板ばね82を収容し
ているくびれ部79側への流体の漏洩を防止するため、
隔壁形成部材78Aの外周とシールリング72の内周と
の間には、ゴム状弾性体からなるリング形状のシール部
材86が固定されており、このシール部材86の弾性変
形によって、シールリング72や装置ケース43に対す
る可動部材78の上下方向への相対変位を許容してい
る。
【0034】次に、本実施形態の能動型エンジンマウン
ト20の振動入力減衰作用について簡潔に説明する。本
実施形態の能動型エンジンマウント20は、支持弾性体
32の空洞部32aとオリフィス構成部材37の軸中央
空間とが連通し、オリフィス構成部材37の軸中央空間
及びオリフィス構成部材37と中間筒体36との間の環
状空間が、第2開口部37dを介して連通し、前記環状
空間及びダイアフラム42が膨出している空間が、中間
筒体36に形成した開口部を介して連通しており、これ
ら支持弾性体32の空洞部32aからダイアフラム42
が膨出している空間までの連通路内に、エチレングリコ
ール等の流体が封入されている。
【0035】そして、支持弾性体32の空洞部32aか
らオリフィス構成部材37と中間筒体36との間の環状
空間までの連通路を主流体室84とすると、中間筒体3
6に形成した開口部の近傍をオリフィスとし、この開口
部に対向しながらダイアフラム42に囲まれている領域
を副流体室とした流体共振系が形成されている。この流
体共振系の特性、即ち、オリフィス内の流体の質量と、
支持弾性体32の拡張方向ばね、ダイアフラム42の拡
張方向ばねで決まる特性は、車両停止中のアイドル振動
の発生時、つまり20〜30Hzでエンジンマウント20
A、20Bが加振された場合に高動ばね定数、高減衰力
を示すように調整されている。
【0036】一方、電磁アクチュエータ52の励磁コイ
ル52bは、コントローラ25から例えばハーネスを通
じて供給される電流である駆動信号yに応じて所定の電
磁力を発生するようになっている。コントローラ25
は、マイクロコンピュータ,必要なインタフェース回
路,A/D変換器,D/A変換器,アンプ、ROM,R
AM等の記憶媒体等を含んで構成され、エンジン17で
発生する振動を低減できる能動的な支持力が能動型エン
ジンマウント20に発生するように、能動型エンジンマ
ウント20に対する駆動信号yを生成し出力するように
なっている。
【0037】また、前述したように能動型エンジンマウ
ント20には荷重センサ64が内蔵されており、車体1
8の振動状況を荷重の形で検出して残留振動信号eとし
て出力し、その残留振動信号eが干渉後における振動を
表す信号として例えばハーネスを通じてコントローラ2
5に供給されている。ここで、エンジン17で発生する
アイドル振動やこもり音振動は、例えばレシプロ4気筒
エンジンの場合、エンジン回転2次成分のエンジン振動
が車体18に伝達されることが主な原因であるから、そ
のエンジン回転2次成分に同期して駆動信号yを生成し
出力すれば、車体側振動の低減が可能となる。そこで、
本実施の形態では、エンジン17のクランク軸の回転に
同期した(例えば、レシプロ4気筒エンジンの場合に
は、クランク軸が180度回転する度に一つの)インパ
ルス信号を生成し基準信号xとして出力するパルス信号
生成器19を設けていて、その基準信号xが、コントロ
ーラ25に供給されている。
【0038】そして、コントローラ25は、供給される
残留振動信号e及び基準信号xに基づき、適応アルゴリ
ズムの一つである同期式Filtered−X LMS
アルゴリズム(以下、SFXアルゴリズムと称す。)を
実行することにより、能動型エンジンマウント20に対
する駆動信号yを演算し、その駆動信号yを能動型エン
ジンマウント20に出力するようになっている。
【0039】具体的には、コントローラ25は、フィル
タ係数Wi (i=0,1,2,……,I−1:Iはタッ
プ数)可変の適応ディジタルフィルタWを有していて、
最新の基準信号xが入力された時点から所定のサンプリ
ング・クロックの間隔で、その適応ディジタルフィルタ
Wのフィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力す
る一方、基準信号x及び残留振動信号eに基づいて適応
ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を適宜更新す
る処理を実行するようになっている。
【0040】ただし、この実施の形態では、SFXアル
ゴリズムにおける評価関数として、下記の(1)式を用
いている。 Jm={e(n)}2 +β{y(n)}2 ……(1) つまり、LMSアルゴリズムにあっては、評価関数Jm
が小さくなる方向にフィルタ係数Wi が更新されるので
あるから、上記(1)式の右辺の内容からも明らかなよ
うに、フィルタ係数Wi は、残留振動信号eの自乗値が
小さくなると共に、駆動信号yの自乗値をβ倍した値が
小さくなるように、逐次更新されることになる。そし
て、βは発散抑制係数と称される係数であって、この発
散抑制係数βが大きくなる程、駆動信号yは小さくなる
傾向となる。つまり、発散抑制係数βには制御の発散を
抑制する作用がある。
【0041】そして、収束係数をαとし、上記(1)式
で表される評価関数Jmに基づいてフィルタ係数Wi
更新式を求めると、下記の(2)式のようになる。 Wi (n+1)=Wi (n)+2αRT e(n)−2βαy(n) ……(2) そこで、この(2)式中の「2α」を新たな収束係数α
とし、「2βα」を新たな発散抑制係数βとすれば、適
応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi の更新式は
下記の(3)式のようになる。
【0042】 Wi (n+1)=Wi (n)+αRT e(n)−βy(n) ……(3) ここで、(n),(n+1)が付く項は、サンプリング
時刻n,n+1,における値であることを表している。
また、更新用基準信号RT は、理論的には、基準信号x
を、能動型エンジンマウント20の電磁アクチュエータ
52及び荷重センサ64間の伝達関数Cをモデル化した
伝達関数フィルタC^でフィルタ処理をした値である
が、基準信号xの大きさは“1”であるから、伝達関数
フィルタC^のインパルス応答を基準信号xに同期して
次々と生成した場合のそれらインパルス応答波形のサン
プリング時刻nにおける和に一致する。
【0043】また、理論的には、基準信号xを適応ディ
ジタルフィルタWでフィルタ処理して駆動信号yを生成
するのであるが、基準信号xの大きさが“1”であるた
め、フィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力し
ても、フィルタ処理の結果を駆動信号yとしたのと同じ
結果になる。そして、コントローラ25は、上記のよう
な駆動信号yの出力処理及び適応ディジタルフィルタW
の各フィルタ係数Wi の更新処理を、基準信号xの最新
のインパルスが生成された時点を基準に開始される固定
サンプリング・クロックに同期して実行するようになっ
ている。ここで、基準信号xのインパルスの生成に伴っ
てクリアされ固定サンプリング・クロックに同期してイ
ンクリメントされるカウンタをi(=0、1、2、…、
L−1)、サンプリング・クロックの一周期内(サンプ
リング周期内)に実行されるフィルタ係数Wj の更新処
理を各フィルタ係数Wj に対して実行するために用いら
れるカウンタをj(=0、1、2、…、L−1)とする
と、上記(3)式に示した各フィルタ係数Wj の更新式
は、それらi,jの関係から、具体的には下記のように
なる。
【0044】 i=j; Wj (n+1)=Wj (n)+αR(0)e(n)−βy(n) ……(4) i−j<0; Wj (n+1)=Wj (n)+αR(L1+i−j)e(n) ……(5) i−j≧L1; Wj (n+1)=Wj (n)+αR(i−j−L1)e(n) ……(6) 0<i−j<L1; Wj (n+1)=Wj (n)+αR(i−j)e(n) ……(7) 但し、Lは、基準信号xの一周期(制御周期)内に駆動
信号yとして出力されるフィルタ係数Wj の個数(タッ
プ数)であり、基準信号xの周期Tx を固定サンプリン
グ・クロックの周期Tc で割った結果の小数点以下を切
り上げた値である。また、L1は、基準信号xの一周期
内に駆動信号yとして出力されるフィルタ係数Wj の実
際のタップ長の小数点以下まで考慮して求められる整数
タップ長であって、基準信号xの周期Tx を固定サンプ
リング・クロックの周期Tc で割った結果を小数点第一
位で四捨五入した値である。
【0045】つまり、コントローラ25内では、0〜
(L−1)の間で1ずつ増加するカウンタiのそれぞれ
に対して、カウンタjを0から(L−1)にまで1ずつ
増加させる毎に、上記(4)〜(7)のいずれかの更新
式に従ってフィルタ係数Wj が更新されるのである。そ
して、上記(4)〜(7)式を実行するためには、上述
したタップ数L及び整数タップ長L1を常に把握してお
かなければならないから、基準信号xの周期Tx の最新
の値を常に検出するようになっている。具体的には、基
準信号xの最新のインパルスとその一つ前のインパルス
との入力間隔を、クロックパルスをカウントする周期測
定用タイマによって常時計測し、これにより周期Tx
取得するようになっている。
【0046】また、コントローラ25は、周期測定用タ
イマの他に、サンプリング・クロックの周期が経過した
ことを認識するためのタイマ(サンプリング・クロック
測定用タイマ)を有していて、最新の基準信号xのイン
パルスが生成された時点から、サンプリング・クロック
の周期と同じ時間を繰り返し測定し、そのサンプリング
・クロックに同期して駆動信号yを出力するようになっ
ている。
【0047】さらに、コントローラ25は、上記のよう
な適応ディジタルフィルタWを用いた振動低減処理を実
行する一方で、制御が発散しているか否かを検出し、そ
れが検出された場合には発散を抑制する発散検出抑制処
理を実行するようになっている。発散検出処理は、本実
施の形態では、駆動信号yの振幅に基づいて行われるよ
うになっている。具体的には、駆動信号yの一周期内の
振幅が予め設定してある所定しきい値γを越えている状
態が、所定時間Dmax 以上継続した場合には、制御に発
散が生じていると判定するようになっている。
【0048】そして、発散が生じていないと判定された
場合には、発散抑制係数βは現在値を維持したまま、上
記の振動低減処理を繰り返し実行する一方、発散が生じ
ていると判定された場合には、発散抑制係数βを現在の
値よりも大きな値に変更するようになっている。ただ
し、本実施の形態では、発散検出抑制処理と並行して、
残留振動信号eが低下傾向にある(低下しつつある)か
否かを検出するようになっていて、残留振動信号eが低
下傾向にある場合には、発散抑制係数βが現在値からさ
らに増加方向に変更されることを停止するようになって
いる。具体的には、残留振動信号eの基本周期(基準信
号xの一周期)毎の振幅が低下傾向にあるか否かを監視
し、その低下傾向が確認された場合には、駆動信号yの
一周期内の振幅がしきい値γを越えている状態の連続時
間を計測するタイマをリセットすることにより、発散抑
制係数βを増加させる処理が実行されないようになって
いる。
【0049】次に、本実施の形態の動作を説明する。イ
グニッションスイッチがオンとなって電源が供給される
ようになると、コントローラ25は、所定の演算処理を
実行し、電磁アクチュエータ52に駆動信号yを出力
し、能動型エンジンマウント20に振動を低減し得る能
動的な支持力を発生させるようになる。これをコントロ
ーラ25内で実行される処理の概要を示すフローチャー
トである図4に従って具体的に説明する。
【0050】即ち、電源が供給されると、コントローラ
25は所定の初期設定を行い、イグニッションスイッチ
がオンになった後に、運転者がエンジンキーをさらに回
すと、エンジン17が起動し、基準信号xがコントロー
ラ25に供給されるようになる。そして、基準信号xの
インパルスが確認されたら、基準信号xの立ち上がりが
検出されて基準信号xの信号周期TX が検出され、その
周期Tx と固定サンプリング・クロックの周期Tc とに
基づき、ステップ101においてタップ数L及び整数タ
ップ長L1が演算される。なお、図4の処理が開始され
てからステップ101の処理の実行回数が2以上の場合
には、後述するカウンタiの値に基づいてタップ数Lを
求め、また、そのカウンタiの値とサンプリング・クロ
ック測定用タイマの値とに基づいて整数タップ長L1を
求めることも可能である。
【0051】次いで、ステップ102に移行し、カウン
タiが零クリアされた後に、ステップ103に移行し、
サンプリング・クロック測定用タイマがクリア・スター
トされる。そして、ステップ104に移行し、適応ディ
ジタルフィルタWのi番目のフィルタ係数Wi が駆動信
号yとして出力される。次いで、ステップ105に移行
し、カウンタiが0か否かが判定され、この判定が「Y
ES」の場合には、制御周期(基準信号xの周期)が始
まった直後であると判断して、一制御周期が始まったこ
とに伴う初期処理を実行すべく、ステップ106に移行
し、伝達関数フィルタC^に基づき更新用基準信号RT
が演算される。なお、ステップ106では、基準信号x
の新たな一周期分の更新用基準信号R(更新用基準信号
T は、更新用基準信号Rの転置行列である。)がまと
めて演算される。
【0052】ステップ105の判定が「NO」の場合並
びにステップ106の処理を終えた場合には、ステップ
107に移行し、残留振動信号eが読み込まれる。そし
て、ステップ108に移行して、カウンタjが零クリア
される。そして、ステップ109に移行し、適応ディジ
タルフィルタWのj番目のフィルタ係数Wj が上記
(4)〜(7)式に従って更新される。
【0053】次いで、ステップ110に移行し、基準信
号xの次のインパルスが入力されているか否かを判定
し、ここで基準信号xが入力されていないと判定された
場合には、適応ディジタルフィルタWの次のフィルタ係
数の更新又は駆動信号yの出力処理を実行すべくステッ
プ111に移行する一方、ステップ110で基準信号x
の新たなインパルスが入力されたと判断された場合に
は、ステップ101に戻って、上述した処理を繰り返し
実行する。
【0054】ステップ111では、全フィルタ係数Wj
に対する更新演算が完了しているか否か、つまりカウン
タjがタップ数L(正確には、カウンタjは0からスタ
ートするため、タップ数Lから1を減じた値)に達して
いるか否かが判定され、この判定が「NO」の場合に
は、ステップ112に移行し、カウンタjをインクリメ
ントした後に、ステップ109に戻って上述した処理を
繰り返し実行する。
【0055】しかし、ステップ111の判定が「YE
S」の場合には、適応ディジタルフィルタWのフィルタ
係数Wj のうち、駆動信号yとして必要な数のフィルタ
係数の更新処理が完了したと判断できるから、ステップ
113に移行してカウンタiをインクリメントする。次
いで、ステップ114に移行し、発散検出抑制処理を実
行する。本実施の形態における発散検出抑制処理の詳細
は、図5に示すようになっている。
【0056】即ち、発散検出抑制処理が実行されると、
先ず、ステップ201においてカウンタiが“1”であ
るか否かが判定される。このカウンタiは、図4を伴っ
て説明したように基準信号xの周期が切り換わる度にス
テップ102で零クリアされるとともに、基準信号xの
周期が次の周期に切り換わるまではステップ113でイ
ンクリメントされるカウンタであるから、ステップ11
4に移行した時点でそのカウンタiの値が“1”である
ということは、基準信号xの周期が切り換わった直後で
あると判断できる。
【0057】そして、基準信号xの周期が切り換わった
直後ということは、残留振動信号eの最新の一周期分の
値が揃ったということであるから、残留振動信号eの一
周期分の振幅を演算するために、ステップ202以降の
処理を実行する。ステップ202では、前回のステップ
202以降の処理を実行した場合に演算された残留振動
信号eの一周期の振幅Ae.NEW を保存するために、振幅
e.OLDに記憶する。
【0058】そして、ステップ203に移行し、下記
(8)式に従って、新たに残留振動信号eの一周期の振
幅Ae.NEW を演算する。 Ae.NEW =(emax −emin )/2 ……(8) なお、emax 、emin は、それぞれ残留振動信号eの最
新の一周期における最大値及び最小値である。
【0059】次いで、ステップ204に移行し、残留振
動信号eの一つ前の周期における振幅Ae.OLD と、残留
振動信号eの最新の周期における振幅Ae.NEW とを比較
することにより、残留振動信号eが低下傾向にあるか否
かを判定する。つまり、振幅Ae.OLD と振幅Ae.NEW
は、残留振動信号eの最新の隣り合った二つの周期それ
ぞれの振幅であるから、Ae.OLD >Ae.NEW であれば、
残留振動信号eは低下傾向にあると判定できるのであ
る。ただし、振幅が実質的に横這いにある場合を除くた
めに、本実施の形態では、充分に小さい正の定数δを設
定しておき、 Ae.OLD −Ae.NEW >δ ……(9) の場合に、残留振動信号eは低下傾向にあると判定する
ようにしている。
【0060】そして、このステップ204の判定が「Y
ES」の場合、つまり残留振動信号eは低下傾向にある
と判断された場合には、ステップ205に移行し発散タ
イマDをリセットしてから、ステップ206に移行す
る。これに対し、ステップ204の判定が「NO」の場
合には、ステップ205の処理は実行せずに直接ステッ
プ206に移行する。
【0061】ステップ206では、最大値emax 及び最
小値emin をリセットし、次いでステップ207に移行
する。なお、ステップ201の判定が「NO」の場合に
は、ステップ202〜206の処理は実行せずに直接ス
テップ207に移行する。ステップ207〜210の処
理は、残留振動信号eの現在進行中の周期の最大値e
max 及び最小値emin を検索するための処理であって、
ステップ207及び208の処理で最大値emax が検索
され、ステップ209及び210の処理で最小値emin
が検索される。具体的には、ステップ207で、現在の
残留振動信号eと現在記憶されている最大値emax との
大小関係を判断し、emax <eの場合には現在の残留振
動信号eが現周期中のいままでの最大であると判断して
ステップ208に移行して最大値emax に現在の残留振
動信号eを代入する一方、ステップ209で現在の残留
振動信号eと現在記憶されている最小値emin との大小
関係を判断し、emin >eの場合には現在の残留振動信
号eが現周期中のいままでの最小であると判断してステ
ップ210に移行して最小値emin に現在の残留振動信
号eを代入する。
【0062】ステップ210の処理を終えたら、ステッ
プ211に移行し、今度は、駆動信号yの大きさを表す
評価値Fを演算する。評価値Fは、例えば下記の(10)
式に従って演算される。 F=(Wmax +Wmin )/2 ……(10) なお、Wmax 、Wmin は、それぞれ適応ディジタルフィ
ルタWのフィルタ係数Wi の最大値及び最小値である。
従って、評価値Fは、適応ディジタルフィルタWの直流
成分に略相当する。
【0063】そして、ステップ212に移行し、評価値
Fが、制御の発散を検出可能な予め設定されている所定
のしきい値γを越えているか否かを判断し、越えていな
いと判断された場合には、ステップ216に移行して発
散タイマDをリセットした後に、図4の処理に復帰す
る。しかし、ステップ212の判定が「YES」の場合
には、評価値Fが過大であって制御が発散に至っている
可能性があると判断できるから、ステップ213に移行
し、評価値Fが過大である状態の連続時間を計測するた
めに、発散タイマDをカウントアップする。そして、ス
テップ214に移行し、発散タイマDの値が、予め設定
されている所定時間Dmax に達しているか否かを判定
し、越えていない場合には、今回の図3の処理を終了し
て図4の処理に復帰する。
【0064】これに対し、ステップ214において、発
散タイマDの値が所定時間Dmax に達していると判断さ
れた場合にはステップ215に移行し、発散抑制係数β
を増加させる。次いで、ステップ216に移行して発散
タイマDをリセットした後に、図4の処理に復帰する。
図5の処理から図4の処理に復帰したら、ステップ11
5に移行し、上記ステップ103でクリア・スタートさ
せたサンプリング・クロック測定用タイマの値が固定サ
ンプリング・クロックの周期TC に達するまで待機した
後、上記ステップ103に戻って上述した処理を繰り返
し実行する。
【0065】このような図4の処理を繰り返し実行する
結果、コントローラ25から能動型エンジンマウント2
0の電磁アクチュエータ52に対しては、基準信号xが
入力された時点から、固定サンプリング・クロックに同
期して、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi
が順番に駆動信号yとして供給される。この結果、励磁
コイル52bに駆動信号yに応じた磁力が発生するが、
磁路形成部材78Bには、すでに永久磁石52cによる
一定の磁力が付与されているから、その励磁コイル52
bによる磁力は永久磁石52cの磁力を強める又は弱め
るように作用すると考えることができる。このように、
永久磁石52cの磁力が強まったり弱まったりすると、
可動部材78が正逆両方向に変位し、可動部材78が変
位すれば、主流体室84の容積が変化し、その容積変化
によって支持弾性体32の拡張ばねが変形するから、こ
の能動型エンジンマウント20に正逆両方向の能動的な
支持力が発生するのである。
【0066】そして、駆動信号yとなる適応ディジタル
フィルタWの各フィルタ係数Wi は、SFXアルゴリズ
ムに従った上記(4)〜(7)式によって逐次更新され
るため、ある程度の時間が経過して適応ディジタルフィ
ルタWの各フィルタ係数Wiが最適値に収束した後は、
駆動信号yが能動型エンジンマウント20に供給される
ことによって、エンジン17から能動型エンジンマウン
ト20を介して車体18側に伝達されるアイドル振動や
こもり音振動が低減されるようになる。
【0067】しかも、本実施の形態では、図5の処理の
ステップ212〜214の処理で制御の発散が検出され
た場合には、発散抑制係数βが増加方向に更新されるか
ら、上記(4)式の右辺第3項は、発散抑制係数βの更
新前よりも大きくなる。すると、フィルタ係数Wi は、
更新演算される際に原点(=0)に近づく傾向が強くな
るから、制御の発散によって増大傾向にあったフィルタ
係数Wi が小さくなり、それに伴って駆動信号yが小さ
くなって、能動型エンジンマウント1で発生する制御振
動が小さくなる。そして、発散抑制係数βの増加方向へ
の更新は、ステップ214の判定が「YES」であって
且つ発散抑制係数βが最大値に達するまでは繰り返し行
われるから、発散が有効に抑制されるようになるまで、
その発散抑制係数βは増加することになる。
【0068】しかし、ステップ204の判定が「YE
S」、つまり残留振動信号eの振幅が低下傾向あると判
断されている場合には、ステップ205で発散タイマD
がリセットされるため、ステップ212の判定が「YE
S」、つまり駆動信号yが過大であると判断できる状況
であっても、ステップ214の判定は「YES」にはな
らず、ステップ215の処理は実行されない。このた
め、発散抑制係数βは増加しないから、振動低減効果を
低下させることがないという利点がある。
【0069】かかる利点を、図6の波形図を伴って詳細
に説明する。なお、図6(a)は能動型エンジンマウン
ト1を通じて車体18側に入力される振動振幅を、同
(b)は評価値Fを、同(c)は発散抑制係数βを、同
(d)は残留振動信号eを、それぞれ表しており、横軸
は時間である。そして、時刻t1 において、自動変速機
のシフト位置がN(ニュートラル)レンジからD(ドラ
イブ)レンジに切り換わったため、一時的に適応ディジ
タルフィルタWの収束が間に合わず図6(a)に示すよ
うに振動振幅が急激に上昇したものとする。振動振幅が
上昇すると、図6(d)に示すように残留振動信号eも
上昇し、その結果、適応ディジタルフィルタWの各フィ
ルタ係数Wi も増大し、図6(b)に示すように評価値
Fも大きくなり、ある時点で評価値Fがしきい値γを越
えたものとする。
【0070】すると、図5のステップ212の判定が
「YES」となり、ステップ213の処理が実行されて
発散タイマDがカウントアップされる。しかし、この場
合は、制御が発散したために駆動信号yが増大したので
はなく、一時的に適応ディジタルフィルタWの収束が間
に合わなかっただけであるから、一時的に増加した残留
振動信号eは直ぐに低下するようになる。このため、図
5のステップ204の判定が「YES」となってステッ
プ205の処理が実行され、発散タイマDがリセットさ
れるから、ステップ214の判定は「YES」にはなら
ず、ステップ215は実行されない。
【0071】ステップ215の処理が実行されない限
り、発散抑制係数βは増加方向に更新されないから、フ
ィルタ係数Wi を原点に近づける作用は強くはならず、
フィルタ係数Wi が小さくなってそれだけ振動低減作用
が弱くなる、ということが回避できる。このため、図6
(a)に示すように、増大した振動振幅も、比較的速や
かに低下し、それに伴って残留振動信号eも比較的短時
間のうちに減少するが、評価値Fは、残留振動信号eが
低下した後で徐々に減少してしきい値γを下回るように
なる。
【0072】これに対し、図5のステップ101〜21
0の処理を実行せず、ステップ211の判定が「YE
S」の場合には必ず発散タイマDを計測し続けるような
構成であると、図6(c)に破線で示すように、発散が
発生した場合と同様に発散抑制係数βが例えば時刻
2 、t3 と段階的に増加するから、フィルタ係数Wi
が短時間のうちに小さくなり、図6(b)に破線で示す
ように評価値Fは比較的短い時間でしきい値γを下回る
ようになる。しかし、フィルタ係数Wi が小さくなり易
い分、振動低減作用が弱くなるから、図6(a)に破線
で示すように、振動振幅も大きい状態が比較的長く続い
てしまい、図6(d)に示すように、残留振動信号eも
比較的大きな状態が長く続いてしまうのである。
【0073】ここで、本実施の形態では、エンジン17
が振動源に対応し、能動型エンジンマウント20が制御
振動源に対応し、パルス信号生成器19が基準信号生成
手段に対応し、荷重センサ64が残留振動検出手段に対
応し、コントローラ25が能動制御手段に対応し、図4
の処理において、所定のサンプリング・クロックに同期
してステップ104でフィルタ係数Wi を駆動信号yと
して出力する処理が駆動信号生成手段に対応し、図4の
ステップ109の処理がフィルタ係数更新手段に対応す
る。
【0074】なお、上記実施の形態では、ステップ20
4の判定が「YES」の場合にはステップ205で発散
タイマDをリセットすることによりステップ215の処
理が実行されないようにしているが、これに限定される
ものではなく、発散タイマDの計測を停止することによ
り同様の内容を実現してもよい。また、上記実施の形態
においては、残留振動を能動型エンジンマウント20に
内蔵した荷重センサ64によって検出しているが、これ
に限定されるものではなく、例えば車室内の乗員足元位
置にフロア振動を検出する加速度センサを配設し、その
加速度センサの出力信号を残留振動信号eとしてもよ
い。
【0075】そして、上記実施の形態においては、本発
明における能動型騒音振動制御装置をエンジン17から
車体18に伝達される振動を低減する車両用の能動型振
動制御装置に適用した場合について説明したが、本発明
の対象はこれに限定されるものではなく、エンジン17
以外で発生する振動を低減するための能動型振動制御装
置であっても本発明は適用可能である。
【0076】また、例えば騒音源としてのエンジン17
から車室内に伝達される騒音を低減する能動型騒音制御
装置であってもよく、かかる能動型騒音制御装置とする
場合には、車室内に制御音を発生するための制御音源と
してのラウドスピーカと、車室内の残留騒音を検出する
残留騒音検出手段としてのマイクロフォンとを設け、上
記実施の形態と同様の演算処理を実行すれば、上記実施
の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0077】さらに、上記各実施の形態では、駆動信号
yを生成するアルゴリズムとしてSFXアルゴリズムを
適用しているが、適用可能なアルゴリズムはこれに限定
されるものではなく、例えば、通常のLMSアルゴリズ
ム、Filtered−XLMSアルゴリズム等であっ
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における車両の概略側面図で
ある。
【図2】能動型エンジンマウントの一例を平面視で示し
た図である。
【図3】図2のA−A矢視断面及びB−B矢視断面図で
ある。
【図4】振動低減処理の概要を示すフローチャートであ
る。
【図5】発散検出抑制処理の概要を示すフローチャート
である。
【図6】実施の形態の作用を説明する波形図である。
【符号の説明】
17 エンジン(振動源) 18 車体 19 パルス信号生成器(基準信号生成手段) 20 能動型エンジンマウント(制御振動源) 25 コントローラ 52 電磁アクチュエータ 64 荷重センサ(残留振動検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G05B 13/02 G05B 13/02 S 5J023 G10K 11/16 H03H 17/00 601M H03H 17/00 601 21/00 21/00 G10K 11/16 J Fターム(参考) 3D035 CA05 3G004 CA00 CA12 DA21 DA25 3J048 AA02 AB12 AD01 BE03 CB22 DA01 EA07 5D061 FF02 GG10 5H004 GA09 GA40 GB12 HA12 HB12 JA12 KA32 KC49 KC50 MA05 MA06 MA42 MA43 MA60 5J023 DA05 DB02 DC06 DC08 DD03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 適応アルゴリズムに従ってフィルタ係数
    が更新される適応ディジタルフィルタを用いて駆動信号
    を生成し、その駆動信号によって制御音源又は制御振動
    源を駆動させることにより、騒音又は振動と干渉する制
    御音又は制御振動を発生させるようになっており、 前記フィルタ係数の更新式は、前記適応ディジタルフィ
    ルタのフィルタ係数の増大を抑制する作用のある抑制係
    数を含んでおり、 前記駆動信号が過大である場合には、前記抑制係数を前
    記作用が強くなる方向に変更するようになっている能動
    型騒音振動制御装置において、 前記駆動信号が過大であっても、前記干渉後の騒音又は
    振動のレベルが低下傾向にある場合には、前記抑制係数
    の前記作用が強くなる方向への変更を停止するようにな
    っていることを特徴とする能動型騒音振動制御装置。
  2. 【請求項2】 騒音源又は振動源から発せられる騒音又
    は振動と干渉する制御音又は制御振動を発生可能な制御
    音源又は制御振動源と、前記騒音又は振動の発生状態を
    検出し基準信号として出力する基準信号生成手段と、前
    記干渉後の騒音又は振動を検出し残留騒音信号又は残留
    振動信号として出力する残留騒音検出手段又は残留振動
    検出手段と、前記基準信号及び前記残留騒音信号又は残
    留振動信号に基づき適応アルゴリズムに従って前記干渉
    後の騒音又は振動が低減するように前記制御音源又は制
    御振動源を駆動する駆動信号を生成し出力する能動制御
    手段と、を備え、 前記能動制御手段は、フィルタ係数可変の適応ディジタ
    ルフィルタと、この適応ディジタルフィルタのフィルタ
    係数を前記適応アルゴリズムに基づいた更新式に従って
    更新するフィルタ係数更新手段と、前記基準信号及び前
    記適応ディジタルフィルタに基づいて前記駆動信号を生
    成する駆動信号生成手段と、を含み、 前記更新式は、前記適応ディジタルフィルタのフィルタ
    係数の増大を抑制する作用のある抑制係数を含んでお
    り、 前記駆動信号が過大である場合には、前記抑制係数を前
    記作用が強くなる方向に変更するようになっている能動
    型騒音振動制御装置において、 前記駆動信号が過大であっても、前記残留騒音信号又は
    残留振動信号が低下傾向にある場合には、前記抑制係数
    の前記作用が強くなる方向への変更を停止するようにな
    っていることを特徴とする能動型騒音振動制御装置。
  3. 【請求項3】 騒音源又は振動源から発せられる周期的
    な騒音又は振動と干渉する制御音又は制御振動を発生可
    能な制御音源又は制御振動源と、前記騒音又は振動の発
    生状態を検出し基準信号として出力する基準信号生成手
    段と、前記干渉後の騒音又は振動を検出し残留騒音信号
    又は残留振動信号として出力する残留騒音検出手段又は
    残留振動検出手段と、前記基準信号及び前記残留騒音信
    号又は残留振動信号に基づき適応アルゴリズムに従って
    前記干渉後の騒音又は振動が低減するように前記制御音
    源又は制御振動源を駆動する駆動信号を生成し出力する
    能動制御手段と、を備え、 前記能動制御手段は、フィルタ係数可変の適応ディジタ
    ルフィルタと、この適応ディジタルフィルタのフィルタ
    係数を前記適応アルゴリズムに基づいた更新式に従って
    更新するフィルタ係数更新手段と、前記基準信号及び前
    記適応ディジタルフィルタに基づいて前記駆動信号を生
    成する駆動信号生成手段と、を含み、 前記更新式は、前記適応ディジタルフィルタのフィルタ
    係数の増大を抑制する作用のある抑制係数を含んでお
    り、 前記駆動信号が過大である状態が所定時間連続した場合
    には、前記抑制係数を前記作用が強くなる方向に変更す
    るようになっている能動型騒音振動制御装置において、 前記残留騒音信号又は残留振動信号の基本周期毎の振幅
    が低下傾向にある場合には、前記駆動信号が過大である
    状態の時間計測をリセット又は停止するようになってい
    ることを特徴とする能動型騒音振動制御装置。
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