JP3642140B2 - 能動型騒音振動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、適応アルゴリズムに従ってフィルタ係数が更新される適応ディジタルフィルタを用いて騒音又は振動の低減制御を実行するようになっている能動型騒音振動制御装置に関し、特に、騒音源又は振動源から発せられた騒音又は振動の伝達系の特性変化を検出できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の技術としては、本出願人が先に提案した特開平5−61483号公報に開示されたものがある。
【0003】
即ち、かかる公報記載の従来技術は、LMSアルゴリズム等の適応アルゴリズムを利用した能動型騒音制御装置に関するものであり、より具体的には、適応アルゴリズムにおける評価関数として、低減対象の騒音及び制御音の干渉結果である残留騒音信号の自乗値と、制御音を発するラウドスピーカへの駆動信号の自乗値との和を用いた能動型騒音制御装置に関するものである。
【0004】
そして、上記公報に記載された従来の能動型騒音制御装置にあっては、評価関数に含まれる駆動信号の自乗値に掛けられる係数(上記公報内では、努力係数と称している。)を、制御の発散が進行するに従って、発散を抑制する方向(フィルタ係数を小さくする方向)に変更するようになっており、これにより、音響伝達関数が変化したような場合でも制御の発散を有効に抑制できるから、制御が本格的な発散に至ることを回避できて、例えば車両に適用した場合には乗員等に不快感を与えないで済む、というものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
確かに、上記公報に記載された従来の能動型騒音制御装置であれば、上記のような発散抑制効果を得ることはできるが、発散傾向が強くなるに従って発散を抑制するために係数を変更する構成であるため、乗員等に与える不快感を低減することはできても、発散し易い状況を事前に察知して発散をより確実に防止するというものではないから、さらなる改良が望まれていた。
【0006】
また、制御が発散しているか否かの判定の一手法として、適応ディジタルフィルタのフィルタ係数が所定のしきい値を越えた場合に発散が発生したと判断する方法が考えられるが、発散を判定するために予め設定されるしきい値は、騒音伝達系の伝達特性が初期状態から変化してしまえば実情に合わない値となってしまい、発散しているか否かを正確に判断することができなくなる。このため、騒音伝達系の伝達特性が変化してしまった結果、発散を誤検出する可能性や、発散を見逃してしまう可能性が大きくなってしまう。
【0007】
上記のような問題点は、能動型騒音制御装置に限られたものではなく、同様に適応アルゴリズムを用いて振動低減制御を実行する能動型振動制御装置にも当てはまるものである。
【0008】
本発明は、このような従来の技術が有する未解決の課題に着目してなされたものであって、発散し易い状況を事前に検出できる能動型騒音振動制御装置並びに発散し易い状況が検出された場合に適切に対処できる能動型騒音振動制御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車両に適用され、騒音源又は振動源としてのエンジンから発せられる騒音又は振動と干渉する制御音又は制御振動を発生可能な制御音源又は制御振動源と、前記騒音又は振動の発生状態を表す基準信号を生成し出力する基準信号生成手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタルフィルタと、前記基準信号を前記適応ディジタルフィルタでフィルタ処理して前記制御音源又は制御振動源を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記干渉後の騒音又は振動を検出し残留騒音信号又は残留振動信号として出力する残留騒音検出手段又は残留振動検出手段と、前記基準信号及び前記残留騒音信号又は残留振動信号に基づき適応アルゴリズムに従って前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新手段と、を備えた能動型騒音振動制御装置において、前記エンジンの回転数が制御実行回転数帯域未満のときである所定タイミングにおける前記残留騒音信号又は残留振動信号の各周波数成分のうち、前記制御実行回転数帯域内の周波数に相当する高次数成分に基づいて、騒音伝達系又は振動伝達系の特性変化を検出する伝達特性変化検出手段を設けた。
【0014】
請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る発明である能動型騒音振動制御装置において、前記伝達特性変化検出手段は、前記所定タイミングにおける前記残留騒音信号又は残留振動信号の高次数成分と、前記特性変化が生じていないときに前記所定タイミングで検出した前記残留騒音信号又は残留振動信号の高次数成分との差に基づいて、前記特性変化を検出するようにした。
【0015】
請求項3に係る発明は、上記目的を達成するために、上記請求項1、2に係る発明である能動型騒音振動制御装置に、さらに、前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数と所定のしきい値とを比較することにより制御が発散したことを検出する発散検出手段と、前記伝達特性変化検出手段が前記特性変化を検出した場合に前記所定のしきい値を変更するしきい値変更手段と、を設けた。
【0016】
また、請求項4に係る発明は、上記請求項3に係る発明である能動型騒音振動制御装置において、前記しきい値変更手段は、前記騒音伝達系又は振動伝達系のゲインが大きくなるに従って前記所定のしきい値を大きくするようにした。
【0017】
請求項5に係る発明は、上記目的を達成するために、上記請求項1、2に係る発明である能動型騒音振動制御装置に、さらに、前記伝達特性変化検出手段が前記特性変化を検出した場合に、前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の更新速度に影響を与える収束係数を小さくする収束係数変更手段を設けた。
【0018】
請求項6に係る発明は、上記目的を達成するために、上記請求項1、2に係る発明である能動型騒音振動制御装置に、さらに、前記フィルタ係数更新手段は、前記駆動信号が大きくなるに従って前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を小さくするように作用する発散抑制項を含む更新式を用いて、前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を更新するようにするとともに、前記伝達特性変化検出手段が前記特性変化を検出した場合に、前記更新式の前記発散抑制項の影響度合いを大きくする発散抑制項調整手段を設けた。
【0019】
ここで、請求項1に係る発明にあっては、伝達特性変化検出手段を設けているため、騒音又は振動の伝達系が初期状態から変化してしまったことを検出することができる。
【0020】
即ち、ここで考えている伝達系は、騒音源と残留騒音検出手段との間(又は振動源と残留振動検出手段との間)の伝達系(現実には、残留騒音検出手段又は残留振動検出手段と、フィルタ係数更新手段を構成するマイクロプロセッサとの間の信号の伝達系も含まれる。)であるから、残留騒音検出手段が検出した残留騒音信号(又は残留振動検出手段が検出した残留振動信号)が、騒音源(又は振動源)で発生した騒音(又は振動)の応答信号に間違いなければ、騒音源(又は振動源)で発生した騒音(又は振動)と、残留騒音信号(又は残留振動信号)とに基づけば、その伝達系の特性(ゲイン、位相)を知ることができる。
【0021】
つまり、伝達関数は“出力/入力”であるから、入力に相当する騒音(又は振動)と、出力に相当する残留騒音信号(又は残留振動信号)とが判れば、伝達関数を演算することができる。
【0022】
しかし、ここで必要なのは、伝達系の特性そのものではなく、伝達系の特性が変化したか否かという判断であるから、入力に相当する騒音(又は振動)が正確に判っていなくても、出力に相当する残留騒音信号(又は残留振動信号)を取り込むタイミングさえ統一しておけば(入力に相当する騒音又は振動の発生状態を統一しておけば)、その残留騒音信号(又は残留振動信号)に基づくだけでも、騒音伝達系(又は振動伝達系)の特性変化を検出することができるのである。
【0023】
ただし、入力に相当する騒音(又は振動)を統一したとしても、制御音源(又は制御振動源)から制御音(又は制御振動)が発せられている状況では、その制御音(又は制御振動)によって騒音(又は振動)が相殺又は低減されてしまうから、伝達系の変化を検出するための残留騒音信号(又は残留振動信号)を取り込むタイミングとしては好適ではない。
【0024】
そこで、本発明では、伝達特性変化検出手段が特性変化の検出のために残留騒音信号(又は残留振動信号)を取り込むタイミングを、騒音源(又は振動源)から騒音(又は振動)が発せられているが、制御音源(又は制御振動源)は駆動しておらず従って制御音(又は制御振動)が発生していない所定タイミングとしているのである。
【0025】
伝達特性変化検出手段が伝達系の特性変化を検出した場合には、後述する請求項3〜6に係る発明のような対処を行うようにしてもよいし、振動低減制御自体を停止してしまってもよいし、或いは、伝達系が変化したことを認識できるように所定のランプを点灯させるだけであってもよい。
【0031】
そして、本発明にあっては、上記所定タイミングを、騒音源又は振動源としてのエンジンの回転数が、制御実行回転数帯域未満のときとし、伝達特性変化検出手段は、残留騒音信号又は残留振動信号の各周波数成分のうち、制御実行回転数帯域内の周波数に相当する高次数成分に基づいて特性変化を検出するため、制御実行回転数帯域から外れている騒音又は振動を測定しているにも関わらず、実際に騒音又は振動の低減制御を実行する回転数帯域の伝達特性の変化を検出することができる。
【0032】
また、請求項2に係る発明にあっては、伝達系の特性が初期状態から変化したことをより確実に検出することができる。つまり、伝達系に特性変化が生じていなければ、残留騒音信号(又は残留振動信号)には差は現れないが、特性変化が大きくなるに従って、残留騒音信号(又は残留振動信号)の差が大きくなるから、その差に基づけば、特性変化をより正確に検出することができるのである。
【0033】
なお、残留騒音信号又は残留振動信号の基本周波数は、エンジンで発生している騒音又は振動の原因である燃焼の周波数であるから、残留騒音信号又は残留振動信号の高次数成分は、エンジンにおける燃焼の周波数の2倍、3倍、4倍、…の周波数の成分となる。
【0035】
請求項3に係る発明にあっては、発散検出手段が発散の検出に用いる所定のしきい値は、伝達特性変化検出手段が伝達系の特性変化を検出した場合に、しきい値変更手段によって変更されるので、発散検出手段が発散を見逃す可能性や発散を誤検出する可能性が低減する。つまり、発散検出手段は、フィルタ係数が適切と思われる範囲から外れた場合に制御が発散したと判断する手段であるから、その適切と思われる範囲が適切でなくなってしまうと、判断を誤ることになる。これに対し、フィルタ係数の適切な範囲は、伝達系の特性(例えば、ゲイン)が変化すれば当然に変化するから、伝達系の特性変化に応じてしきい値を変更することにより、発散検出手段による検出精度を低下させないで済むようになる。
【0036】
即ち、伝達系のゲインが大きくなれば、残留騒音検出手段又は残留振動検出手段に到達する騒音又は振動のレベルは大きくなるから、それを打ち消すためには大きな制御音又は制御振動を発生させなければならず、大きな制御音又は制御振動を発生させるためには、基準信号のレベルを大きくするか、或いは、基準信号をフィルタ処理する適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を大きくしなければならない。しかし、基準信号のレベルは、伝達系のゲインが大きくなっても変化するものではないし、同期式Filtered−X LMSアルゴリズムのような適用アルゴリズムを適用した場合にはそもそも基準信号はタイミングだけの信号であるから、結局は、フィルタ係数を大きくすることが必要になる。すると、自然に最適値を求める適応アルゴリズムの特性からフィルタ係数は段々と大きくなるため、発散検出手段のしきい値が固定であると、フィルタ係数は適切な範囲を越えていないのに発散に陥ったと誤判断する可能性が高くなるのである。伝達系のゲインが小さくなれば、上記とは逆に、発散を見逃す可能性が高くなる。
【0037】
そこで、請求項4に係る発明であれば、より確実に、発散検出手段が発散を見逃す可能性や発散を誤検出する可能性が低減する。
また、請求項5に係る発明にあっては、収束係数変更手段を設けているため、制御の発散を抑制できるという利点がある。つまり、伝達系の特性(特に、位相特性)が変化してしまうと、それだけ制御が不安定になるため、発散を防止するためには、適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の更新量はなるべく小さくすることが望ましいのである。その一方で、制御が比較的安定である場合には、フィルタ係数をできるだけ早く最適値に収束させるためには、その更新量は大きい方が望ましいから、この請求項9に係る発明のように、伝達系の特性変化が検出された場合に収束係数を大きくする構成であれば、安定時の制御特性を損なうことなく、不安定時に発散に陥る可能性を低減できるのである。
【0038】
そして、請求項6に係る発明にあっても、発散抑制項調整手段を設けているため、制御の発散を抑制できるという利点がある。つまり、適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の更新式に発散抑制項を含んでいる場合、その発散抑制項の影響度合いが大きいと、発散に陥る可能性は小さくなるが、騒音又は振動の低減効果は低くなるという副作用がある。そこで、この請求項6に係る発明のように、伝達系の特性変化が検出された場合に発散抑制項の影響度合いを大きくする構成であれば、請求項5に係る発明と同様に、安定時の制御特性を損なうことなく、不安定時に発散に陥る可能性を低減できるのである。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、伝達特性変化検出手段を設けたため、騒音又は振動の伝達系が初期状態から変化してしまったことを検出して、それに応じた対処を施すことができるという効果がある。
【0041】
また、請求項3、4に係る発明であれば、上記請求項1、2に係る発明の効果に加えて、発散の誤判断を防止できるという効果がある。
そして、請求項5,6に係る発明であれば、上記請求項1、2に係る発明の効果に加えて、伝達系の特性変化が生じていないときの制御特性を低下させることなく、制御が発散に陥る可能性を低減できるから、より良好な騒音又は振動の低減制御を実行できるという効果がある。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図6は本発明の第1の実施の形態を示す図であって、図1は本発明に係る能動型騒音振動制御装置の一実施形態である能動型振動制御装置を適用した車両の概略側面図である。
【0043】
先ず、構成を説明すると、エンジン30が駆動信号に応じた能動的な支持力を発生可能な能動型エンジンマウント1を介して、サスペンションメンバ等から構成される車体35に支持されている。なお、実際には、エンジン30及び車体35間には、能動型エンジンマウント1の他に、エンジン30及び車体35間の相対変位に応じた受動的な支持力を発生する複数のエンジンマウントも介在している。受動的なエンジンマウントとしては、例えばゴム状の弾性体で荷重を支持する通常のエンジンマウントや、ゴム状の弾性体内部に減衰力発生可能に流体を封入してなる公知の流体封入式のマウントインシュレータ等が適用できる。
【0044】
一方、能動型エンジンマウント1は、例えば、図2に示すように構成されている。即ち、この実施の形態における能動型エンジンマウント1は、エンジン30への取付け用のボルト2aを上部に一体に備え且つ内部が空洞で下部が開口したキャップ2を有し、このキャップ2の下部外面には、軸が上下方向を向く内筒3の上端部がかしめ止めされている。
【0045】
内筒3は、下端側の方が縮径した形状となっていて、その下端部が内側に水平に折り曲げられて、ここに円形の開口部3aが形成されている。そして、内筒3の内側には、キャップ2及び内筒3内部の空間を上下に二分するように、キャップ2及び内筒3のかしめ止め部分に一緒に挟み込まれてダイアフラム4が配設されている。ダイアフラム4の上側の空間は、キャップ2の側面に孔を開けることにより大気圧に通じている。
【0046】
さらに、内筒3の内側にはオリフィス構成体5が配設されている。なお、本実施の形態では、内筒3内面及びオリフィス構成5間には、薄膜状の弾性体(ダイアフラム4の外周部を延長させたものでもよい)が介在していて、これにより、オリフィス構成体5は内筒3内側に強固に嵌め込まれている。
【0047】
このオリフィス構成体5は、内筒3の内部空間に整合して略円柱形に形成されていて、その上面には円形の凹部5aが形成されている。そして、その凹部5aと、底面の開口部3aに対向する部分との間が、オリフィス5bを介して連通するようになっている。オリフィス5bは、例えば、オリフィス構成体5の外周面に沿って螺旋状に延びる溝と、その溝の一端部を凹部5aに連通させる流路と、その溝の他端部を開口部3aに連通させる流路とで構成される。
【0048】
一方、内筒3の外周面には、内周面側が若干上方に盛り上がった肉厚円筒状の支持弾性体6の内周面が加硫接着されていて、その支持弾性体6の外周面は、上端側が拡径した円筒部材としての外筒7の内周面上部に加硫接着されている。
【0049】
そして、外筒7の下端部は上面が開口した円筒形のアクチュエータケース8の上端部にかしめ止めされていて、そのアクチュエータケース8の下端面からは、車体35側への取付け用の取付けボルト9が突出している。取付けボルト9は、その頭部9aが、アクチュエータケース8の内底面に張り付いた状態で配設された平板部材8aの中央の空洞部8bに収容されている。
【0050】
さらに、アクチュエータケース8の内側には、円筒形の鉄製のヨーク10Aと、このヨーク10Aの中央部に軸を上下に向けて巻き付けられた励磁コイル10Bと、ヨーク10Aの励磁コイル10Bに包囲された部分の上面に極を上下に向けて固定された永久磁石10Cと、から構成される電磁アクチュエータ10が配設されている。
【0051】
また、アクチュエータケース8の上端部はフランジ状に形成されたフランジ部8Aとなっていて、そのフランジ部8Aに外筒7の下端部がかしめられて両者が一体となっているのであるが、そのかしめ止め部分には、円形の金属製の板ばね11の周縁部(端部)が挟み込まれていて、その板ばね11の中央部の電磁アクチュエータ10側には、リベット11aによって磁化可能な磁路部材12が固定されている。なお、磁路部材12はヨーク10Aよりも若干小径の鉄製の円板であって、その底面が電磁アクチュエータ10に近接するような厚みに形成されている。
【0052】
さらに、上記かしめ止め部分には、フランジ部8Aと板ばね11とに挟まれるように、リング状の薄膜弾性体13と、力伝達部材14のフランジ部14aとが支持されている。具体的には、アクチュエータケース8のフランジ部8A上に、薄膜弾性体13と、力伝達部材14のフランジ部14aと、板ばね11とをこの順序で重ね合わせるとともに、その重なり合った全体を外筒7の下端部をかしめて一体としている。
【0053】
力伝達部材14は、磁路部材12を包囲する短い円筒形の部材であって、その上端部がフランジ部14aとなっており、その下端部は電磁アクチュエータ10のヨーク10Aの上面に結合している。具体的には、ヨーク10Aの上端面周縁部に形成された円形の溝に、力伝達部材14の下端部が嵌合して両者が結合されている。また、力伝達部材14の弾性変形時のばね定数は、薄膜弾性体13のばね定数よりも大きい値に設定されている。
【0054】
ここで、本実施の形態では、支持弾性体6の下面及び板ばね11の上面によって画成された部分に流体室15が形成され、ダイアフラム4及び凹部5aによって画成された部分に副流体室16が形成されていて、これら流体室15及び副流体室16間が、オリフィス構成体5に形成されたオリフィス5bを介して連通している。なお、これら流体室15,副流体室16及びオリフィス5b内には、エチレングリコール等の流体が封入されている。
【0055】
かかるオリフィス5bの流路形状等で決まる流体マウントとしての特性は、走行中のエンジンシェイク発生時、つまり5〜15Hzで能動型エンジンマウント1が加振された場合に高動ばね定数、高減衰力を示すように調整されている。
【0056】
そして、電磁アクチュエータ10の励磁コイル10Bは、コントローラ25からハーネス23aを通じて供給される電流である駆動信号yに応じて所定の電磁力を発生するようになっている。コントローラ25は、マイクロコンピュータ,必要なインタフェース回路,A/D変換器,D/A変換器,アンプ等を含んで構成され、エンジンシェイクよりも高周波の振動であるアイドル振動やこもり音振動・加速時振動が車体35に入力されている場合には、その振動を低減できる能動的な支持力が能動型エンジンマウント1に発生するように、能動型エンジンマウント1に対する駆動信号yを生成し出力するようになっている。
【0057】
ここで、アイドル振動やこもり音振動は、例えばレシプロ4気筒エンジンの場合、エンジン回転2次成分のエンジン振動が車体35に伝達されることが主な原因であるから、そのエンジン回転2次成分に同期して駆動信号yを生成し出力すれば、車体側低減が可能となる。そこで、本実施の形態では、燃焼タイミングに同期するように、エンジン30のクランク軸の回転に同期した(例えば、レシプロ4気筒エンジンの場合には、クランク軸が180度回転する度に一つの)インパルス信号を生成し基準信号xとして出力するパルス信号生成器26を設けていて、その基準信号xが、エンジン30における振動の発生状態を表す信号としてコントローラ25に供給されるようになっている。
【0058】
一方、電磁アクチュエータ10のヨーク10Aの下端面と、アクチュエータケース8の底面を形成する平板部材8aの上面との間に挟み込まれるように、エンジン30から支持弾性体6を通じて伝達する加振力を検出する荷重センサ22が配設されていて、荷重センサ22の検出結果がハーネス23bを通じて残留振動信号eとしてコントローラ25に供給されるようになっている。荷重センサ22としては、具体的には、圧電素子,磁歪素子,歪ゲージ等が適用可能である。
【0059】
そして、コントローラ25は、供給される残留振動信号e及び基準信号xに基づき、適応アルゴリズムの一つである同期式Filtered−X LMSアルゴリズムを実行することにより、能動型エンジンマウント1に対する駆動信号yを演算し、その駆動信号yを能動型エンジンマウント1に出力するようになっている。
【0060】
具体的には、コントローラ25は、フィルタ係数Wi (i=0,1,2,…,I−1:Iはタップ数)可変の適応ディジタルフィルタWを有していて、最新の基準信号xが入力された時点から所定のサンプリング・クロックの間隔で、その適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力する一方、基準信号x及び残留振動信号eに基づいて適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を適宜更新する処理を実行するようになっている。
【0061】
ただし、この実施の形態では、同期式Filtered−X LMSアルゴリズムにおける評価関数として、下記の(1)式を用いている。
Jm={e(n)}2 +β{y(n)}2 ……(1)
つまり、LMSアルゴリズムにあっては評価関数Jmが小さくなる方向にフィルタ係数Wi が更新されるのであるから、上記(1)式の右辺の内容からも明らかなように、フィルタ係数Wi は、残留振動信号eの自乗値が小さくなるとともに、駆動信号yの自乗値をβ倍した値が小さくなるように、逐次更新されることになる。そして、βは発散抑制係数と称される係数であって、この発散抑制係数βが大きくなる程、駆動信号yは小さくなる傾向となる。つまり、発散抑制係数βには制御の発散を抑制する作用がある。
【0062】
そして、収束係数をαとし、上記(1)式で表される評価関数Jmに基づいてフィルタ係数Wi の更新式を求めると、下記の(2)式のようになる。
Wi (n+1)=Wi (n)+2αRT e(n)−2βαy(n)……(2)
そこで、この(2)式中の「2α」を新たな収束係数αとし、「2βα」を新たな発散抑制係数βとすれば、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi の更新式は下記の(3)式のようになる。
【0063】
Wi (n+1)=Wi (n)+αRT e(n)−βy(n)……(3)
ここで、(n),(n+1)が付く項はサンプリング時刻n,n+1における値であることを表している。また、更新用基準信号RT は、理論的には、基準信号xを、能動型エンジンマウント1の電磁アクチュエータ10及び荷重センサ22間の伝達関数Cをモデル化した伝達関数フィルタC^でフィルタ処理した値であるが、基準信号xの大きさは“1”であるから、伝達関数フィルタC^のインパルス応答を基準信号xに同期して次々と生成した場合のそれらインパルス応答波形のサンプリング時刻nにおける和に一致する。
【0064】
また、理論的には、基準信号xを適応ディジタルフィルタWでフィルタ処理して駆動信号yを生成するのであるが、基準信号xの大きさが“1”であるため、フィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力しても、フィルタ処理の結果を駆動信号yとしたのと同じ結果になる。
【0065】
そして、コントローラ25は、上記のような駆動信号yの出力処理及び適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi の更新処理からなる振動低減処理を実行する一方で、制御の発散を検出するための発散検出処理を実行するようになっている。発散検出処理は、本実施の形態では適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi の絶対値を求め、その絶対値に基づいて演算される判定値が所定のしきい値Wthを越えている場合に発散が生じたと判定する処理であり、この発散検出処理によって発散が生じていると判定された場合には、その発散を抑制するための所定の発散抑制処理が実行されるようになっている。
【0066】
また、本実施の形態にあっては、エンジン30の回転数を検出するエンジン回転数センサ28を設けていて、そのエンジン回転数センサ28が検出したエンジン回転数Nが、コントローラ25に供給されるようになっている。
【0067】
そして、コントローラ25は、エンジン回転数Nに基づき、エンジン30の回転数が、後述の振動低減制御(図3参照)を実行する回転数帯域(制御実行回転数帯域)未満の所定回転数帯域内にあるか否かを判断し、その所定回転数帯域内にあると判断した場合には、残留振動信号eを順次読み込み保存し、その読み込んだ残留振動信号eのデータ群についてFFT演算を行って、残留振動信号eの各周波数成分のうち、制御実行回転数帯域内の周波数に相当する高次数成分を抽出し、その抽出された高次数成分と、振動伝達系に特性変化が生じていないときに同じ演算によって求めておいた高次数成分とを比較することにより、振動伝達系の特性変化を検出するようになっている。
【0069】
そして、コントローラ25は、振動伝達系の特性変化を検出した場合には、特性変化に対処するための処理として、制御の発散を判定するために用いる所定のしきい値Wthを変更する処理を実行するようになっている。即ち、振動伝達系の特性が変化すれば、フィルタ係数Wi の最適値も変化するため、発散を判定するためのしきい値Wthも当然に変化するからである。特に、振動伝達系のゲインが大きくなればフィルタ係数Wi の最適値も大きくなるし、逆にゲインが小さくなればその最適値は小さくなるから、この実施の形態では、振動伝達系のゲインの変化に応じてしきい値Wthを変更するようになっている。
【0070】
また、コントローラ25は、振動伝達系の位相特性が変化していても安定性が大きく損なわれないように、振動伝達系の特性変化を検出した場合には、上記しきい値Wthを変更する処理の他に、発散抑制係数βを大きくする処理も実行するようになっている。
【0071】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
即ち、エンジンシェイク発生時には、オリフィス5aの流路形状等を適宜選定している結果、この能動型エンジンマウント1は高動ばね定数,高減衰力の支持装置として機能するため、エンジン30側で発生したエンジンシェイクが能動型エンジンマウント1によって減衰され、車体35側の振動レベルが低減される。なお、エンジンシェイクに対しては、特に可動板12を積極的に変位させる必要はない。
【0072】
一方、オリフィス5a内の流体がスティック状態となり流体室15及び副流体室16間での流体の移動が不可能になるアイドル振動周波数以上の周波数の振動が入力された場合には、コントローラ25は、所定の演算処理を実行し、電磁アクチュエータ10に駆動信号yを出力し、能動型エンジンマウント1に振動を低減し得る能動的な支持力を発生させる。
【0073】
これを、アイドル振動,こもり音振動入力時にコントローラ25内で実行される処理の概要を示すフローチャートである図3に従って具体的に説明する。
先ず、そのステップ101において所定の初期設定が行われた後に、ステップ102に移行し、伝達関数フィルタC^に基づいて更新用基準信号RT が演算される。なお、このステップ102では、一周期分の更新用基準信号RT がまとめて演算される。
【0074】
そして、ステップ103に移行しカウンタiが零クリアされた後に、ステップ104に移行して、適応ディジタルフィルタWのi番目のフィルタ係数Wi が駆動信号yとして出力される。
【0075】
ステップ104で駆動信号yを出力したら、ステップ105に移行し、残留振動信号eが読み込まれる。この残留振動信号eは、現在のカウンタiの値とともに記憶される。
【0076】
そして、ステップ106に移行して、カウンタjが零クリアされ、次いでステップ107に移行し、適応ディジタルフィルタWのj番目のフィルタ係数Wj が上記(3)式に従って更新される。
【0077】
ステップ107における更新処理が完了したら、ステップ108に移行し、次の基準信号xが入力されているか否かを判定し、ここで基準信号xが入力されていないと判定された場合は、適応ディジタルフィルタWの次のフィルタ係数の更新又は駆動信号yの出力処理を実行すべく、ステップ109に移行する。
【0078】
ステップ109では、カウンタjが、出力回数Ty (正確には、カウンタjは0からスタートするため、出力回数Ty から1を減じた値)に達しているか否かを判定する。この判定は、ステップ104で適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を駆動信号yとして出力した後に、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を、駆動信号yとして必要な数だけ更新したか否かを判断するためのものである。そこで、このステップ109の判定が「NO」の場合には、ステップ110でカウンタjをインクリメントした後に、ステップ107に戻って上述した処理を繰り返し実行する。
【0079】
しかし、ステップ109の判定が「YES」の場合には、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数のうち、駆動信号yとして必要な数のフィルタ係数の更新処理が完了したと判断できるから、ステップ111に移行してカウンタiをインクリメントした後に、上記ステップ104の処理を実行してから所定のサンプリング・クロックの間隔に対応する時間が経過するまで待機し、サンプリング・クロックに対応する時間が経過したら、上記ステップ104に戻って上述した処理を繰り返し実行する。
【0080】
一方、ステップ111で基準信号xが入力されたと判断された場合には、ステップ112に移行し、カウンタi(正確には、カウンタiが0からスタートするため、カウンタiに1を加えた値)を最新の出力回数Ty として保存した後に、ステップ102に戻って、上述した処理を繰り返し実行する。
【0081】
このような図3の処理を繰り返し実行する結果、コントローラ25から能動型エンジンマウント1の電磁アクチュエータ10に対しては、基準信号xが入力された時点から、サンプリング・クロックの間隔で、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi が順番に駆動信号yとして供給される。
【0082】
この結果、励磁コイル10Bに駆動信号yに応じた磁力が発生するが、磁路部材12には、既に永久磁石10Cによる一定の磁力が付与されているから、その励磁コイル10Bによる磁力は永久磁石10Cの磁力を強める又は弱めるように作用すると考えることができる。つまり、励磁コイル10Bに駆動信号yが供給されていない状態では、磁路部材12は、板ばね11による支持力と、永久磁石10Cの磁力との釣り合った中立の位置に変位することになる。そして、この中立の状態で励磁コイル10Bに駆動信号yが供給されると、その駆動信号yによって励磁コイル10Bに発生する磁力が永久磁石10Cの磁力と逆方向であれば、磁路部材12は電磁アクチュエータ10とのクリアランスが増大する方向に変位する。逆に、励磁コイル10Bに発生する磁力が永久磁石10Cの磁力と同じ方向であれば、磁路部材12は電磁アクチュエータ10とのクリアランスが減少する方向に変位する。
【0083】
このように磁路部材12は正逆両方向に変位可能であり、磁路部材12が変位すれば主流体室15の容積が変化し、その容積変化によって支持弾性体6の拡張ばねが変形するから、この能動型エンジンマウント1に正逆両方向の能動的な支持力が発生するのである。
【0084】
そして、駆動信号yとなる適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi は、同期式Filtered−X LMSアルゴリズムに従った上記(3)式によって逐次更新されるため、ある程度の時間が経過して適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi が最適値に収束した後は、駆動信号yが能動型エンジンマウント1に供給されることによって、エンジン30から能動型エンジンマウント1を介して車体35側に伝達されるアイドル振動やこもり音振動が低減されるようになるのである。
【0085】
一方、コントローラ25内では、図3に示した振動低減処理の実行中に、所定の割り込みタイミングで、図4に示す発散検出処理が実行される。
即ち、所定の割り込み間隔で図4に示す処理が実行されると、先ずそのステップ121において、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi の絶対値に基づいて、発散判定用の判定値WH を演算する。なお、判定値WH は、例えばフィルタ係数Wi の絶対値のうちの最大値としてもよいし、或いは、そのフィルタ係数Wi の絶対値の所定個数の和としてもよい。
【0086】
次いで、ステップ122に移行し、その判定値WH が所定のしきい値Wthよりも大きいか否かを判定する。このしきい値Wthは、判定値WH が過大であるか否かを判定するためのしきい値であって、このステップ122の判定が「NO」の場合には、特に判定値WH は過大ではなく、従ってその演算根拠であるフィルタ係数Wi は、適切な振動低減制御実行中に採り得る通常の範囲内に収まっていると判断できる。そこで、制御には特に発散傾向は認められないと判断して、このまま今回の発散検出処理を終了する。
【0087】
しかし、ステップ122の判定が「YES」の場合には、判定値WH は過大であり、その演算根拠であるフィルタ係数Wi は、適切な振動低減制御実行中には採り得ない大きな値に至っていると判断できる。そこで、振動低減制御は発散傾向にあると判断し、ステップ123に移行して、発散抑制処理を実行する。ステップ123における発散抑制処理は、ここでは特に限定されるものではないが、例えば、適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi を初期値にリセットする、適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi の値を所定比率(例えば50%)で縮小する、適応ディジタルフィルタWをローパスフィルタ処理して高周波成分を除去する等が考えられる。或いは、発散抑制処理として、図3に示したような振動低減制御自体を禁止して、能動型エンジンマウント1を単なる受動的なエンジンマウントとして機能させるようにする、ということも考えられる。この振動低減制御を禁止する対処は、他の発散抑制処理を実行しても繰り返し発散が発生する場合には有効である。なお、振動低減制御を禁止した場合には、それを知らしめるために、例えばダッシュパネルに設けられた所定のランプを点灯させることが望ましい。
【0088】
次に、振動伝達系の特性変化の検出処理について説明する。
即ち、イグニッションスイッチがオンになると、コントローラ25は、図5に示す振動伝達系の特性変化検出処理を実行し、先ずそのステップ301において、エンジン回転数Nを読み込み、次いでステップ302に移行し、エンジン回転数Nが、特性変化検出処理を実行する所定回転数帯域の下限値N 1 を越えているか否かを判断する。
【0089】
ここで、この能動型振動制御装置において振動低減制御を実行するエンジン回転数を400rpm以上とすると、エンジン回転数が400rpm未満では能動型エンジンマウント1からは制御振動は発生しないことになる。そこで、特性変化検出処理を実行する所定回転数帯域は、400rpm未満とする。また、その所定回転数帯域の下限値は、特に定めなくてもよいが、ここで必要なのは残留振動信号e高次数成分であるから、余りにもエンジン回転数が低いときの残留振動信号eの必要性は低い。そこで、所定回転数帯域の下限値N 1 を、200rpmとする。
【0090】
ステップ302の判定が「NO」の場合には、その判定が「YES」となるまでステップ301の処理を繰り返し実行し、その判定が「YES」となった時点でステップ303に移行し、残留振動信号eを読み込みこれを保存する。
【0091】
そして、ステップ304に移行してエンジン回転数Nを読み込み、次いでステップ305に移行し、エンジン回転数Nが、所定回転数帯域の上限値N 2 (=400rpm)未満であるか否かを判断する。
このステップ305の判定が「NO」の場合には、その判定が「YES」となるまでステップ303,304の処理を実行し、その判定が「YES」となった時点でステップ306に移行する。なお、ここでは、ステップ303の処理を、エンジン回転数Nが上限値N 2 に達するまで繰り返し実行するようになっているが、この後に実行するFFT演算で必要なデータ数が2の巾乗個数であることから、エンジン回転数Nが上限値N 2 に達する前であっても、ステップ303における残留振動信号eの読み込み個数が適当な2の巾乗個数に達した時点で、ステップ306に移行するようにしてもよい。
【0092】
そして、ステップ306に移行したら、保存しておいた残留振動信号eについてFFT演算を行って、各周波数成分を抽出し、残留振動信号eの高次数(2次、3次、4次、…)成分に相当する周波数成分f p1 〜f pn を抽出する。
ここで、ステップ303で順次読み込んだ残留振動信号eの基本周波数は、エンジン30がレシプロ4気筒エンジンであれば、ステップ303で残留振動信号eを読み込んだ際のエンジン回転数が200〜400rpmであり、その回転数帯域にあるときにエンジン30での燃焼時に発生する振動の基本周波数に等しく、具体的には、 6.67Hz 〜 13.3Hz である。
【0093】
従って、残留振動信号eの基本周波数の2次成分(エンジン回転4次成分)は 13.3Hz 〜 26.7Hz 、残留振動信号eの基本周波数の3次成分(エンジン回転6次成分)は 20Hz 〜 40Hz 、残留振動信号eの基本周波数の4次成分(エンジン回転8次成分)は 26.6Hz 〜 53.3Hz 、…、というようになるから、例えば振動低減制御がエンジン回転数が400〜2000rpmの範囲において実行されるとすれば、残留振動信号eの高次数成分としては、基本周波数の5次成分(エンジン回転10次成分)までが必要となり、その上限周波数は 66.7Hz となる。
そこで、ステップ306においては、残留振動信号eの2次〜10次成分に含まれるn点の周波数成分f p1 〜f pn を演算する。次いで、ステップ307に移行し、振動伝達系に特性変化が生じていない状況下で上記周波数成分f p1 〜f pn と同じ条件で求めた初期値f int1 〜f intn を読み出す。この初期値f int1 〜f intn は、車両の工場出荷時にステップ301〜306と同じ処理を実行することにより求めた値であって、コントローラ25内の不揮発性メモリで構成された所定の記憶領域に保存されている。
そして、ステップ308に移行し、周波数成分f p1 〜f pn と、初期値f int1 〜f intn との差Δfを演算する。なお、周波数成分及び初期値はそれぞれn個あるから、差Δfは、例えば、対応する各周波数成分同士の差(周波数成分f pi と初期値f inti との差)の総和とすればよいし、或いは、対応する各周波数成分同士の差の最大値としてもよい。
【0094】
次いで、ステップ309に移行し、差Δfの絶対値が所定のしきい値f th よりも大きいか否かを判定する。しきい値f th は、周波数成分f p1 〜f pn と、初期値f int1 〜f intn とが実質的に等しいと判断できる値であり、このステップ309の判定が「NO」であれば、周波数成分f p1 〜f pn と、初期値f int1 〜f intn とは実質的に等しく、従って、振動伝達系には、工場出荷時から特に特性変化は認められないと判断できる。そこで、ステップ208には移行せずに、このままこの図5の処理を終了する。
これに対し、ステップ309の判定が「YES」の場合には、周波数成分f p1 〜f pn と、初期値f int1 〜f intn とは等しくなく、従って、現在の振動伝達系のゲイン特性には、工場出荷時に比べて無視できない変化が生じていると判断できる。そこで、ステップ208に移行し、特性変化時処理を実行する。
【0095】
即ち、ステップ208に移行すると、特性変化時処理として図6に示す処理が実行され、先ず、そのステップ210において、図4の発散検出処理で用いるしきい値Wthを、差Δfに基づいて変更する。周波数成分f p1 〜f pn 、初期値f int1 〜f intn は、振動伝達系のゲイン特性を表す値であるから、差Δfが正の値であれば、振動伝達系の現在のゲインは初期のころよりも大きくなっているし、逆に、差Δfが負の値であれば、振動伝達系の現在のゲインは初期のころよりも小さくなっている。そして、そのゲインの変化幅も、差Δfの大きさに比例するはずである。
【0096】
そこで、ステップ210では、差Δfが正の値であれば、その大きさに比例してしきい値Wthを大きくし、逆に、差Δfが負の値であれば、その大きさに比例してしきい値Wthを小さくする。なお、しきい値Wthは、差Δfに応じてリニアに変更してもよいし、差Δfに応じて段階的に変更してもよい。
【0097】
次いで、ステップ211に移行し、差Δfの絶対値に応じて、発散抑制係数βを大きくする。即ち、差Δfは、振動伝達系のゲイン特性を表す値ではあるが、ゲイン特性が大きく変化したということは、位相特性も変化していると推定することができ、位相特性が初期状態から変化してしまうと、制御が不安定になり易い。そこで、差Δfの絶対値が大きくなるに従って、位相特性の変化も大きいと推定した上で、差Δfの絶対値に比例して、発散抑制係数βを大きくしているのである。なお、発散抑制係数βは、差Δfの絶対値に応じてリニアに大きくしてもよいし、差Δfの絶対値に応じて段階的に大きくしてもよいし、或いは、差Δfの大きさには関係なく、単に発散抑制係数βを通常時よりも大きくするだけでもよい。
【0098】
ステップ211の処理を終えたら、今回の特性変化時処理(図6)及び特性変化検出処理(図5)を終了する。そして、エンジン30の始動が完了し、その回転数がアイドル振動やこもり音振動等が発生する回転数帯域になったら、上述した振動低減処理(図3)及び発散検出処理(図4)が適宜実行される。
【0099】
このように、本実施の形態にあっては、振動伝達系の特性が変化したか否かを検出し、特性が変化したことが検出された場合には、発散を判断するためのしきい値Wth及び発散を抑制するための発散抑制係数βを適宜変更するようになっているから、特性が変化した後であっても、発散の誤検出や見逃しの可能性を低減できるし、制御が発散に到る可能性をも低減できるという利点がある。
【0100】
即ち、本実施の形態のように、車両に適用された能動型振動制御装置の場合、能動型エンジンマウント1内の支持弾性体6が、冬場等の極低温時に硬くなったり変形を繰り返す内に熱の影響で硬くなったりすることにより、或いは、各部のボルトに緩みが生じたりすることにより、振動伝達系の特性が初期状態から変化することが考えられるため、上記利点は極めて有益である。
しかも、能動型エンジンマウント1が制御振動を発生しないエンジン回転数帯域において読み込まれる残留振動信号eの高次数成分に基づいて、振動伝達系の特性変化を検出するようにしているため、読み込んだ残留振動信号eの基本周波数が、振動低減制御を実行する際にエンジン30で発生する振動の周波数よりも低いにも関わらず、振動低減制御を実行する際に発生する振動の伝達特性の変化を検出できる。
【0101】
また、本実施の形態の場合、電磁アクチュエータ10及び荷重センサ22間の伝達関数Cが、エンジン30及び荷重センサ22間の伝達関数の一部分に重複しているため、伝達関数Cが変化した場合でも、図5の特性変化検出処理は振動伝達系の変化を検出したと判断することになる。つまり、図5の処理を実行すれば、伝達関数Cの変化をも検出することができるのであり、伝達関数Cの変化は、Filtered−X LMSアルゴリズムにあっては制御の安定性に大きく影響するから、図5及び図6の処理を実行する利点は、極めて大きい。
【0102】
ここで、本実施の形態では、エンジン30が振動源に対応し、能動型エンジンマウント1が制御振動源に対応し、パルス信号生成器26が基準信号生成手段に対応し、図3の処理において所定のサンプリング・クロックに同期してステップ104でフィルタ係数Wi を駆動信号yとして出力する処理が駆動信号生成手段に対応し、荷重センサ22が残留振動検出手段に対応し、図3のステップ107の処理がフィルタ係数更新手段に対応し、図5の処理が特性変化検出手段に対応し、図4の処理におけるステップ121,122の処理が発散検出手段に対応し、図6の処理におけるステップ210の処理がしきい値変更手段に対応し、図6のステップ211の処理が発散抑制項調整手段に対応し、イグニッションスイッチをオンにした直後にエンジン回転数NがN 1 を越えてN 2 に到るまでの間が所定タイミングに相当する。
【0121】
図7は本発明の第2の実施の形態を示す図であって、図6と同様に特性変化時処理を示すフローチャートである。なお、全体的な構成及びその他の処理の内容は上記第1の実施の形態と同一であるため、その図示及び説明は省略するとともに、上記第1の実施の形態と同様の構成及びステップには同じ符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0122】
即ち、本実施の形態にあっては、特性変化時処理のステップ210の処理が実行されたら、ステップ212に移行し、差Δfの絶対値に応じて、収束係数αを小さくする。即ち、収束係数αは、上記(3)式に示されるように、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi の更新速度に影響を与える係数であるから、収束係数αを小さくすれば、通常時よりもフィルタ係数Wi の更新速度が小さくなり、振動伝達系に特性変化が生じて制御が不安定になり易い状況に対処しているのである。なお、収束係数αは、差Δfの絶対値に応じてリニアに小さくしてもよいし、差Δfの絶対値に応じて段階的に大きくしてもよいし、或いは、差Δfの大きさには関係なく、単に収束係数αを通常時よりも小さくするだけでもよい。
【0123】
このように、本実施の形態にあっては、振動伝達系の特性変化が検出された場合には、しきい値Wth及び収束係数αを適宜変更するようになっているから、特性が変化した後であっても、発散の誤検出や見逃しの可能性を低減できるし、制御が発散に到る可能性をも低減できる、という上記第1の実施の形態と同様の利点がある。
【0124】
ここで、本実施の形態では、ステップ212の処理が収束係数変更手段に対応する。
【0125】
また、上記各実施の形態では、振動伝達系に特性変化が生じていない初期状態における周波数成分を記憶しておき、その記憶しておいた値と現時点で求められた値との差に基づいて振動伝達系の特性変化を検出するようにしているから、初期状態を基準とした特性変化を確実に検出できるという利点があるが、これに限定されるものではなく、現時点で求められる周波数成分の移り変わりに基づいて振動伝達系の特性変化を検出するようにしてもよい。
【0126】
そして、特性変化時処理としては、上記第1の実施の形態や第2の実施の形態に示した処理に限定されるものではなく、図6に示したステップ210,211と、図7に示したステップ212とを全て実行するようにしてもよいし、ステップ211,212の処理を実行するようにしてもよいし、それらステップ210〜212のうちのいずれか一つを実行するようにしてもよいし、或いは、振動低減制御を停止する、特性変化を知らしめるために所定のランプを点灯させる、といった処理を単独又はステップ210〜212等と同時に実行するようにしてもよい。
【0127】
さらに、上記各実施の形態では、所定タイミングとしてのエンジン回転数NがN1 を越えてからN2 に到るまでの間に特性変化検出処理を実行することとしているが、この特性変化検出処理は、所定タイミングには必ず実行しなければならないものでもなく、例えば、数日に一度、数カ月に一度、定期点検の度、といった具合に所定間隔毎に実行してもよいし、或いは、振動低減制御の精度が悪化したことが確認できた場合(例えば、振動低減制御を実行しているにも関わらず、残留振動信号eのレベルがそれほど低くならない場合)に、所定タイミングで実行するようにしてもよい。
【0130】
そして、上記各実施の形態では、残留振動検出手段として、能動型エンジンマウント1に内蔵された荷重センサ22を用いてるから、振動低減制御を実行した際にはその能動型エンジンマウント1を通じて車体35側に伝搬される振動を低減することができるが、これに限定されるものではなく、例えば、乗員足元位置に配設された加速度センサを残留振動検出手段とすれば、その乗員足元位置に伝搬する振動を低減するように能動型エンジンマウント1で制御振動を発生させることができるようになる。
【0131】
さらに、上記各実施の形態では、本発明に係る能動型騒音振動制御装置を、エンジン30から車体35に伝達される振動を低減する車両用の能動型振動制御装置に適用した場合について説明したが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、例えば騒音源としてのエンジン30から車室内に伝達される騒音を低減する能動型騒音制御装置であってもよい。かかる能動型騒音制御装置とする場合には、車室内に制御音を発生するための制御音源としてのラウドスピーカと、車室内の残留騒音を検出する残留騒音検出手段としてのマイクロフォンとを設け、上記各実施の形態と同様の演算処理によって得られる駆動信号yに応じてラウドスピーカを駆動させるとともに、マイクロフォンの出力を残留騒音信号eとして適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi の更新処理に用い、そして発散検出処理、特性変化検出処理等を実行すれば、上記各実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0133】
さらに、上記各実施の形態では、適応アルゴリズムとして同期式Filtered−X LMSアルゴリズムを適用した場合について説明したが、適用可能な適応アルゴリズムはこれに限定されるものではなく、例えば、通常のFiltered−X LMSアルゴリズム等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す車両の概略側面図である。
【図2】能動型エンジンマウントの一例を示す断面図である。
【図3】振動低減処理の概要を示すフローチャートである。
【図4】発散検出処理の概要を示すフローチャートである。
【図5】特性変化検出処理の概要を示すフローチャートである。
【図6】特性変化時処理の概要を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態における特性変化時処理の概要を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 能動型エンジンマウント(制御振動源)
22 荷重センサ(残留振動検出手段)
25 コントローラ
26 パルス信号生成器(基準信号生成手段)
28 エンジン回転数センサ
30 エンジン(振動源)
35 車体
Claims (6)
- 車両に適用され、騒音源又は振動源としてのエンジンから発せられる騒音又は振動と干渉する制御音又は制御振動を発生可能な制御音源又は制御振動源と、前記騒音又は振動の発生状態を表す基準信号を生成し出力する基準信号生成手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタルフィルタと、前記基準信号を前記適応ディジタルフィルタでフィルタ処理して前記制御音源又は制御振動源を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記干渉後の騒音又は振動を検出し残留騒音信号又は残留振動信号として出力する残留騒音検出手段又は残留振動検出手段と、前記基準信号及び前記残留騒音信号又は残留振動信号に基づき適応アルゴリズムに従って前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新手段と、を備えた能動型騒音振動制御装置において、
前記エンジンの回転数が制御実行回転数帯域未満のときである所定タイミングにおける前記残留騒音信号又は残留振動信号の各周波数成分のうち、前記制御実行回転数帯域内の周波数に相当する高次数成分に基づいて、騒音伝達系又は振動伝達系の特性変化を検出する伝達特性変化検出手段を設けたことを特徴とする能動型騒音振動制御装置。 - 前記伝達特性変化検出手段は、前記所定タイミングにおける前記残留騒音信号又は残留振動信号の高次数成分と、前記特性変化が生じていないときに前記所定タイミングで検出した前記残留騒音信号又は残留振動信号の高次数成分との差に基づいて、前記特性変化を検出するようになっている請求項1記載の能動型騒音振動制御装置。
- 前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数と所定のしきい値とを比較することにより制御が発散したことを検出する発散検出手段と、前記伝達特性変化検出手段が前記特性変化を検出した場合に前記所定のしきい値を変更するしきい値変更手段と、を設けた請求項1又は請求項2記載の能動型騒音振動制御装置。
- 前記しきい値変更手段は、前記騒音伝達系又は振動伝達系のゲインが大きくなるに従って前記所定のしきい値を大きくするようになっている請求項3記載の能動型騒音振動制御装置。
- 前記伝達特性変化検出手段が前記特性変化を検出した場合に、前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の更新速度に影響を与える収束係数を小さくする収束係数変更手段を設けた請求項1又は請求項2記載の能動型騒音振動制御装置。
- 前記フィルタ係数更新手段は、前記駆動信号が大きくなるに従って前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を小さくするように作用する発散抑制項を含む更新式を用いて、前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を更新するようになっており、前記伝達特性変化検出手段が前記特性変化を検出した場合に、前記更新式の前記発散抑制項の影響度合いを大きくする発散抑制項調整手段を設けた請求項1又は請求項2記載の能動型騒音振動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP01255197A JP3642140B2 (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | 能動型騒音振動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP01255197A JP3642140B2 (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | 能動型騒音振動制御装置 |
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