JP2001001642A - 樹脂構造体 - Google Patents

樹脂構造体

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JP2001001642A
JP2001001642A JP11172112A JP17211299A JP2001001642A JP 2001001642 A JP2001001642 A JP 2001001642A JP 11172112 A JP11172112 A JP 11172112A JP 17211299 A JP17211299 A JP 17211299A JP 2001001642 A JP2001001642 A JP 2001001642A
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Yoshiyuki Yumoto
芳行 湯本
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Nagano Fujitsu Component Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有色樹脂の表面にレーザ光を照射し、該表面
に白色系の文字等を形成する樹脂構造体において、文字
等を形成した表面の平滑性の向上と初期品位の維持を目
的とする。 【解決手段】 レーザ光照射によってレーザ光照射部が
白色化する有色樹脂体2の表面に、レーザ光照射時に有
色樹脂体2から発生するガスが透過する透明被覆層3が
形成または貼着された、あるいは樹脂母体表面にレーザ
光照射によってレーザ光照射部が白色化する有色樹脂膜
と該レーザ光照射に耐性を有する透明被覆膜との積層膜
が、該樹脂母体に貼着された構成とし、手指などは前記
透明被覆層または透明被覆膜を介して表示文字に接触す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光照射によ
って表面に白色系の文字や記号等を形成させる樹脂構造
体の構成、特に形成された文字などの品位向上と初期品
位を維持可能とした構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の文字や記号等を樹脂部品に
表示させる従来技術としては、樹脂の表示面に彫刻を施
しその彫刻溝にインクを充填させる、2色射出成形で表
示面に母体色と異なる色の文字等を表示させる、特殊イ
ンクで文字等が印刷された台紙を樹脂の表示面に重ね熱
と圧力で台紙上の文字等を樹脂表面に転写させる(昇華
印刷)、凹版のインクをゴム製パッドに転写しそれを樹
脂表面に転写(凹版印刷)させる方法が適用されてい
た。
【0003】しかし、前記従来方法は何れも文字および
記号毎に専用の版や工具または媒体(台紙等)を必要と
し、例えば漢字,かたかな,数字および英文字など多種
類の表示を必要とするキーボードのキートップに対し、
初期投資のみならず保守や更新費用等の負担が大きく、
生産性が低いことなどから、最近はコンピュータ制御に
より特殊工具を必要とせず、また廃液や廃材を生じない
方法として、レーザ光の熱エネルギを利用したレーザ印
字が主流化している。
【0004】レーザ光を使用する印字方法には、樹脂母
体に被着させた塗膜をレーザ光で選択的に除去する方
法、例えば白色の樹脂母体の表面に黒色塗膜を形成し、
レーザ光で該塗膜を選択的に除去して樹脂母体の一部を
露呈させ、黒地に白色文字(樹脂母体の地色)を表示さ
せる第1の方式と、淡色系樹脂母体の表層をレーザ光で
除去し焼付けに近い形で文字を表示させる方法、即ち色
調が淡色系の樹脂母体の表面に黒色系の文字を表示させ
る第2の方式と、レーザ光照射により樹脂母体の表層部
を発泡させ文字を表示させる方法、即ち色調が温色系の
樹脂母体の表面に発泡部を形成し、発泡部パターンにて
なる文字が光の乱反射で白く見えるようにする第3の方
式と、レーザ光照射により樹脂母体の表面を変色させる
方法、即ち樹脂母体の材料に混合した染料や顔料等の添
加剤の変色や褪色を利用し文字を表示させる第4の方式
に大別される。
【0005】前記第1の方式は、レーザ光の照射エネル
ギにて樹脂母体の表面の塗膜を選択的に燃焼,揮散さ
せ、樹脂母体の一部を露呈させるものであり、カーオー
ディオのスイッチ等に適用されている。
【0006】前記第2の方式は、カーボンブラックを含
む樹脂母体にレーザ光を照射しその表層部をレーザ光の
エネルギで燃焼,炭化させ黒色化させるものであり、炭
化の状態によりコントラストが変化し色調が不安定にな
り易く、各種キーやリレーのハウジング等に適用されて
いる。なお、ABS樹脂にてなる母体ではグラフト重合
の状態により炭化の度合いが異なると考えられている。
【0007】前記第3の方式は、レーザ光の照射エネル
ギにより母体樹脂の側鎖を切断し、切断された側鎖がガ
ス体となって放出され発泡部が形成されると言われてお
り、文字は樹脂母体の表面よりやや突出して形成され
る。しかし、樹脂の構造により白文字が形成されるもの
と形成できないものがあり、ABS樹脂ではさらに第4
成分を共重合させ、側鎖を分解させ白文字を発現させて
おり、顔料として混入したカーボンは燃焼しCO2 ガス
となって放出されるため、カーボンの種類が印字品質に
影響すると考えられており、濃色キー等に適用されてい
る。
【0008】なお、レーザ光を照射して樹脂母体のカー
ボンを選択的に燃焼させ、白文字を形成させる前記第3
の方式において、文字の白色度を改良する手段として樹
脂組成物に、レーザ光によって破壊されない光学明白化
剤や酸化防止剤および白系着色剤を添加させることも知
られている。
【0009】前記第4の方式は、文字が樹脂母体の表面
に殆ど突出しないため、文字の耐久性と印字面の平滑性
に優れる。しかし、母体樹脂の組成やレーザ光の照射条
件等に解決しなければならない多くの問題点があり、ま
だ研究段階であって実用化されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
樹脂母体に文字や記号等の表示を形成する最近の従来技
術では、レーザ印字特に前記第3の方式が主流化し、白
色系樹脂母体への黒色系文字を形成させるものから、黒
色系樹脂母体に白色系文字を形成させるようになった。
【0011】図5は樹脂母体にレーザ光を照射して白文
字を形成した従来技術の説明図であり、樹脂母体41の
表面の印字領域42には、最も普及していると思われる
前記第3のレーザ印字方式、即ちレーザ光照射による発
泡部が所望の文字などを形成したとき、レーザ光照射部
は図5(b)に拡大し模式的に示す如く、樹脂母体41
内のカーボンの燃焼による発泡化に伴って表面42aが
凹凸になる。
【0012】即ち、樹脂の側鎖を切断し切断された側鎖
組成物がガス体として放出され、文字等がガス体放出後
の発泡により形成され露呈する従来の表示は、使用中
に、樹脂母体と異なり外部からの押圧力で圧縮され発泡
部に密度変化(褪色)が生じたり、摩擦力で磨耗し褪色
し易く、埃や汚れが付着し易いという欠点がある。その
結果、文字等の表示は手指で触れたときの感触が好まし
くなく、コントラストが次第に低下し見難くなるという
問題点があった。
【0013】なお、前記凹凸はレーザ光照射後に透明な
平坦化膜を塗布形成すれば解消される。しかし、キーボ
ードのキートップにおけるレーザ光印字は、キートップ
配設後に行われているため、印字後に平坦化膜の塗布は
実用的でない。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、レーザ
光の熱エネルギを利用した樹脂母体への文字や記号等の
表示を形成する樹脂構造体において、前記課題を解決す
るための構成を提供するものである。
【0015】前記目的を達成する本発明の第1の樹脂構
造体は、レーザ光照射によってレーザ光照射部が白色化
する有色樹脂体の表面に、レーザ光照射時に該有色樹脂
体から発生するガスが透過する透明被覆層が形成されて
なることを特徴とする。
【0016】前記目的を達成する本発明の第2の樹脂構
造体は、レーザ光照射によってレーザ光照射部が白色化
する有色樹脂体の表面に、該レーザ光照射に対する耐性
を有する透明被覆膜が貼着されてなることを特徴とす
る。
【0017】前記目的を達成する本発明の第3の樹脂構
造体は、前記本発明の第1または第2の樹脂体におい
て、前記有色樹脂体がカーボンを含む黒色樹脂体である
ことである。
【0018】前記目的を達成する本発明の第4の樹脂構
造体は、樹脂母体の表面に、レーザ光照射によってレー
ザ光照射部が全厚さに渡って白色化する有色樹脂膜と、
該レーザ光照射に該有色樹脂膜から発生するガス体が透
過する透明被覆膜との積層膜が貼着されてなることを特
徴とする。
【0019】前記目的を達成する本発明の第5の樹脂構
造体は、樹脂母体の表面に、レーザ光照射によってレー
ザ光照射部が全厚さに渡って白色化する有色樹脂膜と、
該レーザ光照射に対する耐性を有する透明被覆膜との積
層膜が貼着されてなることを特徴とする。
【0020】前記目的を達成する本発明の第6の樹脂構
造体は、前記本発明の第4または第5の樹脂構造体にお
いて、前記有色樹脂膜がカーボンを含む黒色樹脂にてな
ることである。
【0021】前記目的を達成する本発明の第7の樹脂構
造体は、前記本発明の第4または第5の樹脂構造体にお
いて、前記樹脂母体と有色樹脂膜とを同色にしたことで
ある。
【0022】前記本発明の第1の樹脂構造体は、所要の
文字などは透明被覆層を透過したレーザ光によって有色
樹脂体に形成され、そのとき有色樹脂体から発生するガ
スは透明被覆層を通して排出される。従って、透明被覆
層の表面はガス体透過に伴って多少荒らされるが、従来
技術による彫刻より遙に手指の感触性に優れ、かつ、形
成された文字などは透明被覆層によって外圧および摩擦
力に対し保護されるようになる。
【0023】前記本発明の第2の樹脂構造体は、所要の
文字などは透明被覆膜を透過したレーザ光によって有色
樹脂体に形成され、そのとき有色樹脂体からガスが発生
すればそのガスは、透明被覆膜の貼着層内に吸収または
貼着層と有色樹脂体との境界に吸収または貼着層を通し
て外部に排出される。従って、透明被覆層の表面はガス
体透過に伴って多少荒らされるが、従来技術による彫刻
より遙に手指の感触性に優れ、かつ、形成された文字な
どは透明被覆層によって外圧および摩擦力に対し保護さ
れるようになる。
【0024】前記本発明の第3の樹脂構造体は、前記本
発明の第1または第2の樹脂構造体において、含有する
カーボンをレーザ光照射によって燃焼・気化せしめて発
泡層を形成し、所望の文字などを形成させる構成であ
り、透明被覆層または透明被覆膜の作用とその効果は、
本発明の第1または第2の樹脂構造体と同じである。
【0025】前記本発明の第4の樹脂構造体は、有色樹
脂膜にレーザ光を照射し文字などを形成させるため、樹
脂母体にはレーザ光照射で白色化しない樹脂が使用可
能、即ち広範囲の組成物が使用可能であり、形成された
文字などは透明被覆層によって外圧および摩擦力に対し
保護されるようになる。
【0026】前記本発明の第5の樹脂構造体は、本発明
の第4の樹脂構造体と同じく樹脂母体に広範囲の組成物
が使用可能になると共に、レーザ光照射によって文字な
どが全厚さに渡って形成される有色樹脂膜を使用するこ
とで、形成された文字などの深さが均一化することで表
示させた文字などの品質が均一化され易く、かつ、形成
された文字などは透明被覆層によって外圧および摩擦力
に対し保護されるようになる。
【0027】前記本発明の第6の樹脂構造体は、前記本
発明の第4または第5の樹脂構造体において、含有する
カーボンをレーザ光照射によって燃焼・気化せしめて発
泡層を形成し、所望の文字などを形成させる構成であ
り、透明被覆層または透明被覆膜の作用とその効果は、
本発明の第4または第5の樹脂構造体と同じである。
【0028】前記本発明の第7の樹脂構造体は、前記本
発明の第4または第5の樹脂構造体において樹脂母体と
有色樹脂膜とを同色としたことで、樹脂母体とその上面
に貼着した有色樹脂膜との境界が目立たず、前記境界に
対する視覚的違和感が生じないようになる。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施例にお
ける樹脂構造体の説明図、図2は本発明の第2の実施例
における樹脂構造体の説明図、図3は本発明の第3の実
施例における樹脂構造体の説明図、図4は本発明の第4
の実施例における樹脂構造体の説明図である。
【0030】図1において(a)はレーザ光照射前、
(b)はレーザ光照射後の断面図であり、キーボードの
キートップを構成する樹脂構造体1は、レーザ光照射部
分が白色化する有色樹脂体2に、レーザ光照射時に透光
性を失うことなく有色樹脂体2から発生するガス体が透
過する透明被覆層3を形成、例えばカーボンを含むこと
で黒色の有色樹脂体2の表面に、透光性ABS樹脂にて
なる透明被覆層3が形成され、有色樹脂体2の印字領域
4には、所望の文字などがレーザ光照射によって形成
(印刷)される。
【0031】装着用の穴5が形成された樹脂構造体1に
おいて、カーボンを含む黒色の有色樹脂体2は、適当な
レーザ光を照射すると、その照射部でカーボンが燃焼し
ガス体となって放出され、ガス体放出によって形成され
た空洞による発泡部が白色化され、レーザ光を透過する
透明被覆層3は、スプレーまたは転写方式などにより厚
さ数十μm〜数百μm程度に塗布・硬化処理して形成
し、有色樹脂体2への印刷はレーザ光例えば2KHz〜
10KHzで平均出力が20W〜50Wのレーザ光を照
射する。
【0032】すると、レーザ光照射部において有色樹脂
体2内のカーボンが燃焼・気化した発泡部のパターンが
印字領域4に形成、即ち所望の文字などに基づくレーザ
光の走査軌跡に従って発泡パターンが白っぽく表示され
るようになる。
【0033】前記実施例において、比較的厚い0.3m
m程度の透光性ABS樹脂にてなる透明被覆層3に対
し、2KHz〜10KHzのレーザ光の照射平均出力は
40W〜50W程度であり、比較的薄い数十μm程度の
透明被覆層3に対し、2KHz〜10KHzのレーザ光
の照射平均出力は20W〜30W程度で、明瞭に読み取
り可能な文字が形成された。
【0034】なお、透明被覆層3は照射したレーザ光を
透過すると共にレーザ光の熱エネルギの一部を吸収して
軟化し、有色樹脂体2内カーボンの選択的燃焼に伴って
発生する燃焼ガス(CO2)は、軟化した透明被覆層3に
微細を気孔を形成し排出されるようになり、比較的薄い
透明被覆層3はスプレーおよび転写方式により形成した
が、比較的厚い透明被覆層3例えば厚さ0.3mm程度
の透明被覆層3は、2色モールド成形技術を適用し有色
樹脂体2と同時形成が可能である。
【0035】そして、燃焼ガスが排出された後の透明被
覆層3には、薄い曇りや微小な凹凸が形成されるように
なる。かかる曇りや凹凸は、形成させた文字などの識別
の障害になることは極めて微細であり、かつ、凹凸によ
る手触りの不快感は、従来の彫刻および発泡形成された
白文字に直接触れることに較べ、極めて軽微である。
【0036】図2において(a)はレーザ光照射前、
(b)はレーザ光照射後の断面図であり、キーボードの
キートップを構成する樹脂構造体11は、レーザ光照射
部分が白色化する有色樹脂体12に、レーザ光照射に耐
性を有しレーザ光照射時に有色樹脂体12から発生する
ガス体を透過しない透明被覆膜13が貼着、例えばカー
ボンを含むことで黒色の有色樹脂体12の表面に、例え
ばポリエステルにてなる透明被覆膜13が接着層14で
貼着されている。接着層14には、エチレン酢酸ビニ
ル,ポリアミド,ポリエステル,アタクテックポリプロ
ピレンなどが使用可能である。
【0037】そこで、透明被覆膜13を通して有色樹脂
体12に適当なレーザ光を照射すると、有色樹脂体12
の印字領域15には所望の文字などが形成(印刷)さ
れ、レーザ光照射に伴って有色樹脂体12から発生する
CO2 などのガス体は、接着層14を透過して排出また
は接着層14内に浸透分散されるようになる。
【0038】装着用の穴16が形成された樹脂構造体1
1において、カーボンを含み黒色の有色樹脂体12は、
適当なレーザ光を照射する、例えば2KHz〜10KH
zで照射平均出力が40W〜50W程度のレーザ光を照
射すると、樹脂構造体1における印字領域4と同じく、
印字領域15のレーザ光照射部は白色化し所望の文字な
どが形成される。
【0039】図3において(a)はレーザ光照射前、
(b)はレーザ光照射後の断面図であり、キーボードの
キートップを構成する樹脂構造体21は、樹脂母体22
に白色化層23を貼着してなる。白色化層23は、レー
ザ光照射によって白色化する有色樹脂膜24に透明被覆
膜25を積層してなり、接着層26を介して樹脂母体2
2に貼着されている。
【0040】例えばカーボンを含むことで黒色の有色樹
脂膜24は、レーザ光照射に伴う白色化深さより充分に
厚い、例えば厚さ0.3mm程度であり、接着層26に
は、樹脂構造体11における接着層14と同じくエチレ
ン酢酸ビニル,ポリアミド,ポリエステル,アタクテッ
クポリプロピレンなどが使用可能である。
【0041】樹脂母体22に装着用の穴28を設けた樹
脂構造体21において、透明被覆膜25は樹脂構造体1
の透明被覆層3と同じく、有色樹脂層24にレーザ光を
照射したとき、透光性を失うことなく有色樹脂膜24か
ら発生するガス体が透過可能なもの、例えばABS樹脂
を使用する。従って、有色樹脂膜24の印字領域27に
レーザ光を照射し所望の文字などを形成させたとき、有
色樹脂膜24から発生したガス体は透明被覆膜25を通
って排出され、透明被覆層3と同様に透明被覆膜25の
表面には、印字識別等の障害になることが極めて軽微な
薄い曇りや微小な凹凸が形成される。
【0042】図4において(a)はレーザ光照射前、
(b)はレーザ光照射後の断面図であり、キーボードの
キートップを構成する樹脂構造体31は、樹脂母体32
に白色化層33を貼着してなる。白色化層33は、レー
ザ光照射によって白色化する有色樹脂膜34に、レーザ
光に対する耐性を有する透明被覆膜35を積層し、接着
層36を介して樹脂母体32に貼着されている。
【0043】例えばカーボンを含むことで黒色の有色樹
脂膜34は、レーザ光照射により全厚さが白色化する厚
さ、例えば厚さ20μm〜30μm程度であり、接着層
36には接着層26と同じもの、即ちエチレン酢酸ビニ
ル,ポリアミド,ポリエステル,アタクテックポリプロ
ピレンなどが使用可能である。
【0044】樹脂母体32に装着用の穴38を設けた樹
脂構造体31において、透明被覆膜35は、樹脂構造体
11の透明被覆膜13と同じく、レーザ光照射で白色化
する有色樹脂膜34から発生するガス体が透過しないも
の、例えばポリエステルを使用する。
【0045】従って、有色樹脂膜34の印字領域37に
レーザ光を照射し所望の文字などを形成させたとき、有
色樹脂膜34から発生したガス体は接着層36に吸収ま
たは通って排出され、有色樹脂膜34に文字などを形成
させた後の透明樹脂膜35は、曇りがなく表面が滑らか
である。
【0046】なお、前記実施例の樹脂構造体1と11と
21および31において、レーザ光照射によってその照
射部からガス体が発生し白色化する有色樹脂体2または
12および有色樹脂膜24または34は、黒色樹脂に限
定されない。
【0047】しかし、樹脂構造体1と11と21および
31において、白色系の文字などを明度を良くするに
は、周囲色がアイボリーハワイトやグレーなどより黒色
であることが望ましい。そのため、本発明の請求項3お
よび5では、有色樹脂体2と12および有色樹脂膜24
と34を黒色とすることに限定している。
【0048】さらに、前記実施例の樹脂構造体21およ
び31において、貼着した白色化層23または33の有
色樹脂膜24または34の色を、樹脂母体22または3
2と同一にするという必然性はない。しかし、有色樹脂
膜24または34の色を樹脂母体22または32と同色
とすることによって、樹脂母体22または32に対する
有色樹脂膜24または34の色的な違和感を緩和し、見
栄えがよくなる。そのため、本発明の請求項6では、樹
脂母体22と有色樹脂膜24または樹脂母体32と有色
樹脂膜34とを同色とし、視覚的品位が得られるように
している。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、レーザ光
照射によって表面に白色系の文字や記号等を形成させる
新規構成の樹脂構造体を提案し、形成された文字などの
品位向上と初期品位を維持可能とした効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における樹脂構造体の説
明図である。
【図2】本発明の第2の実施例における樹脂構造体の説
明図である。
【図3】本発明の第3の実施例における樹脂構造体の説
明図である。
【図4】本発明の第4の実施例における樹脂構造体の説
明図である。
【図5】樹脂母体にレーザ光を照射して白文字を形成し
た従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1,11,21,31 樹脂構造体 2,12 有色樹脂体 3 透明被覆層 4,15,27,37 印字領域 13,25,35 透明被覆膜 14,26,36 接着層 22,32 樹脂母体 23,33 白色化層 24,34 有色樹脂膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光照射によってレーザ光照射部が
    白色化する有色樹脂体の表面に、レーザ光照射時に該有
    色樹脂体から発生するガスが透過する透明被覆層が形成
    されてなることを特徴とする樹脂構造体。
  2. 【請求項2】 レーザ光照射によってレーザ光照射部が
    白色化する有色樹脂体の表面に、該レーザ光照射に対す
    る耐性を有する透明被覆膜が貼着されてなることを特徴
    とする樹脂構造体。
  3. 【請求項3】 前記有色樹脂体がカーボンを含む黒色樹
    脂体であることを特徴とする請求項1または2記載の樹
    脂構造体。
  4. 【請求項4】 樹脂母体の表面に、レーザ光照射によっ
    てレーザ光照射部が全厚さに渡って白色化する有色樹脂
    膜と、該レーザ光照射に該有色樹脂膜から発生するガス
    体が透過する透明被覆膜との積層膜が貼着されてなるこ
    とを特徴とする樹脂構造体。
  5. 【請求項5】 樹脂母体の表面に、レーザ光照射によっ
    てレーザ光照射部が全厚さに渡って白色化する有色樹脂
    膜と、該レーザ光照射に対する耐性を有する透明被覆膜
    との積層膜が貼着されてなることを特徴とする樹脂構造
    体。
  6. 【請求項6】 前記有色樹脂膜がカーボンを含む黒色樹
    脂にてなることを特徴とする請求項4または5記載の樹
    脂構造体。
  7. 【請求項7】 前記樹脂母体と前記有色樹脂膜とが同色
    であることを特徴とする請求項4または5記載の樹脂構
    造体。
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Cited By (6)

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