JP2002067150A - 樹脂成形品およびその製造方法 - Google Patents

樹脂成形品およびその製造方法

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Mikio Masui
幹生 桝井
Keimei Kitamura
啓明 北村
Keiji Azuma
啓二 東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手で触れる際、滑り止め効果を有するよう粗
面化されており、視認性にも優れた加飾処理が上記粗面
化と同時に施された樹脂成形品およびその製造方法を提
供する。 【解決手段】 本発明にかかる樹脂成形品は、表面への
レーザー照射により、頂上部に凹みを有する複数の微細
凸形状からなる粗面化加工が前記表面に施されていると
ともに、前記微細凸形状が周辺よりも濃色に発色してい
る。また樹脂成分としてABS樹脂および/またはAB
S樹脂ポリマーアロイ、着色顔料としてカーボンブラッ
クおよび二酸化チタンをそれぞれ含有する成形材料から
成形されてなることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に粗面化処理
がなされ、この粗面化処理により、人が手で触れる際の
滑り止め効果を有し、しかも視認性にも優れた樹脂成形
品およびその製造方法に関わるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂成形品に人が手で触れる際に
滑らないようにするために、その表面が粗面化されてお
り、この粗面化加工は、金型の表面を粗面化しておいて
この粗面形状の転写によって行われることが知られてい
た。しかしながら、このような金型面からの転写では、
その転写面が曲面などの場合離型が困難となるため、転
写面の形状を制限しなければならないという問題があっ
た。一方、従来、樹脂成形品の表面にデザイン性を付加
するための加飾処理としては、ホットスタンプやインモ
ールド転写などの転写技術、シルク印刷、およびパット
印刷などの印刷技術が採用されていた。
【0003】しかし、上記加飾処理として採用される転
写技術においては、転写用フィルムが高価であり、しか
も使用後のフィルム自体が産業用廃棄物となってしまう
という問題があり、印刷技術においては、インキ材料や
溶剤などといった有機液体の管理にかかる手間、および
臭気発生などの点において問題があった。また、樹脂成
形品の製造コストの面においても、現状の上記従来の方
法では、粗面化加工と加飾処理とを別々に行うため十分
な効率化が図れないという問題があり、さらなる向上が
望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金型からの
転写では不可能な曲面等の粗面化を可能にし、かつ、低
コストであって成形品のリサイクルが可能な無公害技術
により、粗面化処理と加飾処理とを施してなり、しか
も、視認性にも優れた樹脂成形品とその製造方法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】近年、樹脂成形品の表面
に直接レーザビームを照射してマーキングする手法が開
発されている(特開昭56−45926公報、特開昭5
6−144995公報等)。本発明者は、レーザビーム
照射による、このマーキング法を利用して、上記課題を
解決することを考え、種々検討し、実験を重ねることに
より、レーザビームとしてYAGレーザビームを用いる
こととし、その照射条件や成形材料配合を工夫すること
により、レーザ照射のみによって、粗面化処理と加飾処
理とを同時に達成するとともに、粗面化部分を視認性の
高い黒色系に発色させることに成功して、本発明を完成
した。
【0006】したがって、本発明にかかる樹脂成形品
は、樹脂成形品の表面へのレーザ照射により、前記表面
には頂上部に凹みを有する複数の微細凸形状からなる粗
面化加工が施されているとともに、前記微細凸形状が周
辺よりも濃色に発色している。上記において、樹脂成分
としてABS樹脂および/またはABS樹脂ポリマーア
ロイ、着色顔料としてカーボンブラックおよび二酸化チ
タンをそれぞれ含有する成形材料から成形されてなるこ
とが好ましい。また、粗面化加工は、複数本の粗面化ラ
インをストライプ状に平行に引くことにより施されてい
ることが好ましい。
【0007】さらに、前記微細凸形状の径の大きさは、
隣り合う微細凸形状の間隔に対して50〜100%であ
ることが好ましい。本発明にかかる樹脂成形品の製造方
法は、樹脂成分としてABS樹脂および/またはABS
樹脂ポリマーアロイ、着色顔料としてカーボンブラック
および二酸化チタンをそれぞれ含有する成形材料を用い
て樹脂成形品を成形したのち、この樹脂成形品の表面の
必要部分に対しパワー密度50〜100kW/cm2
条件でのYAGレーザ照射を行って、前記樹脂成形品の
表面の必要箇所に、頂上部に凹みを有する多数の微細凸
形状からなる粗面化加工を施すとともに、前記微細凸形
状を周辺よりも濃色に発色させて必要な意匠をも表現さ
せるようにすることを特徴とする。
【0008】上記の方法において、YAGレーザ照射
は、樹脂成形品の表面温度を60〜80℃に保って行う
ことが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明にかかる樹脂成形品は、樹
脂成分としてABS樹脂および/またはABS樹脂ポリ
マーアロイを含有する成形材料からなる樹脂成形品であ
ることが好ましい。ABS樹脂および/またはABS樹
脂ポリマーアロイは熱可塑性樹脂であって、耐熱性、耐
衝撃性、流動性等の面で優れた性質を有する。この前記
樹脂成分に対して着色顔料を配合する場合、本発明で
は、着色顔料としてカーボンブラックと二酸化チタンを
好ましく用いる。カーボンブラックを配合するのは、樹
脂成形品におけるYAGレーザの吸収効率が向上し、Y
AGレーザの吸収・発熱による樹脂成分の熱化学反応が
促進され、黒色系の発色を容易に得ることができるよう
になるからであり、またこのとき発泡反応にて形成され
た泡部が破裂することでレーザ照射部の表面粗さが増大
することになるわけだが、二酸化チタンを配合するの
は、この二酸化チタンの高屈折率特性に起因するレーザ
高反射性能を利用して、樹脂成形品の内奥部へのレーザ
進入を防ぐことができ、レーザ照射による黒色系の発色
を樹脂成形品の表層部分に留めることができるからであ
る。また、二酸化チタンは白色系着色顔料としての機能
をもつため、この機能により樹脂成形品自体を白色ある
いは明色系に着色させた場合は、レーザ照射部の黒色系
の発色との優れたコントラストを得ることができる。こ
こで、上記黒色系の発色とは、周辺部よりも濃色の発色
であると考え、以下でも同様に考えることが好ましい。
【0010】上記成形材料を用いて本発明の樹脂成形品
を成形するにあたっては、その成形方法は一般の成形方
法と同様であることが好ましく、具体的には、特に限定
されるわけではないが、各成形材料を配合し、ペレット
状に打錠した後、80℃で3時間乾燥し、シリンダー温
度230℃、金型温度50℃、射出圧力3.92MP
a、射速3m/min、射出時間20秒、および冷却時
間30秒で射出成形等の条件および方法を好ましく挙げ
ることができる。このようにして本発明の樹脂成形品を
成形したのち、この樹脂成形品の表面の必要部分に対し
YAGレーザ照射(レーザビーム波長1064nm)を
行う。このレーザ照射は、特に限定されるわけではない
が、例えば、以下のようにして行うことが好ましい。
【0011】前記レーザ照射を実施する装置は図1に示
すようであり、レーザ光源1から発せられたレーザビー
ムが、偏向ミラーなどを備えた偏向装置2により任意の
方向に偏向されるようになっている。偏向装置2はコン
ピュータのような制御装置3によって制御され、制御装
置3で設定した条件でレーザビームが樹脂成形品4の表
面の必要部分に照射される。制御装置3は、エネルギー
供給装置5を通してレーザ光源1の出力も制御してお
り、レーザ光源1からはパルス変調された略一定のエネ
ルギーのレーザビームが出力されるようになっている。
樹脂成形品4は、前述した成形材料から成形されてい
て、少なくとも表面部分には前述した2種類の着色顔料
と発色剤を含んでいるので、上記構成の装置によって、
樹脂成形品4の表面の必要箇所に対し、パワー密度50
〜100kW/cm2の条件でのYAGレーザビームを
照射すると、樹脂成形品4表面のレーザビーム照射箇所
には、図2の(a)に見るような、頂上部に凹み42を
有する多数の微細凸形状41・・・からなる粗面化加工
が施されると同時に、前記微細凸形状41が黒色系に発
色して、粗面化部分6が文字、記号、図形等の必要な意
匠をも表現する(加飾処理)。このとき、上記粗面化加
工は、特に限定する訳ではないが、複数本の粗面化ライ
ンをストライプ状に平行に引くことにより施されている
ことが好ましい。ここで、前記微細凸形状41の径の大
きさは、隣り合う微細凸形状の間隔に対して30〜13
0%であることが好ましく、より好ましくは40〜12
0%、さらに好ましくは50〜100%、さらにより好
ましくは50〜80%、最も好ましくは50〜60%で
ある。上記割合が大きくなるほど色は濃くなるように見
えるが、130%を超える場合は、熱が過剰に生じるた
め粗さの程度が低下する、すなわち粗面感が低下する傾
向が見られるので好ましくなく、30%未満の場合は、
前記間隔の隙間が見える、すなわち美麗さ(シャープ
さ)が低下する傾向があるので好ましくない。また、Y
AGレーザ照射は、樹脂成形品の表面温度を60〜80
℃に保って行うことが好ましく、より好ましくは70〜
80℃、さらに好ましくは75〜80℃である。本発明
の実施において、上記のように照射条件を選択した場
合、樹脂の熱化学反応を促進させ、結果として表面温度
を常温のままにしてレーザ照射するよりも低出力で、視
認性に優れた黒色系に発色した前記微細凸形状41を形
成させることができるので好ましく、かつ、前記微細凸
形状41は、頂上部に凹みを有する凸形状になってお
り、手で触れるだけで認識することができるので好まし
い。
【0012】レーザビームのエネルギー密度は、次式で
求めることができる。すなわち、レーザビームのパワー
のピーク値をP、成形品4の表面でのレーザビームによ
るスポットの直径をAとすれば、エネルギー密度ωは、
ω=P/Aであって、レーザビームが周期tr、オン期
間twでパルス変調され、その平均エネルギーがAPで
あるとすれば、AP・tr=P・twであるから、結
局、エネルギー密度ωは、ω=(tr/tw)・AP/
Aと表すことができる。たとえば、レーザビームの平均
エネルギーを0.5W、周期を1/(3×103)S、
オン期間を170nS、スポットの直径を100μmに
設定すれば、上式によって、1/(3×103)/(1
70×10-9)×0.5/{(50×10-62×3.
14}≒12500kW/cm2を得ることができる。
【0013】前述した従来方法では、樹脂成形品とマー
キングを施す印刷材料とは異なる材料であるから、樹脂
成形品と印刷材料とを完全に密着させることができず、
耐熱衝撃性、耐候性、耐摩耗性などが十分ではないとい
う問題があり、また、成形金型面を刻印して文字や記号
に相当する型を設ける方法にあっては、各樹脂成形品に
同じ文字や記号を付す目的には使用できても、量産品に
通し番号などを付与する目的には適さないという問題が
あったが、本発明によれば、成形後に樹脂成形品にレー
ザビーム照射で必要な加飾をすると、文字や記号等が樹
脂成形品自身で表現できるので、密着不良の問題を生じ
ることがなく、しかも、樹脂成形品ごとに異なる加飾を
施すことも出来るので好ましい。
【0014】また、本発明によれば、レーザ照射部分
は、多数の微細凸形状41・・・で粗面化されており、
しかも、この微細凸形状41はその頂上部に凹み42を
有するため、接触面積が増え、摩擦係数が高くなるとい
う作用効果が得られるので好ましい。
【0015】
【実施例】−実施例1、比較例1、2− 樹脂成分としてABS樹脂(ダイセル工業(株)製:
「セビアン LMB 191」)と着色顔料としてカー
ボンブラックおよび二酸化チタンをそれぞれ含む成分を
配合し、ペレット状に打錠した後、80℃で3時間乾燥
し、シリンダー温度230℃、金型温度50℃、射出圧
力3.92MPa、射速3m/分、射出時間20秒、冷
却時間30秒の条件で射出成形して、配線器具スイッチ
部材としてのハンドル(樹脂成形品)を得た。このハン
ドル表面に下記のような(平均出力のみ3通りに変え
た)条件でYAGレーザの照射を行い、ドットを形成し
た。
【0016】YAGレーザの照射条件は以下のとおり。 波長:1064nm 平均出力:60kW/cm2(実施例1)、30kW/
cm2(比較例1)、12 0kW/cm2(比較例
2) スキャン速度:1500mm/秒 パルス周波数:12kHz レーザ間隔:100μm パルス幅:150nsec 得られたハンドル4につき、非レーザ照射部の色とレー
ザ照射部の色の差(ΔE)を測定した結果、および、手
で触れたときの認識度(粗面感)をそれぞれ表1に示
す。ここでΔEは3以上になると視認性が良い。認識度
は下記評価基準に基づいて判定した。なお、上記YAG
レーザ照射条件におけるパルス幅については70〜20
0nsecの範囲内であれば同様の効果を得ることがで
きた。
【0017】 ◎:非常に滑りにくい。 ○:滑りにくい。 △:粗面感が低下して滑りやすい。 ×:非常に滑りやすい。
【0018】
【表1】
【0019】実施例1における、レーザ照射部の表面粗
さの測定結果を図3に示す。この測定結果から、凸形状
41の非レーザ照射部からの高さは4μm以内であり、
頂上部の凹み42の深さも4μm以内であることが分か
る。実施例1では、図2の(a)に見るように、頂上部
に凹み42を有する微細凸形状41であるのに対し、比
較例1では、レーザパワーが弱いため、図2の(b)に
見るように、微細凸形状41の頂上部に凹み42が見ら
れない。他方、比較例2では、レーザパワーが強すぎる
ため、図2の(c)に見るように、凸形状41が形成さ
れていない。 −実施例2〜4− 実施例1の成形材料で、ペレット状に打錠した後、80
℃で3時間乾燥し、シリンダー温度230℃、金型温度
50℃、射出圧力3.92MPa、射速3m/分、射出
時間20秒、冷却時間30秒の条件で射出成形して、ハ
ンドルを得た。このハンドルの表面に実施例1と同じ条
件でYAGレーザ照射を行い、ストライプ状の加飾パタ
ーンを形成した。
【0020】この加飾パターンは、図4の(a)に示す
ようであって、長さ23.5mm、幅0.37mmの、
レーザ進行方向(レーザスキャン方向)に長いライン状
の粗面化部分6が1.21mmごとに平行並列に複数列
配列するように構成されている。各ライン状粗面化部分
6は、図4の(a)において丸で囲んだ部分(イ)を拡
大して示す図4の(b)に見るように、ドット状のレー
ザ照射点7・・・が横方向に4個、ライン6の伸びる方
向に多数配置されて形成されている。横方向(ライン6
の伸びる方向とは直交する方向)に隣り合うドット状の
レーザ照射点7,7の中心間隔は0.125mm(12
5μm)であり、縦方向(ライン6の伸びる方向)に隣
り合うドット状のレーザ照射点7,7の間隔はそれより
も大きい。
【0021】実施例2、3、4では、ドット状のレーザ
照射点7の径の隣接間距離に対する比率を変えている。
すなわち、スポット径を80μmに固定しておいて隣接
間距離を、100μm(80%;実施例2)、66.7
μm(120%;実施例3)、200μm(40%;実
施例4)に変えている。得られたハンドル4につき、非
レーザ照射部の色とレーザ照射部の色の差(ΔE)を測
定した結果、および、手で触れたときの認識度(粗面
感)をそれぞれ表2に示す。ここでΔEは3以上になる
と視認性が良い。認識度は上記実施例1および比較例
1、2の評価基準と同様に判定した。
【0022】
【表2】
【0023】この結果、レーザ照射点7のスポット径の
隣接間距離に対する割合が大きくなるほど色は濃く見え
るようになるが、この割合が130%を超える場合は、
熱が過剰に生じるため、粗さの程度が低下する、すなわ
ち粗面感が低下する傾向が見られ、また、30%未満の
場合は、ドット間の隙間が見える、すなわち美麗さ(シ
ャープさ)が低下する傾向がある。図4の(a)に示す
ようなストライプ形状の加飾を施し、かつ、非加飾部の
表面粗さRpを0.5μm以下にすると、粗面と平滑面
が交互に形成されて、スイッチを手で押す際における滑
り止め効果を発現できるようになる。
【0024】−実施例5、比較例3− 実施例1の成形材料で、ペレット状に打錠した後、80
℃で3時間乾燥し、シリンダー温度230℃、金型温度
50℃、射出圧力3.92MPa、射速3m/分、射出
時間20秒、冷却時間30秒の条件で射出成形して、ハ
ンドルを得た。このようにして得たハンドル2つの各表
面を熱雰囲気下に放置することにより30℃(比較例
3)と70℃(実施例5)に保持した後、それぞれのハ
ンドル4表面に下記の条件でYAGレーザの照射を行
い、黒色系のドットによる粗面化処理を行った。
【0025】YAGレーザの照射条件は以下のとおり。 波長:1064nm 平均出力:52kW/cm2(実施例5)、60kW/
cm2(比較例3) スキャン速度:1500mm/秒 パルス周波数:12kHz レーザ間隔:100μm パルス幅:150nsec 得られたハンドル4につき、非レーザ照射部の色とレー
ザ照射部の色の差(ΔE)を測定した結果、および、手
で触れたときの認識度(粗面感)をそれぞれ表3に示
す。ここでΔEは3以上になると視認性が良い。認識度
は上記実施例1および比較例1、2の評価基準と同様に
判定した。なお、上記YAGレーザ照射条件におけるパ
ルス幅については70〜200nsecの範囲内であれ
ば同様の効果を得ることができた。
【0026】
【表3】
【0027】すなわち、前記表面を60〜80℃に保持
した場合は樹脂成形品の熱化学反応が促進され、結果と
して、表面温度を常温のままにしてレーザ照射するより
も低出力で、視認性に優れた黒色系に発色したドットが
形成され、かつ、このドットは、頂上部に凹みを有する
凸形状になっており、手で触れるだけでスイッチの押す
側を認識することができた。
【0028】
【発明の効果】本発明にかかる樹脂成形品は、粗面化部
分が滑り止め効果を発揮する。また、粗面化をストライ
プ状で形成すれば、より高い滑り止め効果を発揮する。
しかも、その粗面化処理と同時に加飾処理がなされてい
るため安価であり、かつ、この粗面化部分は視認性に優
れているうえに、手で触れて容易に認識することもでき
るため、暗闇でも場所検知効果が高い。本発明にかかる
樹脂成形品の製造方法によれば、上述の優れた効果を発
揮する樹脂組成物を、低エネルギーで容易かつ生産性良
く得させることができる。隣り合うレーザ照射部間の熱
影響による樹脂溶融を防止できるため、粗面化部分にお
ける表面粗さの低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる樹脂成形品の製造方法の実施に
使用する装置を示す概略構成図である。
【図2】樹脂成形品の表面における粗面化部分を拡大し
て示す部分断面図であって、(a)は実施例1を、
(b)は比較例1を、そして(c)は比較例2を、それ
ぞれ示す。
【図3】実施例1で作製されたスイッチ部材のレーザ照
射部の表面粗さの測定結果を示す図である。
【図4】ストライプ状の加飾(粗面化)パターンを示す
図であって、(a)は平面図、(b)は(a)における
部分(イ)の拡大図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源 2 偏向装置 4 樹脂成形品(スイッチ用ハンドル部材) 41 微細凸形状 42 凹み 6 粗面化部分
フロントページの続き (72)発明者 東 啓二 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 Fターム(参考) 4F209 AA13 PA15 PB01 PC01 PG03 PN01 PN13 PN20 PQ20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面へのレーザ照射により、頂上部に凹み
    を有する複数の微細凸形状からなる粗面化加工が前記表
    面に施されているとともに、前記微細凸形状が周辺より
    も濃色に発色している樹脂成形品。
  2. 【請求項2】樹脂成分としてABS樹脂および/または
    ABS樹脂ポリマーアロイ、着色顔料としてカーボンブ
    ラックおよび二酸化チタンをそれぞれ含む成形材料から
    成形されてなる、請求項1に記載の樹脂成形品。
  3. 【請求項3】前記粗面化加工は、複数本の粗面化ライン
    をストライプ状に平行に引くことにより施されている、
    請求項1または2に記載の樹脂成形品。
  4. 【請求項4】前記微細凸形状の径の大きさが隣り合う微
    細凸形状の間隔に対して50〜100%である、請求項
    1から3のいずれかに記載の樹脂成形品。
  5. 【請求項5】樹脂成形品を得るに当たり、樹脂成分とし
    てABS樹脂および/またはABS樹脂ポリマーアロ
    イ、着色顔料としてカーボンブラックおよび二酸化チタ
    ンを含有する成形材料を用いて樹脂成形品を成形したの
    ち、この樹脂成形品の表面の必要部分に対しパワー密度
    50〜100kW/cm2の条件でのYAGレーザ照射
    を行って、前記樹脂成形品の表面の必要箇所に、頂上部
    に凹みを有する多数の微細凸形状からなる粗面化加工を
    施すとともに、前記微細凸形状を周辺よりも濃色に発色
    させて必要な意匠をも表現させるようにすることを特徴
    とする、樹脂成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】前記YAGレーザ照射は、樹脂成形品の表
    面温度を60〜80℃に保って行う、請求項5に記載の
    樹脂成形品の製造方法。
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