WO2019078076A1 - 加飾部品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

樹脂基材の表面に生じる色ムラや艶ムラを防止することにより、外観品質に優れた加飾部品を製造することが可能な加飾部品の製造方法を提供すること。本発明は、射出成形品である樹脂基材12がレーザ加工による絵柄で加飾された加飾部品11を製造する方法である。まず、金型準備工程にて温度調節機構40付きの金型41を準備するとともに、樹脂材料準備工程にて黒色顔料を0.5重量%以上3重量%以下含有する成形用樹脂材料を準備する。成形工程では、成形用樹脂材料の溶融温度以上の温度にあらかじめ加熱された金型41内に、成形用樹脂材料を射出する。その後、金型41を成形用樹脂材料の固化温度以下の温度に冷却し、樹脂基材12を成形する。レーザ加工工程では、樹脂基材12に赤外線レーザL1を照射し、樹脂基材12に絵柄を直接形成する。

Description

加飾部品及びその製造方法
 本発明は、射出成形品である樹脂基材の表面がレーザ加工による絵柄で加飾された加飾部品及びその製造方法に関するものである。
 従来、自動車用の内装部品などの分野では、デザイン性や品質を高める目的で、樹脂基材の表面に積層された塗膜層に文字や柄などの装飾を加えるようにした加飾部品(例えば、コンソールボックス、インストルメントパネル、アームレストなど)が多く実用化されている。
 そのような加飾部品の製造方法としては、例えば、特許文献1に記載された技術が従来知られている。この特許文献1には、下層ほど色合いが濃い積層塗膜層をあらかじめ形成しておき、その積層塗膜層をレーザ加工にて異なる深さで選択的に加工することにより、木目模様を模した絵柄を描くことが開示されている。なお、このようなレーザ加工を行う場合には、設備コスト低減の観点から、比較的安価な赤外線レーザ加工装置(例えば、レーザ波長が1064nm)を用いることが好ましいと考えられている。
 また、従来、塗膜層を省略し、樹脂基材の表面に直接レーザ加工を行うことによって絵柄を描くことも一部で検討されている(例えば、特許文献2参照)。仮に、この方法が可能であれば、上記した特許文献1に記載の方法に比べて製造コストを低減できるため、好ましいと考えられる。
特開2010-63993号公報(図2等) 特開2009-89843号公報(図1,図2等)
 ところが、図9,図10に示されるように、一般的な樹脂基材101は射出成形品であるため、孔部102の近傍にウェルドライン103が発生する可能性がある。また、樹脂基材101において、裏面側にリブが存在する領域や成形時に金型のゲートが位置していた領域に、フローマーク104が発生する可能性もある。これらの場合、樹脂基材101の表面に色ムラや艶ムラが生じてしまうという問題がある。また、近年、製造コストを低減するために、レーザの中でも比較的安価な赤外線レーザを用いてレーザ加工を行うことがある。なお、赤外線レーザの熱を確実に樹脂基材101に吸収させるためには、樹脂基材101を形成する樹脂材料に対して通常よりも多くのカーボンブラック(黒色顔料)を含有させる必要がある。しかしながら、カーボンブラックは粒状をなすため、樹脂材料にカーボンブラックを多く含有させると、樹脂基材101の成形時において樹脂材料の流動性が悪くなり、ウェルドライン103やフローマーク104が発生する可能性が高くなってしまう。よって、樹脂基材101の表面に直接レーザ加工を行う場合には、色ムラや艶ムラが見えてしまうため、外観品質の良い加飾部品100を得ることが困難になるという問題がある。
 本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、樹脂基材の表面に生じる色ムラや艶ムラを防止することにより、外観品質に優れた加飾部品を製造することが可能な加飾部品及びその製造方法を提供することにある。
 上記課題を解決するために、手段1に記載の発明は、射出成形品である樹脂基材の表面がレーザ加工による絵柄で加飾された部品を製造する方法であって、温度調節機構付きの金型を準備する金型準備工程と、黒色顔料を0.5重量%以上3重量%以下含有する成形用樹脂材料を準備する樹脂材料準備工程と、前記成形用樹脂材料の溶融温度以上の温度にあらかじめ加熱された前記金型内に前記成形用樹脂材料を射出した後、前記金型を前記成形用樹脂材料の固化温度以下の温度に冷却することにより、前記樹脂基材を成形する成形工程と、前記樹脂基材の表面に赤外線レーザを照射して複数のレーザ加工部を形成することにより、前記樹脂基材の表面に前記絵柄を直接形成するレーザ加工工程とを含むことを特徴とする加飾部品の製造方法をその要旨とする。
 ところで、従来の成形工程では、金型内に射出した成形用樹脂材料を素早く固化させるために、金型の温度を通常低く抑えていた(例えば40℃~60℃)。一方、手段1に記載の発明では、成形工程において、敢えて従来よりも高い温度(溶融温度以上の温度)に加熱した金型内に成形用樹脂材料を射出している。その結果、樹脂材料準備工程において、黒色顔料を0.5重量%以上3重量%以下、特には、1重量%以上2.5重量%以下含有するために流動性が悪い成形用樹脂材料を準備したとしても、成形用樹脂材料の流動性を良くすることができる。このため、ウェルドラインやフローマークの発生を防止することができ、ひいては、ウェルドラインやフローマークの発生に起因した、樹脂基材の表面での色ムラや艶ムラの発生を防止することができる。ゆえに、上記手段1のように、樹脂基材の表面に直接レーザ加工部を形成したとしても、外観品質の良い加飾部品を得ることができる。また、レーザの中でも比較的安価な赤外線レーザを照射することによってレーザ加工部を形成しているため、外観品質に優れた加飾部品を低コストで製造することができる。
 上記加飾部品は、射出成形品である樹脂基材の表面をレーザ加工による絵柄で加飾してなる。ここで、樹脂基材を成形する成形用樹脂材料としては、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、PP樹脂(ポリプロピレン樹脂)、PC樹脂(ポリカーボネート樹脂)、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、PMMA樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)、PE樹脂(ポリエチレン樹脂)、ナイロン樹脂などを用いることができる。また、ABS樹脂とPC樹脂との混合物を成形用樹脂材料として用いることも可能である。さらに、PPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂)とPS樹脂(ポリスチレン樹脂)との混合物を成形用樹脂材料として用いることもできる。
 また、上記加飾部品は、金型準備工程、樹脂材料準備工程、成形工程及びレーザ加工工程を経て製造される。金型準備工程では、温度調節機構付きの金型を準備する。ここで、金型はキャビティ、加熱手段及び冷却手段を有するとともに、加熱手段は冷却手段よりもキャビティに近接して配置され、加熱手段及び冷却手段は互いに独立して温度制御可能であることが好ましい。このようにした場合、加熱手段がキャビティに近接して配置されるため、加熱手段からの熱がキャビティ内に効率良く伝達されるようになる。その結果、キャビティ内に射出した成形用樹脂材料を確実に溶融温度以上の温度に加熱することができる。また、加熱手段及び冷却手段が互いに独立して温度制御可能であるため、金型の加熱及び冷却を素早く行うことができる。
 また、成形工程では、成形用樹脂材料の溶融温度以上の温度にあらかじめ加熱された金型内に成形用樹脂材料を射出した後、金型を固化温度以下の温度に冷却することにより、樹脂基材を冷却する。ここで、成形工程は、例えば、金型の型締め及び加熱手段による加熱を行う手順と、加熱によって金型が溶融温度以上の温度に到達したら加熱を直ちに停止する手順と、成形用樹脂材料の射出を開始するとともに冷却手段による冷却を直ちに開始する手順と、射出が完了し、かつ冷却によって金型が固化温度以下の温度に到達したら型抜きを行うとともに冷却を停止する手順とを含むことが好ましい。この場合、金型が溶融温度以上の温度に到達したら加熱が直ちに停止され、成形用樹脂材料の射出を開始したら冷却が直ちに開始されるため、成形用樹脂材料が固化して樹脂基材となるまでに掛かる時間、即ち、加飾部品が完成するまでに掛かる時間を短縮することができる。その結果、加飾部品の製造効率が向上する。
 なお、成形工程は、金型の型締め及び加熱手段による加熱を行う手順と、加熱によって金型が溶融温度以上の温度に到達したら加熱を直ちに停止する手順と、成形用樹脂材料の射出を開始する手順と、射出が完了し、かつ金型が固化温度以下の温度に到達したら型抜きを行う手順とを含むとともに、一連の手順を行う際に冷却手段による冷却を常時行うようにしてもよい。また、成形工程は、金型の型締め及び加熱手段による加熱を行う手順と、加熱によって金型が溶融温度以上の温度に到達したら成形用樹脂材料の射出を開始する手順と、射出が完了したら加熱を直ちに停止する手順と、金型が固化温度以下の温度に到達したら型抜きを行う手順とを含むとともに、一連の手順を行う際に冷却手段による冷却を常時行うようにしてもよい。これらの場合、冷却手段による冷却を開始及び停止させる制御が不要になるため、成形工程での制御が容易になる。
 さらに、レーザ加工工程後、樹脂基材の表面及びレーザ加工部であるレーザ加工溝の表面を覆う塗膜層を形成する塗膜層形成工程を行うようにしてもよい。このようにすれば、塗膜層によって樹脂基材の表面及びレーザ加工溝の表面を保護することができる。
 手段2に記載の発明は、射出成形品である樹脂基材の表面が複数のレーザ加工溝からなる絵柄で加飾された部品であって、前記樹脂基材は、黒色顔料を0.5重量%以上3重量%以下含有する成形用樹脂材料によって成形され、成形時に前記成形用樹脂材料同士が合流する合流部にウェルドラインが生じうるものであり、前記樹脂基材の深部に、前記ウェルドラインが存在しうるウェルドライン存在領域を有し、前記レーザ加工溝の深さが、前記ウェルドライン存在領域に到達しない程度の大きさに設定されていることを特徴とする加飾部品をその要旨とする。
 手段2に記載の発明によれば、レーザ加工溝の深さを、ウェルドラインが存在しうるウェルドライン存在領域に到達しない程度の大きさに設定している。このため、ウェルドライン存在領域にウェルドラインが存在していたとしても、ウェルドラインの露出を防止することができ、ひいては、ウェルドラインの露出に起因した、樹脂基材の表面での色ムラや艶ムラの発生を防止することができる。ゆえに、上記手段2のように、樹脂基材の表面に直接レーザ加工溝を形成したとしても、外観品質の良い加飾部品を得ることができる。なお、樹脂基材が、例えば、成形時に金型のゲートが位置していたゲート領域と、樹脂基材を厚さ方向に貫通する孔部とを備える場合には、樹脂基材において、孔部を介してゲート領域の反対側となる位置に、ウェルドライン存在領域が設けられるようになる。
 また、樹脂基材は、裏面側にリブが存在する領域、及び、成形時に金型のゲートが位置していたゲート領域に、フローマークが発生しうるものであり、樹脂基材の深部に、フローマークが存在しうるフローマーク存在領域を有し、レーザ加工溝の深さが、フローマーク存在領域に到達しない程度の大きさに設定されていることが好ましい。このようにすれば、フローマーク存在領域にフローマークが存在していたとしても、フローマークの露出を防止することができ、ひいては、フローマークの露出に起因した、樹脂基材の表面での色ムラや艶ムラの発生を防止することができる。ゆえに、上記手段2のように、樹脂基材の表面に直接レーザ加工溝を形成したとしても、外観品質の良い加飾部品を得ることができる。
 なお、樹脂基材の表面及びレーザ加工溝の表面は塗膜層によって覆われていてもよい。このようにした場合、塗膜層によって樹脂基材の表面及びレーザ加工溝の表面を保護することができる。
 以上詳述したように、請求項1~11に記載の発明によると、樹脂基材の表面に生じる色ムラや艶ムラを防止することにより、外観品質に優れた加飾部品を製造することが可能な加飾部品及びその製造方法を提供することができる。
本実施形態における車両用内装部品を示す写真。 本実施形態の車両用内装部品を示す拡大平面図。 車両用内装部品を示す拡大断面図。 車両用内装部品の製造装置を示す概略構成図。 金型を示す概略断面図。 ウェルドラインの発生態様を示す拡大断面図。 他の実施形態において、塗膜層が形成された車両用内装部品を示す拡大断面図。 (a)は、ウェルドラインが露出した際のレーザ加工溝の問題点を示す拡大正面図、(b)は、ウェルドラインが露出しない場合のレーザ加工溝を示す拡大正面図。 従来技術の加飾部品(樹脂基材)の問題点を示す正面図。 従来技術におけるウェルドラインの発生態様を示す拡大断面図。
 以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
 図1~図3に示されるように、車両用内装部品11(加飾部品)は、立体形状をなすワーク12(樹脂基材)を備えている。ワーク12は、黒色顔料であるカーボンブラックを2重量%含有する成形用樹脂材料(本実施形態ではABS樹脂)を用いて成形された射出成形品である。なお、本実施形態の車両用内装部品11は、自動車のドアに設けられたアームレストの上面を覆う装飾パネルである。また、ワーク12は、平坦部13と湾曲部14とによって構成されている。平坦部13には、ドアロックスイッチ(図示略)を取り付けるためのスイッチ取付孔15(孔部)が平坦部13を厚さ方向に貫通するように形成されている。
 そして、ワーク12の表面12aには、炭素繊維織布を模したカーボン調の絵柄21が描かれている。図2に示されるように、本実施形態の絵柄21は、縦方向に細長形状をなす複数の柄パターン22を配向してなる第1ブロック23と、横方向に細長形状をなす複数の柄パターン24を配向してなる第2ブロック25とを複数個ずつ組み合わせて描画されている。即ち、柄パターン22の配向方向と柄パターン24の配向方向とは直交する関係にある。具体的に言うと、柄パターン22は、横方向の直径よりも縦方向の直径が長い縦長の長楕円パターンであり、柄パターン24は、縦方向の直径よりも横方向の直径が長い横長の長楕円パターンである。
 図3に示されるように、各柄パターン22,24は、レーザ照射によって描画された幅W1が80μm、深さD1が12μmのレーザ加工溝26(レーザ加工部)からなる。また、第1ブロック23の柄パターン22は、短径が0.2mm、長径が4mmとなっている。同様に、第2ブロック25の柄パターン24も、短径が0.2mm、長径が4mmとなっている。
 そして、図2に示されるように、各第1ブロック23は、横方向に1ブロック、縦方向に半ブロックずつずらした位置にそれぞれ連続して配置されている。一方、各第2ブロック25は、横方向に半ブロック、縦方向に1ブロックずつずらした位置にそれぞれ連続して配置されている。また、第1ブロック23及び第2ブロック25は、縦方向及び横方向に交互に配置されている。そして、これらブロック23,25の柄パターン22,24により、朱子織の炭素繊維織布を模した絵柄21が形成されるようになっている。
 なお、図6に示されるように、本実施形態のワーク12は射出成形品であるため、スイッチ取付孔15の近傍にウェルドライン91が発生する可能性がある。ウェルドライン91は、成形時に成形用樹脂材料同士が合流する合流部92に生じうるようになっている。詳述すると、ワーク12は、成形時に金型41のゲート45(図5参照)が位置していた箇所にゲート領域93(図1参照)を有している。そして、スイッチ取付孔15を介してゲート領域93の反対側となる位置に、ウェルドライン91が存在しうるウェルドライン存在領域95が位置するようになっている。また、ウェルドライン存在領域95は、ワーク12の深部94からワーク12の裏面12bに亘って存在している。そして、レーザ加工溝26の深さD1は、ウェルドライン存在領域95に到達しない程度の大きさに設定されている。なお、本実施形態では、ワーク12の表面12aからウェルドライン存在領域95の上面までの長さが100μmに設定されており、レーザ加工溝26の深さD1(12μm)よりも大きくなっている。
 また、本実施形態のワーク12では、裏面側にリブが存在する領域やゲート領域93に、フローマーク104(図9参照)が発生しうるようになっている。詳述すると、ワーク12の深部94からワーク12の裏面12bに亘る領域には、フローマーク104が存在しうるフローマーク存在領域(図示略)が設けられている。そして、レーザ加工溝26の深さD1は、フローマーク存在領域に到達しない程度の大きさに設定されている。なお、本実施形態では、ワーク12の表面12aからフローマーク存在領域の上面までの長さが100μmに設定されており、レーザ加工溝26の深さD1よりも大きくなっている。
 次に、車両用内装部品11の製造装置30について説明する。
 本実施形態の製造装置30は、ワーク12の表面12aを絵柄21で加飾する装置である。図4,図5に示されるように、製造装置30は、ワーク12を成形する成形装置31と、ワーク12を支持する支持台32と、支持台32を移動させてワーク12の姿勢等を変更するワーク変位ロボット33と、ワーク12の表面12aに赤外線レーザL1を照射するレーザ照射装置34とを備えている。
 また、成形装置31は、温度調節機構40付きの金型41と、樹脂充填装置(図示略)とを備えている。金型41は、第1の型42及び第2の型43からなっている。なお、金型41の型締めを行うと、金型41内には成形空間であるキャビティ44が形成されるようになっている。また、第2の型43には、キャビティ44内にて開口する複数のゲート45が設けられている。さらに、第2の型43には、ワーク12を金型41から押し出すための複数の押出ピン(図示略)が設けられている。そして、ゲート45を介してキャビティ44内にワーク12となる成形用樹脂材料を充填した後、型抜きを行えば、ワーク12を得ることができる。また、樹脂充填装置は、第2の型43のゲート45からキャビティ44内に成形用樹脂材料を充填するためのものである。
 さらに、図5に示されるように、第1の型42は、温度調節機構40を構成する複数本のヒータ51a(加熱手段)を有し、第2の型43は、同じく温度調節機構40を構成する複数本のヒータ51b(加熱手段)を有している。各ヒータ51aは、第1の型42を加熱するためのものであり、第1の型42の成形面に沿って配置されている。また、各ヒータ51bは、第2の型43を加熱するためのものであり、第2の型43の成形面に沿って配置されている。なお、上記したように、第2の型43にはゲート45や押出ピンが存在するため、第2の型43に設けられたヒータ51bの数は、第1の型42に設けられたヒータ51aの数よりも少なくなっている。また、ヒータ数が多い第1の型42では、ヒータの設置領域が複数のブロックに分割されており、各ブロックごとに6本のヒータ51aが配置されている。
 また、第1の型42は、温度調節機構40を構成する2系統の冷却水流路52a(冷却手段)を有し、第2の型43は、同じく温度調節機構40を構成する1系統の冷却水流路52b(冷却手段)を有している。各冷却水流路52aは、第1の型42を冷却する冷却水が流れる流路である。各冷却水流路52aは、第1の型42の奥行方向(図5の紙面を貫通する方向)に延びるとともに、第1の型42の端部で折り返されており、全体としてヒータ51aの配列方向に沿って延びている。なお、各ヒータ51aは、各冷却水流路52aよりもキャビティ44(第1の型42の成形面)に近接して配置されている。冷却水流路52bは、第2の型43を冷却する冷却水が流れる流路である。冷却水流路52bは、第2の型43の奥行方向(図5の紙面を貫通する方向)に延びるとともに、第2の型43の端部で折り返されており、全体としてヒータ51bの配列方向に沿って延びている。なお、各ヒータ51bは、冷却水流路52bよりもキャビティ44(第2の型43の成形面)に近接して配置されている。そして、各冷却水流路52a,52bの上流側に接続されたそれぞれの流路52上には、冷却水ポンプ及び電磁弁が設置されている。各冷却水ポンプは、常時駆動しており、冷却水流路52aまたは冷却水流路52bに冷却水を供給するようになっている。各電磁弁は、流路52において冷却水ポンプの下流側に配置されており、冷却水流路52aまたは冷却水流路52bを開状態または閉状態に切り替えるようになっている。電磁弁は、開状態に切り替えられた際に、冷却水流路52a内または冷却水流路52b内に冷却水を供給可能とするようになっている。なお、本実施形態の電磁弁は、図示しないソレノイドにより作動する電磁弁である。
 また、第1の型42においてキャビティ44の近傍となる箇所には複数の第1温度センサ(図示略)が設置され、第2の型43においてキャビティ44の近傍となる箇所には第2温度センサ(図示略)が設置されている。特に、第1温度センサは、上記した各ブロックの中央位置においてキャビディ44の内面の近傍となる箇所にそれぞれ配置されている。各温度センサは、ヒータ51a,51bによって加熱された金型41の温度や、冷却水流路52a,52bによって冷却された金型41の温度を計測して、CPU81に温度計測信号を出力するようになっている。
 図4に示されるように、ワーク変位ロボット33は、ロボットアーム61と、ロボットアーム61の先端に設けられた支持台62とを備えている。支持台62は、表面12aを上方に向けた状態で、ワーク12を支持するようになっている。そして、ワーク変位ロボット33は、ロボットアーム61を駆動することで、支持台62を上下方向、左右方向及び回転方向に移動させ、ワーク12の位置や姿勢を変更する。その結果、ワーク12の表面12aに対する赤外線レーザL1の照射位置や照射角度が変更されるようになっている。
 レーザ照射装置34は、所定波長の赤外線レーザL1(本実施形態では、波長が1064nmのYVOレーザ)を発生させるレーザ発生部71と、赤外線レーザL1を偏向させるレーザ偏向部72と、レーザ発生部71及びレーザ偏向部72を制御するレーザ制御部73とを備えている。レーザ偏向部72は、レンズ74と反射ミラー75とを複合させてなる光学系であり、これらレンズ74及び反射ミラー75の位置を変更することにより、赤外線レーザL1の照射位置や焦点位置を調整するようになっている。即ち、本実施形態のレーザ照射装置34は、ガルバノミラー式のレーザ照射装置である。また、レーザ制御部73は、レーザ発生部71及びレーザ偏向部72を制御することにより、赤外線レーザL1の照射時間変調、照射強度変調、照射面積変調などの制御を行う。
 次に、製造装置30の電気的構成について説明する。
 図4に示されるように、製造装置30は、レーザ加工に関する制御を行う第1の制御装置80を備えている。第1の制御装置80は、CPU81、メモリ82及び入出力ポート83等からなる周知のコンピュータにより構成されている。CPU81は、ワーク変位ロボット33及びレーザ照射装置34に電気的に接続されており、各種の駆動信号によってそれらを制御する。
 なお、メモリ82には、ワーク12の表面12aに絵柄21を描画するためのプログラムやデータが記憶されている。具体的に言うと、メモリ82には、ワーク12の三次元形状を示す形状データが記憶されている。また、メモリ82には、ワーク変位ロボット33及びレーザ照射装置34を制御するためのプログラムが記憶されている。さらに、メモリ82には、絵柄21の柄パターン22,24に応じた柄データや、レーザ照射装置34のレーザ照射条件(赤外線レーザL1の照射時間、赤外線レーザL1の照射強度、赤外線レーザL1のスポット径など)を示すデータがあらかじめ記憶されている。
 また、製造装置30は、ワーク12の成形に関する制御を行う第2の制御装置85を備えている。第2の制御装置85は、CPU86、メモリ87及び入出力ポート88等からなる周知のコンピュータにより構成されている。CPU86は、第1の型42や第2の型43を駆動する油圧シリンダや電動シリンダ等の金型駆動用アクチュエータ、樹脂充填装置、ヒータ51a,51b、冷却水ポンプ及び電磁弁に電気的に接続されており、各種の駆動信号によってそれらを制御する。また、CPU86には、第1温度センサ及び第2温度センサから出力された温度計測信号が入力されるようになっている。なお、メモリ87には、金型駆動用アクチュエータ、樹脂充填装置、ヒータ51a,51b、冷却水ポンプ及び電磁弁を制御するためのプログラムが記憶されている。
 次に、車両用内装部品11の製造方法を説明する。
 まず、金型準備工程を行い、温度調節機構40付きの金型41(図5参照)を準備する。また、樹脂材料準備工程を行い、黒色顔料であるカーボンブラックを2重量%含有する成形用樹脂材料(本実施形態ではABS樹脂)を準備する。
 続く成形工程では、成形用樹脂材料の溶融温度(本実施形態では130℃)以上の温度(本実施形態では200℃)にあらかじめ加熱された金型41内に成形用樹脂材料を射出した後、金型41を成形用樹脂材料の固化温度以下の温度(本実施形態では40℃)に冷却することにより、ワーク12を成形する。本実施形態では、レーザ加工溝26を成形するための成形用シボ(ここでは、微細な凹凸)を有しない金型41を用いて、ワーク12を成形する。
 詳述すると、まず、手順S1において、金型41の型締め及びヒータ51a,51bによる加熱を行う。具体的に言うと、第2の制御装置85のCPU86は、型締めを行うための型締め用データをメモリ87から読み出し、読み出した型締め用データに基づいて型締め信号を生成し、生成した型締め信号を金型41に出力する。金型41は、CPU86から出力された型締め信号に基づいて第2の型43を駆動することにより、第1の型42と第2の型43とが互いに接触した閉状態にする。この時点で、内部にワーク12と同一形状かつ同一体積のキャビティ44が構成される。なお、本実施形態では、第2の型43を駆動することによって型締めを行っているが、第1の型42を駆動することによって型締めを行ってもよいし、第1の型42及び第2の型43の両方を駆動することによって型締めを行ってもよい。
 また、CPU86は、ヒータ51a,51bによる加熱を行うための加熱データをメモリ87から読み出し、読み出した加熱データに基づいて加熱指示信号を生成し、生成した加熱指示信号をヒータ51a,51bに出力する。ヒータ51a,51bは、CPU86から出力された加熱指示信号に基づいて、金型41を加熱する。具体的に言うと、各ヒータ51aは、第1の型42の表面温度が成形用樹脂材料の溶融温度以上の温度(本実施形態では200℃)となるように、第1の型42を加熱する。一方、各ヒータ51bは、第1の型42よりも低い温度となるように第2の型43を加熱する。
 続く手順S2では、加熱によって第1の型42の表面温度が成形用樹脂材料の溶融温度以上の温度(本実施形態では200℃)に到達したことを契機として、ヒータ51a,51bによる加熱を直ちに停止する。具体的に言うと、CPU86は、第1温度センサから出力された温度計測信号が示す温度が200℃以上であるか否かを判定する。そして、温度計測信号が示す温度が200℃以上であると判定された場合、CPU86は、ヒータ51a,51bへの加熱指示信号の出力を停止してヒータ51a,51bを停止させる制御を行う。
 続く手順S3では、樹脂充填装置(図示略)による成形用樹脂材料の射出を開始するとともに冷却水流路52a,52bによる冷却を直ちに開始する。具体的に言うと、CPU86は、成形用樹脂材料の射出を行うための射出データをメモリ82から読み出し、読み出した射出データに基づいて樹脂充填信号を生成し、生成した樹脂充填信号を樹脂充填装置に出力する。樹脂充填装置は、CPU86から出力された樹脂充填信号に基づいて、所定量の成形用樹脂材料を250℃~260℃程度に加熱した状態で金型41のキャビティ44内に充填する。
 また、CPU86は、冷却水流路52a,52bによる冷却を行うための冷却データをメモリ82から読み出し、読み出した冷却データに基づいて冷却指示信号を生成し、生成した冷却指示信号を電磁弁に出力する。これにより、電磁弁が、CPU86から出力された冷却指示信号に基づいて開状態に切り替わり、冷却水が、冷却水ポンプによって冷却水流路52a,52bに供給される。その結果、金型41が冷却され、キャビティ44内に充填された成形用樹脂材料が固化してワーク12となる。なお、ヒータ51a,51b及び冷却水流路52a,52bは、互いに独立して温度制御可能となっている。
 続く手順S4では、成形用樹脂材料の射出が完了し、かつ冷却によって金型41が固化温度以下の温度(本実施形態では40℃)に到達したことを契機として、型抜きを行うとともに冷却を停止する。具体的に言うと、まず、CPU86は、樹脂充填装置への樹脂充填信号の出力を停止して成形用樹脂材料の射出を停止させる制御を行う。また、CPU86は、第1温度センサから出力された温度計測信号が示す温度が40℃以下であるか否かを判定する。そして、温度計測信号が示す温度が40℃以下であると判定された場合、CPU86は、電磁弁への冷却指示信号の出力を停止して電磁弁を閉状態に切り替え、冷却水流路52a,52bに対する冷却水の供給を停止させる制御を行う。
 その後、CPU86は、型抜きを行うための型抜き用データをメモリ82から読み出し、読み出した型抜き用データに基づいて型抜き信号を生成し、生成した型抜き信号を金型41に出力する。金型41は、CPU86から出力された型抜き信号に基づいて第2の型43を駆動することにより、第1の型42及び第2の型43を互いに離間させる。この時点で、ワーク12が取り出される。なお、本実施形態では、第2の型43を駆動することによって型抜きを行っているが、第1の型42を駆動することによって型抜きを行ってもよいし、第1の型42及び第2の型43の両方を駆動することによって型抜きを行ってもよい。その後、ワーク12は、作業者によってワーク変位ロボット33の支持台62(図4参照)上に支持される。また、次回の金型41の型締め及びヒータ51a,51bによる加熱(手順S1)は、型抜き完了後に直ちに実施される。
 続くレーザ加工工程では、ワーク12の表面12aに赤外線レーザL1を照射して複数のレーザ加工溝26を形成することにより、ワーク12の表面12aに絵柄21を直接形成する。具体的に言うと、CPU81は、ワーク12を移動させるためのワーク移動データをメモリ82から読み出し、読み出したワーク移動データに基づいてワーク移動信号を生成し、生成したワーク移動信号をワーク変位ロボット33に出力する。ワーク変位ロボット33は、CPU81から出力されたワーク移動信号に基づき、ロボットアーム61を駆動して支持台62に支持されたワーク12の位置及び角度を変更することにより、ワーク12の表面12aに対する赤外線レーザL1の照射位置や照射角度を変更する。
 さらに、CPU81は、レーザ照射を行うためのレーザ照射データをメモリ82から読み出し、読み出したレーザ照射データに基づいてレーザ照射信号を生成し、生成したレーザ照射信号をレーザ照射装置34に出力する。レーザ照射装置34は、CPU81から出力されたレーザ照射信号に基づいて、ワーク12に赤外線レーザL1を照射することにより、ワーク12の表面12aに複数の柄パターン22,24からなる絵柄21を形成する。詳述すると、まず、レーザ照射装置34によるレーザ照射を行い、第1ブロック23を構成する複数の柄パターン22を順次描画する。次に、第2ブロック25を構成する柄パターン24をレーザ照射によって順次描画する。そして、第1ブロック23を描画する工程及び第2ブロック25を描画する工程を繰り返すことにより、図1,図2に示されるカーボン調の絵柄21がワーク12の表面12aに描画される。以上の工程を経て、本実施形態の車両用内装部品11が製造される。
 従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
 (1)本実施形態の車両用内装部品11の製造方法では、成形工程において、第1の金型42の表面温度が従来の温度(例えば40℃~60℃)よりも高い温度である、成形用樹脂材料の溶融温度以上の温度(200℃)となるように加熱した金型41内に、成形用樹脂材料を射出している。このため、成形用樹脂材料の流動性が良くなり、ウェルドライン91,103(図6,図9参照)やフローマーク104(図9参照)の発生が防止されるようになる。その結果、ウェルドライン91,103やフローマーク104の発生に起因した、ワーク12の表面12aでの色ムラや艶ムラの発生を防止することができる。ゆえに、本実施形態のように、ワーク12の表面12aに直接レーザ加工溝26を形成したとしても、外観品質の良い車両用内装部品11を得ることができる。また、レーザの中でも比較的安価な赤外線レーザL1を照射することによってレーザ加工溝26を形成しているため、外観品質に優れた車両用内装部品11を低コストで製造することができる。
 (2)本実施形態の成形工程では、第1の型42の表面温度が成形用樹脂材料の溶融温度以上の温度に到達したら加熱が直ちに停止され、樹脂充填装置による成形用樹脂材料の射出を開始したら冷却が直ちに開始される。このため、成形用樹脂材料が固化してワーク12となるまでに掛かる時間、ひいては、車両用内装部品11が完成するまでに掛かる時間を短縮することができる。その結果、車両用内装部品11の製造効率が向上する。しかも、金型41の無駄な加熱が防止されるため、加熱に要するエネルギーを節約することができる。また、金型41の温度が無駄に高くならないため、冷却に要するエネルギーも節約することができる。
 (3)本実施形態では、黒色顔料(カーボンブラック)を含有する成形用樹脂材料からなるワーク12に絵柄21が描画されているため、車両用内装部品11の外観を実際の炭素繊維織布の外観に近付けることができる。しかも、本実施形態のワーク12は、熱を吸収しやすい濃い色の顔料からなっている。従って、ワーク12が薄い色の顔料からなる場合に比べて、赤外線レーザL1の熱がワーク12の表層部分に吸収されやすくなるため、レーザ加工溝26(絵柄21)を短時間で形成することができる。よって、車両用内装部品11の製造効率がよりいっそう向上する。
 なお、上記実施形態を以下のように変更してもよい。
 ・上記実施形態の成形工程では、手順S3において冷却水流路52a,52bによる冷却を開始し、手順S4において冷却水流路52a,52bによる冷却を停止していたが、成形工程において一連の手順を行う際に、冷却水流路52a,52bによる冷却を常時行うようにしてもよい。この場合、冷却水流路52a,52bによる冷却を開始及び停止させる制御が不要になるため、成形工程での制御が容易になる。さらに、冷却を常時行う場合、上記実施形態の成形工程における手順を変更してもよい。例えば、成形工程を、金型41の型締め及びヒータ51a,51bによる加熱を行う手順→加熱によって金型41が溶融温度以上の温度に到達したら加熱を直ちに停止する手順→成形用樹脂材料の射出を開始する手順→射出が完了し、かつ金型41が固化温度以下の温度に到達したら型抜きを行う手順の順番で行ってもよい。また、成形工程を、金型41の型締め及びヒータ51a,51bによる加熱を行う手順→加熱によって金型41が溶融温度以上の温度に到達したら成形用樹脂材料の射出を開始する手順→射出が完了したら加熱を直ちに停止する手順→金型41が固化温度以下の温度に到達したら型抜きを行う手順の順番で行ってもよい。
 ・上記実施形態では、黒色顔料を用いて成形用樹脂材料を着色しているが、黒以外の濃色(例えば茶色や灰色)で着色してもよい。具体的には、黒色顔料と黒色以外の濃色の顔料とを適宜混合して添加することで、成形用樹脂材料を着色してもよい。
 ・上記実施形態では、赤外線レーザL1としてYVOレーザを用いたが、これに限定される訳ではなく、赤外線レーザを発生しうる他の固体レーザ(例えば、YAGレーザやルビーレーザ等)を用いてもよい。
 ・上記実施形態では、レーザ照射によって凹状のレーザ加工部であるレーザ加工溝26を形成することにより、絵柄21を描画していたが、レーザ加工部はこれに限定される訳ではない。例えば、レーザ照射によってワーク12の表面12aを凸状に膨らませた部分をレーザ加工部としてもよい。この場合、レーザ加工部は、例えば、レーザ照射による発泡現象(樹脂を溶融させる際に泡が発生する現象)を利用して形成される。さらに、レーザ照射を行った結果、ワーク12において状態が変化した部分、例えば、焦げて変色した変色部などをレーザ加工部としてもよい。
 ・上記実施形態のレーザ加工工程後に塗膜層形成工程を行い、ワーク12の表面12a及びレーザ加工溝26の表面に塗料を塗布することにより、ワーク12の表面12a及びレーザ加工溝26の表面を覆う塗膜層27(保護層)を形成してもよい(図7参照)。なお、塗料は乾燥時に収縮するため、塗膜層27においてレーザ加工溝26を覆う領域が凹み部となる。その結果、レーザ加工溝26からなる絵柄21と同じ絵柄を観察できるようになる。なお、塗膜層27を形成する塗料としては、クリア塗料、メタリック塗料(銀色、金色等)、パール塗料や、室内色(黒色、アイボリー等)の塗料を挙げることができる。
 ところで、ワーク12の表面12a付近にウェルドライン28が存在する場合に、表面12aに対してレーザを照射すると、ウェルドライン28を境界としてレーザ加工溝26の幅が変わってしまうことがある(図8(a)参照)。この場合、ワーク12の表面12a及びレーザ加工溝26の表面を覆う塗膜層27を形成したとしても、変形したレーザ加工溝26の外形が塗膜層27の表面に浮き出てしまうため、外観品質の良い車両用内装部品29(加飾部品)を得ることができないという問題がある。詳述すると、ウェルドライン28は、レーザ加工工程前の成形工程において、成形用樹脂材料同士が互いに接触することにより発生する。しかし、一方(図8(a)では上側)からウェルドライン28の発生位置に到達する成形用樹脂材料と、もう一方(図8(a)では下側)からウェルドライン28の発生位置に到達する成形用樹脂材料とでは、ウェルドライン28までの経路が互いに異なるため、互いに接触する時点で温度差が生じていると考えられる。この場合、成形されたワーク12を構成する樹脂の密度がウェルドライン28を境界として異なるようになるため、レーザ加工工程においてレーザを照射した際には、樹脂の溶け方がウェルドライン28を境界として変化してしまう。その結果、ウェルドライン28を境界としてレーザ加工溝26の幅が変わってしまうものと考えられる。
 そこで、上記実施形態と同様に、成形工程において、成形用樹脂材料の溶融温度以上の温度に加熱された金型41(図5参照)内に成形用樹脂材料を射出することにより、ワーク12を成形することが好ましい。この場合、成形用樹脂材料の流動性が良くなるため、ウェルドライン28の発生、ひいてはレーザ加工溝26の幅の変化が防止されるようになる(図8(b)参照)。よって、塗膜層形成工程において塗膜層27を形成した際には、変形のない綺麗なレーザ加工溝26が塗膜層27の表面に浮き出るため、外観品質の良い車両用内装部品29を得ることができる。
 ・上記実施形態の車両用内装部品11では、ワーク12の表面12aに炭素繊維織布を模した絵柄21が描画されていたが、木目模様の絵柄や、ヘアライン加工が施されたアルミパネルを模した絵柄等の他の絵柄が描画されていてもよい。
 ・上記実施形態では、本発明の加飾部品を、車両用内装部品11であるドアのアームレストの構成部品に具体化したが、これ以外の内装部品、例えば、コンソールボックス、インストルメントパネル、センタークラスター、カップホルダ、グローブボックス、アッパーボックス、アシストグリップなどの内装部品の構成部品に具体化してもよい。勿論、車両用内装部品以外に、車両用外装部品(ラジエターグリル、エンブレム、マッドガードなど)や、家具や家電などの化粧パネルなどの加飾部品に具体化してもよい。
 次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
 (1)上記手段1において、前記成形工程は、前記金型の型締め及び前記加熱手段による加熱を行う手順を含み、前記金型の型締め及び前記加熱手段による加熱を行う手順は、型抜き完了後に直ちに実施されることを特徴とする加飾部品の製造方法。
 (2)上記手段1において、前記成形工程では、前記レーザ加工部を成形するための成形用シボを有しない前記金型を用いて、前記樹脂基材を成形することを特徴とする加飾部品の製造方法。
11,29…加飾部品としての車両用内装部品
12…樹脂基材としてのワーク
12a…樹脂基材の表面
15…孔部としてのスイッチ取付孔
21…絵柄
26…レーザ加工部としてのレーザ加工溝
40…温度調節機構
41…金型
44…キャビティ
45…ゲート
51a,51b…加熱手段としてのヒータ
52a,52b…冷却手段としての冷却水流路
91…ウェルドライン
92…合流部
93…ゲート領域
94…樹脂基材の深部
95…ウェルドライン存在領域
D1…レーザ加工溝の深さ
L1…赤外線レーザ
S1,S2,S3,S4…手順
27…塗膜層

Claims (11)

  1.  射出成形品である樹脂基材の表面がレーザ加工による絵柄で加飾された部品を製造する方法であって、
     温度調節機構付きの金型を準備する金型準備工程と、
     黒色顔料を0.5重量%以上3重量%以下含有する成形用樹脂材料を準備する樹脂材料準備工程と、
     前記成形用樹脂材料の溶融温度以上の温度にあらかじめ加熱された前記金型内に前記成形用樹脂材料を射出した後、前記金型を前記成形用樹脂材料の固化温度以下の温度に冷却することにより、前記樹脂基材を成形する成形工程と、
     前記樹脂基材の表面に赤外線レーザを照射して複数のレーザ加工部を形成することにより、前記樹脂基材の表面に前記絵柄を直接形成するレーザ加工工程と
    を含むことを特徴とする加飾部品の製造方法。
  2.  前記樹脂材料準備工程では、黒色顔料を1重量%以上2.5重量%以下含有する前記成形用樹脂材料を準備することを特徴とする請求項1に記載の加飾部品の製造方法。
  3.  前記金型はキャビティ、加熱手段及び冷却手段を有するとともに、前記加熱手段は前記冷却手段よりも前記キャビティに近接して配置され、前記加熱手段及び前記冷却手段は互いに独立して温度制御可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の加飾部品の製造方法。
  4.  前記成形工程は、
     前記金型の型締め及び前記加熱手段による加熱を行う手順と、前記加熱によって前記金型が前記溶融温度以上の温度に到達したら前記加熱を直ちに停止する手順と、前記成形用樹脂材料の射出を開始するとともに前記冷却手段による冷却を直ちに開始する手順と、前記射出が完了し、かつ前記冷却によって前記金型が前記固化温度以下の温度に到達したら型抜きを行うとともに前記冷却を停止する手順と
    を含むことを特徴とする請求項3に記載の加飾部品の製造方法。
  5.  前記成形工程は、
     前記金型の型締め及び前記加熱手段による加熱を行う手順と、前記加熱によって前記金型が前記溶融温度以上の温度に到達したら前記加熱を直ちに停止する手順と、前記成形用樹脂材料の射出を開始する手順と、前記射出が完了し、かつ前記金型が前記固化温度以下の温度に到達したら型抜きを行う手順とを含むとともに、
     一連の手順を行う際に前記冷却手段による冷却を常時行う
    ことを特徴とする請求項3に記載の加飾部品の製造方法。
  6.  前記成形工程は、
     前記金型の型締め及び前記加熱手段による加熱を行う手順と、前記加熱によって前記金型が前記溶融温度以上の温度に到達したら前記成形用樹脂材料の射出を開始する手順と、前記射出が完了したら前記加熱を直ちに停止する手順と、前記金型が前記固化温度以下の温度に到達したら型抜きを行う手順とを含むとともに、
     一連の手順を行う際に前記冷却手段による冷却を常時行う
    ことを特徴とする請求項3に記載の加飾部品の製造方法。
  7.  前記レーザ加工工程後、前記樹脂基材の表面及び前記レーザ加工部であるレーザ加工溝の表面を覆う塗膜層を形成する塗膜層形成工程を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の加飾部品の製造方法。
  8.  射出成形品である樹脂基材の表面が複数のレーザ加工溝からなる絵柄で加飾された部品であって、
     前記樹脂基材は、黒色顔料を0.5重量%以上3重量%以下含有する成形用樹脂材料によって成形され、成形時に前記成形用樹脂材料同士が合流する合流部にウェルドラインが生じうるものであり、
     前記樹脂基材の深部に、前記ウェルドラインが存在しうるウェルドライン存在領域を有し、
     前記レーザ加工溝の深さが、前記ウェルドライン存在領域に到達しない程度の大きさに設定されている
    ことを特徴とする加飾部品。
  9.  前記樹脂基材は、成形時に金型のゲートが位置していたゲート領域と、前記樹脂基材を厚さ方向に貫通する孔部とを備え、
     前記樹脂基材において、前記孔部を介して前記ゲート領域の反対側となる位置に、前記ウェルドライン存在領域を有する
    ことを特徴とする請求項8に記載の加飾部品。
  10.  前記樹脂基材は、裏面側にリブが存在する領域、及び、成形時に金型のゲートが位置していたゲート領域に、フローマークが発生しうるものであり、
     前記樹脂基材の深部に、前記フローマークが存在しうるフローマーク存在領域を有し、
     前記レーザ加工溝の深さが、前記フローマーク存在領域に到達しない程度の大きさに設定されている
    ことを特徴とする請求項8または9に記載の加飾部品。
  11.  前記樹脂基材の表面及び前記レーザ加工溝の表面が塗膜層によって覆われていることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の加飾部品。
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