JP2001001391A - ガラス繊維強化樹脂製中空成形品のブロー成形方法 - Google Patents
ガラス繊維強化樹脂製中空成形品のブロー成形方法Info
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- JP2001001391A JP2001001391A JP11175363A JP17536399A JP2001001391A JP 2001001391 A JP2001001391 A JP 2001001391A JP 11175363 A JP11175363 A JP 11175363A JP 17536399 A JP17536399 A JP 17536399A JP 2001001391 A JP2001001391 A JP 2001001391A
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- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C2949/00—Indexing scheme relating to blow-moulding
- B29C2949/07—Preforms or parisons characterised by their configuration
- B29C2949/081—Specified dimensions, e.g. values or ranges
- B29C2949/0811—Wall thickness
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- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C2949/00—Indexing scheme relating to blow-moulding
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- B29C2949/0829—Height, length
Landscapes
- Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 限られた範囲でのガラス繊維の含有量で、よ
り高い強度を有する中空成形品を成形し得るガラス繊維
強化樹脂製中空成形品のブロー成形方法を提供する。 【解決手段】 目的とする中空成形品を与える成形キャ
ビティ内に、ガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂
材料からなるパリソンを熱可塑化状態で配置する一方、
かかるパリソン内部への気体の吹き込みによる膨張によ
って前記成形キャビティのキャビティ面に最初に接触す
る、該パリソンの少なくとも一部の部位と該キャビティ
面との間に、該パリソンの膨張に伴って延伸せしめら
れ、且つ該パリソンと前記キャビティ面との接触による
それらの間の熱伝導を阻害する熱伝導阻害部材を介在せ
しめた後、該パリソンの内部に気体を吹き込むようにし
た。
り高い強度を有する中空成形品を成形し得るガラス繊維
強化樹脂製中空成形品のブロー成形方法を提供する。 【解決手段】 目的とする中空成形品を与える成形キャ
ビティ内に、ガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂
材料からなるパリソンを熱可塑化状態で配置する一方、
かかるパリソン内部への気体の吹き込みによる膨張によ
って前記成形キャビティのキャビティ面に最初に接触す
る、該パリソンの少なくとも一部の部位と該キャビティ
面との間に、該パリソンの膨張に伴って延伸せしめら
れ、且つ該パリソンと前記キャビティ面との接触による
それらの間の熱伝導を阻害する熱伝導阻害部材を介在せ
しめた後、該パリソンの内部に気体を吹き込むようにし
た。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は、ガラス繊維強化樹脂製中空成形
品のブロー成形方法に係り、特に、ガラス長繊維を用い
たガラス繊維強化樹脂材料からなる中空成形品を有利に
成形可能なブロー成形方法に関するものである。
品のブロー成形方法に係り、特に、ガラス長繊維を用い
たガラス繊維強化樹脂材料からなる中空成形品を有利に
成形可能なブロー成形方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】一般に、比較的高い強度(剛性)が要求さ
れる中空成形品、例えば、自動車エンジンの吸気用パイ
プ等には、ガラス繊維強化樹脂製の中空成形品が用いら
れている。そして、このガラス繊維強化樹脂製中空成形
品は、通常、先ず、平均繊維長が0.5mm以下程度の
ガラス短繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材料からパリ
ソンを形成し、次いで、これを、熱可塑化状態で、ブロ
ー成形用金型の成形キャビティ内に配置した後、該パリ
ソンの内部に空気を吹き込んで、該パリソンを膨張させ
るブロー成形を行うことにより得られている。
れる中空成形品、例えば、自動車エンジンの吸気用パイ
プ等には、ガラス繊維強化樹脂製の中空成形品が用いら
れている。そして、このガラス繊維強化樹脂製中空成形
品は、通常、先ず、平均繊維長が0.5mm以下程度の
ガラス短繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材料からパリ
ソンを形成し、次いで、これを、熱可塑化状態で、ブロ
ー成形用金型の成形キャビティ内に配置した後、該パリ
ソンの内部に空気を吹き込んで、該パリソンを膨張させ
るブロー成形を行うことにより得られている。
【0003】ところで、よく知られているように、その
ような中空成形品を構成するガラス繊維強化樹脂材料
は、ガラス短繊維の含有量の増加に伴って、強度が高め
られる反面、熱可塑化状態下での引っ張り応力に対する
伸び率が小さくなるものであるところから、かかるガラ
ス繊維強化樹脂材料からなるパリソンにあっては、ガラ
ス短繊維の含有量が多くなればなる程、膨張率が小さく
なり、それに応じて、内部への気体の吹き込み時に破断
等の成形不良が発生する恐れが大きくなってしまう。
ような中空成形品を構成するガラス繊維強化樹脂材料
は、ガラス短繊維の含有量の増加に伴って、強度が高め
られる反面、熱可塑化状態下での引っ張り応力に対する
伸び率が小さくなるものであるところから、かかるガラ
ス繊維強化樹脂材料からなるパリソンにあっては、ガラ
ス短繊維の含有量が多くなればなる程、膨張率が小さく
なり、それに応じて、内部への気体の吹き込み時に破断
等の成形不良が発生する恐れが大きくなってしまう。
【0004】そこで、従来では、ガラス短繊維を用いた
ガラス繊維強化樹脂材料からなるパリソンをブロー成形
する際に、パリソンの必要な大きさの膨張率を確保すべ
く、ガラス短繊維の含有量が、通常、20〜40%程度
(重量%)に抑えられており、そのために、目的とする
中空成形品に対して、より高い強度が要求される場合に
は、実際に成形された中空成形品において、その要求強
度が十分に得られないことがあったのである。
ガラス繊維強化樹脂材料からなるパリソンをブロー成形
する際に、パリソンの必要な大きさの膨張率を確保すべ
く、ガラス短繊維の含有量が、通常、20〜40%程度
(重量%)に抑えられており、そのために、目的とする
中空成形品に対して、より高い強度が要求される場合に
は、実際に成形された中空成形品において、その要求強
度が十分に得られないことがあったのである。
【0005】尤も、ガラス繊維の含有量を増やすことな
く、中空成形品の強度を高めるには、原料樹脂として、
ガラス短繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材料よりも高
い強度を得ることが出来る、平均繊維長が2.0mm以
上程度のガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材料
を使用することが、考えられる。
く、中空成形品の強度を高めるには、原料樹脂として、
ガラス短繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材料よりも高
い強度を得ることが出来る、平均繊維長が2.0mm以
上程度のガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材料
を使用することが、考えられる。
【0006】しかしながら、実際に、ガラス長繊維を用
いたガラス繊維強化樹脂材料、とりわけ、予備成形され
るパリソンの肉厚よりも平均繊維長が長いガラス長繊維
を用いたガラス繊維強化樹脂材料を使用して、従来手法
により、目的とする中空成形品のブロー成形を実施した
場合、溶融状態でのパリソンの膨張過程で、ブロー成形
用金型における成形キャビティのキャビティ面に対して
接触せしめられるパリソンの接触部において、その厚さ
方向のキャビティ面側部位が、該キャビティ面に熱を奪
われて固化し、この固化された部位によって、一部のガ
ラス長繊維の一端部が拘束され、更に、その拘束された
ガラス長繊維によって、それらの他端部の周辺に存在す
る樹脂材料、つまり、前記パリソンの接触部におけるキ
ャビティ面側とは反対側の部位の流動が阻害されてしま
う。そして、それによって、パリソンの接触部における
略全体の部位の流動性が失われて、パリソンの更なる膨
張の進行時に、パリソンの接触部以外の、流動性を維持
している部分に対して、空気の吹き込み圧力が集中して
加えられ、その結果、かかるパリソンの接触部以外の部
分において、破断等の成形不良が惹起されることがあっ
たのである。
いたガラス繊維強化樹脂材料、とりわけ、予備成形され
るパリソンの肉厚よりも平均繊維長が長いガラス長繊維
を用いたガラス繊維強化樹脂材料を使用して、従来手法
により、目的とする中空成形品のブロー成形を実施した
場合、溶融状態でのパリソンの膨張過程で、ブロー成形
用金型における成形キャビティのキャビティ面に対して
接触せしめられるパリソンの接触部において、その厚さ
方向のキャビティ面側部位が、該キャビティ面に熱を奪
われて固化し、この固化された部位によって、一部のガ
ラス長繊維の一端部が拘束され、更に、その拘束された
ガラス長繊維によって、それらの他端部の周辺に存在す
る樹脂材料、つまり、前記パリソンの接触部におけるキ
ャビティ面側とは反対側の部位の流動が阻害されてしま
う。そして、それによって、パリソンの接触部における
略全体の部位の流動性が失われて、パリソンの更なる膨
張の進行時に、パリソンの接触部以外の、流動性を維持
している部分に対して、空気の吹き込み圧力が集中して
加えられ、その結果、かかるパリソンの接触部以外の部
分において、破断等の成形不良が惹起されることがあっ
たのである。
【0007】なお、ガラス短繊維を用いたガラス繊維強
化樹脂材料からなるパリソンを従来手法にてブロー成形
する場合にあっても、溶融状態でのパリソンの膨張過程
で、パリソンのキャビティ面に対する接触部のキャビテ
ィ面側部位が固化し、この固化された部位により拘束さ
れた一部のガラス短繊維によって、それらの周辺に存在
する樹脂材料の流動が阻害されることとなるが、ガラス
短繊維の平均繊維長が短いために、流動が阻害される樹
脂材料の量が極めて少なく、従って、前記パリソンの接
触部におけるキャビティ面側とは反対側の殆どの部位で
は流動性が維持されて、空気の吹き込み圧力が、かかる
部位とパリソンの接触部以外の部分とに分散して加えら
れ、以て、破断等が生じることなく、パリソンの更なる
膨張が問題なく進行せしめられるのである。
化樹脂材料からなるパリソンを従来手法にてブロー成形
する場合にあっても、溶融状態でのパリソンの膨張過程
で、パリソンのキャビティ面に対する接触部のキャビテ
ィ面側部位が固化し、この固化された部位により拘束さ
れた一部のガラス短繊維によって、それらの周辺に存在
する樹脂材料の流動が阻害されることとなるが、ガラス
短繊維の平均繊維長が短いために、流動が阻害される樹
脂材料の量が極めて少なく、従って、前記パリソンの接
触部におけるキャビティ面側とは反対側の殆どの部位で
は流動性が維持されて、空気の吹き込み圧力が、かかる
部位とパリソンの接触部以外の部分とに分散して加えら
れ、以て、破断等が生じることなく、パリソンの更なる
膨張が問題なく進行せしめられるのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述せる如き事
情を背景にして為されたものであって、その解決課題と
するところは、ガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹
脂材料からなるパリソンを、破断等の成形不良を惹起せ
しめることなく良好に膨張させて、ブロー成形すること
が出来、以て、限られた範囲でのガラス繊維の含有量
で、より高い強度を有する中空成形品を成形し得るガラ
ス繊維強化樹脂製中空成形品のブロー成形方法を提供す
ることにある。
情を背景にして為されたものであって、その解決課題と
するところは、ガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹
脂材料からなるパリソンを、破断等の成形不良を惹起せ
しめることなく良好に膨張させて、ブロー成形すること
が出来、以て、限られた範囲でのガラス繊維の含有量
で、より高い強度を有する中空成形品を成形し得るガラ
ス繊維強化樹脂製中空成形品のブロー成形方法を提供す
ることにある。
【0009】
【解決手段】そして、本発明にあっては、目的とする中
空成形品を与える成形キャビティ内に、ガラス長繊維を
用いたガラス繊維強化樹脂材料からなるパリソンを熱可
塑化状態で配置した後、該パリソンの内部に気体を吹き
込んで、該パリソンを膨張させることにより、ガラス繊
維強化樹脂製中空成形品をブロー成形する方法におい
て、前記パリソン内部への気体の吹き込みによる膨張に
よって前記成形キャビティのキャビティ面に最初に接触
する、該パリソンの少なくとも一部の部位と該キャビテ
ィ面との間に、該気体の吹き込みによるパリソンの膨張
に伴って延伸せしめられ、且つ該パリソンと前記キャビ
ティ面との接触によるそれらの間の熱伝導を阻害する熱
伝導阻害部材を介在せしめた後、該パリソンの内部に気
体を吹き込むことを特徴とするガラス繊維強化樹脂製中
空成形品のブロー成形方法を、その要旨とするものであ
る。
空成形品を与える成形キャビティ内に、ガラス長繊維を
用いたガラス繊維強化樹脂材料からなるパリソンを熱可
塑化状態で配置した後、該パリソンの内部に気体を吹き
込んで、該パリソンを膨張させることにより、ガラス繊
維強化樹脂製中空成形品をブロー成形する方法におい
て、前記パリソン内部への気体の吹き込みによる膨張に
よって前記成形キャビティのキャビティ面に最初に接触
する、該パリソンの少なくとも一部の部位と該キャビテ
ィ面との間に、該気体の吹き込みによるパリソンの膨張
に伴って延伸せしめられ、且つ該パリソンと前記キャビ
ティ面との接触によるそれらの間の熱伝導を阻害する熱
伝導阻害部材を介在せしめた後、該パリソンの内部に気
体を吹き込むことを特徴とするガラス繊維強化樹脂製中
空成形品のブロー成形方法を、その要旨とするものであ
る。
【0010】このような本発明に従うガラス繊維強化樹
脂製中空成形品のブロー成形方法においては、内部への
気体の吹き込みにより膨張せしめられたパリソンが、成
形キャビティのキャビティ面に対して、該パリソンの膨
張に伴って延伸せしめられた熱伝導阻害部材を介して最
初に接触せしめられることとなり、それによって、膨張
せしめられたパリソンをキャビティ面に対して直接に接
触させる場合に比して、パリソンのキャビティ面に対す
る接触部における、該キャビティ面への伝熱の速度が有
利に遅くされて、かかる伝熱による熱の損失量が有効に
低減され、その結果、パリソンの膨張過程で、キャビテ
ィ面に対する接触部が、キャビティ面に熱を奪われて固
化するようなことが効果的に阻止されて、パリソン全体
において、流動性が有効に維持され得る。
脂製中空成形品のブロー成形方法においては、内部への
気体の吹き込みにより膨張せしめられたパリソンが、成
形キャビティのキャビティ面に対して、該パリソンの膨
張に伴って延伸せしめられた熱伝導阻害部材を介して最
初に接触せしめられることとなり、それによって、膨張
せしめられたパリソンをキャビティ面に対して直接に接
触させる場合に比して、パリソンのキャビティ面に対す
る接触部における、該キャビティ面への伝熱の速度が有
利に遅くされて、かかる伝熱による熱の損失量が有効に
低減され、その結果、パリソンの膨張過程で、キャビテ
ィ面に対する接触部が、キャビティ面に熱を奪われて固
化するようなことが効果的に阻止されて、パリソン全体
において、流動性が有効に維持され得る。
【0011】それ故、かかる本発明手法にあっては、パ
リソンがガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材料
にて構成されているにも拘わらず、パリソンの膨張過程
で、空気の吹き込み圧力が、パリソン全体に対して、略
均一に分散して加えられ、以て、破断等の成形不良が惹
起されることなく、パリソンの更なる膨張が良好に進行
せしめられ得ることとなる。
リソンがガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材料
にて構成されているにも拘わらず、パリソンの膨張過程
で、空気の吹き込み圧力が、パリソン全体に対して、略
均一に分散して加えられ、以て、破断等の成形不良が惹
起されることなく、パリソンの更なる膨張が良好に進行
せしめられ得ることとなる。
【0012】従って、本発明に従うガラス繊維強化樹脂
製中空成形品のブロー成形方法によれば、ガラス長繊維
を用いたガラス繊維強化樹脂材料からなるパリソンを、
破断等の成形不良を惹起せしめることなく良好に膨張さ
せて、ブロー成形することが出来るのであり、それによ
って、限られた範囲内でのガラス繊維の含有量で、より
高い強度を有するガラス繊維強化樹脂製中空成形品を、
良好な品質をもって、有利に成形することが可能となる
のである。
製中空成形品のブロー成形方法によれば、ガラス長繊維
を用いたガラス繊維強化樹脂材料からなるパリソンを、
破断等の成形不良を惹起せしめることなく良好に膨張さ
せて、ブロー成形することが出来るのであり、それによ
って、限られた範囲内でのガラス繊維の含有量で、より
高い強度を有するガラス繊維強化樹脂製中空成形品を、
良好な品質をもって、有利に成形することが可能となる
のである。
【0013】また、かかる本発明手法によれば、成形キ
ャビティのキャビティ面に対して、熱伝導阻害部材を介
して最初に接触せしめられるパリソンの接触部に相当す
る、中空成形品の少なくとも一部が、該パリソンにて与
えられる内側層と、該熱伝導阻害部材にて与えられる外
側層とからなる二層構造をもって構成されることとな
り、それによって、かかる中空成形品の少なくとも一部
において、更なる強度の向上が期待され得る。
ャビティのキャビティ面に対して、熱伝導阻害部材を介
して最初に接触せしめられるパリソンの接触部に相当す
る、中空成形品の少なくとも一部が、該パリソンにて与
えられる内側層と、該熱伝導阻害部材にて与えられる外
側層とからなる二層構造をもって構成されることとな
り、それによって、かかる中空成形品の少なくとも一部
において、更なる強度の向上が期待され得る。
【0014】なお、このような本発明に従うガラス繊維
強化樹脂製中空成形品のブロー成形方法の有利な態様の
一つによれば、前記熱伝導阻害部材が、前記パリソンか
ら成形される前記中空成形品の意匠面を与える表皮材に
て構成される。これによって、より高い強度を有するば
かりでなく、意匠性にも富んだガラス繊維強化樹脂製中
空成形品が、極めて有利に得られることとなる。
強化樹脂製中空成形品のブロー成形方法の有利な態様の
一つによれば、前記熱伝導阻害部材が、前記パリソンか
ら成形される前記中空成形品の意匠面を与える表皮材に
て構成される。これによって、より高い強度を有するば
かりでなく、意匠性にも富んだガラス繊維強化樹脂製中
空成形品が、極めて有利に得られることとなる。
【0015】また、本発明に従うガラス繊維強化樹脂製
中空成形品のブロー成形方法の好ましい別の態様の一つ
によれば、前記熱伝導阻害部材が、ガラス繊維を含まな
い熱可塑性樹脂材料若しくはガラス繊維を含まない熱可
塑性エラストマー材料にて構成され、熱可塑化状態で前
記パリソンと前記キャビティ面との間に介在せしめられ
ることとなる。このような構成を採用すれば、熱伝導阻
害部材の使用による成形性の低下が、可及的に抑制され
得る。
中空成形品のブロー成形方法の好ましい別の態様の一つ
によれば、前記熱伝導阻害部材が、ガラス繊維を含まな
い熱可塑性樹脂材料若しくはガラス繊維を含まない熱可
塑性エラストマー材料にて構成され、熱可塑化状態で前
記パリソンと前記キャビティ面との間に介在せしめられ
ることとなる。このような構成を採用すれば、熱伝導阻
害部材の使用による成形性の低下が、可及的に抑制され
得る。
【0016】そして、前記熱伝導阻害部材が、ガラス繊
維を含まない熱可塑性樹脂材料にて構成される場合にあ
っては、内側層が、前記パリソンを与える、前記ガラス
長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材料からなり、且つ
外側層が、前記熱伝導阻害部材を与える、ガラス繊維を
含まない熱可塑性樹脂材料若しくはガラス繊維を含まな
い熱可塑性エラストマー材料にて構成された二層構造の
予備成形体を用い、かかる予備成形体を、熱可塑化状態
で前記成形キャビティ内に配置することにより、該パリ
ソンと該成形キャビティのキャビティ面との間に該熱伝
導阻害部材が介在せしめられるように構成される。
維を含まない熱可塑性樹脂材料にて構成される場合にあ
っては、内側層が、前記パリソンを与える、前記ガラス
長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材料からなり、且つ
外側層が、前記熱伝導阻害部材を与える、ガラス繊維を
含まない熱可塑性樹脂材料若しくはガラス繊維を含まな
い熱可塑性エラストマー材料にて構成された二層構造の
予備成形体を用い、かかる予備成形体を、熱可塑化状態
で前記成形キャビティ内に配置することにより、該パリ
ソンと該成形キャビティのキャビティ面との間に該熱伝
導阻害部材が介在せしめられるように構成される。
【0017】このようにすれば、パリソンの全ての部位
が、成形キャビティのキャビティ面に対して、熱伝導阻
害部材を介して接触せしめられることとなり、それによ
って、パリソンが、その膨張過程で、キャビティ面に直
接に接触し、キャビティ面に熱を奪われて固化するよう
なことが、より確実に阻止されて、パリソン全体の流動
性が更に有効に維持され得るのである。そして、その結
果として、破断等の成形不良の発生をより確実に防止し
つつ、ガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材料か
らなるパリソンをブロー成形することが出来、以て、限
られた範囲内でのガラス繊維の含有量で、より高い強度
を有するガラス繊維強化樹脂製中空成形品を、更に一層
安定的に成形することが可能となる。
が、成形キャビティのキャビティ面に対して、熱伝導阻
害部材を介して接触せしめられることとなり、それによ
って、パリソンが、その膨張過程で、キャビティ面に直
接に接触し、キャビティ面に熱を奪われて固化するよう
なことが、より確実に阻止されて、パリソン全体の流動
性が更に有効に維持され得るのである。そして、その結
果として、破断等の成形不良の発生をより確実に防止し
つつ、ガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材料か
らなるパリソンをブロー成形することが出来、以て、限
られた範囲内でのガラス繊維の含有量で、より高い強度
を有するガラス繊維強化樹脂製中空成形品を、更に一層
安定的に成形することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより具体的に明ら
かにするために、本発明に係るガラス繊維強化樹脂製中
空成形品のブロー成形方法の構成について、図面を参照
しつつ、詳細に説明することとする。
かにするために、本発明に係るガラス繊維強化樹脂製中
空成形品のブロー成形方法の構成について、図面を参照
しつつ、詳細に説明することとする。
【0019】先ず、図1には、本発明に係るガラス繊維
強化樹脂製中空成形品のブロー成形方法に従って製造さ
れた中空成形品の一例が、概略的に示されている。かか
る図1からも明らかなように、ガラス繊維強化樹脂製中
空成形品10は、基部12と表皮部14とを有して、構
成されている。そして、この中空成形品10を構成する
基部12は、角筒形状を呈し、ポリプロピレンに、平均
繊維長が2.0mm以上程度のガラス長繊維が30%
(重量%)程度添加されてなるガラス繊維強化樹脂材料
から成っている。また、表皮部14は、不燃性乃至は難
燃性を有する、伸縮自在な布地から成っており、前記角
筒形状を呈する基部12の四つの側壁のうち、中空成形
品10の意匠面を与える三つの側壁の表面に対して、一
体的に積層されている。即ち、かかる中空成形品10に
あっては、ガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材
料からなる基部12と、該基部12の表面に積層された
布製の表皮部14とからなる一体品にて構成されてお
り、それによって、高い強度と良好な意匠性とが付与さ
れているのである。
強化樹脂製中空成形品のブロー成形方法に従って製造さ
れた中空成形品の一例が、概略的に示されている。かか
る図1からも明らかなように、ガラス繊維強化樹脂製中
空成形品10は、基部12と表皮部14とを有して、構
成されている。そして、この中空成形品10を構成する
基部12は、角筒形状を呈し、ポリプロピレンに、平均
繊維長が2.0mm以上程度のガラス長繊維が30%
(重量%)程度添加されてなるガラス繊維強化樹脂材料
から成っている。また、表皮部14は、不燃性乃至は難
燃性を有する、伸縮自在な布地から成っており、前記角
筒形状を呈する基部12の四つの側壁のうち、中空成形
品10の意匠面を与える三つの側壁の表面に対して、一
体的に積層されている。即ち、かかる中空成形品10に
あっては、ガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材
料からなる基部12と、該基部12の表面に積層された
布製の表皮部14とからなる一体品にて構成されてお
り、それによって、高い強度と良好な意匠性とが付与さ
れているのである。
【0020】ところで、このようなガラス繊維強化樹脂
製中空成形品10を製造する際には、例えば、以下に示
す如き手順に従って、その操作が進められることとな
る。
製中空成形品10を製造する際には、例えば、以下に示
す如き手順に従って、その操作が進められることとな
る。
【0021】すなわち、先ず、図2に示されるように、
左右方向に移動可能に対向配置された左型16と右型1
8とを有するブロー成形用金型20と、円環状のダイ間
隙22を有する押出し機24(図2には、押出しダイの
みを示す)とを含んで構成された、公知の構造を有する
押出し式ブロー成形装置26を用い、また、目的とする
中空成形品10の基部12を与える原料樹脂として、ポ
リプロピレンに、ガラス長繊維が30%(重量%)程度
添加されてなるペレット状のガラス繊維強化樹脂材料を
準備する。そして、このペレット状のガラス繊維強化樹
脂材料を、ブロー成形装置26の押出し機24内に供給
して、加熱溶融せしめる一方、かかる加熱溶融により、
熱可塑化状態とされたガラス繊維強化樹脂材料を、押出
し機24のダイ間隙22を通じて押し出すことにより、
円筒状のパリソン28を、所定長さにおいて成形すると
共に、この成形された熱可塑化状態の円筒状パリソン2
8を、型開きされたブロー成形用金型20の左型16と
右型18との間に、垂下されるように位置せしめる。
左右方向に移動可能に対向配置された左型16と右型1
8とを有するブロー成形用金型20と、円環状のダイ間
隙22を有する押出し機24(図2には、押出しダイの
みを示す)とを含んで構成された、公知の構造を有する
押出し式ブロー成形装置26を用い、また、目的とする
中空成形品10の基部12を与える原料樹脂として、ポ
リプロピレンに、ガラス長繊維が30%(重量%)程度
添加されてなるペレット状のガラス繊維強化樹脂材料を
準備する。そして、このペレット状のガラス繊維強化樹
脂材料を、ブロー成形装置26の押出し機24内に供給
して、加熱溶融せしめる一方、かかる加熱溶融により、
熱可塑化状態とされたガラス繊維強化樹脂材料を、押出
し機24のダイ間隙22を通じて押し出すことにより、
円筒状のパリソン28を、所定長さにおいて成形すると
共に、この成形された熱可塑化状態の円筒状パリソン2
8を、型開きされたブロー成形用金型20の左型16と
右型18との間に、垂下されるように位置せしめる。
【0022】なお、ここで用いられるブロー成形用金型
20の左型16と右型18は、共に、厚肉の平板形状を
呈しており、左型16の右型18との対向面の中央部位
が、平坦な左型側キャビティ面30とされている一方、
右型18の左型16との対向面の中央部に、矩形の凹所
が設けられ、この矩形の凹所の内面が、右型側キャビテ
ィ面32とされている。そして、そのような左型16と
右型18とが型合わせされることによって、それら二つ
の型16,18の間に、左型側キャビティ面30と右型
側キャビティ面32にて囲まれて成り、且つ目的とする
中空成形品10に対応した形状を有する成形キャビティ
34が、形成されるようになっている(図3参照)。
20の左型16と右型18は、共に、厚肉の平板形状を
呈しており、左型16の右型18との対向面の中央部位
が、平坦な左型側キャビティ面30とされている一方、
右型18の左型16との対向面の中央部に、矩形の凹所
が設けられ、この矩形の凹所の内面が、右型側キャビテ
ィ面32とされている。そして、そのような左型16と
右型18とが型合わせされることによって、それら二つ
の型16,18の間に、左型側キャビティ面30と右型
側キャビティ面32にて囲まれて成り、且つ目的とする
中空成形品10に対応した形状を有する成形キャビティ
34が、形成されるようになっている(図3参照)。
【0023】また、パリソン28を与えるペレット状の
ガラス繊維強化樹脂材料に含まれるガラス長繊維として
は、8〜12mm程度の長さを有するものが、有利に用
いられる。けだし、ガラス繊維強化樹脂材料の押出し機
24内での加熱溶融過程や、該押出し機24からの押出
し過程では、ガラス長繊維が粉砕されて、不可避的に短
くなってしまうが、8〜12mm程度の長さを有するガ
ラス長繊維においては、そのような粉砕によっても、目
的とする中空成形品10に対して優れた強度を与え得る
2.0mm以上の平均繊維長が確保されるからである。
また、目的とする中空成形品10に対して、より優れた
強度を与えるためには、ペレット状のガラス繊維強化樹
脂材料に含まれるガラス長繊維が、該中空成形品10に
おいて、パリソン28の肉厚寸法よりも長い平均繊維
長、具体的には3.0〜8.0mm程度の平均繊維長を
確保し得る長さとされていることが、望ましい。
ガラス繊維強化樹脂材料に含まれるガラス長繊維として
は、8〜12mm程度の長さを有するものが、有利に用
いられる。けだし、ガラス繊維強化樹脂材料の押出し機
24内での加熱溶融過程や、該押出し機24からの押出
し過程では、ガラス長繊維が粉砕されて、不可避的に短
くなってしまうが、8〜12mm程度の長さを有するガ
ラス長繊維においては、そのような粉砕によっても、目
的とする中空成形品10に対して優れた強度を与え得る
2.0mm以上の平均繊維長が確保されるからである。
また、目的とする中空成形品10に対して、より優れた
強度を与えるためには、ペレット状のガラス繊維強化樹
脂材料に含まれるガラス長繊維が、該中空成形品10に
おいて、パリソン28の肉厚寸法よりも長い平均繊維
長、具体的には3.0〜8.0mm程度の平均繊維長を
確保し得る長さとされていることが、望ましい。
【0024】そして、上述のようにして、円筒状のパリ
ソン28を成形する途中で、或いはその成形の前、若し
くは後で、目的とする中空成形品10の表皮部14を与
える布地36を、前記ブロー成形用金型20における右
型18の右型側キャビティ面32を形成する凹所を覆蓋
して、垂れ下げられるように配置する。なお、この布地
36としては、高温のパリソン28と接触せしめられた
際に、該パリソン28の熱が伝わり難く、しかも、何等
燃焼することのない不燃性乃至は難燃性を有し、更に、
かかるパリソン28との接触下において、後述する如き
圧縮空気の吹き込みによるパリソン28の膨張に伴っ
て、該パリソン28の膨張を妨げることなく延伸せしめ
られる伸縮性を備えているものが、用いられる。
ソン28を成形する途中で、或いはその成形の前、若し
くは後で、目的とする中空成形品10の表皮部14を与
える布地36を、前記ブロー成形用金型20における右
型18の右型側キャビティ面32を形成する凹所を覆蓋
して、垂れ下げられるように配置する。なお、この布地
36としては、高温のパリソン28と接触せしめられた
際に、該パリソン28の熱が伝わり難く、しかも、何等
燃焼することのない不燃性乃至は難燃性を有し、更に、
かかるパリソン28との接触下において、後述する如き
圧縮空気の吹き込みによるパリソン28の膨張に伴っ
て、該パリソン28の膨張を妨げることなく延伸せしめ
られる伸縮性を備えているものが、用いられる。
【0025】次いで、図3に示されるように、右型18
と左型16とを、互いの対向方向たる左右方向に移動さ
せて、型合わせする。これによって、型合わせされた右
型18と左型16との間に前記成形キャビティ34を形
成すると共に、右型18と左型16の型開き状態下で、
それらの間に垂下して配置されていた円筒状のパリソン
28と、右型18の右型側キャビティ面32を形成する
凹所を覆蓋するように配置された前記布地36のそれぞ
れの上部及び下部を、右型18と左型16の互いの型合
わせ部位にて挟み込むと共に、それらパリソン28と布
地36のそれぞれの中間部を、前記形成された成形キャ
ビティ34内に収容せしめる。
と左型16とを、互いの対向方向たる左右方向に移動さ
せて、型合わせする。これによって、型合わせされた右
型18と左型16との間に前記成形キャビティ34を形
成すると共に、右型18と左型16の型開き状態下で、
それらの間に垂下して配置されていた円筒状のパリソン
28と、右型18の右型側キャビティ面32を形成する
凹所を覆蓋するように配置された前記布地36のそれぞ
れの上部及び下部を、右型18と左型16の互いの型合
わせ部位にて挟み込むと共に、それらパリソン28と布
地36のそれぞれの中間部を、前記形成された成形キャ
ビティ34内に収容せしめる。
【0026】その際、パリソン28は、ブロー成形用金
型20の型締め圧により、右型18と左型16の互いの
型合わせ部位にて挟まれた上部と下部のそれぞれの左右
方向に対向する内面同士が密着せしめられて、気密に閉
塞される。また、該パリソン28の中間部においては、
左型16の左型側キャビティ面30側に位置する部位
が、該左型側キャビティ面30に接触せしめられる一
方、右型18の右型側キャビティ面32側に位置する部
位が、該右型側キャビティ面32に対して間隔をおいた
状態で、成形キャビティ34内に収容された前記布地3
6に接触せしめられて、配置される。かくして、成形キ
ャビティ34内に収容されたパリソン28にあっては、
気密に密閉された袋形状とされるのであり、また、左型
側キャビティ面30に接触せしめられた部位が、その表
面部分において、該左型側キャビティ面30に熱を奪わ
れて固化し、流動性が低下するものの、布地36に接触
せしめられた部位は、該布地36が熱を伝え難いもので
あるために、固化することも、流動性が損なわれること
もなく、従って、左型側キャビティ面30との接触部位
以外では、流動性が良好に維持されることとなる。
型20の型締め圧により、右型18と左型16の互いの
型合わせ部位にて挟まれた上部と下部のそれぞれの左右
方向に対向する内面同士が密着せしめられて、気密に閉
塞される。また、該パリソン28の中間部においては、
左型16の左型側キャビティ面30側に位置する部位
が、該左型側キャビティ面30に接触せしめられる一
方、右型18の右型側キャビティ面32側に位置する部
位が、該右型側キャビティ面32に対して間隔をおいた
状態で、成形キャビティ34内に収容された前記布地3
6に接触せしめられて、配置される。かくして、成形キ
ャビティ34内に収容されたパリソン28にあっては、
気密に密閉された袋形状とされるのであり、また、左型
側キャビティ面30に接触せしめられた部位が、その表
面部分において、該左型側キャビティ面30に熱を奪わ
れて固化し、流動性が低下するものの、布地36に接触
せしめられた部位は、該布地36が熱を伝え難いもので
あるために、固化することも、流動性が損なわれること
もなく、従って、左型側キャビティ面30との接触部位
以外では、流動性が良好に維持されることとなる。
【0027】次に、図4に示される如く、押出し機24
の押出しダイを構成する中空のマンドレル38を下降さ
せて、該マンドレル38の先端部に設けられた圧縮空気
吹出ノズル40を、右型18と左型16の互いの型合わ
せ部位にて挟まれたパリソン28の上部に刺し通し、該
圧縮空気吹出ノズル40の先端を、成形キャビティ34
内に配置されたパリソン28内に突入せしめ、その後、
この圧縮空気吹出ノズル40を通じて、気密に密閉され
た袋形状を呈するパリソン28の内部に圧縮空気を吹き
込む。これにより、パリソン28が、前記固化された左
型側キャビティ面30との接触部位以外の部位におい
て、圧縮空気の吹込量に応じて、徐々に且つ均等に膨張
せしめられ、また、該パリソン28に接触する布地36
も、該パリソン28の膨張に伴って、徐々に延伸せしめ
られることとなる。
の押出しダイを構成する中空のマンドレル38を下降さ
せて、該マンドレル38の先端部に設けられた圧縮空気
吹出ノズル40を、右型18と左型16の互いの型合わ
せ部位にて挟まれたパリソン28の上部に刺し通し、該
圧縮空気吹出ノズル40の先端を、成形キャビティ34
内に配置されたパリソン28内に突入せしめ、その後、
この圧縮空気吹出ノズル40を通じて、気密に密閉され
た袋形状を呈するパリソン28の内部に圧縮空気を吹き
込む。これにより、パリソン28が、前記固化された左
型側キャビティ面30との接触部位以外の部位におい
て、圧縮空気の吹込量に応じて、徐々に且つ均等に膨張
せしめられ、また、該パリソン28に接触する布地36
も、該パリソン28の膨張に伴って、徐々に延伸せしめ
られることとなる。
【0028】なお、このようなパリソン28内への圧縮
空気の吹込みによるパリソン28の膨張工程では、前述
の如く、成形キャビティ34の右型側キャビティ面32
が、矩形凹所形態を有しているところから、パリソン2
8の膨張部位において、布地36を介して右型側キャビ
ティ面32に接触する部分と、未だ接触されない部分と
が不可避的に生ずるが、パリソン28の右型側キャビテ
ィ面32との未接触部分については、右型側キャビティ
面32への伝熱が生ずることが勿論なく、布地36を介
して右型側キャビティ面32に接触する部分にあって
も、布地36が熱を伝え難いものであるために、右型側
キャビティ面32への伝熱速度が有利に遅くされて、該
キャビティ面32への伝熱による熱の損失量が有利に低
減される。従って、かかるパリソン28の膨張工程にお
いては、パリソン28の膨張部位が、右型側キャビティ
面32に熱を奪われて固化するようなことが効果的に阻
止されて、該パリソン28の膨張部位の全部において、
流動性が良好に維持され、それによって、圧縮空気の吹
き込み圧力が、該パリソン28の膨張部位の全体に対し
て、略均一に分散して加えられて、パリソン28の更な
る膨張が良好に進行せしめられることとなる。このこと
から明らかなように、本実施形態においては、布地36
によって、熱伝導阻害部材が、構成されているのであ
る。
空気の吹込みによるパリソン28の膨張工程では、前述
の如く、成形キャビティ34の右型側キャビティ面32
が、矩形凹所形態を有しているところから、パリソン2
8の膨張部位において、布地36を介して右型側キャビ
ティ面32に接触する部分と、未だ接触されない部分と
が不可避的に生ずるが、パリソン28の右型側キャビテ
ィ面32との未接触部分については、右型側キャビティ
面32への伝熱が生ずることが勿論なく、布地36を介
して右型側キャビティ面32に接触する部分にあって
も、布地36が熱を伝え難いものであるために、右型側
キャビティ面32への伝熱速度が有利に遅くされて、該
キャビティ面32への伝熱による熱の損失量が有利に低
減される。従って、かかるパリソン28の膨張工程にお
いては、パリソン28の膨張部位が、右型側キャビティ
面32に熱を奪われて固化するようなことが効果的に阻
止されて、該パリソン28の膨張部位の全部において、
流動性が良好に維持され、それによって、圧縮空気の吹
き込み圧力が、該パリソン28の膨張部位の全体に対し
て、略均一に分散して加えられて、パリソン28の更な
る膨張が良好に進行せしめられることとなる。このこと
から明らかなように、本実施形態においては、布地36
によって、熱伝導阻害部材が、構成されているのであ
る。
【0029】引き続き、パリソン28の内部に、圧縮空
気を吹き込んで、図5に示されるように、パリソン28
を更に膨張させて、その全体を成形キャビティ34に対
応した形状に成形する。その後、押出し機24のマンド
レル38を上昇させて、該マンドレル38の先端部に設
けられた圧縮空気吹出ノズル40をパリソン28内から
引き抜き、更に、ブロー成形用金型20の上方で、円筒
状のパリソン28と布地36を切断する。そして、その
状態で、暫く放置して、成形キャビティ34に対応した
形状に成形されたパリソン28の全体を冷却し、固化さ
せることにより、矩形筐体形状を呈し、該矩形筐体形状
の六つの壁部のうちの五つの壁部の表面に布地36が一
体的に積層形成されてなる中間製品42を得る。
気を吹き込んで、図5に示されるように、パリソン28
を更に膨張させて、その全体を成形キャビティ34に対
応した形状に成形する。その後、押出し機24のマンド
レル38を上昇させて、該マンドレル38の先端部に設
けられた圧縮空気吹出ノズル40をパリソン28内から
引き抜き、更に、ブロー成形用金型20の上方で、円筒
状のパリソン28と布地36を切断する。そして、その
状態で、暫く放置して、成形キャビティ34に対応した
形状に成形されたパリソン28の全体を冷却し、固化さ
せることにより、矩形筐体形状を呈し、該矩形筐体形状
の六つの壁部のうちの五つの壁部の表面に布地36が一
体的に積層形成されてなる中間製品42を得る。
【0030】その後、図示されてはいないものの、左型
16と右型18を左右方向に移動させて、ブロー成形用
金型20の型開きを行い、上述の如くして得られた中間
製品42をブロー成形用金型20から取り出し、そし
て、最後に、中間製品42の上下の両端部位を切断し
て、角筒形状と為す。これによって、図1に示される如
く、ガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材料から
なる基部12と、該基部12の表面に積層された布製の
表皮部14とからなる角筒状の一体品にて構成された、
目的とするガラス繊維強化樹脂製中空成形品10を得る
のである。
16と右型18を左右方向に移動させて、ブロー成形用
金型20の型開きを行い、上述の如くして得られた中間
製品42をブロー成形用金型20から取り出し、そし
て、最後に、中間製品42の上下の両端部位を切断し
て、角筒形状と為す。これによって、図1に示される如
く、ガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材料から
なる基部12と、該基部12の表面に積層された布製の
表皮部14とからなる角筒状の一体品にて構成された、
目的とするガラス繊維強化樹脂製中空成形品10を得る
のである。
【0031】このように、本実施形態では、パリソン2
8の膨張工程において、パリソン28の膨張部位全部に
おける流動性が良好に維持されて、圧縮空気の吹き込み
圧力が、該パリソン28の膨張部位の全体に対して、略
均一に分散して加えられ、以て、パリソン28の更なる
膨張が良好に進行せしめられるようになっているところ
から、パリソン28がガラス長繊維を用いたガラス繊維
強化樹脂材料にて構成されているにも拘わらず、パリソ
ン28を、破断等の成形不良を惹起せしめることなく良
好に膨張させて、ブロー成形することが出来るのであ
る。
8の膨張工程において、パリソン28の膨張部位全部に
おける流動性が良好に維持されて、圧縮空気の吹き込み
圧力が、該パリソン28の膨張部位の全体に対して、略
均一に分散して加えられ、以て、パリソン28の更なる
膨張が良好に進行せしめられるようになっているところ
から、パリソン28がガラス長繊維を用いたガラス繊維
強化樹脂材料にて構成されているにも拘わらず、パリソ
ン28を、破断等の成形不良を惹起せしめることなく良
好に膨張させて、ブロー成形することが出来るのであ
る。
【0032】従って、本実施形態に係るブロー成形方法
によれば、従来手法では困難であったガラス長繊維を用
いたガラス繊維強化樹脂製の中空成形品10の成形が、
確実に可能ならしめられ得るのであり、その結果とし
て、30%程度といった、さほど高くないガラス繊維の
添加量で、従来のガラス短繊維を用いたガラス繊維強化
樹脂製の中空成形品では対応が困難な高い要求強度に十
分に応え得るガラス繊維強化樹脂製中空成形品10を、
良好な品質をもって、有利に成形することが出来るので
ある。
によれば、従来手法では困難であったガラス長繊維を用
いたガラス繊維強化樹脂製の中空成形品10の成形が、
確実に可能ならしめられ得るのであり、その結果とし
て、30%程度といった、さほど高くないガラス繊維の
添加量で、従来のガラス短繊維を用いたガラス繊維強化
樹脂製の中空成形品では対応が困難な高い要求強度に十
分に応え得るガラス繊維強化樹脂製中空成形品10を、
良好な品質をもって、有利に成形することが出来るので
ある。
【0033】また、本実施形態にあっては、目的とする
中空成形品10の意匠性を高めるために該中空成形品1
0の表面に積層される表皮部14の構成材料たる布地3
6を、単に、パリソン28の膨張部位と成形キャビティ
34の右型側キャビティ面32との間に配置しておくだ
けで、パリソン28内への圧縮空気の吹き込みにより、
パリソン28が、破断等の成形不良を惹起せしめること
なく良好に膨張せしめられて、ブロー成形されるように
なっているところから、面倒な工程を付加することな
く、また、特別な部材等を用いることもなく、ガラス長
繊維を用いたガラス繊維強化樹脂製の中空成形品10
が、極めて容易に且つ経済的に成形され得るのである。
中空成形品10の意匠性を高めるために該中空成形品1
0の表面に積層される表皮部14の構成材料たる布地3
6を、単に、パリソン28の膨張部位と成形キャビティ
34の右型側キャビティ面32との間に配置しておくだ
けで、パリソン28内への圧縮空気の吹き込みにより、
パリソン28が、破断等の成形不良を惹起せしめること
なく良好に膨張せしめられて、ブロー成形されるように
なっているところから、面倒な工程を付加することな
く、また、特別な部材等を用いることもなく、ガラス長
繊維を用いたガラス繊維強化樹脂製の中空成形品10
が、極めて容易に且つ経済的に成形され得るのである。
【0034】以上、本発明の具体的な構成について詳述
してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであっ
て、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受
けるものではない。
してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであっ
て、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受
けるものではない。
【0035】例えば、前記実施形態では、目的とする中
空成形品10の基部12を与える、ガラス長繊維を用い
たガラス繊維強化樹脂材料として、ポリプロピレンに、
平均繊維長が2.0mm以上程度のガラス長繊維が30
%(重量%)程度、含有(添加)されてなるものが用い
られていたが、かかるガラス繊維強化樹脂材料として
は、ポリプロピレン以外の熱可塑性樹脂に、ガラス長繊
維が含有されてなる材料も、勿論使用され得る。また、
それらの熱可塑性樹脂に含有されるガラス長繊維の添加
量やその平均繊維長も、前記実施形態に示されるもの
に、特に限定されるところではないものの、一般的に
は、ガラス長繊維の含有により得られる強度の向上効果
が確保するために、ガラス長繊維の平均繊維長が、2.
0mm以上、好ましくは3.0〜8.0mm程度とさ
れ、更に、その含有量は、パリソン28の必要な大きさ
の膨張率を確保する上で、通常、20〜40%程度(重
量%)とされる。
空成形品10の基部12を与える、ガラス長繊維を用い
たガラス繊維強化樹脂材料として、ポリプロピレンに、
平均繊維長が2.0mm以上程度のガラス長繊維が30
%(重量%)程度、含有(添加)されてなるものが用い
られていたが、かかるガラス繊維強化樹脂材料として
は、ポリプロピレン以外の熱可塑性樹脂に、ガラス長繊
維が含有されてなる材料も、勿論使用され得る。また、
それらの熱可塑性樹脂に含有されるガラス長繊維の添加
量やその平均繊維長も、前記実施形態に示されるもの
に、特に限定されるところではないものの、一般的に
は、ガラス長繊維の含有により得られる強度の向上効果
が確保するために、ガラス長繊維の平均繊維長が、2.
0mm以上、好ましくは3.0〜8.0mm程度とさ
れ、更に、その含有量は、パリソン28の必要な大きさ
の膨張率を確保する上で、通常、20〜40%程度(重
量%)とされる。
【0036】また、前記実施形態では、熱伝導阻害部材
が、意匠上の理由から中空成形品10の表面に積層され
る表皮部14の構成材料たる布地36によって構成され
ていたが、かかる布地36が、中空成形品10の意匠部
材として用いられるものでなくとも、何等差し支えな
い。
が、意匠上の理由から中空成形品10の表面に積層され
る表皮部14の構成材料たる布地36によって構成され
ていたが、かかる布地36が、中空成形品10の意匠部
材として用いられるものでなくとも、何等差し支えな
い。
【0037】さらに、かかる熱伝導阻害部材は、圧縮空
気の吹き込みによるパリソンの膨張に伴って延伸せしめ
られ、且つ該パリソンと成形キャビティのキャビティ面
との接触によるそれらの間の熱伝導を阻害し得るもので
あれば、その材質が、前記実施形態に示されるものに、
決して限定されるものではなく、布地36に代えて、ガ
ラス繊維を含まない、熱可塑性樹脂材料や熱可塑性エラ
ストマー材料、ゴム材料等からなるシート材やフィルム
材、例えば、塩化ビニル樹脂製や熱可塑性ポリオレフィ
ン系エラストマー製のシート、或いはアクリル樹脂を主
体とした材料からなる、厚さが100〜300μm程度
のフィルム、所謂インモールドフィルム等にて、熱伝導
阻害部材を構成しても良い。
気の吹き込みによるパリソンの膨張に伴って延伸せしめ
られ、且つ該パリソンと成形キャビティのキャビティ面
との接触によるそれらの間の熱伝導を阻害し得るもので
あれば、その材質が、前記実施形態に示されるものに、
決して限定されるものではなく、布地36に代えて、ガ
ラス繊維を含まない、熱可塑性樹脂材料や熱可塑性エラ
ストマー材料、ゴム材料等からなるシート材やフィルム
材、例えば、塩化ビニル樹脂製や熱可塑性ポリオレフィ
ン系エラストマー製のシート、或いはアクリル樹脂を主
体とした材料からなる、厚さが100〜300μm程度
のフィルム、所謂インモールドフィルム等にて、熱伝導
阻害部材を構成しても良い。
【0038】なお、熱伝導阻害部材を、布地36にて構
成する場合にあっても、高温のパリソン28との接触時
に、該パリソン28の熱が伝わり難く、且つ何等燃焼す
ることのない不燃性乃至は難燃性と、パリソン28の膨
張を妨げることなく延伸せしめられる伸縮性とを有する
ものであれば、その種類が、特に限定されるものではな
い。つまり、布地36が、天然繊維からなるものであっ
ても、化学繊維からなるものであっても良く、また、そ
れらの繊維が編織されてなる編織物でも、編織されてい
ない不織布でも良いのである。
成する場合にあっても、高温のパリソン28との接触時
に、該パリソン28の熱が伝わり難く、且つ何等燃焼す
ることのない不燃性乃至は難燃性と、パリソン28の膨
張を妨げることなく延伸せしめられる伸縮性とを有する
ものであれば、その種類が、特に限定されるものではな
い。つまり、布地36が、天然繊維からなるものであっ
ても、化学繊維からなるものであっても良く、また、そ
れらの繊維が編織されてなる編織物でも、編織されてい
ない不織布でも良いのである。
【0039】また、熱伝導阻害部材を、ガラス繊維を含
まない、熱可塑性樹脂材料や熱可塑性エラストマー材料
にて構成する場合にあっては、例えば、図6に示される
如く、かかる熱可塑性樹脂材料若しくは熱可塑性エラス
トマー材料にて構成された円筒状の熱伝導阻害部材44
の内側に、ガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材
料からなるパリソン28が内側に位置せしめられて構成
された二層構造の予備成形体46を成形可能なブロー成
形装置26を用い、このブロー成形装置26にて成形さ
れた予備成形体46を、ブロー成形用金型20の成形キ
ャビティ34内に収容せしめ、そして、パリソン28内
に圧縮空気等を吹き込んで、パリソン28を膨張させ
る、所謂2重層式のブロー成形を行う方法が、有利に採
用される。このようにすれば、パリソン28を成形し
て、ブロー成形用金型20の成形キャビティ34内に配
置すると同時に、熱伝導阻害部材44を、それらパリソ
ン28と成形キャビティ34のキャビティ面30,32
との間に介在せしめることが出来、それによって、熱伝
導阻害部材44の配置工程が有利に省かれ得、以て、目
的とする中空成形品が、より一層簡単に且つ迅速に成形
され得ることとなる。
まない、熱可塑性樹脂材料や熱可塑性エラストマー材料
にて構成する場合にあっては、例えば、図6に示される
如く、かかる熱可塑性樹脂材料若しくは熱可塑性エラス
トマー材料にて構成された円筒状の熱伝導阻害部材44
の内側に、ガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材
料からなるパリソン28が内側に位置せしめられて構成
された二層構造の予備成形体46を成形可能なブロー成
形装置26を用い、このブロー成形装置26にて成形さ
れた予備成形体46を、ブロー成形用金型20の成形キ
ャビティ34内に収容せしめ、そして、パリソン28内
に圧縮空気等を吹き込んで、パリソン28を膨張させ
る、所謂2重層式のブロー成形を行う方法が、有利に採
用される。このようにすれば、パリソン28を成形し
て、ブロー成形用金型20の成形キャビティ34内に配
置すると同時に、熱伝導阻害部材44を、それらパリソ
ン28と成形キャビティ34のキャビティ面30,32
との間に介在せしめることが出来、それによって、熱伝
導阻害部材44の配置工程が有利に省かれ得、以て、目
的とする中空成形品が、より一層簡単に且つ迅速に成形
され得ることとなる。
【0040】さらに、ブロー成形装置26の構造も、前
記実施形態に示されるものに、決して限定されることは
なく、例えば、押出し機24に代えて、射出成形機を用
い、この射出成形機にて、パリソン28を成形するよう
にしても良く、或いはブロー成形用金型20として、上
下方向に移動可能に対向配置された上型と下型とを有し
てなるものを用いることも可能である。尤も、そのよう
な押出し機や射出成形機等のパリソンの成形装置と、該
パリソンをブロー成形するブロー成形用金型とが一体的
に装備されたブロー成形装置を何等用いることなく、互
いに独立して構成されたパリソン成形装置とブロー成形
用金型とを使用しても、勿論良い。
記実施形態に示されるものに、決して限定されることは
なく、例えば、押出し機24に代えて、射出成形機を用
い、この射出成形機にて、パリソン28を成形するよう
にしても良く、或いはブロー成形用金型20として、上
下方向に移動可能に対向配置された上型と下型とを有し
てなるものを用いることも可能である。尤も、そのよう
な押出し機や射出成形機等のパリソンの成形装置と、該
パリソンをブロー成形するブロー成形用金型とが一体的
に装備されたブロー成形装置を何等用いることなく、互
いに独立して構成されたパリソン成形装置とブロー成形
用金型とを使用しても、勿論良い。
【0041】加えて、前記実施形態では、全体として、
角筒形状を呈するガラス繊維強化樹脂製中空成形品のブ
ロー成形方法に対して、本発明を適用したものの具体例
を示したが、本発明は、その他、角筒形状以外の形状を
有するガラス繊維強化樹脂製中空成形品のブロー成形方
法の何れ対しても、有利に採用され得るものであること
は、勿論である。
角筒形状を呈するガラス繊維強化樹脂製中空成形品のブ
ロー成形方法に対して、本発明を適用したものの具体例
を示したが、本発明は、その他、角筒形状以外の形状を
有するガラス繊維強化樹脂製中空成形品のブロー成形方
法の何れ対しても、有利に採用され得るものであること
は、勿論である。
【0042】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りに
おいて、何れも、本発明の範囲内に含まれるものである
ことが、理解されるべきである。
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りに
おいて、何れも、本発明の範囲内に含まれるものである
ことが、理解されるべきである。
【0043】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に従うガラス繊維強化樹脂製中空成形品のブロー成形
方法によれば、ガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹
脂材料からなるパリソンを、破断等の成形不良を惹起せ
しめることなく良好に膨張させて、ブロー成形すること
が出来るのであり、その結果として、限られた範囲内で
のガラス繊維の含有量で、より高い強度を有するガラス
繊維強化樹脂製中空成形品を、良好な品質をもって、有
利に成形することが可能となるのである。
明に従うガラス繊維強化樹脂製中空成形品のブロー成形
方法によれば、ガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹
脂材料からなるパリソンを、破断等の成形不良を惹起せ
しめることなく良好に膨張させて、ブロー成形すること
が出来るのであり、その結果として、限られた範囲内で
のガラス繊維の含有量で、より高い強度を有するガラス
繊維強化樹脂製中空成形品を、良好な品質をもって、有
利に成形することが可能となるのである。
【図1】本発明手法に従って成形された中空成形品の縦
断面説明図である。
断面説明図である。
【図2】本発明手法に従って、図1に示された中空成形
品を成形する工程の一例を示す説明図であって、パリソ
ンと布地とをブロー成形用金型の左型と右型との間に位
置せしめた状態を示している。
品を成形する工程の一例を示す説明図であって、パリソ
ンと布地とをブロー成形用金型の左型と右型との間に位
置せしめた状態を示している。
【図3】本発明手法に従って中空成形品を成形する工程
の別の例を示す説明図であって、ブロー成形用金型を型
締めして、成形キャビティ内に、パリソンと布地とを収
容せしめた状態を示している。
の別の例を示す説明図であって、ブロー成形用金型を型
締めして、成形キャビティ内に、パリソンと布地とを収
容せしめた状態を示している。
【図4】本発明手法に従って中空成形品を成形する工程
の更に別の例を示す説明図であって、パリソンの内部に
圧縮空気を吹き込んで、パリソンを膨張変形させた状態
を示している。
の更に別の例を示す説明図であって、パリソンの内部に
圧縮空気を吹き込んで、パリソンを膨張変形させた状態
を示している。
【図5】本発明手法に従って中空成形品を成形する工程
の他の例を示す説明図であって、パリソンの内部に圧縮
空気を更に吹き込んで、パリソンを成形キャビティに対
応した形状に成形して、中間製品を製造した状態を示し
ている。
の他の例を示す説明図であって、パリソンの内部に圧縮
空気を更に吹き込んで、パリソンを成形キャビティに対
応した形状に成形して、中間製品を製造した状態を示し
ている。
【図6】本発明手法に従って、図1に示された中空成形
品とは異なる中空成形品を成形する工程の一例を示す図
3に対応する図である。
品とは異なる中空成形品を成形する工程の一例を示す図
3に対応する図である。
10 中空成形品 12 基部 14 表皮部 20 ブロー成形
用金型 24 押出し機 26 ブロー成形
装置 28 パリソン 30 左型側キャ
ビティ面 32 右型側キャビティ面 34 成形キャビ
ティ 36 布地 42 中間製品 44 熱伝導阻害部材 46 予備成形体
用金型 24 押出し機 26 ブロー成形
装置 28 パリソン 30 左型側キャ
ビティ面 32 右型側キャビティ面 34 成形キャビ
ティ 36 布地 42 中間製品 44 熱伝導阻害部材 46 予備成形体
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 22:00
Claims (4)
- 【請求項1】 目的とする中空成形品を与える成形キャ
ビティ内に、ガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂
材料からなるパリソンを熱可塑化状態で配置した後、該
パリソンの内部に気体を吹き込んで、該パリソンを膨張
させることにより、ガラス繊維強化樹脂製中空成形品を
ブロー成形する方法にして、 前記パリソン内部への気体の吹き込みによる膨張によっ
て前記成形キャビティのキャビティ面に最初に接触す
る、該パリソンの少なくとも一部の部位と該キャビティ
面との間に、該気体の吹き込みによるパリソンの膨張に
伴って延伸せしめられ、且つ該パリソンと前記キャビテ
ィ面との接触によるそれらの間の熱伝導を阻害する熱伝
導阻害部材を介在せしめた後、該パリソンの内部に気体
を吹き込むことを特徴とするガラス繊維強化樹脂製中空
成形品のブロー成形方法。 - 【請求項2】 前記熱伝導阻害部材を、前記パリソンか
ら成形される前記中空成形品の意匠面を与える表皮材に
て構成した請求項1に記載のガラス繊維強化樹脂製中空
成形品のブロー成形方法。 - 【請求項3】 前記熱伝導阻害部材を、ガラス繊維を含
まない熱可塑性樹脂材料若しくはガラス繊維を含まない
熱可塑性エラストマー材料にて構成し、熱可塑化状態で
前記パリソンと前記キャビティ面との間に介在せしめる
ようにした請求項1又は請求項2に記載のガラス繊維強
化樹脂製中空成形品のブロー成形方法。 - 【請求項4】 内側層が、前記パリソンを与える、前記
ガラス長繊維を用いたガラス繊維強化樹脂材料からな
り、且つ外側層が、前記熱伝導阻害部材を与える、ガラ
ス繊維を含まない熱可塑性樹脂材料若しくはガラス繊維
を含まない熱可塑性エラストマー材料にて構成された二
層構造の予備成形体を用い、かかる予備成形体を、熱可
塑化状態で前記成形キャビティ内に配置することによ
り、該パリソンと該成形キャビティのキャビティ面との
間に該熱伝導阻害部材を介在せしめるようにした請求項
3に記載のガラス繊維強化樹脂製中空成形品のブロー成
形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11175363A JP2001001391A (ja) | 1999-06-22 | 1999-06-22 | ガラス繊維強化樹脂製中空成形品のブロー成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11175363A JP2001001391A (ja) | 1999-06-22 | 1999-06-22 | ガラス繊維強化樹脂製中空成形品のブロー成形方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001001391A true JP2001001391A (ja) | 2001-01-09 |
Family
ID=15994785
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11175363A Pending JP2001001391A (ja) | 1999-06-22 | 1999-06-22 | ガラス繊維強化樹脂製中空成形品のブロー成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001001391A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010032394A1 (ja) * | 2008-09-18 | 2010-03-25 | 盟和産業株式会社 | パネル及びそのパネルの製造方法 |
JP2011136505A (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-14 | Minoru Kasei Kk | 繊維強化ブロー成形体及びその製造方法 |
WO2014208746A1 (ja) * | 2013-06-28 | 2014-12-31 | 大日本印刷株式会社 | ブロー成形方法、複合プリフォーム、複合容器、内側ラベル部材およびプラスチック製部材 |
JP2015009493A (ja) * | 2013-06-28 | 2015-01-19 | 大日本印刷株式会社 | ブロー成形方法および複合プリフォーム |
JP2015009494A (ja) * | 2013-06-28 | 2015-01-19 | 大日本印刷株式会社 | ブロー成形方法および複合容器 |
JP2015128857A (ja) * | 2014-01-07 | 2015-07-16 | 大日本印刷株式会社 | ブロー成形方法、複合プリフォーム、複合容器およびプラスチック製部材 |
JP2016519623A (ja) * | 2013-03-29 | 2016-07-07 | プラスチック・オムニウム・アドヴァンスド・イノベーション・アンド・リサーチ | 燃料タンク又は注入管を製造する方法、及びハイブリッド車におけるそれらの使用 |
JP2016183316A (ja) * | 2015-03-26 | 2016-10-20 | Dic株式会社 | 長繊維強化ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形品およびそれらの製造方法 |
JP2018099901A (ja) * | 2018-03-29 | 2018-06-28 | 大日本印刷株式会社 | ブロー成形方法および複合容器 |
-
1999
- 1999-06-22 JP JP11175363A patent/JP2001001391A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR102319921B1 (ko) | 2013-06-28 | 2021-11-01 | 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 | 블로우 성형 방법, 복합 프리폼, 복합 용기, 내측 라벨 부재 및 플라스틱제 부재 |
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